JP4021361B2 - ニッケル粉末分散体およびその調製方法、ならびにこの粉末分散体を用いた導電ペーストの調製方法 - Google Patents

ニッケル粉末分散体およびその調製方法、ならびにこの粉末分散体を用いた導電ペーストの調製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、積層セラミックコンデンサの内部電極に用いられる導電ペースト用として好適な超微粉ニッケル粉末分散体に係り、とくに、導電ペーストを形成した場合に、優れた分散性を示すニッケル粉末分散体に関する。また、本発明は、そのような超微粉ニッケル分散体の調製方法ならびにこの粉末分散体を用いた導電ペーストの調製方法に関するものでもある。
【0002】
【従来の技術】
ニッケル、銅、銀、白金等の導電性を有する金属粉末は、電子回路の導体形成に広く使用されており、とくに、積層セラミックコンデンサの内部電極形成に有用である。積層セラミックコンデンサは、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム等のセラミックスのペーストと、導電性を有する金属粉末のペーストとを積層した後に焼結することで、セラミックスの誘電体層と金属微粉末の内部電極層とを交互に形成したものである。前述のニッケル、銅、銀、白金等の導電性を有する金属粉末の中でも、ニッケル粉末は安価であること、還元性雰囲気での焼成が可能であること等からこのような用途においてとりわけ注目されている。
【0003】
上記積層セラミックコンデンサは、一般には、以下のような方法で製造される。すなわち、チタン酸バリウム等の誘電体粉末を有機バインダと混合して懸濁させ、これをドクターブレード法によりシート状に形成して誘電体グリーンシートを作製する。一方、内部電極用のニッケル粉末を有機溶剤、可塑剤、有機バインダ、ペースト形成用分散剤等と混合、分散してニッケル粉末ペーストを形成し、これを上記グリーンシート上にスクリーン印刷法で印刷する。次いで、乾燥、積層および圧着を施し、加熱処理を行って有機成分を除去した後、1300℃前後、またはそれ以上の温度で焼成し、その後誘電体セラミック層の両端に外部電極を焼き付けて積層セラミックコンデンサを得る。
【0004】
上述のような積層セラミックコンデンサには、近年、その小型化、大容量化が要請されており、これに伴い、内部電極の薄層化、低抵抗化が強く要求されている。通常の内部電極1層あたりの厚みは1〜2μmであり、今後さらなる薄層化が要求されるものと予想される。
【0005】
このような要請に鑑み、とくに内部電極の薄層化について種々の技術が開発されている。しかしながら、内部電極用のニッケルペーストを製造する際に、内部電極1層の厚さである1〜2μmよりも平均粒径の大きいニッケル粉末が存在する場合、または分散性が低いためにニッケル粒子が凝集して内部電極1層の厚さよりも平均粒径の大きい二次粒子が存在する場合には、電極層表面に凹凸が生じるおそれがある。このような粗粉や凝集粉が存在するペーストを使用して積層セラミックコンデンサを形成した場合には、ショートが発生し易く、製品として使用できなくなる場合もある。また、ペーストにした際のニッケル粉末の分散性が低い場合には、グリーンシート上に印刷した際、電極膜厚が不均一となり、ショートの原因となるばかりでなく、焼成時にデラミネーションやクラック等の内部欠陥が発生し易くなるという問題もあった。
【0006】
このような問題を解決するために、積層セラミックコンデンサ用内部電極の薄膜化方法、表面の平坦化方法、またはニッケルペーストの分散性改善方法が種々提案されている。例えば、導電性粉末、有機ビヒクルからなる導電性組成物にアニオン性界面活性剤を添加する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、導電性粉末、有機ビヒクルからなる導電性ペーストにアニオン性高分子分散剤を添加し、さらにこのアニオン性高分子分散剤の過剰吸着サイトが複数粒子と三次元的架橋を形成してゲル化することを防ぐため、アミン系界面活性剤を添加する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、分散性に優れた導電性ペースト用ニッケル粉末として、吸油量が5〜25ml/100gのニッケル粉末が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−92226号公報
【特許文献2】
特開2001−6436号公報
【特許文献3】
特開2001−266645号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術では、内部電極の表面粗さが小さいことから、内部電極の薄層化が可能であるとの記載はあるものの、ニッケル粉末の分散性に関する記載はない。
【0009】
また、上記特許文献2に記載された技術では、分散性が向上するとされているものの、ペーストのゲル化が防止されたとの記載のみがあり、分散性が向上する根拠となるデータは記載されていない。
【0010】
さらに、上記特許文献3に記載された技術は、周知の技術で製造したニッケル粉末の凝集を緩和するために解粒処理を行うことによって吸油量を制御し、ペーストにした際の分散性を向上させるものである。この方法によって得られたニッケルペーストは、分散性向上の効果は見られるが、その効果はニッケル粉末導電ペーストを形成する際のニッケル粉末には不十分なものである。
【0011】
したがって、本発明は、導電ペーストを形成した際に優れた分散性を示し、結果として積層セラミックコンデンサを作製した際に、内部電極表面の凹凸によるショートや、デラミネーション等の内部欠陥の発生を防止することができるニッケル粉末分散体を提供することを目的としている。また、本発明は、このようにニッケル粉末が十分に分散した超微粉ニッケル分散体の調製方法およびこの粉末分散体を用いた導電ペーストを提供することも併せて目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、超微粉ニッケル粉末を炭酸水溶液で処理した後に純水を添加した超微粉ニッケル粉末と水溶媒とからなる水分散体に有機溶媒を添加した後、アミン系分散剤を添加し、次いで磨砕作用によって解砕処理することによって得られるニッケル粉末分散体は、ペーストにした際に極めて高いニッケル粉末の分散性を示し、とくに積層セラミックコンデンサ等に用いる導電ペースト用として好適であるとの知見を得た。本発明はこのような知見に鑑みてなされたものである。
【0013】
すなわち、本発明のニッケル粉末分散体の調製方法は、上記ニッケル粉末分散体を好適に調製するための方法であって、塩化ニッケルガスと還元性ガスとを接触反応させる気相還元法、または熱分解性のニッケル化合物の溶液を噴霧して熱分解する噴霧熱分解法により得られた平均粒径1μm以下の超微粉ニッケル粉末を水洗し、次いで炭酸水溶液で処理し、純水を添加してニッケル粉末水分散体を形成し、上記ニッケル粉末水分散体に有機溶媒を添加し、水溶媒を少なくとも部分的に上記有機溶媒に置換して有機溶媒濃度を5〜200重量%とし、次いでアミン系分散剤を添加した後に磨砕作用を利用した解砕手段によって解砕処理することを特徴としている。
【0014】
本発明によれば、用いられるニッケル粉末の平均粒径は1μm以下の超微粉であるが、好ましくは0.01〜1μm、より好ましくは0.1〜0.6μmであり、0.15〜0.4μmであればさらに好適である。平均粒径が1μmを超えると、焼結性の低下や、積層セラミックコンデンサの内部電極表面に凹凸が発生する原因となり、結果としてショート等の構造欠陥を生じ易くなる。また、平均粒径が小さ過ぎると、導電性ペーストを調製する際にニッケル粉同士の凝集が生じ易く、結果として二次粒子の発生により電極層表面に凹凸が生じ、構造欠陥を招来する。なお、本発明に用いられるニッケル粉末は、焼結特性、分散性を向上させるために、BET法による比表面積は1〜20m/gであることが好ましく、その粒子形状は球形であることが好ましい。
【0015】
また、本発明のニッケル粉末分散体は、ニッケル粉末の水分散体に有機溶媒を添加して水溶媒を少なくとも部分的に置換し、アミン系分散剤を添加した後、より高い分散性を得るために、ニッケル粉末分散体中に僅かに存在するニッケル粉末の凝集を緩和することを目的として解砕処理を行う。この解砕処理は、分散体中のニッケル粉末の凝集を緩和することができるものであれば、せん断作用や摩砕作用を利用した解砕装置、攪拌式の解砕装置など、公知の解砕装置を使用して行うことができる。具体的には、ロールミル、ハンマーミル、振動ミル、ジェットミル、ボールミル、流星型ボールミル、ビーズミル、サンドミル、三本ロールミル等の解砕装置を使用することができる。本発明における解砕処理は、ボールミルを使用して解砕処理するとより効果的である。
【0016】
以上に示したとおり、本発明は、分散性が良好なニッケル粉末分散体中を使用すること、この分散体中にアミン系分散剤を添加すること、および最終処理としてニッケル粉末分散体を解砕処理することによって、導電ペーストを形成した際に優れた分散性を示し、結果として積層セラミックコンデンサを作製した際に、内部電極表面の凹凸によるショートやデラミネーション等の内部欠陥の発生を防止することができるニッケル粉末分散体を提供することができる。
【0017】
このようなニッケル粉末分散体においては、上記アミン系分散剤を、アルキルアミンおよびポリカルボン酸のアミン塩の少なくとも1種とすることが望ましい。これらアミン系分散剤には、アルコール類、フェノール類、エーテル類、アセトン類、脂肪族炭化水素、灯油、軽油、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等の有機溶媒に溶解させた溶液状態のものを使用することができる。また、上記アミン系分散剤には、市販されているものを使用することもできる。
【0018】
これらアミン系分散剤の添加量は、分散体中のニッケル粉末100重量部に対し、アミン系分散剤成分が0.05〜5.0重量部であることが好ましく、0.2〜2.0重量部であることがより好ましい。アミン系分散剤成分の添加量が0.05重量部未満では、分散剤としての効果が十分に得られない。また、アミン系分散剤の添加量が5.0重量部を超えると、積層セラミックコンデンサ製造時に有機溶媒の除去を目的とした加熱処理の際にクラックが発生し、または積層セラミックコンデンサを形成した際に電気特性の低下等が発生する。なお、アミン系分散剤の添加は、後述する解砕処理を行う前に添加するが、ニッケル粉末分散体を解砕処理する際に解砕処理と同時に添加することも可能である。
【0019】
そして、このようなニッケル粉末分散体においては、上記有機溶媒を添加する際に、上記水溶媒中に界面活性剤を存在させることが望ましく、上記界面活性剤には、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとそのリン酸塩との混合物を用いることができる。
【0020】
また、上記ニッケル粉末分散体の有機溶媒濃度は、5〜200重量%であることが望ましい。さらに、上記ニッケル粉末は、塩化ニッケルガスと還元性ガスとを接触反応させる気相還元法、または熱分解性のニッケル化合物の溶液を噴霧して熱分解する噴霧熱分解法により得られたものであることが望ましい。
【0021】
以上に示したニッケル粉末分散体は、上述したように、導電ペーストを形成した際に優れた分散性を示し、結果として積層セラミックコンデンサを作製した際に、内部電極表面の凹凸によるショートや、デラミネーション等の内部欠陥の発生を防止することができるため、導電ペースト用、とくに積層セラミックコンデンサの内部電極用として好適である。
【0022】
上述したように、本発明のニッケル粉末分散体の調製方法は、上記ニッケル粉末分散体を好適に調製するための方法であって、塩化ニッケルガスと還元性ガスとを接触反応させる気相還元法、または熱分解性のニッケル化合物の溶液を噴霧して熱分解する噴霧熱分解法により得られた平均粒径1μm以下の超微粉ニッケル粉末を水洗し、次いで炭酸水溶液で処理し、純水を添加してニッケル粉末水分散体を形成し、上記ニッケル粉末水分散体に有機溶媒を添加し、水溶媒を少なくとも部分的に上記有機溶媒に置換して有機溶媒濃度を5〜200重量%とし、次いでアミン系分散剤を添加した後に磨砕作用を利用した解砕手段によって解砕処理することを特徴としている。
【0023】
本発明によれば、分散性が良好なニッケル粉末分散体中を使用すること、この分散体中にアミン系分散剤を添加すること、および最終処理としてニッケル粉末分散体を解砕処理することによって、分散体中に僅かに存在するニッケル粉末凝集粉の凝集を緩和することができる。よって、本発明の調整方法によれば、導電ペーストを形成した際に優れた分散性を示し、結果として積層セラミックコンデンサを作製した際に、内部電極表面の凹凸によるショートや、デラミネーション等の内部欠陥の発生を防止することができるニッケル粉末分散体を提供することができる。また、上記アミン系分散剤を添加することは、解砕処理の際にニッケル粉同士の凝集を防ぐ効果も奏する。
【0024】
このようなニッケル粉末分散体の調整方法においては、上述したとおり、上記アミン系分散剤を、アルキルアミンおよびポリカルボン酸のアミン塩の少なくとも1種とすることができる。
【0025】
また、このようなニッケル粉末分散体の調整方法においては、上記ニッケル粉末水分散体に界面活性剤を添加するか、前記有機溶媒に界面活性剤を予め混合するか、または有機溶媒添加後に界面活性剤を添加することが望ましく、上記界面活性剤を、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとそのリン酸塩との混合物とすることができる。
【0026】
さらに、本発明の導電ペーストの製造方法は、上記ニッケル粉末分散体を利用した方法であり、本発明のニッケル粉末分散体に有機溶媒または有機バインダからなる有機ビヒクルを加え、混練することを特徴としている。なお、導電ペーストを調製する際に、必要に応じて可塑剤、ペースト形成用分散剤などを添加することもできる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を説明する。なお、本発明のニッケル粉末分散体の調製方法は、ニッケル粉末の調製以外に、銅、銀、白金等の導電ペーストフィラー、チタン材の複合材、または触媒等の各種用途に適した金属粉末の調製にも適応することができ、さらには、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ビスマス等の金属粉末の調製にも適用可能である。
【0028】
1) ニッケル粉末の製造
本発明に使用するニッケル粉末は、気相還元法、噴霧熱分解法、または液相法などの公知の方法により製造することができる。この中でもとくに、塩化ニッケルガスを還元性ガスと接触させることによって還元してニッケル粉末を得る気相還元法、または熱分解性のニッケル化合物の溶液を噴霧して熱分解する噴霧熱分解法が好ましい。このような方法によれば、生成するニッケル粉末の粒子径を制御し易く、また球状のニッケル粒子を高効率で製造することができる。
【0029】
上記気相還元法においては、気化させた塩化ニッケルガスと水素等の還元性ガスとを接触、反応させ、ニッケル粉末を得る。この場合、塩化ニッケルガスは公知の方法により発生させることができる。例えは、固体塩化ニッケルを加熱蒸発させて塩化ニッケルガスを発生させる方法、または金属ニッケルに塩素ガスを接触させて塩化ニッケルガスを連続的に発生させる方法を採用することができる。
【0030】
これらの方法のうち、固体塩化ニッケルを加熱蒸発する方法は、加熱蒸発による昇華操作を必要とするため、塩化ニッケル蒸気を安定して発生させることが難しい。また、塩化ニッケルの酸化防止や吸湿防止、またはエネルギー効率等を考慮すると、金属ニッケルに塩素ガスを接触させて塩化ニッケルガスを連続的に発生させる方法が好ましい。
【0031】
このような気相還元反応によるニッケル微粉末の製造過程では、塩化ニッケルガスと還元性ガスとが接触した瞬間にニッケル原子が生成し、ニッケル原子同士が衝突、凝集することによって超微粒子が生成、成長する。そして、還元工程での塩化ニッケルガスの分圧や温度等の条件によって、生成されるニッケル微粉末の粒径が制御される。
【0032】
すなわち、上記のようなニッケル微粉末の製造方法によれば、塩素ガスの供給量に応じた量の塩化ニッケルガスが発生することから、塩素ガスの供給量を制御することで還元工程へ供給する塩化ニッケルガスの量を調整することができる。このため、生成するニッケル微粉末の粒径を適宜に制御することができる。
【0033】
さらに、気相還元法においては、塩素ガスと金属とを反応させて金属塩化物ガスを発生させることから、固体金属塩化物を加熱蒸発させて金属塩化物ガスを発生させる場合と異なり、キャリアガスの使用を少なくすることができるばかりでなく、製造条件によってはキャリアガスを使用しないことも可能である。したがって、気相還元反応を採用する場合には、キャリアガスの使用量低減とそれに伴う加熱エネルギーの低減により、製造コストの低減を図ることができる。
【0034】
また、塩化工程で発生した塩化ニッケルガスに不活性ガスを混合することにより、還元工程における塩化ニッケルガスの分圧を制御することができる。このように、塩素ガスの供給量または還元工程に供給する塩化ニッケルガスの分圧を制御することにより、ニッケル粉末の粒径を制御することができる。このため、ニッケル微粉末の粒径を安定させることができ、しかも粒径を任意に設定することもできる。
【0035】
上記のような気相還元法によるニッケル微粉末の製造条件は、粉末の平均粒径が1μm以下になるように任意に設定する。例えば、出発原料である金属ニッケルの粒径は約5〜20mmの粒状、塊状、板状等が好ましく、また、その純度は概して99.5%以上が好ましい。
【0036】
この金属ニッケルを、まず塩素ガスと反応させて塩化ニッケルガスを生成させる。その際の温度は、反応を十分促進させるために800℃以上とし、かつニッケルの融点である1453℃以下とする。反応速度と塩化炉の耐久性との双方を考慮すると、実用的には900℃〜1100℃の範囲が好ましい。
【0037】
次いで、この塩化ニッケルガスを還元工程に直接供給し、水素ガス等の還元性ガスと接触反応させる。この際、窒素やアルゴン等の不活性ガスを、塩化ニッケルガスに対し1〜30モル%混合し、この混合ガスを還元工程に導入してもよい。また、塩化ニッケルガスとともに、または独立に、塩素ガスを還元工程に供給することもできる。このように塩素ガスを還元工程に供給することによって、塩化ニッケルガスの分圧を調整することができ、生成するニッケル粉末の粒径を制御することができる。還元反応の温度は反応完結に十分な温度以上であればよいが、固体状のニッケル粉末を生成する方が取扱いが容易であるので、ニッケルの融点以下が好まし。また、経済性を考慮すると900℃〜1100℃が実用的である。
【0038】
このように還元反応を行い、ニッケル微粉末を生成させた後に、生成ニッケル粉末を冷却する。冷却の際には、生成したニッケルの一次粒子同士の凝集による二次粒子の生成を防止して、所望の粒径のニッケル粉末を得るために、還元反応を終えた1000℃付近のガス流に窒素ガス等の不活性ガスを吹き込み、400〜800℃程度まで急速冷却させることが望ましい。
【0039】
その後、生成したニッケル粉末を、例えばバグフィルター等により分離、回収する。分離回収前または後に、必要に応じて生成したニッケル微粉末を水、炭素数1〜4の1価アルコール等の溶媒で洗浄することもできる。
【0040】
2) ニッケル粉末水分散体の調製
本発明では、上記のようにして得られたニッケル粉末に純水を添加し、ニッケル粉末水分散体を形成する。このニッケル粉末水分散体は、水溶媒濃度が1重量%以上、好ましくは5〜300重量%、より好ましくは10〜100重量%の水溶媒に、ニッケル粉末を分散させたものである。ここでの水溶媒濃度とは、分散体中のニッケル粉末重量に対する水の重量%を表す。つまり、ニッケル粉末水分散体は、ニッケル粉末100重量部に対し、水が1重量部以上、好ましくは5〜300重量部、より好ましくは10〜100重量部のスラリー状混合物である。
【0041】
ところで、ニッケル粉末表面に水酸化物が吸着していると、そのOH基の極性により粉末同士が引き付け合うとともに、親水性(懸濁性)が低下する。このため、ニッケル粉末が凝集しやすくなり、分散性が低下すると推測される。そこで本発明では、ニッケル粉末水分散体を形成する際に、炭酸水溶液で処理することが望ましい。このように、炭酸水溶液で処理することにより、ニッケル粉末表面に付着した残留塩化物がより十分に除去されるだけでなく、ニッケル粉末表面に付着した水酸化ニッケル等の水酸化物も除去され、その結果として分散性がさらに向上する。
【0042】
上記炭酸水溶液による処理は、生成したニッケル粉を純水で洗浄する際にその洗浄を炭酸水溶液で行う方法、純水洗浄後に純水中にニッケル粉末が残留した水スラリー中に炭酸ガスを吹き込む方法、または上記水スラリーに炭酸水溶液を添加して処理する方法などにより行うことができる。気相還元法でニッケル粉末を生成する場合には、純水洗浄の途中またはその後に、水スラリーの状態で炭酸水溶液と接触して処理する方法が好適である。
【0043】
この炭酸水溶液による処理において、pHは、5.5〜6.5の範囲が好ましく、5.5〜6.0の範囲であればより好適である。炭酸水溶液による処理をpH5.5未満で行うと、ニッケル粉末表面に不均一な酸化皮膜が生成してニッケル粉末の焼結性が低下する。一方、この処理をpH6.0を超えて行うと、ニッケル粉末表面に吸着した水酸化物を除去することができず、このようなニッケル粉末を乾燥させると、表面の水酸化物が酸化して不均一な酸化皮膜となる。また、炭酸水溶液の温度は、0〜100℃、好ましくは10〜50℃、より好ましくは10〜35℃の範囲である。
【0044】
また、炭酸水溶液による処理の方法としては、ニッケル粉末を純水に懸濁したスラリーに炭酸ガスを吹き込みながら炭酸ガスをスラリー中に溶存させると同時に、スラリーを対流させて処理する方法、または炭酸水溶液にニッケル粉末を懸濁させたスラリーを攪拌して処理する方法が挙げられる。さらに、炭酸水溶液で処理する前、または処理中に、ニッケル粉末に付着している塩化ニッケル等を除去するために水洗し、必要に応じて液体サイクロン等の湿式分級機により粗粉を除去してニッケル粉末の粒度調整をすることが望ましい。
【0045】
上記のように、炭酸水溶液で処理した後、必要に応じて純水で置換または洗浄してニッケル粉末水分散体を形成する。従来のニッケル粉末分散体の調製方法においても、上記のようにニッケル粉末を生成した後、同様に水洗していた。しかしながら、ニッケル粉末を製品とするため、その後ニッケル粉末を分離および乾燥し、水を含まない粉末状態としていた。
【0046】
これに対し、本発明のニッケル粉末分散体の調製方法では、上記のようにニッケル粉末を炭酸水溶液で処理して水分散体を調製した後、ニッケル粉末の乾燥は行わない。具体的には、水溶媒濃度が1重量%未満にならないようにし、最終的なニッケル粉末の分散性を向上させる。つまり、まず、塩化ニッケルガスと水素などの還元性ガスとを接触させる気相還元法等によりニッケル粉末を生成する。次いで、水洗し、その後炭酸水溶液で処理してニッケル粉末を沈降させ、デカンテーションにより上澄み液を除去する。そして、ニッケル粉末を乾燥せずに水溶媒濃度が1重量%以上の水分散体を調製する。
【0047】
また、本発明では、上記のような方法で調製したニッケル粉末の水分散体に界面活性剤を添加することも好ましい態様の一つである。すなわち、界面活性剤の添加により、後述する有機溶媒による水溶媒の置換が容易になるとともに、最終的に優れたペースト特性を発揮する。界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、フッ素系界面活性剤および反応性界面活性剤のうち少なくとも1種を使用することができる。
【0048】
具体的には、カチオン性界面活性剤としては、脂肪族の1〜3級アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられる。
【0049】
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、N−アシルアミノ酸またはその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩等のカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、アルキルスルホン酢酸塩等のスルホン酸塩、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート等の硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンフェニルエーテルリン酸塩、アルキルリン酸塩等のリン酸エステル塩等が挙げられる。
【0050】
両イオン性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、イニダジリニウムベタイン、レシチン、アルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0051】
非イオン性界面活性剤としては、アルキル基の炭素数が1〜18のポリオキシエチレンモノまたはジアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体等のエーテル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩等のエーテルエステル類、ポリエチレングルコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等のエステル型、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の含窒素型等が挙げられる。
【0052】
フッ素系界面活性剤としては、フルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸、N−パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム等が挙げられる。
【0053】
反応性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアリルグリシジルノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンプロペニルフェニルエーテル等が挙げられる。
【0054】
以上に示した界面活性剤は、単独での使用の他、2種以上の組み合わせで使用することもできる。これらの中でもとくに、HLB(親水親油バランス)価が通常3〜20である非イオン性界面活性剤を用いることが好ましく、HLB価が10〜20の親水性の非イオン界面活性剤を用いることがさらに好ましい。
【0055】
具体的には、ノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルおよびそのリン酸塩またはこれらの混合物、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリンモノステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタンモノステアレート等のソルビタン脂肪酸エステルのうち少なくとも1種を用いることがとくに好ましい。なお、極めて好ましい界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルおよびそのリン酸塩またはこれらの混合物である。
【0056】
3) 有機溶媒による水置換
次に、上記のようにして調製したニッケル粉末の水分散体に有機溶媒を添加する。本発明で用いる有機溶媒としては、アルコール類、フェノール類、エーテル類、アセトン類、炭素数5〜18の脂肪族炭化水素、灯油、軽油、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シリコンオイル等が挙げられる。この中でも水に対する溶解度をある程度有する有機溶媒が好ましく、具体的には、アルコール類、エーテル類、またはアセトン類が好ましい。
【0057】
有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、2−メチル−1−プロパノール、イソブタノール、2−(エチルアミノ)エタノール、2−エチル−1−ブタノール、3−エチル−3−ペンタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−メトキシエタノール、2−メトキシメトキシエタノール、1−オクタデカノール、n−オクタノール、2,3−エポキシ−1−プロパノール、シクロヘキサノール、ジメチルブタノール、ジメチルプロパノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、2,4−ジメチル−3−ペンタノール、1,3−ジメトキシ−2−プロパノール、ジメトキシプロパノール、1−デカノール、1−ドデカノール、トリメチルブタノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、ノナノール、フェニルエタノール、2−メチル−2−プロパノール、t−ブタノール、メチルプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、t−ペンチルアルコール、メチルシクロヘキサノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−3−ペンタノール、3−メトキシブタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、アニリノエタノール、アミノエタノール、アミノプロパノール、アミノブタノール、2−(ブチルアミノ)エタノール、2−(メチルアミノ)エタノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジフェニルエタンジオール、エチレングリコール、グリセリン、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−クロロ−1,3−プロパンジオール、cis−1,2−シクロヘキサンジオール、cis−1,4−シクロヘキサンジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、テルピネオール、ブタンジオール、ブテンオール、ブトキシプロパンジオール、プロパンジオール、ヘキサンジオール、ヘキシレングリコール、ペンタンジオール、テルピネオール、ジエチルエーテル、アセトン、重合度2のポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングルコール、ポリオキシエチレングリコールモノエステルなどが挙げられる。特に、エタノール系のアルコール類を使用することが好ましい。
【0058】
これらの有機溶媒は、単独または2種以上組み合わせて使用することもできる。その組み合わせ例としては、複数の異種のアルコール類を混合したもの、または水に溶解するアルコール類と水に不溶の例えば飽和炭化水素溶媒などを組み合わせたものが挙げられる。一方、水に溶解しないテルピネオールのような有機溶媒であっても、界面活性剤を水分散体または有機溶媒に添加するなど界面活性剤の存在下で用いることによって、水と有機溶媒とを効率的に置換することができる。
【0059】
上記のニッケル粉末分散体中には、水溶媒が残留していてもよい。しかしながら、上記有機溶媒を添加した後、分散体から水を除去し有機溶媒と置換することが望ましい。このときの分散体中の水の残留量は、分散体中のニッケル粉末の重量に対し10重量%以下であることが好ましく、5重量%以下であることがより好ましく、2重量%以下であることがさらに好ましい。したがって、本発明のニッケル粉末分散体は、ニッケル粉末と上記有機溶媒とからなる場合と、ニッケル粉末と上記有機溶媒と水とからなる場合とがある。
【0060】
置換方法としては、有機溶媒を添加した後、数回のデカンテーションまたは濾過によりニッケル粉末を同じ有機溶媒で洗浄し置換する方法、または有機溶媒を添加した後、加熱または減圧下で水を蒸発させる方法を採用することができる。このように、有機溶媒と置換することによって、導電性ペーストを調製する際、導電ペースト形成に使用する有機ビヒクル等との相溶性が良好となり、ニッケル粉末の凝集を防止し分散性を向上させることができる。
【0061】
ここで、上記有機溶媒の濃度について述べる。本発明におけるニッケル粉末分散体の有機溶媒の濃度は任意である。ただし、導電ペーストを調製する際の相溶性、または保存性を考慮すると、有機溶媒の濃度は5〜200重量%、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは20〜60重量%である。ここでの有機溶媒の濃度とは、分散体中のニッケル粉末重量に対する有機溶媒の重量%である。すなわち、本発明のニッケル粉末分散体は、ニッケル粉末100重量部に対し、有機溶媒が5〜200重量部、好ましくは10〜100重量部、より好ましくは20〜60重量部であるスラリー状混合物である。
【0062】
また、本発明のニッケル粉末分散体中には、上記したものと同じ界面活性剤を添加することができる。添加方法としては、有機溶媒を添加した後界面活性剤を添加する方法、または添加する有機溶媒に予め界面活性剤を添加、混合しておき、この混合物をニッケル粉末の水分散体に添加する方法等が挙げられる。
【0063】
このとき、界面活性剤はアルコールやアセトン等の上述した有機溶媒で希釈し、または有機溶媒に混合して添加することが好ましい。また、界面活性剤1重量部に対し希釈する有機溶媒は、1〜50重量部、好ましくは10〜40重量部である。界面活性剤を添加することによって、ニッケル粉末水分散体の有機溶媒による置換が促進され効果的である。
【0064】
さらに、界面活性剤の作用効果を考慮すると、ニッケル粉末水分散体に予め界面活性剤を添加し、ニッケル粉末の表面に界面活性剤をよく分散させた後、有機溶媒を添加して置換することが好ましい。また、上述した気相還元法等の方法で製造したニッケル粉末を水で洗浄し、ニッケル粉末水分散体を調製する際にも、上記界面活性剤を添加すると、最終的に分散性の高いニッケル粉末分散体および導電ペーストを調製することができるため好ましい。
【0065】
なお、界面活性剤の量比については、とくに制限されないが、ニッケル粉末の粒子表面に界面活性剤の単一分子皮膜が形成される程度の量を添加する。通常、ニッケル粉末1kg当りに使用する界面活性剤の量は、0.0001〜100g、好ましくは0.1〜50g、より好ましくは0.5〜25gである。
【0066】
4) ニッケル粉末分散体の解砕処理
上記のようにして得られたニッケル粉末分散体を用いてニッケルペーストを調製すると、ニッケル粉末の凝集が少なく分散性の優れたペーストが得られる。本発明のニッケル粉末分散体は、分散性をより向上させるために、上記のようにして得られたニッケル粉末分散体にアミン系分散剤を添加し、さらに解砕処理を施す。すなわち、アミン系分散剤を添加することによって、分散体中のニッケル粉末の分散性をさらに向上させ、解砕処理によって僅かに存在するニッケル粉末の凝集を緩和し、最終的に優れたペースト特性を発揮させるものである。
【0067】
アミン系分散剤としては、アルキルアミンおよびポリカルボン酸のアミン塩のうち少なくとも1種が好ましい。例えば、ポリエステル酸、脂肪酸、脂肪酸アミド、ポリカルボン酸、アルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、およびこれらの誘導体等をアミン化したものが挙げられる。
【0068】
アミン塩としては、アミドアミン塩、脂肪族アミン塩、芳香族アミン塩、アルカノールアミン塩、多価アミン塩等があり、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリプロピルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン等が挙げられる。
【0069】
これらアミン系分散剤は、溶剤成分に溶解させた溶液状態のものを使用することもでき、また市販されているものも使用することができる。また、これらアミン系分散剤は、分散体中のニッケル粉末100重量部に対し、アミン系分散剤成分が0.05〜5.0重量部、好ましくは0.2〜2.0重量部となるように添加する。
【0070】
次いで、上記のようにアミン系分散剤を添加したニッケル粉末分散体を、ボールミルを使用して解砕処理する。ボールミル解砕条件は、ニッケル粉末分散体の凝集状態に応じて、凝集が十分緩和されるよう任意に設定することができる。具体的には、粉砕容器内部の材質は、アルミナ、高分子プラスチック、ナイロン等を使用することができる。本発明においては、容器の耐久性およびニッケル粉末への影響等から、ナイロン製の内部材質を備えた粉砕容器を使用することが好ましい。
【0071】
ここで、粉砕ボールは、ジルコニア、タングステンカーバイド、ステンレス鋼、アルミナ等を適宜選択することができ、粉砕ボール径は0.3〜20mmであればよい。平均粒径1μm以下のニッケル粉末の分散体を解砕する場合、粉砕容器内部の材質をナイロンとし、径3〜10mmのジルコニアボールを使用することが好ましい。また、1回の粉砕処理に投入するニッケル粉末分散体量は、粉砕容器の容量に対し20〜60%、好ましくは20〜40%である。
【0072】
さらに、解砕処理するニッケル粉末分散体の粘度は、15000〜35000cpsであることが好ましく、より好ましくは18000〜30000cpsである。また、粉砕処理する際の温度は、10〜40℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜30℃である。解砕処理時間は、ニッケル粉末分散体の凝集程度、上記の粉砕容器、粉砕ボールの材質、粉砕ボール径および分散体粘度等に依存するが、一般的には6〜15時間の範囲内であることが好ましい。なお、本発明におけるニッケル粉末分散体の解砕処理は、上記のボールミル以外にも、せん断作用や摩砕作用を使用した解砕機を使用して行うことも可能である。
【0073】
以上のようにして得られたニッケル粉末分散体は、ニッケル粉末の分散性が極めて良好であり、これを用いて導電性ペーストを形成した際には、優れた分散性を示し、積層セラミックコンデンサにした際の電極表面の凹凸によるショートや、デラミネーション等の内部欠陥発生を防止することができる。
【0074】
5) 導電ペーストの調製
上記のようにして得られたニッケル粉末分散体は、導電ペーストや電極形成用ペーストに好適である。このようなニッケル粉末分散体は、有機溶媒およびバインダと混錬してペーストを形成する。有機溶媒(有機ビヒクル)としては、従来の導体ペーストに用いられているものを使用すれば足り、例えば、エチルセルロース、エチレングリコール、トルエン、キシレン、ミネラルオイル、ブチルカルビトール、テルピネオール、デシルアルコール等の高沸点有機溶媒を用いることができる。バインダとしては、有機または無機バインダを用いることができるが、エチルセルロースなどのセルロース樹脂系高分子バインダや、ブチルメタクリエートなどのアクリル樹脂を用いることが好ましい。
【0075】
また、ペーストを形成する際には、必要に応じて、フタル酸エステル、ステアリン酸等の可塑剤や、鉛系ガラス、亜鉛系ガラスまたはケイ素系ガラス等のガラスフリット、および酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化ビスマス等の金属酸化物フィラー等を混合してもよい。これらの添加物を混合することによって、セラミックス等の基材に塗布、焼結して電極を形成した際には、基材との密着性に優れ、導電性の高い電極を形成することができ、しかも半田との濡れ性を向上させることもできる。
【0076】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、ニッケル粉末の平均粒径、調製した導電ペースト中のニッケル粉末の粒度分布および膜密度は、以下の方法で測定した。
【0077】
・ニッケル粉末の平均粒径の測定
電子顕微鏡によりニッケル粉末の写真を撮影し、その写真からニッケル粉末粒子200個の粒径を測定してその平均を算出した。粒径は粒子を包み込む最小円の直径とした。
【0078】
・導電ペースト中のニッケル粉末の粒度分布
レーザー光散乱回折法粒度測定機(Coulter LS230:コールター社製)を用い、適量のニッケル粉末分散体または乾燥ニッケル粉末をテルピネオールに懸濁させてから超音波をかけて3分間分散させ、サンプル屈折率1.8にてニッケル粉末の粒度を測定し、体積統計値の粒度分布を求めた。なお、後述する表1の粒度分布において、D90、D50、D10は、それぞれ積算粒度で90%、50%、10%のところの粒径(μm)を示しており、とくにD90の値(積算粒度が90%の粒径)が大きいほど導電ペースト形成用分散剤であるテルピネオール中でニッケル粉末が凝集していることを示し、逆に値が小さいほどニッケル粉末が高分散していることを示す。
【0079】
・膜密度の測定
テルピネオールを分散媒とし、ニッケル粉末55重量%を含有したニッケル粉末分散体、または乾燥ニッケル粉末をテルピネオールに添加し形成した分散体に、エチルセルロースを10重量%添加し、次いで混練してペーストを作成した。一方、表面が平滑なガラス板上に離形フィルムを貼り、その両端を中央に離形フィルムの面が残るように貼り固定した。この離形フィルム上に上記ペーストを表面が均一になるようにフィルムアプリケータで印刷し、膜を形成した。その後、80〜200℃で乾燥し、乾燥膜から離形フィルムを剥がし、膜を円形の型で打ち抜いた。打ち抜いた膜の重量および体積を測定して膜密度を算出した。このとき膜の容積は、円の面積を測定するとともに、マイクロメータで膜の厚さを数ヶ所測定して平均を求め、算出した。
【0080】
なお、本発明において、分散性に優れるとは、ニッケル粉末粒子の二次粒子への凝集が少なく、導電ペースト中のニッケル粉末の積算粒度分布を測定した際の平均粒径(D50)および粗粉側粒径(D90)がより小さいこと、および導電ペーストからニッケル粉末の薄膜を形成した際の膜密度がより大きいことを意味する。
【0081】
[実施例1]
1) ニッケル粉末の製造
A 塩化工程
塩化炉内に出発原料である平均粒径5mmのニッケル粉末を原料供給管から充填するとともに、加熱手段により炉内雰囲気温度を1100℃とする。次いで、塩素ガス供給管から塩素ガスを塩化炉内に4Nl/minの流量で供給し、金属ニッケルを塩化して塩化ニッケルガスを発生させた。この塩化ニッケルガスに、塩化炉の下側部に設けられた不活性ガス供給管から塩素ガス供給量の10%(モル比)の窒素ガスを塩化炉内に供給して混合した。そして、塩化ニッケルガスと窒素ガスとの混合ガスを、ノズルを介して還元炉内に導入した。
【0082】
B 還元工程
次に、還元工程として、塩化ニッケルガスと窒素ガスとの混合ガスを、ノズルから加熱手段により1000℃の炉内雰囲気温度とされた還元炉内に、流速2.3m/秒(1000℃換算)で導入した。これと同時に、還元炉内頂部に設けられた還元性ガス供給管から水素ガスを流速7Nl/minで塩化炉内に供給して塩化ニッケルガスを還元し、金属ニッケル粉末を得た。
【0083】
C 冷却工程
上記還元工程にて生じたニッケル粉末に、還元炉の下側部に設けられた冷却ガス供給管から16.4Nl/分・gで供給した窒素ガスを接触させてニッケル粉末を冷却した。そして、生成したニッケル粉末を塩素ガス及び塩酸蒸気とともにノズルを介して回収炉に導入した後、バグフィルターに導き、ニッケル粉末を分離回収した。
【0084】
2) ニッケル粉末分散体の調製
このように回収したニッケル粉末を純水で洗浄し、最後に純水を加えてニッケル粉末水分散体とし、次いで炭酸ガスを分散体中に吹き込んでpH5.5の炭酸溶液とし、常温で60分間、ニッケル粉末を炭酸水溶液処理した。その後、ニッケル粉末を沈降させ、デカンテーションにより上澄み液を除去し、さらに純水を加えてニッケル粉末水分散体を得た。
【0085】
さらに、上記ニッケル粉末水分散体に界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩80%とポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル20%との混合物を、ニッケル粉末に対し0.1重量%となるように添加して攪拌した。このときの水溶媒濃度は60重量%であった。
【0086】
上記ニッケル粉末水分散体を2.5kg(ニッケル粉末1.5kg、水1.0kg)採取し、これにテルピネオールを1kg添加して室温にて攪拌し、ニッケル粉末を分散させた。その後、120℃で16時間、さらに100℃で48時間乾燥してニッケル粉末分散体を得た。このニッケル粉末分散体では、残留水は実質上存在せず、水の全量がテルピネオールに置換された。
【0087】
次いで、上記ニッケル粉末分散体に分散剤としてアルキルアミン(楠本化成(株)製、品番ED117、有効成分50%、溶剤成分はキシレン)を、ニッケル粉末重量100重量部に対し、表1に示すように0.1〜4.0重量部添加した。しかしながら、使用した品番ED117は有効成分50%であるため、アルキルアミン成分の実質添加量は、表1に示すとおり、0.05〜2.0重量部である。
【0088】
さらに、このようにして得られたニッケル粉末分散体をボールミル解砕機を用いて解砕処理した。解砕処理は、日陶科学株式会社製のポットミル回転台AN−3Sを使用し、直径400mmのナイロン製ポットを使用し、直径10mmφのジルコニアボールを粉砕ボールとし、常温で、回転数70rpm、解砕時間12時間で行った。
【0089】
得られたニッケル粉末分散体中のニッケル粉末の平均粒径、得られたニッケル粉末分散体をテルピネオールに分散させたときの粒度分布、および得られたニッケル粉末分散体を使用して調製した導電ペーストの膜密度の測定結果を表1に示す。
【0090】
【表1】
Figure 0004021361
【0091】
[実施例2]
実施例1で得られたニッケル粉末のテルピネオール分散体に、アミン系分散剤としてポリカルボン酸のアミン塩(楠本化成株製、品番ED213、有効成分80%、溶剤成分はキシレン)を添加した。ポリカルボン酸のアミン塩の添加量は、表1に示すとおり、ニッケル粉末100重量部に対し0.1〜2.0重量部とした。しかしながら、ED213の有効成分が80%であるため、分散剤の実質添加量は、表1に示すとおり、0.08〜1.6重量部である。最後に、実施例1と同様にして解砕処理を行い、各種評価を行った。その結果を表1に併記する。
【0092】
[比較例1]
実施例1で得られたニッケル粉末のテルピネオール分散体にアミン系分散剤を添加せず、また解砕処理も行わない状態のニッケル粉末分散体を得た。このニッケル粉末分散体について、実施例1と同様に、各種評価を行った。その結果を表1に併記する。
【0093】
[比較例2]
実施例1で得られたニッケル粉末の水分散体に対して、界面活性剤を添加せず、また有機溶媒を添加することもなく、しかもアミン系分散剤の添加および解砕処理を行うこともなく、ニッケル粉末水分散体を加熱乾燥して水分を除去し、ニッケル粉末(乾燥粉)を得た。このニッケル粉末を実施例1と同様にテルピネオールに分散させたときの粒度分布および膜密度を測定した。その結果を表1に併記する。
【0094】
[比較例3]
実施例1で得られたニッケル粉末の水分散体に対して、界面活性剤を添加せず、また有機溶媒を添加することもなく、しかもアミン系分散剤を添加しない状態の水分散体を得、この水分散体を実施例1と同様にボールミル解砕処理した。次いで、このニッケル粉末の水分散体を濾過した後、加熱乾燥して得られたニッケル粉末(乾燥粉)を、比較例2と同様にテルピネオールに分散させた。そして、このときの粒度分布および膜密度を測定した。その結果を表1に併記する。
[比較例4]
実施例1のニッケル粉末の水分散体に対して、アミン系分散剤を添加しなかった以外は実施例1と同様にしてニッケル粉末の分散体を得、各種評価を行った。その結果を表1に併記する。
【0095】
表1に示すように、実施例1、2のニッケル粉末の電子顕微鏡を用いた観察による平均粒径は、比較例1〜のニッケル粉末と同じである。しかしながら、ニッケル粉末の有機溶媒の分散体では、各実施例においては、ニッケル粉末分散体にアミン系分散剤を添加しさらに解砕処理することによって、各比較例に対し粒度分布(D90、D50、D10)が小さくなっており、ニッケル粉が凝集し粗粉化した二次粒子が少ないことがわかる。また、アミン系分散剤を添加しさらに解砕処理した各実施例では、各比較例に対し、膜密度が大きくなっており、すなわち分散性が向上していることがわかる。さらに、各実施例において、アミン系分散剤添加量が0で、かつ解砕処理のみを行った場合には、アミン系分散剤を添加して解砕したものよりも粒度分布が大きく、膜密度が低いことが判る。すなわち、アミン系分散剤の添加と解砕処理とにより、より高い分散性が得られることが判明した。
【0096】
また、とくに、比較例2では、ニッケル乾燥粉を直接有機溶媒中に分散させ、ニッケル粉末の水分散体に有機溶媒を添加して水と置換しなかった。このため、粒度分布がD90、D50、D10ともに各実施例に比して大きく、導電ペースト中でのニッケル粉末の凝集により粒子が粗大化していることが確認され、膜密度も小さいことが確認された。
【0097】
さらに、比較例3では、ニッケル粉末の水分散体に有機溶媒を添加して水と置換せず、またアミン系分散剤も添加しない状態でボールミル解砕のみを行った。このように、ボールミル解砕を行っているため、比較例2に比してニッケル粉末の凝集による粗粉化はやや抑制されてはいる。しかしながら、ニッケル粉末の水分散体に有機溶媒を添加して水と置換していなこと、およびアミン系分散剤を添加していないことから、アミン系分散剤を添加している各実施例に比して粒子は大きく、膜密度が低いため、分散性に劣ることが判る。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のニッケル粉末分散体によれば、分散性が良好なニッケル粉末分散体中を使用すること、この分散体中にアミン系分散剤を添加すること、および最終処理としてニッケル粉末分散体を解砕処理することによって、導電ペーストを形成した際に優れた分散性を示し、結果として積層セラミックコンデンサを作製した際に、内部電極表面の凹凸によるショートやデラミネーション等の内部欠陥の発生を防止することができる。よって本発明は、積層セラミックコンデンサの内部電極に用いられる導電ペースト用として好適な超微粉ニッケル粉末分散体を提供することができる点で有望である。

Claims (6)

  1. 塩化ニッケルガスと還元性ガスとを接触反応させる気相還元法、または熱分解性のニッケル化合物の溶液を噴霧して熱分解する噴霧熱分解法により得られた平均粒径1μm以下の超微粉ニッケル粉末を水洗し、次いで炭酸水溶液で処理し、純水を添加してニッケル粉末水分散体を形成し、前記ニッケル粉末水分散体に有機溶媒を添加し、水溶媒を少なくとも部分的に前記有機溶媒に置換して有機溶媒濃度を5〜200重量%とし、次いでアミン系分散剤を添加した後に磨砕作用を利用した解砕手段によって解砕処理することを特徴とするニッケル粉末分散体の調製方法。
  2. 前記磨砕作用を利用した解砕処理が、ボールミル、流星型ボールミルまたはビーズミルであることを特徴とする請求項1に記載のニッケル粉末分散体の調製方法。
  3. 前記アミン系分散剤が、アルキルアミンおよびポリカルボン酸のアミン塩の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載のニッケル粉末分散体の調製方法。
  4. 前記ニッケル粉末水分散体に界面活性剤を添加するか、前記有機溶媒に界面活性剤を予め混合するか、または有機溶媒添加後に界面活性剤を添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のニッケル粉末分散体の調製方法。
  5. 前記界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとそのリン酸塩との混合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のニッケル粉末分散体の調製方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のニッケル粉末分散体に有機溶媒または有機バインダからなる有機ビヒクルを加え、混練することを特徴とする導電ペーストの調製方法。
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