JP3957726B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents
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[1]本発明の使い捨ておむつの構成:
本発明の使い捨ておむつは、図1〜図3に示す使い捨ておむつ1のように、吸収体22と、吸収体22の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシート18と、吸収体22の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシート20とを備え、前身頃2、股下部4及び後身頃6から構成された使い捨ておむつ1であり、トップシート18の上部に配置されるスキンコンタクトシート(SCS)24を更に備えたものである。そして、スキンコンタクトシート24は、図2及び図4に示すように、股下部4に相当する部分に、尿を通過させ得る尿通過用開口部26a及び便を通過させ得る便通過用開口部26bを有する。スキンコンタクトシート24は、2つの開口部26(26a,26b)に挟まれた幅方向に伸びる帯状の領域(開口部間領域)29を開口部間の長さ(距離)の半分の長さだけ前後に延長した領域(スキンコンタクトシート中央領域(SCS中央領域))30、前記SCS中央領域より腹側に位置するスキンコンタクトシート腹側領域(SCS腹側領域)、及び背側に位置するスキンコンタクトシート背側領域(SCS背側領域)から構成され、前記SCS中央領域における幅方向の伸縮力が、前記SCS腹側領域及び前記SCS背側領域のそれぞれにおける幅方向の伸縮力より大きいものである。ここで、スキンコンタクトシートの股下部に相当する部分は、尿が体を伝って便通過用開口部や背側に流れないようにするために、体に密着することが好ましい。そのために、2つの開口部間を体に密着させる方法として、使い捨ておむつを着用者が装着したときに、開口部間が吊り上がるように力を与える方法が考えられる。それは、開口部間の左右または前後または両方から幅方向に張力すなわち伸縮力を与えることで達成できる。そのため、開口部間に与えられる張力を測定する場合、2つの開口部26(26a,26b)に挟まれた幅方向に伸びる帯状の領域(開口部間領域)29を開口部間の長さ(距離)29aの半分の長さだけ前後に延長した領域(SCS中央領域)30を定義し、そのSCS中央領域における幅方向の伸縮力を測定することとした。開口部間領域29を前後に延長した領域とは、開口部間領域29の幅方向長さを一定にして、前身頃方向(おむつの前側方向)と後身頃方向(おむつの前側方向)とに、それぞれ所定の長さだけ長手方向長さを伸ばして形成される領域をいう。SCS中央領域30の長手方向長さL1は開口部間の距離29aの2倍となり、SCS中央領域30の長手方向の中央部と開口部間領域29の長手方向の中央部は一致する。また、2つの開口部26は、スキンコンタクトシート24の長手方向に並ぶように形成され、尿通過用開口部26aは、着用者におむつを装着した際に、着用者の腹側(前側)に位置する開口部であり、便通過用開口部26bは、着用者の背側(後側)に位置する開口部である。また、長手方向とは、使い捨ておむつを着用者に装着したときの前後方向であり、幅方向とは、使い捨ておむつを着用者に装着したときの左右方向である。
スキンコンタクトシートは、着用者の肌とトップシートとを離隔するための部材であり、トップシートの上部に配置される。このスキンコンタクトシートを備えることによって、着用者の肌には、まずスキンコンタクトシートが接触するため、スキンコンタクトシートの下部に配置されるトップシートは着用者の肌と直接接触し難くなる。即ち、着用者の肌とトップシートとが離隔されることになる。また、トップシートと着用者の肌との間にスキンコンタクトシートという遮蔽層が介在していることにもなる。従って、たとえトップシート上に便が残存していたとしても、その便と着用者の肌とが直接接触する機会を大幅に減少させる効果を奏する。
吸収体は、着用者の尿を吸収し、保持するための部材である。吸収体は、着用者の尿や体液を吸収し保持する必要から、吸収性材料によって構成される。
トップシートは、吸収体の上面(おむつの装着時において着用者の肌側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。トップシートは、その下面側に配置された吸収体に、着用者の尿を吸収させる必要から、その少なくとも一部(全部ないし一部)が液透過性材料により構成される。
バックシートは、吸収体の下面(おむつの装着時において着用者の着衣側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。バックシートは、着用者の尿がおむつ外部に漏洩してしまうことを防止する必要から、液不透過性材料によって構成される。
2ピースタイプのパンツ型おむつにおいては、トップシート、バックシート及び吸収体を、吸収・保持機能を担う「吸収性本体」という一つの部材として構成し、これとは別個に製造された外装部材と接合することにより使い捨ておむつを構成する。この吸収性本体は、生理用ナプキン等と同様に、吸収体の上面側にトップシート、下面側にバックシートが配置されたものであり、トップシートとバックシートとの間に吸収体が介装された構造となっている。例えば、図1〜図3に示す使い捨ておむつ1は、トップシート18とバックシート20の間に吸収体22を挟みこみ、吸収体22の周縁部を封着することによって、トップシート18とバックシート20との間に吸収体22が介装された構造の吸収性本体14を構成した例である。
外装部材は、着用者の身体を被包するための装着機能を担う部材であり、具体的には、前身頃、股下部及び後身頃の各部を形成するシート状の部材である。
パンツ型の使い捨ておむつにおいては、脚周り伸縮材を配置し、ウエスト周り伸縮材を配置することが一般的であり、更に腹周り伸縮材を配置することが好ましい。
着用者の***した尿の横漏れを防止するため、立体ギャザーを有してもよい。立体ギャザーは、着用者の***した尿の横漏れを防止するための部材であり、立体的に起立可能なように構成された防漏壁である。立体ギャザーを形成することにより、スキンコンタクトシートの上に尿が***され、スキンコンタクトシートを伝って尿が拡散してしまった場合でも、立体ギャザーが防波堤となり、おむつの脚周り開口部等からの漏れ(いわゆる「横漏れ」)を有効に防止することができる。
以下、本発明の使い捨ておむつを製造する方法の一例を、図1〜図3に示す使い捨ておむつ1(2ピースタイプのパンツ型おむつ)を製造する場合の例により説明する。
バックシート20の上面に、親水性シートに包まれた吸収体22を配置し、更にその上面にトップシート18を配置する。次いで、吸収体22の周縁部をトップシート18とバックシート20とで挟み込むように封着することによって吸収性本体14を得る。
ライナーシート24bの上面に、2本の開口部伸縮材28a,28bを所定のパターンに配置しつつ、アッパーシート24aを貼り合わせる。このアッパーシート24aは、ライナーシート24bの中央部のみを被覆し、ライナーシート24bの両側縁部が露出する大きさに構成されている。また、図4に示すように、2本の開口部伸縮材28a,28bは、後に形成される尿通過用開口部26a及び便通過用開口部26bの間の点で交差し、尿通過用開口部26a及び便通過用開口部26bの周縁の一部を取り囲むようなパターンに配置する。
吸収性本体14を構成するトップシート18の表面に、スキンコンタクトシート24を貼り合わせる。
まず、外装部材16となる不織布を2枚用意し、このうちの1枚の不織布の上面に、ウエスト周り伸縮材42、腹周り伸縮材44及び脚周り伸縮材40を配置し接着固定する。そして、この上面に、更にもう1枚の不織布を積層し固定することにより、2枚の不織布の間に、ウエスト周り伸縮材42、腹周り伸縮材44及び脚周り伸縮材40が介装された、外装部材16を得る。
外装部材16の股下部近傍に、吸収性本体14を配置し固定する。次いで、吸収性本体14を内側にして、前身頃2と後身頃6とを合わせるように二つ折りにし、前身頃2と後身頃6とをヒートシール等の手段により接合し、接合部8を形成することによって、図1〜図3に示す使い捨ておむつ1を製造することができる。
本発明の使い捨ておむつの適用対象は、前記2ピースタイプのパンツ型おむつに限られるものではなく、例えば、1ピースタイプのパンツ型おむつやテープ型おむつにも適用することができる。即ち、これらの使い捨ておむつにおいても、トップシートの表面よりも上部に、2つの開口部が形成され所定の開口部伸縮材が配設されたスキンコンタクトシートを配置することにより、本発明の使い捨ておむつの効果を享受することができる。
次に本発明の第2の態様の実施形態について、第1の態様の説明と同様に、図1〜図7を使用して説明する。
本発明の使い捨ておむつは、上記第1の発明と同様に、図1〜図3に示す使い捨ておむつ1のように、吸収体22と、吸収体22の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシート18と、吸収体22の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシート20とを備え、前身頃2、股下部4及び後身頃6から構成された使い捨ておむつ1であり、トップシート18の上部に配置されるスキンコンタクトシート(SCS)24を更に備えたものである。そして、スキンコンタクトシート24は、図2及び図4に示すように、股下部4に相当する部分に、尿を通過させ得る尿通過用開口部26a及び便を通過させ得る便通過用開口部26bを有する。スキンコンタクトシート24は、2つの開口部26(26a,26b)に挟まれた幅方向に伸びる帯状の領域(開口部間領域)29を開口部間の長さ(距離)29aの半分の長さだけ前後に延長した領域(SCS中央領域)30、SCS中央領域30より腹側に位置するSCS腹側領域32、及び背側に位置するSCS背側領域34から構成される。そして、スキンコンタクトシート24には、伸縮弾性材(開口部伸縮材)28が配設され、第2の態様においては、その伸縮弾性材28の、SCS中央領域30における幅方向成分(長さ)の合計をSCS中央領域30の長手方向長さL1で除した値が、SCS腹側領域32における幅方向成分(長さ)の合計をSCS腹側領域32の長手方向長さL2で除した値より大きく、かつ、SCS背側領域34における幅方向成分(長さ)の合計をSCS背側領域の長手方向長さL3で除した値より大きいものである。ここで、2つの開口部26は、スキンコンタクトシート24の長手方向に並ぶように形成され、尿通過用開口部26aは、着用者におむつを装着した際に、着用者の腹側(前側)に位置する開口部であり、便通過用開口部26bは、着用者の背側(後側)に位置する開口部である。
第2の態様においては、図4に示すように、2本の開口部伸縮材28a、28bをSCS中央領域30で、すなわち、2つの開口部26a、26bの間において交点P1で交差させることにより、SCS中央領域30の幅方向成分を大きくしている。開口部伸縮材28aの、SCS中央領域30における幅方向成分(長さ)H1は、SCS中央領域30とSCS背側領域34との境界線と、開口部伸縮材28aとの交点P2から、SCS中央領域30とSCS腹側領域32との境界線と、開口部伸縮材28aとの交点P3までの、幅方向における距離である。そして、開口部伸縮材28bの、SCS中央領域30における幅方向成分(長さ)についても同様に、開口部伸縮材28bと上記2つの境界線との交点間の幅方向における距離である。従って、2本の開口部伸縮材28a、28bの、SCS中央領域30における幅方向成分(長さ)の合計というときは、上記開口部伸縮材28aのSCS中央領域30における幅方向成分(長さ)H1と、上記開口部伸縮材28bのSCS中央領域30における幅方向成分(長さ)との合計の長さ(中央領域幅合計)をいう。
Claims (4)
- 吸収体と、前記吸収体の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートとを備え、前身頃、股下部及び後身頃から構成された使い捨ておむつであって、
前記トップシートの上部に配置されるスキンコンタクトシート(SCS)を更に備え、
前記スキンコンタクトシートが、前記股下部に相当する部分に、便を通過させ得る便通過用開口部及び尿を通過させ得る尿通過用開口部を有するとともに、
前記2つの開口部に挟まれた幅方向に伸びる帯状の領域(開口部間領域)を開口部間の長さの半分の長さだけ前後に延長した領域(SCS中央領域)、前記SCS中央領域より腹側に位置するSCS腹側領域及び背側に位置するSCS背側領域から構成され、
前記SCS中央領域における幅方向の伸縮力が、前記SCS腹側領域及び前記SCS背側領域のそれぞれにおける幅方向の伸縮力より大きい使い捨ておむつ。 - 前記SCS中央領域における幅方向の伸縮力が、前記SCS腹側領域及び前記SCS背側領域のそれぞれにおける幅方向の伸縮力の1.1〜5倍である請求項1に記載の使い捨ておむつ。
- 吸収体と、前記吸収体の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートとを備え、前身頃、股下部及び後身頃から構成された使い捨ておむつであって、
前記トップシートの上部に配置されるスキンコンタクトシート(SCS)を更に備え、
前記スキンコンタクトシートが、前記股下部に相当する部分に、便を通過させ得る便通過用開口部及び尿を通過させ得る尿通過用開口部を有するとともに、
前記2つの開口部に挟まれた幅方向に伸びる帯状の領域(開口部間領域)を開口部間の長さの半分の長さだけ前後に延長した領域(SCS中央領域)、前記SCS中央領域より腹側に位置するSCS腹側領域及び背側に位置するSCS背側領域から構成され、
前記スキンコンタクトシートに、伸縮弾性材が配設され、
前記伸縮弾性材の、前記SCS中央領域における幅方向成分(長さ)の合計をSCS中央領域の長手方向長さで除した値が、前記SCS腹側領域における幅方向成分(長さ)の合計をSCS腹側領域の長手方向長さで除した値より大きく、かつ、前記SCS背側領域における幅方向成分(長さ)の合計をSCS背側領域の長手方向長さで除した値より大きい使い捨ておむつ。 - 前記スキンコンタクトシートが、前記SCS中央領域において交差するとともに、前記SCS腹側領域及び前記SCS背側領域のそれぞれにおいて前記開口部を挟んで長手方向に伸びる伸縮弾性材を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
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