JP4990080B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents
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Description
まず、本発明の使い捨ておむつの第一の実施形態について説明する。図1〜図5に示すように、第一の実施形態の使い捨ておむつ1は、吸収体22と、吸収体22の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシート18と、吸収体22の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシート20とを備え、トップシート18の上方に配置され、便を通過させ得る便通過用開口部54が形成されたスキンコンタクトシート50を更に備えた使い捨ておむつである。
スキンコンタクトシートは、着用者の肌とトップシートとを離隔するための部材であり、トップシートの上方に配置され、便を通過させ得る便通過用開口部が形成されたシート状部材である。このスキンコンタクトシートを備えることによって、着用者の肌には、まずスキンコンタクトシートが接触するため、スキンコンタクトシートの下方に配置されるトップシートは着用者の肌と直接接触し難くなる。即ち、着用者の肌とトップシートとが離隔されることになる。また、トップシートと着用者の肌との間にスキンコンタクトシートという遮蔽層が介在していることにもなる。従って、たとえトップシート上に便が残存していたとしても、その便と着用者の肌とが直接接触する機会を大幅に減少させる効果を奏する。
第一の実施形態の使い捨ておむつにおいては、上記したアッパーシートとして、基材に複数の開孔が形成された多孔シートが用いられ、また、第二の実施形態の使い捨ておむつにおいては、基材の表面に凹凸による複数の窪み部が形成された凹凸シートが用いられている。
ライナーシートは、アッパーシートの下面に配置されるシート材であり、本発明の使い捨ておむつのスキンコンタクトシートは、アッパーシートとライナーシートとが積層された積層構造を有している。このように構成することによって、2枚のシート材(アッパーシートとライナーシート)の層間に、後述する開口部伸縮材を配置することが可能となり、必要最小限の伸縮材によりスキンコンタクトシートに伸縮力を付与することができるという効果を奏するため好ましい。
スキンコンタクトシートを構成するシート材には、着用者の***した便を通過させ得る便通過用開口部が形成されている必要がある。このような構造とすることによって、着用者の***した便がスキンコンタクトシートを通過してトップシート上に落下することになり、便と着用者の肌とが直接接触する機会を大幅に減少させることが可能となる。
吸収体は、着用者の尿を吸収し、保持するための部材である。吸収体は、着用者の尿や体液を吸収し保持する必要から、吸収性材料によって構成される。
トップシートは、吸収体の上面(おむつの装着時において着用者の肌側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。トップシートは、その下面側に配置された吸収体に、着用者の尿を吸収させる必要から、その少なくとも一部(全部ないし一部)が液透過性材料により構成される。
バックシートは、吸収体の下面(おむつの装着時において着用者の着衣側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。バックシートは、着用者の尿がおむつ外部に漏洩してしまうことを防止する必要から、液不透過性材料によって構成される。
2ピースタイプのパンツ型おむつにおいては、トップシート、バックシート及び吸収体を、吸収・保持機能を担う「吸収性本体」という一つの部材として構成し、これとは別個に製造された外装部材と接合することにより使い捨ておむつを構成する。この吸収性本体は、生理用ナプキン等と同様に、吸収体の上面側にトップシート、下面側にバックシートが配置されたものであり、トップシートとバックシートとの間に吸収体が介装された構造となっている。本発明の使い捨ておむつは、例えば、図3に示す使い捨ておむつ1の吸収性本体14のように、トップシート18とバックシート20の間に吸収体22を挟み込み、吸収体22の周縁部を封着することによって、トップシート18とバックシート20との間に吸収体22が介装された構造の吸収性本体を備えたものである。
外装部材は、着用者の身体を被包するための装着機能を担う部材であり、具体的には、前身頃、股下部及び後身頃の各部を形成するシート状の部材である。
立体ギャザーは、着用者の***した尿の横漏れを防止するための部材であり、立体的に起立可能なように構成された防漏壁である。この立体ギャザーを形成することにより、スキンコンタクトシートの上に尿が***され、スキンコンタクトシートを伝って尿が拡散してしまった場合でも、立体ギャザーが防波堤となり、おむつの脚周り開口部等からの漏れ(いわゆる「横漏れ」)を有効に防止することができる。
パンツ型の使い捨ておむつにおいては、脚周り伸縮材を配置し、ウエスト周り伸縮材を配置することが一般的であり、更に腹周り伸縮材を配置することが好ましい。
以下、本発明の使い捨ておむつを製造する方法の一例を、図1〜図5に示す使い捨ておむつ1(2ピースタイプのパンツ型おむつ)を製造する場合の例により説明する。
バックシート20の上面に、親水性シートに包まれた吸収体22を配置し、更にその上面にトップシート18を配置する。次いで、吸収体22の周縁部をトップシート18とバックシート20とで挟み込むように封着することによって吸収性本体14を得る。
シート材32a(32b)の一方の端部を折り返し、その折り返し部分に、2本の立体ギャザー伸縮材36a、36b(36c,36d)を挟み込んだ状態で貼り合わせることによって、立体ギャザー26a(26b)を得る。
ライナーシート50bの上面に、2本の開口部伸縮材30a,30bを所定のパターンに配置しつつ、アッパーシート50aを貼り合わせる。この際、2本の開口部伸縮材30a,30bは、後に形成される便通過用開口部54及び尿通過用開口部56の間の点Pで交差し、便通過用開口部54と尿通過用開口部56の周縁の一部を取り囲むようなパターンに配置する。
吸収性本体14を構成するトップシート18の表面に、スキンコンタクトシート50を貼り合わせた後、吸収性本体14とスキンコンタクトシート50の側縁を挟み込むように、立体ギャザー26a,26bを貼り合わせる。
まず、外装部材16となる不織布を2枚用意し、このうちの1枚の不織布の上面に、ウエスト周り伸縮材42、腹周り伸縮材44及び脚周り伸縮材40を配置し接着固定する。そして、この上面に、更にもう1枚の不織布を積層し固定することにより、2枚の不織布の間に、ウエスト周り伸縮材42、腹周り伸縮材44及び脚周り伸縮材40が介装された外装部材16を得る。
外装部材16の股下部近傍に、吸収性本体14を配置し固定する。次いで、吸収性本体14を内側にして、前身頃2と後身頃6とを合わせるように二つ折りにし、前身頃2と後身頃6とをヒートシール等の手段により接合し、接合部8を形成することによって、図1に示す使い捨ておむつ1を製造することができる。
本発明の使い捨ておむつの適用対象は、前記2ピースタイプのパンツ型おむつに限られるものではなく、例えば、1ピースタイプのパンツ型おむつやテープ型おむつにも適用することができる。即ち、特定の形状の開孔又は窪み部が形成されたアッパーシートを用いたスキンコンタクトシートを備えているかぎり、本発明の使い捨ておむつの効果を享受することができる。
Claims (6)
- 吸収体と、前記吸収体の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートとを備え、
前記トップシートの上方に配置され、便を通過させ得る便通過用開口部が形成されたスキンコンタクトシートを更に備え、
前記スキンコンタクトシートは、着用者側に配置されたアッパーシートと、前記アッパーシートの下面に配置されたライナーシートとが積層された積層構造を有し、
前記アッパーシートは、基材である液不透過性シート又は撥水性シートに複数の開孔が形成された多孔シートに前記便通過用開口部が形成されたものであり、且つ前記ライナーシートは、熱可塑性樹脂からなる不織布に親水化処理を施したシートに前記便通過用開口部が形成されたものであり、
複数の前記開孔は、前記多孔シートの上面側における面積が下面側における面積より大であり、且つ前記多孔シートの上面側から下面側に向けて、それぞれの前記開孔の面積が漸減するように形成されたものであり、
前記多孔シートの上面側における前記開孔の総面積が、前記多孔シートの総面積に対して、30〜70%の範囲内であり、且つ前記多孔シートの上面側における前記開孔の面積が、前記多孔シートの下面側における前記開孔の面積の、1.5〜5倍である使い捨ておむつ。 - 前記多孔シートは、前記基材の前記開孔が形成された周縁部分が、前記基材の下面側に向けて、それぞれの前記開孔の面積が漸減するように突出して形成されたものである請求項1に記載の使い捨ておむつ。
- 吸収体と、前記吸収体の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートとを備え、
前記トップシートの上方に配置され、便を通過させ得る便通過用開口部が形成されたスキンコンタクトシートを更に備え、
前記スキンコンタクトシートは、着用者側に配置されたアッパーシートと、前記アッパーシートの下面に配置されたライナーシートとが積層された積層構造を有し、
前記アッパーシートは、基材の表面に凹凸による複数の窪み部が形成された凹凸シートに前記便通過用開口部が形成されたものであり、且つ前記ライナーシートは、熱可塑性樹脂からなる不織布に親水化処理を施したシートに前記便通過用開口部が形成されたものであり、
前記窪み部は、前記凹凸シートの上面側から下面側に向けて、前記窪み部の総面積が漸減するように構成されており、
前記凹凸シートの上面側における前記窪み部の総面積が、前記凹凸シートの総面積に対して、30〜70%の範囲内であり、前記凹凸シートの上面側における前記窪み部の総面積が、前記窪み部の深さの中間位置における前記窪み部の総面積の1.2〜4倍の範囲内である使い捨ておむつ。 - 前記凹凸シートが、熱可塑性樹脂からなる不織布に前記窪み部が形成されたものである請求項3に記載の使い捨ておむつ。
- 前記スキンコンタクトシートを構成する前記アッパーシートと前記ライナーシートとの間には、前記便通過用開口部の外縁に沿って配置された、少なくとも一対の開口部伸縮材が付設されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
- 前記スキンコンタクトシートの両側に、立体的に起立可能な防漏壁である立体ギャザーが少なくとも一対形成されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
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