JP3953645B2 - 光学ヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクなどの情報記録媒体に光学的に情報を記録、再生、または消去を行う光学ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、プッシュプル信号によってトラッキングエラー信号を生成する方式の光学ヘッドは、簡単な構成の光学系で実現できるという利点から広く採用されているが、トラッキング方向の対物レンズ移動に伴い、トラッキングエラー信号にオフセットが生じるという欠点がある。この欠点を補う技術が、特開平8−306057および特願平7−280372に開示されている。
【0003】
以下図面を参照しながら、従来の技術について説明する。図18に第1の従来の技術である特開平8−306057の光学ヘッドの構成を示す。図18において、74は光学ヘッドの光軸、75は光源、76、77はハーフミラー、78は対物レンズ、79は対物レンズをXおよびY方向に移動させるアクチュエータ、80は情報記録媒体である光ディスク、81は6分割受光素子(図中では、光軸74との位置関係を示す図と検出状態を示す図とを並記している)、81a〜81cは6分割受光素子81の分割線、82a〜82fは分割された各受光領域、83は演算回路である差動アンプ、84は6分割受光素子81上の光束、88はフォーカス制御部、89はトラッキング制御部である。
【0004】
次に、以上のように構成された光学ヘッドの動作を説明する。光源75より発せられた光は、ハーフミラー76で反射後、対物レンズ78により光ディスク80の情報記録面に集光され、光スポットを形成する。光ディスク80上には情報トラックが形成されており、この情報トラックの方向は、図18では紙面に垂直方向である。光ディスク80からの反射光は、対物レンズ78およびハーフミラー76を透過後、ハーフミラー77で2つの光束に分離される。ハーフミラー77で反射した光束は、フォーカス制御部88に入射し、透過した光束は、6分割受光素子81に入射する。
【0005】
図中の結線による加算と、差動アンプ83による差動演算で、トラッキングエラー信号が生成され、トラッキング制御部89に導かれる。フォーカス制御部88は、フォーカスエラー信号を検出し、光ディスクの情報記録面に集光すべくアクチュエータ79を制御する。トラッキング制御部89は、検出されたトラッキングエラー信号により、情報トラックの中心に光スポット導くようにアクチュエータ79を制御し、対物レンズ78を光学ヘッドの光軸74を基準としてX方向の+および−の向きに移動させる。
【0006】
図19(a)に、対物レンズ78が基準位置にある場合、図19(b)に、対物レンズが、X方向の+向きに移動した場合について、各々6分割受光素子81上の光束84の位置を示す。光束84の2つの斜線部は、光ディスク80で回折された0次の回折光束と+1次および−1次回折光束とが干渉する領域を示す。
【0007】
図19(a)において、光束84は分割線81aに関して対称に位置するため、差動アンプ83の出力信号はオフセットのないトラッキングエラー信号となる。一方、図19(b)では、光束84が右方向に移動しているため分割線81aに関する対称性は崩れ、各領域に含まれる光束の面積は、領域82b、82dおよび82fが増え、領域82a、82cおよび82eが減る。各受光領域で検出された信号を各領域名で表し、トラッキングエラー信号をTEとすると差動アンプ83による演算は、
【0008】
【数3】
TE=82a+82e+82d−k*(82b+82f+82c)
である。ここで、kは補正係数である。プッシュプル信号成分は、斜線部の干渉領域を主に含む領域82cおよび82dに現れ、他の領域には主に光束の移動によるオフセット成分が現れている。従って、補正係数kに適切な値を設定すると、(数3)の演算により、対物レンズの移動に伴い生じるオフセットが補正されたトラッキングエラー信号が得られる。
【0009】
次に、第2の従来の技術である特願平7−280372の光学ヘッドについて説明する。この光学ヘッドの構成は、前述の第1の従来の技術の構成と、受光素子の分割方法以外は同様であるため、その構成図を省略し、多分割された受光素子の構成のみについて説明する。
【0010】
図20(a)は、8分割された受光素子の上面図である。85a〜85cは、8分割受光素子85の分割線、86aから86hは分割された各受光領域、87は8分割受光素子85上の光束、同図中の斜線部は遮光された領域である。
【0011】
この第2の従来の技術の光学ヘッドの動作は、ほとんど前述の第1の従来の技術の光学ヘッドと同様であるから、その動作の説明は省略し、上記のように8分割受光素子を構成したことにより備わった特徴についてのみ説明する。図20(b)は、光ディスクがラジアル方向に傾いたときに生じる、光束87の光量分布を、模式的に示したものであり、光強度の大きさを斜線の濃度で表した。尚、同図においては、斜線の密度の高い程、光強度が強いことを示している。同図は、光ディスクのラジアル方向の傾きにより、光束の中央部に、光強度が非対称な部分が発生することを示しており、この強度分布の非対称により、プッシュプル信号にオフセットが発生する。このとき、図20(a)に示した斜線部のように、遮光された領域が中央部に存在すると、図20(b)に示したような光強度が非対称な部分の影響を低減できる。トラキングエラー信号TEは、各領域で検出された信号を領域名で表すと、
【0012】
【数4】
という演算で得られる。ここで、kは補正係数である。
【0013】
以上のように、第1の従来の技術によれば、対物レンズのトラッキング方向の移動に伴い発生するトラッキング信号のオフセットを補正することが可能となり、第2の従来の技術によれば、更に、光ディスクのラジアル方向の傾きにより発生するトラッキング信号のオフセット低減をも可能となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のような従来の技術では、トラッキングエラー検出のための光束分割を受光素子上で行うため、フォーカスエラー信号検出と、トラッキングエラー信号検出とで別々の光学系を必要とする。従って、トラッキングエラー検出光学系の構成は簡単であっても、光学ヘッドの小型化および集積化は困難という課題を有していた。
【0015】
本発明は、以上のような従来の課題を考慮し、フォーカスエラー検出およびトラッキングエラー検出のための光学系を共通化し、光ディスクのラジアル方向の傾きや、対物レンズの移動を原因として生じる、トラッキングエラー信号のオフセットを低減することにより、小型化および集積化が可能であり、且つ安定な動作を特徴とする光学ヘッドを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明は、発光素子と、
複数の受光素子と、
前記発光素子からの光を情報記録媒体の面に集光させる対物レンズと、
前記発光素子と前記対物レンズとの間の光路中に配置され、前記情報記録媒体で反射し再び前記対物レンズを通過した光束を、空間的に複数の光束に分割し、前記複数の受光素子に導く複合回折素子と、
前記複数の受光素子で検出された信号の全部又は一部に基づいて、フォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号とを生成する信号生成手段とを備え、
前記複合回折素子は、前記情報トラックの方向と実質上平行な第1の分割線と、その第1の分割線と実質上直交し且つ前記対物レンズの光軸に対して実質上対称な第2および第3の分割線とにより分割された6つの領域を有しており、
前記信号生成手段は、(1)前記6つの領域の内、前記第2および第3の分割線の間に配置された2つの領域を通過することにより生成された複数の光束の前記受光素子による検出信号に基づいて、前記トラッキングエラー信号を生成し、又、(2)前記6つの領域の内、前記第2および第3の分割線の外側に配置された4つの領域を通過することにより生成された複数の光束の前記受光素子による検出信号に基づいて、前記対物レンズの移動に伴い生ずるトラッキングエラー信号のオフセットを補正するオフセット補正信号を生成し、前記トラッキングエラー信号の生成に際し、前記生成されたオフセット補正信号を利用し、
前記第2および第3の分割線の間に配置された領域は、前記第2および第3の分割線の間に配置された領域を通過する光束の一部が前記トラッキングエラー信号を生成するための受光素子には受光されないように格子パターンが形成されていることを特徴とする光学ヘッドである。
また、第2の本発明は、上記第2および第3の分割線の間に配置された領域を通過する光束の一部が、前記トラッキングエラー信号を生成するために差動検出される受光素子に対し、各々均等に検出されるように、前記格子パターンが形成されていることを特徴とする上記第1の本発明の光学ヘッドである。
また、第3の本発明は、上記第2および第3の分割線の間に配置された領域を通過することにより生成された複数の光束の前記受光素子による検出信号に基づいて、さらにフォーカスエラー信号を生成し、前記オフセット補正信号を生成するための受光素子は、前記フォーカスエラー信号を生成するための受光素子から離れて配置されていることを特徴とする上記第1の本発明の光学ヘッドである。
【0032】
尚、発光素子と、複数の受光素子とを同一基板上に配置し、複合回折素子を、前記基板から所定の間隔を隔てて、前記基板と一体に固定することにより、上記のいずれかの光学ヘッドの信号検出光学系を集積化することが出来る。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態における光学ヘッドの構成図、図1(b)は、複合回折素子の上面概念図、図1(c)は、発光素子および受光素子の配置を示す上面図である。
【0034】
図1(a)において、1は情報記録媒体である光ディスク、2は対物レンズ、3は複合回折素子、4は発光素子としての、例えば半導体レーザー、5は発光素子4と一体になった、受光素子が配置された基板である。同図内の各矢印は、光の進む方向を示す。図1(b)は、複合回折素子3の上面図であり、同図の3a〜3cは領域分割線、6a〜6fは分割された領域、領域内部の縞は、回折格子の方向を概念的に示すものであり、12は複合回折素子3を通過する光束の外形を示す。図1(c)は、基板5の上面図であり、同図において、7a〜7dは単体の受光素子、8〜11は、3分割受光素子、8a〜8c,9a〜9c,10a〜cおよび11a〜11cは、各々、3分割受光素子を構成する各受光領域である。各受光素子内部に記した図形は、そこに入射する光束の形状を模式的に示す物である。
【0035】
尚、本発明の光学ヘッドは、更に、信号生成手段、フォーカス制御部およびトラッキング制御部等を有するが、これらについては、図14〜図16で詳細に説明する。
【0036】
即ち、図14は、本実施の形態の光学ヘッドの制御部を説明するための概略構成図である。又、図15は、図14に示した、フォーカス制御部に入力されるフォーカスエラー信号を生成する回路結線図を示す。又、図16は、図14に示した、トラッキング制御部に入力されるトラッキングエラー信号を生成する回路図を示す。
【0037】
図14において、アクチュエータ1041は、対物レンズ2をXおよびY方向に移動させるための手段である。又、トラッキング制御部1042は、トラッキングエラー信号を利用して、情報トラックの中心に光スポットを導くようにアクチュエータ1041を制御する手段であり、図18で述べたトラッキング制御部89と基本的に同じ構成である。又、フォーカス制御部1043は、フォーカスエラー信号を利用して、光ディスク1の情報記録面に集光させる様に、アクチュエータ1041を制御する手段である。
【0038】
尚、本発明の第1の分割線は、分割線3aに対応しており、同様にして、本発明の第2〜第3の分割線は、それぞれ、分割線3b,3cに対応している。
【0039】
次に、以上のように構成された光学ヘッドの動作を説明する。発光素子4から発せられた光は、複合回折素子3を透過し、対物レンズ2により光ディスク1の情報記録面に集光される。光ディスク1の情報記録面には、情報トラックが形成されており、この情報トラックの方向は、図1(a)では紙面に垂直な方向であるとする。光ディスク1からの反射光は、対物レンズ2を通過後、再び発光素子4の近傍に向かって収束しながら進み、複合回折素子3に入射する。複合回折素子3の分割線3aから3cによって分割された各領域を通過した光束は、+1次、0次、および−1次回折光として透過する。その透過する光の内、+1次、および−1次回折光が、対応する各受光素子に向けて回折される。
【0040】
複合回折素子3の領域6aおよび6eでの回折光は、例えば受光素子7aと7dに、領域6bおよび6fでの回折光は、例えば受光素子7bと7cに、領域6cでの回折光は、例えば3分割受光素子9と10に、領域6dでの回折光は、例えば3分割受光素子8と11に、各々入射する。このとき、例えば、3分割受光素子9および11に入射する光束は、その受光素子よりも遠いところに焦点を結び、3分割受光素子8および10に入射する光束は、その受光素子より複合回折素子3に近いところで焦点を結び、更に、光ディスク1が対物レンズ2の合焦点にあるときに、3分割受光素子8、9、10および11上での光束の、受光素子の分割線に直交する方向の長さが実質上等しくなるように、複合回折素子3の領域6cおよび6dの回折格子パターンに、レンズの屈折力を持たせると、対物レンズ2の合焦点ずれに応じて、各3分割受光素子上で光束の大きさがそれぞれ異なる大きさに変化するので、
【0041】
【数7】
という演算により、フォーカスエラー信号FEが得られる。
【0042】
上記の演算を実現するための結線図を図15に示す。同図に示す結線による加算と、差動アンプ1051による差動演算により、フォーカスエラー信号FEが生成され、フォーカス制御部1043に導かれる。
【0043】
また、対物レンズ2が情報トラックに直交する方向に移動したときに生じる、トラッキングオフセットを補正する信号TE1は、前述の従来の技術の光束分割に従って、複合回折素子3の領域分割線3bと3cの外側の領域を通過した光束を検出して、
【0044】
【数8】
TE1=7a+7d−(7b+7c)
で得られ、プッシュプル信号TE2は、複合回折素子3の領域分割線3bと3cの間の領域を通過した光束を検出して、
【0045】
【数9】
で得られる。従って、対物レンズ2の移動に伴い生じるオフセットが補正されたトラッキングエラー信号TEは、
【0046】
【数10】
TE=TE2−k*TE1
となる。ここで、kは補正係数であり、上記4つの式において、検出信号名を受光領域名で表した。
【0047】
上記の演算を実現するための結線図を図16に示す。同図に示す結線による加算と、差動アンプ1061,1062による差動演算により、トラッキングオフセット補正信号TE1と、プッシュプル信号TE2が生成される。それら各信号は、更に、差動アンプ1063に入力されて、上述の様に差動演算される。このようにして、差動アンプ1063は、トラッキングエラー信号TEを生成して、トラッキング制御部1042に導かれる。
【0048】
本構成において、複合回折素子3の分割線3bと3cの間隔をV、対物レンズの光ディスク側の開口数をNA、波長をλ、情報トラックのピッチをd、複合回折素子3を通過する光束の直径をDとすると、
【0049】
【数11】
を満足することが望ましい。この理由を、図19(a)を用いて説明する。複合回折素子3の領域分割線3a〜3cは、図19(a)の分割線81a〜81cに、各々対応する。同図において、斜線部は、光ディスクの情報トラックで回折された+1次および−1次回折光が、0次回折光と干渉する領域を表しており、この領域にはプッシュプル信号成分が含まれている。(数11)を満足することは、分割線81bと81cの外側の領域に、斜線部領域が混入する量を制限し、且つ、トラッキング信号のオフセットを補正するのに十分な検出信号量を得られることを意味している。逆に、(数11)を満足しないと、補正信号TE1の信号量が小さく、補正が十分に行えないか、補正信号TE1へのプッシュプル信号の混入量が多くなって、(数10)の演算により、信号TEの振幅を低下させることになる。
【0050】
以上のように、光学ヘッドを構成したことにより、対物レンズの移動に伴い生じる、トラッキングエラー信号のオフセットを補正する手段を有しながら、フォーカスエラー信号と、トラッキングエラー信号とが同一の検出光学系で検出可能となり、更に、それらが、複合回折素子と、発光素子および受光素子が配置された基板の2つの光学部品で実現されたことにより、光学ヘッドの小型化を図ることができる。
【0051】
尚、本実施の形態では、領域6c及び6dで回折された4つの光束が受光される4つの3分割受光素子からの信号に基づいて、フォーカスエラー信号を生成するとしたが、これに限らず、例えば、2つの3分割受光素子からの信号に基づいても、フォーカスエラー信号が生成できることを以下に示す。
【0052】
上述した様に、フォーカスエラー信号は、3分割受光素子の分割線に垂直な方向の光束の長さの変化に従って発生するため、例えば、入射する光束がその受光素子の位置よりも遠いところで焦点を結んでいる3分割受光素子9での検出信号と、入射する光束がその受光素子よりも複合回折素子に近いところで焦点を結んでいる3分割受光素子10での検出信号とを用いれば、
【0053】
【数53】
FE=9b+10a+10c−(9a+9c+10b)
上記数53により、フォーカスエラー信号が得られる。4つの3分割受光素子から2つの3分割受光素子を選ぶ組み合わせは、一方に入射する光束の焦点を結ぶ位置が、その受光素子より近いものと、遠いものとの組み合わせであるため、他の組み合わせも可能である。
(第2の実施の形態)
図2(a)は、本発明の第2の実施の形態における光学ヘッドの構成図、図2(b)は、複合回折素子の上面概念図、図2(c)は、発光素子および受光素子の配置を示す上面図である。本光学ヘッドの構成は、前述の第1の実施の形態と類似しているため、同じ構成要素には同じ番号を付け、その説明を省略し、異なるものについてのみ、その構成を説明する。
【0054】
図2(a)において、13は複合回折素子、14は発光素子4と一体になった、受光素子が配置された基板である。図2(b)において、13a〜13cは複合回折素子13の領域分割線、15a〜15fは分割された領域、領域内部の縞は、回折格子の方向を概念的に示すものである。図2(c)は、基板14の上面図であり、同図において、16a〜16dは単体の受光素子、17〜20は、3分割受光素子、17a〜17c,18a〜18c,19a〜19cおよび20a〜20cは、各々、3分割受光素子を構成する各受光領域である。各受光素子内部に記した図形は、そこに入射する光束の形状を模式的に示す。
【0055】
次に、以上のように構成された光学ヘッドの動作を説明する。この動作も、前述の第1の実施の形態と共通点が多いため、異なるところのみ説明する。光ディスク1で反射し、再び複合回折素子3に入射した光束は、3つの分割線13aから13cにより分割された各領域で、+1次および−1次回折光として光束が分割され、対応する各受光素子に向けて回折される。
【0056】
複合回折素子13の領域15aおよび15cでの回折光は、例えば受光素子16aと16dに、領域15bおよび15fでの回折光は、例えば受光素子16bと16cに、領域15cでの回折光は、例えば3分割受光素子17と20に、領域15dでの回折光は、例えば3分割受光素子18と19に、各々入射する。このとき、例えば、3分割受光素子17および18に入射する光束は、その受光素子よりも遠いところに焦点を結び、3分割受光素子19および20に入射する光束は、その受光素子より複合回折素子13に近いところで焦点を結び、更に、光ディスク1が対物レンズ2の合焦点にあるときに、3分割受光素子17、18、19および20上での光束の、3分割受光素子の分割線に直交する方向の大きさが、実質上等しくなるように、領域15cおよび15d内部の回折格子パターンに、レンズの屈折力を持たせると、対物レンズ2の合焦点ずれに応じて、各3分割受光素子上で光束の大きさがそれぞれ異なる大きさに変化するので、
【0057】
【数12】
という演算により、フォーカスエラー信号FEが得られる。
【0058】
また、第1の実施の形態と同様に、トラッキングエラー信号オフセットを補正する信号TE1は、
【0059】
【数13】
TE1=16a+16d−(16b+16c)
で得られ、プッシュプル信号TE2は、
【0060】
【数14】
となるため、対物レンズ移動に伴い生じるオフセットを補正されたトラッキングエラー信号TEは、
【0061】
【数15】
TE=TE2−k*TE1
となる。ここで、kは補正係数であり、上記4つの式において、検出信号名を受光領域名で表した。
【0062】
本構成において、複合回折素子13の領域分割線13bと13cの間隔をVとしたとき、前記(数11)を満足することが望ましいことは、第1の実施の形態と同様である。
【0063】
以上に示した第2の実施の形態の特徴は、第1の実施の形態と比べ、各3分割受光素子の配置を、発光素子から等距離としたことである。こうすると、受光素子14の横方向の幅が小さくなるという利点がある。また、複合回折素子の製造過程におけるエッチング条件等のばらつきがあって、回折格子のピッチに依存して回折効率が変わっても、本実施の形態では、各領域毎の回折格子ピッチが等しくなっているために、検出信号のバランス変化が小さくなる利点がある。
(第3の実施の形態)
図3(a)は、本発明の第3の実施の形態の、複合回折素子の上面概念図、図3(b)は、発光素子および受光素子の配置を示す上面図である。本光学ヘッドの構成は、前述の第1の実施の形態と類似しているため、その構成図を省略し、異なる構成要素である複合回折素子と受光素子の配置についてのみ、その構成を説明する。
【0064】
図3(a)において、21a〜21dは複合回折素子の領域分割線、23a〜23hは分割された各領域、領域内部の縞は回折格子の方向を概念的に示すものである。図3(b)において、22は発光素子および受光素子が配置された基板、24a〜24dは単体の受光素子、25〜28は、2分割受光素子、25a〜25b,26a〜26b、27a〜27bおよび28a〜28bは、各々、2分割受光素子を構成する各受光領域である。各受光素子内部に記した図形は、そこに入射する光束の形状を模式的に示す。
【0065】
尚、本発明の第1の分割線は、分割線21aに対応しており、同様にして、本発明の第2〜第4の分割線は、それぞれ、分割線21b、21c、21dに対応している。
【0066】
次に、以上のように構成された光学ヘッドの動作を説明する。この動作も、前述の第1の実施の形態と共通点が多いため、異なるところのみ説明する。光ディスクで反射し、再び複合回折素子に入射した光束は、3つの分割線21a〜21dにより分割された各領域で、+1次および−1次回折光として光束が分割され、対応する各受光素子に向けて回折される。領域23aおよび23gでの回折光は、例えば受光素子24aと24dに、領域23bおよび23hでの回折光は、例えば受光素子24bと24cに、領域23cでの回折光は、例えば2分割受光素子25と受光領域28bに、領域23dでの回折光は、例えば2分割受光素子25と受光領域28aに、領域23eでの回折光は、例えば2分割受光素子27と受光領域26bに、領域23fでの回折光は、例えば2分割受光素子27と受光領域26aに、各々入射する。このとき、例えば、2分割受光素子25に入射する光束は、その受光素子よりも遠いところに焦点を結び、2分割受光素子27に入射する光束は、その受光素子より複合回折素子に近いところで焦点を結び、更に、光ディスクが対物レンズの合焦点にあるときに、2分割受光素子25および27上での光束の、2分割受光素子の分割線に直交する方向の大きさが、実質上等しくなるように、領域23c、23d、23eおよび23fの回折格子パターンにレンズの屈折力を持たせると、対物レンズの合焦点ずれに応じて、各2分割受光素子上で光束の大きさがそれぞれ異なる大きさに変化するので、
【0067】
【数16】
FE=25a+27b−(25b+27a)
という演算により、フォーカスエラー信号FEが得られる。
【0068】
また、第1の実施の形態と同様に、トラッキングエラー信号オフセットを補正する信号TE1は、
【0069】
【数17】
TE1=24a+24d−(24b+24c)
で得られ、プッシュプル信号TE2は、
【0070】
【数18】
TE2=26b+28b−(26a+28a)
となるため、対物レンズの移動に伴うオフセットが補正されたトラッキングエラー信号TEは、
【0071】
【数19】
TE=TE2−k*TE1
となる。ここで、kは補正係数であり、上記4つの式において、検出信号名を受光領域名で表した。
【0072】
本構成において、複合回折素子の分割線21bと21cの間隔をVとしたとき、
前記(数11)を満足することが望ましいことは、前述の各実施の形態と同様である。
【0073】
以上に示した第3の実施の形態の特徴は、第1および第2の実施の形態と比べ、2分割受光素子を使った検出方式としたため、配置される受光領域数が減った上、フォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号とで、全く別々の受光素子の検出信号を演算に使用するため、受光素子間の結線による信号加算演算も可能となり、検出された受光信号を演算部に導くための信号配線が単純化されるという利点がある。
(第4の実施の形態)
図4は、本発明の第4の実施の形態の、発光素子および受光素子の配置を示す上面図である。本光学ヘッドの構成は、前述の第1の実施の形態と類似しているため、その構成図を省略する。また、前述の第3の実施の形態とは、受光素子の配置のみ異なり、他は同一であるため、複合回折素子の説明を省略し、各受光素子の番号も第3の実施の形態と対応させて記し、その説明を省略する。
【0074】
次に、本光学ヘッドの動作について説明するが、第3の実施の形態と共通点が多いため、異なるところのみについて説明する。複合回折素子の領域23c〜23fの内部の回折格子パターンが有するレンズの屈折力は、第3の実施の形態とは異なり、図4の各受光素子配置において、2分割受光素子25に入射する光束は、その受光素子よりも遠いところに焦点を結び、2分割受光素子27に入射する光束は、その受光素子より複合回折素子に近いところで焦点を結び、更に、光ディスクが対物レンズの合焦点にあるときに、2分割受光素子25および27上での光束の、2分割受光素子の分割線に直交する方向の大きさが、実質上等しくなるように、各々設定される。こうして、前述したのと同様に、フォーカスエラー信号は、
【0075】
【数20】
FE=25a+27b−(25b+27a)
という演算により得られる。
【0076】
また、トラッキングエラー信号オフセットを補正する信号TE1は、
【0077】
【数21】
TE1=24a+24d−(24b+24c)
で得られ、プッシュプル信号TE2は、
【0078】
【数22】
TE2=26b+28b−(26a+28a)
となるため、対物レンズの移動に伴い生じるオフセットが補正されたトラッキングエラー信号TEは、
【0079】
【数23】
TE=TE2−k*TE1
となる。ここで、kは補正係数であり、上記4つの式において、検出信号名を、受光領域名で表した。
【0080】
以上に示した第4の実施の形態は、第3の実施の形態と同様の特徴を持つ。尚、
各信号演算において、受光領域25bと27a、26bと28bおよび26aと28aは、それぞれ2つづつが加算される信号であり、且つ受光領域が隣り合っているため、それらを連続した1つの受光領域に変えて、更に受光領域配置の単純化を図ることもできる。
(第5の実施の形態)
図5(a)は、本発明の第5の実施の形態の、複合回折素子の上面概念図、図5(b)は、発光素子および受光素子の配置を示す上面図である。本光学ヘッドの構成は、前述の第1の実施の形態と類似しているため、その構成図を省略し、異なる構成要素である複合回折素子と受光素子の配置についてのみ、その構成を説明する。
【0081】
図5(a)において、29a〜29cは複合回折素子の領域分割線、31a〜31d、32a〜32dは分割された各領域、領域内部の縞は、回折格子の方向を概念的に示すものである。ここで、領域32a〜32dは、領域分割線29bと29cの間を、領域分割線29aに平行な複数の帯状分割部に分割したものを、一つおきに交互にまとめた帯状分割集合体である。図5(b)において、30は発光素子および受光素子が配置された基板、33a〜33dは単体の受光素子、34および36は3分割受光素子、35および37は2分割受光素子、34a〜34c、36a〜36c、35a〜35bおよび37a〜37bは、各々、3分割または2分割の受光素子を構成する各受光領域である。各受光素子内部に記した図形は、そこに入射する光束の形状を模式的に示す。
【0082】
尚、本発明の第1の帯状分割集合体は、例えば、領域32aに対応しており、同様にして、本発明の第2〜第4の帯状分割集合体は、それぞれ、領域32b、32c、32dに対応している。
【0083】
次に、以上のように構成された光学ヘッドの動作を説明する。この動作も、前述の第1の実施の形態と共通点が多いため、異なるところのみ説明する。光ディスクで反射し、再び複合回折素子に入射した光束は、3つの分割線29a〜29cにより分割された各領域で、+1次および−1次回折光として光束が分割され、対応する各受光素子に向けて回折される。領域31aおよび31cでの回折光は、例えば受光素子33aと33dに、領域31bおよび31dでの回折光は、例えば受光素子33bと33cに、各々入射する。また、帯状分割集合体32aでの回折光は、例えば3分割受光素子34と受光領域37bに、帯状分割集合体32bでの回折光は、例えば3分割受光素子36と受光領域35bに、帯状分割集合体32cでの回折光は、例えば3分割受光素子36と受光領域35aに、帯状分割集合体32dでの回折光は、3分割受光素子34と受光領域37aに、各々入射する。このように各帯状分割集合体の回折光を各受光素子に分配すると、領域分割線29bと29cの間を通過した光束が、帯状に空間的に半分に分割されて、それらが各々、2つの3分割受光素子34および36に入射することになる。これは、帯状の分割が充分細かければ、この光束分割が、いわゆる振幅分割に同等となることを意味し、その場合、第1及び第2の実施の形態と同様に扱うことができる。
【0084】
このとき、例えば、3分割受光素子34に入射する光束は、その受光素子よりも遠いところに焦点を結び、3分割受光素子36に入射する光束は、その受光素子より複合回折素子に近いところで焦点を結び、更に、光ディスクが対物レンズの合焦点にあるときに、3分割受光素子34および36上での光束の、その受光素子分割線に直交する方向の大きさが、実質上等しくなるように、各帯状分割集合体32a〜dの内部の回折格子パターンに、レンズの屈折力を持たせると、対物レンズの合焦点ずれに応じて、各3分割受光素子上で光束の大きさがそれぞれ異なる大きさに変化するので、
【0085】
【数24】
FE=34b+36a+36c−(34a+34c+36b)
という演算により、フォーカスエラー信号FEが得られる。
【0086】
また、トラッキングエラー信号のオフセットを補正する信号TE1は、以前と同様に、
【0087】
【数25】
TE1=33a+33d−(33b+33c)
で得られ、プッシュプル信号TE2は、
【0088】
【数26】
TE2=35b+37b−(35a+37a)
となるため、対物レンズ移動に伴い生じるオフセットが補正されたトラッキングエラー信号TEは、
【0089】
【数27】
TE=TE2−k*TE1
となる。ここで、kは補正係数であり、上記4つの式において、検出信号を受光領域信号で表した。
【0090】
本構成において、複合回折素子の分割線29bと29cの間隔をVとしたとき、
前記(数11)を満足することが望ましいことは、前述の各実施の形態と同様である。
【0091】
以上に示した第5の実施の形態の特徴は、第1の実施の形態と比べ、3分割受光素子を使った検出方式でありながら、配置される受光領域数が減った上、フォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号とで、全く別々の受光素子の検出信号を演算に使用するため、受光素子間の結線による信号加算演算も可能となり、検出された受光信号を演算部に導くための信号配線が単純化されるという利点がある。
(第6の実施の形態)
図6は、本発明の第6の実施の形態の、発光素子および受光素子の配置を示す上面図である。本光学ヘッドの構成は、前述の第1の実施の形態と類似しているため、その構成図を省略する。また、前述の第5の実施の形態とは、受光素子の配置のみ異なり、他は同一であるため、複合回折素子の説明を省略し、各受光素子の番号も第5の実施の形態と対応させて記し、その説明を省略する。
【0092】
次に、本光学ヘッドの動作について説明するが、第5の実施の形態と共通点が多いため、異なるところのみについて説明する。帯状分割集合体32a〜32dの内部の回折格子パターンが有するレンズの屈折力は、第5の実施の形態とは異なり、図6の各受光素子配置において、3分割受光素子34に入射する光束は、その受光素子よりも遠いところに焦点を結び、3分割受光素子36に入射する光束は、その受光素子より複合回折素子に近いところで焦点を結び、更に、光ディスクが対物レンズの合焦点にあるときに、3分割受光素子34および36上での光束の、その受光素子分割線に直交する方向の大きさが、実質上等しくなるように、各々設定される。このとき、前述したのと同様に、フォーカスエラー信号は、
【0093】
【数28】
FE=34b+36a+36c−(34a+34c+36b)
という演算により、フォーカスエラー信号FEが得られる。
【0094】
また、トラッキングエラー信号のオフセットを補正する信号TE1は、以前と同様に、
【0095】
【数29】
TE1=33a+33d−(33b+33c)
で得られ、プッシュプル信号TE2は、
【0096】
【数30】
TE2=35b+37b−(35a+37a)
となるため、補正されたトラッキングエラー信号TEは、
【0097】
【数31】
TE=TE2−k*TE1
となる。ここで、kは補正係数であり、上記4つの式において、検出信号名を受光領域名で表した。
【0098】
以上に示した第6の実施の形態は、第5の実施の形態と同様の特徴を持つ。尚、
各信号演算において、受光領域35bと37b、および35aと37aは、それぞれ2つづつが加算される信号であり、且つ受光領域が隣り合っているため、それらを連続した1つの受光領域に変えて、更に受光素子配置の単純化を図ることもできる。
(第7の実施の形態)
図7(a)は、本発明の第7の実施の形態の、複合回折素子の上面概念図、図7(b)は、発光素子および受光素子の配置を示す上面図である。本光学ヘッドの構成は、前述の第1の実施の形態と類似しているため、その構成図を省略し、異なる構成要素である複合回折素子と受光素子の配置についてのみ、その構成を説明する。
【0099】
図7(a)において、38a〜38fは複合回折素子の領域分割線、40a〜40hおよび41a〜41bは分割された各領域、領域内部の縞は、回折格子の方向を概念的に示すものである。図7(b)において、39は発光素子および受光素子が配置された基板、42a〜42dは単体の受光素子、43および45は、2分割受光素子、44および46は3分割受光素子、43a〜43b,44a〜44c、45a〜45bおよび46a〜46cは、各々、2分割および3分割受光素子を構成する各受光領域である。各受光素子内部に記した図形は、そこに入射する光束の形状を模式的に示す。
【0100】
次に、以上のように構成された光学ヘッドの動作を説明する。この動作も、前述の第1の実施の形態と共通点が多いため、異なるところのみ説明する。光ディスクで反射し、再び複合回折素子に入射した光束は、6つの分割線38a〜38fにより分割された各領域で、+1次および−1次回折光として光束が分割され、対応する各受光素子に向けて回折される。領域40aおよび40gでの回折光は、例えば受光素子42aと42dに、領域40bおよび40hでの回折光は、例えば受光素子42bと42cに、領域40cでの回折光は、例えば2分割受光素子43と受光領域46cに、領域40dでの回折光は、例えば2分割受光素子43と受光領域46aに、領域40eでの回折光は、例えば2分割受光素子45と受光領域44cに、領域40fでの回折光は、例えば2分割受光素子45と受光領域44aに、また、領域41aでの回折光は、例えば2分割受光素子43と受光領域46bに、領域41bでの回折光は、例えば2分割受光素子45と受光領域44bに、各々受光される。このとき、例えば、2分割受光素子43に入射する光束は、その受光素子よりも遠いところに焦点を結び、2分割受光素子45に入射する光束は、その受光素子より複合回折素子に近いところで焦点を結び、更に、光ディスクが対物レンズの合焦点にあるときに、2分割受光素子43および45上での光束の、2分割受光素子の分割線に直交する方向の大きさが、実質上等しくなるように、領域40c、40d、40e、40f、41aおよび41bの回折格子パターンにレンズの屈折力を持たせると、対物レンズの合焦点ずれに応じて、各2分割受光素子上で光束の大きさがそれぞれ異なる大きさに変化するので、
【0101】
【数32】
FE=43a+45b−(43b+45a)
という演算により、フォーカスエラー信号FEが得られる。
【0102】
また、トラッキングエラー信号のオフセットを補正する信号TE1は、以前と同様に
【0103】
【数33】
TE1=42a+42d−(42b+42c)
で得られ、プッシュプル信号TE2は、
【0104】
【数34】
TE2=44c+46c−(44a+46a)
となるため、対物レンズの移動に伴い生じるオフセットが補正されたトラッキングエラー信号TEは、
【0105】
【数35】
TE=TE2−k*TE1
となる。ここで、kは補正係数であり、上記4つの式において、検出信号名を受光領域名で表した。
【0106】
ここで、上記式において、受光領域44bおよび46bの検出信号は、トラッキングエラー信号演算には用いていない。つまり、本実施の形態の信号検出方式は、複合回折素子の領域分割線38eと38fの間の光束は、フォーカスエラー信号検出には使用するが、トラッキングエラー信号検出には使用しない。これは、従来の第2の技術で説明した、光ディスクのラジアル方向の傾きによって生じる、トラッキングエラー信号のオフセットを低減する技術に相当する。
【0107】
本構成において、複合回折素子の分割線38bと38cの間隔をVとしたとき、
前記(数11)を満足することが望ましいことは、前述の各実施の形態と同様であるが、更に、分割線38eと38fの間隔をW、対物レンズの光ディスク側の開口数をNA、波長をλ、情報トラックのピッチをd、複合回折素子上での光束直径をDとすると、
【0108】
【数36】
を満足することが望ましい。逆に、(数36)を満足せずに、間隔Wが大きくなると、プッシュプル信号成分を検出するための、領域40c,40d,40eおよび40fの面積が小さくなり、検出されるプッシュプル信号の振幅が低下し、充分なトラッキングエラー信号が得られなくなる。一方、(数36)を満たさずに、間隔Wが小さくなると、光ディスクのラジアル方向の傾きに対するオフセット低減の効果が低下する。
【0109】
以上に示した第7の実施の形態の特徴は、類似の構成である第3または第4の実施の形態の特徴に加え、光ディスクのラジアル方向の傾きにより発生する、トラッキングエラー信号のオフセットを低減することが可能となり、一層安定に動作する光学ヘッドの実現を図ることができる。
【0110】
尚、本実施の形態では、受光素子の配置を前述のごとくとしたが、第3と第4の実施の形態の類似性のように、受光素子の単純な位置の置き換えと複合回折素子の各領域内部の回折格子パターンの変更のみにより、同様の信号検出が可能であることは言うまでもない。
(第8の実施の形態)
図8(a)は、本発明の第8の実施の形態の、複合回折素子の上面概念図、図8(b)は、発光素子および受光素子の配置を示す上面図である。本光学ヘッドの構成は、前述の第1の実施の形態と類似しているため、その構成図を省略し、異なる構成要素である複合回折素子と受光素子の配置についてのみ、その構成を説明する。
【0111】
図8(a)において、47a〜47fは複合回折素子の領域分割線である。分割線47eは分割線47aの右側のみ、分割線47fは分割線47aの左側のみとなっている。49a〜49hは分割された各領域、領域内部の縞は、回折格子の方向を概念的に示すものである。図8(b)において、48は発光素子および受光素子が配置された基板、50a〜50dは単体の受光素子、51〜54は2分割受光素子、51a〜51b,52a〜52b、53a〜53bおよび54a〜54bは、各々、2分割受光素子を構成する各受光領域である。各受光素子内部に記した図形は、そこに入射する光束の形状を模式的に示す。
【0112】
次に、以上のように構成された光学ヘッドの動作を説明する。この動作も、前述の第1の実施の形態と共通点が多いため、異なるところのみ説明する。光ディスクで反射し、再び複合回折素子に入射した光束は、6つの分割線47a〜47fにより分割された各領域で、+1次および−1次回折光として光束が分割され、対応する各受光素子に向けて回折される。複合回折素子の領域49aおよび49gでの回折光は、例えば受光素子50aと50dに、領域49bおよび49hでの回折光は、例えば受光素子50bと50cに、領域49cでの回折光は、例えば2分割受光素子51と受光領域54bに、領域49dでの回折光は、例えば2分割受光素子51と受光領域54aに、領域49eでの回折光は、例えば2分割受光素子53と受光領域52bに、領域49fでの回折光は、例えば2分割受光素子53と受光領域52aに、各々受光される。このとき、例えば、2分割受光素子51に入射する光束は、その受光素子よりも遠いところに焦点を結び、2分割受光素子53に入射する光束は、その受光素子より複合回折素子に近いところで焦点を結び、更に、光ディスクが対物レンズの合焦点にあるときに、2分割受光素子51および53上での光束の、2分割受光素子の分割線に直交する方向の大きさが、実質上等しくなるように、領域49c、49d、49e、49fの回折格子パターンにレンズの屈折力を持たせると、対物レンズの合焦点ずれに応じて、各2分割受光素子上で光束の大きさがそれぞれ異なる大きさに変化するので、
【0113】
【数37】
FE=51a+53b−(51b+53a)
という演算により、フォーカスエラー信号FEが得られる。
【0114】
また、トラッキングエラー信号オフセットを補正する信号TE1は、以前と同様に
【0115】
【数38】
TE1=50a+50d−(50b+50c)
で得られ、プッシュプル信号TE2は、
【0116】
【数39】
TE2=54b+52b−(52a+54a)
となるため、対物レンズの移動に伴い生じるオフセットが補正されたトラッキングエラー信号TEは、
【0117】
【数40】
TE=TE2−k*TE1
となる。ここで、kは補正係数であり、上記4つ式のにおいて、検出信号名を受光領域名で表した。
【0118】
本実施の形態の信号検出方式は、複合回折素子の領域分割線47eと47fの間の領域を通過した光束を領域分割線47dで2つの領域に分け、プッシュプル信号を検出する信号52aと54bに、それら2つの領域が各々1つづつ均等に含まれるように回折され、(数39)における差動演算により相殺し、トラッキング信号から、それらの領域の信号を除いている。これは、光ディスクからの反射光の光量分布が、複合回折素子の領域分割線47dに関して実質上対称であるため、空間的には異なる2つの領域ではあっても、良好に相殺できる。この信号検出方式は、前述の第7の実施の形態と同じ目的、即ち、光ディスクのラジアル方向の傾きによって生じる、トラッキングエラー信号のオフセットを低減する目的を、第7の実施の形態とは異なる方法で実現したものである。
【0119】
また、本構成において、複合回折素子の分割線47bと47cの間隔をVとしたとき、前記(数11)を満足することが望ましいことは、前述の各実施の形態と同様であるが、更に、分割線47eと47fの間隔をWとしたとき、前記(数36)を満足することが望ましいことは、前述の第7の実施の形態と同様である。
【0120】
以上に示した第8の実施の形態の特徴は、類似の構成である第7の実施の形態の特徴に加え、検出すべき光束の数を減らしたため、受光領域の数および面積が減り、光学ヘッドの内部で散乱した光、いわゆる迷光の影響を低減できることである。これにより、より品質の高い検出信号を生成する光学ヘッドの実現が図れる。
【0121】
尚、本実施の形態では、受光素子の配置を前述のごとくとしたが、第3と第4の実施の形態の類似性のように、受光素子の位置の置き換えと、複合回折素子の各領域内部の回折格子パターンの変更のみで、同様の信号検出が可能であることは言うまでもない。
(第9の実施の形態)
図9(a)は、本発明の第9の実施の形態の、複合回折素子の上面概念図、図9(b)は、発光素子および受光素子の配置を示す上面図である。本光学ヘッドの構成は、前述の第1の実施の形態と類似しているため、その構成図を省略し、異なる構成要素である複合回折素子と受光素子の配置についてのみ、その構成を説明する。
【0122】
図9(a)において、55a〜55eは複合回折素子の領域分割線、57a〜57d、58a〜58hおよび59a〜59dは分割された各領域、各領域内部の縞は、回折格子の方向を概念的に示すものである。ここで、領域58a〜58hおよび59a〜59dは、分割線55bと55cの間を、分割線55aに平行な複数の帯状分割部に分割し、分割線55a、55dおよび55eにより分割された6つの領域ごとに、一つおきに交互にまとめた帯状分割集合体である。この帯状分割集合体のまとまりは、分割線55bと55dの間に4つ、分割線55dと55eの間に4つ、および分割線55eと55cの間に4つ、の計12個である。
【0123】
図9(b)において、56は発光素子および受光素子が配置された基板、60a〜60dは単体の受光素子、61および62は3分割受光素子、63および64は2分割受光素子、61a〜61c、62a〜62c、63a〜63bおよび64a〜64bは、各々、3分割または2分割の受光素子を構成する各受光領域である。各受光素子内部に記した図形は、そこに入射する光束の形状を模式的に示す。
【0124】
尚、本発明の第5の帯状分割集合体は、例えば、領域59aと領域59cに対応しており、本発明の第6の帯状分割集合体は、領域59bと領域59dに対応している。
【0125】
次に、以上のように構成された光学ヘッドの動作を説明する。この動作も、前述の第1の実施の形態と共通点が多いため、異なるところのみ説明する。光ディスクで反射し、再び複合回折素子に入射した光束は、5つの分割線55a〜55eにより分割された各領域で、+1次および−1次回折光として光束が分割され、対応する各受光素子に向けて回折される。領域57aおよび57cでの回折光は、例えば受光素子60aと60dに、領域57bおよび57dでの回折光は、例えば受光素子60bと60cに、各々入射する。また、帯状分割集合体58aでの回折光は、例えば3分割受光素子62と受光領域63bに、帯状分割集合体58bでの回折光は、例えば3分割受光素子61と受光領域64aに、帯状分割集合体58cでの回折光は、例えば3分割受光素子61と受光領域64bに、帯状分割集合体58dでの回折光は、3分割受光素子62と受光領域63aに、帯状分割集合体58eでの回折光は、3分割受光素子62と受光領域63bに、帯状分割集合体58fでの回折光は、3分割受光素子61と受光領域64aに、帯状分割集合体58gでの回折光は、3分割受光素子61と受光領域64bに、帯状分割集合体58hでの回折光は、3分割受光素子62と受光領域63aに、各々入射する。
【0126】
また、帯状分割集合体59aおよび59cでの回折光は、3分割受光素子61と、2分割受光素子64の隣の、受光領域の無い場所に、帯状分割集合体59bと59dでの回折光は、3分割受光素子62と、2分割受光素子63の隣の、受光領域の無い場所に、に各々入射する。このように光束を分割すると、領域分割線55bと55cの間の光束が、帯状に空間的に均等に半分に分割されて、2つの3分割受光素子に、それらが分配されることになる。これは、帯状の分割が充分細かければ、この光束分割は、いわゆる振幅分割と同等になることを意味し、その場合、第1及び第2の実施の形態と同様に扱うことができる。
【0127】
このとき、例えば、3分割受光素子61に入射する光束は、その受光素子よりも遠いところに焦点を結び、3分割受光素子62に入射する光束は、その受光素子より複合回折素子に近いところで焦点を結び、更に、光ディスクが対物レンズの合焦点にあるときに、3分割受光素子61および62上での光束の、その受光素子分割線に直交する方向の大きさが、実質上等しくなるように、各帯状分割集合体58a〜58gおよび59a〜59dの内部の回折格子パターンに、レンズの屈折力を持たせると、対物レンズの合焦点ずれに応じて、各3分割受光素子上で光束の大きさがそれぞれ異なる大きさに変化するので、
【0128】
【数41】
FE=61b+62a+62c−(61a+61c+62b)
という演算により、フォーカスエラー信号FEが得られる。
【0129】
また、トラッキングエラー信号オフセットを補正する信号TE1は、以前と同様に、
【0130】
【数42】
TE1=60a+60d−(60b+60c)
で得られ、プッシュプル信号TE2は、複合回折素子の領域分割線55aの左側にある帯状分割集合体58a、58b、58eおよび58fを通過した光束の検出信号と、分割線55aの右側にある帯状分割集合体58c、58d、58gおよび58hを通過した光束の検出信号との差動検出により得るため、
【0131】
【数43】
TE2=63b+64a−(63a+64b)
となり、
対物レンズの移動に伴い生じるオフセットが補正されたトラッキングエラー信号TEは、
【0132】
【数44】
TE=TE2−k*TE1
となる。ここで、kは補正係数であり、上記4つの式において、検出信号名を受光領域名で表した。
【0133】
本実施の形態の信号検出方式は、分割線55dと55eの間の領域を通過した光束が、プッシュプル信号を検出する受光素子に入射しないように、回折角と受光素子配置を設定している。従って、この信号検出方式は、前述の第7の実施の形態と同じ目的、即ち、光ディスクのラジアル方向の傾きによって生じる、トラッキングエラー信号のオフセットを低減する目的を、第7の実施の形態とは異なる方法で実現したものである。
【0134】
また、本構成において、複合回折素子の分割線55bと55cの間隔をVとしたとき、前記(数11)を満足することが望ましく、更に、分割線55dと55eの間隔をWとしたとき、前記(数36)を満足することが望ましいことは、前述の第7の実施の形態と同様である。
【0135】
以上に示した第9実施の形態は、前述の第7の実施の形態と同様に、光ディスクのラジアル方向の傾きにより発生する、トラッキングエラー信号のオフセットをも低減し、また、領域分割線55aの左右の領域に、回折格子のピッチが密と粗の2種類の帯状分割集合体を形成しているため、複合回折素子の製造過程においてエッチング条件等のばらつきがあって、回折格子のピッチに依存して回折効率が変わってしまったときにも、プッシュプル信号を検出する領域の回折効率のバランスは実質上均等となるため、トラッキング信号のバランス変化が小さくなるという特徴を有している。尚、領域58b,58d,58f,58hのそれぞれは、回折格子のピッチが密の帯状分割集合体である。又、領域58a,58c,58e,58g,59a〜59dのそれぞれは、回折格子のピッチが粗の帯状分割集合体である。
【0136】
尚、ここでは各帯状分割集合体を構成する複数の帯状分割部を、第1の分割線55aに平行とな矩形としたが、帯状分割部の形状が、三角形、平行四辺形または台形であっても、或いは、それらの形状の組み合わせであっても、同様の機能を実現し得る。
(第10の実施の形態)
図10は、本発明の第10の実施の形態の、発光素子および受光素子の配置を示す上面図である。本光学ヘッドの構成は、前述の第1の実施の形態と類似しているため、その構成図を省略し、また、複合回折素子の分割領域は、前述の第9の実施の形態と等しいため、その上面概念図も省略し、第9の実施の形態と異なるところのみ、その構成を説明する。
【0137】
複合回折素子において、図9(a)における、分割線55dと55eの間の4つの帯状分割集合体の内部に形成された回折格子による回折角が、前述の第9の実施の形態と異なる。この回折角については、本発明の動作の説明の中で説明する。
【0138】
図10において、65は発光素子および受光素子が配置された基板、66a〜66dは単体の受光素子、67および68は3分割受光素子、69および70は2分割受光素子、67a〜67c、68a〜68c、69a〜69bおよび70a〜70bは、各々、3分割または2分割の受光素子を構成する各受光領域である。各受光素子内部に記した図形は、そこに入射する光束の形状を模式的に示す。
【0139】
尚、本発明の第5の帯状分割集合体は、例えば、領域59bに対応しており、同様にして、本発明の第6〜第8の帯状分割集合体は、それぞれ、領域59a、59c、59dに対応している。
【0140】
次に、以上のように構成された光学ヘッドの動作を説明する。この動作も、前述の第1の実施の形態と共通点が多いため、異なるところのみ説明する。また、複合回折格子での光束の分割については、図9(a)を参照して説明する。光ディスクで反射し、再び複合回折素子に入射した光束は、5つの分割線55a〜55eにより分割された各領域で、+1次および−1次回折光として光束が分割され、対応する各受光素子に向けて回折される。領域57aおよび57cでの回折光は、例えば受光素子66aと66dに、領域57bおよび57dでの回折光は、例えば受光素子66bと66cに、各々入射する。また、帯状分割集合体58aでの回折光は、例えば3分割受光素子68と受光領域69bに、帯状分割集合体58bでの回折光は、例えば3分割受光素子67と受光領域70aに、帯状分割集合体58cでの回折光は、例えば3分割受光素子67と受光領域70bに、帯状分割集合体58dでの回折光は、3分割受光素子68と受光領域69aに、帯状分割集合体58eでの回折光は、3分割受光素子68と受光領域69bに、帯状分割集合体58fでの回折光は、3分割受光素子67と受光領域70aに、帯状分割集合体58gでの回折光は、3分割受光素子67と受光領域70bに、帯状分割集合体58hでの回折光は、3分割受光素子68と受光領域69aに、各々入射する。また、帯状分割集合体59aおよび59cでの回折光は、3分割受光素子67と、受光領域70bに、帯状分割集合体59bと59dでの回折光は、3分割受光素子68と、受光領域69bに、に各々入射する。
【0141】
このように光束を分割すると、領域分割線55bと55cの間の光束が、帯状に空間的に均等に半分に分割されて、2つの3分割受光素子67と68に、それらが均等に分配されることになる。これは、帯状の分割が充分細かければ、この光束分割が、いわゆる振幅分割と同等になることを意味し、その場合、第1及び第2の実施の形態と同様に扱うことができる。
【0142】
このとき、例えば、3分割受光素子67に入射する光束は、その受光素子よりも遠いところに焦点を結び、3分割受光素子68に入射する光束は、その受光素子より複合回折素子に近いところで焦点を結び、更に、光ディスクが対物レンズの合焦点にあるときに、3分割受光素子67および68上での光束の、その受光素子分割線に直交する方向の大きさが、実質上等しくなるように、各帯状分割集合体58a〜58hおよび59a〜59dの内部の回折格子パターンに、レンズの屈折力を持たせると、対物レンズの合焦点ずれに応じて、各3分割受光素子上で光束の大きさがそれぞれ異なる大きさに変化するので、
【0143】
【数45】
FE=67b+68a+68c−(67a+67c+68b)
という演算により、フォーカスエラー信号FEが得られる。
【0144】
また、トラッキングエラー信号オフセットを補正する信号TE1は、以前と同様に、
【0145】
【数46】
TE1=66a+66d−(66b+66c)
で得られる。
【0146】
プッシュプル信号TE2は、複合回折素子の領域分割線55aの左側にある帯状分割集合体58a、58b、58eおよび58fを通過した光束の検出信号と、分割線55aの右側にある帯状分割集合体58c、58d、58gおよび58hを通過した光束の検出信号との差動検出により得るため、
【0147】
【数47】
TE2=69b+70a−(69a+70b)
と演算する。このとき、プッシュプル信号検出に使う領域以外の領域、即ち、複合回折素子の領域分割線55dと55eの間の4つの帯状分割集合体59a〜59dのうち、受光領域69bには、帯状分割集合体59bと59dでの回折光束が、受光素子70bには、帯状分割集合体59aと59cでの回折光束が、各々入射している。しかしながら、帯状分割集合体の帯状分割が充分細かければ、いわゆる振幅分割と同等となるため、領域分割線55dと55eの間の領域を通過した光束が、空間的に均等に2分割され、受光領域69bと70bに入射することになるから、(数47)の差動検出で、それらの光束の影響は相殺される。
【0148】
対物レンズの移動に伴い生じるオフセットが補正されたトラッキングエラー信号TEは、
【0149】
【数48】
TE=TE2−k*TE1
となる。ここで、kは補正係数であり、上記4つの式において、検出信号名を受光領域名で表した。
【0150】
本実施の形態の信号検出方式は、分割線55dと55eの間の領域を通過した光束が、プッシュプル信号を検出する受光素子に均等に入射するように、複合回折素子の回折角と、受光素子配置を設定している。これは、前述の第7の実施の形態と同じ目的、即ち、光ディスクのラジアル方向の傾きによって生じる、トラッキングエラー信号のオフセットを低減する目的を、第7の実施の形態とは異なる方法で実現したものである。
【0151】
また、本構成において、複合回折素子の分割線55bと55cの間隔をVとしたとき、前記(数11)を満足することが望ましく、更に、分割線55dと55eの間隔をWとしたとき、前記(数36)を満足することが望ましいことは、前述の第7の実施の形態と同様である。
【0152】
以上に示した本実施の形態の光学ヘッドによれば、前述の第7の実施の形態と同様に、光ディスクのラジアル方向の傾きにより発生する、トラッキングエラー信号のオフセットをも低減することが可能であり、また、領域分割線55aの左右の領域に、回折格子のピッチが密と粗の2種類の帯状分割集合体を形成したため、複合回折素子の製造過程においてエッチング条件等のばらつきがあって、回折格子ピッチに依存して回折効率が変わってしまったときにも、プッシュプル信号を検出する領域の回折効率のバランスは実質上均等となるため、トラッキング信号のバランス変化を小さくすることができる。
(第11の実施の形態)
図11は、本発明の第11の実施の形態の、発光素子および受光素子の配置を示す上面図である。本実施の形態は、第9および10の実施の形態と類似しているため、複合回折素子については、図9(a)を参照しながら、異なるところのみ、その構成を説明する。
【0153】
複合回折素子において、図9(a)における、分割線55dと55eの間の4つの帯状分割集合体の内部に形成された回折格子による回折角が、前述の第10の実施の形態と異なる。この回折角については、本発明の動作の説明の中で説明する。
【0154】
図11において、101は発光素子および受光素子が配置された基板、102a〜102dは単体の受光素子、103および104は3分割受光素子、105および106は2分割受光素子、103a〜103c、104a〜104c、105a〜105bおよび106a〜106bは、各々、3分割または2分割の受光素子を構成する各受光領域である。各受光素子内部に記した図形は、そこに入射する光束の形状を模式的に示す。
【0155】
次に、以上のように構成された光学ヘッドの動作を説明する。この動作も、前述の第9および10の実施の形態と共通点が多いため、異なるところのみ説明する。光ディスクで反射し、再び複合回折素子に入射した光束は、5つの分割線55a〜55eにより分割された各領域で、+1次および−1次回折光として光束が分割され、対応する各受光素子に向けて回折される。領域57aおよび57cでの回折光は、例えば受光素子102aと102dに、領域57bおよび57dでの回折光は、例えば受光素子102bと102cに、各々入射する。また、帯状分割集合体58aでの回折光は、例えば3分割受光素子104と受光領域105bに、帯状分割集合体58bでの回折光は、例えば3分割受光素子103と受光領域106aに、帯状分割集合体58cでの回折光は、例えば3分割受光素子103と受光領域106bに、帯状分割集合体58dでの回折光は、3分割受光素子104と受光領域105aに、帯状分割集合体58eでの回折光は、3分割受光素子104と受光領域105bに、帯状分割集合体58fでの回折光は、3分割受光素子103と受光領域106aに、帯状分割集合体58gでの回折光は、3分割受光素子103と受光領域106bに、帯状分割集合体58hでの回折光は、3分割受光素子104と受光領域105aに、各々入射する。また、帯状分割集合体59aでの回折光は、3分割受光素子103と、受光領域106aに、帯状分割集合体59bでの回折光は、3分割受光素子104と、受光領域105aに、帯状分割集合体59cでの回折光は、3分割受光領域103と、受光領域106bに、帯状分割集合体59dでの回折光は、3分割受光素子104と、受光領域105bに、各々入射する。このとき、第9および第10の実施の形態と同様に、フォーカスエラー信号は、
【0156】
【数49】
FE=103b+104a+104c−(103a+103c+104b)
という演算により得られる。
【0157】
また、トラッキングエラー信号オフセットを補正する信号TE1は、以前と同様に、
【0158】
【数50】
TE1=102a+102d−(102b+102c)
で得られる。
【0159】
プッシュプル信号TE2は、複合回折素子の領域分割線55aの左側にある帯状分割集合体58a、58b、58eおよび58fを通過した光束の検出信号と、分割線55aの右側にある帯状分割集合体58c、58d、58gおよび58hを通過した光束の検出信号との差動検出により得るため、
【0160】
【数51】
TE2=105b+106a−(105a+106b)
と演算する。このとき、プッシュプル信号検出に使う領域以外の領域、即ち、複合回折素子の領域分割線55dと55eの間の4つの帯状分割集合体59a〜59dのうち、(数51)において、正の符号を持つ項である受光領域に、分割線55aの両側に位置する59aと59dでの回折光が、負の符号を持つ項である受光領域には、同じく分割線55aの両側に位置する59bと59cでの回折光束が、各々入射している。ところで、帯状分割集合体の帯状分割が充分細かければ、いわゆる振幅分割と同等となるため、領域分割線55dと55eの間の領域を通過した光束が、空間的に均等に2分割され、(数51)における正と負の符号を持つ項である受光領域に均等に入射することになるから、(数51)の差動検出で、それらの光束の影響は相殺される。
【0161】
対物レンズの移動に伴い生じるオフセットが補正されたトラッキングエラー信号TEは、
【0162】
【数52】
TE=TE2−k*TE1
となる。ここで、kは補正係数であり、上記4つの式において、検出信号名を受光領域名で表した。
【0163】
本実施の形態の信号検出方式は、分割線55dと55eの間の領域を通過した光束が、プッシュプル信号を検出する受光素子に均等に入射するように、複合回折素子の回折角と、受光素子配置を設定している点では、前述の第10の実施の形態と同様であるが、受光素子上の光束の形状を揃え、回折による広がりがあっても、3分割受光素子に入射する各光束が同じ様な光量分布を有するようにした点を特徴とする。これにより、光スポットのトラック横断時に光束が変調を受けても、その変調は各受光領域に均等に受光されるため、フォーカスエラー信号は、その変調の影響を受けにくい。
【0164】
また、本構成において、複合回折素子の分割線55bと55cの間隔をVとしたとき、前記(数11)を満足することが望ましく、更に、分割線55dと55eの間隔をWとしたとき、前記(数36)を満足することが望ましいことは、前述の第7の実施の形態と同様である。
【0165】
以上に示した本実施の形態の光学ヘッドによれば、前述の第10の実施の形態が有する効果に加え、光スポットのトラック横断時の変調成分の混入が少ないフォーカスエラー信号を得ることができる。
(第12の実施の形態)
図12(a)は、本発明の第12の実施の形態の、複合回折素子の上面概念図である。図12(b)は、図12(a)における、分割線107dと107eの間の帯状分割集合体の概念図である。本実施の形態は、前述の第10または第11の実施の形態の帯状分割集合体の構成を変えたものであるため、その構成について説明する。
【0166】
図12(a)において、107aから107fは、複合回折素子の領域分割線である。本複合回折素子は、図9(a)と共通点が多いため、図12(a)において、領域分割線以外は、その構成を省略し、前述の第10および第11の実施の形態と異なる点である、分割線107dと107eの間の帯状分割集合体の構成を、図12(b)に示す。図12(b)において、107a、107d、107eおよび107fは複合回折素子の領域分割線、108a〜108dは分割された各領域、各領域内部の縞は、回折格子の方向を概念的に示すものである。ここで、領域108a〜108dは、分割線107dと107eの間を、分割線107aに平行な複数の帯状分割部に分割し、更に、それらの帯状分割部を、分割線107fによって半分に分割し、分割線107fの上下の帯状分割部の並びが、一つずつずれるようにまとめた、4つの帯状分割集合体である。
【0167】
尚、本発明の第4の分割線は、分割線107fに対応し、又、本発明の第5及び第6の分割線は、それぞれ、分割線107d,107eに対応する。
【0168】
以上のように構成された光学ヘッドの動作は、前述の第10および第11の実施の形態と共通であるため省略し、分割線107dと107eの間の帯状分割集合体と、前記2つの実施の形態の帯状分割集合体との対応についてのみ説明する。
【0169】
例えば、領域108a〜108dを、各々順に図9(a)における領域59a〜59dに対応させる。領域108a〜108dでの回折光は、前述の第10または第11の実施の形態の対応する領域での回折光と同様に、所定の受光素子に入射し、各信号が得られる。
【0170】
次に、分割線107dと107eの間の帯状分割集合体を、以上のような構成としたことによる効果を説明する。仮に、帯状分割集合体の各帯状分割部を、実質的に振幅分割と同等になるように、十分に細かなピッチで形成すれば、前述の第10または第11の実施の形態のような帯状分割集合体でも、なんら不具合は発生しない。ところが、実際の光学ヘッドの構成では、複合回折素子と受光素子の距離を小さな値に制限されることがあり、そのため複合回折素子上の光束径が小さくって、光束径に対して十分細かな帯状分割集合体とすることが難しい場合がある。図13(a)は、第10の実施の形態における、(数47)により相殺されるべき信号を発生させる帯状分割集合体、即ち、領域59aと59cの和と、領域59bと59dの和を説明する概念図である。複合回折素子に入射する光束の光量分布は、一般に均一でなく、特に、分割線55aに垂直な方向に大きな変化がある。仮に、図13(a)の概念図のような目の粗い帯状分割集合体で複合回折素子を構成すると、分割線55aに関する光束の光量分布の非対称性によって、それらの帯状分割集合体を通過する光量に差が出て、(数47)による精度の良い相殺が出来なくなる。
【0171】
一方、本実施の形態の帯状分割集合体は、図13(b)に示すように、分割線107aに垂直な方向には、どちらも隙間なく配置されているため、分割線107aに関する光束の光量分布の非対称性の影響は受けない。また、光ディスクからの反射光束は、分割線107aに平行な方向、即ち、トラック方向には概ね対称で変化の小さい光量分布を有するため、分割線107dと107eの間の帯状分割集合体の信号は、(数47)により精度よく相殺できる。従って、目の粗い帯状分割集合体で構成された複合回折素子であっても、第10および第11の実施の形態が意図するトラッキングエラー信号が検出できる。
【0172】
また、本構成において、複合回折素子の分割線107bと107cの間隔をVとしたとき、前記(数11)を満足することが望ましく、更に、分割線107ddと107eの間隔をWとしたとき、前記(数36)を満足することが望ましいことは、前述の第7の実施の形態と同様である。
【0173】
以上に示した本実施の形態の複合回折素子によれば、光学ヘッドの小型化により複合回折素子と受光素子の距離が小さくなっても、前述の第10および第11の実施の形態の光学ヘッドが有する本来の性能および特徴を確保することができる。
(第13の実施の形態)
図17は、本発明の、第13の実施の形態の光学ヘッドの構成図である。本実施の形態の構成は、前述の第1の実施の形態と類似しているため、異なるところのみ説明する。図17において、71は、前述した各実施の形態における本発明の複合回折素子、72は、発光素子4と受光素子が、前述した実施の形態に於ける本発明のごとく配置された基板、73は、金属または樹脂などの剛性を持つ材料で形成された部材であり、複合回折素子71と基板72は、部材73によって一体に固定されている。
【0174】
以上のように構成された本実施の形態の光学ヘッドの動作は、前述の各実施の形態に従うものであるから省略する。
【0175】
本実施の形態の光学ヘッドは、前述した各実施の形態の光学ヘッドの特徴に加え、複合回折素子71と、発光素子と受光素子が配置された基板72が、一体となって1つの信号検出素子に集積化されたことを特徴とする。よって、本実施の形態によれば、対物レンズと、前記1つの信号検出素子との2つの光学部品からなる光学系により、光学ヘッドが構成されるため、組立工程の簡単化と、光学ヘッドの小型化が容易に実現される。
【0176】
尚、以上に述べた各実施の形態では、複合回折素子の各領域と、その回折光が受光される受光素子との対応を前述のごとくとしたが、受光素子の配置と、複合回折素子の各領域内部の回折格子パターンの単純な置き換えによって、異なる対応の組み合わせでも、同様の信号検出が可能であることは言うまでもない。
【0177】
また、2光束干渉による干渉縞の生成を、例えば第1の光束と第2の光束との干渉とすると、この干渉縞を回折格子パターンとして有する回折素子は、第1の光束と同じ収束または発散状態、の光束が入射したときには、第2の光束と同じ方向に、それと同一の波面を有する回折光束を生じるという、一般的な原理が知られている。
【0178】
そこで、以上の各実施の形態において、その複合回折素子の各領域内部の回折格子パターンを、発光素子位置付近に向かって収束する球面波と、所定の位置に向かって収束する球面波との2光束干渉によって、回折格子が形成される面上に生じる干渉縞パターンとすることにより、光線収差の少ない回折光束が得られる。
【0179】
または、以上の各実施の形態において、その複合回折素子の各領域内部の回折格子パターンを、発光素子位置付近から発散する球面波と、所定の位置から発散する球面波との2光束干渉によって、回折格子が形成される面上に生じる干渉縞パターンとすることにより、光線収差の少ない回折光束が得られる。
【0180】
また、以上説明した本発明にかかる光学ヘッドと、その光学ヘッドからの信号に基づき、制御を行う制御回路と、その制御回路からの制御信号により機構的駆動を行う駆動部とを備えることによって、より優れた光ディスク装置などの情報記録・再生装置を実現できる。
【0181】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、対物レンズのトラッキング方向の移動や、情報記録媒体のラジアル方向の傾きによって生じる、トラッキングエラー信号のオフセットの発生が少ない、安定な光学ヘッドを簡単な構成で実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a):本発明の第1の実施の形態の光学ヘッドの構成図
(b):本実施の形態の複合回折素子の概念を説明するための平面図
(c):本実施の形態の発光素子および受光素子の配置を示す平面図
【図2】(a):本発明の第2の実施の形態の光学ヘッドの構成図
(b):本実施の形態の複合回折素子の概念を説明するための平面図
(c):本実施の形態の発光素子および受光素子の配置を示す平面図
【図3】(a):本発明の第3の実施の形態の複合回折素子を説明するための平面図
(b):本実施の形態の発光素子および受光素子の配置を示す平面図
【図4】本発明の第4の実施の形態の受光素子配置を説明する平面図
【図5】(a):本発明の第5の実施の形態の複合回折素子を説明するための平面図
(b):本実施の形態の発光素子および受光素子の配置を示す平面図
【図6】本発明の第6の実施の形態の受光素子配置を説明する図
【図7】(a):本発明の第7の実施の形態の複合回折素子を説明する平面図
(b):本実施の形態の発光素子および受光素子の配置を示す平面図
【図8】(a):本発明の第8の実施の形態の複合回折素子を説明する平面図
(b):本実施の形態の発光素子および受光素子の配置を示す平面図
【図9】(a):本発明の第9の実施例形態の複合回折素子と受光素子配置を説明する平面図
(b):本実施の形態の発光素子および受光素子の配置を示す平面図
【図10】本発明の第10の実施の形態の受光素子配置を説明する図
【図11】本発明の第11の実施の形態の受光素子を説明する図
【図12】(a):本発明の第12の実施の形態の、複合回折素子を説明する平面図
(b):図12(a)における、分割線107dと107eの間の帯状分割集合体の概念図
【図13】(a):目の粗い帯状分割集合体で複合回折素子を構成した場合の概念図
(b):第12の本実施の形態における、分割線107aに垂直な方向に隙間なく配置された帯状分割集合体を説明する図
【図14】本発明の第1の実施の形態の光学ヘッドの概略構成図
【図15】本発明の第1の実施の形態のフォーカスエラー信号を生成する概略回路図
【図16】本発明の第1の実施の形態のトラッキングエラー信号を生成する概略回路図
【図17】本発明の第13の実施の形態の光学ヘッドの構成図
【図18】従来の光学ヘッドの構成図
【図19】(a):対物レンズが基準位置にある場合における、第1の従来の技術の受光素子分割方法を説明する図
(b):対物レンズが、X方向の+向きに移動した場合における、第1の従来の技術の受光素子分割方法を説明する図
【図20】(a):第2の従来の技術の受光素子分割方法を説明する図であり、8分割された受光素子の平面図
(b):図20(a)に示す受光素子において、光ディスクがラジアル方向に傾いたときに生じる、光束の光量分布の模式的に示した図
【符号の説明】
1、80: 光ディスク
2、78: 対物レンズ
3、13、71: 複合回折素子
3a〜3c、13a〜13c、21a〜21d、29a〜29c、
38a〜38f、47a〜47f、55a〜55e: 複合回折素子の領域分割線
4: 発光素子
5、14、22、30、39、48、56、65、72: 発光素子と受光素子が配置された基板
6a〜6f、15a〜15f、23a〜23h、31a〜31d、
32a〜32d、40a〜40h、41a〜41b、49a〜49h、
57a〜57d、58a〜58g、59a〜59d: 複合回折素子の分割された領域
7a〜7d、16a〜16d、24a〜24d、33a〜33d、
42a〜42d、50a〜50d、60a〜60d、66a〜66d:受光素子
8〜11、17〜20、34、36、44、46、61、62、67、68:3分割受光素子
25〜28、35、37、43、45、51〜54、63、64、69、70:2分割受光素子
12: 複合回折素子上の光束外形
73: 固定部材
74: 光軸
79: アクチュエータ
76、77: ハーフミラー
81: 6分割受光素子
82a〜83f: 6分割受光素子の受光領域
83: 差動アンプ
84: 6分割受光素子上の光束外形
85: 8分割受光素子
86a〜86h: 8分割受光素子の受光領域
87: 8分割受光素子上の光束外形
101: 発光素子と受光素子が配置された基板
102a〜102d: 受光素子
103,104: 3分割受光素子
105、106: 2分割受光素子
107a〜107f: 複合回折素子の分割線
108a〜108d: 複合回折素子の分割された領域
Claims (3)
- 発光素子と、
複数の受光素子と、
前記発光素子からの光を情報記録媒体の面に集光させる対物レンズと、
前記発光素子と前記対物レンズとの間の光路中に配置され、前記情報記録媒体で反射し再び前記対物レンズを通過した光束を、空間的に複数の光束に分割し、前記複数の受光素子に導く複合回折素子と、
前記複数の受光素子で検出された信号の全部又は一部に基づいて、フォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号とを生成する信号生成手段とを備え、
前記複合回折素子は、前記情報トラックの方向と実質上平行な第1の分割線と、その第1の分割線と実質上直交し且つ前記対物レンズの光軸に対して実質上対称な第2および第3の分割線とにより分割された6つの領域を有しており、
前記信号生成手段は、(1)前記6つの領域の内、前記第2および第3の分割線の間に配置された2つの領域を通過することにより生成された複数の光束の前記受光素子による検出信号に基づいて、前記トラッキングエラー信号を生成し、又、(2)前記6つの領域の内、前記第2および第3の分割線の外側に配置された4つの領域を通過することにより生成された複数の光束の前記受光素子による検出信号に基づいて、前記対物レンズの移動に伴い生ずるトラッキングエラー信号のオフセットを補正するオフセット補正信号を生成し、前記トラッキングエラー信号の生成に際し、前記生成されたオフセット補正信号を利用し、
前記第2および第3の分割線の間に配置された領域は、前記第2および第3の分割線の間に配置された領域を通過する光束の一部が前記トラッキングエラー信号を生成するための受光素子には受光されないように格子パターンが形成されていることを特徴とする光学ヘッド。 - 前記第2および第3の分割線の間に配置された領域を通過する光束の一部が、前記トラッキングエラー信号を生成するために差動検出される受光素子に対し、各々均等に検出されるように、前記格子パターンが形成されていることを特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。
- 前記第2および第3の分割線の間に配置された領域を通過することにより生成された複数の光束の前記受光素子による検出信号に基づいて、さらにフォーカスエラー信号を生成し、前記オフセット補正信号を生成するための受光素子は、前記フォーカスエラー信号を生成するための受光素子から離れて配置されていることを特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。
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