JP4646930B2 - 回折素子の位置調整方法 - Google Patents

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Description

本発明は、たとえば2層光ディスクなどの光記録媒体に対して、少なくとも情報の記録、再生および消去のうちいずれか1つを行うための光ピックアップ装置を構成する回折素子の位置調整方法に関する。
光によって少なくとも情報の記録、再生および消去のうちいずれか1つが行われる光記録媒体には、CD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disc),MD(Mini
Disc)などの光ディスクが多用されている。これらの光記録媒体の情報記録層にはトラック部が形成されており、少なくとも情報の記録、再生および消去のうちいずれか1つを行う際には、情報記録層に集光照射される光スポットを高速で回転する光記録媒体のトラック部に追随させなければならない。
光記録媒体のトラック部に光スポットを追随させる、すなわちトラッキング制御を行う手法としては、複数の受光部の光量差を検出する、プッシュプル法(以下、PP法と記す。)やディファレンシャルプッシュプル法(以下、DPP法と記す。)などが用いられている。
PP法は、光記録媒体のトラック部で反射された光をトラック部の中心に対して対称に配置された2つの受光部により2分割して受光させ、これら2つの受光部における出力差をトラッキング誤差信号の1つであり、トラック部に対する位置信号であるプッシュプル信号(以下、PP信号と記す。)として検出するものである。
DPP法は、光を放射する光源と光記録媒体との間に配置される回折格子により、光源から放射された光を1つのメインビームと2つのサブビームとに分岐して光記録媒体に照射し、メインビームおよび2つのサブビームのそれぞれにおいて、上記のようにしてトラッキング制御を行い、PP信号を検出する。このようにメインビームのみでなく2つのサブビームを用いてトラッキング制御を行うため、PP法において発生するオフセットを抑えることができる。しかしながらDPP法では、光源から放射される1つの光から3つのビームを生成するため、情報の記録または再生に用いられるメインビームの光量が光源から放射される光量に対して減少し、光利用効率が低くなってしまう。その結果、情報の記録速度または再生速度が低下し、記録および再生の高速化の妨げになるという問題がある。このような問題から、情報の記録または再生に用いられる光の利用効率を向上させるために、1ビーム法であるPP法が現在多用されている。
以下、PP法を用いた光ピックアップ装置について説明する。図8は、従来の光ピックアップ装置800を簡略化して示す構成図である。図9は、図8に示す従来の光ピックアップ装置800の光集積化ユニットの一部を拡大して示す斜視図である。
図8に示す従来の光ピックアップ装置800は、小型化、薄型化および高信頼性化を達成するためにホログラム801が用いられており、このようなホログラム801を含む光集積化ユニットと、光集積化ユニットから出射される光を光記録媒体に集光し、光記録媒体からの反射光を光集積化ユニットに導く光学系とから構成されている。光ピックアップ装置800において、半導体レーザチップ802からの出射光は、ホログラム801により回折され、その内の0次回折光は、カップリングレンズ803、4分の1(以下、1/4と記す。)波長板804、開口絞り805および対物レンズ806を介して2層光ディスク807などの光記録媒体の情報記録層808に集光照射される。その戻り光は対物レンズ806、開口絞り805、1/4波長板804およびカップリングレンズ803を介してホログラム801に導かれる。
ここで、図8に示す3次元直交座標系におけるX,YおよびZ軸について定義する。Z軸は、半導体レーザチップ802から放射され、2層光ディスク807に集光される光の軸線方向に延びる軸である。X軸は、Z軸に直交する仮想平面内において、2層光ディスク807の中心と集光位置とを結ぶ線分の延びる方向に設けられる軸であり、2層光ディスク807の半径方向に一致する。以下、X軸の延びる方向をラジアル(X)方向と記す。Y軸は、Z軸に直交する前記仮想平面内において、前記X軸に直交する方向に延びる軸であり、2層光ディスク807に形成されるトラックに対する接線方向に一致する。以下、Y軸の延びる方向をトラック(Y)方向と記す。これらの3軸方向の定義は、本明細書中で共通して用いられる。
ホログラム801は、図9に示すように、光ディスクのラジアル(X)方向に延びる分割線L6と、この分割線L6の中心から光ディスクのトラック(Y)方向に対応する方向に延びる分割線L7とにより、3つの分割領域801a、801bおよび801cに分割されている。ホログラム801の分割領域801aによる回折光は、受光素子809aと809bとの分割線L8上に集光され、分割領域801bおよび801cによる回折光は、それぞれ受光素子809cおよび809dに集光される。そして、受光素子809a,809b,809c,809dの出力信号を、それぞれH1,H2,H3,H4とするとフォーカス誤差信号はシングルナイフエッジ法により(H1−H2)の演算で求められる。そしてトラッキング誤差信号の1つであるPP信号はPP法により(H3−H4)の演算で求められる。また、情報信号は(H1+H2+H3+H4)の演算で求められる。
また上記のようなホログラム801の位置調整を行う際は、あらかじめ半導体レーザチップ802に対して受光素子809a〜809dが配置されている光検出器810を位置調整しておき、その後光検出器810に対してホログラム801の位置調整を行う。このとき、ラジアル(X)方向に対する位置調整は、H3とH4とが等しくなるように行われ、トラック(Y)方向に対する位置調整は、(H1+H2)と(H3+H4)とが等しくなるように行われる。また、Z軸回りの回転調整は、809a,809bにおける出力信号H1,H2を監視しながら、フォーカス誤差信号のオフセット量がゼロのときに再生信号のジッター値が最も小さくなるように行う。
このようなホログラム802を用いた、たとえば特許文献1の光ピックアップ装置では、上記構成にさらにフォーカス誤差信号補正用の受光素子を設けることにより、各記録再生層間の距離が小さいDVDなどの多層ディスクにおいても、オフセットが発生しないフォーカス誤差信号を得ている。
一方、対物レンズの移動に対応する対物レンズシフト信号などを用いることにより1ビーム法であるPP法において発生するオフセットを抑えるための様々な方法が提案されている。たとえば特許文献2では、情報記録媒体からの反射光束を6分割検出器により受光し、対物レンズのトラッキング方向の移動に対応した反射光束の移動を打ち消すように各受光領域の光検出信号を演算することにより、対物レンズの移動に伴うトラッキング誤差信号のオフセットを低減できる光学ヘッドについて開示されている。
また、従来の光ピックアップ装置の組み立て工程では、ホログラムなどの位置調整を行った後の光集積化ユニットを光ピックアップ装置に組み付ける工程が設けられている。
特開平9−161282号公報 特開平8−306057号公報
特許文献2の光学ヘッドでは、情報記録媒体からの反射光束をハーフミラーにより2つの光束に分離し、一方の光束をフォーカス誤差信号検出用のフォーカス制御部に入射させ、他方の光束をトラッキング誤差信号検出用の6分割検出器に入射させている。このようにフォーカス誤差信号とトラッキング誤差信号とを異なる光検出手段により検出させるために、2つの光検出手段が必要となり装置構成が大がかりとなってしまう。また、特許文献1の光ピックアップ装置などで行われるホログラムの位置調整では、位置調整の精度が充分ではない。
本発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、装置を小型化しつつ、高い光利用効率が得られる光ピックアップ装置に対して、精度良くホログラムの位置調整ができる回折素子の位置調整方法を提供することである。
発明は、光集積化ユニットに光源と回折素子と光検出手段と光分岐手段とを備え、情報を記録するための情報記録層と光透過層とを有する光記録媒体に向けて前記光源が光を出射し、前記回折素子が前記光記録媒体からの反射光を0次回折光と±1次回折光とに回折分岐し、前記光検出手段に含まれる、第1の受光素子が前記0次回折光を受光し、第2の受光素子が前記±1次回折光を受光し、前記光分岐手段が前記回折素子からの回折光を前記第1の受光素子および前記第2の受光素子に導き、
光学系が前記光集積化ユニットから出射される光を前記光記録媒体に集光し、前記光記録媒体からの反射光を前記光集積化ユニットに導き、
前記光学系は、前記光集積化ユニットから出射される光を前記光記録媒体の前記情報記録層に集光させるための対物レンズと、前記光集積化ユニットと前記対物レンズとの間に設けられ、前記光集積化ユニットから出射される光を略平行光にするカップリングレンズとを含み、
前記光検出手段における前記第2の受光素子は、前記対物レンズの焦点距離をf1、前記カップリングレンズの焦点距離をf2、前記光記録媒体の前記情報記録層の間隔をt、前記光透過層の屈折率をnとした際に、前記光検出手段上の前記0次回折光の光軸を中心として半径(2t/n)(f2/f1)の円領域の外側に配置され、
算出手段が前記第1の受光素子の出力信号に基づいて再生信号とプッシュプル信号とを生成し、前記第2の受光素子の出力信号に基づいて対物レンズシフト信号とフォーカス誤差信号とを生成する光ピックアップ装置における前記回折素子の位置調整方法であって、
前記回折素子は、前記光記録媒体の半径方向に平行な3つの分割線により第1領域、第2領域ともう2つの領域とに分割され、前記もう2つの領域が、前記光記録媒体に形成されるトラックに対する接線方向に平行な分割線によってそれぞれ2分割され、第3領域、第4領域、第5領域および第6領域を形成して6つの領域を有するように構成され、前記回折素子のトラック方向に対する位置調整は、前記第3領域および前記第4領域における±1次回折光に基づく出力信号をそれぞれ足し合わせた出力信号と、前記第5領域および前記第6領域における±1次回折光に基づく出力信号をそれぞれ足し合わせた出力信号とが等しくなるように位置調整されることを特徴とする回折素子の位置調整方法である。
発明によれば、回折素子の位置調整方法が行われる光ピックアップ装置では、光集積化ユニットに光源と回折素子と光検出手段と光分岐手段とが備えられる。情報を記録するための情報記録層と光透過層とを有する光記録媒体に向けて光源が光を出射し、回折素子が光記録媒体からの反射光を0次回折光と±1次回折光とに回折分岐し、光検出手段に含まれる、第1の受光素子が0次回折光を受光し、第2の受光素子が±1次回折光を受光し、光分岐手段が回折素子からの回折光を第1の受光素子および第2の受光素子に導く。光ピックアップ装置では、光学系が光集積化ユニットから出射される光を光記録媒体に集光し、光記録媒体からの反射光を光集積化ユニットに導く。光ピックアップ装置では、光学系は、光集積化ユニットから出射される光を光記録媒体の情報記録層に集光させるための対物レンズと、光集積化ユニットと対物レンズとの間に設けられ、光集積化ユニットから出射される光を略平行光にするカップリングレンズとを含む。光ピックアップ装置では、光検出手段における第2の受光素子は、対物レンズの焦点距離をf1、カップリングレンズの焦点距離をf2、光記録媒体の情報記録層の間隔をt、光透過層の屈折率をnとした際に、光検出手段上の0次回折光の光軸を中心として半径(2t/n)(f2/f1)の円領域の外側に配置される。光ピックアップ装置では、算出手段が第1の受光素子の出力信号に基づいて再生信号とプッシュプル信号とを生成し、第2の受光素子の出力信号に基づいて対物レンズシフト信号とフォーカス誤差信号とを生成する。光ピックアップ装置では、回折素子は、光記録媒体の半径方向に平行な3つの分割線により第1領域、第2領域ともう2つの領域とに分割され、前記もう2つの領域が、光記録媒体に形成されるトラックに対する接線方向に平行な分割線によってそれぞれ2分割され、第3領域、第4領域、第5領域および第6領域を形成して6つの領域を有するように構成される。
回折素子のトラック方向に対する位置調整は、第3領域および第4領域における±1次回折光に基づく出力信号をそれぞれ足し合わせた出力信号と、第5領域および第6領域における±1次回折光に基づく出力信号をそれぞれ足し合わせた出力信号とが等しくなるように位置調整される。
れにより、回折素子の位置調整方法では、3つの分割領域を有する回折素子を備える従来の光ピックアップ装置における位置調整と比較して、精度良く回折素子の位置調整を行うことができる。
また、回折素子の位置調整方法が行われる光ピックアップ装置では、複数の情報記録層を含む光記録媒体に対して少なくとも情報の記録、再生および消去のうちいずれか1つを行う際に、少なくとも情報の記録、再生および消去のうちいずれか1つを行う情報記録層とは異なる他の情報記録層からの反射が第2の受光素子に入射するのを防ぐことができる。したがって、安定したフォーカス制御およびトラッキング制御を行うことができる。
以下に実施の形態を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り特に限定されるものではない。
本発明は、情報を記録するための情報記録層を有する光記録媒体に対して、少なくとも情報の記録、再生および消去のうちいずれか1つを行うための光ピックアップ装置を構成する回折素子の位置調整方法である。光ピックアップ装置では、光集積化ユニットに光源と回折素子と光検出手段と光分岐手段とが備えられ、光源が光記録媒体に向けて光を出射し、回折素子が光記録媒体からの反射光を0次回折光と±1次回折光とに回折分岐し、光検出手段に含まれる、第1の受光素子が0次回折光を受光し、第2の受光素子が±1次回折光を受光し、光分岐手段が回折素子からの回折光を第1の受光素子および第2の受光素子に導く。そして光学系が光集積化ユニットから出射される光を光記録媒体に集光し、光記録媒体からの反射光を光集積化ユニットに導き、算出手段が第1の受光素子の出力信号に基づいて再生信号とプッシュプル信号とを生成し、第2の受光素子の出力信号に基づいて対物レンズシフト信号とフォーカス誤差信号とを生成する。
これにより、第1の受光素子および第2の受光素子を含む1つの光検出手段から再生信号と、トラッキング誤差信号を算出するためのプッシュプル信号および対物レンズシフト信号と、フォーカス誤差信号とを得ることができ、装置を小型化することができる。また、光記録媒体からの反射光における0次回折光および±1次回折光を用いて上記各信号を得ることができるため、高い光利用効率を得ることができる。
以下に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における光ピックアップ装置100を簡略化して示す構成図であり、図2は、図1に示す光ピックアップ装置100の光集積化ユニット101の一部を拡大して示す斜視図である。
光ピックアップ装置100は、図1に示すように、光集積化ユニット101と、光集積化ユニット101から出射される光を略平行光にするカップリングレンズ102と、カップリングレンズ102を通過した光を直線偏光から円偏光に変換する1/4波長板103と、少なくとも情報の記録、再生および消去のうちいずれか1つが行われる2層光ディスク104の第1の情報記録層104aまたは第2の情報記録層104bに光集積化ユニット101から出射される光を集光させる対物レンズ105と、対物レンズ105の固有の開口数に応じて光束径を調節する開口絞り106と、図示しない演算器とを含んで構成される。これらの各構成部は図示しないハウジングによって囲まれ、保護されている。
光ピックアップ装置100に適用される2層光ディスク104は、アルミニウムなどから構成される第1および第2の情報記録層104a,104bと、ポリカーボネートなどから構成される光透過層104cとを含んで構成され、たとえばDVDなどが挙げられる。2層光ディスク104の第1および第2の情報記録層104a,104bにはデジタル信号が記録されたピットと呼ばれる微小な凹凸が形成されており、このピットの有無によって、2層光ディスク104で反射される光の強度が変化する。上記構成では、光記録媒体として2層光ディスク104を用いたが、特にこれに限定されるものではなく1層光ディスクや多層ディスクなどであってもよく、たとえばCDやブルーレイディスクなどが挙げられる。
カップリングレンズ102、1/4波長板103、開口絞り106および対物レンズ105は、この順に光集積化ユニット101と2層光ディスク104との間に並んで設けられる。1/4波長板103、開口絞り106および対物レンズ105は、上方に位置する2層光ディスク104に臨むようにしてレンズホルダ107に保持され固定される。レンズホルダ107は、たとえば合成樹脂材料から構成され、円筒形状に形成される部材であり、1/4波長板103、開口絞り106および対物レンズ105の周囲部分を保持する。レンズホルダ107には、2層光ディスク104の面ぶれおよび偏芯による位置ずれを補正し、光スポットの焦点を2層光ディスク104の第1の情報記録層104aまたは第2の情報記録層104b上に精度よく結ばせるためのアクチュエータ108が設けられる。アクチュエータ108としては、一般的に用いられるものでよく特に限定されるものではないが、たとえばレンズホルダ107を鉛直方向に立設される軸に挿通して支持し、軸に平行な方向であるフォーカス方向および軸周りの方向である周方向に駆動するムービングコイル方式やムービングマグネット方式の軸摺動型のものなどが挙げられる。対物レンズ105のフォーカス制御およびトラッキング制御の際には、1/4波長板103、開口絞り106および対物レンズ105はアクチュエータ108により、一体駆動される。カップリングレンズ102、1/4波長板103、開口絞り106、対物レンズ105、レンズホルダ107およびアクチュエータ108は光学系に相当する。
光集積化ユニット101は、図1および図2に示すように、2層光ディスク104に向けて光を出射する半導体レーザチップ109と、2層光ディスク104からの反射光を0次回折光と±1次回折光とに回折分岐する偏光ホログラム110と、前記0次回折光を受光する第1の受光素子111a〜111dおよび前記±1次回折光を受光する第2の受光素子111e〜111pを含む光検出器112と、前記偏光ホログラム110からの回折光を前記第1の受光素子111a〜111dおよび第2の受光素子111e〜111pに導く光分岐素子113とを含んで構成される。
半導体レーザチップ109は、板状に形成されるステム114の厚み方向に垂直な方向の一表面部に設けられる。半導体レーザチップ109としては、DVDに対する情報の記録および再生に用いられる発振波長が650nmの赤色光を発するものが挙げられるが、特にこれに限定されるものではなく、たとえばブルーレイディスクに対応する発振波長が405nmの青紫光を発するものや、CDに対応する発振波長が780nmの赤色光を発するものなどが挙げられる。半導体レーザチップ109は光源に相当する。
偏光ホログラム110は、ガラス基板115の厚み方向一表面部に設けられ、ガラス基板115は光分岐素子113の上部に設けられる。偏光ホログラム110は、偏光方向によって光の透過作用または回折作用を選択的に行う素子であり、半導体レーザチップ109から2層光ディスク104に向けて放射されるラジアル(X)方向の直線偏光である出射光を透過し、2層光ディスク104により反射され、1/4波長板103によってトラック(Y)方向の直線偏光に変換された反射光を回折分岐する。図3は、偏光ホログラム110の分割領域を示す概略図である。偏光ホログラム110は、図3に示すように、ラジアル(X)方向に平行な3つの分割線L1,L2およびL3により第1領域110a、第2領域110bともう2つの領域とに分割され、前記もう2つの領域が、トラック(Y)方向に平行な分割線L4およびL5によってそれぞれ2分割され、第3領域110c、第4領域110d、第5領域110eおよび第6領域110fを形成して6つの領域を有するように構成される。偏光ホログラム110は、上記の6つの領域110a〜110fがそれぞれ異なる方向に2層光ディスク104からの反射光を偏光方向に応じて0次回折光と±1次回折光とに回折分岐するため、合計13個の回折光が発生する。
偏光ホログラム110における各回折光の回折効率は、−1次回折光:0次回折光:+1次回折光=1:10:1〜1:20:1になるように構成されることが好ましい。すなわち、0次回折光の光量が、±1次回折光それぞれの光量に対して10倍〜20倍になるように構成されることが好ましい。これにより、再生信号に対して充分なSN比を確保することができ、再生信号を得るための充分な光量を確保しつつ、±1次回折光によりフォーカス誤差信号とトラッキング誤差信号とを得ることができる。上記SN比とは、信号電力と雑音電力との比であり、信号成分中に含まれる雑音の量を表し、この値が大きいほど良好な性能であることを示す。
2層光ディスク104の第1の情報記録層104aまたは第2の情報記録層104bに対して、少なくとも情報の記録、再生および消去のうちいずれか1つを行う際には、たとえば、少なくとも情報の記録、再生および消去のうちいずれか1つを行う第1の情報記録層104aとは異なる他の情報記録層である第2の情報記録層104bからの反射光が光検出器112上の受光素子111に入射してしまうおそれがある。特に、偏光ホログラム110での0次回折光の光量は、±1次回折光の光量に比べて10倍から20倍大きくなっていることから、第2の情報記録層104bからの反射光における0次回折光の影響は大きい。そこで、第2の情報記録層104bからの反射光における0次回折光が、±1次回折光を受光するための第2の受光素子111e〜111pに入らないように、第2の受光素子111e〜111pを以下のように配置することが好ましい。すなわち、対物レンズ105の焦点距離をf1、カップリングレンズ102の焦点距離をf2、2層光ディスク104の第1の情報記録層104aと第2の情報記録層104bとの間隔をt、光透過層104cの屈折率をnとした際に、第2の受光素子111e〜111pを、光検出器112上の第1の情報記録層104aからの反射光における0次回折光の光軸を中心として半径(2t/n)(f2/f1)の円領域の外側に配置する。このように配置することにより、複数の情報記録層104a,104bを含む2層光ディスク104に対して少なくとも情報の記録、再生および消去のうちいずれか1つを行う際に、少なくとも情報の記録、再生および消去のうちいずれか1つを行う情報記録層とは異なる他の情報記録層からの反射光が第2の受光素子111e〜111pに入射するのを防ぐことができる。したがって、安定したフォーカス制御およびトラッキング制御を行うことができる。偏光ホログラム110は回折素子に相当する。
図4は、光検出器112における第1および第2の受光素子111a〜111pの配置を示す概略図である。第1および第2の受光素子111a〜111pは光検出器112上に配置され、光検出器112は、ステム114の厚み方向一表面部に設けられる。第1および第2の受光素子111a〜111pは、たとえばフォトダイオードによって実現される光電変換素子であり、受光した光に基づいて光電変換によって光を電気信号に変換して、2層光ディスク104に形成されるピットの信号を検出する。図4に示すように、第1の受光素子111a〜111dは、光検出器112の中央部に設けられる。そして、第1の受光素子111a〜111dを挟むようにして受光素子111eおよび111fと、受光素子111gおよび111hとが、トラック(Y)方向に並んで設けられる。そして、前記8つの受光領域111a〜111hを挟むようにして、受光素子111i,111j,111k,111lと受光素子111m,111n,111o,111pとが、ラジアル(X)方向に並んで設けられる。受光素子111e〜111pは、第2の受光素子である。光検出器112は、光検出手段に相当する。
そして、半導体レーザチップ109および第1および第2の受光素子111a〜111pの外部との接触を避けるために、キャップ116がステム114を囲むようにして装着される。これにより、半導体レーザチップ109および第1および第2の受光素子111a〜111pは、キャップ116によって密封される。
光分岐素子113は、キャップ116の上部に設けられる。光分岐素子113は、Z軸の延びる方向に対して45度傾斜した長方形状の第1反射面113aおよび第2反射面113bを備え、光の偏光方向により光を透過または反射させ、半導体レーザチップ109からの出射光と2層光ディスク104による反射光との分岐を行う。すなわち第1反射面113aは、半導体レーザチップ109から2層光ディスク104に向けて放射されるラジアル(X)方向の直線偏光である出射光を透過し、2層光ディスク104により反射され、1/4波長板103によってトラック(Y)方向の直線偏光に変換され、さらに偏光ホログラム110により回折された光を第1反射面113aによって直角に反射する。そして第2反射面113bは、第1反射面113aによって反射された2層光ディスク104からの反射光を直角に反射して光検出器112に配置された第1および第2の受光素子111a〜111pへと導く。光分岐素子113は、光分岐手段に相当する。
演算器は、光検出器112の第1および第2の受光素子111a〜111pに接続されており、これらの受光素子から出力される出力信号に基づいて演算を行い、メインプッシュプル信号(以下、MPP信号と記す。)、フォーカス誤差信号、対物レンズシフト信号、トラッキング誤差信号などの各信号を生成する。演算器は算出手段に相当する。
以下に、光ピックアップ装置100の動作について説明する。
半導体レーザチップ109から放射されたラジアル(X)方向の直線偏光は、光分岐素子113の第1反射面113aを透過して光集積化ユニット101から出射される。出射された光は、カップリングレンズ102によって略平行光にされ、さらに1/4波長板103によって円偏光に変換された後、対物レンズ105に入射し、対物レンズ105によって2層光ディスク104に集光照射される。集光照射された光は、2層光ディスク104の光透過層104cを透過し、第1の情報記録層104aまたは第2の情報記録層104bに集光される。そして2層光ディスク104の第1の情報記録層104aまたは第2の情報記録層104bによって反射された円偏光は、再び対物レンズ105を透過し、1/4波長板103によってトラック(Y)方向の直線偏光に変換された後、カップリングレンズ102を透過し、光集積化ユニット101に入射する。光集積化ユニット101に入射した光は、偏光ホログラム110の第1領域110a〜第6領域110fによって0次回折光と±1次回折光とに回折分岐され、計13個の回折光となる。これらの回折光は光分岐素子113の第1反射面113aおよび第2反射面113bによってそれぞれ直角に反射され、光検出器112に配置された第1および第2の受光素子111a〜111pへ導かれる。そして、図示しない演算器によって以下に示すようにして、MPP信号、フォーカス誤差信号、対物レンズシフト信号、トラッキング誤差信号などが生成され、これらの信号に基づいて図示しない制御手段によってフォーカス制御およびトラッキング制御が行われる。
以下に、上記各信号の生成方法について詳細に述べる。偏光ホログラム110の第1領域110a〜第6領域110fの0次回折光は、第1の受光素子111a〜111dによって受光される。これらの第1の受光素子111a,111b,111c,111dで検出される出力信号は、それぞれS1,S2,S3,S4と表される。そして第1の受光素子111a〜111dで検出される出力信号は、図示しない演算器に与えられ、差動(S1+S2)−(S3+S4)が演算されてMPP信号が生成される。また、同様にして再生信号は、(S1+S2+S3+S4)の演算を行うことで得られる。
偏光ホログラム110の第1領域110aの−1次回折光は、第2の受光素子111eと111fとの分割線上に集光される。また、偏光ホログラム110の第2領域110bの+1次回折光は、第2の受光素子111gと111hとの分割線上に集光される。これらの第2の受光素子111e,111f,111g,111hで検出される出力信号は、それぞれS5,S6,S7,S8と表される。そして上記第2の受光素子111e〜111hで検出される出力信号は、図示しない演算器に与えられ、差動(S5+S8)−(S6+S7)が演算されて、ダブルナイフエッジ法によりフォーカス誤差信号が生成される。上記ダブルナイフエッジ法では、偏光ホログラム110の第1領域110aの−1次回折光および第2領域110bの+1次回折光は、それぞれ第2の受光素子111e,111fまたは111g,111hに均等に光が入射するように、偏光ホログラム110によって収束または発散されることにより分割線上に絞られるように調節されている。そして、2層光ディスク104が遠ざかった場合または近づいた場合には、上記各回折光はいずれか一方の受光素子、すなわち111eまたは111f、もしくは111gまたは111h上に拡がり、これを利用することによりフォーカス誤差信号を得ることができる。一方、偏光ホログラム110の第1領域110aの+1次回折光および第2領域110bの−1次回折光は、上記のように調節されておらず受光素子の分割線上に充分に絞られない。したがって、第1領域110aの+1次回折光および第2領域110bの−1次回折光は、それぞれ受光素子の存在しない領域である111Aおよび111Bに入射し、フォーカス誤差信号の生成には用いられない。このように、ダブルナイフエッジ法によりフォーカス誤差信号を算出することによって、光検出器112の位置ずれが生じた際も、フォーカス誤差信号にオフセットが生じにくくなり、安定したフォーカス制御を行うことができる。
偏光ホログラム110の第3領域〜第6領域である110c,110d,110e,110fにおける−1次回折光は、第2の受光素子111i,111l,111j,111kによってそれぞれ受光される。また、偏光ホログラム110の第3領域〜第6領域である110c,110d,110e,110fにおける+1次回折光は、第2の受光素子111p,111m,111o,111nによってそれぞれ受光される。第2の受光素子111kおよび111nは金属導線などにより光検出器112の内部で結線されており、それぞれの受光素子111kおよび111nで検出される出力が加算されて、図示しない演算器に与えられる。第2の受光素子111jおよび111o,111lおよび111m,111iおよび111pにおいても同様にして出力が加算される。このようにして加算された(111k+111n),(111j+111o),(111l+111m),(111i+111p)の出力信号は、それぞれS9,S10,S11,S12と表される。そして上記4組の第2の受光素子で検出される出力信号は、図示しない演算器に与えられ、差動(S9+S11)−(S10+S12)が演算されて対物レンズシフト信号が生成される。
対物レンズ105の移動がない状態における対物レンズシフト信号を(s9+s11)−(s10+s12)とした場合、対物レンズ105がラジアル(X)方向外側にΔXだけ移動すると、偏光ホログラム110における2層光ディスク104からの反射光もラジアル(X)方向外側にΔXだけ移動する。したがって、偏光ホログラム110の第4領域110dおよび第6領域110fによる回折光の光量が増加し、第3領域110cおよび第5領域110eによる回折光の光量が減少する。このとき、各領域における光量の増加分および減少分をΔxとすると、対物レンズシフト信号は、(s9+Δx+s11+Δx)−(s10−Δx+s12−Δx)=(s9+s11)−(s10+s12)+4Δxとなる。逆に、対物レンズがラジアル(X)方向内側にΔXだけ移動すると、偏光ホログラム110の第4領域110dおよび第6領域110fによる回折光の光量が減少し、第3領域110cおよび第5領域110eによる回折光の光量が増加する。その結果、対物レンズシフト信号は、(s9−Δx+s11−Δx)−(s10+Δx+s12+Δx)=(s9+s11)−(s10+s12)−4Δxとなる。光量の増加分および減少分であるΔx量は対物レンズ105の移動量にほぼ比例するため、対物レンズ105がラジアル(X)方向に移動すると、上記のように対物レンズシフト信号において対物レンズ105の移動量に比例した出力変化が生じるため、対物レンズ105の移動量に比例した信号を検出することができる。
またトラッキング誤差信号は、上記演算手段に備わる演算器によって上記MPP信号と対物レンズシフト信号との差{(S1+S2)−(S3+S4)}−α{(S9+S11)−(S10+S12)}が演算されることにより生成される。
上記αは対物レンズシフト信号の感度を表す係数であり、この値は偏光ホログラム110における各回折光の回折効率と、光検出器112の各受光素子の感度とに依存する。αの値は2〜3であることが好ましく、この値が小さいほど対物レンズシフト信号の感度は高い。このようにして、上記のようにして得られた対物レンズシフト信号を用いてトラッキング誤差信号を求める演算を行うことにより、1ビーム法であるPP法において、DPP法のようにメインビームの光量を減少させることなく、よりオフセットの生じにくいトラッキング誤差信号を得ることができる。
次いで、偏光ホログラム110のXY面内における位置調整について説明する。図5は、偏光ホログラム110が位置ずれしたときの状態を示す概略図である。図5(a)は、偏光ホログラム110の位置ずれが生じていない状態を示す図であり、図5(b)は、偏光ホログラム110の位置がトラック(Y)方向にずれた状態を示す図であり、図5(c)は、偏光ホログラム110の位置がラジアル(X)方向にずれた状態を示す図である。また図6は、半導体レーザチップ109の出射光を一様分布としたときの、偏光ホログラム110のトラック(Y)方向の位置ずれ量に対する偏光ホログラム110の第1領域110a〜第6領域110fにおける光量変化量を示すグラフである。
光ピックアップ装置100における偏光ホログラム110のXY面内における位置調整は、2層光ディスク104からの反射光の位置に基づいて、偏光ホログラム110の第3領域110c〜第6領域110fにおける±1次回折光を用いて以下のようにして行う。
偏光ホログラム110の位置ずれが生じていない場合は、図5(a)に示すように、偏光ホログラム110の第3領域110c,第4領域110d,第5領域110e,第6領域110fによってそれぞれ回折される±1次回折光の光量は等しい。一方、偏光ホログラム110の位置がトラック(Y)方向にずれた場合には、図5(b)に示すように、偏光ホログラム110の第3領域110cと第4領域110dとによって回折される±1次回折光の光量と、第5領域110eと第6領域110fとによって回折される±1次回折光の光量とは異なる。したがって偏光ホログラム110は、第2の受光素子111i〜111pにおける出力信号(S9+S10)と(S11+S12)とが等しくなるように位置調整される。また図5(c)に示すように、偏光ホログラム110の位置がラジアル(X)方向にずれた場合には、図5(c)に示すように、偏光ホログラム110の第3領域110cと第5領域110eとによって回折される±1次回折光の光量と、第4領域110dと第6領域110fとによって回折される±1次回折光の光量とは異なる。したがって偏光ホログラム110の位置は、第2の受光素子111i〜111pにおける出力信号(S9+S11)と(S10+S12)とが等しくなるように位置調整される。
上記偏光ホログラム110のラジアル(X)方向およびトラック(Y)方向に対する位置調整方法としては、特に制限されるものではないが、たとえば、第2の受光素子111i〜111pにおける出力信号S9,S10,S11,S12を監視しながら手動により調整する方法などが挙げられる。またZ軸回りの回転調整は、111e〜111hにおける出力信号S5,S6,S7,S8を監視しながら、フォーカス誤差信号のオフセット量がゼロのときに再生信号のジッター値が最も小さくなるように行う。
図6に示すグラフにおいて、横軸は偏光ホログラム110のトラック(Y)方向の位置ずれ量を示し、縦軸は偏光ホログラム110の第1領域110a〜第6領域110fにおける光量変化量を示す。なお、光量変化量とは、位置ずれが生じていない状態における偏光ホログラム110の第1領域110a〜第6領域110fに入射する光の面積を100%としたときの、上記第1領域110a〜第6領域110fに入射する光の面積量のことである。また、図6に示す6本のグラフa〜fにおいて、aは出力信号(S5+S6+S9+S10)に対応する光量変化量を示し、bは出力信号(S7+S8+S11+S12)に対応する光量変化量を示し、cは出力信号(S5+S6)に対応する光量変化量を示し、dは出力信号(S7+S8)に対応する光量変化量を示し、eは出力信号(S9+S10)に対応する光量変化量を示し、fは出力信号(S11+S12)に対応する光量変化量を示す。グラフaおよびbにおける出力信号(S5+S6+S9+S10)および(S7+S8+S11+S12)は、図8および図9に示す、3分割されたホログラム801を用いた従来の光ピックアップ装置800における出力信号(H3+H4)および(H1+H2)に相当するものである。
偏光ホログラム110のトラック(Y)方向の位置調整では、上記構成に限らず偏光ホログラム110の第1領域110a,第2領域110bによってそれぞれ回折される±1次回折光の光量に基づく出力信号(S5+S6)と(S7+S8)とが等しくなるように調整することもできる。しかしながら、グラフa〜fに示される光量変化量の値と100%との差分値を考えると、偏光ホログラム110のトラック(Y)方向への位置ずれに対する出力信号(S5+S6)および(S7+S8)に対応するグラフcおよびdの差分値は、出力信号(S5+S6+S9+S10)および(S7+S8+S11+S12)に対応するグラフaおよびbの差分値の約1/3倍〜1/2倍となる。したがって、出力信号(S5+S6)および(S7+S8)を利用した偏光ホログラム110の位置調整は、従来の光ピックアップ装置800における位置調整よりも精度が低くなってしまう。
一方、偏光ホログラム110のトラック(Y)方向への位置ずれに対する出力信号(S9+S10)および(S11+S12)に対応するグラフeおよびfの差分値は、出力信号(S5+S6+S9+S10)および(S7+S8+S11+S12)に対応するグラフaおよびbの差分値の約4倍〜5倍となる。これは、差分値の小さい出力信号(S5+S6)および(S7+S8)の、出力信号(S5+S6+S9+S10)および(S7+S8+S11+S12)に占める割合が大きいために、出力信号(S9+S10)および(S11+S12)に対応する差分値のほうが大きくなるためである。したがって、偏光ホログラム110は、第3領域110c、第4領域110d、第5領域110eおよび第6領域110fにおける±1次回折光に基づく第2の受光素子111i〜111pの出力信号S9,S10,S11,S12に基づいて(S9+S10)と(S11+S12)とが等しくなるように位置調整されることにより、3つの分割領域を有するホログラム801を備える従来の光ピックアップ装置800における位置調整と比較して、より精度良く偏光ホログラム110の位置調整を行うことができる。
なお、偏光ホログラム110の第1領域110a〜第6領域110fの0次回折光が入射する第1の受光素子111a,111b,111c,111dによって検出される出力信号S1、S2、S3、S4の値は、偏光ホログラム110の位置がずれても変化しない。したがって、出力信号S1〜S4は偏光ホログラム110の位置調整には用いられない。
次いで、出力信号S9,S10,S11,S12が個別に出力される理由について述べる。上記のように、対物レンズシフト信号は(S9+S11)−(S10+S12)の演算で求められる。また、偏光ホログラム110のトラック(Y)方向の位置調整は(S9+S10)と(S11+S12)とが等しくなるように行われ、偏光ホログラム110のラジアル(X)方向の位置調整は(S9+S11)と(S10+S12)とが等しくなるように行われる。したがって、出力信号を(S9+S11),(S10+S12)などのように2つの信号を足し合わせて出力してしまうと、出力信号S9,S10,S11,S12を個別に演算することができず、出力信号(S9+S10)および(S11+S12)の演算ができなくなり、偏光ホログラム110のトラック(Y)方向の位置調整ができなくなってしまう。したがって、出力信号S9,S10,S11,S12は、個別に出力される必要がある。このように、偏光ホログラム110の第3領域110c〜第6領域110fにおける±1次回折光に基づく出力信号S9,S10,S11,S12は個別に出力されることにより、第3領域110c〜第6領域110fにおける±1次回折光に基づく出力信号S9,S10,S11,S12に基づいて、対物レンズシフト信号の生成およびホログラム110の位置調整を行うことが可能になる。
(第2の実施形態)
以下に本発明の第2の実施形態における光ピックアップ装置200について説明する。光ピックアップ装置200においては、半導体レーザチップ109および光検出器112がステム114に設けられておらず、またキャップ116により密封されていない点と、偏光ホログラム110の位置調整時に、偏光ホログラム110を保持しつつ、位置調整可能な位置調整冶具201が用いられる点以外は、第1の実施形態と同様である。以下、第1の実施形態と同一のものには同一の符号を付し、説明を省略する。
図7は、本発明の第2の実施形態における光ピックアップ装置200を簡略化して示す構成図である。図7(a)は、光ピックアップ装置200の構成を示す図であり、図7(b)は位置調整冶具201を簡略化して示す概略図である。
光ピックアップ装置200では、図7(a)に示すように、半導体レーザチップ109は、キャップ116などにより密封されず、外部に露出した状態でハウジング202に固定される。
そして第1および第2の受光素子111a〜111pが配置された光検出器112は、光分岐素子113の厚み方向下方に設けられ、たとえば合成樹脂材料から構成されるパッケージ203によって囲まれるようにして装着される。
偏光ホログラム110の位置調整時に用いられる位置調整冶具201は、たとえばステンレス鋼(SUS304)などにより構成される部材であり、図示しないXZθステージに繋がっており、このXZθステージを動作させることで、偏光ホログラム110を保持しつつ、偏光ホログラム110のXY面内における位置調整を行うことができる。
以下に、光ピックアップ装置200における偏光ホログラム110のXY面内における位置調整手順について説明する。
まず、対物レンズ105、開口絞り106、1/4波長板103およびカップリングレンズ102が、ハウジング202に対してあらかじめ定められた基準位置に取り付けられて搭載される。偏光ホログラム110は、図7(b)に示すように、位置調整冶具201によって偏光ホログラム110が設けられたガラス基板115が保持されることによって固定される。そして、パッケージ化された光検出器112の位置を図示しない冶具で保持した状態で、第2の受光素子111i〜111pにおける出力信号S9,S10,S11,S12を監視しながら、偏光ホログラム110のトラック(Y)方向への位置ずれに対して出力信号(S9+S10)と(S11+S12)とが等しくなるように、また偏光ホログラム110のラジアル(X)方向への位置ずれに対して出力信号(S9+S11)と(S10+S12)とが等しくなるように偏光ホログラム110を位置調整冶具201を用いて位置調整し、接着剤などによって接着して固定する。その後さらに、上記と同様にしてパッケージ化された光検出器112のトラック(Y)方向およびラジアル(X)方向における位置を微調整して固定する。このように位置調整を行うことで、接着による偏光ホログラム110の位置調整ずれを、パッケージ化された光検出器112の位置微調整によって補正することができる。また、光ピックアップ装置200は、偏光ホログラム110を保持しつつ、偏光ホログラム110を位置調整可能な位置調整冶具201を備えることにより、光ピックアップ装置200上で偏光ホログラム110直接位置調整することが可能になるため、位置調整した後の光集積化ユニット101を光ピックアップ装置に組み付ける工程をなくすことができる。
以上に述べたように、光ピックアップ装置100,200は、情報を記録するための第1および第2の情報記録層104a,104bを有する2層光ディスク104に対して、少なくとも情報の記録、再生および消去のうちいずれか1つを行うための光ピックアップ装置であって、光集積化ユニット101に備えられる、半導体レーザチップ109が2層光ディスク104に向けて光を出射し、偏光ホログラム110が2層光ディスク104からの反射光を0次回折光と±1次回折光とに回折分岐し、光検出器112に含まれる、第1の受光素子111a〜111dが0次回折光を受光し、第2の受光素子111e〜111pが±1次回折光を受光し、光分岐素子113が偏光ホログラム110からの回折光を第1の受光素子111a〜111dおよび第2の受光素子111e〜111pに導く。そして光学系が光集積化ユニット101から出射される光を2層光ディスク104に集光し、2層光ディスク104からの反射光を光集積化ユニット101に導き、演算器が第1の受光素子111a〜111dの出力信号に基づいて再生信号とメインプッシュプル信号とを生成し、第2の受光素子111e〜111pの出力信号に基づいて対物レンズシフト信号とフォーカス誤差信号とを生成する。
これにより、第1の受光素子111a〜111dおよび第2の受光素子111e〜111pを含む1つの光検出器112から再生信号と、トラッキング誤差信号を算出するためのMPP信号および対物レンズシフト信号と、フォーカス誤差信号とを得ることができ、装置を小型化することができる。また、2層光ディスク104からの反射光における0次回折光および±1次回折光を用いて上記各信号を得ることができるため、高い光利用効率を得ることができる。
本発明の第1の実施形態における光ピックアップ装置を簡略化して示す構成図である。 図1に示す光ピックアップ装置の光集積化ユニットの一部を拡大して示す斜視図である。 偏光ホログラムの分割領域を示す概略図である。 光検出器における第1および第2の受光素子の配置を示す概略図である。 偏光ホログラムが位置ずれしたときの状態を示す概略図である。 半導体レーザチップの出射光を一様分布としたときの、偏光ホログラムのトラック(Y)方向の位置ずれ量に対する偏光ホログラムの第1領域〜第6領域における光量変化量を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態における光ピックアップ装置を簡略化して示す構成図である。 従来の光ピックアップ装置を簡略化して示す構成図である。 図8に示す従来の光ピックアップ装置の光集積化ユニットの一部を拡大して示す斜視図である。
符号の説明
100,200 光ピックアップ装置
101 光集積化ユニット
102 カップリングレンズ
103 1/4波長板
104 2層光ディスク
105 対物レンズ
106 開口絞り
107 レンズホルダ
108 アクチュエータ
109 半導体レーザチップ
110 偏光ホログラム
111 受光素子
112 光検出器
113 光分岐素子
114 ステム
115 ガラス基板
116 キャップ
201 位置調整冶具
202 ハウジング
203 パッケージ

Claims (1)

  1. 光集積化ユニットに光源と回折素子と光検出手段と光分岐手段とを備え、情報を記録するための情報記録層と光透過層とを有する光記録媒体に向けて前記光源が光を出射し、前記回折素子が前記光記録媒体からの反射光を0次回折光と±1次回折光とに回折分岐し、前記光検出手段に含まれる、第1の受光素子が前記0次回折光を受光し、第2の受光素子が前記±1次回折光を受光し、前記光分岐手段が前記回折素子からの回折光を前記第1の受光素子および前記第2の受光素子に導き、
    光学系が前記光集積化ユニットから出射される光を前記光記録媒体に集光し、前記光記録媒体からの反射光を前記光集積化ユニットに導き、
    前記光学系は、前記光集積化ユニットから出射される光を前記光記録媒体の前記情報記録層に集光させるための対物レンズと、前記光集積化ユニットと前記対物レンズとの間に設けられ、前記光集積化ユニットから出射される光を略平行光にするカップリングレンズとを含み、
    前記光検出手段における前記第2の受光素子は、前記対物レンズの焦点距離をf1、前記カップリングレンズの焦点距離をf2、前記光記録媒体の前記情報記録層の間隔をt、前記光透過層の屈折率をnとした際に、前記光検出手段上の前記0次回折光の光軸を中心として半径(2t/n)(f2/f1)の円領域の外側に配置され、
    算出手段が前記第1の受光素子の出力信号に基づいて再生信号とプッシュプル信号とを生成し、前記第2の受光素子の出力信号に基づいて対物レンズシフト信号とフォーカス誤差信号とを生成する光ピックアップ装置における前記回折素子の位置調整方法であって、
    前記回折素子は、前記光記録媒体の半径方向に平行な3つの分割線により第1領域、第2領域ともう2つの領域とに分割され、前記もう2つの領域が、前記光記録媒体に形成されるトラックに対する接線方向に平行な分割線によってそれぞれ2分割され、第3領域、第4領域、第5領域および第6領域を形成して6つの領域を有するように構成され、前記回折素子のトラック方向に対する位置調整は、前記第3領域および前記第4領域における±1次回折光に基づく出力信号をそれぞれ足し合わせた出力信号と、前記第5領域および前記第6領域における±1次回折光に基づく出力信号をそれぞれ足し合わせた出力信号とが等しくなるように位置調整されることを特徴とする回折素子の位置調整方法。
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