JP3953171B2 - 車両用ドアサッシュ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ドアサッシュに関するものであり、特に、一枚の金属片を基礎に、ロール成形手段にて一体的に成形するようにするとともに、金属片の幅方向の端末部の接合をスポット溶接手段にて行わせるようにし、更に、当該スポット溶接時に生ずるスパッタ(飛沫)が、ドア外板面を形成するフランジ部の裏面側に飛散することのないようにした車両用ドアサッシュに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、一枚の金属片にて形成される車両用ドアサッシュは、特公平1−54139号公報に記載されているものの如く、ガラスランチャンネルを保持する溝部と、当該溝部の背面側に設けられるものであってウェザストリップ保持用のリテーナ部と、これら両者の側面部に設けられるものであってドア外板面の一部を形成するフランジ部とからなり、これらがロール成形手段等にて一体的に形成されるようになっているものである。そして更に、これらのうち、上記溝部及びリテーナ部の、それぞれの底面部がスポット溶接手段等にて接合され、強固に結合されるようになっているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この従来のものは、例えば図4に示す如く、一枚の金属片を基礎に一体的に成形されるようになっているとともに、上記溝部30とリテーナ部50とが、それぞれの底面部330、550にて背中合せ状に接合されるようになっているものである。そして、この背中合せ状の接合に際しては、図4に示す如く、上記金属片の幅方向の一端末部110を間に介在させた状態で、かつ、スポット溶接手段90を用いることによって、両者の結合(接合)が行なわれるようになっているものである。このスポット溶接手段90の実施に当っては、当該スポット溶接部から、多くの溶接スパッタが発生することとなる。そして、この溶接スパッタは、図4において、上記両底面部330、550のところから、上記溝部30及びリテーナ部50の、それぞれの側壁310、510とドア外板面の一部を形成するフランジ部10との間の隙間E1、E2へと飛散する。そして更に、これら飛散した溶接スパッタは、上記隙間E1、E2内にて、各壁面に付着することとなる。このような状態において、一体成形された本サッシュ型材を、ドアサッシュとして成形するために所定のベンディング加工等が成されると、このベンディング加工時に、上記フランジ部10のところが強く固定されること等によって、例えば、当該フランジ部10と上記リテーナ部50の側壁部510とは密着させられることとなる。その結果、上記フランジ部10の外表面部のところには、上記内面側に付着した溶接スパッタの作用により、キズ等が発生することとなる。そして、これらが外観形態を損ねるおそれがある。このような問題点を解決するために、上記フランジ部の内面側にはスポット溶接時における溶接スパッタ等が浸入することの無いようにした車両用ドアサッシュを提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。すなわち、ガラスランチャンネルの収納される溝部と、当該溝部の背面側に設けられるものであってウェザストリップの取り付けに供せられるリテーナ部と、これらリテーナ部及び溝部の側壁の間を連結するように形成されるものであってドア外板面の一部を形成するフランジ部と、からなる車両用ドアサッシュに関して、上記各部を、一枚の金属片を基礎に、ロール成形手段にて一体的に成形するとともに、上記金属片の幅方向の両端末部の接合を、上記溝部及びリテーナ部の両底面部のところにてスポット溶接手段にて行なわせるようにし、更に、上記溝部の底面部のところであって、その側壁部への連結部のところに、上記リテーナ部の底面部側へ突出するように形成されたビード状の突出部を設け、当該突出部のところを上記リテーナ部の底面部に密着させるようにした構成を採ることとした。
【0005】
このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては次のような作用を呈することとなる。すなわち、ガラスランチャンネルの収納される溝部及びウェザストリップの収納されるリテーナ部等を有するサッシュ型材の形成に当って、上記溝部の底面部とリテーナ部の底面部とが、スポット溶接手段にて接合されることとなるが、このとき、当該スポット溶接時に発生するスパッタ(溶接スパッタ)は、上記溝部の底面部のところに設けられたビード状の突出部のところで遮断され、ドア外板面の一部を形成するフランジ部の、その裏面側へは浸入して行かないようになる。その結果、車両用ドアサッシュとしてのベンディング加工等が成されるに際して、上記フランジ部のところが強く固定あるいは圧着されたとしても、上記フランジ部の表面側には溶接スパッタの浸入等に起因するキズ等の損傷の生ずるおそれが無くなる。
【0006】
また、上記溶接スパッタ等の遮断がガラスランチャンネルの収納される溝部側の底面部にて、すなわち、ビード状の突出部にて行なわれるようになっているので、仮に、ガラスランチャンネル等を伝ってこの部分に雨水等が浸入して来たとしても、当該雨水等は、上記ビード状の突出部を伝ってガラスランチャンネルの収納される溝部のところからドアの外側へと排出され、車室内へは浸入して来ることが無い。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1ないし図3を基に説明する。まず、本発明の実施の形態に関するものの、その構成は、図1に示す如く、ガラスランチャンネルCの収納される溝部3と、当該溝部3の背面側に設けられるものであって、ウェザストリップWの装着(取り付け)に供せられるリテーナ部5と、これら溝部3とリテーナ部5との間に設けられるものであってドア外板面の一部を形成するフランジ部6と、からなることを基本とするものである。そして、このような構成からなるサッシュ型材1が、一枚の金属片を基礎に、ロール成形手段等にて一体的に成形されるとともに、上記溝部3の底面部33とリテーナ部5の底面部55とがスポット溶接手段9にて接合されるようになっているものである。なお、このようなサッシュ型材1を形成する素材としては冷間圧延鋼板等が採用されるようになっている。
【0008】
そして、このような構成からなる溝部3とリテーナ部5との間に設けられるフランジ部6は、図1に示す如く、上記溝部3の外側の側壁部31と上記リテーナ部5の外側の側壁部51との間に形成されるようになっているものであり、ドア外板面の一部を成すようになっているものである。従って、その表面部は、見栄えの良い面を形成するものであることが要求され、本サッシュ型材1がロール成形手段等にて成形される際に、更には後に述べるベンディング加工時において、最も仕上げ面加工度が要求される部分である。
【0009】
なお、このような構成からなるものにおいて、上記溝部3の底面部33とリテーナ部5の底面部55とが背中合せ状に接合されるところには、両者33、55の間に、本サッシュ型材1を形成する金属片の、その幅方向の一端末部99が挿入されるとともに、この部分が、3枚合せの状態でスポット溶接手段9にて接合されるようになっているものである。すなわち、3枚合せ部にはスポット溶接手段からなるスポット溶接部9が設けられるようになっているものである。
【0010】
そして、これら底面部、特に溝部3側の底面部33のところであって当該底面部33と一方の側壁部31との連結部を成すところには、図1に示す如く、上記リテーナ部5の底面部55側へ突出するように形成されたビード状の突出部39が設けられるようになっているものである。そして、このビード状の突出部39の先端部は、上記リテーナ部5の底面部55と密着するようになっており、上記両底面部33、55間に設けられるスポット溶接部9側と上記フランジ部6の裏面側に形成される隙間Eとの間を遮断するようになっているものである。
【0011】
このような構成からなるサッシュ型材1が、所定のベンディング加工等を受けることによって、図2に示すような車両用ドアサッシュ11が形成されることとなる。
【0012】
次に、このような構成からなる本実施の形態のものについての、その作用等について説明する。まず、図1に示す如く、一枚の金属片を基にガラスランチャンネルCの収納される溝部3及びウェザストリップWの収納されるリテーナ部5等を有するサッシュ型材1がロール成形手段等により一体的に成形される。これら溝部3の底面部33とリテーナ部5の底面部55とが、スポット溶接手段9にて接合されることとなるが、このとき、当該スポット溶接部9からは溶接スパッタ(飛沫)が発生することとなる。そして、この溶接スパッタは、四方八方に飛び散ることとなる。しかしながら、本実施の形態のものにおいては、上記溶接スパッタは、上記溝部3の底面部33のところに設けられたビード状の突出部39とリテーナ部5の底面部55との接合部のところで遮断されることとなる。従って、ドア外板面の一部を形成するフランジ部6の、その裏面側に形成された隙間Eへは浸入して行かないようになる。その結果、図2に示すような車両用ドアサッシュ11としての形成に当って、ベンディング加工等が施されるに際して、上記フランジ部6のところが治具等によって強く固定あるいは圧着されたとしても、上記フランジ部6の表面側には溶接スパッタの浸入等に起因するキズ等の損傷の発生するおそれが無くなる。
【0013】
また、上記溶接スパッタ等の遮断がガラスランチャンネルCの収納される溝部3側の底面部33にて、すなわち、ビード状突出部39にて行なわれるようになっているので、仮に、ガラスランチャンネル等を伝ってこの部分(39)に雨水等が浸入して来たとしても、当該雨水等は、上記ビード状突出部39を伝ってガラスランチャンネルの収納される溝部3のところからドアの外側へと排出され、車室内へは浸入して来ないようになる。従って、図3に示す他の例のものの如く、例えばウェザストリップWの収納されるリテーナ部5側にビード状突出部59を設けるようにしたものに較べて、雨水の浸入に対する防止策においても優れた作用を呈することとなる。すなわち、図3に示す如く、リテーナ部5側にビード状突出部59を設けるようにしたものにおいては、例えばドアサッシュの変形等によりウェザストリップWとリテーナ部5との沿いが悪くなっていると、図3の矢印図示の如く、雨水等は側壁部51に沿って上記ビード状突出部59のところへと浸入して来る。そして、ここに浸入して来た雨水等は当該ビード状突出部59のところを樋代わりに伝って落下するとともに、最終的にドアの内側、すなわち、車室内側へと浸入してくるおそれがある。これに対して、本実施の形態のものにおいては、ビード状突出部39はドアガラスの収納される溝部3側に設けられるようになっているので、このビード状突出部39のところを樋代わりに伝って来た雨水等も、最終的にはドアの外側へと排出されることとなる。従って、上記のような問題点は生ずるおそれがない。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、ガラスランチャンネルの収納される溝部と、当該溝部の背面側に設けられるものであってウェザストリップの取り付けに供せられるリテーナ部と、これらリテーナ部及び溝部の側壁の間を連結するように形成されるものであってドア外板面の一部を形成するフランジ部と、からなる車両用ドアサッシュに関して、上記各部を、一枚の金属片を基礎に、ロール成形手段にて一体的に成形するとともに、上記金属片の幅方向の両端末部の接合を、上記溝部及びリテーナ部の両底面部のところにてスポット溶接手段にて行なわせるようにし、更に、上記溝部の底面部のところであって、その側壁部への連結部のところに、上記リテーナ部の底面部側へ突出するように形成されたビード状の突出部を設け、当該突出部のところを上記リテーナ部の底面部に密着させるようにした構成を採ることとしたので、上記スポット溶接手段によって生ずる溶接スパッタの、上記フランジ部裏面側への浸入を防止することができるようになった。その結果、本サッシュ型材が、車両用ドアサッシュとしてベンディング加工等を受けるに際して、上記フランジ部のところに、不適当な損傷やキズ等の生ずるのを未然に防止することができるようになった。従って、ドア外板面の一部を形成する上記フランジ部の見栄えを向上させることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるサッシュ型材の全体構成を示す横断面図である。
【図2】本発明にかかるサッシュ型材を用いた車両用ドアサッシュの全体構成を示す図である。
【図3】本発明に関連する他の車両用ドアサッシュについての全体構成を示す横断面図である。
【図4】従来例の全体構成を示す図である。
【符号の説明】
1 サッシュ型材
11 車両用ドアサッシュ
3 溝部
31 側壁部
33 底面部
39 突出部(ビード状突出部)
5 リテーナ部
51 側壁部
55 底面部
59 ビード状突出部
6 フランジ部
9 スポット溶接部(スポット溶接手段)
99 幅方向の端末部
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ドアサッシュに関するものであり、特に、一枚の金属片を基礎に、ロール成形手段にて一体的に成形するようにするとともに、金属片の幅方向の端末部の接合をスポット溶接手段にて行わせるようにし、更に、当該スポット溶接時に生ずるスパッタ(飛沫)が、ドア外板面を形成するフランジ部の裏面側に飛散することのないようにした車両用ドアサッシュに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、一枚の金属片にて形成される車両用ドアサッシュは、特公平1−54139号公報に記載されているものの如く、ガラスランチャンネルを保持する溝部と、当該溝部の背面側に設けられるものであってウェザストリップ保持用のリテーナ部と、これら両者の側面部に設けられるものであってドア外板面の一部を形成するフランジ部とからなり、これらがロール成形手段等にて一体的に形成されるようになっているものである。そして更に、これらのうち、上記溝部及びリテーナ部の、それぞれの底面部がスポット溶接手段等にて接合され、強固に結合されるようになっているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この従来のものは、例えば図4に示す如く、一枚の金属片を基礎に一体的に成形されるようになっているとともに、上記溝部30とリテーナ部50とが、それぞれの底面部330、550にて背中合せ状に接合されるようになっているものである。そして、この背中合せ状の接合に際しては、図4に示す如く、上記金属片の幅方向の一端末部110を間に介在させた状態で、かつ、スポット溶接手段90を用いることによって、両者の結合(接合)が行なわれるようになっているものである。このスポット溶接手段90の実施に当っては、当該スポット溶接部から、多くの溶接スパッタが発生することとなる。そして、この溶接スパッタは、図4において、上記両底面部330、550のところから、上記溝部30及びリテーナ部50の、それぞれの側壁310、510とドア外板面の一部を形成するフランジ部10との間の隙間E1、E2へと飛散する。そして更に、これら飛散した溶接スパッタは、上記隙間E1、E2内にて、各壁面に付着することとなる。このような状態において、一体成形された本サッシュ型材を、ドアサッシュとして成形するために所定のベンディング加工等が成されると、このベンディング加工時に、上記フランジ部10のところが強く固定されること等によって、例えば、当該フランジ部10と上記リテーナ部50の側壁部510とは密着させられることとなる。その結果、上記フランジ部10の外表面部のところには、上記内面側に付着した溶接スパッタの作用により、キズ等が発生することとなる。そして、これらが外観形態を損ねるおそれがある。このような問題点を解決するために、上記フランジ部の内面側にはスポット溶接時における溶接スパッタ等が浸入することの無いようにした車両用ドアサッシュを提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。すなわち、ガラスランチャンネルの収納される溝部と、当該溝部の背面側に設けられるものであってウェザストリップの取り付けに供せられるリテーナ部と、これらリテーナ部及び溝部の側壁の間を連結するように形成されるものであってドア外板面の一部を形成するフランジ部と、からなる車両用ドアサッシュに関して、上記各部を、一枚の金属片を基礎に、ロール成形手段にて一体的に成形するとともに、上記金属片の幅方向の両端末部の接合を、上記溝部及びリテーナ部の両底面部のところにてスポット溶接手段にて行なわせるようにし、更に、上記溝部の底面部のところであって、その側壁部への連結部のところに、上記リテーナ部の底面部側へ突出するように形成されたビード状の突出部を設け、当該突出部のところを上記リテーナ部の底面部に密着させるようにした構成を採ることとした。
【0005】
このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては次のような作用を呈することとなる。すなわち、ガラスランチャンネルの収納される溝部及びウェザストリップの収納されるリテーナ部等を有するサッシュ型材の形成に当って、上記溝部の底面部とリテーナ部の底面部とが、スポット溶接手段にて接合されることとなるが、このとき、当該スポット溶接時に発生するスパッタ(溶接スパッタ)は、上記溝部の底面部のところに設けられたビード状の突出部のところで遮断され、ドア外板面の一部を形成するフランジ部の、その裏面側へは浸入して行かないようになる。その結果、車両用ドアサッシュとしてのベンディング加工等が成されるに際して、上記フランジ部のところが強く固定あるいは圧着されたとしても、上記フランジ部の表面側には溶接スパッタの浸入等に起因するキズ等の損傷の生ずるおそれが無くなる。
【0006】
また、上記溶接スパッタ等の遮断がガラスランチャンネルの収納される溝部側の底面部にて、すなわち、ビード状の突出部にて行なわれるようになっているので、仮に、ガラスランチャンネル等を伝ってこの部分に雨水等が浸入して来たとしても、当該雨水等は、上記ビード状の突出部を伝ってガラスランチャンネルの収納される溝部のところからドアの外側へと排出され、車室内へは浸入して来ることが無い。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1ないし図3を基に説明する。まず、本発明の実施の形態に関するものの、その構成は、図1に示す如く、ガラスランチャンネルCの収納される溝部3と、当該溝部3の背面側に設けられるものであって、ウェザストリップWの装着(取り付け)に供せられるリテーナ部5と、これら溝部3とリテーナ部5との間に設けられるものであってドア外板面の一部を形成するフランジ部6と、からなることを基本とするものである。そして、このような構成からなるサッシュ型材1が、一枚の金属片を基礎に、ロール成形手段等にて一体的に成形されるとともに、上記溝部3の底面部33とリテーナ部5の底面部55とがスポット溶接手段9にて接合されるようになっているものである。なお、このようなサッシュ型材1を形成する素材としては冷間圧延鋼板等が採用されるようになっている。
【0008】
そして、このような構成からなる溝部3とリテーナ部5との間に設けられるフランジ部6は、図1に示す如く、上記溝部3の外側の側壁部31と上記リテーナ部5の外側の側壁部51との間に形成されるようになっているものであり、ドア外板面の一部を成すようになっているものである。従って、その表面部は、見栄えの良い面を形成するものであることが要求され、本サッシュ型材1がロール成形手段等にて成形される際に、更には後に述べるベンディング加工時において、最も仕上げ面加工度が要求される部分である。
【0009】
なお、このような構成からなるものにおいて、上記溝部3の底面部33とリテーナ部5の底面部55とが背中合せ状に接合されるところには、両者33、55の間に、本サッシュ型材1を形成する金属片の、その幅方向の一端末部99が挿入されるとともに、この部分が、3枚合せの状態でスポット溶接手段9にて接合されるようになっているものである。すなわち、3枚合せ部にはスポット溶接手段からなるスポット溶接部9が設けられるようになっているものである。
【0010】
そして、これら底面部、特に溝部3側の底面部33のところであって当該底面部33と一方の側壁部31との連結部を成すところには、図1に示す如く、上記リテーナ部5の底面部55側へ突出するように形成されたビード状の突出部39が設けられるようになっているものである。そして、このビード状の突出部39の先端部は、上記リテーナ部5の底面部55と密着するようになっており、上記両底面部33、55間に設けられるスポット溶接部9側と上記フランジ部6の裏面側に形成される隙間Eとの間を遮断するようになっているものである。
【0011】
このような構成からなるサッシュ型材1が、所定のベンディング加工等を受けることによって、図2に示すような車両用ドアサッシュ11が形成されることとなる。
【0012】
次に、このような構成からなる本実施の形態のものについての、その作用等について説明する。まず、図1に示す如く、一枚の金属片を基にガラスランチャンネルCの収納される溝部3及びウェザストリップWの収納されるリテーナ部5等を有するサッシュ型材1がロール成形手段等により一体的に成形される。これら溝部3の底面部33とリテーナ部5の底面部55とが、スポット溶接手段9にて接合されることとなるが、このとき、当該スポット溶接部9からは溶接スパッタ(飛沫)が発生することとなる。そして、この溶接スパッタは、四方八方に飛び散ることとなる。しかしながら、本実施の形態のものにおいては、上記溶接スパッタは、上記溝部3の底面部33のところに設けられたビード状の突出部39とリテーナ部5の底面部55との接合部のところで遮断されることとなる。従って、ドア外板面の一部を形成するフランジ部6の、その裏面側に形成された隙間Eへは浸入して行かないようになる。その結果、図2に示すような車両用ドアサッシュ11としての形成に当って、ベンディング加工等が施されるに際して、上記フランジ部6のところが治具等によって強く固定あるいは圧着されたとしても、上記フランジ部6の表面側には溶接スパッタの浸入等に起因するキズ等の損傷の発生するおそれが無くなる。
【0013】
また、上記溶接スパッタ等の遮断がガラスランチャンネルCの収納される溝部3側の底面部33にて、すなわち、ビード状突出部39にて行なわれるようになっているので、仮に、ガラスランチャンネル等を伝ってこの部分(39)に雨水等が浸入して来たとしても、当該雨水等は、上記ビード状突出部39を伝ってガラスランチャンネルの収納される溝部3のところからドアの外側へと排出され、車室内へは浸入して来ないようになる。従って、図3に示す他の例のものの如く、例えばウェザストリップWの収納されるリテーナ部5側にビード状突出部59を設けるようにしたものに較べて、雨水の浸入に対する防止策においても優れた作用を呈することとなる。すなわち、図3に示す如く、リテーナ部5側にビード状突出部59を設けるようにしたものにおいては、例えばドアサッシュの変形等によりウェザストリップWとリテーナ部5との沿いが悪くなっていると、図3の矢印図示の如く、雨水等は側壁部51に沿って上記ビード状突出部59のところへと浸入して来る。そして、ここに浸入して来た雨水等は当該ビード状突出部59のところを樋代わりに伝って落下するとともに、最終的にドアの内側、すなわち、車室内側へと浸入してくるおそれがある。これに対して、本実施の形態のものにおいては、ビード状突出部39はドアガラスの収納される溝部3側に設けられるようになっているので、このビード状突出部39のところを樋代わりに伝って来た雨水等も、最終的にはドアの外側へと排出されることとなる。従って、上記のような問題点は生ずるおそれがない。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、ガラスランチャンネルの収納される溝部と、当該溝部の背面側に設けられるものであってウェザストリップの取り付けに供せられるリテーナ部と、これらリテーナ部及び溝部の側壁の間を連結するように形成されるものであってドア外板面の一部を形成するフランジ部と、からなる車両用ドアサッシュに関して、上記各部を、一枚の金属片を基礎に、ロール成形手段にて一体的に成形するとともに、上記金属片の幅方向の両端末部の接合を、上記溝部及びリテーナ部の両底面部のところにてスポット溶接手段にて行なわせるようにし、更に、上記溝部の底面部のところであって、その側壁部への連結部のところに、上記リテーナ部の底面部側へ突出するように形成されたビード状の突出部を設け、当該突出部のところを上記リテーナ部の底面部に密着させるようにした構成を採ることとしたので、上記スポット溶接手段によって生ずる溶接スパッタの、上記フランジ部裏面側への浸入を防止することができるようになった。その結果、本サッシュ型材が、車両用ドアサッシュとしてベンディング加工等を受けるに際して、上記フランジ部のところに、不適当な損傷やキズ等の生ずるのを未然に防止することができるようになった。従って、ドア外板面の一部を形成する上記フランジ部の見栄えを向上させることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるサッシュ型材の全体構成を示す横断面図である。
【図2】本発明にかかるサッシュ型材を用いた車両用ドアサッシュの全体構成を示す図である。
【図3】本発明に関連する他の車両用ドアサッシュについての全体構成を示す横断面図である。
【図4】従来例の全体構成を示す図である。
【符号の説明】
1 サッシュ型材
11 車両用ドアサッシュ
3 溝部
31 側壁部
33 底面部
39 突出部(ビード状突出部)
5 リテーナ部
51 側壁部
55 底面部
59 ビード状突出部
6 フランジ部
9 スポット溶接部(スポット溶接手段)
99 幅方向の端末部
Claims (1)
- ガラスランチャンネルの収納される溝部と、当該溝部の背面側に設けられるものであってウェザストリップの取り付けに供せられるリテーナ部と、これらリテーナ部及び溝部の側壁の間を連結するように形成されるものであってドア外板面の一部を形成するフランジ部と、からなる車両用ドアサッシュにおいて、上記各部を、一枚の金属片を基礎に、ロール成形手段にて一体的に成形するとともに、上記金属片の幅方向の両端末部の接合を、上記溝部及びリテーナ部の両底面部のところにてスポット溶接手段にて行なわせるようにし、更に、上記溝部の底面部のところであって、その側壁部への連結部のところに、上記リテーナ部の底面部側へ突出するように形成されたビード状の突出部を設け、当該突出部のところを上記リテーナ部の底面部に密着させるようにしたことを特徴とする車両用ドアサッシュ。
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