JP3970616B2 - 高性能コンクリート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、40N/mm以上の圧縮強度を発現し、かつ収縮(自己収縮および乾燥収縮)が小さく、さらに施工温度や養生温度が異なる場合でも自己収縮応力あるいは自己膨張応力をほぼ同じにすることができる高性能コンクリートに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、土地のより一層の有効利用の観点から、建築物の超高層化ないしは大規模化の傾向は益々顕著になってきている。このような超高層ないしは大規模な建築物を実現するために、従来より、40N/mm2以上の圧縮強度を発現するような高強度コンクリートの開発が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、高強度コンクリートを調製するために、普通ポルトランドセメントを使用して単位セメント量を増大(例えば、400〜500kg/m3)し、減水剤(高性能減水剤や高性能AE減水剤等)を使用して、水/セメント比を減少する(例えば、40重量%以下)ことが行われている。
しかしながら、このようにして調製したコンクリートでは、高強度(40N/mm2以上)を発現させることもできるのではあるが、一方で、セメント量が多く、また、水/セメント比が小さいので、自己収縮が大きくなるという課題がある。このような自己収縮が大きいコンクリートでは、例えば、RC部材に用いたとき、鉄筋の拘束により部材下縁部に大きな引張応力が発生し、力学的に弊害を起こす可能性があることが指摘されている。
また、従来の高強度コンクリートでは、減水剤(高性能減水剤や高性能AE減水剤等)を使用して、水/セメント比を小さくしているのではあるが、それでも単位水量は多くなるので、乾燥収縮も大きいという課題もある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定のセメントに、特定の混和材と乾燥収縮低減剤を特定量添加した高性能コンクリートであれば、40N/mm以上の圧縮強度であっても、収縮(自己収縮および乾燥収縮)を小さくすることができること、施工温度や養生温度が異なる場合でも自己収縮応力あるいは自己膨張応力をほぼ同じにすることができることを見いだし、本発明を完成させたものである。即ち、本発明は、主要鉱物が3CaO・SiO−2CaO・SiO−CaO−間隙物質、3CaO・SiO−CaO−間隙物質、2CaO・SiO−CaO−間隙物質又はCaO−間隙物質であり、かつCaO結晶を50〜92重量%含有するクリンカ組成物と石膏の混合粉砕物、あるいは前記クリンカ組成物と生石灰および石膏との混合粉砕物とからなるブレーン比表面積が 4000 8000cm /g 混和材と、2CaO・SiOを30重量%以上含むセメントと、減水剤と、細骨材と、粗骨材と、乾燥収縮低減剤と、水を含む配合物の硬化体であり、混和材量が5〜 50kg/m 、乾燥収縮低減剤/セメント比が 0.1 2.0 重量%で、圧縮強度が40N/mm以上であることを特徴とする高性能コンクリート(請求項1)である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で使用するセメントは、2CaO・SiO2(以下、ビーライトと称す)を30重量%以上、好ましくは40重量%以上含むセメントである。該セメントとしては、中庸熱ポルトランドセメントや低熱ポルトランドセメントが挙げられる。また、ビーライト量が30重量%以上であれば、前記中庸熱ポルトランドセメントや低熱ポルトランドセメントと、石灰石粉末、高炉スラグ粉末、フライアッシュ、珪石粉末、シリカフュームから選ばれる1種以上の無機粉末を混合したセメントも使用することができる。
ビーライトを30重量%以上含むセメントを使用することにより、ワーカビリティを損なわずに高性能コンクリートの収縮を小さくする効果が得られる。
ビーライト量が30重量%未満のセメントでは、ワーカビリティが低下するうえ、収縮が大きくなるので好ましくない。
【0006】
なお、本発明において、セメントとして、中庸熱ポルトランドセメントや低熱ポルトランドセメントと、石灰石粉末、高炉スラグ粉末、フライアッシュ、珪石粉末、シリカフュームから選ばれる1種以上の無機粉末を混合したセメントを使用する場合は、▲1▼石灰石粉末、高炉スラグ粉末、フライアッシュ又は珪石粉末は、ブレーン比表面積2000〜10000cm2/gのものを使用するのが好ましく、▲2▼シリカフュームは、BET比表面積10〜20m2/gのものを使用するのが好ましい。
【0007】
本発明で使用する混和材は、主要鉱物が3CaO・SiO2−2CaO・SiO2−CaO−間隙物質、3CaO・SiO2−CaO−間隙物質、2CaO・SiO2−CaO−間隙物質又はCaO−間隙物質であり、かつCaO結晶を50〜92重量%含有するクリンカ組成物と石膏の混合粉砕物、あるいは前記クリンカ組成物と生石灰および石膏との混合粉砕物からなるものである。
【0008】
混和材中のクリンカ組成物は、主要鉱物として少なくともCaO結晶と間隙物質を含み、エーライト(3CaO・SiO2)および/またはビーライト(2CaO・SiO2)を含んでも又は含まなくてもよいクリンカ組成物を粉砕したものであって、CaO結晶を50〜92重量%含むものである。主要鉱物として少なくともCaO結晶と間隙物質を含むことにより、ワーカビリティを損なわずに高性能コンクリートの収縮を小さくする効果が得られる。
クリンカ組成物中のCaO結晶が50重量%未満では、高性能コンクリートの収縮を小さくする効果が小さくなり好ましくない。クリンカ粉砕物中のCaO結晶が92重量%を超えると、ワーカビリティが悪くなり好ましくない。
なお、間隙物質はセメントクリンカ鉱物中のエーライトやビーライトの間を埋める鉱物に類するものであり、具体的には、2CaO・Fe2O3等のカルシウムフェライト鉱物、3CaO・Al2O3等のカルシウムアルミネート鉱物、あるいは、6CaO・Al2O3・Fe2O3、4CaO・Al2O3・Fe2O3、6CaO・2Al2O3・Fe2O3等のカルシウムアルミノフェライト鉱物である。
【0009】
クリンカ組成物は、石灰質原料、粘土原料、珪石、スラグ類、石膏などを混合し、この原料混合物をロータリーキルンなどで1300〜1600℃の温度で目標とするクリンカの鉱物が得られるまで充分に焼き締めて焼成することにより製造される。
【0010】
混和材中の石膏の種類は限定するものではなく、無水石膏、半水石膏、二水石膏が使用できるが、好ましくは無水石膏がよい。
混和材中の石膏の量は、▲1▼混和材がクリンカ組成物と石膏との二成分系である場合は、クリンカ組成物100重量部に対して石膏5〜50重量部が適当である。また、▲2▼混和材がクリンカ組成物と生石灰および石膏の三成分系である場合は、クリンカ組成物と生石灰の合計量100重量部に対して石膏5〜50重量部が適当である。
混和材中の石膏の配合量が前記範囲より少ないと、高性能コンクリートの収縮を小さくする効果が小さくなり好ましくない。石膏の配合量が前記範囲より多いと、高性能コンクリートが膨張ひび割れによる強度低下を招く懸念があり好ましくない。
【0011】
本発明においては、混和材に生石灰を配合することによって、高性能コンクリートの自己収縮をより小さくすることができる。
生石灰の種類は限定するものではなく、軟焼生石灰、中焼生石灰、硬焼生石灰、極硬焼生石灰等の生石灰が使用できるが、ワーカビリティから、日本石灰協会の4N−塩酸による粗粒滴定試験法による粗粒滴定試験値が650ml以下の生石灰を使用することが好ましく、400ml以下の生石灰を使用することがより好ましい。
【0012】
混和材中の生石灰の配合量は、クリンカ組成物100重量部に対して400重量部未満、すなわちクリンカ組成物と生石灰の合計量において生石灰80重量%未満が適当である。混和材中の生石灰の配合量が前記範囲より多いと、ワーカビリティが悪くなり好ましくない。
【0013】
混和材は、上記クリンカ組成物および石膏の混合粉砕物、あるいは上記クリンカ組成物、生石灰および石膏との混合粉砕物からなるものであるが、これらは個別に粉砕した後に混合したものでもよく、混合した後に粉砕したものでもよい。また、個別に粉砕したものを、高性能コンクリートの混練時に他の材料とともにミキサに投入してもよい。粉砕には、ボールミル、ロールミル等の粉砕機を用いることができる。混和材の粉末度は、ブレーン比表面積で4000 8000cm /g が好ましい。混和材のブレーン比表面積が 4000cm /g未満では、高性能コンクリートの収縮を小さくする効果が小さくなり好ましくない。
【0014】
乾燥収縮低減剤は、水に溶解してその表面張力を低下する作用を持つものである。乾燥収縮低減剤を添加することにより、高性能コンクリートの自己収縮をより小さくすることができるとともに、乾燥収縮も小さくする効果が得られる。
本発明において乾燥収縮低減剤は、化学式;RO(AO)nHで示される低級アルコールのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。ここで、式中のRは、炭素数4〜6のアルキル基である。このような基としては、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、tert−ペンチル基等が挙げられる。また、式中のAは、炭素数2〜3のアルキレン基であり、エチレン基及び/又はプロピレン基が挙げられる。さらに、式中のnは、1〜10の整数である。
RO(AO)nHで示される低級アルコールのアルキレンオキサイド付加物の中でも好ましいものは、n−ブチルアルコールのプロピレンオキサイド(付加モル数2)/エチレンオキサイド(付加モル数3)付加物であり、市販品としては、太平洋セメント株式会社製「AS21」が挙げられる。
なお、乾燥収縮低減剤は、混練水の一部と置換えて使用することが好ましい。
【0015】
本発明で使用するセメント、混和材、乾燥収縮低減剤以外の材料を説明する。
細骨材としては、川砂、陸砂、海砂、砕砂又はこれらの混合物を使用することができる。
粗骨材としては、川砂利、山砂利、海砂利、砕石又はこれらの混合物を使用することができる。
減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することができる。本発明では、減水効果の大きい高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することが好ましい。
水は、水道水等を使用することができる。
なお、本発明においては、必要に応じて、支障のない範囲内で、空気連行剤、消泡剤、増粘剤等を使用することは差し支えない。
【0016】
本発明の高性能コンクリートにおいては、単位セメント量は350〜700kg/m、混和材量が〜50kg/m、(水+乾燥収縮低減剤)/セメント比が25〜50重量%、乾燥収縮低減剤/セメント比が0.1〜2.0重量%、減水剤(固形分換算)/セメント比が0.1〜2.0重量%であることが好ましい。前記条件の高性能コンクリートであれば、40N/mm以上の圧縮強度を発現させることができ、自己収縮と乾燥収縮を小さくすることもできる。セメント量が350kg/m未満では、40N/mm以上の圧縮強度を発現させることが困難になり好ましくない。セメント量が700kg/mを超えると、自己収縮を小さくすることが困難になり好ましくない。混和材量がkg/m未満では、自己収縮を小さくすることが困難となるうえ、施工温度や養生温度が異なる場合に自己収縮応力あるいは自己膨張応力をほぼ同じにすることも困難となるので好ましくない。混和材量が50kg/mを超えると、ワーカビリティが悪くなるうえ、コストも高くなるので好ましくない。(水+乾燥収縮低減剤)/セメント比が25重量%未満では、ワーカビリティが悪くなるので好ましくない。(水+乾燥収縮低減剤)/セメント比が50重量%を超えると、40N/mm以上の圧縮強度を発現させることが困難になり、また、乾燥収縮も大きくなるので好ましくない。乾燥収縮低減剤/セメント比が0.1重量%未満では、収縮を小さくする効果が小さくなるうえ、施工温度や養生温度が異なる場合に自己収縮応力あるいは自己膨張応力をほぼ同じにすることも困難となるので好ましくない。乾燥収縮低減剤/セメント比が2.0重量%を超えると、凝結遅延が生じ、またコストも高くなるので好ましくない。減水剤(固形分換算)/セメント比が0.1重量%未満では、ワーカビリティが悪くなるので好ましくない。減水剤(固形分換算)/セメント比が2.0重量%を超えても、ワーカビリティはそれほど向上せず、コストが高くなるので好ましくない。なお、細骨材率は、35〜50%にすればよい。
【0017】
本発明においては、配合物の作業性、施工の省力化、施工欠陥の解消等の観点から、配合物のスランプフロー値は40〜80cmが好ましく、50〜70cmがより好ましい。この場合、単位セメント量は400〜700kg/m、混和材量は〜50kg/m、(水+乾燥収縮低減剤)/セメント比が25〜40重量%、乾燥収縮低減剤/セメント比が0.1〜2.0重量%、減水剤(固形分換算)/セメント比は0.3〜2.0重量%、単位粗骨材絶対容積は0.27〜0.36m/mとすることが好ましい。
【0018】
なお、本発明においては、混和材量を5〜50kg/m3にすることが好ましく、10〜50kg/m3にすることがより好ましい。また、乾燥収縮低減剤/セメント比を0.1〜2.0重量%にすることが好ましい。混和材量および乾燥収縮低減剤/セメント比を前記範囲にすることにより、施工温度や養生温度が異なる場合でも、高性能コンクリートの自己収縮応力あるいは自己膨張応力をほぼ同じにすることができる。
【0019】
本発明の高性能コンクリートの混練方法や混練装置は、特に限定するものではなく、慣用の方法で、慣用のミキサで混練すれば良い。
また、養生方法も特に限定するものではなく、気中養生、水中養生、蒸気養生などを行えば良い。
【0020】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
1.使用材料
以下に示す材料を使用した。
1)セメント
セメントとして、▲1▼太平洋セメント(株)製低熱ポルトランドセメント(ビーライト量50重量%、以下低熱ポセと略す)と、▲2▼前記低熱ポルトランドセメントとブレーン比表面積5000cm2/gの石灰石粉末を混合したセメント、を使用した。
【0021】
2)混和材
▲1▼クリンカ組成物の調製
石灰石、珪石、粘土、鉄原料および無水石膏を表1に示す鉱物組成となるように混合し、該混合物をロータリーキルンで焼成温度1300〜1600℃、滞留時間60〜120分で焼き締めてクリンカを製造し、これをブレーン比表面積5000cm2/gに粉砕した。
【0022】
【表1】
Figure 0003970616
【0023】
▲2▼混和材の調製
上記クリンカ組成物100重量部と、無水石膏(ブレーン比表面積6500cm2/g)10重量部を混合し、混和材を調製した。
【0024】
セメント、混和材以外の材料として、以下に示す材料を使用した。
3)高性能AE減水剤;レオビルドSP-8S((株)エヌエムビー製)
4)細骨材;静岡県産陸砂(表乾比重:2.60)
5)粗骨材;茨城県産砕石(表乾比重:2.64)
6)乾燥収縮低減剤;太平洋セメント株式会社製「AS21」
7)水;水道水
【0025】
2.コンクリートの配合及び混練
前記材料を使用し、表2に示す配合にしたがってコンクリートを調製した。混練は、2軸強制練りミキサ(0.06m3)を用いて、180秒間混練した。
【0026】
【表2】
Figure 0003970616
【0027】
3.1 評価1
1)スランプ又はスランプフロー
実施例1のコンクリートの20℃及び35℃における混練直後のスランプを、「JIS A 1101(コンクリートのスランプ試験方法)」に準じて測定した。
また、実施例2〜5および比較例1〜4の各コンクリートの20℃及び35℃における混練直後のスランプフローを、「JIS A 1101(コンクリートのスランプ試験方法)」に準じてスランプコーンを引き上げた後、拡がったコンクリートの最大直径の長さとその直角方向の長さを測定して、平均値を算出し、スランプフロー値を求めた。
2)圧縮強度および作業性
各コンクリートを、20℃及び35℃でφ10×20cmの型枠を用いて成形した。成形時に、各コンクリートの作業性を「◎:非常に良好」、「○:良好」で評価した。
成形後、20℃で1日間型枠内で養生し、脱型した。その後、20℃で材令28日まで水中養生し、「JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)」に準じて圧縮強度を測定した。
その結果を表3に示す。
【0028】
【表3】
Figure 0003970616
【0029】
3.2 評価2
3)自己収縮
各コンクリートの自己収縮を、(社)日本コンクリート工学協会「セメントペースト、モルタルおよびコンクリートの自己収縮および自己膨張試験方法(案)」に準じて測定した(材令28日)。なお、測定は凝結の始発時間を基長とした。
4)乾燥収縮
各コンクリートの乾燥収縮を「JIS A 1129(モルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法)」に準じて測定した(材令28日)。乾燥開始材令および基長は材令1日とした。なお、凝結の始発時間から材令1日までのいわゆる自己収縮量は、上記3)に準じて測定した。
その結果を表4に示す。
【0030】
【表4】
Figure 0003970616
【0031】
3.3 評価3
5)自己膨張・自己収縮応力
実施例1、4、5および比較例4のコンクリートの20℃及び35℃における材令7日の自己収縮応力あるいは自己膨張応力を、「JIS A 6202(コンクリート用膨張材) 参考1(膨張コンクリートの拘束膨張及び収縮試験方法)」に準じて測定した。
その結果を表5に示す。
【0032】
【表5】
Figure 0003970616
【0033】
表3および表4から明らかなように、本発明で規定する高性能コンクリートでは、ワーカビリティが良好なうえ、40N/mm2以上の圧縮強度であっても、収縮(自己収縮および乾燥収縮)が小さかった。
また、表5から、本発明の高性能コンクリートでは、施工温度や養生温度が異なる場合でも自己収縮応力あるいは自己膨張応力がほぼ同じであることが分かる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の高性能コンクリートは、ワーカビリティが良好なうえ、40N/mm2以上の圧縮強度を発現し、かつ収縮(自己収縮および乾燥収縮)が小さいものである。従って、本発明の高性能コンクリートを用いて、例えば、RC部材を製造した場合でも、力学的な弊害が生じる可能性は極めて少ない。
また、本発明の高性能コンクリートにおいては、混和材と乾燥収縮低減剤の添加量を特定の範囲とすることにより、施工温度や養生温度が異なる場合でも自己収縮応力あるいは自己膨張応力をほぼ同じにすることができる。従って、本発明の高性能コンクリートでは、施工温度や養生温度に応じて、配合等を変える必要はない。

Claims (2)

  1. 主要鉱物が3CaO・SiO−2CaO・SiO−CaO−間隙物質、3CaO・SiO−CaO−間隙物質、2CaO・SiO−CaO−間隙物質又はCaO−間隙物質であり、かつCaO結晶を50〜92重量%含有するクリンカ組成物と石膏の混合粉砕物、あるいは前記クリンカ組成物と生石灰および石膏との混合粉砕物とからなるブレーン比表面積が 4000 8000cm /g 混和材と、2CaO・SiOを30重量%以上含むセメントと、減水剤と、細骨材と、粗骨材と、乾燥収縮低減剤と、水を含む配合物の硬化体であり、混和材量が5〜 50kg/m 、乾燥収縮低減剤/セメント比が 0.1 2.0 重量%で、圧縮強度が40N/mm以上であることを特徴とする高性能コンクリート。
  2. 配合物のスランプフロー値が、40〜80cmである請求項1記載の高性能コンクリート。
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