JP4000159B2 - エンジンの高圧燃料ポンプ制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、蓄圧室内の燃圧を目標圧力に制御しつつ各気筒に燃料を噴射するエンジンの高圧燃料ポンプ制御装置に関し、特に、高圧燃料ポンプから最大量の燃料を吐出制御する場合の新規な技術に関するものである。
近年、排気ガスの低減を目的として、蓄圧室内の燃圧を高圧に制御し、微粒化された燃料を噴射するエンジンが提案されている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
以下、この種のエンジンにおける燃料系システムの構成について説明する。
燃料を高圧にするための高圧燃料ポンプは、エンジンのカム軸の回転に同期して加圧室内で往復動するプランジャを備えており、プランジャの下端は、カム軸に設けられたポンプカムに圧接されている。これにより、カム軸に連動してポンプカムが回転すると、プランジャが加圧室内を往復動作して、加圧室内の容積が拡大縮小変化するようになっている。
また、加圧室の下流側の高圧通路(吐出通路)は、加圧室から蓄圧室に向かう燃料の流通のみを許す吐出弁(逆止弁)を介して蓄圧室に接続されている。これにより、蓄圧室は、加圧室から吐出された燃料を保持するとともに、燃料噴射弁に分配する。
さらに、加圧室の上流側の低圧通路は、常開式の流量制御弁、低圧燃料ポンプおよび低圧レギュレータを介して、燃料タンクに接続されている。これにより、低圧燃料ポンプから低圧通路に汲み上げられた燃料は、低圧レギュレータにより所定フィード圧に調整された後、プランジャが上死点(TDC)から下死点(BDC)まで下動する下動期間(加圧室の容積が拡大する期間)において、開弁中の流量制御弁を通して、加圧室に吸入される。
一方、プランジャが下死点から上死点まで上動する上動期間中(加圧室の容積が縮小する期間中)において、常開式の流量制御弁を閉弁していた場合には、プランジャの上動によって、加圧室内で加圧された最大量の燃料が蓄圧室に吐出される。
また、高圧燃料ポンプ内のプランジャの上動期間中において、流量制御弁を全く閉弁させなかった場合には、加圧室に吸入されている燃料は、低圧通路にリリーフされるので、蓄圧室には吐出されなくなる。
また、プランジャの上動期間の途中で流量制御弁を閉弁した場合には、プランジャの下死点から流量制御弁の閉弁位置に到達するまでの期間においては、加圧室に吸入されている燃料の一部が低圧通路にリリーフされ、続いて、流量制御弁の閉弁位置からプランジャの上死点に到達するまでの期間においては、加圧室内に残された燃料が加圧されて蓄圧室に吐出される。
このように、プランジャの上動期間中の任意のタイミングで流量制御弁を閉弁制御することにより、蓄圧室に吐出される燃料量を、最大吐出量から最小吐出量までの間の任意量に調整することができる。なお、常開式の流量制御弁は、通常時には消磁されているソレノイドを内蔵しており、ソレノイドが通電されることによって閉弁駆動するようになっている。
以下、図10のタイミングチャートを参照しながら、プランジャの上動期間(下死点BDCへの到達時点から上死点TDCへの到達時点まで)における、流量制御弁の目標閉弁位置(以下、単に「閉弁位置」という)TVCと、高圧燃料ポンプから蓄圧室に吐出される燃料吐出量Qとの関係について、さらに詳細に説明する。
図10において、横軸は、流量制御弁の閉弁位置TVCに対応した時間軸(進角側〜遅角側)を表している。
また、縦軸は、上から順に、高圧燃料ポンプ内のプランジャの動作位置(ここでは、下死点BDCから上死点TDCまでの上動期間を示す)、ソレノイドの通電タイミングTON(および、遮断タイミングTOFF)、流量制御弁の開閉状態、高圧燃料ポンプ内の加圧室の内圧(流量制御弁に対する閉弁付勢力として作用する圧力値Pa)、燃料吐出量Q(最大吐出量QMAX、リリーフ量QR、目標吐出量QO)を示している。
図10においては、一例として、流量制御弁の閉弁位置TVCが、プランジャの下死点BDCへの到達時点から上死点TDCへの到達時点までのほぼ中間時点に制御されるときの動作状態を示している。
すなわち、流量制御弁内のソレノイドの通電タイミングおよび流量制御弁の開閉状態は、閉弁位置TVCに対応した時点で流量制御弁が閉弁するように制御され、加圧室の内圧は、流量制御弁の閉弁位置TVCに対応して加圧される。
図10内の燃料吐出量において、破線矢印範囲QRは、低圧通路にリリーフされる燃料量(リリーフ量)、実線矢印範囲QOは、実際に蓄圧室に吐出される燃料量(目標吐出量)である。目標吐出量QOは、最大吐出量QMAXとリリーフ量QRとの差分(QMAX−QR)で表される。
最大吐出量QMAXは、プランジャ下動中に加圧室に吸入される燃料量(燃料レールに供給可能な最大燃料吐出量に相当)である。
図示しないECU(電子式制御ユニット)は、エンジンの回転位置に基づいて、プランジャ下死点BDCの到達時点を特定し、プランジャ下死点BDCの到達時点から前半期間Trが経過した後の時点を、流量制御弁の閉弁位置TVCに対応した時点として決定する。
また、閉弁位置TVCに対応した時点で流量制御弁を閉弁させるために、流量制御弁のソレノイドの通電タイミングとして、通電開始時期TONおよび通電終了時期TOFFを制御する。
このとき、ソレノイドの通電を開始してから流量制御弁が閉弁を完了するまでには、作動遅れ時間Tpが存在するので、目標とする閉弁位置TVCに対応した時点から作動遅れ時間Tpだけさかのぼった時点TONで、ソレノイドの通電を開始する。
また、作動遅れ時間Tpは、主としてソレノイドに供給される電気エネルギーに依存して変化するので、バッテリ電圧ごとのデータとして、あらかじめECU内のメモリに記憶させておき、実際にソレノイドを通電する時点で検出されたバッテリ電圧に応じて、適正な時間が設定される。これにより、バッテリ電圧が異なる場合であっても、流量制御弁の閉弁位置TVCを高精度に制御することができる。
以下、ソレノイドの通電開始から作動遅れ時間Tpが経過した時点で、流量制御弁が閉弁(TVC)を完了した後は、高圧燃料ポンプ内のプランジャの上動により、加圧室内の燃料が加圧され、加圧室内の燃圧自体が流量制御弁の閉弁を維持するのに十分な閉弁付勢力(≧Pa)として作用する。
このときの加圧室内の燃圧による閉弁付勢力は、加圧室内が減圧を開始するプランジャ上死点TDCへの到達時点の手前まで持続する。
したがって、流量制御弁の閉弁後に、加圧室内の燃圧が流量制御弁を閉弁するのに十分な閉弁付勢力として作用する圧力値Pa以上に上昇した後であれば、ソレノイドの通電による電磁的な閉弁付勢力を加え続けなくとも、プランジャ上死点の到達時点TDCの付近までの期間にわたって、流量制御弁の閉弁状態を維持することができる。
したがって、特許文献2においては、流量制御弁の閉弁位置TVCへの到達以降にソレノイドへの通電を継続する通電保持時間Thを、流量制御弁の閉弁位置TVCへの到達時点から、加圧室内の燃圧自体が流量制御弁の閉弁付勢力として作用する圧力値Pa以上に上昇するまでに要する最低限の時間に設定することにより、消費電力の低減を図っている。
流量制御弁が目標の閉弁位置TVCで閉弁した場合には、直前のプランジャ下動時(下死点BDCよりも進角側のプランジャ動作位置)に低圧通路から加圧室に吸入された燃料量(=QMAX)の一部が、プランジャ下死点BDCへの到達時点から閉弁位置TVCへの到達時点までの上動期間(図10内の前半期間Tr)において、リリーフ量QRとして、開弁中の流量制御弁を通じて低圧通路にリリーフされる。
一方、閉弁位置TVCからプランジャ上死点TDCまでの期間(図内の後半期間To)においては、流量制御弁が閉弁されているので、閉弁位置TVCの時点で加圧室内に残された燃料量(=QMAX−QR)が加圧されて、目標吐出量QOとして吐出弁を通じて蓄圧室に吐出される。
また、たとえば、プランジャ上動期間(Tr+To)のうちで最も進角側の位置であるプランジャ下死点BDCの時点(Tr=0)を、閉弁位置TVCとして定めた場合には、プランジャ上動期間のすべてにおいて流量制御弁が閉弁されるので、加圧室に吸入されていた燃料量(=QMAX)のすべてが加圧されて、最大吐出量QMAXとして蓄圧室に吐出される。
一方、プランジャ上動期間中にソレノイドを全く通電しなかった場合には、プランジャ上動期間のすべてにおいて、常開式の流量制御弁が開弁されたままとなり、加圧室に吸入されていた燃料量(=QMAX)すべてが低圧通路にリリーフされて、蓄圧室には加圧された燃料が全く吐出されない。
このように、プランジャ下死点BDCから上死点TDCまでの間で、任意の位置に閉弁位置TVCを制御することにより、蓄圧室に吐出される燃料量を、最大吐出量QMAXから最小吐出量(=0)までの任意量に調整することができる。
ECUは、エンジンの運転状態(エンジンの回転数やアクセルペダルの踏込量など)に応じて目標圧力を決定し、燃圧センサによって検出された蓄圧室内の燃圧検出値と目標圧力との圧力偏差に基づくフィードバック演算(たとえば、比例積分微分演算など)により、蓄圧室に吐出すべき燃料の目標吐出量QOを求める。
また、ECUは、流量制御弁の閉弁位置TVCと燃料吐出量Qとの関係(図10の特性)に基づいて、プランジャ下死点BDCの到達位置からの時間(または、角度)Trを決定して、実際の閉弁位置TVCを制御する。
次に、図11のタイミングチャート(実線)を参照しながら、高圧燃料ポンプから最大量の燃料QMAXを吐出するときの一般的な制御動作について、詳細に説明する。
図11において、横軸は、前述(図10)と同様に時間軸を示している。
また、縦軸は、上から順に、エンジンの回転位置に基づいて生成される基準信号REF、高圧燃料ポンプ内のプランジャの動作位置、流量制御弁内のソレノイドの通電タイミング、流量制御弁の開閉状態、および、高圧燃料ポンプの加圧室の内圧を示している。
なお、プランジャの動作位置において、実線は正規のプランジャ動作、破線は遅角側にシフトされたプランジャ動作を示している。
図11において、ECUは、まず、エンジンの回転位相における所定回転位置を示す基準信号(パルス)REFを生成する。
なお、基準信号REFの位置とその後に到達するプランジャ下死点BDCの到達位置との位置関係は、あらかじめ設計値としてECUのメモリに記憶されており、基準信号REFからオフセット値Td(所定時間または所定角度に相当する)が経過した後の時点が、プランジャ下死点BDCへの到達位置であるものと特定する。
以下、設計値に基づいてECUにより推定演算される下死点BDCを「推定下死点BDC」と称する。
すなわち、ECUは、図11内の実線で示すプランジャ動作特性を正規のプランジャ動作位置として認識し、最大吐出量QMAX(図10参照)の燃料を吐出制御する場合には、推定下死点BDCと同じ位置(すなわち、Tr=0の位置)を目標の閉弁位置TVCとして決定する。
そして、ECUは、閉弁位置TVCから作動遅れ時間Tpだけさかのぼった時点TONでソレノイドの通電を開始し、閉弁位置TVCから通電保持時間Thだけ経過した時点(加圧室の内圧がPa以上に達した時点)TOFFで、ソレノイドへの通電を終了する。
この結果、図11内の実線で示す流量制御弁の開閉状態のように、流量制御弁は、推定下死点BDCの位置で閉弁し、上死点TDCへの到達時点までのプランジャ上動期間において、加圧室内の燃料が加圧されて最大量の燃料QMAXが蓄圧室に吐出される。
ところで、ECUは、前述のように、エンジンの運転状態に応じて決定した目標圧力と蓄圧室内の燃圧との圧力偏差に基づく比例積分微分演算により、流量制御弁の閉弁位置TVCをフィードバック制御している。
したがって、目標圧力に対して蓄圧室内の燃圧が大幅に低まわるような状態が発生した場合には、フィードバック補正量が過剰に大きくなって、閉弁位置TVCが推定下死点BDCよりも進角側に行き過ぎる可能性がある。この場合、プランジャの上動期間中に最低限の通電を維持すべき通電保持時間Thが確保できなくなり、吐出量が制御不能となることが懸念される。
そこで、特許文献1(請求項2参照)では、図11のように、推定下死点BDCの位置を進角制限位置LIM(=L0)と定めておき、閉弁位置TVCが進角制限位置LIM(=L0)よりも進角側に操作されることを制限している。
図11に示すように、従来装置においては、基準信号REFとその後に到達する推定下死点BDCとの位置関係が、あらかじめECU内に記憶されている設計値と一致している場合には、高圧燃料ポンプから最大量の燃料QMAXを蓄圧室に吐出するに際して、何ら問題は発生しない。
ところが、実際の制御装置においては、たとえば、回転位置を検出するためのカム角センサや、高圧燃料ポンプの組み付け位置、ポンプカムの加工精度、といった位置制御に係わる部位のばらつきに起因して、基準信号REFとその後に到達する推定下死点BDCとの位置関係が正規の関係からずれることが考えられる。
しかしながら、上記従来装置においては、燃料供給系統の位置制御に係わる部位のばらつきに対して、格別の配慮がなされていないので、以下に挙げるような問題がある。
以下、前述と同様に図11を参照しながら、位置制御に係わる部位のばらつきが発生している状態で、高圧燃料ポンプから最大量の燃料QMAXを吐出しようとした場合の問題点について、具体的に説明する。
なお、図11内の破線で示す特性は、プランジャが遅角方向に最大ずれを発生しているときの動作位置を示している。
プランジャの動作位置が遅角側に最大ずれを発生しているとき(破線)の実下死点BDC1は、プランジャが正規のタイミングで動作しているとき(実線)の推定下死点BDCよりも、最大ずれ量Trtdだけ遅角側にシフトしている。
この場合、ECUは、プランジャの動作位置が正規の位置からずれていていたとしても、プランジャ動作位置のずれを検知していないので、プランジャが正規の動作位置にあるものとして、基準信号REFからオフセット値Tdだけ経過した後の時点を、推定下死点BDCとして特定する。
したがって、最大量の燃料吐出量QMAXを蓄圧室に吐出するために、Tr=0の位置(すなわち、推定下死点BDCと同じ位置)を進角制限位置LIM(=L0)としたままで、閉弁位置TVCが制御されることになる。
この結果、ECUは、閉弁位置TVCから作動遅れ時間Tpだけさかのぼった時点TONでソレノイドの通電を開始し、閉弁位置TVCから通電保持時間Th経過した時点TOFFでソレノイドへの通電を終了する。
ところが、実際のプランジャ動作位置における実下死点BDC1は、推定下死点BDCよりも最大ずれ量Trtdだけ遅角側にシフトされている。
このため、図11の例では、実下死点BDC1への到達以前に、ソレノイドの通電が終了しまい、本来のプランジャの上動期間中の閉弁後に通電しなければならない通電保持時間Thが確保されなくなる。
したがって、プランジャの上動期間中においては、常開式の流量制御弁が閉弁しないまま通り過ぎる(図11内の破線で示した流量制御弁の開閉状態)ことになり、この結果、加圧室に吸入されていた燃料は、開弁したままの流量制御弁を通じて低圧通路にリリーフされ、蓄圧室には燃料が吐出されなくなる。
特開2002−188545号公報 特開平8−303325号公報
従来のエンジンの高圧燃料ポンプ制御装置では、流量制御弁の位置制御に係わるばらつきに起因して、プランジャが遅角方向に最大ずれ量Trtdを発生している場合に、最大量の燃料吐出量QMAXを蓄圧室に吐出制御しようとすると、実下死点BDC1よりも進角側の推定下死点BDCに基づいてソレノイドへの通電を終了してしまうので、吐出制御不能となる事態が発生する可能性がある。
したがって、最大吐出量QMAXの燃料を吐出制御する際に、流量制御弁の位置制御に係わるばらつきによって吐出制御不能となる事態が発生し、蓄圧室に所要燃料が吐出されなくなり、蓄圧室内の燃圧が目標圧力に維持することができなくなって所望の燃焼性能が得られず、ドラビリや排気ガスの悪化を招くという課題があった。
この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、最大量の燃料吐出量に制御しようとしたときに位置制御に係わるばらつきに起因して吐出制御不能となる事態が発生したことを検知し、吐出制御機能を速やかに復帰させることのできる高圧燃料ポンプ制御装置を得ることを目的とする。
この発明によるエンジンの高圧燃料ポンプ制御装置は、エンジンの運転状態を検出する各種センサと、燃料タンク内の燃料を汲み上げて低圧通路に吐出する低圧燃料ポンプと、低圧燃料ポンプから吐出された燃料を加圧室内に吸入して吐出する高圧燃料ポンプと、燃料タンクまたは低圧通路のいずれか一方と加圧室とを接続する燃料通路中に配置された常開式の流量制御弁と、加圧室と蓄圧室とを接続する高圧通路中に配置された吐出弁と、蓄圧室内の燃料をエンジンの各燃焼室に供給する燃料噴射弁と、蓄圧室内の燃圧を検出して燃圧検出値を出力する燃圧センサと、流量制御弁の閉弁位置を設定して、高圧燃料ポンプの燃料吐出量を制御する流量制御弁制御手段と、閉弁位置が所定の進角制限位置よりも進角側に設定されることを制限する進角設定制限手段とを備え、流量制御弁制御手段は、エンジンの運転状態に応じて目標圧力を決定するとともに、燃圧検出値が目標圧力と一致するように閉弁位置を設定するエンジンの高圧燃料ポンプ制御装置において、進角設定制限手段は、閉弁位置が進角制限位置に制限された制御中であって、且つ、燃圧検出値が目標圧力への一致傾向を示さない場合には、進角制限位置を、前回設定値から前回設定値よりも遅角側の値に変更するものである。
この発明によれば、最大量の燃料吐出量に制御しようとしたときに位置制御に係わるばらつきに起因して吐出制御不能となる事態が発生したことを検知し、吐出制御機能を速やかに回復させることにより、蓄圧室内の燃圧が目標圧力に維持できなくなって所望の燃焼性能が得られずにドラビリや排気ガスの悪化を招くことを軽減または回避したエンジンの高圧燃料ポンプ制御装置を得ることができる。
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1に係るエンジンの高圧燃料ポンプ制御装置について説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係るエンジンの高圧燃料ポンプ制御装置を概念的に示すブロック構成図である。
図1において、エンジンの高圧燃料ポンプ制御装置は、燃料供給系統として、ソレノイド12を有する常開式の流量制御弁10と、シリンダ21、プランジャ22および加圧室23を有する高圧燃料ポンプ20と、ポンプカム25を有するカム軸24と、燃料が充填された燃料タンク30と、低圧燃料ポンプ31および低圧レギュレータ32を介して燃料タンク30に接続された低圧通路33と、高圧燃料ポンプ20の加圧室23に接続された高圧通路(吐出通路)34と、吐出弁(逆止弁)35を介して高圧通路34に接続された蓄圧室36と、リリーフ弁37を介して蓄圧室36と燃料タンク30との間を接続するリリーフ通路38と、蓄圧室36内に蓄積された燃料をエンジン40に噴射する燃料噴射弁39とを備えている。
また、エンジンの高圧燃料ポンプ制御装置は、制御系統として、電磁弁からなる流量制御弁10のソレノイド12の励磁(閉弁)駆動タイミングを制御するECU60を備えている。
ECU60は、流量制御弁制御手段および進角設定制限手段を含み、ECU60には、燃圧センサ61、クランク角センサ62、カム角センサ63、アクセルポジションセンサ64およびバッテリ電圧検出手段65などの各種センサからの検出信号が、エンジン40の運転状態情報として入力されている。
低圧燃料ポンプ31は、燃料タンク30内の燃料を汲み上げて低圧通路33に吐出し、高圧燃料ポンプ20は、低圧燃料ポンプ31から吐出された燃料を加圧室23内に吸入して吐出する。
低圧通路33は、流量制御弁10を介して高圧燃料ポンプ20内の加圧室23の上流側に接続されている。すなわち、流量制御弁10は、低圧通路33と加圧室23とを接続する燃料通路中に配置されている。
吐出弁35は、加圧室23と蓄圧室36とを接続する高圧通路34中に配置されている。
燃料噴射弁39は、蓄圧室36内の高圧燃料を、エンジン40の気筒ごとの各燃焼室内に直接噴射して供給する。
燃圧センサ61は、蓄圧室36内の燃圧PFを検出し、燃圧検出値としてECU60に入力する。
ECU60内の流量制御弁制御手段は、エンジン40の運転状態に応じて目標圧力POを決定するとともに、燃圧検出値(以下、単に「燃圧」という)PFが目標圧力POと一致するように流量制御弁10の閉弁位置を設定することにより、高圧燃料ポンプ20の燃料吐出量を制御する。
ECU60内の進角設定制限手段は、流量制御弁制御手段によって設定される閉弁位置が所定の進角制限位置よりも進角側に設定されることを制限する。
また、進角設定制限手段は、流量制御弁10の閉弁位置が進角制限位置に制限された制御中であって、且つ、燃圧PFが目標圧力POへの一致傾向を示さない場合には、進角制限位置を、前回設定値から前回設定値よりも遅角側の値に変更するようになっている。
また、後述するように、ECU60内の流量制御弁制御手段は、流量制御弁10の閉弁位置が、遅角側の値に変更された後の進角制限位置に制限された制御中であって、且つ、燃圧PFが目標圧力POへの一致傾向を示す場合には、遅角側の値に変更される前の進角制限位置と、遅角側の値に変更された後の進角制限位置との位置偏差を、位置ずれ学習値として記憶し、位置ずれ学習値を記憶した後は、位置ずれ学習値を加算した値により流量制御弁10の閉弁位置を補正制御するようになっている。
さらに、後述するように、ECU60は、低圧燃料ポンプ31、高圧燃料ポンプ20および流量制御弁10を含む燃料供給系統の異常の有無を判定する異常診断手段を備えている。
ECU60内の異常診断手段は、進角設定制限手段によって遅角側に変更された進角制限位置が、所定の異常判定値よりも遅角側の値に達した場合には、燃料供給系統が異常発生状態であると判定するようになっている。
燃料供給系統の低圧通路33側において、低圧燃料ポンプ31から吐出された燃料は、低圧レギュレータ32により所定の低圧値に調整されており、プランジャ22がシリンダ21内で下動する際に、流量制御弁10を通して加圧室23内に導入される。
高圧燃料ポンプ20内のプランジャ22は、エンジン40の回転に同期してシリンダ21内で往復動作する。これにより、高圧燃料ポンプ20は、プランジャ22の下動期間中において、低圧通路33から流量制御弁10を介して加圧室23内に燃料を供給し、プランジャ22の上動期間中において、流量制御弁10の閉弁中に加圧室23内の燃料を高圧に加圧し、吐出弁35を介して蓄圧室36に供給する。
加圧室23は、シリンダ21の内周壁面とプランジャ22の上端面とにより区画形成されたている。
プランジャ22の下端は、エンジン40のカム軸24に設けられたポンプカム25に圧接され、カム軸24の回転に連動してポンプカム25が回転することにより、プランジャ22がシリンダ21内を往復動作して、加圧室23内の容積が拡大/縮小変化するようになっている。
加圧室23の下流側に接続された高圧通路34は、加圧室23から蓄圧室36に向かう燃料の流通のみを許す逆止弁からなる吐出弁35を介して、蓄圧室36に接続されている。
蓄圧室36は、加圧室23から吐出された高圧燃料を蓄積保持するとともに、エンジン40の各燃料噴射弁39に対して共通に接続されて、蓄積した高圧燃料を燃料噴射弁39に分配する。
蓄圧室36に接続されたリリーフ弁37は、所定の燃圧(開弁圧設定値)以上で開弁する常閉弁からなり、蓄圧室36内の燃圧がリリーフ弁37の開弁圧設定値以上に上昇しようとしたときに開弁する。これにより、開弁圧設定値以上に上昇しようとした蓄圧室36内の燃料は、リリーフ通路38を通して燃料タンク30に戻され、蓄圧室36内の燃圧が過大になることはない。
低圧燃料ポンプ31と加圧室23とを接続する低圧通路33に設けられた流量制御弁10は、ECU60の制御下で閉弁(励磁)駆動タイミングが制御され、高圧燃料ポンプ20から蓄圧室36への目標吐出量QOを調整する。
高圧燃料ポンプ20において、プランジャ22がシリンダ21内で上動(加圧室23の容積が縮小)する際に、流量制御弁10が開弁(消磁)制御されている間は、加圧室23に吸入されている燃料が、加圧室23から流量制御弁10を通じて低圧通路33に戻されるので、蓄圧室36に高圧燃料が供給されることはない。
一方、プランジャ22がシリンダ21内で上動中の所定タイミングにおいて、流量制御弁10を閉弁(励磁)制御した後は、加圧室23で加圧された燃料が、吐出通路34に吐出され、吐出弁35を通して蓄圧室36に供給される。
ECU60は、燃圧センサ61により検出される蓄圧室36内の燃圧PFと、クランク角センサ62により検出されるエンジン40のクランク軸の回転数NEと、カム角度センサ63により検出されるエンジン40のカム軸24の回転位置(回転位相)PHと、アクセルポジションセンサ64により検出されるアクセルペダル(図示せず)の踏込量APと、バッテリ電圧検出手段65により検出されるバッテリ電圧VBとを、各種運転状態情報として取り込む。
また、ECU60は、クランク角センサ62およびアクセルポジションセンサ64からの検出情報(エンジン回転数NE、アクセル踏込量AP)に基づいて目標圧力POを決定し、蓄圧室36内の燃圧PFが目標圧力POと一致するように、流量制御弁10のソレノイド12の駆動タイミングをフィードバック制御して、燃料吐出量Qを制御する。
次に、図2および図3の側断面図を参照しながら、図1内の流量制御弁10の具体的な内部構成例について説明する。
なお、図2はソレノイド12の非通電(消磁)時の状態を示し、図3はソレノイド12の通電(励磁駆動)時の状態を示している。
図2および図3において、流量制御弁10は、低圧燃料ポンプ31と加圧室23との間の連通状態を開閉するプランジャ11と、通電(励磁駆動)時にプランジャ11を閉成方向に上動させるソレノイド12と、ソレノイド12の非導通(消磁)時にプランジャ11を開放方向に付勢するスプリング13とを備えている。
これにより、流量制御弁10は、ソレノイド14の非通電状態(図2参照)または通電状態(図3参照)に応じて、低圧燃料ポンプ31と加圧室23との間の低圧通路33を開閉する。
すなわち、図2のように、ソレノイド12が非通電状態の場合には、プランジャ11がスプリング13の付勢力により下方に押し下げられて、低圧燃料ポンプ31側の低圧通路33と加圧室23との間が連通するので、流量制御弁10は開弁状態となる。
一方、図3に示すように、ECU60によりソレノイド12が通電されると、ソレノイド12の発生する電磁力がスプリング13の付勢力に打ち勝ってプランジャ11を上方に吸引するので、低圧燃料ポンプ31側の低圧通路33と加圧室23との間が遮断され、流量制御弁10は閉弁状態となる。
次に、図4の機能ブロック図を参照しながら、この発明に係るECU60の制御機能を実現するための具体的な構成について説明する。
図4はECU60の機能構成を示しており、前述(図1)の関連要素12、61〜65については、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
ECU60は、流量制御弁10のソレノイド12に対する制御手段して機能する。
図4において、ECU60は、基準信号REFを生成する基準信号生成手段601と、オフセット値Tdを生成するオフセット値生成手段602と、目標圧力POを生成する目標圧力マップ603と、目標吐出量QOを生成するPIDコントローラ604と、高圧燃料ポンプ20の閉弁時期までの(プランジャ上動期間中の)前半期間Trを生成する閉弁位置マップ605と、流量制御弁10の閉弁位置TVCおよび進角制限位置LIMを生成する進角設定制限手段606と、作動遅れ時間Tpを設定する作動遅れ時間設定手段607と、通電保持時間Thを設定する通電保持時間設定手段608と、流量制御弁10のソレノイド12を励磁駆動する流量制御弁駆動手段609と、進角制限による制御実行中を判定したときに進角制限実行フラグFL1をセットする進角制限実行判定手段610と、進角制限値(進角制限位置LIM)を変更する進角制限値変更手段611と、燃圧挙動を判定して圧力異常判定フラグFL2を生成する燃圧挙動判定手段612と、変更後の進角制限位置LIMから異常の有無を診断する異常診断手段613と、加算器60a、60bおよび減算器60cなどの演算手段とを備えている。
ECU60には、蓄圧室36内の燃圧PFを検出する燃圧センサ61と、エンジン40の回転数NEを検出するクランク角センサ62と、エンジン40のカム軸24(図1参照)の回転位相PHを検出するカム角センサ63と、アクセル踏込量APを検出するアクセルポジションセンサ64と、バッテリ電圧VBを検出するバッテリ電圧検出手段65とが接続されており、これらのセンサ手段を含む各種センサの検出情報に基づいて、流量制御弁10を閉弁するためのソレノイド12を駆動制御する。また、図4では図示を省略するが、ECU60は、エンジン制御手段としても機能し、運転状態に応じて燃料噴射弁39(図1参照)などの各種アクチュエータを駆動制御する。
基準信号生成手段601は、エンジン40の回転数NEとカム角24の回転位相PHとに基づいて、基準信号REFを生成する。
加算器60aは、基準信号REFにオフセット値Tdを加算して、推定下死点BDCの到達時点を特定する。
なお、オフセット値Tdは、基準信号REFの到達時点と推定下死点BDCの到達時点との時間差(または、角度差)を定義するデータであり、初期設計値として、あらかじめECU60内のメモリに記憶されている。
目標圧力マップ603は、エンジン回転数NEおよびアクセル踏込量APに基づいて、マップ検索により目標圧力POを決定する。
減算器60cは、目標圧力POと蓄圧室36内の燃圧PFとの圧力偏差ΔPF(=PO−PF)を演算する。
圧力偏差ΔPFは、比例積分微分演算手段からなるPIDコントローラ604に入力されて、目標吐出量QOに変換される。
閉弁位置マップ605は、目標吐出量QOに基づいて、プランジャ下死点BDCを基準としたときの閉弁位置TVCまでの前半期間(または、角度)Trを決定する。
閉弁位置マップ605は、流量制御弁10の閉弁位置TVCに対する燃料吐出量Qの関係(たとえば、図10参照)を示すマップデータとして、あらかじめECU60内のメモリに記憶されている。
加算器60bは、推定下死点BDCの到達時点に対して、閉弁位置TVCに対応した前半期間Trを加算し、流量制御弁10の基本閉弁位置TVC0を算出する。
進角設定制限手段606は、流量制御弁10の基本閉弁位置TVC0が所定の進角制限位置LIMよりも進角側に設定されることを制限する。
たとえば、進角制限位置LIMが推定下死点BDCの到達時点と同じ位置に初期設定されている場合を例にとって説明すると、圧力偏差ΔPFに基づいてPIDコントローラ604が算出した目標吐出量QOが過剰となった(前半期間Trが推定下死点BDCの到達時点よりも進角側に算出された)としても、進角制限位置LIM(初期設定値)による制限がかかり、最終的に閉弁位置TVCは、推定下死点BDC(=進角制限位置LIM)の到達時点までに制限される。
こうして、進角設定制限手段606は、最終的に閉弁位置TVC(進角制限位置LIMで制限された閉弁位置)を流量制御弁駆動手段609に入力する。
また、進角設定制限手段606は、閉弁位置TVCおよび現在の進角制限位置LIMを進角制限実行判定手段610および進角制限値変更手段611に入力する。
作動遅れ時間設定手段607は、バッテリ電圧VBに基づき、流量制御弁10の作動遅れ時間Tpを設定して流量制御弁駆動手段609に入力する。
通電保持時間設定手段608は、エンジン回転数NEに基づき、流量制御弁10の通電保持時間Thを設定して流量制御弁駆動手段609に入力する。
流量制御弁駆動手段609は、進角設定制限手段606から入力される閉弁位置TVCと、作動遅れ時間設定手段607から入力される作動遅れ時間Tpと、通電保持時間設定手段608から入力される通電保持時間Thとに基づいて、流量制御弁10のソレノイド12に対する制御信号を生成する。
すなわち、流量制御弁駆動手段609は、閉弁位置TVCから作動遅れ時間Tpだけさかのぼった時点TONで、ソレノイド12への通電を開始し、閉弁位置TVCから通電保持時間Thだけ経過した後の時点TOFFで、ソレノイド12の通電を終了するように、流量制御弁10を制御する。
進角制限実行判定手段610は、進角設定制限手段606から入力される閉弁位置TVCおよび進角制限位置LIMに基づいて、閉弁位置TVCが進角制限位置LIMに制限された制御中であるか否かを判定し、判定結果に応じた進角制限実行フラグFL1を進角制限値変更手段611に入力する。
進角制限実行フラグFL1は、閉弁位置TVCが進角制限位置LIMに制限された制御中であると判定された場合には「1」にセットされ、進角制限された制御中でないと判定された場合には0クリアされる。
燃圧挙動判定手段612は、燃圧センサ61により検出された蓄圧室36内の燃圧PFおよび圧力偏差ΔPF(=PO−PF)に基づいて、蓄圧室36内の燃圧PFが目標圧力POへの一致傾向を示すか否かを判定し、判定結果に応じた圧力異常判定フラグFL2を進角制限値変更手段611に入力する。
燃圧挙動判定手段612は、たとえば、燃圧PFの平均値が所定値以下に低下する一方であるという減少傾向を示す場合や、圧力偏差ΔPFの符号が負(PO<PF)を示す状態が所定時間以上にわたって継続する場合には、燃圧PFが目標圧力POへの一致傾向を示さないものと見なして、圧力異常判定フラグFL2を「1」にセットし、燃圧PFが目標圧力POへの一致傾向を示すと判定された場合には、圧力異常判定フラグFL2を0クリアする。
進角制限値変更手段611は、進角制限実行判定手段610からの進角制限実行フラグFL1と、燃圧挙動判定手段612からの圧力異常判定フラグFL2とを参照し、進角制限実行フラグFL1および圧力異常判定フラグFL2の両方が「1」にセットされている場合には、進角制限位置LIMを現在値よりも遅角側の値に変更して、進角設定制限手段606および異常診断手段613に入力する。
これにより、進角設定制限手段606において、前回まで設定されていた進角制限位置LIMは、進角制限値変更手段611から入力された新たな進角制限位置LIM(前回値よりも遅角側の値)に変更される。
また、異常診断手段613は、進角制限値変更手段611から入力された進角制限位置LIMが異常判定値LX(正常時に起こり得る「ばらつき度合い」を考慮して設定された最大許容遅角値)を超えた遅角側の値に変更されようとした場合に、燃料供給系統に異常が発生している状態であると判定し、異常診断フラグFL3を「1」にセットして外部機器などに出力する。
次に、図5のフローチャートを参照しながら、図4に示したこの発明の実施の形態1によるECU60の制御動作について説明する。
図5において、まず、ECU60は、エンジン回転数NEおよび回転位相PHを読み込み(ステップS101)、基準信号生成手段601は、エンジン回転数NEおよび回転位相PHに基づいて基準位置REFを決定し(ステップS102)、加算器60aは、基準位置REFにオフセット値Tdを加算して推定下死点位置BDC(=REF+Td)を決定する(ステップS103)。
続いて、たとえば車両の運転者によるアクセル踏込量APを読み込み(ステップS104)、目標圧力マップ603は、エンジン回転数NEおよびアクセル踏込量APに基づき目標圧力POを決定する(ステップS105)。
また、蓄圧室36内の燃圧PFを読み込み(ステップS106)、減算器60cは、目標圧力POと蓄圧室36内の燃圧PFとの圧力偏差ΔPF(=PO−PF)を算出する(ステップS107)。
続いて、PIDコントローラ604は、圧力偏差ΔPFに基づいて、PIDコントローラ604による比例積分微分演算を実行し、目標吐出量QOを決定する(ステップS108)。
また、閉弁位置マップ605は、目標吐出量QOに基づいて、推定下死点BDCから閉弁位置までの時間(または、角度)に対応した前半期間Trを決定する(ステップS109)。
次に、加算器60bは、前半期間Trと推定下死点BDCの到達位置とを加算して、基本閉弁位置TVC0(=BDC+Tr)を決定する(ステップS110)。
また、進角設定制限手段606は、基本閉弁位置TVC0が進角制限位置LIMよりも進角側に設定されることを制限しつつ、最終的な閉弁位置TVC(=MAX{TVC0,LIM})を決定する(ステップS111)。
続いて、作動遅れ時間設定手段607は、バッテリ電圧VBを読み込み(ステップS112)、バッテリ電圧VBに応じた作動遅れ時間Tpを決定する(ステップS113)。
また、通電保持時間設定手段608は、エンジン回転数NEに応じた通電保持時間Thを決定する(ステップS114)。
さらに、流量制御弁駆動手段609は、閉弁位置TVC、作動遅れ時間Tpおよび通電保持時間Thに基づいて、閉弁位置TVCから作動遅れ時間Tpだけさかのぼった時点でソレノイド12を通電開始し、閉弁位置TVCから通電保持時間Thだけ経過した後の時点でソレノイド12の通電を終了するように、ソレノイド12を駆動制御する(ステップS115)。
次に、進角制限実行判定手段610は、閉弁位置TVCが進角制限位置LIMに制限された制御状態にあるか否か(すなわち、TVC=LIMであるか否か)を判定する(ステップS116)。
ステップS116において、TVC=LIM(すなわち、YES)と判定されれば、進角制限実行フラグFL1を「1」にセットする(ステップS117)。
一方、ステップS116において、TVC≠LIM(すなわち、NO)と判定されれば、進角制限実行フラグFL1を0クリアする(ステップS118)。
続いて、燃圧挙動判定手段612は、圧力偏差ΔPFの符号が負(ΔPF<0)の状態が所定時間以上にわたって継続しているか否かを判定する(ステップS119)。
ステップS119において、ΔPF<0の状態が所定時間継続した(すなわち、YES)と判定されれば、燃圧PFが目標圧力POへの一致傾向を示さないものと見なして、圧力異常判定フラグFL2を「1」にセットする(ステップS120)。
一方、ステップS119において、ΔPF<0の状態が所定時間継続していない(すなわち、NO)と判定されれば、燃圧PFが目標圧力POへの一致傾向を示すものと見なして、圧力異常判定フラグFL2を0クリアする(ステップS121)。
続いて、進角制限値変更手段611は、進角制限実行フラグFL1および圧力異常判定フラグFL2がともに「1」にセットされているか否かを判定する(ステップS122)。
ステップS122において、FL1=1、且つ、FL2=1(すなわち、YES)と判定されれば、閉弁位置TVCが進角制限位置LIMに制限された制御中であって、且つ、燃圧PFが目標圧力POへの一致傾向を示さない状態と見なし、進角制限位置LIMを遅角側の位置に変更するために、進角制限位置LIMに所定量ΔLを加算した値(=LIM+ΔL)に変更する(ステップS123)。
なお、所定量ΔLは、進角制限位置LIMを遅角側に変更する際の基準補正量である。
一方、ステップS122において、FL1=0、または、FL2=0(すなわち、NO)と判定されれば、閉弁位置TVCが進角制限位置LIMに制限された制御中でないか、または、燃圧PFが目標圧力POへの一致傾向を示す状態と見なし、進角制限位置LIMの変更処理(ステップS123)をスキップする。
最後に、異常診断手段613は、現時点の進角制限位置LIMが、異常判定値LXを超えた遅角側の値に変更されたか否かを判定する(ステップS124)。
ただし、前述のように、異常判定値LXは、進角制限値の初期値L0よりも正常時に起こり得る最大ばらつき幅Lrtdだけ遅角側の位置に設定されている。なお、異常判定値LXは、たとえば、最大遅角側の進角制限位置L2(後述する)に設定される。
ステップS124において、LIM>LX(すなわち、YES)と判定されれば、現時点の進角制限位置LIMが許容値を超えて遅角設定されたものと見なして、異常診断フラグFL3を「1」にセットして(ステップS125)、図5の処理ルーチンを抜け出る。
一方、ステップS124において、LIM≦Lrtd(すなわち、NO)と判定されれば、現時点の進角制限位置LIMが許容値を超えていないものと見なして、異常診断フラグFL3を0クリアして(ステップS126)、図5の処理ルーチンを抜け出る。
以下、図6のタイミングチャートとともに、前述の図11を参照しながら、図1〜図4に示したこの発明の実施の形態1による動作について補足説明する。
図6において、前述(図11参照)と同様のものについては、前述と同一符号が付されている。また、高圧燃料ポンプ20内のプランジャ22の動作位置は、前述と同様に、遅角側にシフトされたプランジャ動作特性(破線)として示されている。
従来技術においては、プランジャ動作位置が遅角側にシフトされていた場合(図11内の破線参照)、最大量の燃料を吐出制御する際に、進角制限位置LIM=L0(すなわち、Tr=0の位置)を閉弁位置TVCとしてソレノイドを通電制御するので、加圧室23に吸入されていた燃料は、低圧通路33側にリリーフされてしまい、蓄圧室36には吐出されない。
この場合、蓄圧室36内の燃圧PFは、目標圧力POに一致しなくなる。
つまり、燃料噴射弁39による燃料噴射によって蓄圧室36内の燃料が減少し、蓄圧室36内の燃圧PFが低下する。このような異常事態は、閉弁位置TVCが進角制限位置LIM=L0に制限されて制御中であることと、燃圧PFが目標圧力POへの一致傾向を示さないことと、に基づいて検知することができる。
そこで、この発明の実施の形態1においては、まず、図11内の実線Aで示されたソレノイド12の通電動作(TON)のように、閉弁位置TVCが進角制限位置LIM=L0に制限されて制御されていることと、このときの燃圧PFが目標圧力への一致傾向を示さないことと、に基づいて異常事態を検知する。
また、進角制限位置LIMを、初期値L0よりも遅角側の位置L1に変更するとともに、図6内の破線Bで示す通電動作により、実際の閉弁位置TVCを、遅角側に変更した後の進角制限位置LIM=L1に制限しつつ、ソレノイド12を制御する。
さらに、進角制限位置LIMをL1に変更して制御したにもかかわらず、燃圧PFが目標圧力POへの一致傾向に回復しない場合には、進角制限位置LIMを現在位置L1よりもさらに遅角側の位置L2に変更する。
この場合、図6内の実線Cで示す通電動作のように、さらに遅角側に制限された進角制限位置LIM=L2に制限しつつ、ソレノイド12を制御することになる。
このように、進角制限位置LIM=L2の位置まで遅角側に変更することにより、プランジャ22の上動期間中の閉弁後に、通電すべき所要の通電保持時間Thが確保できるようになる。この結果、それまでに低下した蓄圧室36内の燃圧PFも上昇を開始し、目標圧力POへの一致傾向を見せるようになる。
次に、図7のタイミングチャートとともに、図6および図11を参照しながら、上記動作における燃圧PFの挙動について補足説明する。
図7はECU60内の進角制限値変更手段611の動作を説明するためのタイミングチャートであり、上から順に、蓄圧室36内の燃圧PF(検出値)および目標圧力PO(1点鎖線)の挙動、燃料噴射弁39の動作(斜線部は燃料噴射中を示す)、流量制御弁10の開閉状態、ソレノイド12の通電状態、高圧燃料ポンプ20内のプランジャ22の動作位置を示している。
なお、図7においては、目標圧力POと燃圧PFとがほぼ一致(圧力偏差ΔPF≒0)した状態から、エンジン40の運転状態が変化して、目標圧力POが高圧側に急変した場合の挙動(すなわち、大きな圧力偏差ΔPFが発生したときの前後の状態)を示している。
また、進角制限位置LIMの変更判定用の判定値PXとしては、目標圧力POが急変する直前の燃圧PFの値が用いられている。
さらに、プランジャ22の動作位置において、2点鎖線は正規の動作位置を示し、実線は遅角側にずれているときの動作位置を示している。
図7に示すように、目標圧力POと燃圧PFとがほぼ一致している状態から、目標圧力POのみが高圧側に急変すると、大きな圧力偏差ΔPFが発生する。
このとき、流量制御弁10の閉弁位置TVCは、フィードバック制御により、進角制限位置LIMの初期値L0の位置(図11内の実線Aで示すソレノイド12の通電動作)に制限されて制御される。
しかし、プランジャ22の動作位置(実線参照)が正規位置(2点鎖線参照)よりも遅角側にずれていることにより、蓄圧室36には燃料が吐出されず、燃圧PFは判定値PXを下回ることになる。
そこで、次の制御サイクルでは、進角制限位置LIMを、初期値L0よりも遅角側の位置L1(図6内の破線Bで示すソレノイド12の通電動作)に変更し、さらに、次の制御サイクルでは、進角制限位置LIMを、前回の遅角側の位置L1よりも遅角側の位置L2(図6内の実線Cで示すソレノイド12の通電動作)に変更する。
このように、進角制限位置LIMが位置L2まで変更されると、低下する一方であった燃圧PFは、目標圧力POに向かって上昇を開始し、最終的には目標圧力POに達するようになる。
なお、図7においては、進角制限位置LIMの変更を判定するために、目標圧力POが急変する直前の燃圧PFの値を判定値PXとして用い、PF<PXの条件を満たす場合に進角制限位置LIM変更したが、圧力偏差ΔPF(=PO−PF)の符号が負のままの状態が所定時間以上にわたって継続したことを条件として変更してもよい。
次に、ECU60内の学習機能について説明する。
前述のように、ECU60は、流量制御弁10の閉弁位置TVCが遅角側の値に変更された後の進角制限位置LIMに制限されて制御中であって、且つ、燃圧PFが目標圧力POへの一致傾向を示す場合に、進角制限位置LIMの前回値(遅角側の値に変更される前の進角制限位置)と、遅角側の値に変更された後の進角制限位置との位置偏差を位置ずれ学習値として記憶し、位置ずれ学習値の記憶後は、流量制御弁制御手段によって設定される閉弁位置と位置ずれ学習値とを加算した値として、流量制御弁10の閉弁位置TVCを制御する。
すなわち、ECU60は、進角制限位置LIMを遅角側の値に変更した後に、燃圧PFが目標圧力POへの一致傾向を示すようになったことに基づいて、プランジャ22の位置のずれ度合いを「位置ずれ学習値」として学習し、その後は、位置ずれ学習値に基づき、流量制御弁制御手段により設定される閉弁位置TVCを補正する。
前述(図6、図11参照)の例においては、ECU60が認識不可能なプランジャ22の動作位置のずれ度合いは、推定下死点BDCと実下死点BDC1との位置差(最大ずれ量)Trtdである。
そこで、ECU60は、進角制限位置LIMの初期値L0と、低下した燃圧PFが上昇を開始したときの進角制限位置L2との位置偏差ΔLIM(=|L0−L2|)を、位置ずれ学習値として検知する。
このとき、図11および図6から明らかなように、推定下死点BDCと実下死点BDC1の位置差(最大ずれ量)Trtdは、燃圧PFが回復するときの進角制限位置偏差ΔLIM(=|L0−L2|)と等しい。
したがって、ECU60は、進角制限位置偏差ΔLIMを位置ずれ学習値として記憶した後は、推定下死点BDCからの時間(または、角度)に対応する前半期間Trを決定する際に、前半期間Trと位置ずれ学習値ΔLIMとを加算した値(=Tr+ΔLIM)を、閉弁位置TVCとして決定する。
次に、図8のタイミングチャートを参照しながら、異常発生時におけるECU60内の異常診断手段613(ステップS124〜S126)の動作について補足説明する。
異常診断手段613は、遅角側に変更された進角制限位置LIMが、所定の異常判定値LXよりも遅角側の値に達した場合に、燃料供給系統が異常発生状態にあることを判定し、異常診断フラグFL3を「1」にセットする。
異常診断フラグFL3は、たとえば報知手段など(図示せず)の外部機器に出力され、異常発生状態をユーザに認識させて異常状態の復旧を促すために寄与する。
図8は異常診断手段613の動作を説明するためのタイミングチャートであり、図7と同様に、上から順に、燃圧PFおよび目標圧力POの挙動、燃料噴射弁39の動作、流量制御弁10の開閉状態、ソレノイド12の通電状態、プランジャ22の動作位置を示している。
また、図7と同様に、図8においては、プランジャ22の正規の動作位置(2点鎖線)および遅角側にシフト中の動作位置(実線)が示されており、また、燃圧PFが目標圧力POにほぼ一致した状態から目標圧力POが高圧側に急変した(大きな圧力偏差ΔPFが発生した)状態が示されている。
ただし、図8は燃料供給系に異常が発生した場合を示しており、目標圧力POが急増したときに進角制限位置LIMを遅角側に変更しても、燃料PFは、目標圧力POへの一致傾向を示すことなく、減少し続ける。
図8において、前述のように、目標圧力POのみが高圧側に急変すると、大きな圧力偏差ΔPFが発生し、流量制御弁10の閉弁位置TVCが進角制限位置LIMの初期値L0の位置に制限されて制御されることになる。
しかし、プランジャ22の動作位置(実線参照)が遅角側にずれていることにより、蓄圧室36には燃料が吐出されず、燃圧PFは判定値PXを下回るので、次の制御サイクルでは、進角制限位置LIMが初期値L0よりも遅角側の位置L1に変更され、さらに遅角側の位置L2へと変更される。
ところが、燃料供給系統に異常が発生していた場合には、図8のように、進角制限位置LIMが最大遅角側の位置L2に変更されても、燃圧PFが低下する一方となり、目標圧力POに向かって上昇することがないので、進角制限位置LIMは、最大遅角側の位置L2よりもさらに遅角側の位置L3に変更されることになる。
進角制限位置LIMが最大遅角側の位置L2よりも遅角側の位置L3にまで変更されると、その時点で、進角制限位置LIMの初期値L0と現在の進角制限位置L3との位置偏差ΔLIM(=|L0−L3|)が、通常想定されるプランジャ22の動作位置の最大ずれ量Trtdよりも大きくなったことが分かる。
したがって、正常時に起こり得る最大ばらつき度合い(最大ばらつき幅)Lrtdをあらかじめ異常判定値LXとして設定しておくことにより、進角制限位置LIMが正常時に起こり得ない遅角側の位置L3に変更された時点で、燃料供給系統に異常が発生しているものと判定することができる。
以上のように、この発明の実施の形態1に係るエンジンの高圧燃料ポンプ制御装置は、燃料タンク30内の燃料を汲み上げて低圧通路33に吐出する低圧燃料ポンプ31と、低圧燃料ポンプ31から吐出された燃料を加圧室23内に吸入して吐出する高圧燃料ポンプ20と、低圧通路33(または、燃料タンク30)と加圧室23とを接続する燃料通路中に配置された常開式の流量制御弁10と、加圧室23と蓄圧室36とを接続する高圧通路34中に配置された吐出弁(逆止弁)35と、蓄圧室36内の燃料をエンジン40の各燃焼室に供給する燃料噴射弁39と、蓄圧室36内の燃圧PFを検出する燃圧センサ61と、燃圧PFがエンジン40の運転状態に応じて決定される目標圧力POと一致するように流量制御弁10の閉弁位置TVCを設定して高圧燃料ポンプ20の燃料吐出量Qを制御する流量制御弁制御手段(ECU60)と、流量制御弁制御手段によって設定される閉弁位置が所定の進角制限位置よりも進角側に設定されることを制限する進角設定制限手段606とを備え、進角設定制限手段606は、閉弁位置TVCが進角制限位置LIMに制限されて制御され、且つ、燃圧PFが目標圧力POへの一致傾向を示さない場合に、進角制限位置LIMを、前回設定値から前回設定値よりも遅角側の値に変更するようになっている。
このように、高圧燃料ポンプ20の燃料吐出量Qを最大吐出量QMAXに制御しようとしたときに、位置制御に係わるばらつきに起因して吐出制御不能となる事態が発生したことを検知して、進角制限位置LIMを遅角側の値に変更することにより、吐出制御機能を速やかに回復させることができ、蓄圧室36内の燃圧PFが目標圧力POに維持できない(所望の燃焼性能が得られずにドラビリや排気ガスの悪化を招く)状態を軽減または回避することができる。
また、ECU60内の流量制御弁制御手段は、流量制御弁10の閉弁位置TVCが、遅角側の値に変更された後の進角制限位置LIMに制限された制御中であって、且つ、燃圧PFが目標圧力POへの一致傾向を示す場合には、遅角側の値に変更される前の進角制限位置と、遅角側の値に変更された後の進角制限位置との位置偏差ΔLIMを、位置ずれ学習値として記憶し、位置ずれ学習値ΔLIMを記憶した後は、位置ずれ学習値ΔLIMを加算した値により閉弁位置TVCを補正制御するようになっている。
このように、ECU60が認識できないプランジャ22の動作位置のずれ量を位置ずれ学習値ΔLIMとして記憶し、その後の閉弁位置TVCの補正に用いることにより、プランジャ22の動作位置のずれが発生したときの閉弁位置TVCのフィードバック制御量の負担を軽減することができ、フィードバック制御の応答性を改善することができる。
また、ECU60は、低圧燃料ポンプ31、高圧燃料ポンプ20および流量制御弁10などを含む燃料供給系統の異常の有無を判定する異常診断手段613をさらに備え、異常診断手段613は、進角設定制限手段606によって遅角側に変更された進角制限位置LIMが、所定の異常判定値LXよりも遅角側の値に達した場合には、燃料供給系統が異常発生状態であると判定するようになっている。
これにより、燃料供給系統に何らかの異常が発生して蓄圧室36内の燃圧PFが目標圧力POに維持することができなくなる事態が潜在しているという異常状態を検知し、ユーザに報知して認識させることができる。
なお、ここでは、低圧通路33と加圧室23との間に流量制御弁10を配置した燃料供給系統について説明したが、燃料タンク30と加圧室23との間に流量制御弁10を配置した燃料供給系統に適用してもよく、前述と同等の作用効果を奏することは言うまでもない。
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、特に言及しなかったが、閉弁位置TVCの通常フィードバック制御時に、流量制御弁10の閉弁位置TVCを進角制限位置LIMに強制的に切り替えて、所定条件下で進角制限位置LIMを自動的に遅角側に調整してもよい。
以下、この発明の実施の形態2に係るエンジンの高圧燃料ポンプ制御装置について説明する。
たとえば、前述(図6、図7参照)の制御動作は、エンジン40の運転状態が変化することによって、大きな圧力偏差ΔPFが発生しない限り実行することができない。
そこで、この発明の実施の形態2においては、閉弁位置TVCが進角制限位置LIMに制限されて制御されていない運転状態、たとえば低負荷運転時や大きな圧力偏差ΔPFが発生していない状態であっても、強制的に大きな圧力偏差ΔPFを発生させて、潜在異常の有無を検査できるようにしたものである。
この発明の実施の形態2に係るシステム構成は、図1〜図4に示した通りであり、ECU60内の機能の一部が異なるのみである。
この場合、ECU60は、通常フィードバック制御時すなわち、流量制御弁10の閉弁位置TVCが進角制限位置LIMに制限されて制御されておらず、且つ、燃圧PFがほぼ目標圧力POへの一致傾向を示す場合に、閉弁位置TVCを進角制限位置LIMに強制的に切り替え、強制的に切り替えたにもかかわらず、燃圧PFが所定の上昇傾向を示さないときには、進角制限位置LIMを遅角側の値に変更してから、強制切り替えを解除して通常制御に戻すようになっている。
次に、図9のフローチャートを参照しながら、この発明の実施の形態2による制御動作について詳細に説明する。
なお、図9の制御動作は、前述(図5参照)の目標圧力決定機能(ステップS105)により実現されるので、図9内のステップS201〜S210は、前述のステップS105の内部動作に対応する。
また、図9において、強制切り替え制御を継続する時間を制御するためのカウンタCの初期値は、あらかじめ「0」に設定されているものとする。
まず、前述のステップS101、S104、S107と同様に、エンジン回転数NEを読み込み(ステップS201)、アクセル踏込量APを読み込み(ステップS202)、圧力偏差ΔPFを読み込んだ後(ステップS203)、アクセル踏込量APが所定値AX以下(AP≦AX)であるか否かを判定する(ステップS204)。
ステップS204において、AP>AX(すなわち、NO)と判定されれば、カウンタCの値を0クリアして(ステップS209)、目標圧力マップ603に基づいて目標圧力POを決定して(ステップS210)、図9の処理ルーチンを抜け出る。
一方、ステップS204において、AP≦AX(すなわち、YES)と判定されれば、続いて、圧力偏差ΔPFの絶対値|ΔPF|が所定値PY以下(|ΔPF|≦PY)であるか否かを判定する(ステップS205)。
ステップS205において、|ΔPF|≦PY(すなわち、YES)と判定されれば、カウンタCの値を「C+1」にインクリメントし(ステップS207)、目標圧力POを所定値Pmaxに強制固定して(ステップS208)、図9の処理ルーチンを抜け出る。
一方、ステップS205において、|ΔPF|>PY(すなわち、NO)と判定されれば、続いて、カウンタCがカウント中であって、且つ、カウンタCの値が判定値CX未満(0<C<CX)であるか否かを判定する(ステップS206)。
ステップS206において、C=0、または、C≧CX(すなわち、NO)と判定されれば、カウンタCの値を0クリアし(ステップS209)、目標圧力マップ603に基づいて目標圧力POを決定して(ステップS210)、図9の処理ルーチンを抜け出る。
一方、ステップS206において、0<C<CX(すなわち、YES)と判定されれば、カウンタCがカウント中であるものと見なして、カウンタCの値を「C+1」にインクリメントし(ステップS207)、目標圧力POを所定の高圧値Pmaxに強制固定して(ステップS208)、図9の処理ルーチンを抜け出る。
このように、この発明の実施の形態2によれば、アクセル踏込量APが所定値AX以下(AP≦AX)で、且つ、圧力偏差ΔPFの絶対値|ΔPF|が所定値PX以下(|ΔPF|≦PX)となった時点で、カウンタCがインクリメント(ステップS207)を開始し、アクセル踏込量APが所定値AXを超えるか、または、カウンタCが所定値CXに達するまでの期間にわたって、目標圧力POが所定の高圧値Pmaxに強制固定された状態で、前述(図5)の制御動作が実行される。
なお、アクセル踏込量APが所定値AX以下(AP≦AX)のときに強制制御を実行する理由は、強制制御の実行条件として、エンジン40の要求する燃料噴射量が比較的少ない運転状態に限定することにより、目標圧力POを変化させたときの燃料吐出量Qのうち、蓄圧室36内の燃圧PFを上昇させることに寄与できる燃料量を多く確保するためである。
以上のように、この発明の実施の形態2によるECU60(流量制御弁制御手段)は、流量制御弁10の閉弁位置TVCが進角制限位置LIMに制限された制御中ではなく、且つ、燃圧PFがほぼ目標圧力POへの一致傾向を示す場合には、閉弁位置TVCを進角制限位置LIMに強制的に切り替えるとともに、閉弁位置TVCを進角制限位置LIMに強制的に切り替えたにもかかわらず、燃圧PFが所定の上昇傾向を示さない場合には、進角制限位置LIMを前回設定値よりも遅角側の値に変更した後、進角制限位置LIMへの強制切り替え状態を解除して通常制御状態に復帰するようになっている。
これにより、閉弁位置TVCが進角制限位置LIMに制限されて制御されていない運転状態、たとえば低負荷運転時や大きな圧力偏差ΔPFが発生していない状態であっても、強制的に大きな圧力偏差ΔPFを発生させることにより、吐出制御不能となる事態の潜在異常の有無を検査することができ、吐出制御不能となる事態の発生を早期に検知することができるようになる。
この発明の実施の形態1に係るエンジンの高圧燃料ポンプ制御装置を概略的に示すブロック構成図である。 図1内の流量制御弁の開弁時の内部構成を示す側断面図である。 図1内の流量制御弁の閉弁時の内部構成を示す側断面図である。 この発明の実施の形態1に係る流量制御弁制御手段を含むECUを具体的に示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る制御動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1による動作を補足説明するためのタイミングチャートである。 この発明の実施の形態1における通常時の燃圧挙動を補足説明するためのタイミングチャートである。 この発明の実施の形態1における異常発生時の燃圧挙動を補足説明するためのタイミングチャートである。 この発明の実施の形態2に係る制御動作を示すフローチャートである。 一般的な流量制御弁の閉弁位置と燃料吐出量との関係(特性)を説明するためのタイミングチャートである。 従来装置における課題を説明するためのタイミングチャートである。
符号の説明
10 流量制御弁、12 ソレノイド、20 高圧燃料ポンプ、22 プランジャ、23 加圧室、24 カム軸、30 燃料タンク、31 低圧燃料ポンプ、33 低圧通路、34 高圧通路、35 吐出弁、36 蓄圧室、39 燃料噴射弁、40 エンジン、60 ECU(流量制御弁制御手段)、61 燃圧センサ、62 クランク角センサ、63 カム角センサ、64 アクセルポジションセンサ、65 バッテリ電圧検出手段、603 目標圧力マップ、604 PIDコントローラ、605 閉弁位置マップ、606 進角設定制限手段、609 流量制御弁駆動手段、610 進角制限実行判定手段、611 進角制限値変更手段、612 燃圧挙動判定手段、613 異常診断手段、AP アクセル踏込量、BDC 下死点(推定下死点)、LIM 進角制限位置、L0 初期値(進角制限位置)、L1、L2 遅角側の値(進角制限位置)、LX 異常判定値、NE エンジン回転数、PF 燃圧(燃圧検出値)、PO 目標圧力、ΔPF 圧力偏差、Q 燃料吐出量、QO 目標吐出量、PH 回転位相、VB バッテリ電圧、TDC 上死点、TVC 閉弁位置。

Claims (4)

  1. エンジンの運転状態を検出する各種センサと、
    燃料タンク内の燃料を汲み上げて低圧通路に吐出する低圧燃料ポンプと、
    前記低圧燃料ポンプから吐出された燃料を加圧室内に吸入して吐出する高圧燃料ポンプと、
    前記燃料タンクまたは前記低圧通路のいずれか一方と前記加圧室とを接続する燃料通路中に配置された常開式の流量制御弁と、
    前記加圧室と蓄圧室とを接続する高圧通路中に配置された吐出弁と、
    前記蓄圧室内の燃料を前記エンジンの各燃焼室に供給する燃料噴射弁と、
    前記蓄圧室内の燃圧を検出して燃圧検出値を出力する燃圧センサと、
    前記流量制御弁の閉弁位置を設定して、前記高圧燃料ポンプの燃料吐出量を制御する流量制御弁制御手段と、
    前記閉弁位置が所定の進角制限位置よりも進角側に設定されることを制限する進角設定制限手段とを備え、
    前記流量制御弁制御手段は、前記エンジンの運転状態に応じて目標圧力を決定するとともに、前記燃圧検出値が前記目標圧力と一致するように前記閉弁位置を設定するエンジンの高圧燃料ポンプ制御装置において、
    前記進角設定制限手段は、前記閉弁位置が前記進角制限位置に制限された制御中であって、且つ、前記燃圧検出値が前記目標圧力への一致傾向を示さない場合には、前記進角制限位置を、前回設定値から前記前回設定値よりも遅角側の値に変更することを特徴とするエンジンの高圧燃料ポンプ制御装置。
  2. 前記流量制御弁制御手段は、
    前記閉弁位置が前記進角制限位置に制限された制御中ではなく、且つ、前記燃圧検出値がほぼ前記目標圧力への一致傾向を示す場合には、前記閉弁位置を前記進角制限位置に強制的に切り替えるとともに、
    前記閉弁位置を前記進角制限位置に強制的に切り替えたにもかかわらず、前記燃圧検出値が所定の上昇傾向を示さない場合には、前記進角制限位置を前回設定値よりも遅角側の値に変更した後、前記進角制限位置への強制切り替え状態を解除して通常制御状態に復帰することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの高圧燃料ポンプ制御装置。
  3. 前記流量制御弁制御手段は、
    前記閉弁位置が、遅角側の値に変更された後の進角制限位置に制限された制御中であって、且つ、前記燃圧検出値が前記目標圧力への一致傾向を示す場合には、前記遅角側の値に変更される前の進角制限位置と、前記遅角側の値に変更された後の進角制限位置との位置偏差を、位置ずれ学習値として記憶し、
    前記位置ずれ学習値を記憶した後は、前記位置ずれ学習値を加算した値により前記閉弁位置を補正制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジンの高圧燃料ポンプ制御装置。
  4. 前記低圧燃料ポンプ、前記高圧燃料ポンプおよび前記流量制御弁を含む燃料供給系統の異常の有無を判定する異常診断手段をさらに備え、
    前記異常診断手段は、前記進角設定制限手段によって遅角側に変更された進角制限位置が、所定の異常判定値よりも遅角側の値に達した場合には、前記燃料供給系統が異常発生状態であると判定することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のエンジンの高圧燃料ポンプ制御装置。
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