JPH11323766A - プレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤及び紙粉付着防止方法 - Google Patents

プレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤及び紙粉付着防止方法

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JPH11323766A
JPH11323766A JP13363498A JP13363498A JPH11323766A JP H11323766 A JPH11323766 A JP H11323766A JP 13363498 A JP13363498 A JP 13363498A JP 13363498 A JP13363498 A JP 13363498A JP H11323766 A JPH11323766 A JP H11323766A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】各種の紙、板紙を製造する抄紙工程において、
プレスロール及びドライヤーロールへの紙粉の付着を効
果的に防止することができるプレスロールの水ドクター
用紙粉付着防止剤及び紙粉付着防止方法を提供する。 【解決手段】コロイド当量値が3meq/g以上であるカ
チオン性ポリマーを含有することを特徴とするプレスロ
ールの水ドクター用紙粉付着防止剤、及び、コロイド当
量値が3meq/g以上であるカチオン性ポリマーを、添
加量がプレスロール幅1m当たり0.001〜50g/
分となるよう、抄紙機のプレスロールの水ドクターに添
加することを特徴とする紙粉付着防止方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレスロールの水
ドクター用紙粉付着防止剤及び紙粉付着防止方法に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、各種の紙、板紙を製造
する抄紙工程において、プレスロール及びドライヤーロ
ールへの紙粉の付着を防止するためのプレスロールの水
ドクター用紙粉付着防止剤及び紙粉付着防止方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】紙、板紙の抄紙工程において、プレスロ
ールやドライヤーロールに微細パルプや填料粒子からな
る紙粉が付着し、製品の品質に悪影響を与えたり、断紙
により作業性を低下させるなどの問題が発生している。
特に、製紙原料に填料含有量の多い古紙が多く使用され
るようになった昨今は、紙粉付着防止対策が強く求めら
れている。紙粉の付着防止方法としては、デンプンや紙
力増強剤を内部添加剤として大量にミキシングチェスト
などからパルプ原料スラリーに添加する方法や、界面活
性剤や油性の剥離剤をドライヤーロール表面に噴霧する
方法などが知られている。内部添加剤を適用する方法
は、非常に多量の薬剤が必要となるので、その実用性は
低い。また、剥離剤を噴霧する方法は、(1)専用の噴霧
装置が必要である、(2)散布量が必ずしも均一ではな
い、(3)飛散が多く薬剤のロスが多い、(4)飛散に伴い
マシン周りが汚れる、(5)ノズルが詰まる、などの問題
が生じる。さらに、剥離剤を噴霧する方法では、ドライ
ヤーロール表面の紙粉付着防止は可能であっても、プレ
スロールの紙粉には対応できず、根本的な改善はできな
かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、各種の紙、
板紙を製造する抄紙工程において、プレスロール及びド
ライヤーロールへの紙粉の付着を効果的に防止すること
ができるプレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤及
び紙粉付着防止方法を提供することを目的としてなされ
たものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、コロイド当量値
が3meq/g以上であるカチオン性ポリマーをプレスロ
ールの水ドクターに添加することにより、プレスロール
及びドライヤーロールへの紙粉の付着を効果的に防止し
得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明は、(1)コロイド当
量値が3meq/g以上であるカチオン性ポリマーを含有
することを特徴とするプレスロールの水ドクター用紙粉
付着防止剤、(2)カチオン性ポリマーが、エピクロル
ヒドリンとジメチルアミンの縮合物である第(1)項記載
のプレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤、(3)
コロイド当量値が3meq/g以上であるカチオン性ポリ
マーを、添加量がプレスロール幅1m当たり0.001
〜50g/分となるよう、抄紙機のプレスロールの水ド
クターに添加することを特徴とする紙粉付着防止方法、
及び、(4)カチオン性ポリマーが、エピクロルヒドリ
ンとジメチルアミンの縮合物である第(3)項記載の紙粉
付着防止方法、を提供するものである。さらに、本発明
の好ましい態様として、(5)エピクロルヒドリンとジ
メチルアミンの縮合物の50重量%水溶液の25℃にお
ける粘度が、50〜500cpである第(2)項記載のプ
レスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤、(6)カチ
オン性ポリマーが、ポリエチレンイミンである第(1)項
記載のプレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤、
(7)ポリエチレンイミンの25重量%水溶液の25℃
における粘度が、100〜1,500cpである第(6)
項記載のプレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤、
(8)カチオン性ポリマーの添加量が、プレスロール幅
1m当たり0.001〜50g/分である第(3)項記載
の紙粉付着防止方法、(9)エピクロルヒドリンとジメ
チルアミンの縮合物の50重量%水溶液の25℃におけ
る粘度が、50〜500cpである第(4)項記載の紙粉
付着防止方法、(10)カチオン性ポリマーが、ポリエ
チレンイミンである第(3)項記載の紙粉付着防止方法、
及び、(11)ポリエチレンイミンの25重量%水溶液
の25℃における粘度が、100〜1,500cpであ
る第(10)項記載の紙粉付着防止方法、を挙げることが
できる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のプレスロールの水ドクタ
ー用紙粉付着防止剤は、コロイド当量値が3meq/g以
上、より好ましくは5meq/g以上であるカチオン性ポ
リマーを含有するものである。また、本発明の紙粉付着
防止方法においては、コロイド当量値が3meq/g以
上、より好ましくは5meq/g以上であるカチオン性ポ
リマーを、添加量がプレスロール幅1m当たり0.00
1〜50g/分、より好ましくは0.001〜5g/分
となるよう、抄紙機のプレスロールの水ドクターに添加
する。本発明に用いるカチオン性ポリマーは、コロイド
当量値が3meq/g以上であれば特に制限はなく、例え
ば、エピクロルヒドリンとジメチルアミンの縮合物、ポ
リエチレンイミン、ポリジアリルジメチルアンモニウム
クロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド
のコポリマー、ポリジメチルアミノエチルアクリレート
の4級化物、ジメチルアミノエチルアクリレートのコポ
リマーの4級化物、ポリジメチルアミノエチルメタクリ
レートの4級化物、ジメチルアミノエチルメタクリレー
トのコポリマーの4級化物、ポリビニルホルムアミドの
加水分解物、ビニルホルムアミドのコポリマーの加水分
解物などを挙げることができる。カチオン性ポリマーの
コロイド当量値が3meq/g未満であると、カチオン性
ポリマーのは荷電密度が低く、紙粉付着防止効果が十分
に発現しないおそれがある。本発明において、カチオン
性ポリマーとしてエピクロルヒドリンとジメチルアミン
の縮合物を特に好適に使用することができる。エピクロ
ルヒドリンとジメチルアミンの縮合物は、少量の添加に
より顕著な紙粉付着防止効果を発揮する。
【0006】本発明において、カチオン性ポリマーがエ
ピクロルヒドリンとジメチルアミンの縮合物である場
合、その50重量%水溶液の25℃における粘度が50
〜500cpであることが好ましく、70〜300cp
であることがより好ましく、80〜250cpであるこ
とがさらに好ましい。エピクロルヒドリンとジメチルア
ミンの縮合物の50重量%水溶液の25℃における粘度
が50cp未満であると、紙粉付着防止効果が不十分と
なるおそれがある。エピクロルヒドリンとジメチルアミ
ンの縮合物の50重量%水溶液の25℃における粘度が
500cpを超えると、水溶液の粘度が高くなりすぎ
て、ポリマーによる汚れを引き起こし、あるいは、取り
扱いが困難になるおそれがある。本発明において、カチ
オン性ポリマーがポリエチレンイミンである場合、その
25重量%水溶液の25℃における粘度が100〜1,
500cpであることが好ましく、300〜1,300
cpであることがより好ましく、500〜1,200c
pであることがさらに好ましい。ポリエチレンイミンの
25重量%水溶液の25℃における粘度が100cp未
満であると、紙粉付着防止効果が不十分となるおそれが
ある。ポリエチレンイミンの25重量%水溶液の25℃
における粘度が1,500cpを超えると、水溶液の粘
度が高くなりすぎて、ポリマーによる汚れを引き起こ
し、あるいは、取り扱いが困難になるおそれがある。本
発明に用いるカチオン性ポリマーには、濃度10〜70
重量%の水溶液として商業的に入手可能なものがある。
例えば、エピクロルヒドリンとジメチルアミンの縮合物
は、SNF社よりPRP2350、PRP2449、P
RP2850などとして市販されている。エピクロルヒ
ドリンとジメチルアミンの縮合物は、水を媒体とする溶
液重合によって製造することができる。例えば、ジメチ
ルアミンの50重量%水溶液を撹拌しながら、室温で当
量のエピクロルヒドリンを滴下し、その後80℃程度に
加熱して数時間反応することにより、下記の反応式にし
たがってエピクロルヒドリンとジメチルアミンの縮合物
の水溶液を得ることができる。縮合物の水溶液は、必要
に応じて水を加えて希釈し、適当な濃度の水溶液とする
ことができる。
【化1】 本発明のプレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤
は、プレスロールの水ドクターに添加することが最も好
ましいが、プレスロールの水ドクターを有しない抄紙機
においては、類似する構造の位置あるいはシャワー水な
どに添加することができる。
【0007】本発明方法においては、コロイド当量値が
3meq/g以上、より好ましくは5meq/g以上であるカ
チオン性ポリマーを、添加量がプレスロール幅1m当た
り0.001〜50g/分、より好ましくは0.01〜5
g/分となるよう、抄紙機のプレスロールの水ドクター
に添加する。本発明方法において、カチオン性ポリマー
の添加量は、抄紙する紙又は板紙の種類、原料スラリー
の性状、抄紙速度などに応じて適宜選択することができ
る。カチオン性ポリマーの添加量が、プレスロール幅1
m当たり0.001g/分未満であると、紙粉付着防止
効果が不十分となるおそれがある。カチオン性ポリマー
の添加量は、通常はプレスロール幅1m当たり50g/
分以下で十分であり、プレスロール幅1m当たり50g
/分を超えるカチオン性ポリマーを添加しても、紙粉付
着防止効果はカチオン性ポリマーの添加量に応じては向
上しない。本発明方法において、カチオン性ポリマーの
添加方法に特に制限はなく、重合により得られたカチオ
ン性ポリマーの水溶液又は商業的に入手したカチオン性
ポリマーの水溶液をそのまま添加することができ、ある
いは、カチオン性ポリマーの水溶液を水により希釈し、
粘度を調整して添加することもできる。本発明のプレス
ロールの水ドクター用紙粉付着防止剤の添加により、プ
レスロールのみならずドライヤーロールへの紙粉の付着
をも防止し得る作用機構は必ずしも明らかではないが、
プレスロールの表面に本発明の紙粉付着防止剤が供給さ
れることにより、カチオン性ポリマーが抄紙機から紙又
は板紙表面に移行し、紙粉の原因となるウェブ上の填料
粒子や微細パルブ繊維と内部のパルブとの間にイオン結
合が生じ、填料粒子や微細パルブ繊維がウェブから剥離
してロール表面へ移行することが抑制されるものと推定
される。このイオン結合は後工程のドライヤー工程にお
いても有効であるために、ドライヤーロールまでも紙粉
付着防止効果が持続するものと考えられる。
【0008】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 ひとつの抄紙機で中性及び酸性の上質紙を抄造している
抄紙機のプレスロールの水ドクターにエピクロルヒドリ
ン−ジメチルアミン縮合物を添加し、紙粉付着防止試験
を行った。この抄紙機では、従来より、プレスロールに
紙粉が付着し、それが原因で筋状の欠点の発生や断紙な
どの障害があり、大量のカチオンデンプンを内添するこ
とにより対策を講じてきたが、生産コストがかかりすぎ
るために十分な処理ができない状況であった。なお、中
性紙抄造時のパルプスラリーの性状は、懸濁固形分0.
48重量%、白水pH7.4、ゼータ電位−9.1mVであ
り、酸性紙抄造時のパルプスラリーの性状は、懸濁固形
分0.53重量%、白水pH4.1、ゼータ電位+0.1m
Vであった。コロイド当量値が6.5meq/gであり、5
0重量%水溶液の25℃における粘度が50cpである
エピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物の水溶液
[SNF社製、PRP2350]を、エピクロルヒドリ
ン−ジメチルアミン縮合物の添加量がプレスロール幅1
m当たり1g/分となるように水ドクターに添加し、1
日間運転後のプレスロール及びドライヤーロールへの紙
粉付着状況を目視により観察するとともに、水ドクター
中の懸濁固形分濃度を測定した。中性紙抄造時のプレス
ロール及びドライヤーロールへの紙粉の付着は、エピク
ロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物を添加しない場合
に比べて半減し、水ドクター中の懸濁固形分濃度は0.
21重量%であった。酸性紙抄造時のプレスロール及び
ドライヤーロールへの紙粉の付着は、エピクロルヒドリ
ン−ジメチルアミン縮合物を添加しない場合に比べて半
減し、水ドクター中の懸濁固形分濃度は0.36重量%
であった。 実施例2 コロイド当量値が6.5meq/gであり、50重量%水溶
液の25℃における粘度が100cpであるエピクロル
ヒドリン−ジメチルアミン縮合物の水溶液[SNF社
製、PRP2449]を用いた以外は、実施例1と同様
にして、紙粉付着防止試験を行った。中性紙抄造時のプ
レスロール及びドライヤーロールへの紙粉の付着は全く
認められず、水ドクター中の懸濁固形分濃度は0.07
重量%であった。酸性紙抄造時のプレスロール及びドラ
イヤーロールへの紙粉の付着は全く認められず、水ドク
ター中の懸濁固形分濃度は0.13重量%であった。 実施例3 コロイド当量値が6.5meq/gであり、50重量%水溶
液の25℃における粘度が200cpであるエピクロル
ヒドリン−ジメチルアミン縮合物の水溶液[SNF社
製、PRP2850]を用いた以外は、実施例1と同様
にして、紙粉付着防止試験を行った。中性紙抄造時のプ
レスロール及びドライヤーロールへの紙粉の付着は全く
認められず、水ドクター中の懸濁固形分濃度は0.06
重量%であった。酸性紙抄造時のプレスロール及びドラ
イヤーロールへの紙粉の付着は全く認められず、水ドク
ター中の懸濁固形分濃度は0.14重量%であった。 比較例1 水ドクターにエピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合
物を添加することなく、従来法である製品1トン当たり
8〜9kgのカチオンデンプンを内添する条件で、中性紙
及び酸性紙をそれぞれ1日間抄造し、プレスロール及び
ドライヤーロールへの紙粉付着状況を目視により観察す
るとともに、水ドクター中の懸濁固形分濃度を測定し
た。中性紙抄造時には、プレスロール及びドライヤーロ
ールへ紙粉が付着し、水ドクター中の懸濁固形分濃度は
0.32重量%であった。酸性紙抄造時にも、プレスロ
ール及びドライヤーロールへ紙粉が付着し、水ドクター
中の懸濁固形分濃度は0.56重量%であった。実施例
1〜3及び比較例1の結果を、第1表に示す。
【0009】
【表1】
【0010】第1表に見られるように、コロイド当量値
が6.5meq/gであるエピクロルヒドリン−ジメチルア
ミン縮合物をプレスロールの水ドクターに添加すること
により、プレスロール及びドライヤーロールへの紙粉付
着が減少し、水ドクター中の懸濁固形分濃度も低下し
た。50重量%水溶液の粘度が50cpであるエピクロ
ルヒドリン−ジメチルアミン縮合物を添加した実施例1
においては、紙粉付着減少効果も水ドクター中の懸濁固
形分低減効果もやや不十分であるが、50重量%水溶液
の粘度が100cpであるエピクロルヒドリン−ジメチ
ルアミン縮合物を添加した実施例2及び該粘度が200
cpであるエピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物
を添加した実施例3においては、プレスロール及びドラ
イヤーロールへ紙粉が全く付着せず、水ドクター中の懸
濁固形分濃度も著しく低下した。この結果から、コロイ
ド当量値が同じであっても、エピクロルヒドリン−ジメ
チルアミン縮合物の分子量がある程度高い方が、紙粉の
付着防止効果が大きいことが分かる。実施例2と同じ条
件で、コロイド当量値が6.5meq/gであり、50重量
%水溶液の粘度が100cpであるエピクロルヒドリン
−ジメチルアミン縮合物を添加しつつ、中性紙及び酸性
紙の抄造を継続したところ、この抄紙機における従来の
欠点が解消し、製品品質の向上、生産性の向上、作業性
の改善、生産コストの低減などに顕著な効果が得られ
た。
【0011】実施例4 クラフト紙を抄造している抄紙機のプレスロールの水ド
クターに、コロイド当量値が6.5meq/gであり、50
重量%水溶液の25℃における粘度が100cpである
エピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物の水溶液
[SNF社製、PRP2449]を添加し、紙粉付着防
止試験を行った。この抄紙機では、従来より、プレスロ
ールに紙粉が付着し、それが原因で欠点などの障害があ
り、プルロニック型界面活性剤を水ドクターに添加する
ことにより対策を講じてきたが、欠点がわずかに減少す
る程度の効果しか得られていなかった。なお、白水の性
状は、懸濁固形分0.08重量%、白水pH4.2、ゼータ
電位+1.0mVであった。エピクロルヒドリン−ジメ
チルアミン縮合物を、プレスロール幅1m当たり0.0
02g/分となるように水ドクターに添加し、1日間運
転後のプレスロール及びドライヤーロールへの紙粉付着
状況を目視により観察するとともに、水ドクター中の懸
濁固形分濃度を測定した。プレスロール及びドライヤー
ロールへの紙粉の付着は全く認められず、水ドクター中
の懸濁固形分濃度は0.013重量%であった。 実施例5 エピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物の代わり
に、コロイド当量値が10meq/gであり、25重量%
水溶液の25℃における粘度が1,000cpであるポ
リエチレンイミン[BASF社製]を用いた以外は、実
施例4と同様にして、紙粉付着防止試験を行った。プレ
スロール及びドライヤーロールへの紙粉の付着は全く認
められず、水ドクター中の懸濁固形分濃度は0.012
重量%であった。 比較例2 この紙粉付着防止試験を開始する以前は、この抄紙機で
はプルロニック型界面活性剤を、プレスロール幅1m当
たり0.002g/分となるように水ドクターに添加
し、クラフト紙を抄造していた。当時の状況は、界面活
性剤を添加しない場合に比べるとプレスロール及びドラ
イヤーロールへの紙粉の付着量の減少は認められるもの
の、なおかなりの量の紙粉が付着し、水ドクター中の懸
濁固形分濃度は0.032重量%程度であった。 比較例3 エピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物の代わり
に、コロイド当量値が1.5meq/gであり、50重量%
水溶液の25℃における粘度が500cpであるポリジ
メチルアミノエチルアクリレートの4級化物[ミサワセ
ラミック社製]を用いた以外は、実施例4と同様にし
て、紙粉付着防止試験を行った。プレスロール及びドラ
イヤーロールへ紙粉が付着し、水ドクター中の懸濁固形
分濃度は0.034重量%であった。 比較例4 水ドクターにエピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合
物を添加することなく、クラフト紙を1日間抄造し、プ
レスロール及びドライヤーロールへの紙粉付着状況を目
視により観察するとともに、水ドクター中の懸濁固形分
濃度を測定した。プレスロール及びドライヤーロールへ
紙粉が付着し、水ドクター中の懸濁固形分濃度は0.0
53重量%であった。実施例4〜5及び比較例2〜4の
結果を、第2表に示す。
【0012】
【表2】
【0013】第2表に見られるように、コロイド当量値
が6.5meq/gであるエピクロルヒドリン−ジメチルア
ミン縮合物をプレスロールの水ドクターに添加した実施
例4及びコロイド当量値が10meq/gであるポリエチ
レンイミンをプレスロールの水ドクターに添加した実施
例5においては、プレスロール及びドライヤーロールへ
紙粉が全く付着せず、水ドクター中の懸濁固形分濃度も
著しく低下した。これに対して、従来より実施してきた
プルロニック型界面活性剤をプレスロールの水ドクター
に添加する比較例2及びコロイド当量値が1.5meq/g
であるポリジメチルアミノエチルアクリレートの4級化
物をプレスロールの水ドクターに添加した比較例3にお
いては、紙粉付着防止剤成分を添加しない比較例4に比
べて付着量は減少するものの、なおプレスロール及びド
ライヤーロールへの紙粉の付着が発生し、水ドクター中
の懸濁固形分の減少量も少ない。コロイド当量値が大き
いカチオン性ポリマーを添加した場合には、顕著な紙粉
付着防止効果が得られるが、カチオン性ポリマーのコロ
イド当量値が小さい場合には、紙粉付着防止効果が不十
分であることが分かる。実施例4と同じ条件で、コロイ
ド当量値が6.5meq/gであり、50重量%水溶液の粘
度が100cpであるエピクロルヒドリン−ジメチルア
ミン縮合物を添加しつつ、クラフト紙の抄造を継続した
ところ、この抄紙機における従来の欠点が解消し、製品
品質の向上、生産性の向上、作業性の改善、生産コスト
の低減などに顕著な効果が得られた。
【0014】
【発明の効果】本発明のプレスロールの水ドクター用紙
粉付着防止剤及び紙粉付着防止方法によれば、抄紙工程
において、プレスロール及びドライヤーロールへの紙粉
の付着を防止し、また、水ドクター中の懸濁固形分を減
少して、製品品質の向上、生産性の向上、作業性の改
善、生産コストの低減などに顕著な効果を得ることがで
きる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コロイド当量値が3meq/g以上であるカ
    チオン性ポリマーを含有することを特徴とするプレスロ
    ールの水ドクター用紙粉付着防止剤。
  2. 【請求項2】カチオン性ポリマーが、エピクロルヒドリ
    ンとジメチルアミンの縮合物である請求項1記載のプレ
    スロールの水ドクター用紙粉付着防止剤。
  3. 【請求項3】コロイド当量値が3meq/g以上であるカ
    チオン性ポリマーを、添加量がプレスロール幅1m当た
    り0.001〜50g/分となるよう、抄紙機のプレス
    ロールの水ドクターに添加することを特徴とする紙粉付
    着防止方法。
  4. 【請求項4】カチオン性ポリマーが、エピクロルヒドリ
    ンとジメチルアミンの縮合物である請求項3記載の紙粉
    付着防止方法。
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