JP2010116835A - 筒内噴射式内燃機関の高圧ポンプ制御装置 - Google Patents

筒内噴射式内燃機関の高圧ポンプ制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高圧燃料系において燃料カット期間中の燃圧低下を防止しながら、燃料カット期間中の燃圧上昇による燃料カット復帰時の燃圧のアンダーシュートを抑制する。
【解決手段】エンジンの通常運転期間中及び燃料カット期間中に燃圧センサ32で検出した高圧燃料系内の実燃圧を目標燃圧に一致させるようにPI制御等で高圧ポンプ14をフィードバック制御する燃圧フィードバック制御を実行することで、燃料カット期間中も燃圧フィードバック制御により高圧燃料系内の燃圧を目標燃圧に制御して燃料カット期間中の燃圧低下を防止する。更に、燃料カット期間中のIゲインを通常運転期間中のIゲインよりも小さくすることで、燃料カット期間中の燃圧上昇によって実燃圧と目標燃圧との偏差が大きい状態が続いても、燃圧フィードバック制御のI項が燃圧低下方向に大きく増加することを抑制して、燃料カット復帰時の燃圧のアンダーシュートを抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高圧ポンプから燃料噴射弁に高圧の燃料を供給する筒内噴射式内燃機関の高圧ポンプ制御装置に関する発明である。
気筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射式エンジンは、吸気ポートに燃料を噴射する吸気ポート噴射式エンジンと比較して、噴射から燃焼までの時間が短く、噴射燃料を霧化させる時間を十分に稼ぐことができないため、噴射圧力を高圧にして噴射燃料を微粒化する必要がある。そのため、筒内噴射式エンジンでは、燃料タンクから低圧ポンプで汲み上げた燃料を、エンジンのカム軸で駆動される高圧ポンプに供給し、この高圧ポンプから吐出される高圧の燃料を高圧燃料配管を通して燃料噴射弁へ圧送するようにしている。
一般に、筒内噴射式エンジンでは、高圧燃料配管内の燃圧(燃料圧力)を燃圧センサで検出し、この燃圧センサで検出した燃圧を目標燃圧に一致させるように高圧ポンプの吐出量をフィードバック制御する燃圧フィードバック制御を行うようにしている。ここで、高圧ポンプの吐出量の制御は、燃料吸入行程で燃料を吸入するために開弁される開閉弁の閉じ時期(燃料吸入行程後に燃料吐出を開始する時期)を制御することにより行われる。
このような燃圧フィードバック制御を行うシステムにおいては、特許文献1(特開2007−32323号公報)に記載されているように、燃圧センサで検出した燃圧と目標燃圧との偏差に基づいて高圧ポンプの要求吐出量を算出し、この要求吐出量に応じて高圧ポンプの開閉弁の閉じ時期を制御することで、高圧ポンプの吐出量を要求吐出量に制御して高圧燃料配管内の燃圧を目標燃圧に一致させるように制御すると共に、燃料噴射が停止される燃料カット期間中には燃圧フィードバック制御を停止するようにしたものがある。
また、一般に、高圧ポンプの吐出口側に、高圧燃料配管内の燃料の逆流を防止する逆止弁を設けることで、高圧燃料配管内の燃圧を高圧に維持するようにしているが、エンジン停止後に高圧燃料配管内の燃圧が高圧に維持されると、エンジン停止中に燃料噴射弁からの燃料漏れ量が多くなる傾向があり、その漏れ燃料が筒内に溜まって次の始動時に未燃焼のまま排出されてしまい、始動時の排気エミッションが悪化するという問題がある。
この対策として、特許文献2(特開2006−90222号公報)に記載されているように、高圧ポンプの吐出口側にリーク機能付きの逆止弁を設け、エンジン停止後(高圧ポンプ停止後)に、高圧燃料配管内の燃料を逆止弁に形成した細孔を通して低圧側に戻すことで、高圧燃料配管内の燃圧を低下させるようにしたものがある。
特開2007−32323号公報(第5頁〜第6頁等) 特開2006−90222号公報(第6頁〜第7頁等)
ところで、高圧ポンプの逆止弁の経年劣化や異物噛み込み等により高圧燃料配管内の燃料が低圧側に漏れることがある。上記特許文献1の技術では、燃料カット期間中に燃料フィードバック制御が停止されるため、燃料カット期間中に高圧燃料配管内の燃料が低圧側に漏れると、高圧燃料配管内の燃圧が目標燃圧よりも低下してしまう欠点がある。また、上記特許文献2の技術のように、高圧ポンプにリーク機能付きの逆止弁を設けた構成でも、燃料カット期間中に高圧燃料配管内の燃料が低圧側にリークして高圧燃料配管内の燃圧が目標燃圧よりも低下してしまう欠点がある。燃料カット期間中に高圧燃料配管内の燃圧が目標燃圧よりも低下すると、燃料カット復帰時(燃料噴射再開時)に噴射燃料を十分に霧化させることができず、燃焼性が低下する可能性がある。
この対策として、燃料カット期間中も燃圧フィードバック制御を実行することが考えられるが、燃料カット期間中に通常運転期間中と同じ条件で燃圧フィードバック制御を実行すると、次のような問題が発生する。
燃料カット期間中は、エンジンの放熱によって高圧燃料配管内の燃料温度が上昇して、高圧燃料配管内の燃圧が目標燃圧よりも高くなることがあるが、燃料カット期間中は、高圧燃料配管内の燃料が消費(噴射)されないため、燃圧フィードバック制御を実行しても燃圧を低下させることができず、実燃圧と目標燃圧との偏差が大きい状態が続いて、燃圧フィードバック制御の積分項が燃圧低下方向に大きく増加し続けることになる。このため、燃料カット復帰時に燃料噴射が再開されて燃料消費量(要求吐出量)が急激に増加しても、燃圧フィードバック制御が高圧ポンプの吐出量の増加を抑制する方向に働いてしまい、燃料カット復帰時に高圧ポンプの吐出量を応答良く増加させることができない。その結果、燃料カット復帰時に高圧燃料配管内の燃圧が急低下して目標燃圧を大きく下回るアンダーシュートが発生する可能性がある。
本発明は、これらの事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、燃料カット期間中の高圧燃料系内の燃圧低下を防止しながら、燃料カット期間中の燃圧上昇による燃料カット復帰時の燃圧のアンダーシュートを抑制することができる筒内噴射式内燃機関の高圧ポンプ制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、高圧ポンプから燃料噴射弁に高圧の燃料を供給する高圧燃料系内の燃料の圧力(以下「燃圧」という)を目標燃圧に一致させるように少なくとも積分項を用いた制御方式(例えばPI制御やPID制御等)で高圧ポンプをフィードバック制御する燃圧フィードバック制御を実行する燃圧制御手段を備えた筒内噴射式内燃機関の高圧ポンプ制御装置において、燃圧制御手段は、燃料噴射弁の燃料噴射が実行される通常運転期間中及び該燃料噴射が停止される燃料カット期間中に燃圧フィードバック制御を実行し、通常運転期間中と燃料カット期間中との間で積分項の算出に用いる積分ゲインを積分ゲイン切替手段により切り替えるようにしたものである。
この構成では、燃料カット期間中も燃圧フィードバック制御を実行するため、燃料カット期間中に高圧燃料系から低圧側への燃料の漏れや戻りが発生しても、燃圧フィードバック制御により高圧燃料系内の燃圧を目標燃圧に維持して燃圧低下を防止することができる。また、通常運転期間中と燃料カット期間中との間で積分項の算出に用いる積分ゲインを切り替えるため、燃料カット期間中に、高圧燃料系内の燃料温度の上昇による燃圧上昇によって実燃圧と目標燃圧との偏差が大きい状態が続いても、燃圧フィードバック制御の積分項が燃圧低下方向に大きく増加することを抑制するように積分ゲインを切り替えるという制御が可能となる。これにより、燃料カット復帰時に高圧燃料系内の燃圧が急低下することを抑制して燃圧が目標燃圧よりも低下するアンダーシュートを抑制することができ、燃料カット復帰時の燃圧のアンダーシュートによる燃料霧化性・燃焼性の悪化の問題を解決することができる。
具体的には、請求項2のように、燃料カット期間中の積分ゲインを通常運転期間中の積分ゲインよりも小さくすると良い。このようにすれば、通常運転期間中に比べて燃料カット期間中の燃圧フィードバック制御の積分項の変化を緩やかにすることができるため、燃料カット期間中に、高圧燃料系内の燃料温度の上昇による燃圧上昇によって実燃圧と目標燃圧との偏差が大きい状態が続いても、燃圧フィードバック制御の積分項が燃圧低下方向に増加することを確実に抑制することができる。しかも、燃料カット期間中の高圧燃料系から低圧側への燃料の漏れや戻りによる燃圧低下量は、高圧燃料系内の燃料温度の上昇による燃圧上昇量に比べて小さいため、燃料カット期間中の積分ゲインを通常運転期間中の積分ゲインよりも小さくして積分項の変化を緩やかにしても、高圧燃料系から低圧側への燃料の漏れや戻りによる燃圧低下を燃圧フィードバック制御により十分に防止することができる。
本発明は、燃料カット期間中の積分ゲインを予め設定した固定値としても良いが、請求項3のように、燃料カット期間中の高圧燃料系から低圧側への燃料の漏れ又は戻りの度合に応じて燃料カット期間中の積分ゲインを積分ゲイン学習手段により学習し、燃料カット期間中に積分ゲイン学習手段で学習した燃料カット期間中の積分ゲインに切り替えるようにしても良い。このようにすれば、燃料カット期間中の高圧燃料系から低圧側への燃料の漏れや戻りの度合に応じた適正な積分ゲインを用いて積分項を算出することができ、燃料カット期間中の燃料の漏れや戻りの度合に応じて燃圧フィードバック制御の積分動作を適正化することができる。
燃料カット期間中の積分ゲインの具体的な学習方法としては、請求項4のように、燃料カット期間中に燃圧フィードバック制御を一時的に停止し、その燃圧フィードバック制御の停止中における高圧燃料系内の燃圧の低下度合(例えば低下速度や低下量等)に応じて燃料カット期間中の積分ゲインを学習することで、燃料カット期間中の高圧燃料系から低圧側への燃料の漏れ又は戻りの度合に応じて燃料カット期間中の積分ゲインを学習するようにしても良い。
燃料カット期間中に燃圧フィードバック制御を停止すると、高圧燃料系から低圧側への燃料の漏れや戻りの度合に応じて高圧燃料系内の燃圧の低下度合(例えば低下速度や低下量等)が変化するため、燃料カット期間中の燃圧フィードバック制御停止中における燃圧の低下速度は、燃料カット期間中の高圧燃料系から低圧側への燃料の漏れや戻りの度合を反映した情報となる。従って、燃料カット期間中の燃圧フィードバック制御の停止中における高圧燃料系内の燃圧の低下度合に応じて燃料カット期間中の積分ゲインを学習すれば、燃料カット期間中の高圧燃料系から低圧側への燃料の漏れや戻りの度合に応じた燃料カット期間中の積分ゲインを精度良く学習することができる。
この場合、請求項5のように、燃圧フィードバック制御の停止中における高圧燃料系内の燃圧の低下度合が大きくなるほど燃料カット期間中の積分ゲインを大きくするように学習すると良い。このようにすれば、高圧燃料系内の燃圧の低下度合が大きくなる(つまり高圧燃料系から低圧側への燃料の漏れや戻りの度合が大きくなる)ほど、燃料カット期間中の積分ゲインを大きくして積分項の変化を速めるという制御が可能となり、燃料カット期間中の燃圧の低下度合が大きくても小さくても、それに応じた適正な積分ゲインの燃圧フィードバック制御により燃圧低下を確実に防止することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した一実施例を説明する。
まず、図1に基づいて筒内噴射式のエンジン(内燃機関)の燃料供給システム全体の概略構成を説明する。
燃料を貯溜する燃料タンク11内には、燃料を汲み上げる低圧ポンプ12が設置されている。この低圧ポンプ12は、バッテリ(図示せず)を電源とする電動モータ(図示せず)によって駆動される。この低圧ポンプ12から吐出される燃料は、燃料配管13を通して高圧ポンプ14に供給される。燃料配管13には、プレッシャレギュレータ15が接続され、このプレッシャレギュレータ15によって低圧ポンプ12の吐出圧力(高圧ポンプ14への燃料供給圧力)が所定圧力に調圧され、その圧力を越える燃料の余剰分が燃料戻し管16により燃料タンク11内に戻されるようになっている。
高圧ポンプ14は、円筒状のポンプ室18内でピストン19を往復運動させて燃料を吸入/吐出するピストンポンプであり、ピストン19は、エンジンのカム軸20に嵌着されたカム21の回転運動によって駆動される。この高圧ポンプ14の吸入口22側には、燃圧制御弁23(開閉弁)が設けられている。この燃圧制御弁23は、常開型の電磁弁であり、吸入口22を開閉する弁体24と、この弁体24を開弁方向に付勢するスプリング25と、弁体24を閉弁方向に電磁駆動するソレノイド26とから構成されている。
高圧ポンプ14の吸入行程(ピストン19の下降時)においては、燃圧制御弁23が開弁されてポンプ室18内に燃料が吸入され、高圧ポンプ14の吐出行程(ピストン19の上昇時)においては、燃圧制御弁23の閉弁期間(閉弁開始時期からピストン19の上死点までの閉弁状態のクランク角区間)を制御することで、高圧ポンプ14の吐出量を制御して燃圧(吐出圧力)を制御する。
つまり、燃圧を上昇させるときには、燃圧制御弁23の閉弁開始時期(通電時期)を進角させることで、燃圧制御弁23の閉弁期間を長くして高圧ポンプ14の吐出量を増加させ、逆に、燃圧を低下させるときには、燃圧制御弁23の閉弁開始時期(通電時期)を遅角させることで、燃圧制御弁23の閉弁期間を短くして高圧ポンプ14の吐出量を減少させる。
一方、高圧ポンプ14の吐出口27側には、吐出した燃料の逆流を防止する逆止弁28が設けられている。高圧ポンプ14から吐出された燃料は、高圧燃料配管29を通してデリバリパイプ30に送られ、このデリバリパイプ30からエンジンの各気筒の上部に取り付けられた燃料噴射弁31に高圧の燃料が分配される。デリバリパイプ30(又は高圧燃料配管29)には、デリバリパイプ30や高圧燃料配管29等の高圧燃料系内の燃圧(燃料圧力)を検出する燃圧センサ32が設けられている。また、デリバリパイプ30には、リリーフ弁33が設けられ、このリリーフ弁33の排出ポートがリリーフ配管34を介して燃料タンク11(又は低圧側の燃料配管13)に接続されている。
尚、逆止弁28に微小孔径のオリフィスを設けて、ポンプ室18内の燃圧が高圧燃料配管29内の燃圧よりも低いときに、高圧燃料配管29内の燃料が少しずつオリフィスを通ってポンプ室18(低圧側)に戻る構成としても良い。
また、エンジンには、吸入空気量を検出するエアフローメータ36や、クランク軸(図示せず)の回転に同期して所定クランク角毎にパルス信号を出力するクランク角センサ37が設けられている。このクランク角センサ37の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。
これら各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)38に入力される。このECU38は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁31の燃料噴射量や点火プラグ(図示せず)の点火時期を制御する。
また、ECU38は、後述する図2の燃圧制御ルーチンを実行することで、燃料噴射弁31の燃料噴射を実行する通常運転期間中及び燃料噴射を停止する燃料カット期間中に、燃圧センサ32で検出した高圧燃料系内の実燃圧を目標燃圧に一致させるようにPI制御やPID制御等のI項(積分項)を含む制御方式で高圧ポンプ14の吐出量(燃圧制御弁23の通電時期)をフィードバック制御する燃圧フィードバック制御を実行する。例えば、PI制御の場合には、目標燃圧と実燃圧との偏差と、Pゲイン(比例ゲイン)とを用いてP項(比例項)を算出すると共に、目標燃圧と実燃圧との偏差の積分値と、Iゲイン(積分ゲイン)とを用いてI項(積分項)を算出し、これらのP項とI項とを用いてフィードバック補正量(例えば燃圧制御弁23の通電時期の補正量)を算出する。
その際、本実施例では、通常運転期間中と燃料カット期間中との間でI項の算出に用いるIゲインを切り替えて、燃料カット期間中のIゲインを通常運転期間中のIゲインよりも小さくすることで、通常運転期間中に比べて燃料カット期間中の燃圧フィードバック制御のI項の変化を緩やかにする。
以下、ECU38が実行する図2の燃圧制御ルーチンの処理内容を説明する。
図2に示す燃圧制御ルーチンは、ECU38の電源オン中に所定周期で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいう燃圧制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、燃料カット期間中であるか否かを判定する。その結果、燃料カット期間中ではない(通常運転期間中である)と判定された場合には、ステップ102に進み、エンジン運転状態(例えば、エンジン回転速度、目標燃圧と実燃圧との偏差等)に応じた通常運転期間中のIゲインをマップ又は数式等により算出し、それを今回の通常運転期間中のIゲインとして設定する。
一方、上記ステップ101で、燃料カット期間中であると判定された場合には、ステップ103に進み、所定のIゲイン学習条件が成立しているか否かを判定する。ここで、Iゲイン学習条件としては、例えば、燃圧センサ32が正常であること、燃料カット直前の高圧燃料系内の燃圧が所定値以上であること、前回のIゲインの学習から所定期間が経過した後であること等であり、これらの条件を全て満たすか否かでIゲイン学習条件が成立しているか否かを判定する。
この上記ステップ103で、Iゲイン学習条件が成立していると判定された場合には、ステップ104に進み、燃料カット期間中のIゲインを次のようにして学習する。まず、図3に示すように、燃料カット期間中に燃圧フィードバック制御を一時的に所定期間だけ停止し、その燃圧フィードバック制御の停止中における高圧燃料系内の燃圧の低下量ΔPと停止時間Δtとに基づいて燃圧の低下速度(ΔP/Δt)を算出する。
燃料カット期間中に燃圧フィードバック制御を停止すると、高圧燃料系から低圧側への燃料の漏れや戻りの度合に応じて高圧燃料系内の燃圧の低下速度が変化するため、燃料カット期間中の燃圧フィードバック制御停止中における高圧燃料系内の燃圧の低下速度(ΔP/Δt)は、燃料カット期間中の高圧燃料系から低圧側への燃料の漏れや戻りの度合を反映した情報となる。
この後、図4に示す燃料カット期間中のIゲインのマップを参照して、燃圧の低下速度(ΔP/Δt)に応じた燃料カット期間中のIゲインを算出する。図4に示す燃料カット期間中のIゲインのマップは、燃圧の低下速度(ΔP/Δt)が大きくなるほど燃料カット期間中のIゲインが大きくなり、且つ、燃料カット期間中のIゲインが通常運転期間中のIゲインよりも小さくなるように設定されている。
このようにして、燃料カット期間中の燃圧フィードバック制御停止中における高圧燃料系内の燃圧の低下速度(ΔP/Δt)に応じて燃料カット期間中のIゲインを学習することで、燃料カット期間中の高圧燃料系から低圧側への燃料の漏れや戻りの度合に応じた燃料カット期間中のIゲインを精度良く学習し、その学習値を今回の燃料カット期間中のIゲインとして設定すると共に、ECU38のバックアップRAM(図示せず)等の書き換え可能な不揮発性メモリ(ECU38の電源オフ中でも記憶データを保持する書き換え可能なメモリ)に記憶されている前回の燃料カット期間中のIゲインの学習値を、今回の燃料カット期間中のIゲインの学習値で更新する。このステップ104の処理が特許請求の範囲でいう積分ゲイン学習手段としての役割を果たす。
一方、上記ステップ103で、Iゲイン学習条件が成立していないと判定された場合には、燃料カット期間中のIゲインの学習を行うことなく、ステップ105に進み、ECU38のバックアップRAM等の不揮発性メモリに記憶されている前回の燃料カット期間中のIゲインの学習値を読み込み、その学習値を今回の燃料カット期間中のIゲインとして設定する。
これらステップ101〜105の処理により、通常運転期間中と燃料カット期間中との間で燃圧フィードバック制御のI項の算出に用いるIゲインを切り替えて、燃料カット期間中のIゲインを通常運転期間中のIゲインよりも小さくする。この機能が特許請求の範囲でいう積分ゲイン切替手段としての役割を果たす。
以上のようにして、通常運転期間中のIゲイン又は燃料カット期間中のIゲインを設定した後、ステップ106に進み、エンジン運転状態(例えば、エンジン回転速度、エンジン負荷等)に応じて目標燃圧をマップ又は数式等により算出し、燃圧センサ32で検出した高圧燃料系内の実燃圧を目標燃圧に一致させるようにPI制御やPID制御等により高圧ポンプ14の吐出量(燃圧制御弁23の通電時期)をフィードバック制御する燃圧フィードバック制御を実行する。その際、通常運転期間中は、通常運転期間中のIゲインの算出値を用いて燃圧フィードバック制御を実行し、燃料カット期間中は、燃料カット期間中のIゲインの学習値を用いて燃圧フィードバック制御を実行する。
以上説明した本実施例では、燃料カット期間中も燃圧フィードバック制御を実行するようにしたので、燃料カット期間中に高圧燃料系から低圧側への燃料の漏れや戻りが発生しても、燃圧フィードバック制御により高圧燃料系内の燃圧を目標燃圧に維持することができ、高圧燃料系内の燃圧低下を防止することができる。
また、通常運転期間中と燃料カット期間中との間で燃圧フィードバック制御のI項の算出に用いるIゲインを切り替えて、燃料カット期間中のIゲインを通常運転期間中のIゲインよりも小さくすることで、通常運転期間中に比べて燃料カット期間中の燃圧フィードバック制御のI項の変化を緩やかにするようにしたので、燃料カット期間中に、高圧燃料系内の燃料温度の上昇による燃圧上昇によって実燃圧と目標燃圧との偏差が大きい状態が続いても、燃圧フィードバック制御のI項が燃圧低下方向に大きく増加することを抑制することができる。これにより、燃料カット復帰時に高圧燃料系内の燃圧が急低下することを抑制して燃圧が目標燃圧よりも低下するアンダーシュートを抑制することができ、燃料カット復帰時の燃圧のアンダーシュートによる燃料霧化性・燃焼性の悪化の問題を解決することができる。
しかも、燃料カット期間中の高圧燃料系から低圧側への燃料の漏れや戻りによる燃圧低下量は、高圧燃料系内の燃料温度の上昇による燃圧上昇量に比べて小さいため、燃料カット期間中のIゲインを通常運転期間中のIゲインよりも小さくしてI項の変化を緩やかにしても、高圧燃料系から低圧側への燃料の漏れや戻りによる燃圧低下を燃圧フィードバック制御により十分に防止することができる。
また、本実施例では、燃料カット期間中に燃圧フィードバック制御を一時的に停止し、その燃圧フィードバック制御の停止中における高圧燃料系内の燃圧の低下速度に応じて燃料カット期間中のIゲインを学習することで、燃料カット期間中の高圧燃料系から低圧側への燃料の漏れ又は戻りの度合に応じて燃料カット期間中のIゲインを学習するようにしたので、燃料カット期間中の高圧燃料系から低圧側への燃料の漏れや戻りの度合に応じた適正なIゲインを用いてI項を算出することができ、燃料カット期間中の燃料の漏れや戻りの度合に応じて燃圧フィードバック制御の積分動作を適正化することができる。
その際、燃圧フィードバック制御の停止中における高圧燃料系内の燃圧の低下速度が大きくなるほど燃料カット期間中のIゲインを大きくするようにしたので、高圧燃料系内の燃圧の低下速度が大きくなる(つまり高圧燃料系から低圧側への燃料の漏れや戻りの度合が大きくなる)ほど、燃料カット期間中のIゲインを大きくしてI項の変化を速くすることができ、燃料カット期間中の高圧燃料系から低圧側への燃料の漏れや戻りによる燃圧低下を燃圧フィードバック制御により確実に防止することができる。
尚、上記実施例では、燃料カット期間中の燃圧フィードバック制御停止中における高圧燃料系内の燃圧の低下速度に応じて燃料カット期間中のIゲインを学習するようにしたが、これに限定されず、他の燃圧の低下度合の情報(例えば燃圧の低下量等)に応じて燃料カット期間中のIゲインを学習するようにしても良い等、燃料カット期間中のIゲインの学習方法を適宜変更しても良い。或は、燃料カット期間中のIゲインの学習を行わずに、燃料カット期間中のIゲインを予め設定した固定値(例えば通常運転期間中のIゲインよりも小さい値)としても良い。
その他、本発明は、燃料供給システムの構成を適宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
本発明の一実施例における燃料供給システム全体の概略構成図である。 燃圧制御ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。 燃料カット期間中のIゲインの学習方法を説明するタイムチャートである。 燃料カット期間中のIゲインのマップの一例を概念的に示す図である。
符号の説明
11…燃料タンク、12…低圧ポンプ、14…高圧ポンプ、22…吸入口、23…燃圧制御弁、27…吐出口、28…逆止弁、29…高圧燃料配管、30…デリバリパイプ、31…燃料噴射弁、32…燃圧センサ、38…ECU(燃圧制御手段,積分ゲイン切替手段,積分ゲイン学習手段)

Claims (5)

  1. 高圧ポンプから燃料噴射弁に高圧の燃料を供給する高圧燃料系内の燃料の圧力(以下「燃圧」という)を目標燃圧に一致させるように少なくとも積分項を用いた制御方式で前記高圧ポンプをフィードバック制御する燃圧フィードバック制御を実行する燃圧制御手段を備えた筒内噴射式内燃機関の高圧ポンプ制御装置において、
    前記燃圧制御手段は、前記燃料噴射弁の燃料噴射が実行される通常運転期間中及び該燃料噴射が停止される燃料カット期間中に前記燃圧フィードバック制御を実行し、
    前記通常運転期間中と前記燃料カット期間中との間で前記積分項の算出に用いる積分ゲインを切り替える積分ゲイン切替手段を備えていることを特徴とする筒内噴射式内燃機関の高圧ポンプ制御装置。
  2. 前記積分ゲイン切替手段は、前記燃料カット期間中の積分ゲインを前記通常運転期間中の積分ゲインよりも小さくすることを特徴とする請求項1に記載の筒内噴射式内燃機関の高圧ポンプ制御装置。
  3. 前記燃料カット期間中の前記高圧燃料系から低圧側への燃料の漏れ又は戻りの度合に応じて前記燃料カット期間中の積分ゲインを学習する積分ゲイン学習手段を備え、
    前記積分ゲイン切替手段は、前記燃料カット期間中に前記積分ゲイン学習手段で学習した燃料カット期間中の積分ゲインに切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の筒内噴射式内燃機関の高圧ポンプ制御装置。
  4. 前記積分ゲイン学習手段は、前記燃料カット期間中に前記燃圧フィードバック制御を一時的に停止し、その燃圧フィードバック制御の停止中における前記高圧燃料系内の燃圧の低下度合に応じて前記燃料カット期間中の積分ゲインを学習することで、前記燃料カット期間中の前記高圧燃料系から低圧側への燃料の漏れ又は戻りの度合に応じて前記燃料カット期間中の積分ゲインを学習することを特徴とする請求項3に記載の筒内噴射式内燃機関の高圧ポンプ制御装置。
  5. 前記積分ゲイン学習手段は、前記燃圧フィードバック制御の停止中における前記高圧燃料系内の燃圧の低下度合が大きくなるほど前記燃料カット期間中の積分ゲインを大きくするように学習することを特徴とする請求項4に記載の筒内噴射式内燃機関の高圧ポンプ制御装置。
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