JP4002590B1 - 剥離剤及びそれを用いた湿紙の剥離性向上方法 - Google Patents
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Description
湿紙がプレスロール表面から剥離されないでいると、湿紙に過大な張力がかかり、紙クセが悪くなったり、断紙するという事態が生じる。
これらのことから、従来の抄紙工程においては安定した製造ができないという問題がある。
例えば、製紙工程中、湿紙の脱水部のプレスパートにおいて、所定の成分を有効成分とするストーンロール汚れ防止剤をストーンロール又はフェルトの表面に注ぐことによって、湿紙のストーンロールからの剥離が顕著に改善され、しいては、生産性が向上するストーンロールからの湿紙の剥離性の改善方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、ドクターブレードの磨耗抑制についても不十分である。
すなわち、上記特許文献1又は2記載の方法では、上記剥離性を維持できないため、断紙したり、上記潤滑性が不十分であるためドクターブレードが磨耗し、異物を十分に除去できない傾向にある。
このため、上記特許文献1又は2記載の方法では、安定した製造は困難である。
これにより、たとえプレスロールが高速で回転した場合であっても、湿紙がスムーズに剥がれ、紙に過大な張力がかからないので断紙が抑制される。
したがって、ドクターブレードとプレスロールとの摩擦により、ドクターブレードのプレスロールとの接触部分が磨耗し、ドクターブレードとプレスロールとの間に空隙が生じることが抑制される。
さらに、ドクターブレードの磨耗が抑制されるため、ドクターブレードの交換の頻度を少なくすることができる。
この場合、上記剥離剤をプレスロールに付与すると、水溶性ポリマーが一般式(1)で表される化合物と共に、プレスロール表面に皮膜化されるため、プレスロールを長期間用いた場合であっても、湿紙のプレスロールへの高い剥離性が維持できる。
この場合、上記一般式(1)で表される化合物と、水溶性ポリマーとの混合比が質量比で上記範囲であると、より均一な皮膜が形成される。
本発明によれば、上述した剥離剤を用いるため、剥離剤を湿紙に接触するプレスロールに付与することにより、湿紙の剥離性を向上させることができる。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。
また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。
更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
但し、pとrとの和が6〜30の整数であり、前記p,q,rは同時に0とはならない。
炭素数が10未満であると、表面張力が高くなり、皮膜が十分に形成されない傾向にあり、炭素数が16を超えると、水中に均一に分散されにくくなるため、プレスロール表面に均一に付着されない傾向にある。
なお、上記炭素数は12〜15の炭化水素基であることがより好ましい。
なお、上記炭化水素基は置換基を有していないものであることが好ましい。
これにより、たとえプレスロールが高速で回転した場合であっても、湿紙がスムーズに剥がれ、紙に過大な張力がかからないので断紙が抑制される。
したがって、ドクターブレードとプレスロールとの摩擦により、ドクターブレードのプレスロールとの接触部分が磨耗し、ドクターブレードとプレスロールとの間に空隙が生じることが抑制される。
このため、安定した製造が可能となる。
この場合、上記機能性組成物をプレスロールに付与すると、水溶性ポリマーが一般式(1)で表される化合物と共に、プレスロール表面に皮膜化されるため、プレスロールを長期間用いた場合であっても、湿紙のプレスロールへの高い剥離性が維持できる。
また、機能性組成物をプレスロールに付与することにより、湿紙のプレスロールに対する剥離性をより向上できると共に、ドクターブレードの磨耗をより抑制できる。
このため、より安定した製造が可能となる。
これらの水溶性ポリマーは単独で用いても、2種類以上混合して用いてもよい。
なお、両性水溶性ポリマーは、カチオン性単量体とアニオン性単量体とを重合させることにより得られる。
この場合、湿紙の剥離性がより向上するという利点がある。
また、カチオン性水溶性ポリマーは、カチオン性単量体である重合可能な官能基を有するハロゲン化アミン誘導体と、ノニオン性単量体であるエチレン性二重結合を有するモノマーとを重合させることにより得られるポリマーであってもよい。
また、上記エチレン性二重結合を有するモノマーとしては、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの単量体は単独で用いても、2種類以上混合して用いてもよい。
なお、上記カチオン性単量体とアニオン性単量体とを重合させる際には、上述したノニオン性単量体を同時に重合させてもよい。
また、上記重合可能な官能基を有するカルボン酸誘導体としては、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
これらの単量体は単独で用いても、2種類以上混合して用いてもよい。
この場合、確実に湿紙のプレスロールに対する剥離性を向上できると共に、ドクターブレードの磨耗を抑制できる。
なお、含有割合が30質量%を超えると、効果が向上しなくなる。
この場合、機能性組成物をプレスロール表面上により均一に付与することができる。
上記機能性組成物は、フェルトと、該フェルトを介して湿紙を押圧するための一対のプレスロールと、湿紙に接触する側のプレスロールに接触するドクターブレードと、を備える抄紙機に用いられる。
図1に示すように、プレスパート100は、第1プレス部Aと、第2プレス部Bとを備え、第1プレス部Aでは2箇所、第2プレス部Bでは1箇所で湿紙の脱水が行われる。
換言すると、センターロール10と第1プレスロール11とが押圧点P1で湿紙を押圧することができ、センターロール10と第2プレスロール12とが押圧点P2で湿紙を押圧することができるようになっている。
換言すると、トップロール15と第3プレスロール13とが押圧点P3で湿紙を押圧することができるようになっている。
すなわち、フェルト21は、センターロール10と第1プレスロール11との間に配置されており、第1プレスロール11に接するようになっている。
また、フェルト22は、センターロール10と第2プレスロール12との間に配置されており、第2プレスロール12に接するようになっている。
さらに、フェルト23は、トップロール15と第3プレスロール13との間に配置されており、第3プレスロール13に接するようになっている。
なお、これらのフェルト21,22,23は、湿紙と共に移動可能となっており、湿紙を押圧したときに湿紙中の水分を吸収することができる。
すなわち、センターロール10はドクターブレード10aと、トップロール15はドクターブレード15aと接触している。
また、上記プレスパート100は、湿紙30に接触する側のプレスロール(センターロール10及びトップロール15)に本発明の機能性組成物を付与するためのスプレーノズル10b,15bを備えている。
すなわち、上述した本発明の機能性組成物は、湿紙の脱水を行うためのプレスロールに付与して用いられる。
このようにスプレーノズル10b,15bをドクターブレード10a,15aよりも下流に設けることにより、剥離性皮膜の均一な形成と過剰分の機能性組成物を除去できるという利点がある。
そうすると、湿紙30中の水分がフェルト21に吸収されるため、湿紙30が脱水される。
そうすると、湿紙30中の水分がフェルト22に吸収されるため、湿紙30がより脱水される。
このとき、湿紙30から分離した異物は、ドクターブレード10aにより除去される。
そうすると、湿紙30中の水分がフェルト23に吸収されるため、湿紙30が更に脱水されることになる。
なお、湿紙30から分離した異物は、ドクターブレード15aにより除去される。
このため、より安定した製造が可能となる。
なお、湿紙端面が内側に縮むと、紙の組織自体に歪みが与えられるため、印刷紙として用いる場合、色ズレが発生する。
[機能性組成物の調製]
水80質量%中に、下記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:55質量%、Rは炭素数10(分岐デシル)の炭化水素、p+r=6、q=1、表面張力26.9mN/m)(以下便宜的に「化合物A」という。)10質量%と、カチオン性水溶性ポリマー10質量%とを加えることにより、機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:59質量%、Rは炭素数10(分岐デシル)の炭化水素、p+r=7、q=1、表面張力27.0mN/m)を用いたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:62質量%、Rは炭素数10(分岐デシル)の炭化水素、p+r=8、q=1、表面張力27.0mN/m)を用いたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:65質量%、Rは炭素数10(分岐デシル)の炭化水素、p+r=9、q=1、表面張力27.5mN/m)を用いたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:75質量%、Rは炭素数10(分岐デシル)の炭化水素、p+r=15、q=1、表面張力27.5mN/m)を用いたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:77質量%、Rは炭素数10(分岐デシル)の炭化水素、p+r=16、q=1、表面張力27.5mN/m)を用いたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:79質量%、Rは炭素数10(分岐デシル)の炭化水素、p+r=17、q=1)を用いたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:82質量%、Rは炭素数10(分岐デシル)の炭化水素、p+r=20、q=1)を用いたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:82質量%、Rは炭素数10(分岐デシル)の炭化水素、p+r=21、q=1)を用いたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:70質量%、Rは炭素数9(直鎖ノニル)の炭化水素、p+r=10、q=1)を用いたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:67質量%、Rは炭素数10(分岐デシル)及び炭素数12(直鎖ドデシル)の炭化水素の混合物、p+r=10、q=1)を用いたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:62質量%、Rは炭素数12(直鎖ドデシル)の炭化水素、p+r=7、q=0、表面張力27.8mN/m)を用いたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:66質量%、Rは炭素数12(直鎖ドデシル)の炭化水素、p+r=8、q=0、表面張力28.5mN/m)を用いたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:70質量%、Rは炭素数12(直鎖ドデシル)の炭化水素、p+r=10、q=0、表面張力31.0mN/m)を用いたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:81質量%、Rは炭素数12(直鎖ドデシル)の炭化水素、p+r=18、q=0、表面張力39.0mN/m)を用いたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:64質量%、Rは炭素数13(直鎖トリデシル)の炭化水素、p+r=8、q=0、表面張力27.5mN/m)を用いたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:69質量%、Rは炭素数13(直鎖トリデシル)の炭化水素、p+r=10、q=0、表面張力27.9mN/m)を用いたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:73質量%、Rは炭素数13(直鎖トリデシル)の炭化水素、p+r=12、q=0、表面張力31.3mN/m)を用いたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:82質量%、Rは炭素数13(直鎖トリデシル)の炭化水素、p+r=20、q=0、表面張力36.3mN/m)を用いたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:57質量%、Rは炭素数14(直鎖テトラデシル)及び炭素数15(直鎖ペンタデシル)の炭化水素の混合物、p+r=8及び9の混合物、q=1、表面張力32.0mN/m)を用いたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:59質量%、Rは炭素数14(直鎖テトラデシル)及び炭素数15(直鎖ペンタデシル)の炭化水素の混合物、p+r=9、q=1、表面張力32.5mN/m)を用いたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:64質量%、Rは炭素数14(直鎖テトラデシル)及び炭素数15(直鎖ペンタデシル)の炭化水素の混合物、p+r=11、q=1、表面張力34.0mN/m)を用いたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:67質量%、Rは炭素数14(直鎖テトラデシル)及び炭素数15(直鎖ペンタデシル)の炭化水素の混合物、p+r=13、q=1、表面張力35.0mN/m)を用いたこと以外は実施例14と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:70質量%、Rは炭素数14(直鎖テトラデシル)及び炭素数15(直鎖ペンタデシル)の炭化水素の混合物、p+r=15、q=1、表面張力37.0mN/m)を用いたこと以外は実施例14と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:61質量%、Rは炭素数16(直鎖ヘキサデシル)の炭化水素、p+r=10、q=1)を用いたこと以外は実施例14と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、上記一般式(1)で表される化合物(エチレンオキサイド基の含有割合:60質量%、Rは炭素数16(直鎖ヘキサデシル)及び炭素数18(直鎖オクタデシル)の炭化水素の混合物、p+r=10、q=1)を用いたこと以外は実施例14と同様にして機能性組成物を得た。
カチオン性水溶性ポリマーの代わりに、両性水溶性ポリマーを用いたこと以外は実施例23と同様にして機能性組成物を得た。
なお、上記両性水溶性ポリマーは、カチオン性単量体である(メタ)アクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルベンジンクロリド塩と、アニオン性単量体であるメタクリル酸と、ノニオン性単量体であるエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとを、質量比5:2:3となるように混合し、ラジカル重合させたものである。
化合物Aの添加量を2質量%としたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの添加量を30質量%としたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの代わりに、塩化アルキルジメチルベンザルコニウムを用いたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aを用ないこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
化合物Aの添加量を1質量%としたこと以外は実施例1と同様にして機能性組成物を得た。
図1に示す抄紙機のプレスパートにおいて、上記実施例1〜29及び比較例1〜3で得られた機能性組成物をセンターロール(プレスロール)に付与し、湿紙の剥離性及びドクターブレードの摩耗性を調査した。なお、試験で使用した実機の稼働条件は次の通りである。
抄造品種:コート紙
坪量:44g/m2
紙幅:5m
センターロールの回転速度:1100m/min
センターロールの材質:セラミック溶射ロール
ドクターブレードの材質:カーボン
ドクターブレードの線圧:350g/cm
トップロールの回転速度:1140m/min
トップロールの材質:セラミック溶射ロール
機能性組成物の付与量:25cc/min
センターロールへの水の付与量:50L/min
図2は、実機剥離性試験を説明するための説明図である。
図2に示すように、機能性組成物を付与しない状態においては、所定速度S1でプレスロールを稼動させると、湿紙30は離脱点T1で剥離する。
一方、各機能性組成物を付与した状態においては、同じ速度S1でプレスロールを稼動させると、湿紙30は離脱点T2で剥離する。
なお、稼働中では離脱点が上下に振れているので、その振れの中心となる位置を離脱点とする。
そうすると、ドローを取る際の力が弱まり、離脱点T2は徐々に離脱点T1の方向に移行する。
そして、離脱点T2と離脱点T1とが一致したときの速度S2を測定する。
この速度S1と速度S2との差を剥離性の大きさとした。
得られた結果を表1に示す。
また、各機能性組成物を付与した状態において、2週間実機を稼働させた場合のドクターブレードの摩耗量を一日当たりに換算して測定した。
結果を表1に示す。
なお、水(ブランク)のみを付与した場合の磨耗量を100として、各実施例の磨耗性を規格値(ブランクに対する相対値)で示す。
次に、本発明の機能性組成物の効果を示す補助試験として、湿紙の剥離性試験を行った。
その方法を、図を用いて以下説明する。
図3に示すように、セラミックス溶射板51の上面の全面に水で2000倍に希釈した各機能性組成物を5cc付与した。
そして、この積層体を、金属製のプレスロール53により押圧し、湿紙30の全体が均一な圧力によって押圧されるように、積層体を水平方向に移動させた。
なお、湿紙30の湿紙の重さに対する湿紙から水分を除去した部分の重さの割合(ドライネス)は約38%であった。
その時、ロードセル55が示した剥離力を測定した。
得られた結果を表1に示す。
なお、セラミック溶射板1に水(ブランク)のみを付与した場合の剥離力を100として、各実施例の剥離力を規格値(ブランクに対する相対値)で示す。
次に、本発明の機能性組成物が動摩擦力を低下させる効果を確かめる試験を行った。
図4は、動摩擦力測定試験を説明するため説明図である。
図4に示す通り、セラミックス溶射板1全面に水で2000倍に希釈した機能性組成物を5cc付与した。
得られた結果を表1に示す。
なお、セラミック溶射板51に水のみを付与した場合の動摩擦力を100として、各実施例の動摩擦力を規格値(ブランクに対する相対値)で示す。
10a,15a,56…ドクターブレード
10b,15b…スプレーノズル
11,12,13,53…プレスロール
15…トップロール(プレスロール)
21,22,23,52…フェルト
30…湿紙
51…セラミックス溶射板
54…ワイヤー付きフック
55…ロードセル
57…モーター
100…プレスパート
A…第1プレス部
B…第2プレス部
P,P1,P2,P3…押圧点
Q…点
R1,R2…回転方向
T1,T2…離脱点
Claims (11)
- 前記pと前記rとの和が6〜20の整数であることを特徴とする請求項1記載の剥離剤。
- 前記Rが炭素数12〜15の炭化水素基であり、前記pと前記rとの和が8〜20の整数であることを特徴とする請求項1記載の剥離剤。
- 前記水溶性ポリマーがカチオン性単量体とノニオン性単量体とからなるカチオン性水溶性ポリマーであることを特徴とする請求項1記載の剥離剤。
- 前記水溶性ポリマーがカチオン性単量体とアニオン性単量体とからなる両性水溶性ポリマーであることを特徴とする請求項1記載の剥離剤。
- 前記水溶性ポリマーがカチオン性単量体とノニオン性単量体とアニオン性単量体とからなる両性水溶性ポリマーであることを特徴とする請求項1記載の剥離剤。
- 前記一般式(1)で表される化合物と、前記水溶性ポリマーとの混合比が質量比で1:0.1〜1:10であることを特徴とする請求項1記載の剥離剤。
- 前記プレスロールが、表面に付着した異物を除去するためのドクターブレードを備えていることを特徴とする請求項1記載の剥離剤。
- 前記ドクターブレードと前記プレスロールとの潤滑性を向上させることを特徴とする請求項9記載の剥離剤。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の剥離剤を用いることを特徴とする湿紙の剥離性向上方法。
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