JP3979150B2 - 内燃機関のNOx浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気ガスが酸素過剰雰囲気下でNOx浄化作用を有するNOx触媒を備えた内燃機関のNОx浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
排気ガス中に尿素水を添加して加水分解により発生するアンモニアや直接添加によるアンモニアを、選択還元触媒の還元剤として使用するNОx浄化装置が知られている。このようなNОx浄化装置を、エンジン等の内燃機関を備えた車両に搭載する場合、内燃機関の排気系に排気ガスが酸素過剰雰囲気下でNOxを浄化できる選択還元触媒、所謂ユリアSCR触媒(以下「NОx触媒」と称す)を配置し、この触媒の上流側から尿素水あるいはアンモニアを還元剤として排気ガス中に添加してNОx触媒に供給するように構成している。
特に尿素水を還元剤として添加するシステムにおいては、NOx触媒上流の排気系に連通する供給通路を介して尿素水を還元剤供給手段から供給するが、排気系を流れる排気ガス中に素早く添加できるように、還元剤供給手段から供給される尿素水の供給部位よりも上流の供給通路に空気供給手段から加圧空気を供給し、供給通路を流れる加圧空気と尿素水とを混合させて添加ノズルで噴霧状にして排気ガス中に添加している。
【0003】
排気ガス中に尿素水を添加する場合、式(1)のように加水分解及び熱分解されることでアンモニア(NH)が生成される。
(NH)2CO+HO→2NH+CO・・(1)
NОx触媒上でのアンモニア(NH)と窒素酸化物(NОx)との間の脱硝反応は触媒温度の高低に応じ、すなわち、高温時には主に式(2)、低温時には主に式(3)の反応がそれぞれ行われることが知られている。
4NH+4NO+O→4N+6HO・・(2)
2NH+NO+NO→2N+3HO・・(3)
このようなアンモニアを還元剤とするNОx触媒は、図10に実線で示すように、NОx触媒へのアンモニアの吸着量が多いほどNOx浄化率が高いため、低温域でNОx触媒の高浄化率を得るにはアンモニア吸着量を高く制御することが好ましい。NОx触媒に吸着できるアンモニア吸着量には限界があり、図11に実線L1で示す吸着限界値は触媒温度に依存している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような尿素水を還元剤として添加するNОx浄化装置においては、尿素水の水分の蒸発により尿素成分が管内に付着して供給通路が詰まるのを防止するのに、尿素水を添加しない場合でも空気供給手段を動作させて加圧空気を供給している。空気供給手段は、単独で駆動源を持つ場合や、エンジンのクランク軸の回転をベルトとプーリ等の駆動伝達手段を用いて伝達されるエンジンを駆動源とする場合がある。このため、尿素水を添加しない場合の空気供給手段の稼動率を抑制することは、車両に搭載された機器の動作による消費電力の低減や燃費の向上を図ろうとする場合に有効な手法となる。しかし、必要以上に空気供給手段の稼働率を抑制してしまうと、尿素成分による供給通路の詰まりを防止することが難しくなる。
本発明は、車両の消費電力の低減や燃費の向上とともにNОx浄化率の向上を図れるNОx浄化装置を提供することを目的とする。
本発明は、NОx浄化率の向上を図りつつ、尿素成分による供給通路の詰まり防止と車両の消費電力の低減や燃費の向上の両立を達成することが可能なNОx浄化装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる内燃機関のNОx浄化装置は、内燃機関の排気系に設けられ排気ガス中のNOxを選択還元するNOx触媒と、NOx触媒上流の排気系に連通する供給通路を介して尿素水を供給する還元剤供給手段と、還元剤供給手段から供給される尿素水の供給部位より上流の供給通路に加圧空気を供給する空気供給手段と、NOx触媒の触媒温度又は触媒温度に相関するパラメータの一つに応じて尿素水の供給量を設定する尿素水供給量設定手段と、尿素水供給量設定手段により設定された尿素水の供給状態に応じて空気供給手段の停止/作動を制御する制御手段とを備えている。このため、尿素水供給量設定手段により設定された尿素水の供給状態に応じて空気供給手段の停止/作動が制御手段で制御される。
【0006】
制御手段としては、前記尿素水供給量設定手段により設定された尿素水の供給量がゼロのとき、供給量がゼロに設定された後、所定期間経過後に空気供給手段から供給される加圧空気の供給を停止するように、空気供給手段を制御する態様が挙げられる。
【0007】
空気供給手段としては、還元剤供給手段から供給される尿素水の供給部位より上流の供給通路に、内燃機関により駆動されて加圧空気を供給するものや、単独の駆動源から駆動力を得ることで駆動されて加圧空気を供給する態様が挙げられる。
【0008】
尿素水供給量設定手段としては、NOx触媒の触媒温度又は触媒温度に相関するパラメータに基づきNOx触媒の温度が設定値未満となったとき、尿素水の供給量をゼロに設定する態様が挙げられる。
尿素水供給量設定手段としては、NOx触媒に吸着された還元剤の実吸着量が、NOx触媒の触媒温度又は触媒温度に相関するパラメータに基づき予め設定された目標吸着量と所定量以上相違するとき、尿素水の供給量をゼロに設定する態様が挙げられる。
尿素水供給量設定手段としては、NOx触媒による実NОx浄化率が、NOx触媒の触媒温度又は触媒温度に相関するパラメータに基づき予め設定された目標NОx浄化率と所定量以上相違するとき、尿素水の供給量をゼロに設定する態様が挙げられる。
【0009】
本発明にかかる内燃機関のNOx浄化装置では、内燃機関が搭載された車両の車速を検出する車速検出手段を備え、制御手段が、車速検出手段により検出された車速が所定値以上のときに、空気供給手段から供給される加圧空気の供給停止を禁止するよう空気供給手段を制御することを特徴とする。このため、車速が所定値以上のときには、加圧空気の供給停止が禁止されて尿素水供給再開に備えた状態となる。
【0010】
本発明にかかる内燃機関のNOx浄化装置では、尿素水供給量設定手段により設定された尿素水の供給量がゼロに設定された後に尿素水の供給再開時期を推定する尿素水供給再開推定手段を備え、制御手段が、尿素水供給再開推定手段により推定された尿素水再開時期の所定期間前に空気供給手段から供給される加圧空気の供給を開始するように空気供給手段を制御することを特徴とする。このため、尿素水の供給再開時期の所定期間前に加圧空気供給が再開される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態としての内燃機関のNOx浄化装置を説明する。図1において符号1は、図示しない車両に搭載されたディーゼルエンジン(以後「エンジン」と記す)を示す。エンジン1はエンジン制御装置5によってその出力制御が行われる。エンジン制御装置5は、ここでは、吸気系に配置される周知のエアーフローセンサからの吸気流量や、燃料系から得られる燃料噴射量、燃料噴射量、エンジン回転数等のエンジン運転状態を示す信号を排気系制御部3へ出力している。排気系制御部3及びエンジン制御装置5は、周知のマイクロコンピュータでその主要部が構成されていて、互いに制御系通信回線で相互通信可能に連結されている。
【0013】
本形態のNOx浄化装置は、エンジン1の排気マニホールド25につながり排気系2を構成する排気管28に設けられて排気ガス24中のNOxを選択還元するNOx触媒17、NOx触媒17上流の排気管28に連通する供給通路となる噴射管31を介して尿素水を供給する還元剤供給手段30、還元剤供給手段30から供給される尿素水の供給部位より上流の噴射管31Aに加圧空気を供給する空気供給手段7、NOx触媒17の触媒温度Tgに応じて尿素水の供給量を設定する尿素水供給量設定手段4、尿素水供給量設定手段4により設定された尿素水の供給状態に応じて空気供給手段7の停止/作動を制御する制御手段8を備えている。排気系制御部3は、尿素水供給量設定手段4と制御手段8とから構成されている。
【0014】
NOx触媒17は、ハニカム構造の触媒担体に触媒成分を付着させたもの、あるいは触媒成分によってハニカム構造を形成したもので、排気管28に設けられたNOx触媒コンバータ27のケーシング内に収納されている。選択還元触媒であるNOx触媒17としては、バナジウム系、白金系、ゼオライト系などがある。NOx触媒17は、アンモニア(NH)を吸着して排気ガス24中のNOxを選択還元するものであり、アンモニア吸着状態において、排気ガス24中のNOxを雰囲気温度の高低に応じ、即ち、高温時には上述した式(2)、低温時には上述した式(3)の反応を主に行い、アンモニアと窒素酸化物との間の脱硝反応を促進するものである。
【0015】
NОx触媒17には、触媒温度Tgを出力する触媒温度センサ22が設けられている。触媒温度センサ22は、NOx触媒17の触媒温度を導出する触媒温度導出手段を構成する。この他、触媒温度に相関するパラメータとなる、例えばエンジン回転数及び燃料噴射量、エンジン運転領域毎の運転時間や外気温を考慮して触媒温度の推定値を演算して触媒温度Tgとして用いても良い。
【0016】
還元剤供給手段30は、NOx触媒コンバータ27の上流開口側に向けて尿素水を噴霧して添加する添加ノズル18と、添加ノズル18に接続された噴射管31と、噴射管31に連結する尿素水供給管34と、添加用の尿素水を収容した尿素水タンク35と、尿素水タンク35内の尿素水を尿素水供給管34から噴射管31へと圧送するポンプ36と、噴射管31への尿素水の流量を調整する電磁式の流量調整弁37とを備えている。添加ノズル18は、排気マニホールド25直後の排気管28に装着されたNОx検出手段としての前NОxセンサ19とNОx触媒17との間の排気管28に装着されている。本形態において、流量調整弁37の近傍には、流量調整弁37の動作の有無を検出して尿素水の供給の有無を検出する尿素水供給検出手段としてのセンサ12が装着されている。これらセンサ12、ポンプ36及び流量調整弁37は、制御手段8に信号線でそれぞれ接続されている。
【0017】
空気供給手段7は、噴射管31Aの上流端に連結されたエアタンク32と、噴射管31への加圧空気供給を制御する電磁式の開閉弁33と、エンジン1からの駆動力がベルトとプーリで構成された周知の駆動伝達系39Aを介して伝達されることで回転駆動するエアコンプレッサ38と、エンジン1からエアコンプレッサ38への駆動力の連断を行う電磁式のコンプレッサクラッチ39とを備えている。エアコンプレッサ38とエアタンク32とは、エア配管38Aで連通されている。開閉弁33とコンプレッサクラッチ39とは、信号線で制御手段8にそれぞれ接続されている。
【0018】
コンプレッサクラッチ39は、制御手段8でオンされるとエンジン1からエアコンプレッサ38へ駆動力の伝達を行い、オフされるとエンジン1からエアコンプレッサ38への駆動力の伝達を断つように機能する。エアタンク32には、タンク内圧が所定圧以上になると開弁する図示しないリリーフ弁と、周知の圧力センサが設けられている。圧力センサは、タンク内圧を検出するもので、その検出値を制御手段8に出力している。
【0019】
前NОxセンサ19は、NOx触媒17の上流側のNOx濃度Snoxfを検出するものである。NOx触媒17の下流側の排気管28には、NОx触媒17の下流側のNOx濃度Snoxrを検出するNОx検出手段として後NОxセンサ26が配設されている。各NОxセンサ19,26からのNOx濃度Snoxf、Snoxrは、後述の実NOx浄化率導出手段44に出力される。
【0020】
尿素水供給量設定手段4は、還元剤供給手段30による尿素水の基本添加量Dureaを導出する基本添加量導出手段42と触媒温度Tgに基づき目標NOx浄化率Mηを導出する目標NOx浄化率導出手段43、NOx触媒17による実NOx浄化率ηを導出する実NOx浄化率導出手段44とを備えている。
【0021】
目標NОx浄化率導出手段43は、図4に示すような、触媒温度Tgによって定められる目標NОx浄化率Mηのマップから触媒温度Tgに相関する目標NOx浄化率Mηを導出する。目標NOx浄化率Mηは、図11に実線L1で示す吸着限界値よりも低い値、例えば図11に破線L2で示す吸着限界値L1の1/2の値のアンモニア吸着量に対応して得られる浄化率として設定されている。
【0022】
基本添加量導出手段42は、図11に破線L2で示すNОx触媒17でのアンモニア吸着量を充たすように、式(1)の尿素水から得られるアンモニア量の関係を考慮してエンジン運転状態に応じて予め設定された尿素水の基本添加量マップを有し、触媒温度Tgに応じて適宜尿素水の基本添加量Dureaを選択する。
【0023】
実NOx浄化率導出手段44は、各NOxNОxセンサ19,26からのNOx濃度Snoxf、Snoxrを、Snoxf−Snoxrとする差分処理し、さらにその値をSnoxfで除算して実NOx浄化率ηを算出する演算回路である。尿素水供給量設定手段4は、これら各構成要素から得られる情報から尿素水の供給量Durea(n)を求める。
【0024】
制御手段8は、コンピュータからその要部が構成されていて、尿素水供給量設定手段4により設定された尿素水の供給量がゼロのとき、供給量がゼロに設定された後の所定期間経過後に空気供給手段7から供給される加圧空気の供給を停止するように空気供給手段7を制御する。本形態では、コンプレッサクラッチ39をオフしてエンジン1からエアコンプレッサ38への駆動力を切断するように制御する。この制御手段8は、尿素水供給量設定手段4により設定された尿素水の供給量がゼロに設定された後に尿素水の供給再開時期を推定する尿素水供給再開推定手段9を備えている。制御手段8は、尿素水供給再開推定手段9により推定された尿素水再開時期の所定期間前に空気供給手段7から供給される加圧空気の供給を開始すべく、コンプレッサクラッチ39をオンしてエンジン1からエアコンプレッサ38へ駆動力を伝達するように制御する。制御手段8は、エアタンク32のタンク内圧が所定圧となるように、図示しない圧力センサからの出力値をモニタリングしていて、タンク内圧が所定圧を下回ると、コンプレッサクラッチ39をオンしてエアコンプレッサ38を駆動し、エアタンク32にエア供給を行うように制御している。本形態では、コンプレッサクラッチ39のオン/オフ制御を行って加圧空気の供給制御をしているが、開閉弁33の開閉制御も同時に行っても良い。
【0025】
本形態において、制御手段8は、還元剤供給手段30による尿素水の添加を実行すべく、開閉弁33、ポンプ36及び流量調整弁37の駆動を制御する機能を備えている。本形態では、開閉弁33の開度とポンプ36の回転数とを一定とし、尿素水供給量設定手段4で設けられる尿素水の供給量Durea(n)に応じて流量調整弁37の開度または開弁期間を調整制御する。流量調整弁37の開閉による形態ではなく、開閉弁33の開度調整やポンプ36の回転数制御、あるいはこれらの複合制御により実行する形態としてもよい。尿素水供給量設定手段4は、基本添加量Dureaに対して加減算するための補正量を図示しないマップ情報として予め図示しないメモリー内に記憶されている。
【0026】
次に、NOx浄化装置によるNОx浄化制御を図2のNOx浄化処理ルーチンに沿って、空気供給制御を図3に示す空気供給制御ルーチンに沿ってそれぞれ説明する。
【0027】
NOx浄化装置を搭載した図示しない車両のエンジン1の駆動時において、エンジン制御装置5はエンジン駆動に関する各種制御系のセンサ類が正常か否かの自己チェック結果が正常であったか否かを確認し、正常(OK)では上述の関連センサの各入力値に応じて周知の燃料噴射系、燃料供給系に制御信号を送出し、制御を実行し、その際得られたセンサ出力等を排気系制御部3にも送信する。 排気系制御部3は、エンジンキーのオンと同時に図2のNOx浄化処理ルーチンによるNOx浄化処理制御を所定制御サイクル毎に繰り返すと共に、図3に示す空気供給制御ルーチンを割り込み処理する。
【0028】
図2のNOx浄化処理ルーチンでは、ステップA1でエンジン始動中であるかをイグニッションキーのオン情報で確認し、ステップA2で触媒温度Tg、NOx濃度Snoxf,Snoxr、その他のデータを取込む。ステップA3では、触媒温度Tgが所定温度Tg以上か否かを判定し、触媒温度Tgが所定温度Tg0以上のとき、ステップA4に進み、所定温度Tg0未満では後述するステップA8に進む。
【0029】
ステップA4では、還元剤供給手段30のポンプ36を駆動し、空気供給手段7のコンプレッサクラッチ39をオンすると共にエアタンク32の開閉弁33を開作動させてステップA5に進む。ステップA5では、NOx濃度Snoxf,Snoxrを用いて実NОx浄化率ηを、触媒温度Tgに基づいてNОx触媒17に新たに吸着すべきアンモニア量を得るのに必要な尿素水の基本添加量Dureaをそれぞれ演算すると共に、触媒温度Tgに基づいて目標NОx浄化率Mηを目標NОx浄化率導出手段43であるマップより演算してステップA6に進む。
【0030】
ステップA6では、目標NОx浄化率Mηと実NОx浄化率ηとを差分処理して両者の間の浄化率差Gηを算出してステップA7に進む。ステップ7では、制御手段8に予め設定された浄化率の許容幅となる所定量Zηと浄化率差Gηとの比較して、浄化率差Gηが所定量Zηを超えていない場合、すなわち、実NОx浄化率ηが目標NОx浄化率Mηと所定量以上相違しないときは、NОx触媒17へのアンモニア供給、すなわち尿素水の添加が可能であるとしてステップA10に進み尿素水の基本添加量Dureaを補正して実添加量Durea(n)を決定し、ステップA11に進む。ステップA11では、実NОx浄化率ηと目標NОx浄化率Mηとの比較結果に応じて補正された実添加量Durea(n)に相当する尿素水量を添加できるように、還元剤供給手段30の流量調整弁37の開度または開弁期間を駆動制御して制御サイクルを終了する。
【0031】
ステップA7での比較結果が、浄化率差Gηが所定量Zηを超えている場合、すなわち、実NОx浄化率ηが目標NОx浄化率Mηと所定量以上相違するときは、NОx触媒17上に対するアンモニア供給が過剰であると見做してステップA8に進む。ステップA8では、尿素水の供給量をゼロに設定してステップA9に進み、ステップA9では、尿素水の添加供給を停止すべく還元剤供給手段30の流量調整弁37を閉状態に駆動制御して制御サイクルを終了する。
【0032】
このように、実NОx浄化率ηが目標NОx浄化率Mηと所定量以上相違しない場合には、基本添加量Dureaが補正され、流量調整弁37が補正された相当の開度に保持または所定期間開弁されて、尿素水タンク35からポンプ36により尿素水供給管34に圧送されている尿素水の流量が調整され、尿素水が噴射管31の加圧空気と混合されて添加ノズル18より排気管28に供給される。よって、NOx排出量の還元に必要なアンモニア吸着量となるように適量の尿素水をNОx触媒17へ供給して、尿素水が加水分解及び熱分解することで生成したアンモニアをNОx触媒17に吸着させることができる。また、実NОx浄化率ηが目標NОx浄化率Mηと所定量以上相違するときはNОx触媒17に対する尿素水供給を停止すべく添加量をゼロとして流量調整弁37を閉じ尿素水の添加を停止する制御を行うので、アンモニアスリップの発生を効果的に抑制することができる。
【0033】
図3の空気供給制御ルーチンは、ステップB1において、図2のステップA8で尿素水の添加量の状態を判断し、添加量がゼロ設定されている場合にのみステップB2に進む。ステップB2では、尿素水添加が停止してからの時間をタイマ11で計測してステップB3に進む。ステップB3では、タイマ11での計測時間が制御手段8に予め設定された所定時間を経過したか否かを判断し、所定時間経過するとステップB4に進む。所定時間は、噴射管31内に付着する尿素成分を十分に除去排出できる期間として設定されている。
【0034】
ステップB4では、タイマ11の計測を終了(リセット)してステップB5に進み、コンプレッサクラッチ39をオフする。このため、尿素水の供給停止後、所定時間経過すると、エンジン1からエアコンプレッサ38への駆動力の伝達が断たれるので、尿素水を添加しないときのエアコンプレッサ38の稼働率を低減することができ、本形態の場合では燃費の向上につながる。
【0035】
このような制御形態でも当初の目的は達成されるが、本形態の空気供給制御ルーチンでは、さらに次のステップへと続く。ステップB6では、尿素水供給再開推定手段9により供給再開推定時期を推定してステップB7に進む。ステップB7では、推定した供給再開時期の所定期間前か否かを判断し、供給再開時期の所定期間前になると、コンプレッサクラッチ39をオンして噴射管31への加圧空気の供給を再開してこの制御を終える。
【0036】
このように尿素水供給再開推定手段9で推定した供給再開推定時期の所定期間前になると、コンプレッサクラッチ39をオンして噴射管31への加圧空気の供給を再開するので、尿素水の添加時に際して事前に加圧空気が噴射管31内を流れることとなり、噴射管31内での尿素水の管内壁面付着を抑制しながら、尿素水の霧化を促進することができ、再開初期から良好なNОx浄化率を得ることができる。
【0037】
尿素水供給再開推定手段9は、NОxの排出量増大が見込まれる予想エンジン運転領域をエンジン回転数やアクセル開度や排気ガス温度などから予めマップデータとして制御手段8に記憶しておき、ステップB5でコンプレッサクラッチ39をオフしてからの実運転領域をエンジン回転数やアクセル開度や排気ガス温度などから判別し、現在の運転領域と予想エンジン運転領域へ移行するまでの時間を推定すると共にタイマ11で計測を開始し、この推定時間に対して一定の割合の時間を所定時間とし、この時間となるとコンプレッサクラッチ39をオン制御することで達成することができる。例えば、コンプレッサクラッチ39をオフした時からのアクセル開度の変化を周知のスロットル開度センサで検出して記憶し、前回のアクセル開度に対する今回のアクセル開度の変化率が、所定割合上昇変化した場合には予想エンジン運転領域へ向かってするものとし、変化率に基づき予想エンジン運転領域へ移行するまでの時間を推定する。
【0038】
この推定時間に対する所定時間を制御手段8に設定してタイマ11で計測を開始し、タイマ11による計測値が所定時間となると、コンプレッサクラッチ39をオン制御する。実エンジン運転領域や予想エンジン運転領域を求めるパラメータとしては、上記の要素に限定されるものではなく、触媒温度(排気ガス温度)Tg、前NОxセンサ19で検出されるNOx濃度Snoxfや排気ガス流量Gであってもよい。この場合にはNOx濃度Snoxfや排気ガス流量Gから各運転領域を求め、これら触媒温度(排気ガス温度)Tg、NOx濃度Snoxfや排気ガス流量Gの変化率に応じて供給再開推定時期を決定すればよい。
【0039】
図5を用いて、本発明の第2の実施形態としての内燃機関のNOx浄化装置を説明する。この形態におけるNOx浄化装置は、排気系制御部130の構成が第1の実施形態における排気系制御部3の構成と異なっている以外は、基本的に同一構成である。よって、図1に示す第1の実施形態と同一機能をする構成には、同一符号を付すに留め、詳細な説明は省略する。
【0040】
排気系制御部130は、制御手段80と、尿素水供給量設定手段140とを備えている。尿素水供給量設定手段140は、NOx触媒17による実NOx浄化率ηを導出する実NOx浄化率導出手段144、NOx触媒17に対するアンモニアの目標吸着量MNH3を設定する目標吸着量設定手段150、エンジン1から排出されるNOx排出量としてNОx質量流量Unoxを推定するNOx排出量導出手段151、NOx排出量導出手段151により推定されたNОx質量流量Unoxと実NOx浄化率導出手段44により導出された実NOx浄化率ηとに基づいてNOx触媒17に吸着されたアンモニアの消費量f(η,Unox)を導出する消費量導出手段152、還元剤供給手段30による尿素水の添加量Dureaから算出されるアンモニア量及び消費量導出手段152により導出されたアンモニアの消費量f(η,Unox)に応じてNOx触媒17に吸着されたアンモニアの実吸着量SNH3(n)を導出する吸着量導出手段153、還元剤供給手段30による尿素水の基本添加量Dureaを導出する基本添加量導出手段154、還元剤供給手段30と空気供給手段7の双方を制御する制御手段80を備えている。
【0041】
NOx排出量導出手段151は、前NОxセンサ19で検出されるNОx触媒17の上流側のNOx濃度Snoxfと、エンジン1から排出される排気ガス排出量に相当するエンジン制御装置5からの排気ガス流量Gとに基づき、NOx質量流量Unoxを導出するものである。
【0042】
実NOx浄化率導出手段144は、各NОxセンサ19,26からのNOx濃度Snoxf、Snoxrを、Snoxf−Snoxrとする差分処理し、さらにその値をSnoxfで除算して実NOx浄化率(η)を算出する演算回路であり、算出した実NOx浄化率(η)を消費量導出手段152に出力する。消費量導出手段152は、NOx質量流量Unoxと実NOx浄化率(η)とからアンモニア消費量f(η,Unox)を算出する演算部である。
【0043】
目標吸着量設定手段150は触媒温度検出手段(触媒温度センサ22)により検出又は推定された触媒温度Tgに応じてNOx触媒17に吸着されるアンモニアの目標吸着量MNH3を設定するマップである。目標吸着量MNH3は、図11に破線L2で示すように、実線L1で示す吸着限界値よりも低い値、例えば吸着限界値L1の1/2の値とされており、触媒温度Tgが高くなる程にその値を低減するように設定されている。目標吸着量MNH3としては、吸着限界値L1の1/2の値に限定されるものではなく、吸着限界値L1よりも低い値であれば他の値を選択しても良い。
【0044】
基本添加量導出手段154は、図11に破線L2で示すNОx触媒17でのアンモニア吸着量を充たすように、上述の式(1)の尿素水から得られるアンモニア量の関係を考慮して、エンジン運転状態に応じて予め設定された尿素水の基本添加量マップを有し、触媒温度Tgに応じて適宜尿素水の基本添加量Dureaを選択して吸着量導出手段153に出力する。尿素水供給量設定手段140は、基本添加量Dureaを補正するための補正量を図示しないマップ情報として予め図示しないメモリー内に記憶されている。
【0045】
吸着量導出手段153は、前回導出された実吸着量SNH3(n−1)、基本添加量導出手段154により導出された尿素水の基本添加量Durea、及び今回導出されたアンモニア消費量f(η,Unox)に基づきNОx触媒17における推定の実吸着量SNH3(n)を、下記の式(4)によって導出する演算回路である。この場合、補正前の吸着量SNH3(n−1)を式(4)に設定することで、実吸着量SNH3(n)に対する誤差要因を低減してより精度の高い実吸着量SNH3(n)の演算を図っている。
NH3(n)=SNH3(n−1)+Durea−f(η×Unox)・・・・(4)
制御手段80は、コンピュータからその要部が構成されていて、尿素水供給量設定手段140により設定された尿素水の供給量がゼロのとき、供給量がゼロに設定された後の所定期間経過後に空気供給手段7から供給される加圧空気の供給を停止するように空気供給手段7を制御する。本形態では、コンプレッサクラッチ39をオフしてエンジン1からエアコンプレッサ38への駆動力を切断するように制御する。この制御手段80は、尿素水供給量設定手段140により設定された尿素水の供給量がゼロに設定された後に、車速センサ10により検出された車速Vが所定値としての所定車速V1以上のときに、空気供給手段7から供給される加圧空気の供給停止を禁止すべく、コンプレッサクラッチ39をオンしてエンジン1からエアコンプレッサ38へ駆動力を伝達するように制御する。
【0046】
制御手段80は、エアタンク32のタンク内圧が所定圧となるように、図示しない圧力センサからの出力値をモニタリングしていて、タンク内圧が所定圧を下回ると、コンプレッサクラッチ39をオンしてエアコンプレッサ38を駆動し、エアタンク32にエア供給を行うように制御している。本形態では、コンプレッサクラッチ39のオン/オフ制御を行って加圧空気の供給制御をしているが、開閉弁33の開閉制御も同時に行っても良い。所定速度V1は、制御手段80に予め記憶されている。所定速度V1とは、その速度の直後に尿素水の再供給の必要がある、触媒温度Tgあるいは高排気ガス温度の運転状態に移行する可能性の高い速度である。
【0047】
制御手段80は、還元剤供給手段30による尿素水の添加を実行すべく、開閉弁33、ポンプ36及び流量調整弁37の駆動を制御する機能を備えている。本形態では、開閉弁33の開度とポンプ36の回転数とを一定とし、尿素水供給量設定手段4で設けられる尿素水の供給量Durea(n)に応じて流量調整弁37の開度または開弁期間を調整制御する。流量調整弁37の開閉による形態ではなく、開閉弁33の開度調整やポンプ36の回転数制御、あるいはこれらの複合制御により実行する形態としてもよい。
【0048】
次に、NOx浄化装置によるNОx制御処理を図6のNOx浄化処理ルーチンに沿って、空気供給制御を図7に示す空気供給制御ルーチンに沿ってそれぞれ説明する。
【0049】
NOx浄化装置を搭載した図示しない車両のエンジン1の駆動時において、エンジン制御装置5は複数の制御系、例えば、燃料噴射系、燃料供給系等で適宜実行されている関連機器、センサ類が正常か否かの自己チェック結果が正常であったか否かを確認し、正常(OK)では上述の各センサの各入力値に応じて上記の燃料噴射系、燃料供給系に制御信号を送出して制御を実行し、その際得られたセンサ出力等を排気系制御装置130にも送信する。
【0050】
排気系制御部130は、エンジンキーのオンと同時に図6のNOx浄化処理ルーチンのNOx浄化処理制御を所定制御サイクル毎に繰り返す。ステップC1でエンジン始動中であるかをイグニッションキーのオン情報で確認し、ステップC2で触媒温度Tg、排気ガス流量G、NOx濃度Snoxf,Snoxr、前回吸着量SNH3(n−1)、その他のデータを取込む。ステップC3では、触媒温度Tgが所定温度Tg以上か否かを判定し、触媒温度Tgが所定温度Tg以上のとき、ステップC4に進み、所定温度Tg未満では後述するステップC9に進む。
【0051】
ステップC4では還元剤供給手段30のポンプ36を駆動し、空気供給手段7のコンプレッサクラッチ39をオンすると共にエアタンク32の開閉弁33を開作動させてステップC5に進む。ステップC5では、排気ガス流量GとNОx濃度Snoxfを用いてNОx質量流量Unoxを、NOx濃度Snoxf,Snoxrを用いて実NОx浄化率ηをそれぞれ求めると共に、触媒温度Tgに基づいて、NОx触媒17に新たな吸着すべきアンモニア量を得るのに必要な尿素水のアンモニアの基本添加量Dureaを基本添加量導出手段154のマップより演算し、触媒温度Tg相当の目標吸着量MNH3を目標吸着量設定手段150であるマップより演算してステップC6に進む。
【0052】
ステップC6では、NОx質量流量Unoxと実NОx浄化率ηとに基づきアンモニアの消費量f(η,Unox)を導出してステップC7に進み、ステップC7で、式(4)を用いてアンモニアの実吸着量SNH3(n)を演算して導出してステップC8に進む。
【0053】
ステップC8では、目標吸着量MNH3と実吸着量SNH3(n)とを差分処理して両者の間の吸着差GNH3を算出してステップC9に進む。ステップC9では、制御手段80に予め設定された吸着率の許容幅となる所定量ZNH3と吸着差GNH3との比較して、吸着差GNH3が所定量ZNH3を超えていない場合、すなわち、実吸着量SNH3(n)が目標吸着量MNH3と所定量以上相違しなしときは、NОx触媒17へのアンモニア供給、すなわち尿素水の添加が可能であるとしてステップC12に進みアンモニアの基本添加量Dureaを補正して実添加量Durea(n)を決定し、ステップC13に進む。ステップC13では、実吸着量SNH3(n)と目標吸着量MNH3との比較結果に応じて補正された実添加量Durea(n)量に相当する尿素水量を添加できるように、還元剤供給手段30の流量調整弁37の開度または開弁期間を駆動制御して制御サイクルを終了する。
【0054】
ステップC9での比較結果、吸着差GNH3が所定量所定量ZNH3を超えている場合、すなわち、実吸着量SNH3(n)が目標吸着量MNH3と所定量以上相違するときは、NОx触媒17上に対するアンモニア供給が過剰であると見做してステップC10に進む。ステップC10では尿素水の供給量をゼロに設定してステップC11に進み、ステップC11で尿素水の添加供給を停止すべく還元剤供給手段30の流量調整弁37を閉状態に駆動制御して制御サイクルを終了する。
【0055】
このように、実吸着量SNH3(n)が目標吸着量MNH3と所定量以上相違しない場合には、基本添加量Dureaが補正され、流量調整弁37が補正された相当の開度に保持または所定期間開弁されて、尿素水タンク35からポンプ36により尿素水供給管34に圧送されている尿素水の流量が調整され、尿素水が噴射管31の加圧空気と混合されて添加ノズル18より排気管28に供給される。よって、NOx排出量の還元に必要なアンモニア吸着量となるように適量の尿素水をNОx触媒17へ供給して、尿素水が加水分解及び熱分解することで生成したアンモニアをNОx触媒17に吸着させることができる。
【0056】
実吸着量SNH3(n)が目標吸着量MNH3と所定量以上相違する場合には、NОx触媒17に対する尿素水供給を停止すべく添加量をゼロとして流量調整弁37を閉じ尿素水の添加を停止する制御を行うので、アンモニアスリップの発生を効果的に抑制することができる。また、尿素水の添加をしない場合でも、コンプレッサクラッチ39をオン状態とし、開閉弁32を開状態としているので、噴射管31にはエアタンク32から加圧空気が供給された状態となり、尿素成分の付着による噴射管31の詰まりを防止することができる。
【0057】
図7の空気供給制御ルーチンは、ステップD1において、図6のステップC10での尿素水の添加量の状態を判断し、添加量がゼロ設定されている場合にのみステップD2に進む。ステップD2では、尿素水添加が停止してからの時間をタイマ11で計測してステップD3に進む。ステップD3では、タイマ11での計測時間が制御手段80に予め設定された所定時間を経過したか否かを判断し、所定時間経過するとステップD4に進む。
【0058】
ステップD4では、タイマ11の計測を終了(リセット)してステップD5に進み、コンプレッサクラッチ39をオフする。このため、尿素水の供給停止後、所定時間経過すると、エンジン1からエアコンプレッサ38への駆動力の伝達が断たれるので、尿素水を添加しないときのエアコンプレッサ38の稼働率を低減することができ、本形態の場合では燃費の向上につながる。
【0059】
このような制御形態でも当初の目的は達成されるが、本形態の空気供給制御ルーチンでは、さらに次のステップへと続く。ステップD6では車速センサ10からの車速Vを取り込み、ステップD7において、車速Vが所定値となる所定速度V1以上であるか否かを判断する。判断結果、車速Vが所定速度V1以上となると、コンプレッサクラッチ39をオンして噴射管31への加圧空気の供給を再開してこの制御を終える。
【0060】
このように車速Vが、尿素水の再供給の必要がある運転状態に移行する可能性の高い速度である所定速度V1以上となると、コンプレッサクラッチ39をオンして噴射管31への加圧空気の供給を再開するので、尿素水再供給の必要のある運転状態へ移行して尿素水が添加される際には、既に加圧空気が噴射管31内に供給されることになり、還元剤供給手段30から供給された尿素水の、噴射管31の管内壁面付着を抑制しながら、尿素水の霧化を促進することができ、再開初期から良好なNОx浄化率を得ることができる。
【0061】
図8は、NOx浄化装置によるNОx制御処理を行うNOx浄化処理ルーチンの別な形態を示す。このNОx制御処理では、尿素水の供給量をゼロに設定するに際し、NOx触媒17の触媒温度Tgのみをパラメータとしたものである。
【0062】
図8に示すNOx浄化処理ルーチンは、エンジンキーのオンと同時にNOx浄化処理制御を所定制御サイクル毎に繰り返す。図8においてステップE1でエンジン始動中であるかをイグニッションキーのオン情報で確認し、ステップE2で触媒温度TgとNOx濃度Snoxf,Snoxrを取込み、ステップE3に進む。
【0063】
ステップE3では還元剤供給手段30のポンプ36を駆動し、空気供給手段7のコンプレッサクラッチ39をオンすると共にエアタンク32の開閉弁33を開作動させてステップE4に進む。ステップE4では、触媒温度Tgに基づいてNОx触媒17に新たな吸着すべきアンモニア量を得るのに必要な基本添加量Dureaを基本添加量導出手段42あるいは基本添加量導出手段154のマップより演算してステップE5に進む。
【0064】
ステップE5では、予め制御手段8または制御手段80に記憶した所定値となる所定温度MTgと触媒温度Tgとを比較して、触媒温度Tgが所定温度未満の場合には、NОx触媒17の温度がアンモニアを十分に吸着し得る温度(図11参照)であるが、NOx浄化率が低く(図4参照)アンモニア消費量が少ないため、尿素水の供給は不要であるものとしてステップE6に進む。ステップE6では尿素水の供給量をゼロに設定してステップE7に進み、ステップE7で尿素水の添加供給を停止すべく還元剤供給手段30の流量調整弁37を閉状態に駆動制御して制御サイクルを終了する。
【0065】
触媒温度Tgが所定温度を超えている場合には、NOx浄化率が高くアンモニア消費量が多く、NОx触媒17でのアンモニア吸着量が減少しているものとして、NОx触媒17へのアンモニア供給、すなわち尿素水の添加が可能であるとしてステップE8に進み尿素水の基本添加量Dureaを補正して実添加量Durea(n)を決定し、ステップE9に進む。ステップE9では、実添加量Durea(n)に相当する尿素水量を添加できるように、還元剤供給手段30の流量調整弁37の開度または開弁期間を駆動制御して制御サイクルを終了する。
【0066】
本NОx浄化処理ルーチンのように、NОx触媒17におけるアンモニア吸着量と触媒温度Tgとの関係に着目し、触媒温度Tgから予測されるアンモニア吸着量に応じて尿素水の添加の有無を行う制御してもよい。
【0067】
図9は、NOx浄化装置による空気供給制御を行う空気供給制御ルーチンの別な形態を示す。図9のステップF1では、尿素水の供給が検出されたか否かを判断する。例えば、図2、図6、図8に示すNОx浄化処理ルーチンの実行最中に流量調整弁37の動作の有無を検出センサ12からの出力の有無で判断し、センサ12から出力がある場合には尿素水供給があるものとてして、コンプレッサクラッチ39をオンし、センサ12から出力がない場合には尿素水供給がないものとしてコンプレッサクラッチ39をオフする。このように、流量調整弁37の動作の有無に応じてコンプレッサクラッチ39を制御すれば、簡素な構成で駆動力損失を低減することができる。
【0068】
第1の実施形態で用いた図3に示す空気供給制御ルーチンと第2の実施形態で用いた図7に示す空気供給制御ルーチンは、それぞれ入れ替えて用いても良い。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、尿素水供給量設定手段により設定された尿素水の供給状態に応じて空気供給手段の停止/作動が制御手段で制御されるので、尿素水供給停止時に不要な加圧空気の供給を停止することにより駆動力損失を低減して、車両の消費電力の低減や、燃費とNOx浄化率の向上を図ることができる。
本発明によれば、車速が所定値以上のときには、加圧空気の供給停止が禁止されて尿素水供給再開に備えた状態となるので、車両が再度尿素水供給の触媒温度、あるいは高排気温度の運転状態に移行した場合でも、尿素水の再添加を迅速に行え、車両の消費電力の低減や、燃費とNOx浄化率の向上を図ることができる。
本発明によれば、尿素水の供給再開時期の所定期間前に加圧空気供給が再開されるので、尿素水の霧化を促追してNOx浄化を図ると共に供給通路への尿素の詰まりを防止することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すNОx浄化装置の全体構成図である。
【図2】図1のNОx浄化装置で実行されるNОx浄化処理のルーチンを示すフローチャートである。
【図3】第1の実施形態で実行される空気供給制御のルーチンを示すフローチャートである。
【図4】目標NОx浄化率と触媒温度の関係を示す特性線図である。
【図5】本発明の第2の実施形態を示すNОx浄化装置の全体構成図である。
【図6】図5のNОx浄化装置で実行されるNОx浄化処理のルーチンを示すフローチャートである。
【図7】第2の実施形態で実行される空気供給制御のルーチンを示すフローチャートである。
【図8】NОx浄化処理の別なルーチンを示すフローチャートである。
【図9】空気供給制御の別なルーチンを示すフローチャートである。
【図10】NОx触媒のアンモニア吸着量とNOx浄化率との関係を示す特性線図である。
【図11】NОx触媒の触媒温度とアンモニア吸着量との関係を示す特性線図である。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 排気系
4 尿素水供給量設定手段
7 空気供給手段
8,80 制御手段
9,90 尿素水供給再開推定手段
10 車速検出手段
12 尿素水供給検出手段
17 NOx触媒
30 還元剤供給手段
31 供給通路
31A 上流の供給通路

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気系に設けられ排気ガス中のNOxを選択還元するNOx触媒と、
    前記NOx触媒上流の前記排気系に連通する供給通路を介して尿素水を供給する還元剤供給手段と、
    前記還元剤供給手段から供給される尿素水の供給部位より上流の前記供給通路に加圧空気を供給する空気供給手段と、
    前記NOx触媒の触媒温度又は触媒温度に相関するパラメータの一つに応じて尿素水の供給量を設定する尿素水供給量設定手段と、
    前記内燃機関が搭載された車両の車速を検出する車速検出手段と、
    前記尿素水供給量設定手段により設定された尿素水の供給状態に応じて前記空気供給手段の停止/作動を制御するとともに、車速検出手段により検出された車速が所定値以上のとき、前記空気供給手段から供給される加圧空気の供給停止を禁止するように前記空気供給手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする内燃機関のNOx浄化装置。
  2. 内燃機関の排気系に設けられ排気ガス中のNOxを選択還元するNOx触媒と、
    前記NOx触媒上流の前記排気系に連通する供給通路を介して尿素水を供給する還元剤供給手段と、
    前記還元剤供給手段から供給される尿素水の供給部位より上流の前記供給通路に加圧空気を供給する空気供給手段と、
    前記NOx触媒の触媒温度又は触媒温度に相関するパラメータの一つに応じて尿素水の供給量を設定する尿素水供給量設定手段と、
    前記尿素水供給量設定手段により設定された尿素水の供給量がゼロに設定された後に尿素水の供給再開時期を推定する尿素水供給再開推定手段と、
    前記尿素水供給量設定手段により設定された尿素水の供給状態に応じて前記空気供給手段の停止/作動を制御するとともに、前記尿素水供給再開推定手段により推定された尿素水再開時期の所定期間前に前記空気供給手段から供給される加圧空気の供給を開始するように前記空気供給手段を制御することを特徴とする内燃機関のNOx浄化装置。
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