JP4023090B2 - 磁気記録テープ用二軸配向ポリエステルフィルムおよび磁気記録テープ - Google Patents

磁気記録テープ用二軸配向ポリエステルフィルムおよび磁気記録テープ Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、二軸配向ポリエステルフィルムおよびその製造方法に関する。特に高密度磁気記録媒体用ベースフィルムとして好適な二軸配向ポリエステルフィルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】
二軸配向ポリエステルフィルムはその優れた熱特性、寸法安定性および機械特性から各種用途に使用されており、特に磁気テープ用などのベースフィルムとしての有用性は周知である。近年、磁気テープは機材の軽量化、小型化と長時間記録化のためにベースフィルムの一層の薄膜化と高密度記録化が要求されている。しかしながら、薄膜化すると機械的強度が不十分となってフィルムの腰の強さが弱くなったり、伸びやすくなる為、例えば磁気テープ用途では、記録トラックのずれを起こしやすくなったり、ヘッドタッチが悪化し電磁変換特性が低下するといったような問題点がある。したがって、張力によるテープの伸び変形、テープ使用環境での寸法安定性、走行耐久性および保存安定性といった特性の改善に対する要求がますます強くなっている。
【0003】
上記の要求に応え得るベースフィルムとして、従来からアラミドフィルムが、強度、寸法安定性の点から使用されている。アラミドフィルムは高価格であるためコストの点では不利であるが、代替品が無いため使用されているのが現状である。
【0004】
一方、従来技術で得られている高強度化ポリエステルフィルム(例えば、特公昭42−9270号公報、特公昭43−3040号公報、特公昭46−1119号公報、特公昭46−1120号公報、特開昭50−133276号公報、USP4226826号等のフィルム)では、(1)使用時にテープが切断する、(2)幅方向の剛性不足によりエッジダメージが発生する、(3)記録トラックにずれが生じて記録再生時にエラーが発生する、(4)強度が不十分で薄膜対応が難しく、所望の電磁変換特性が得られない、等の多くの課題が残されている。大容量の高密度磁気記録用テープへの適用に際しては、特に(3)の課題が最も重要視されている。
【0005】
【発明の開示】
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果、達成されたものである。
【0007】
すなわち、本発明の目的は、トラックずれが小さく、走行耐久性および保存安定性に優れた、高密度磁気記録媒体用ベースフィルムとして好適な二軸配向ポリエステルフィルムおよびその製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、二軸配向ポリエステルフィルムのテープ使用環境を想定した張力、温度、湿度条件下での幅方向の寸法変化率の値を特定の範囲とすることにより、二軸配向ポリエステルフィルムを使用した磁気テープの記録トラックずれを低減し、走行耐久性、保存安定性を改良できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の目的は、以下の構成によって達成される。
(1) 49℃、90%RHの条件下、長手方向に32MPaの荷重をかけた状態で、72時間放置した場合における幅方向の寸法変化率(A)が−0.3〜0%の範囲である磁気記録テープ用二軸配向ポリエステルフィルム。
(2) (1)の条件における幅方向の寸法変化率(A)と長手方向の寸法変化率(B)の絶対値の比(|A|/|B|)が、0.1〜1.0の範囲である(1)に記載の磁気記録テープ用二軸配向ポリエステルフィルム。
(3) 幅方向の100℃の熱収縮率が、0〜0.5%以下の範囲である(1)記載の磁気記録テープ用二軸配向ポリエステルフィルム。
(4)長手方向と幅方向の弾性率の和が9〜30GPaの範囲である(1)記載の磁気記録テープ用二軸配向ポリエステルフィルム。
(5)長手方向の厚みむらが、5%以下である(1)記載の磁気記録テープ用二軸配向ポリエステルフィルム。
(6)ポリエーテルイミドを含有する(1)記載の磁気記録テープ用二軸配向ポリエステルフィルム。
(7)ポリエーテルイミドの重量分率が5〜30重量%である(6)に記載の磁気記録テープ用二軸配向ポリエステルフィルム。
(8)単一のガラス転移温度を有する(7)に記載の磁気記録テープ用二軸配向ポリエステルフィルム。
(9)ポリエステルがポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、またはこれらの共重合体または変性体である(1)記載の磁気記録テープ用二軸配向ポリエステルフィルム
【0012】
)(1)〜(9)のいずれかに記載の磁気記録テープ用二軸配向ポリエステルフィルムをベースフィルムとして用いた磁気記録テープ
【0013】
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】
本発明に用いられるポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールを主たる構成成分とするポリエステルである。
【0015】
芳香族ジカルボン酸成分としては例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸等を用いることができ、なかでも好ましくは、テレフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いることができる。脂環族ジカルボン酸成分としては例えば、シクロヘキサンジカルボン酸などを用いることができる。脂肪族ジカルボン酸成分としては例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等を用いることができる。これらの酸成分は一種のみ用いてもよく、二種以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシエトキシ安息香酸などのオキシ酸等を一部共重合してもよい。
【0016】
また、ジオール成分としては例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2’−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を用いることができる。なかでも好ましくは、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール等であり、特に好ましくは、エチレングリコールである。これらのジオール成分は一種のみ用いてもよく、二種以上併用してもよい。
【0017】
また、ポリエステルにはトリメリット酸、ピロメリット酸、グリセロール、ペンタエリスリトール、2,4−ジオキシ安息香酸、ラウリルアルコール、イソシアン酸フェニル等の他の化合物が、ポリマーが実質的に線上である範囲内で共重合されていてもよい。本発明のポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(以後PETと略称)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(以後PENと略称)、またはこれらの共重合体、および変性体が特に好ましい。
【0018】
本発明に用いられるポリエステルの固有粘度は、フィルムの寸法安定性、製膜安定性とポリエーテルイミド(以後PEIと略称)との混練のしやすさの観点から、好ましくは0.55〜2.0dl/g、より好ましくは0.58〜1.40dl/g、さらに好ましくは0.60〜0.85dl/gである。
【0019】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、不活性粒子を含有することが好ましい。不活性粒子としては、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、湿式または乾式シリカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、アルミナおよびジルコニア等の無機粒子、アクリル酸、スチレン等を構成成分とする有機粒子、ポリエステル重合反応時に添加する触媒等によって析出する、いわゆる内部粒子等を挙げることができる。この中でも、高分子架橋粒子、アルミナ、球状シリカ、ケイ酸アルミニウムが特に好ましい。
【0020】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、本発明を阻害しない範囲内で、その他の各種添加剤、例えば熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワックスなどの有機滑剤などを添加することもできる。
【0021】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムに含有される不活性粒子の平均粒径は0.001〜2μmが好ましく、より好ましくは0.005〜1μm、さらに好ましくは0.01〜0.5μmである。0.001μmより小さい場合は、フィルム表面突起としての役割を果たさないので好ましくなく、2μmより大きい場合には、粗大突起として脱落しやすくなるため好ましくない。
【0022】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムに含有される不活性粒子の含有量は、0.01〜3重量%が好ましく、より好ましくは0.02〜1重量%、さらに好ましくは0.05〜0.5重量%である。0.01重量%より少ない場合は、フィルムの走行特性等に有効でないので好ましくなく、3重量%より多い場合には、凝集して粗大突起となり脱落しやすくなるため好ましくない。
【0023】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、単層であっても良いし、2層以上の積層構造であっても良い。本発明では、フィルムの基層部の片側にフィルムの走行性やハンドリング性を良化させる役割を担うフィルム層を薄膜積層した2層構造をとるものが特に好ましい。なお、基層部とは、層厚みにおいて、最も厚みの厚い層のことであり、それ以外が積層部である。磁気材料用途で重要とされる弾性率や寸法安定性等の物性は、主に基層部の物性によって決定される。
【0024】
本発明のフィルム層の積層部は、不活性粒子の平均粒径d(nm)と積層厚さt(nm)との関係が、0.2d≦t≦10dである場合、均一な高さの突起が得られるため好ましい。
【0025】
本発明のポリエステルフィルムは、温度49℃、湿度90%RHの条件下、長手方向に32MPaの荷重をかけた状態で、72時間放置した場合における幅方向の寸法変化率(A)が、−0.3〜0%の範囲であることが特徴である。ここでマイナスは収縮していることを表してる。より好ましくは、−0.25〜0%の範囲、さらに好ましくは−0.2〜0%の範囲である。
【0026】
最近のデータ記録用磁気テープでは、特にテープ使用環境下での幅方向寸法変化によるトラックずれが問題となっている。テープ使用環境下では、磁気ヘッドとの摩擦熱等により温度が上昇する。従来のポリエステルフィルムは、寸法変化率(A)が−0.3%より小さかったが、寸法変化率(A)が−0.3%より小さいと、この時、幅方向へ収縮してしまい、トラックずれが起こる。また、磁気テープとして使用したときの走行耐久性が悪化したり、ドロップアウトが多発するなど、データの保存安定性が悪化する。また、寸法変化率(A)が0%より大きくなると、テープ加工時にしわが発生する。
【0027】
本発明のポリエステルフィルムにおいて、上記の条件における幅方向の寸法変化率(A)と長手方向の寸法変化率(B)の絶対値の比(|A|/|B|)は、張力によるテープの伸び変形抑制や、走行耐久性の観点から0.1以上が好ましく、ドロップアウトなどのデータの保存安定性の観点から1.0以下が好ましい。より好ましくは0.2〜0.9の範囲、さらに好ましくは0.3〜0.8の範囲である。
【0028】
本発明のポリエステルフィルムにおいて、幅方向の100℃熱収縮率は、テープ加工時のしわ発生抑制の観点からは0%以上であることが好ましく、データの保存安定性などの観点からは、0.5%以下であることが好ましい。より好ましくは0〜0.4%の範囲、さらに好ましくは0〜0.3%の範囲である。
【0029】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、走行耐久性、保存安定性、トラックずれ抑制の観点から、長手方向と幅方向の弾性率の和が9GPa以上であることが好ましく、テープ破断の抑制の観点から、30GPa以下であることが好ましい。より好ましくは10〜27GPaの範囲、さらに好ましくは11〜24GPaの範囲である。また、幅方向の弾性率は、長手方向への張力による幅方向の収縮抑制の観点から、4.5GPa以上であることが好ましく、長手方向の強度を抑制しない観点から13GPa以下であることが好ましい。より好ましくは5〜12GPaの範囲である。
【0030】
ポリエステルフィルムは、最近の用途においては、ハードウェアの高性能化により、特に高度な厚み均一性が要求されている。物性のむらを小さくする観点からポリエステルフィルムの長手方向の厚みむら、すなわちフィルムの厚い部分と薄い部分の厚みの差は、5%以下であることが好ましい。より好ましくは4%以下、さらに好ましくは2%以下である。例えば、磁気材料用途では、走行耐久性の向上、片伸びの抑制、フィルムにコーティングなどの加工処理、あるいは、一定幅へのスリット処理など二次加工をする際の蛇行や巻き乱れなどのトラブル防止の点からも、長手方向の厚みむらは小さいことが好ましい。
【0031】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムに、PEIを含有させることは、フィルムのガラス転移温度が上昇し、高温での寸法安全性が向上するため好ましい。特に、二軸配向ポリエステルフィルムに含有されるPEIの重量分率が5〜30重量%の範囲であると、幅方向の寸法変化率を本発明の範囲にすることが容易であるため好ましい。より好ましくは10〜25重量%の範囲である。また、PEIの含有量が上記の範囲内であると、延伸による強度が高いので好ましい。特にPEIの含有量が30重量%以下である場合は、フィルムの結晶性が大きくなるので好ましい。
【0032】
PEIを含有させた二軸配向ポリエステルフィルムは、単一のガラス転移温度(Tg)を有することが好ましい。フィルムが単一のTgを有するか否かは、示差走査熱分析、動的粘弾性測定等の各種分析を用いて適宜判断する。固体物性による方法のみで判定しにくい場合には、顕微鏡観察などの形態学的方法を併用しても良い。また、示差走査熱分析によってTgを判定する場合は、温度変調法や高感度法を使用することが有効である。なお、本発明では示差走査熱分析測定で検知される可逆的比熱変化が5mJ/g/℃以下のガラス転移温度は無視する。この判定において、フィルムが単一のTgを有する場合、フィルムの延伸性が大幅に向上し、フィルム破れの頻度が低くなったり、均一延伸性が大幅に向上するなど、高品質のフィルムが得られ易くなる。また、該単一のTgは、高温での寸法安定性の観点から、110℃以上であることが好ましい。Tgは、製膜安定性の観点から140℃以下であることが好ましい。Tgは、より好ましくは、113〜137℃の範囲、さらに好ましくは116〜134℃の範囲である。
【0033】
本発明に用いられるPEIとしては、脂肪族、脂環族または芳香族系のエーテル単位と環状イミド基を繰り返し単位として含有するポリマーであって、溶融成形性を有するポリマーであれば、特に限定されない。例えば、米国特許第4141927号に記載のポリマーである。本発明の効果を阻害しない範囲であれば、PEIの主鎖に環状イミド、エーテル単位以外の構造単位、例えば、芳香族、脂肪族、脂環族エステル単位、オキシカルボニル単位等が含有されていても良い。
【0034】
具体的なPEIとしては、下記一般式で示されるポリマーを例示することができる。
【0035】
【化1】
Figure 0004023090
【0036】
(ただし、上記式中R1は、6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族または脂肪族残基であり、R2は6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族残基、2〜20個の炭素原子を有するアルキレン基、2〜20個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、および2〜8個の炭素原子を有するアルキレン基で連鎖停止されたポリジオルガノシロキサン基からなる群より選択された2価の有機基である。)
上記R1、R2としては、例えば、下記式群に示される芳香族残基等を挙げることができる。
【0037】
【化2】
Figure 0004023090
【0038】
本発明では、ポリエステルとの相溶性、コスト、溶融成形性等の観点から、ガラス転移温度が350℃以下、より好ましくは250℃以下のPEIが好ましく、下記式で示される構造単位を有する、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物とm−フェニレンジアミンまたはp−フェニレンジアミンとの縮合物が好ましい。このPEIは、“Ultem”(登録商標)の商標名で、General Electric社より入手可能である。
【0039】
【化3】
Figure 0004023090
【0040】
または
【0041】
【化4】
Figure 0004023090
【0042】
本発明のポリエステルフィルムは、広角X線ディフラクトメーター法による結晶配向解析で、該ポリエステルフィルムをその法線を軸として回転した時に得られる、ポリエステル主鎖方向の結晶面の回折ピークの円周方向の半価幅が55〜85度の範囲であることが好ましい。ポリエステル主鎖方向の結晶面の回折ピークの円周方向の半価幅はポリエステルフィルムの結晶の配向の方向の分布の広がりを表すものであり、フィルムの引裂伝播抵抗が小さくなると起こる、テープ破断防止の観点から、半価幅は55度以上であることが好ましく、また、フィルムの面内の全方位に高強度であるフィルムを得る観点から、85度以下であることが好ましい。ここで、ポリエステル主鎖方向の結晶面とは、広角X線ディフラクトメーター法によって回折ピークとして検知される結晶面の中で、その法線がポリエステル主鎖方向に最も近い結晶面であり、PETでは(−105)面である。前記半価幅は、より好ましくは60〜83度の範囲、さらに好ましくは65〜80度の範囲が好ましい。
【0043】
本発明のポリエステルフィルムは、フィルムの厚み方向の屈折率(nZD)は、1.47〜1.485の範囲、面配向係数(fn)は0.175〜0.195の範囲が好ましい。本発明の厚み方向の屈折率(nZD)が1.485を越え、面配向係数(fn)が0.175未満の場合は、磁気テープの走行時に、テープにかかる応力による伸び変形が起こりやすくなり、トラックずれを起こしやすくなる。また厚み方向の屈折率(nZD)が1.47未満で、面配向係数(fn)が0.195を越える場合は、フィルムの引裂伝播抵抗が小さくなり、テープ破断が生じ易くなるので注意すべきである。本発明のフィルムの厚み方向の屈折率(nZD)は、1.473〜1.482の範囲、面配向係数(fn)は0.18〜0.193の範囲がより好ましい。
【0044】
本発明のポリエステルフィルムの密度は、十分構造固定し、テープの保存安定性を良好とする観点からは、1.39g/cm3以上が好ましく、また、フィルムの引裂伝播抵抗を維持し、テープ切断を抑制する観点から、1.405g/cm3以下が好ましい。
【0045】
本発明のポリエステルフィルムは、温湿度条件下での寸法安定性の観点からは、温度膨張係数(α)が、−5×10-6〜15×10-6(/℃)の範囲にあることが好ましい。ここで、−(マイナス)は収縮することを示している。より好ましくは、−4×10-6〜13×10-6(/℃)の範囲、さらに好ましくは、−3×10-6〜11×10-6(/℃)の範囲である。
【0046】
また、温度膨張係数と同様に、温湿度条件下での寸法安定性の観点から、湿度膨張係数(β)が、−2×10-6(/%RH)〜15×10-6(/%RH)の範囲にあることが好ましい。より好ましくは、−1×10-6(/%RH)〜13×10-6(/%RH)の範囲、さらに好ましくは、1×10-6(/%RH)〜10×10-6(/%RH)の範囲である。
【0047】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、一方のフィルム表面(A面)の表面粗さRaAは、磁気ヘッドとの摩擦軽減の観点から、3nm以上であることが好ましく、電磁変換特性の観点から10nm以下であることが好ましい。また、A面の反対側のフィルム表面(B面)の表面粗さRaBは、加工工程でのハンドリング性の観点から、5nm以上であることが好ましく、テープとして巻いたときの押し圧による転写軽減の観点から、17nm以下であることが好ましい。より好ましくはRaAが3〜9nm、RaBが6〜16nmの範囲であり、さらに好ましくはRaAが4〜8nm、RaBが7〜15nmの範囲である。
【0048】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、温度50℃、荷重28MPaの条件下で30分経時後のクリープコンプライアンスが、0.11〜0.45GPa-1の範囲が好ましい。本発明のクリープコンプライアンスは、テープの走行時あるいは保存時の張力によって起こるテープの伸び変形抑制や、記録再生時のトラックずれ抑制の観点から0.45GPa-1以下が好ましい。また、クリープコンプライアンスは、テープ破断抑制の観点から0.11GPa-1以上が好ましい。クリープコンプライアンスは、さらに好ましくは0.13〜0.37GPa-1、最も好ましくは、0.15〜0.30GPa-1の範囲である。ここで、クリープとは、一定応力のもとで歪みが時間と共に増大する現象のことであり、クリープコンプライアンスとは、この歪みと一定応力の比である。
【0049】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを、1/2インチ幅の磁気テープに加工し、後述の条件下で測定した幅方向のトラックずれが、テープの巻き姿、ドロップアウト抑制の観点から、0〜1μmの範囲であることが好ましい。また、該磁気テープの最大寸法変化幅は、テープの走行耐久性やデータの保存安定性の観点から、0〜3μmの範囲であることが好ましい。トラックずれについては、さらに好ましくは0〜0.8μm、最も好ましくは0〜0.5μmの範囲である。最大寸法変化幅については、さらに好ましくは、0〜2μm、最も好ましくは0〜1.5μmの範囲である。
【0050】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、磁気記録テープ用、コンデンサー用、感熱転写リボン用、感熱孔版印刷原紙用などに好ましく用いられる。特に好ましい用途は、均一で微細な表面形態を必要とするデータストレージ用などの高密度磁気記録媒体である、そのデータ記録容量としては、好ましくは30GB(ギガバイト)以上、より好ましくは70GB以上、さらに好ましくは100GB以上である。また、該高密度磁気記録媒体用ベースフィルムの厚みは、3〜7μmが好ましい。より好ましくは3.5〜6.5μm、さらに好ましくは4〜6μmである。
【0051】
磁気テープの磁性層としては、強磁性金属薄膜や、強磁性金属微粉末を結合剤中に分散してなる磁性層や金属酸化物塗布による磁性層などが好適な例として挙げられる。前記強磁性金属薄膜としては、鉄、コバルト、ニッケルやその他の合金等が好ましい。また、前記強磁性金属微粉末としては、強磁性六方晶フェライト微粉末や、鉄、コバルト、ニッケルやその他の合金等が好ましい。前記結合剤としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂や、これらの混合物などが好ましい。
【0052】
磁性層の形成法は、塗布法、乾式法のいずれの方式も採用できる。塗布法は、磁性粉を熱可塑性、熱硬化性、あるいは放射線硬化性などの結合剤と混練し、塗布、乾燥を行う方法である。乾式法は、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレコーティング法などにより、基材フィルム上に直接磁性金属薄膜層を形成する方法である。
【0053】
本発明の磁気記録媒体においては、強磁性金属薄膜上に保護膜が設けられていてもよく、この保護膜によって、さらに走行耐久性、耐食性を改善することができる。保護膜としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化コバルト、酸化ニッケルなどの酸化物保護膜、窒化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ素などの窒化物保護膜、炭化ケイ素、炭化クロム、炭化ホウ素等の炭化物保護膜、グラファイト、無定型カーボン等の炭素からなる炭素保護膜があげられる。
【0054】
前記炭素保護膜は、プラズマCVD法、スパッタリング法等で作成したアモルファス構造、グラファイト構造、ダイヤモンド構造、もしくはこれらの混合物からなるカーボン膜であり、特に好ましくは一般にダイヤモンドライクカーボンと呼ばれる硬質カーボン膜である。
【0055】
また、この硬質炭素保護膜上に付与する潤滑剤との密着をさらに向上させる目的で、硬質炭素保護膜表面を酸化性もしくは不活性気体のプラズマによって表面処理しても良い。
【0056】
本発明では、磁気記録媒体の走行耐久性および耐食性を改善するため、上記磁性膜もしくは保護膜上に、潤滑剤や防錆剤を付与することが好ましい。
【0057】
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂を溶融成形した未延伸フィルムを、逐次二軸延伸または/および同時二軸延伸により、長手方向と幅方向に高度に延伸配向を付与したフィルムである。本発明のポリエステルフィルムを得るための好ましい製造方法としては、以下の2種類の方法がある。
【0058】
1.未延伸フィルムを長手方向および幅方向に延伸した後、再度長手方向または/および幅方向の延伸を行い、その後熱固定処理および弛緩処理を施す方法であって、該弛緩処理を2段階以上の多段階で行い、合計の弛緩率を5〜10%の範囲とする。
【0059】
ポリエステルフィルムは、上記のように熱固定処理が施され、弛緩下で均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。熱固定処理の温度は190℃〜220℃が好ましく、さらに好ましくは、205℃〜220℃である。熱固定処理とは、延伸されたフィルムを延伸温度より高く、フィルムの融点より低い温度で熱処理することによってフィルムを結晶化させることである。熱固定処理によって、フィルムに平面性、熱寸法安定性が付与される。なお、熱固定処理は、フィルムの幅を一定に保って行うことが好ましいが、幅方向に弛緩させながら行うことにより熱固定処理と弛緩処理を同時に行っても良い。
【0060】
さらにこのフィルムを40〜180℃の温度で、幅方向に弛緩しながら冷却するのが好ましい。
【0061】
幅方向の合計弛緩率を5%以上とすることにより、幅方向の寸法変化率を本発明の範囲とすることができ、好ましい。膨張によるシワや厚みむら発生の抑制の観点から幅方向の合計弛緩率は10%以下であることが好ましい。より好ましくは6〜9%の範囲である。また、前記多段階の弛緩処理の温度は1段階目が120〜180℃の範囲、2段階目以降が100〜140℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは1段階目が125〜160℃の範囲、2段階目以降が110〜130℃の範囲である。弛緩率は(1段階目の弛緩率)>(2段階目以降の弛緩率)であることが好ましく、1段目は3〜7%の範囲、2段目以降は1〜4%の範囲が好ましい。このような条件で弛緩処理を行うことにより、フィルムの残留応力が軽減され、寸法変化がいっそう抑制される。ここで言う弛緩率は、1段目、2段目以降共に、最終の延伸後のフィルム幅に対しての値であり、トータルの弛緩率は、1段目と2段目以降の弛緩率の和より求められる。
【0062】
2.未延伸フィルムを長手方向および幅方向に延伸した後、ポリエステルのガラス転移温度(Tg)〜Tg+50℃の温度にて1.01〜1.3倍の倍率で幅方向に微延伸を施し、その後、再度長手方向または/および幅方向に延伸する。幅方向に微延伸を行うことによって、その後の再延伸によって、幅方向に配向を付与しやすくなり、幅方向の寸法変化率を本発明の範囲にすることができる。延伸温度は、より好ましくはTg+5〜Tg+45℃の範囲、さらに好ましくはTg+10〜Tg+40℃の範囲である。また延伸倍率は、より好ましくは1.05〜1.25倍の範囲、さらに好ましくは1.1〜1.2倍の範囲である。
【0063】
また、上記2の条件で延伸した後、さらに上記1の条件で熱固定処理および弛緩処理をすると、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの物性が得られやすいので、より好ましい。
【0064】
さらに、上記1.または2.の方法において、未延伸フィルムを長手方向および幅方向に延伸する際には、長手方向または/および幅方向に2段階以上の多段階で延伸することが好ましい。1段目の延伸温度(T1)をTg〜Tg+60℃の範囲として、1.2〜3.0倍の延伸倍率で延伸を行い、2段目以降の延伸温度を先の延伸温度(T1)−10〜T1−50℃の範囲に冷却して、1.2〜4.0倍の延伸倍率で行うことが好ましい。2段目の延伸温度(T2)を1段目の延伸温度より低くすることにより、フィルムの長手方向および幅方向の配向分布を小さくすることができるので好ましい。
【0065】
さらに、得られたフィルムのエッジを除去し、ロールに巻き取り、そのロール状フィルムを加熱された熱風オーブン内で熱処理することが好ましい。熱処理温度はTg−10〜Tg−60℃の範囲、より好ましくはTg−15〜Tg−55℃の範囲、さらに好ましくはTg−20〜Tg−50℃の範囲であり、熱処理時間は24〜360時間の範囲、より好ましくは、48〜240時間の範囲、さらに好ましくは72〜168時間の範囲である。
【0066】
以下に、具体的な製造方法をPETフィルムの逐次二軸延伸の場合を例として説明する。ただし、本発明は以下の説明によって限定されるものでない。
【0067】
まず、常法に従い、テレフタル酸とエチレングリコールをエステル化し、または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールをエステル交換し、ビス−β−ヒドロキシエチルテレフタレート(BHT)を得る。次にこのBHTを重合槽に移行し、真空下で280℃に加熱して重合反応を進める。ここで、固有粘度が0.5程度のポリエステルを得る。得られたポリエステルをペレット状で減圧下において固相重合する。固相重合する場合は、あらかじめ180℃以下の温度で予備結晶化させた後、190〜250℃で1mmHg程度の減圧下、10〜50時間固相重合させる。また、ポリエステルに粒子を含有させるために、上記の重合に際して、エチレングリコールに粒子を所定割合にてスラリーの形で分散させ、このエチレングリコールをテレフタル酸と重合させる方法が好ましい。粒子を添加する際には、例えば、粒子の合成時に得られる水ゾルやアルコールゾルを一旦乾燥させることなく添加すると粒子の分散性がよい。また、粒子の水スラリーをポリエステルのペレットと混合し、ベント式二軸混練押出機を用いて、ポリエステルに練り混む方法も有効である。粒子の含有量、個数を調整する方法としては、上記方法で高濃度の粒子マスターを作っておき、それをフィルム製膜時に粒子を実質的に含有しないポリエステルや他の熱可塑性樹脂またはそれらの混合物で希釈して、粒子の含有量を調整する方法が有効である。高濃度不活性粒子含有ポリエステルのペレットを、粒子を実質的に含有しないポリエステルのペレットと混合し、180℃で3時間以上、真空下で十分に乾燥して、270〜300℃の温度に加熱された押出機に供給して溶融させ、繊維焼結ステンレス金属フィルター内を通過させた後、T型口金よりシート状に押し出す。この溶融されたシートを、表面温度10〜40℃に冷却されたドラム上に静電気力で密着させて冷却固化し、実質的に無配向状態の未延伸ポリエステルフィルムを得る。
【0068】
次にこの未延伸ポリエステルフィルムに対し、下記(1)または(2)のような条件で延伸、熱固定処理、弛緩処理等を行う。
【0069】
(1)未延伸ポリエステルフィルムを加熱された数本のロール上を通過させて十分加熱した後、ロールの周速差を利用して長手方向に延伸する。延伸温度はポリエステルのガラス転移温度(Tg)+30〜Tg+70℃の範囲が好ましく、より好ましくはTg+35〜Tg+65℃の範囲である。延伸倍率は、3〜7倍の範囲が好ましく、より好ましくは、3.5〜6倍の範囲である。高倍率延伸を行う観点から、延伸温度がTg+30℃以上であることが好ましく、分子を有効に配向させて高弾性フィルムを得る観点から、Tg+70℃以下の延伸温度が好ましい。
【0070】
次に、得られた縦延伸後のフィルムを幅方向に延伸する。幅方向への延伸方法としては、ステンターなどを用いて行う。延伸温度は、Tg+10〜Tg+50℃の範囲が好ましく、より好ましくはTg+15〜Tg+45℃の範囲である。延伸倍率は、好ましくは3〜7倍の範囲、より好ましくは、3.5〜6倍の範囲である。幅方向延伸の条件も長手方向延伸の条件と同様に、高倍率延伸を行う観点から、延伸温度がTg+10℃以上であることが好ましく、分子を有効に配向させる観点から、Tg+50℃以下が好ましい。
【0071】
さらに同ステンター内で幅方向に微延伸を行う。延伸温度はTg〜Tg+50℃の範囲が好ましく、より好ましくはTg+10〜Tg+40℃の範囲である。延伸倍率は1.01〜1.3倍の範囲が好ましく、より好ましくは1.05〜1.25倍の範囲である。また、この微延伸を上記温度範囲内および延伸倍率範囲内で、段階的に昇温しながら2段階以上の多段階で行っても良い。この後さらに、再縦延伸あるいは/および再横延伸を行ってもよい。熱固定温度は190℃〜250℃の範囲が好ましく、より好ましくは、200℃〜240℃の範囲である。熱固定工程において、1ゾーン以上で1〜2倍延伸してもよい。
【0072】
さらにこのフィルムを40〜180℃の範囲の温度ゾーンで、幅方向に弛緩しながら冷却するのが好ましい。この場合、弛緩率は、3〜7%の範囲が好ましく、さらに好ましくは、3.5〜6.5%の範囲である。寸法安定性の観点から、熱固定温度は、205℃以上、弛緩率は3%以上が好ましい。その後、フィルムエッジを除去し、ロールに巻き取る。
【0073】
(2)未延伸ポリエステルフィルムをまず長手方向に延伸する。ポリエステルフィルムを十分加熱された数本のロール上を通過させて十分加熱した後、ロールの周速差を利用して長手方向に延伸する。延伸温度はTg〜Tg+60℃の範囲、延伸倍率は1.2倍〜3倍の範囲で延伸されることが好ましく、より好ましくは延伸温度がTg+15〜Tg+45℃の範囲、延伸倍率が1.5〜2.5倍の範囲である。
【0074】
得られた縦延伸後のフィルムを続いて幅方向に延伸する。幅方向への延伸方法としては、ステンターを用いて行う。延伸温度(T1)は先の長手方向延伸温度と同様にTg〜Tg+60℃の範囲、延伸倍率が1.2〜3倍の範囲で延伸されることが好ましく、より好ましくは延伸温度がTg+15〜Tg+45℃の範囲、延伸倍率が1.5〜2.5倍の範囲である。
【0075】
このようにして得られた縦横二軸延伸フィルムの複屈折(Δn)は、0〜0.02の範囲、好ましくは0〜0.01の範囲であることが好ましい。複屈折が上記範囲内である場合は、フィルム長手方向および幅方向にバランスのとれた機械強度や優れた熱収縮特性を有するフィルムを得ることができる。
【0076】
上記のようにして得られた二軸延伸フィルムを同一ステンター内で幅方向に再横延伸する。再延伸温度(T2)は先の横延伸温度(T1)−10〜T1−50℃の範囲、延伸倍率は1.2〜4倍の範囲で行うことにより、幅方向に無理なく延伸でき、幅方向の機械強度を向上させることができ、また幅方向延伸後に再縦延伸、再々横延伸を行う場合の延伸性も良好となるので好ましい。より好ましくは延伸温度がT1−20℃〜T1−40℃の範囲、延伸倍率が2〜3倍の範囲である。また、横延伸後に必要に応じて熱固定処理を行うこともできる。さらに上記のようにして得られたフィルムを再縦延伸する。延伸温度(T3)は先の再横延伸温度(T2)〜T2+60℃の範囲、延伸倍率は1.2〜6倍の範囲で行うことにより、長手方向に好適な配向が付与され縦横バランスのとれたフィルムとなるので好ましい。より好ましくは延伸温度が先の再横延伸温度(T2)+5〜T2+55℃の範囲、延伸倍率は2〜5倍の範囲である。また、再縦延伸を行うに際して上記延伸温度、倍率の範囲内であれば1段階の延伸で行っても、2段階以上の温度勾配をつけた多段延伸で行ってもよい。また、本発明では、再縦延伸後、再々横延伸を行うこともできる。再々横延伸は、延伸温度が先の再縦延伸温度(T3)〜ポリエステルの融解温度(Tm)−20℃の範囲、延伸倍率が1.05〜3倍の範囲で行うことが好ましい。
【0077】
このようにして得られたポリエステルフィルムは、平面性、熱寸法安定性を付与するために、弛緩下で熱固定処理が施され、均一に徐冷後室温まで冷やして巻き取られる。熱固定温度は190℃〜220℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは、205℃〜220℃の範囲である。さらにこのフィルムを40〜180℃の範囲の温度ゾーンで、幅方向に弛緩しながら冷却するのが好ましい。本発明では、弛緩率は、5〜10%の範囲が好ましく、さらに好ましくは、6〜9%の範囲である。寸法安定性の観点から、熱固定温度は、205℃以上、弛緩率は5%以上が好ましい。その後、フィルムエッジを除去し、ロールに巻き取る。
<物性値の評価方法>
(1)寸法変化率(A)、(B)(%)
サンプルサイズ:長手方向 100mm、幅方向 30mm
上記サンプルを、23℃、65%RH、無荷重の条件下にて、24時間調湿調温した後、大日本印刷(株)製クロムマスク上に、サンプルを静電気により貼り付け、光学顕微鏡を用いて、長手方向の長さ(L0L)および幅方向の長さ(L0W)を測定する。その後、49℃、90%RHの条件下、長手方向に32MPaの荷重をかけた状態で、72時間放置した。72時間後、荷重を解放し、23℃、65%RH、無荷重の条件下にて24時間調湿調温後、長手方向の長さ(L1L)幅方向の長さ(L1W)を測定した。幅方向(TD)および長手方向(MD)の寸法変化率は下記式により求めた。
【0078】
幅方向寸法変化率 (A)(%)=[(L1W−L0W)/L0W]×100
長手方向寸法変化率(B)(%)=[(L1L−L0L)/L0L]×100
寸法変化率比 =|A|/|B|
(2)熱収縮率
JIS−C2318に従って、測定した。
【0079】
試料サイズ:幅10mm、標線間隔150mm
測定条件:温度100℃、処理時間30分、無荷重状態
100℃熱収縮率を次式より求めた。
【0080】
熱収縮率(%)=[(L0−L)/L0]×100
0 :加熱処理前の標線間隔
L :加熱処理後の標線間隔
(3)弾性率
ASTM−D882に規定された方法に従って、インストロンタイプの引張試験機を用いて測定した。測定は下記の条件とした。
【0081】
測定装置:オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装置
“テンシロンAMF/RTA−100”
試料サイズ:幅10mm×試長間100mm、
引張り速度:200mm/分
測定環境:温度23℃、湿度65%RH
(4)長手方向厚みむら(%)
アンリツ株式会社製フィルムシックネステスタ KG601Aおよび電子マイクロメータ K306Cを用い、フィルムの長手方向に30mm幅、2m長さにサンプリングしたフィルムの厚みを連続的に測定する。ただし、厚みむらは、一番最初に延伸された方向に測定するものとする。フィルムの搬送速度は3m/分とした。2m長での厚み最大値Tmax(μm)、最小値Tmin(μm)から、
R=Tmax−Tmin
を求め、Rと2m長の平均厚みTave(μm)から
厚みむら(%)=(R/Tave)×100
として求めた。
【0082】
(5)広角X線回折法によるフィルムの結晶面回折ピークの円周方向の半価幅
X線回折装置((株)理学電機社製 4036A2型(管球型))を用いて下記の条件で、ディフラクトメーター法により測定した。
【0083】
X線回折装置 (株)理学電機社製 4036A2型(管球型)
X線源 :CuKα線(Niフィルター使用)
出力 :40kV 20mA
ゴニオメータ (株)理学電機社製
スリット :2mmφ−1゜−1゜
検出器 :シンチレーションカウンター
計数記録装置 (株)理学電機社製 RAD−C型
2θ/θスキャンで得られた結晶面の回折ピーク位置に、2cm×2cmに切り出して、方向をそろえて重ね合わせた試料およびカウンターを固定し、試料を面内回転させることにより円周方向のプロファイルを得る(βスキャン)。βスキャンで得られたピークプロファイルのうち、ピークの両端の谷部分をバックグランドとして、ピークの半価幅(deg)を計算した。
【0084】
(6)温度膨張係数(/℃)
フィルムを幅4mmにサンプリングし、試長15mmになるように、真空理工(株)製TMA TM−3000および加熱制御部TA−1500にセットした。
15%RHの条件下、0.5gの荷重をフィルムにかけて、温度を室温(23℃)から50℃まで上昇させた後、いったん、室温まで温度を戻した。その後、再度温度を室温から50℃まで上昇させた。その時の、30℃から40℃までのフィルムの変位量(ΔL μm)を測定し、次式から温度膨張係数を算出した。
【0085】
温度膨張係数(/℃)=(ΔL/15×103)/(40−30)
(7)湿度膨張係数(/%RH)
フィルムを幅10mmにサンプリングし、試長200mmになるように、大倉インダストリー製のテープ伸び試験器にセットし、温度30℃で、湿度を40%RHから80%RHまで変化させ、変位量(ΔL mm)を測定し、次式から湿度膨張係数を算出した。
【0086】
湿度膨張係数(/%RH)=(ΔL/200)/(80−40)
(8)密度(g/cm3
JIS−K7112の密度勾配管法により、臭化ナトリウム水溶液を用いてフィルムの密度を測定した。
【0087】
(9)屈折率および面配向係数(fn)
屈折率は、JIS−K7105に規定された方法に従って、ナトリウムD線を光源として、(株)アタゴ製のアッペ屈折率計4型を用いて測定した。なおマウント液はヨウ化メチレンを用いて、23℃、65%RHにて測定した。
【0088】
面配向係数(fn)は、測定した各屈折率を用いて次式から求めた。
【0089】
面配向係数(fn)=(nMD+nTD)/2−nZD
MD:長手方向の屈折率
TD:幅方向の屈折率
ZD:厚み方向の屈折率
(10)ガラス転移温度Tg、融解温度Tm、
疑似等温法にて、下記装置および条件で比熱測定を行い、JIS K7121に従って決定した。
【0090】
装置 :TA Instrument社製温度変調DSC
測定条件
加熱温度 :270〜570K(RCS冷却法)
温度校正 :高純度インジウムおよびスズの融点
温度変調振幅:±1℃
温度変調周期:60秒
昇温ステップ:5K
試料重量 :5mg
試料容器 :アルミニウム製開放型容器(22mg)
参照容器 :アルミニウム製開放型容器(18mg)
なお、ガラス転移温度は下記式により算出した。
【0091】
ガラス転移温度=(補外ガラス転移開始温度+補外ガラス転移終了温度)/2
(11)固有粘度
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から、下式で計算した値を用いた。すなわち、
ηsp/C=[η]+K[η]2・C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1であり、Cは溶媒100mlあたりの溶解ポリマー重量(g/100ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.343とする)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。単位はdl/gである。
【0092】
(12)クリープコンプライアンス
フィルムを幅4mmにサンプリングし、試長15mmになるように、真空理工(株)製TMA TM−3000および加熱制御部TA−1500にセットした。
【0093】
50℃で、28MPaの荷重をフィルムにかけて、30分間保ち、その時のフィルムの変位量(ΔL μm)を測定し、次式からクリープコンプライアンスを算出した。
【0094】
クリープコンプライアンス(GPa-1)=(ΔL/15×103)/(28×10-3
(13)磁気テープの走行耐久性および保存安定性
本発明のポリエステルフィルムの表面に、下記組成の磁性塗料を塗布厚さ2.0μmになるように塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。次いで反対面に下記組成のバックコートを塗布し、カレンダー処理した後、60℃で、48時間キュアリングする。上記テープ原反を1/2インチ幅にスリットし、磁気テープとして、長さ670m分を、カセットに組み込んでカセットテープとした。
(磁性塗料の組成)
・強磁性金属粉末 : 100重量部
・変成塩化ビニル共重合体 : 10重量部
・変成ポリウレタン : 10重量部
・ポリイソシアネート : 5重量部
・ステアリン酸 : 1.5重量部
・オレイン酸 : 1重量部
・カーボンブラック : 1重量部
・アルミナ : 10重量部
・メチルエチルケトン : 75重量部
・シクロヘキサノン : 75重量部
・トルエン : 75重量部
(バックコートの組成)
・カーボンブラック(平均粒径20nm) : 95重量部
・カーボンブラック(平均粒径280nm): 10重量部
・αアルミナ : 0.1重量部
・変成ポリウレタン : 20重量部
・変成塩化ビニル共重合体 : 30重量部
・シクロヘキサノン : 200重量部
・メチルエチルケトン : 300重量部
・トルエン : 100重量部
作成したカセットテープを、Quantum社製 DLTIV Driveを用い、100時間走行させ、次の基準でテープの走行耐久性を評価した。
【0095】
○:テープ端面の伸び、折れ曲がりがなく、削れ跡が見られない。
【0096】
△:テープ端面の伸び、折れ曲がりはないが、一部削れ跡が見られる。
【0097】
×:テープ端面の一部が伸び、ワカメ状の変形が見られ、削れ跡が見られる。
【0098】
また、上記作成したカセットテープをQuantum社製 DLTIV Driveに、データを読み込んだ後、カセットテープを49℃、90%RHの雰囲気中に100時間保存した後、データを再生して次の基準で、テープの保存安定性を評価した。
【0099】
○:トラックずれも無く、正常に再生した。
【0100】
△:テープ幅に異常が無いが、一部に読みとり不可が見られる。
【0101】
×:テープ幅に変化があり、読みとり不可が見られる。
【0102】
(14)トラックずれ、最大寸法変化幅
上記で作成したカセットテープを、下記の1〜5の条件で順番に走行させたときの、幅方向の寸法変化を常時読みとり、下記のとおり最大寸法変化幅および走行前後でのトラックずれを求めた。幅方向の寸法変化は、サーボからテープまでの距離(約1.5mm)の変化で測定した。20℃、50%RH条件下でのサーボからテープまでの距離の初期値をL0(μm)、下記条件3で走行させた後のサーボからテープまでの距離をL1(μm)、下記条件5で走行させた後のサーボからテープまでの距離をL2(μm)とした。
【0103】
トラックずれ(μm) =|L0−L2|
最大寸法変化幅(μm)=|L0−L1|
条件1:20℃、50%RH、張力 85g 走行回数 3回
条件2:20℃、50%RH、張力140g 走行回数 3回
条件3:40℃、60%RH、張力140g 走行回数 100回
条件4:20℃、50%RH、張力140g 走行回数 3回
条件5:20℃、50%RH、張力 85g 走行回数 3回
(15)フィルムの加工適性
500mm幅に巻き取られたフィルムを、アンワインダーから巻出しながら、搬送速度20m/分で、井上金属工業株式会社製のオーブン処理装置に供給し、180℃の熱処理を施して、100mの長さで巻き取った。その際に、蛇行などにより、巻き取ったフィルムの端部が10mmを超えて突出して不揃いとなったものを「×」、端部の突出が5mm以上、10mm以下のもの、また、5mm未満であるが加工中にしわが観測されたものを「△」、端部の突出が5mm未満であり、かつ加工中にしわが観測されなかったものを「○」とした。
【0104】
(16)電磁変換特性(C/N)
フィルム表面に、下記組成の磁性塗料および非磁性塗料をエクストルージョンコーターにより重層塗布(上層は磁性塗料で、塗布厚0.1μm、非磁性下層の厚みは適宜変化させた。)し、磁気配向させ、乾燥させる。次いで反対面に下記組成のバックコートを塗布した後、小型テストカレンダー装置(スチール/ナイロンロール、5段)で、温度85℃、線圧200kg/cmでカレンダー処理した後、60℃で、48時間キュアリングする。上記テープ原反を8mm幅にスリットし、パンケーキを作成した。次いで、このパンケーキから長さ200m分をカセットに組み込んで、カセットテープとした。
(磁性塗料の組成)
・強磁性金属粉末 : 100重量部
・スルホン酸Na変性塩化ビニル共重合体 : 10重量部
・スルホン酸Na変性ポリウレタン : 10重量部
・ポリイソシアネート : 5重量部
・ステアリン酸 : 1.5重量部
・オレイン酸 : 1重量部
・カーボンブラック : 1重量部
・アルミナ : 10重量部
・メチルエチルケトン : 75重量部
・シクロヘキサン : 75重量部
・トルエン : 75重量部
(非磁性下層塗料の組成)
・酸化チタン : 100重量部
・カーボンブラック : 10重量部
・スルホン酸Na変性塩化ビニル共重合体 : 10重量部
・スルホン酸Na変性ポリウレタン : 10重量部
・メチルエチルケトン : 30重量部
・メチルイソブチルケトン : 30重量部
・トルエン : 30重量部
(バックコートの組成)
・カーボンブラック(平均粒径20nm) : 95重量部
・カーボンブラック(平均粒径280nm) : 10重量部
・αアルミナ : 0.1重量部
・酸化亜鉛 : 0.3重量部
・スルホン酸Na変性塩化ビニル共重合体 : 30重量部
・スルホン酸Na変性ポリウレタン : 20重量部
・シクロヘキサノン : 200重量部
・メチルエチルケトン : 300重量部
・トルエン : 100重量部
このテープについて、市販のHi8用VTR(SONY社製 EV−BS3000)を用いて、7MHz±1MHzのC/Nの測定を行った。このC/Nを市販されているHi8用MPビデオテープと比較して、次の通りランク付けした。
【0105】
+3dB以上のもの :◎
+1dB以上、+3dB未満のもの :○
+1dB未満のもの :×
以下に、本発明のより具体的な実施例について説明する。
【0106】
実施例1
押出機A,B2台を用いた。280℃に加熱された押出機Aには、PET−I(固有粘度0.62、ガラス転移温度77℃、平均径0.3μmの球状シリカ粒子0.38重量%を配合)のペレットを180℃で3時間真空乾燥した後に供給し、同じく280℃に加熱された押出機Bには、PET−II(固有粘度0.62、ガラス転移温度77℃、平均径0.3μmの球状架橋ポリスチレン粒子0.9重量%と平均径0.8μmの球状架橋ポリスチレン粒子0.1重量%を配合)のペレットを180℃で3時間真空乾燥した後に供給した。溶融したPET−IおよびPET−IIを、Tダイ中で合流させ、表面温度25℃のキャストドラム上に静電印加法により密着させて冷却固化し、積層厚みの比がPET−I/PET−II=15/1の積層未延伸フィルムを得た。この積層未延伸フィルムを表1に示す条件で延伸した。まず、数本の加熱ロール(表面材質;シリコーンゴム)の配置された縦延伸機を用い、ロールの周速差を利用して、長手方向に延伸(MD延伸1)を行った後、冷却した。このフィルムの両端部をクリップで把持して、ステンターに導き、2段階で幅方向に延伸(TD延伸1−1、1−2)した。さらにこのフィルムを縦延伸機を用いて、加熱金属ロールで加熱し、2段階に長手方向に延伸(MD延伸2−1、2−2)し、次いで、このフィルムの両端部をクリップで把持しステンターに導き、2段階で幅方向に延伸(TD延伸2−1、2−2)した。引き続き210℃の温度で熱固定処理を施した後、150℃の冷却ゾーンで幅方向に5.0%の弛緩率で弛緩処理を行い、さらに100℃のゾーンで幅方向に2.0%の弛緩率で弛緩処理した後、フィルムを室温まで徐冷して巻き取った。フィルム厚みは押出量を調節して4.3μmに合わせた。得られたフィルムの表面粗さRaAは8(μm)であった。
【0107】
表1にフィルムの製造条件を、表2、表3に得られたフィルムの特性を示す。得られたフィルムは、表3に示したとおり、走行耐久性、保存安定性、クリープコンプライアンス、トラックずれ、最大寸法変化幅、加工適性、電磁変換特性に優れていた。
【0108】
比較例1
熱固定処理および弛緩処理条件を変更したこと以外は実施例1と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを製造した。
【0109】
表1にフィルムの製造条件を、表2、表3に得られたフィルムの特性を示す。熱固定処理および弛緩処理が不十分であったため、本発明のフィルムが得られず、走行耐久性、保存安定性、トラックずれ、最大寸法変化幅、加工適性、電磁変換特性に劣っていた。
【0110】
実施例2、3
実施例1と同様にして積層未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを表1に示した条件で延伸を行った。まず加熱ロール群(表面材質;シリコーンゴム)で加熱して、長手方向に延伸(MD延伸1)を行った後、冷却した。このフィルムの両端部をクリップで把持して、ステンターに導き、幅方向に延伸(TD延伸1)を行った。さらに、このフィルムを縦延伸機を用いて、加熱金属ロールで加熱し、長手方向に延伸(MD延伸2)し、さらに、このフィルムの両端部をクリップで把持しステンターに導き幅方向に延伸(TD延伸2)を行った。あとは、実施例1と同様にして、表1に示した温度で熱固定処理、弛緩処理を行い、フィルム厚み4.3μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0111】
表1にフィルムの製造条件、表2、表3に得られたフィルムの特性を示す。表3に示したとおり、得られたフィルムは、クリープコンプライアンス、トラックずれ、最大寸法変化幅、走行耐久性、保存安定性、加工適性、電磁変換特性に優れていた。
【0112】
比較例2、3
比較例2は、熱固定処理および弛緩処理条件のみを変更、比較例3は、MD延伸2、TD延伸2を行わず、延伸、熱固定処理、弛緩処理条件を変更したこと以外は、実施例2と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを製造した。
【0113】
表1にフィルムの製造条件、表2、表3に得られたフィルムの特性を示す。
【0114】
熱固定処理および弛緩処理が不十分であったため、本発明のフィルムが得られず、走行耐久性、保存安定性、トラックずれ、最大寸法変化幅、加工適性、電磁変換特性に劣っていた。
【0115】
実施例4、5
PET−Iを、PEN−I(固有粘度0.67、ガラス転移温度120℃、平均径0.3μmの球状シリカ粒子0.38重量%を配合)に、PET−IIをPEN−II(固有粘度0.67、ガラス転移温度120℃、平均径0.3μmの球状架橋ポリスチレン粒子0.9重量%と平均径0.8μmの球状架橋ポリスチレン粒子0.1重量%を配合)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層未延伸フィルムを得た。製膜は表1に示した条件に従って、実施例4はTD延伸2を、実施例5はMD延伸2を行わなかったこと以外は実施例2と同様に行い、フィルム厚み4.3μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0116】
表1にフィルムの製造条件、表2、表3に得られたフィルムの特性を示す。表3に示したとおり、得られたフィルムは、クリープコンプライアンス、走行耐久性、保存安定性、トラックずれ、最大寸法変化幅、加工適性、電磁変換特性に優れていた。
【0117】
比較例4、5
熱固定温度、弛緩処理条件を変更したこと以外は、比較例4は実施例4と、比較例5は実施例5と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0118】
表1にフィルムの製造条件、表2、表3に得られたフィルムの特性を示す。
【0119】
熱固定処理および弛緩処理が不十分であったため、本発明のフィルムが得られず、走行耐久性、保存安定性、トラックずれ、最大寸法変化幅、加工適性、電磁変換特性に劣っていた。
【0120】
実施例6
実施例1と同様にして積層未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムの両端部をクリップで把持して、同時二軸延伸ステンターに導き、表1に示す条件で同時二軸延伸を行った。まず初めに110℃の温度ゾーンで、長手方向および幅方向に同時二軸延伸(MD延伸1×TD延伸1−1)し、引き続き、75℃に冷却した温度ゾーンで長手方向および幅方向に同時二軸延伸(MD延伸2×TD延伸1−2)を行った。さらに155℃の温度ゾーンで長手方向および幅方向に同時二軸延伸(MD延伸2−2×TD延伸2−1)し、最後に190℃の温度ゾーンで幅方向にのみ延伸(TD延伸2−2)を行った。あとは、実施例1と同様にして、フィルム厚み4.3μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0121】
表1にフィルムの製造条件、表2、表3に得られたフィルムの特性を示す。表3に示したとおり、得られたフィルムは、クリープコンプライアンス、走行耐久性、保存安定性、トラックずれ、最大寸法変化幅、加工適性、電磁変換特性に優れていた。
【0122】
【表1】
Figure 0004023090
【0123】
【表2】
Figure 0004023090
【0124】
【表3】
Figure 0004023090
【0125】
実施例7、8
実施例1と同様にして積層未延伸フィルムを得た。この積層未延伸フィルムを表4に示す条件で延伸を行った。まず、この未延伸フィルムを加熱ロール群(表面材質;シリコーンゴム)で加熱して、長手方向に2段階に延伸(MD延伸1−1、1−2)した後、冷却した。このフィルムの両端部をクリップで把持しステンターに導き幅方向に延伸(TD延伸1−1)し、さらに幅方向に微延伸(TD延伸1−2)を行った。さらに縦延伸機で長手方向に延伸(MD延伸2)し、ステンターで幅方向に延伸(TD延伸2)を行い、熱固定処理、弛緩処理を施した。あとは実施例1と同様にして、フィルム厚み4.5μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0126】
表4にフィルムの製造条件、表5、表6に得られたフィルムの特性を示す。表6に示したとおり、得られたフィルムは、クリープコンプライアンス、走行耐久性、保存安定性、トラックずれ、最大寸法変化幅、加工適性、電磁変換特性に優れていた。
【0127】
比較例6
1段階目の幅方向の延伸(TD延伸1−1)後、幅方向に微延伸(TD延伸1−2)を行わなかったこと以外は実施例7と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを製造した。
【0128】
表4にフィルムの製造条件、表5、表6に得られたフィルムの特性を示す。
【0129】
得られたフィルムは、幅方向の微延伸が不足、弛緩処理が不十分であったため、本発明のフィルムが得られず、走行耐久性、保存安定性、トラックずれ、最大寸法変化幅、加工適性に劣っていた。
【0130】
実施例9、10
実施例9は、実施例1と同様のPET原料を、実施例10は、実施例4と同様のPEN原料を用い、1段階目の幅方向の延伸(TD延伸1−1)後、さらに幅方向に微延伸(TD延伸1−2)を行ったこと以外は、実施例2と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを製造した。
【0131】
表4にフィルムの製造条件、表5、表6に得られたフィルムの特性を示す。表6に示したとおり、得られたフィルムは、クリープコンプライアンス、走行耐久性、保存安定性、トラックずれ、最大寸法変化幅、加工適性、電磁変換特性に優れていた。
【0132】
実施例11
実施例6と同様にして、積層未延伸フィルムを得て、同時二軸ステンターにより、1段階の延伸(MD延伸1×TD延伸1−1)を行った後、幅方向にのみ微延伸(TD延伸1−2)を行った。さらに2段階目の同時二軸延伸(MD延伸2×TD延伸2)を行い、熱固定処理、弛緩処理を施した。
【0133】
表4にフィルムの製造条件、表5、表6に得られたフィルムの特性を示す。表6に示したとおり、得られたフィルムは、クリープコンプライアンス、走行耐久性、保存安定性、トラックずれ、最大寸法変化幅、加工適性、電磁変換特性に優れていた。
【0134】
比較例7
1段階目の同時二軸延伸(MD延伸1×TD延伸1−1)後、幅方向の微延伸(TD延伸1−2)を行わなかったこと以外は実施例11と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを製造した。
【0135】
表4にフィルムの製造条件、表5、表6に得られたフィルムの特性を示す。
【0136】
幅方向に微延伸を行わなかったため、本発明のフィルムが得られず、走行耐久性、保存安定性、トラックずれ、最大寸法変化幅、加工適性、電磁変換特性に劣っていた。
【0137】
【表4】
Figure 0004023090
【0138】
【表5】
Figure 0004023090
【0139】
【表6】
Figure 0004023090
【0140】
実施例12
PET−III(固有粘度0.85)のペレット(50重量%)とPEIのペレット(”Ultem”1010(General Electric社 登録商標))(50重量%)を280℃に加熱されたベント式の二軸混練押出機に供給して、剪断速度100sec-1、滞留時間1分にて溶融押出し、PEIを50重量%含有したペレットを得た。得られたPEI含有ペレットとPET−IV(固有粘度0.62、平均径0.3μmの球状架橋ポリスチレン粒子0.4重量%を配合)のペレットを20:80の比でドライブレンドした。180℃で3時間真空乾燥した後、押出機に投入し、280℃にて溶融押出し、繊維焼結ステンレス金属フィルター(10μmカット)内を剪断速度10sec-1で通過させた後、Tダイよりシート状に吐出した。さらにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラム上に、テープ状(厚み0.04mm、幅7.2mm)の電極を用いた静電印加法により密着させて冷却固化し、PEIを10重量%含有する未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを表7に示す条件で延伸した。まず、数本のロールの配置された縦延伸機を用いて、ロールの周速差を利用して長手方向に延伸(MD延伸1)し、続いてステンターにより幅方向に延伸(TD延伸1)を行った。さらにロール縦延伸機で再縦延伸(MD延伸2)した後、ステンターにより再横延伸(TD延伸2)した。つづいて、210℃の温度で熱固定処理を施した後、120℃の冷却ゾーンで幅方向に2.2%の弛緩率で弛緩処理を行い、さらに100℃のゾーンで幅方向に1.0%弛緩率で弛緩処理した後、フィルムを室温まで徐冷して巻き取った。フィルム厚みは押出量を調節して5.5μmに合わせた。得られたフィルムは、単一のTgを有していた。
【0141】
表7にフィルムの製造条件、表8、表9に得られたフィルムの特性を示す。表9に示したとおり、得られたフィルムは、クリープコンプライアンス、走行耐久性、保存安定性、トラックずれ、最大寸法変化幅、加工適性、電磁変換特性に優れていた。
【0142】
実施例13、14
実施例13は、原料としてPEN−III(固有粘度0.67、平均径0.3μmの球状架橋ポリスチレン粒子0.4重量%を配合)と、実施例12と同様のPEIを90:10の比でドライブレンドして用いたこと以外は実施例12と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを製造した。実施例14は、2段目の幅方向の延伸(TD延伸2)を行わなかったこと以外は、実施例12と同様に製造した。得られたフィルムは、どちらも単一のTgを有していた。
【0143】
表7にフィルムの製造条件、表8、表9に得られたフィルムの特性を示す。表9に示したとおり、得られたフィルムは、クリープコンプライアンス、走行耐久性、保存安定性、トラックずれ、最大寸法変化幅、加工適性、電磁変換特性に優れていた。
【0144】
比較例8〜11
比較例8はPEI含有ペレットとPET−IVのドライブレンド比率を変えて、PEI含有量を3%としたこと以外は、実施例12と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを製造した。また、比較例9はPEI含有ペレットとPET−IVのドライブレンド比率を変えて、PEI含有量を40%としたこと以外は、実施例12と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを製造した。比較例10は静電印加法で冷却ドラムにシートを密着させる際、テープ状の電極ではなく、ワイヤー電極(直径0.20mmφ)を用いたこと以外は、実施例12と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを製造した。また、比較例11は弛緩処理を施さなかったこと以外は、実施例12と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを製造した。得られたフィルムは、すべて単一のTgを有していた。
【0145】
表7にフィルムの製造条件、表8、表9に得られたフィルムの特性を示す。いずれも本発明のフィルムが得られず、走行耐久性、保存安定性、トラックずれ、最大寸法変化幅、加工適性に劣っていた。
【0146】
実施例15
実施例12と同様にして、PETとPEIを混練し、PEIを50重量%含有したペレット(PET/PEI−I)を得た。押出機A、B2台を用い、280℃に加熱された押出機Aには、PET/PEI−IとPET−V(固有粘度0.73、平均径0.3μmの球状架橋ポリスチレン粒子0.4重量%を配合)のペレットを20:80の比でドライブレンドしたもの(PET/PEI−II)を180℃で3時間真空乾燥した後に供給し、同じく280℃に加熱された押出機Bには、PET/PEI−IとPET−VI(固有粘度0.73,平均径0.3μmの球状架橋ポリスチレン粒子を1.0重量%と平均径0.8μmの球状架橋ポリスチレン粒子0.1重量%を配合)のペレットを20:80の比でドライブレンドしたもの(PET/PEI−III)を180℃で3時間真空乾燥した後に供給した。どちらのポリマーも繊維焼結ステンレス金属フィルター(10μmカット)内を剪断速度10sec-1で通過させた後、Tダイ中で合流させ、表面温度25℃のキャストドラム上に静電印加法により密着させて冷却固化し、積層厚みの比が(PET/PEI−II)/(PET/PEI−III)=14/1の積層未延伸フィルムを得た。この積層未延伸フィルムを1段階目の幅方向の延伸(TD延伸1−1)後、さらに幅方向に微延伸(TD延伸1−2)を行ったこと以外は、実施例12と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを製造した。得られたフィルムは単一のTgを有していた。
【0147】
表7にフィルムの製造条件、表8、表9に得られたフィルムの特性を示す。表9に示したとおり、得られたフィルムは、クリープコンプライアンス、走行耐久性、保存安定性、トラックずれ、最大寸法変化幅、加工適性、電磁変換特性に優れていた。
【0148】
実施例16
押出機A、B2台を用いた。押出機AにはPEIのペレットとPEN−IIIのペレットを15:85の比でドライブレンドして、真空乾燥後に供給し、押出機BにはPEIのペレットとPEN−IV(固有粘度0.67,平均径0.3μmの球状架橋ポリスチレン粒子1.0重量%と平均径0.8μmの球状架橋ポリスチレン粒子0.1重量%を配合)のペレットを15:85の比でドライブレンドして、真空乾燥後に供給し、PEIを15重量%含有した積層未延伸フィルムとしたこと以外は、実施例15と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを製造した。得られたフィルムは、単一のTgを有していた。
【0149】
表7にフィルムの製造条件、表8、表9に得られたフィルムの特性を示す。表9に示したとおり、得られたフィルムは、クリープコンプライアンス、走行耐久性、保存安定性、トラックずれ、最大寸法変化幅、加工適性、電磁変換特性に優れていた。
【0150】
実施例17
実施例12と同様の方法にて、PEIを20重量%含有する未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを表7に示す条件で延伸を行った。まず、縦延伸機を用いて、長手方向に延伸(MD延伸1−1)し、引き続き冷却した後、再度長手方向に延伸(MD延伸1−2)した。続いてステンターにより幅方向に延伸(TD延伸1)を行い、さらにロール縦延伸機で再縦延伸(MD延伸2)後、ステンターにより再横延伸(TD延伸2)した。さらに、209℃の温度で熱固定処理を施した後、123℃の冷却ゾーンで幅方向に2.3%の弛緩率で弛緩処理を行い、さらに105℃のゾーンで幅方向に0.9%の弛緩率で弛緩処理した後、フィルムを室温まで徐冷して巻き取った。フィルム厚みは、押出量を調節して5.4μmに合わせた。得られたフィルムは、単一のTgを有していた。
【0151】
表7にフィルムの製造条件、表8、表9に得られたフィルムの特性を示す。表9に示したとおり、得られたフィルムは、クリープコンプライアンス、走行耐久性、保存安定性、トラックずれ、最大寸法変化幅、加工適性、電磁変換特性に優れていた。
【0152】
比較例12
延伸条件を表7のように変更し、熱固定処理、弛緩処理を施さなかったこと以外は、実施例17と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを製造した。得られたフィルムは、単一のTgを有していた。
【0153】
表7にフィルムの製造条件、表8、表9に得られたフィルムの特性を示す。熱固定処理、弛緩処理が不足していたため、本発明のフィルムが得られず、走行耐久性、保存安定性、トラックずれ、最大寸法変化幅、加工適性、電磁変換特性に劣っていた。
【0154】
実施例18
実施例12と同様にして未延伸のフィルムを得た。このフィルムの両端をクリップで把持して、同時二軸延伸ステンターに導き、表7に示す条件で長手方向および幅方向に同時二軸延伸(MD延伸1×TD延伸1)を行った。このフィルムをロール縦延伸機で再縦延伸(MD延伸2)後、ステンターにより再横延伸(TD延伸2)した。215℃の温度で熱固定処理を施した後、120℃の冷却ゾーンで幅方向に2.1%の弛緩率で弛緩処理を行い、さらに102℃のゾーンで幅方向に1.1%の弛緩率で弛緩処理した後、フィルムを室温まで徐冷して、巻き取った。フィルム厚みは、押出量を調節して5.2μmに合わせた。得られたフィルムは、単一のTgを有していた。
【0155】
表7にフィルムの製造条件、表8、表9に得られたフィルムの特性を示す。表9に示したとおり、得られたフィルムは、クリープコンプライアンス、走行耐久性、保存安定性、トラックずれ、最大寸法変化幅、加工適性、電磁変換特性に優れていた。
【0156】
実施例19
実施例12と同様にして、延伸、熱固定処理、弛緩処理を施し、徐冷してフィルムを巻き取った。得られたフィルムを、ロール状のまま70℃に調節された熱風オーブン内で、168時間熱処理を行った。
【0157】
表7にフィルムの製造条件、表8、表9に得られたフィルムの特性を示す。表9に示したとおり、得られたフィルムは、クリープコンプライアンス、走行耐久性、保存安定性、トラックずれ、最大寸法変化幅、加工適性、電磁変換特性に優れていた。
【0158】
【表7】
Figure 0004023090
【0159】
【表8】
Figure 0004023090
【0160】
【表9】
Figure 0004023090
【0161】
比較例13
PET−VII(固有粘度0.56dl/g、平均粒径0.6μmの架橋シリコーン樹脂粒子0.01重量%、平均粒径0.1μmのアルミナ粒子0.3重量%を配合)を170℃で3時間乾燥した後、300℃で溶融押出し、25℃に保持したキャストドラム上で急冷固化せしめて、未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを75℃にて予熱し、さらに低速、高速のロール間で14mm上方より830℃の表面温度のIRヒーターにて加熱して2.25倍に縦方向に延伸し、急冷し、続いてステンターに供給し、110℃にて横方向に3.6倍延伸した。さらに引き続いて110℃に予熱し、低速、高速のロール間で2.5倍に縦方向に延伸し、さらにステンターに供給し、240℃で2秒間熱固定処理し、厚み6.0μmのフィルムを得た。
【0162】
表10、表11に得られたフィルムの特性を示す。弛緩処理を行わなかったため、幅方向の熱収縮率が大きく、本発明のフィルムが得られず、走行耐久性、保存安定性、トラックずれ、最大寸法変化幅、加工適性、電磁変換特性に劣っていた。
【0163】
比較例14
PEN−V(固有粘度0.63dl/g、平均粒径0.1μmの単分散シリカ粒子0.2重量%、平均粒径0.6μmの炭酸カルシウム粒子0.0151重量%を配合)を180℃で5時間乾燥した後、300℃で溶融押出し、60℃に保持したキャストドラム上で急冷固化せしめて、未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを速度差を持った2つのロール間で120℃の温度で5.2倍に縦延伸し、さらにステンターによって横方向に4.3倍延伸し、その後220℃にて15秒間熱処理した。このようにして、厚さ6μmの二軸配向フィルムを得、巻き取った。
【0164】
表10、表11に得られたフィルムの特性を示す。弛緩処理を行わなかったため、幅方向の熱収縮率が大きく、本発明のフィルムが得られず、走行耐久性、保存安定性、トラックずれ、最大寸法変化幅、加工適性、電磁変換特性に劣っていた。
【0165】
【表10】
Figure 0004023090
【0166】
【表11】
Figure 0004023090
【0167】
【産業上の利用可能性】
本発明のポリエステルフィルムは、トラックずれが小さく、走行耐久性および保存安定性に優れ、その工業的価値は極めて高い。

Claims (10)

  1. 49℃、90%RHの条件下、長手方向に32MPaの荷重をかけた状態で、72時間放置した場合における幅方向の寸法変化率(A)が−0.3〜0%の範囲である磁気記録テープ用二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 請求項1の条件における幅方向の寸法変化率(A)と長手方向の寸法変化率(B)の絶対値の比(|A|/|B|)が、0.1〜1.0の範囲である請求項1に記載の磁気記録テープ用二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 幅方向の100℃の熱収縮率が、0〜0.5%以下の範囲である請求項1記載の磁気記録テープ用二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 長手方向と幅方向の弾性率の和が9〜30GPaの範囲である請求項1記載の磁気記録テープ用二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. 長手方向の厚みむらが、5%以下である請求項1記載の磁気記録テープ用二軸配向ポリエステルフィルム。
  6. ポリエーテルイミドを含有する請求項1記載の磁気記録テープ用二軸配向ポリエステルフィルム。
  7. ポリエーテルイミドの重量分率が5〜30重量%である請求項6に記載の磁気記録テープ用二軸配向ポリエステルフィルム。
  8. 単一のガラス転移温度を有する請求項7に記載の磁気記録テープ用二軸配向ポリエステルフィルム。
  9. ポリエステルがポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、またはこれらの共重合体または変性体である請求項1記載の磁気記録テープ用二軸配向ポリエステルフィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の磁気記録テープ用二軸配向ポリエステルフィルムをベースフィルムとして用いた磁気記録テープ
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