JPH08337988A - ピッチ付着防止剤およびそれを用いたピッチ付着防止方法 - Google Patents

ピッチ付着防止剤およびそれを用いたピッチ付着防止方法

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JPH08337988A
JPH08337988A JP14606695A JP14606695A JPH08337988A JP H08337988 A JPH08337988 A JP H08337988A JP 14606695 A JP14606695 A JP 14606695A JP 14606695 A JP14606695 A JP 14606695A JP H08337988 A JPH08337988 A JP H08337988A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】パルプまたは紙を製造する際に、上記パルプま
たは紙の原材料と接触する製紙機の少なくとも一部分
に、下記の(A)成分および(B)成分を含有するピッ
チ付着防止剤含有水溶液を噴霧する。 (A)ジシアンジアミドとポリアルキレンポリアミンと
の縮合物。 (B)カチオン界面活性剤。 【効果】パルプまたは紙の製紙機,用具類に対するピッ
チの付着を著しく抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パルプおよび紙の製造
工程におけるピッチ障害を抑制、防止するためのピッチ
付着防止剤およびそれを用いたピッチ付着防止方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、パルプおよび紙の製造工程でピ
ッチと称される物質がある。このピッチは、木材やパル
プおよび紙から遊離した天然樹脂やガム物質、さらに
は、パルプおよび製紙工程で使用される添加薬品等に由
来する有機物を主体とする非水溶性の粘着物質のことで
ある。一般に、上記ピッチは、パルプおよび製紙工程
中、特に白水では、コロイド状になって分散している
が、なんらかの外的作用、例えば、大きな剪断力、pH
の急激な変化、硫酸バンドの過剰添加等によりコロイド
状態が破壊されて凝集、巨大化したものであると考えら
れる。この凝集、巨大化して生じたピッチは、その粘着
性に起因してパルプや紙への付着、さらに、ファンポン
プ、配管内、チェスト、ワイヤー、フェルト、ロール等
の製造装置類への付着、および後に剥離してパルプや紙
への再付着により、紙の汚点・欠点が発生して品質の低
下や、断紙の発生による生産性・作業性の低下等のピッ
チ障害を引き起こす要因となる。近年、紙の多様化によ
る使用薬品類の増加と、製造工程中で使用する水のクロ
ーズド化が高くなるにつれて、従来にも増してピッチ障
害の発生が増加するとともに、その発生形態が複雑化し
ているのが現状である。
【0003】この製紙工程でのピッチ付着による障害を
防止、または軽減する方法として、ピッチを機械的に
除去する方法、原材料に吸着性無機微粉末を添加して
ピッチの粘着性を消失させて紙自身に抄き込ませる方
法、原材料に界面活性剤を添加して凝集したピッチ粒
子の分散を促進すると同時に、粘着性を低下させて凝集
を防止し、これらを紙に抄き込ませる方法、ピッチを
有機系溶剤で溶解することにより系外へ除去する方法等
が知られている。しかし、上記の方法は、その除去作
業が非常に煩雑なものとなる。そして、上記,およ
びの方法に用いられるピッチ付着防止剤は、いずれも
パルパー後、リファイナー後のチェスト、ミキシングチ
ェスト、マシンチェスト等で添加することが多い。この
ように、従来のピッチ付着防止剤は、ピッチ粒子を系外
に取り出すものと、系内で分散させるものが大部分であ
って、この二つに大別される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の吸着性無機微
粉末である無機担体においては分散吸着効果があるが、
その反面、ヒーター、リファイナー、ワイヤー、ロール
ドクターの摩耗、プレスフェルトの目詰まりを起こすう
え、数箇所に分けて添加しなくては効果が弱いことや、
ピッチ障害の防止に必要な薬剤量が多い等の欠点があ
る。また、上記の界面活性剤との有機系溶剤を併用
して、ピッチ粒子をパルプスラリー中に溶解、分散させ
ることを目的としたものは、用水の回収率増加に伴い、
溶解ピッチの蓄積、製紙設備、用具の破損、作業環境の
悪化を生じ、予測し得ない程のピッチ障害につながると
いう問題を有している。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、パルプや紙の製造工程でのピッチ付着による障
害を防止することのできるピッチ付着防止剤およびそれ
を用いたピッチ付着防止方法に関するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、下記の(A)成分および(B)成分を含
有するピッチ付着防止剤を第1の要旨とする。 (A)ジシアンジアミドとポリアルキレンポリアミンと
の縮合物。 (B)カチオン界面活性剤。
【0007】また、パルプまたは紙を製造する際に、上
記パルプまたは紙の原材料と接触する製紙機の少なくと
も一部分に、上記ピッチ付着防止剤含有溶液を噴霧する
ピッチ付着防止方法を第2の要旨とする。
【0008】
【作用】すなわち、本発明者らは、パルプおよび紙の製
造工程におけるピッチの付着発生の抑制に関して系統的
な研究を行った。そして、このピッチの付着を防止する
薬剤を得るために、各種化合物について組み合わせ等試
用した結果、ジシアンジアミドとポリアルキレンポリア
ミンとの特定構造のカチオン系縮合物(A成分)と、カ
チオン界面活性剤(B成分)とを併用したピッチ付着防
止剤を用いると、優れたピッチ付着防止効果が得られる
ことを突き止めた。特に、上記カチオン系縮合物(A成
分)とカチオン界面活性剤(B成分)の配合割合(重量
比)を、A成分:B成分=1:0.05〜1:2.5の
範囲に設定することにより、様々な問題が生ずることな
く特に優れたピッチ付着防止効果が得られる。
【0009】そして、上記ピッチ付着防止剤の使用方法
として、パルプまたは紙の原材料と接触する製紙機の一
部分に噴霧することにより製紙機に対するピッチの付着
を著しく抑制してピッチ障害の発生を防止することがで
きることを見出し本発明に到達した。
【0010】つぎに、本発明を詳しく説明する。
【0011】本発明のピッチ付着防止剤は、特定構造の
カチオン系縮合物(A成分)と、カチオン界面活性剤
(B成分)とを用いて得られる。
【0012】上記特定構造のカチオン系縮合物(A成
分)は、ジシアンジアミドとポリアルキレンポリアミン
とを用い、これらを縮合反応させることにより得られる
縮合ポリマーである。
【0013】上記ポリアルキレンポリアミンの中でも、
その含有する窒素原子数が2〜5個からなるポリアルキ
レンポリアミンが、入手および取扱いが容易であるとい
う点から好ましい。具体的には、エチレンジアミン、ジ
エチレントリアミン、ヘキサエチレンペンタミン等があ
げられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用い
られる。
【0014】上記特定構造のカチオン系縮合物(A成
分)は、例えば、上記ジシアンジアミドとポリアルキレ
ンポリアミンとを、温度150〜200℃で公知の方法
にて縮合反応を行うことにより得ることができる。この
際の上記両者の反応比は、モル比で、ジシアンジアミド
/ポリアルキレンポリアミン=0.7/1〜1/0.7
の範囲に設定することが好ましい。
【0015】上記カチオン界面活性剤(B成分)として
は、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライ
ド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アル
キルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート等
があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて
用いられる。そして、上記にあげた化合物におけるアル
キル基としては、後述の炭素数を外れると、目的とする
性能が得られ難いという点から炭素数8〜18個のアル
キル基が好ましく、具体的には、オクチル基、ラウリル
基、ステアリル基等があげられる。このようなカチオン
界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルベンジ
ルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアン
モニウムクロライド、オクチルジメチルエチルアンモニ
ウムエチルサルフェート等があげられる。
【0016】上記特定構造のカチオン系縮合物(A成
分)と、カチオン界面活性剤(B成分)の配合割合は、
重量比で、A成分:B成分=1:0.05〜1:2.5
の範囲に設定することが好ましい。特に好ましくはA成
分:B成分=1:0.15〜1:1.5である。すなわ
ち、B成分の配合割合が0.05未満では、製造装置類
表面の濡れ性が悪いため、A成分のコーティングが不充
分となり、ピッチ成分の装置類への付着を効果的に防止
することが困難となる。また、B成分の配合割合が2.
5を超えると、A成分の付着性が劣り、充分にコーティ
ングされなくなるため、同様にピッチ成分の装置類への
付着を効果的に防止することが困難となる。
【0017】つぎに、本発明のピッチ付着防止剤を用い
たピッチ付着防止方法について説明する。
【0018】本発明のピッチ付着防止剤を用いたピッチ
付着防止方法は、パルプまたは紙を製造する際に、上記
パルプまたは紙の原材料と接触する製紙機の少なくとも
一部分に、本発明のピッチ付着防止剤を配合した溶液
を、直接噴霧することにより、製紙機のフェルト、ワイ
ヤー、ロール等へのピッチの付着防止を図る方法であ
る。
【0019】上記方法において、製紙機の少なくとも一
部分(例えば、フェルト、ワイヤー、ロール等)に、ピ
ッチ付着防止剤を配合した溶液を噴霧する場合の溶液中
のピッチ付着防止剤の濃度は、0.005〜10重量%
(以下「%」と略す)の範囲に設定することが好まし
く、特にコスト面を考慮した場合0.005〜0.05
%の範囲に設定することが好ましい。特に、0.005
〜0.05%の濃度範囲内で、充分なピッチ付着防止効
果が得られる。すなわち、ピッチ付着防止剤の濃度が
0.005%未満では、所望のピッチ付着防止効果を得
ることは困難であり、10%を超える濃度に設定しても
コストが高くなるだけで著しい効果の向上はみられない
からである。
【0020】上記ピッチ付着防止剤を配合した溶液とし
ては、一般に水溶液があげられ、その噴霧方法として
は、例えば、上記水溶液を洗浄水シャワーラインに圧入
して、ピッチの付着し易い、ワイヤー、フェルト、ロー
ル等に対して、シャワー水とともに吹き付ける方法があ
げられる。あるいは、上記洗浄水シャワーラインとは別
に、上記水溶液噴霧用スプレーを設置して噴霧する方法
があげられる。
【0021】なお、本発明のピッチ付着防止方法の対象
となるパルプおよび紙の製造工程における、パルプおよ
び紙の種類等に関しては特に限定するものではなく、現
在製造,加工されている全てのパルプおよび紙が対象と
なり、これらに対して有効である。
【0022】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0023】まず、下記の表1に示す組み合わせにより
4種類のジシアンジアミドとポリアルキレンポリアミン
との縮合物A−1〜A−4を調製した。上記縮合物は、
温度180℃雰囲気下、公知の方法で縮合反応を行うこ
とにより調製した。
【0024】
【表1】
【0025】また、下記に示す3種類のカチオン界面活
性剤B−1〜B−3を準備した。
【0026】B−1:ラウリルジメチルベンジルアンモ
ニウムクロライド B−2:ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド B−3:オクチルジメチルエチルアンモニウムエチルサ
ルフェート
【0027】ついで、上記縮合物とカチオン界面活性剤
を下記の表2に示す組み合わせに従い、同表に示す比率
(重量比)で混合することにより目的とするピッチ付着
防止剤a〜sを調製した。
【0028】
【表2】
【0029】そして、上記ピッチ付着防止剤a〜sを用
いてピッチ付着防止テストを、下記に示すようにして行
い、薬品の選定を行った。なお、比較対照として、ピッ
チ付着防止剤未散布の場合(表2中のt)も行った。ま
ず、図1(A)および(B)に示すような機械におい
て、予めピッチを付着させてある(ピッチ付着量:50
0mg/cm2 )抄紙用網(ワイヤー)1表面に、温水
シャワー装置2から温水を噴霧させながら駆動させると
ともに、このワイヤー1と摺接するようにテストフェル
ト3(100cm2 )を駆動させた。このときの、上記
表2に示す各ピッチ付着防止剤の水溶液を噴霧装置9に
より、テストフェルト3表面に噴霧した。このようにし
てワイヤー1からテストフェルト3に転移したピッチ付
着量を測定した。図1において、4,5,6,7,8は
ロールである。なお、上記噴霧条件は、ピッチ付着防止
剤の添加量を水溶液全体の0.05%に設定し、5ml
/m/min噴霧量で5時間噴霧した。そして、噴霧終
了後にテストフェルト3表面に転移したピッチをトルエ
ンを用いて洗浄抽出して、その重量を秤量した。その結
果を下記の表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】上記表3の結果より、薬品としてAとBを
組み合わせたものは、ピッチ付着量が少ないことからい
ずれもピッチ付着防止の効果があることがわかる。そし
て、上記AとBの組み合わせのなかでも、特に、縮合物
A−2とカチオン界面活性剤B−1の組み合わせ(前記
表2中のf)がピッチ付着防止効果が高いことがわか
る。
【0032】つぎに、縮合物(A)とカチオン界面活性
剤(B)の良好な配合割合を見出すべく、特に良好な結
果が得られた上記縮合物A−2とカチオン界面活性剤B
−1の組み合わせ(前記表2中のf)において、その配
合割合(重量比)を適宜に変えたピッチ付着防止剤a21
〜s21を調製した。その配合割合の下記の表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】上記配合割合により得られた各ピッチ付着
防止剤a21〜s21を用いて、ピッチ付着テストを図1
(A)および(B)に示す機械により行い、前記と同様
にしてテストフェルト3表面に転移したピッチ重量を秤
量した。その結果を下記の表5に示す。
【0035】
【表5】
【0036】上記表5の結果から、縮合物A−2とカチ
オン界面活性剤B−1の配合割合(重量比)は、A−
2:B−1=1:0.05〜1:2.5の範囲が特に良
好であることがわかる。
【0037】つぎに、実機テストでのピッチ付着防止方
法について述べる。
【0038】
【実施例1】前記縮合物A−2とポリアルキレンポリア
ミンB−1とを、重量比で、A−2:B−1=1:1.
5の割合で配合してピッチ付着防止剤を調製した。この
ピッチ付着防止剤を用いて、図2に示す構成からなる、
中芯原紙を製造する製紙機(デュオフォーマーF、抄速
700m/min)の所定部分に噴霧しながら、製紙
[太線矢印X方向に紙原料(原料パルプスラリー)は流
れる]を行い、中芯原紙を製造した。すなわち、上記製
紙機において、点線で示されるものはワイヤーであり、
実線で示されるものはフェルトである。そして、構成部
分aにおいては、紙と接触するフェルト表面の噴霧用シ
ャワー11によりフェルト表面にピッチ付着防止剤配合
水溶液を噴霧した。また、構成部分bにおいては、紙と
接触するフェルト表面の噴霧用シャワー13によりフェ
ルト表面にピッチ付着防止剤配合水溶液を噴霧した。そ
して、構成部分cにおいては、紙と接触するフェルト表
面の噴霧用シャワー15によりフェルト表面にピッチ付
着防止剤配合水溶液を噴霧した。さらに、構成部分dに
おいては、紙と接触するフェルト表面の噴霧用シャワー
16によりフェルト表面にピッチ付着防止剤配合水溶液
を噴霧した。なお、図2において、18はサクションボ
ックス(吸引脱水装置)、19はプレスシューである。
また、上記噴霧条件は、ピッチ付着防止剤の添加量を水
溶液全体の0.013%に設定し、7cc/m/min
の噴霧量で散布した。
【0039】その結果、ピッチ付着防止剤配合水溶液の
噴霧前は、フェルト部分にピッチの付着量がかなり多か
ったが、このピッチ付着防止剤配合水溶液を20日間連
続で噴霧したところ、その間、フェルト表面へのピッチ
の付着が殆ど無く、この製紙機の運転を止めてフェルト
部分を洗浄する必要が無かった。
【0040】
【実施例2】上記ピッチ付着防止剤の調製において、縮
合物A−2とポリアルキレンポリアミンB−1の配合割
合(重量比)を、A−2:B−1=1:0.05の割合
に代えた。また、ピッチ付着防止剤の添加量を水溶液全
体の0.005%に代えた。それ以外は実施例1と同様
の条件で図2に示す構成の製紙機により中芯原紙を製造
した。
【0041】その結果、ピッチ付着防止剤配合水溶液の
噴霧前は、フェルト部分にピッチの付着量がかなり多か
ったが、このピッチ付着防止剤配合水溶液を20日間連
続で噴霧したところ、その間、フェルト表面へのピッチ
の付着が殆ど無く、この製紙機の運転を止めてフェルト
部分を洗浄する必要が無かった。
【0042】
【実施例3】上記ピッチ付着防止剤の調製において、縮
合物A−2とポリアルキレンポリアミンB−1の配合割
合(重量比)を、A−2:B−1=1:2.5の割合に
代えた。それ以外は実施例1と同様の条件で図2に示す
構成の製紙機により中芯原紙を製造した。
【0043】その結果、ピッチ付着防止剤配合水溶液の
噴霧前は、フェルト部分にピッチの付着量がかなり多か
ったが、このピッチ付着防止剤配合水溶液を20日間連
続で噴霧したところ、その間、フェルト表面へのピッチ
の付着が殆ど無く、この製紙機の運転を止めてフェルト
部分を洗浄する必要が無かった。
【0044】
【実施例4】前記縮合物A−2とポリアルキレンポリア
ミンB−1とを、重量比で、A−2:B−1=1:1.
5の割合で配合してピッチ付着防止剤を調製した。この
ピッチ付着防止剤を用いて、図3に示す構成からなる、
印刷原紙を製造する製紙機(抄速700m/min)の
所定部分に噴霧しながら、製紙(太線矢印Y方向に原料
パルプスラリーは流れる)を行い、印刷原紙を製造し
た。すなわち、上記製紙機において、点線で示されるも
のはワイヤーであり、実線で示されるものはフェルトで
ある。そして、構成部分a′においては、1箇所の噴霧
用シャワー20によりフェルト表面にピッチ付着防止剤
配合水溶液を噴霧した。また、構成部分b′において
は、1箇所の噴霧用シャワー21によりフェルト表面に
ピッチ付着防止剤配合水溶液を噴霧した。そして、構成
部分c′においては、1箇所の噴霧用シャワー22によ
りフェルト表面にピッチ付着防止剤配合水溶液を噴霧し
た。さらに、構成部分d′においては、1箇所の噴霧用
シャワー23によりフェルト表面にピッチ付着防止剤配
合水溶液を噴霧した。なお、図3において、24はサク
ションボックス(吸引脱水装置)、25はプレスロー
ル、26はセンターロールである。また、上記噴霧条件
は、ピッチ付着防止剤の添加量を水溶液全体の0.01
%に設定し、5cc/m/minの噴霧量で噴霧した。
【0045】その結果、ピッチ付着防止剤配合水溶液の
噴霧前は、図4に示すサクションボックス24の天板2
4aにピッチが付着し、それが原因でフェルトが脱毛し
トラブルを発生していたが、このピッチ付着防止剤配合
水溶液を噴霧したところ、その間、天板24aへのピッ
チの付着が殆ど無く、脱毛によるトラブルも発生しなか
った。
【0046】
【実施例5】上記ピッチ付着防止剤の調製において、縮
合物A−2とポリアルキレンポリアミンB−1の配合割
合(重量比)を、A−2:B−1=1:0.05の割合
に代えた。また、ピッチ付着防止剤の添加量を水溶液全
体の0.005%に代えた。それ以外は実施例4と同様
の条件で図3に示す構成の製紙機により印刷原紙を製造
した。
【0047】その結果、ピッチ付着防止剤配合水溶液の
噴霧前は、図4に示すサクションボックス24の天板2
4aにピッチが付着し、それが原因でフェルトが脱毛し
トラブルを発生していたが、このピッチ付着防止剤配合
水溶液を噴霧したところ、その間、天板24aへのピッ
チの付着が殆ど無く、脱毛によるトラブルも発生しなか
った。
【0048】
【実施例6】上記ピッチ付着防止剤の調製において、縮
合物A−2とポリアルキレンポリアミンB−1の配合割
合(重量比)を、A−2:B−1=1:2.5の割合に
代えた。また、ピッチ付着防止剤の添加量を水溶液全体
の0.005%に代えた。それ以外は実施例4と同様の
条件で図3に示す構成の製紙機により印刷原紙を製造し
た。
【0049】その結果、ピッチ付着防止剤配合水溶液の
噴霧前は、図4に示すサクションボックス24の天板2
4aにピッチが付着し、それが原因でフェルトが脱毛し
トラブルを発生していたが、このピッチ付着防止剤配合
水溶液を噴霧したところ、その間、天板24aへのピッ
チの付着が殆ど無く、脱毛によるトラブルも発生しなか
った。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明のピッチ付着防止
剤は、特定のカチオン系縮合物(A成分)とカチオン界
面活性剤(B成分)を含有するものであり、パルプまた
は紙の製紙機,用具類におけるピッチ障害に対してその
ピッチ障害の発生抑制に優れた効果を有している。そし
て、このピッチ付着防止剤を、製紙機,用具類に噴霧す
ることより、製紙機,用具類に対するピッチの付着を著
しく抑制することができる。このように、本発明のピッ
チ付着防止方法を用いることにより、ピッチ付着による
製紙設備,用具の破損の発生率を抑制することができる
とともに、従来では付着したピッチを除去するために、
短期間の製紙機の運転で運転を止めて洗浄する必要があ
ったが、運転を止めて洗浄する必要がなくなり製造作業
性が大きく改善される。したがって、本発明のピッチ付
着防止方法により得られるパルプおよび紙製品の品質も
向上する等、実用的価値の非常に高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はピッチ付着防止テストに用いられる機
械を示す側面図であり、(B)はその平面図である。
【図2】中芯原紙を製造する製紙機の構成を示す模式図
である。
【図3】印刷原紙を製造する製紙機の構成を示す模式図
である。
【図4】上記製紙機の構成部品であるサクションボック
スを示す断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷ケ崎 大司 埼玉県児玉郡上里町神保原98−43 (72)発明者 小川 勝也 埼玉県蕨市南町2−11−7−306

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)成分および(B)成分を含
    有することを特徴とするピッチ付着防止剤。 (A)ジシアンジアミドとポリアルキレンポリアミンと
    の縮合物。 (B)カチオン界面活性剤。
  2. 【請求項2】 (A)成分に用いられるポリアルキレン
    ポリアミン中の窒素原子数が、2〜5個である請求項1
    記載のピッチ付着防止剤。
  3. 【請求項3】 (B)成分であるカチオン界面活性剤
    が、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライ
    ド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライドおよび
    アルキルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェー
    トからなる群から選ばれた少なくとも一つのカチオン性
    界面活性剤である請求項1または2記載のピッチ付着防
    止剤。
  4. 【請求項4】 (A)成分と(B)成分の配合割合が、
    重量比で、A成分:B成分=1:0.05〜1:2.5
    の範囲に設定された請求項1〜3のいずれか一項に記載
    のピッチ付着防止剤。
  5. 【請求項5】 パルプまたは紙を製造する際に、上記パ
    ルプまたは紙の原材料と接触する製紙機の少なくとも一
    部分に、請求項1〜4のいずれか一項に記載のピッチ付
    着防止剤含有溶液を噴霧することを特徴とするピッチ付
    着防止方法。
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