JP4005350B2 - 湿式摩擦材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、湿式摩擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】
オートマチック車等の自動変速機等において油中で使用される湿式摩擦材は、「ペーパー摩擦材」と呼ばれるペーパー系湿式摩擦材が一般的である。
この湿式摩擦材の耐久性を向上させる為には、湿式摩擦材が微細で均一な気孔を有していることが要求される。多孔質の湿式摩擦材は、内部で多量のオートマチック・トランスミッション・フルード(ATF)を保持することができる。
そして、しゅう動する際には湿式摩擦材が数μm〜数10μmの圧縮変化を起こすことで内部に保持しているATFを排出し、その解放による復元に伴って再度ATFを吸収するという特徴を有している。これにより、しゅう動の際に高温となったしゅう動面の温度を下げ、内部蓄熱を防止する冷却効果が発生する。この冷却効果は、湿式摩擦材の耐久性に大きく関係している。そこで、湿式摩擦材の耐久性を向上するために、湿式摩擦材は、より均一な気孔状態が要求される。
【0003】
現在、湿式摩擦材は、摩擦材用の樹脂を有機溶媒で溶解したものを上述の繊維基材の抄紙体に含浸させ、乾燥、加熱硬化工程を経て得られる。
しかし、現状の有機溶媒を用いて製造した湿式摩擦材は、製造時に結合材(樹脂)のマイグレーションが避けられなかった。そのため、摩擦材は、厚さ方向において表面層部で結合材の濃度が高く、中層部で結合材の濃度が低くなる傾向にあった。このことは、表面層部の気孔が充分に保てないため、均一な気孔を保ちATFによる冷却効率を高めるという点では非常に不利である。そのため、湿式摩擦材の厚さ方向における結合材の濃度をより均一にすることが望まれている。すなわち、結合材も同様にその目的達成に貢献できるものが強く要求される。
【0004】
また、近年は地球規模での省エネルギー化、環境影響低減の動きが活発になっており、湿式摩擦材用フェノール樹脂の水性化が強く要求されている。従来の湿式摩擦材用樹脂は有機溶媒で溶解したものを使用しており、湿式摩擦材製造時には更に目的の濃度まで有機溶剤で希釈して使用している。湿式摩擦材製造工程において、有機溶剤は乾燥・加熱硬化工程で除去され、回収後燃焼させて焼却処理されており、省エネルギー化、環境影響の低減推進が急務となっている。
このように、湿式摩擦材の耐久性向上と湿式摩擦材用樹脂の水性化との両者を同時に達成する樹脂が強く求められているが、満足するものは得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐久性に優れる湿式摩擦材を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(7)に記載の本発明により達成される。
(1) 繊維基材で構成される抄紙体に、フェノール類と、アルデヒド類とを塩基性触媒存在下で反応させてなる水倍率200%以上のフェノール樹脂を主材料として構成された湿式摩擦材用樹脂の水溶液を含浸させ、その後、加熱・硬化することにより得られた気孔を有することを特徴とする湿式摩擦材。
(2) 前記水倍率200%以上であるフェノール樹脂は、前記フェノール類と、アルデヒド類とのモル比(アルデヒド類/フェノール類)を0.8〜1.6で反応させるものである上記(1)に記載の湿式摩擦材。
(3) 前記水倍率200%以上であるフェノール樹脂の重量平均分子量は、700以下である上記(1)または(2)に記載の湿式摩擦材。
(4) 前記水倍率200%以上であるフェノール樹脂は、亜硫酸塩を含むものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の湿式摩擦材。
(5) 前記湿式摩擦材の気孔率は、20〜70%である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の湿式摩擦材。
(6) 前記水倍率200%以上であるフェノール樹脂は、フェノール類と、アルデヒド類とを塩基性触媒存在下で200%以上の水倍率まで反応させることにより得られる上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の湿式摩擦材。
(7) 前記水倍率200%以上であるフェノール樹脂は、フェノール類と、アルデヒド類を塩基性触媒存在下で反応させる工程と、前記工程で得られたフェノール樹脂に亜硫酸塩を添加して所定の水倍率まで反応する工程とを経ることにより得られる上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の湿式摩擦材。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる湿式摩擦材用樹脂およびその製造方法ならびに湿式摩擦材を詳細に説明する。湿式摩擦材用樹脂は、フェノール類と、アルデヒド類とを塩基性触媒存在下で反応させて得られる湿式摩擦材用樹脂であって、主材料が水溶性のフェノール樹脂で構成されていることを特徴とするものである。従来、湿式摩擦材用樹脂は、有機溶媒に溶解したものが使用されている。しかし、従来の摩擦材は、摩擦材を製造する際に有機溶剤の揮発と共に摩擦材用樹脂が繊維基材の抄紙体の表面に移動(マイグレーション)していた。そのため、摩擦材の厚さ方向で樹脂の存在比率の分布は、摩擦材表層部分に樹脂濃度が高く中層部分の樹脂濃度が低いものであった(樹脂の存在比率の分布が、不均一であった)。樹脂の存在比率の分布が不均一であることに起因して、摩擦材中の気孔の分布も均一なものではなかった。ATFの吸排による冷却効果が摩擦材の耐久性に大きく影響する為、樹脂のマイグレーション発生を避けられない現行の摩擦材の耐久性は、不十分であった。本発明では、湿式摩擦材用樹脂を水溶化することにより、摩擦材用樹脂の繊維基材の抄紙体への含浸性を向上し、樹脂のマイグレーションを抑制することができる。その結果として摩擦材の厚さ方向で樹脂の存在比率の分布を均一にすることができるものである。そして、その効果として、摩擦材の耐久性が向上するものである。詳述すると、摩擦材の厚さ方向で樹脂の分布が均一になると、摩擦材中の気孔の分布も均一になる。摩擦材中の気孔の分布が均一になると、従来から問題となっていたしゅう動時の表面の温度上昇に対する冷却効果を向上することができる。そのため、摩擦材の耐久性が向上すると考えられる。また、湿式摩擦材用樹脂の製造方法は、フェノール類と、アルデヒド類とを塩基性触媒存在下で所定の重量平均分子量まで反応させ水溶性のフェノール樹脂を得ることを特徴とする湿式摩擦材用樹脂の製造方法である。また、本発明の湿式摩擦材は、上記湿式摩擦材用樹脂を基材に含浸させたことを特徴とするものである。
【0008】
以下、湿式摩擦材用樹脂について説明する。湿式摩擦材用樹脂は、フェノール類と、アルデヒド類とを塩基性触媒存在下で反応させて得られるものである。これにより、レゾール型のフェノール樹脂を得ることができる。
前記フェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、m−クレゾール、m−エチルフェノール、レゾルシン、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノールA等が挙げられる。また、これらを単独または2種以上組み合わせて使用しても良い。これらの中でもフェノール、レゾルシンが好ましい。これにより、摩擦材用樹脂の水溶性をより向上することができる。
【0009】
前記アルデヒド類としては、例えばパラホルムアルデヒド、ホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。また、これらを単独または2種以上組み合わせて使用しても良い。これらの中でもパラホルムアルデヒド、ホルムアルデヒドが好ましい。これにより、摩擦材用樹脂の水溶性をより向上することができる。
【0010】
前記フェノール類とアルデヒド類との反応モル比は、特に限定されないが、0.8〜1.6が好ましく、特に0.9〜1.5が好ましい。反応モル比が前記下限値未満であると、未反応のフェノールモノマーが増加する場合があり、前記上限値を超えるとフェノール樹脂の架橋密度が向上するため、硬化物が硬くなり摩擦材の摩擦係数が低下する場合がある。
【0011】
前記塩基性触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ類とトリエチルアミン、トリエタノールアミン等のアミン類とが挙げられる。また、これらを単独または2種類以上併用で使用しても良い。
前記塩基性触媒の添加量は、特に限定されないが、フェノール類100重量部に対して、1〜10重量部が好ましく、特に2〜8重量部が好ましい。塩基性触媒の添加量が前記範囲内であると、特に水溶性に優れるフェノール樹脂を得ることができる。
【0012】
湿式摩擦材用樹脂は、主材料が水溶性のフェノール樹脂で構成されているものである。これにより、湿式摩擦剤中における結合剤の分散が均一となり、均一な微細孔が形成された湿式摩擦材を得ることができる。湿式摩擦材が均一な微細孔を有していると、摩擦材の耐久性をより向上することができる。水溶性のフェノール樹脂とは、水との親和性が高く、水を相当量溶解できるものをいう。
前記フェノール樹脂の水倍率は、特に限定されないが、200%以上が好ましく、特に300%〜1000%が好ましい。水倍率が前記下限値未満であるとフェノール樹脂を繊維基材へ含浸するのが困難となる場合があり、前記上限値を超えると摩擦材の耐久性を向上する効果が低下する場合がある。
また、特に前記フェノール樹脂の水倍率が200%以上となると水系における樹脂の含浸性がより高まり、厚さ方向に樹脂がより均一に分布した摩擦材を得ることができる。湿式摩擦材に樹脂が均一に分布していると、摩擦材中の気孔の分布が均一となりしゅう動時の表面温度を上昇に対する冷却効果をより向上することができる。その結果として、摩擦材の耐久性をより向上することができる。
【0013】
なお、水倍率とは、フェノール樹脂に純水を添加混合し、白濁した時点の純水添加量を倍数で表したものである(混合液温度25℃)。具体的には、ビーカーにフェノール樹脂10ccを採取し25℃に合わせ、25℃の純水を混合液が白濁するまで添加し混合し、白濁時の純水添加量(cc)を読みとるものである。水倍率は以下の式で求められる。
水倍率(%)=100×{白濁時の純水添加量(cc)}/10
【0014】
前記フェノール樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、700以下が好ましく、特に130〜650が好ましく、150〜500が最も好ましい。フェノール樹脂の重量平均分子量が前記下限値未満であると、未反応のフェノールモノマーが増加する場合があり、硬化性も低下する場合がある。また、フェノール樹脂の重量平均分子量が前記上限値を超えると、樹脂の粘度が上昇して繊維基材へのフェノール樹脂の含浸性が低下する場合がある。
重量平均分子量は、例えばGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により求めたものである。検量線はポリスチレン標準物質を用いて作成したものを使用した。GPC測定はテトラヒドロフランを溶出溶媒として使用し、流量1.0ml/分、カラム温度40℃の条件で測定した。装置は、本体:東ソー製HLC−8020、分析用カラム:東ソー製TSKgelG1000HXL 1本、G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、を使用した。
【0015】
前記フェノール樹脂は、特に限定されないが、亜硫酸塩を含むことが好ましい。これにより、フェノール樹脂の水溶性を向上することができる。
前記亜硫酸塩の含有量は、特に限定されないが、フェノール樹脂全体に対して1〜10重量%含むことが好ましく、特に2〜5重量%含むことが好ましい。亜硫酸塩の含有量が前記範囲内であると、フェノール樹脂の水溶性をより向上することができる。
亜硫酸塩としては、例えば亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、無水重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0016】
次に、湿式摩擦材用樹脂の製造方法について説明する。
湿式摩擦材用樹脂の製造方法では、フェノール類と、アルデヒド類とを塩基性触媒存在下で所定の水倍率まで反応させ水溶性のフェノール樹脂を得ることを特徴とする。これにより、湿式摩擦材にしたときに耐久性に優れる湿式摩擦材用樹脂を得ることができる。
前記所定の水倍率は、特に限定されないが、200%以上が好ましく、特に300〜1000%が好ましい。水倍率が前記下限値未満であるとフェノール樹脂の繊維基材への含浸が困難となる場合があり、前記上限値を超えると摩擦材の耐久性を向上する効果が低下する場合がある。
【0017】
前記反応工程は、例えば前記フェノール類と、アルデヒド類と、塩基性触媒を攪拌機付き反応容器に添加して室温〜100℃の反応温度で、30分〜2時間反応させる場合を挙げることができる。なお、反応温度と時間は樹脂の分子量、水倍率により決定される。目的の分子量、水倍率に適合した時点で反応を終了し、速やかに冷却する事により本発明にかかる水溶性フェノール樹脂が得られる。
【0018】
また、湿式摩擦材用樹脂の製造方法では、前記工程で得られたフェノール樹脂に亜硫酸塩を添加し所定の水倍率まで反応する工程を経て水溶性のフェノール樹脂を得ることを特徴とする。これにより、得られたフェノール樹脂の水倍率をより向上することができる。具体的には、水倍率が低い重量平均分子量が比較的高い樹脂であっても亜硫酸塩を添加して反応させることにより、該樹脂の水倍率を向上することができる。
前記亜硫酸塩の添加量は、特に限定されないが、フェノール樹脂全体に対して1〜10重量%添加することが好ましく、特に2〜5重量%が好ましい。亜硫酸塩の添加量が前記下限値未満であるとフェノール樹脂の水溶性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えるとフェノール樹脂の粘度が高くなり、繊維基材との濡れ性が低下する為、得られる湿式摩擦材の強度、耐久性を向上する効果が低下する場合がある。
【0019】
次に、湿式摩擦材について説明する。
本発明の湿式摩擦材は、上述の湿式摩擦材用樹脂を結合材として用いたものである。
本発明の湿式摩擦材を、例えばコアプレートに接着することにより摩擦板を得ることができる。図面を用いて詳細に説明すると、図1に示すように環状に成形した湿式摩擦材1をコアプレート3の両面に接着剤を用いて接着して摩擦板4を得る。また、このコアプレート3の内周には、相手部材のハブ(不図示)と嵌合するギア2が設けられている。湿式多板クラッチを構成する複数の摩擦板4は、ギア2を介して軸方向に移動自在となっており、相互に配置されるセパレータプレート(不図示)と摩擦係合することで動力を伝達する。
【0020】
本発明では、湿式摩擦材用樹脂を結合材として用いる場合、例えば繊維基材で構成される抄紙体に湿式摩擦材用樹脂を含浸し、該樹脂を硬化して湿式摩擦材を得る。
前記抄紙体は、繊維基材(有機繊維基材および/または無機繊維基材)を用いて、通常の抄紙作業により抄造されたものである。
前記繊維基材を構成する繊維としては、例えば天然パルプ、アラミド繊維等の有機繊維、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維等が挙げられる。
前記抄紙体は、充填材を含んでいても良い。前記充填剤としては、例えばシリカ、カシューダスト、ゴム粉、活性炭、珪藻土等が挙げられる。
前記抄紙体に摩擦材用樹脂を含浸する方法としては、例えば抄紙体を水溶性の摩擦材用樹脂に浸漬する方法、各種コーターによる塗布する方法、スプレーによる吹き付ける方法等が挙げられる。これらの中でも、抄紙体を水溶性の摩擦材用樹脂に浸漬する方法が好ましい。これにより、抄紙体に対する摩擦材用樹脂の含浸性を向上することができる。
前記抄紙体に摩擦材用樹脂を含浸した後、通常、例えば80〜120℃で5〜30分乾燥し(水分を除去)、150〜230℃で10〜50分加熱硬化する。
【0021】
本発明の湿式摩擦材の気孔率は、特に限定されないが、20〜70%が好ましく、特に30〜60%が好ましい。気孔率が前記下限値未満であると、ATFの吸排効率が低下するため耐久性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると摩擦材の強度等が低下する場合がある。
【0022】
本発明の摩擦材は、水溶性のフェノール樹脂を主材料とすることにより、従来品と同等の気孔率を維持した状態で気孔の分布をより均一にすることができるものである。気孔の分布が均一になることにより、ATFの吸排効率を向上することができる。その理由は、次のように考えられる。従来品(有機溶媒に溶解したフェノール樹脂より製造された摩擦材)では、摩擦材中の結合材の濃度が中層部分で低く、表面部分では高い傾向にあった。これは、気孔が中層部分に多く存在し、表面部分には少なくなることを表し、ATFの吸排効率には不利なものである。一方、本発明では摩擦材中の結合材の分散が厚さ方向で均一となる為、同じ気孔率で比較した場合、前記従来品より摩擦材表面部分の気孔が多く存在する傾向にある。それに起因して、気孔が効率良く、ATFの吸排効率に寄与することが可能となる。そのため、ATFの吸排効率を向上することができるものと考えられる。ATFの吸排効率が向上すると、しゅう動時の表面温度に対する冷却効果を向上することができる。そのため、摩擦材の耐久性が向上すると考えられる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例により詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、ここに記載されている「部」及び「%」は全て「重量部」及び「重量%」を示す。
【0024】
(実施例1)
▲1▼湿式摩擦材用樹脂の製造
攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えたフラスコにフェノール940部、37%ホルマリン811部(F/P=1.0)及びトリエチルアミン10部、50%カ性ソーダ7部を加え、80℃にて約1時間反応させ、水倍率500%になった時点で速やかに冷却し、不揮発分42%、水倍率500%、重量平均分子量160の湿式摩擦材用のフェノール樹脂を得た。なお、不揮発分は計量したアルミ皿にフェノール樹脂約1.5gを精秤し(重量1)、熱風循環式の乾燥機で135℃、1時間処理し、処理後のアルミ皿とフェノール樹脂の重量を精秤し(重量2)、下式により算出した。
不揮発分(%)=100×{(重量2)−(アルミ皿の重量)}÷(重量1)
【0025】
▲2▼湿式摩擦材の製造
繊維基材成分として天然パルプ繊維35%、アラミド繊維20%、充填剤・摩擦調整剤として珪藻土45%の混合物を水中に分散させたスラリー液から抄造した紙を乾燥し、上述の湿式摩擦材用フェノール樹脂を含浸して乾燥・硬化させ、抄紙体100部に対して結合材40部の湿式摩擦材を得た。次に、外形130mm、内径100mmのリング状に打ち抜き、200℃に加熱した金型中で4.903MPa以上の圧力で30秒間保持することにより、リング状の金属製コアプレートと一体化し、直径130mm、厚さ2.3mmのフリクションプレートを得た。なお、湿式摩擦材製造時のフェノール樹脂の希釈液は、純水を用いて、目的の濃度に調整した。
【0026】
(実施例2)
湿式摩擦材用のフェノール樹脂として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えたフラスコにフェノール940部、37%ホルマリン973部(F/P=1.2)及び50%カ性ソーダ30部を加え、85℃にて約1時間反応させ、水倍率400%になった時点で速やかに冷却し、不揮発分49%、水倍率が400%、重量平均分子量195のフェノール樹脂を得た。
【0027】
(実施例3)
湿式摩擦材用のフェノール樹脂として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えたフラスコにフェノール940部、37%ホルマリン1054部(F/P=1.3)及び50%カ性ソーダ55部を加え、95℃にて約30分間反応させ、水倍率200%とした。その後、無水重亜硫酸ソーダを85部添加し80℃で30分反応させ、不揮発分59%、水倍率400%、重量平均分子量450のフェノール樹脂を得た。
【0028】
(実施例4)
湿式摩擦材用のフェノール樹脂として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えたフラスコにフェノール940部、37%ホルマリン649部(F/P=0.8)及び50%カ性ソーダ10部を加え、80℃にて約1時間反応させ、水倍率300%になった時点で速やかに冷却し、不揮発分約43%、水倍率が300%、重量平均分子量150のフェノール樹脂を得た。
【0029】
(実施例5)
湿式摩擦材用のフェノール樹脂として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えたフラスコにフェノール940部、37%ホルマリン1297部(F/P=1.6)及びトリエチルアミン10部、50%カ性ソーダ7部を加え、80℃にて約1時間30分反応させ、水倍率400%になった時点で速やかに冷却した。不揮発分41%、水倍率400%、重量平均分子量180のフェノール樹脂を得た。
【0030】
(実施例6)
湿式摩擦材用のフェノール樹脂として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えたフラスコにフェノール940部、37%ホルマリン973部(F/P=1.2)及び50%カ性ソーダ30部を加え、85℃にて約1時間30分反応させ、水倍率250%になった時点で速やかに冷却し、不揮発分49%、水倍率が250%、重量平均分子量210のフェノール樹脂を得た。
【0031】
(比較例1)
湿式摩擦材用のフェノール樹脂として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えたフラスコにフェノール940部、37%ホルマリン892部(F/P=1.1)及び50%苛性ソーダ15部を加え、100℃にて1時間反応させた。その後110mmHgの真空下で脱水を行い、温度が70℃に達したらメタノール700部を加え不揮発分約50%、水倍率10%、重量平均分子量350のフェノール樹脂を得た。なお、湿式摩擦材製造時のフェノール樹脂の希釈液は、メチルアルコールを用いて、目的の濃度に調整した。
【0032】
以上の実施例および比較例により得られたフェノール樹脂を結合材として用いて作製した湿式摩擦材中のフェノール樹脂の分散状態と気孔状態の評価結果を表1に示す。なお、各評価は以下のように行った。
▲1▼フェノール樹脂の分散状態
フェノール樹脂の分散状態は、湿式摩擦材を厚さ方向に5層にスライスし、灰分法で各層の樹脂含有量を求め、表層と裏層の樹脂の分布状態を評価した。
【0033】
▲2▼気孔状態の評価
湿式摩擦材の平均気孔径および気孔率は、水銀圧入式細孔分布測定装置オートスキャン500ポロシメータ(ユアサアイオニクス(株)製)にて測定した。
【0034】
【表1】
【0035】
表1から明らかなように実施例1〜6は、樹脂の分布状態が表面から裏面まで均一であった。
また、実施例1〜6は、従来品と気孔率は同等であったが、平均気孔径は小さくなっていた。
【0036】
次に、各実施例および比較例により得られたフェノール樹脂を結合材として用いて作製した湿式摩擦材の摩擦係数、耐久サイクル数等の評価結果を表2に示す。なお、各評価は以下の条件で行った。
▲1▼SAE#2摩擦試験機による動摩擦係数の試験条件
回転数:3600rpm
慣性モーメント:0.343kg・m
押しつけ面圧:785kPa
サイクル数:5000回
油温:100℃
ATF量:700ml
【0037】
▲2▼剥離までの耐久サイクル数測定の試験条件
回転数:7600rpm
慣性モーメント:0.123kg・m
押しつけ面圧:519kPa
油温:100℃
ATF量:360ml/min.
【0038】
▲3▼総厚変化量は、以下の条件で処理した場合の厚さの変化量により求めた。
回転数:3600rpm
慣性モーメント:0.343kg・m
押しつけ面圧:785kPa
サイクル数:5000回
油温:100℃
ATF量:700ml
【0039】
【表2】
【0040】
表2から明らかなように実施例1〜6は、従来品と同等の摩擦係数を維持した状態で、総厚変化量も少なく、耐久サイクル性に優れていた。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、湿式摩擦材用樹脂を湿式摩擦材の結合材として用いた場合、良好な摩擦係数を維持した状態で、耐久性に優れる湿式摩擦材を得ることができる。
また、本発明によれば、省エネルギー化および環境負荷の低減された湿式摩擦材用樹脂組成物を得ることができる。
また、本発明によれば、良好な摩擦係数を維持した状態で、総厚変化量も少なく、耐久性に優れる湿式摩擦材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の湿式摩擦材を用いた摩擦板を模式的に示す正面図である。
【符号の説明】
1 湿式摩擦材
2 ギア
3 コアプレート
4 摩擦板
Claims (7)
- 繊維基材で構成される抄紙体に、フェノール類と、アルデヒド類とを塩基性触媒存在下で反応させてなる水倍率200%以上のフェノール樹脂を主材料として構成された湿式摩擦材用樹脂の水溶液を含浸させ、その後、加熱・硬化することにより得られた気孔を有することを特徴とする湿式摩擦材。
- 前記水倍率200%以上であるフェノール樹脂は、前記フェノール類と、アルデヒド類とのモル比(アルデヒド類/フェノール類)を0.8〜1.6で反応させるものである請求項1に記載の湿式摩擦材。
- 前記水倍率200%以上であるフェノール樹脂の重量平均分子量は、700以下である請求項1または2に記載の湿式摩擦材。
- 前記水倍率200%以上であるフェノール樹脂は、亜硫酸塩を含むものである請求項1ないし3のいずれかに記載の湿式摩擦材。
- 前記湿式摩擦材の気孔率は、20〜70%である請求項1ないし4のいずれかに記載の湿式摩擦材。
- 前記水倍率200%以上であるフェノール樹脂は、フェノール類と、アルデヒド類とを塩基性触媒存在下で200%以上の水倍率まで反応させることにより得られる請求項1ないし5のいずれかに記載の湿式摩擦材。
- 前記水倍率200%以上であるフェノール樹脂は、フェノール類と、アルデヒド類を塩基性触媒存在下で反応させる工程と、前記工程で得られたフェノール樹脂に亜硫酸塩を添加して所定の水倍率まで反応する工程とを経ることにより得られる請求項1ないし5のいずれかに記載の湿式摩擦材。
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