JP3820904B2 - 自動車の後部車体構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バックドアを有する車両の後部車体構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ワゴン車等のバックドア開口縁の下部コーナー部(図1のX部)は図2に示すように、バックドア開口の側縁を形成するリヤピラー1とバックドア開口の下縁を形成するテールクロスメンバ4とが結合されている。図5および図6に示すように、従来、リヤピラー1は、インナパネル11と、その外側のリインフォースメント12とで縦方向に閉断面をなし、リヤピラー1はその車外面がクォーターパネル2とその後端縁に結合したオープニングサイドフレーム3とで囲まれている。リヤピラー1の下端の端末は若干車内側へ向けてL字形に屈曲している。一方、テールクロスメンバ4はテールクロスインナ41とテールクロスアウタ42およびフロアパネル5の後端部51とで横方向に閉断面をなし、側端はテールクロスアウタ42の側壁43で塞いでいる。
【0003】
リヤピラー1とテールクロスメンバ4の結合部は、リインフォースメント12下端末の車内側へ突出せしめた突出部13をテールクロスアウタ42の側端外面に重ね合わせて溶接するとともに、テールクロスインナ41の車外側へ突出せしめた側端部44をリヤピラー1のインナパネル11の下端外面に重ね合わせて溶接し、かつ、テールクロスメンバ4上のフロアパネル5の後端部51側縁をインナパネル11の下端の端末14の上面に重ね合わせて溶接してリヤピラー1の縦方向の閉断面とテールクロスメンバ4の横方向の閉断面とを合体させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の後部車体構造では、リヤピラー1の下端とテールクロスメンバ4の側端との結合部において、リヤピラー1のインナパネル11の下端の端末14とリインフォースメント12の下端の突出部13との間は開口しており、この下端の端末開口Yにより縦方向の閉断面が構成されず、リヤピラー1下端、特に端末開口Yまわりの剛性が不充分であるため、バックドア開口まわりに作用する大負荷に対してリヤピラー1とテールクロスメンバ4との結合部の剛性が必ずしも充分とはいえない。そこで、結合部の剛性を確保するためリヤピラー1やテールクロスメンバ4の板厚を厚くすることがなされていたが、重量およびコストが増加する。本発明は、リヤピラーやテールクロスメンバの板厚を厚くすることなく、両者の結合部の剛性を強化する自動車の後部車体構造を実現することを課題としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、バックドア開口の側縁を構成しインナパネルとその外側のリインフォースメントとで縦方向の閉断面をなすリヤピラーの車内側へ屈曲する下端の端末と、バックドア開口の下縁を構成しテールクロスインナおよびテールクロスアウタとで横方向の閉断面をなすテールクロスメンバの側端とを結合する自動車の後部車体構造において、上記リヤピラーと上記テールクロスメンバとの結合部内に、テールクロスメンバの側端を塞ぐ側壁に対向して、リヤピラーの下端の端末開口を塞ぐ縦壁を形成し、リヤピラーの縦方向の閉断面をリヤピラーの下端の端末まで連続せしめた構造とする(請求項1)。リヤピラーの下端の端末開口を塞ぐ縦壁を設けて縦方向の閉断面をリヤピラーの下端の端末まで連続せしめたので、リヤピラーの下端の剛性を強化でき、もってリヤピラーの下端とテールクロスメンバの側端との結合部の剛性を強化できる。
【0006】
上記リヤピラーと上記テールクロスメンバとの結合部は、リヤピラーの上記リインフォースメントの車内側へ突出する下端末をテールクロスメンバの上記テールクロスアウタの外面に重合結合するとともに、テールクロスメンバの上記テールクロスインナの車外側へ突出せしめた側端末をリヤピラーの上記インナパネルの外面に重合結合し、リヤピラーのインナパネルの下端の端末にリインフォースメントの上記下端末側へ張り出す上記縦壁を形成し、縦壁の端縁をリインフォースメントの下端末の内面に結合してリヤピラーの下端の端末を塞ぐ(請求項2)。縦壁はリヤピラーのインナパネルの下端の端末に一体形成したので構造の簡素化がはかれ、重量およびコストの増加も極めて少なくすむ。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1に示すワゴン車の後部車体のバックドア開口縁の下部コーナー部(X部)は、図2および図3(A),(B)に示すように、バックドア開口の側縁をなす縦方向に延びる閉断面構造のリヤピラー1の下端と、バックドア開口の側縁をなす横方向に延びる閉断面構造のテールクロスメンバ4の側端とを結合することで構成してある。
【0008】
リヤピラー1は、図2ないし図4に示すように、車内側へ膨出する断面形状のインナパネル11と、車外側へ膨出する断面形状のリインフォースメント12とで構成され、これらの前縁フランジおよび後縁フランジどうしを溶接して縦方向に延びる閉断面をなす。リヤピラー1の下端は、車内側へ向かってほぼL字形に屈曲し、インナパネル11とリインフォースメント12の下縁フランジどうしを溶接して閉じてある。リインフォースメント12の下端末には若干車体後方へ張り出しつつ車内側へ突出する突出部13が形成してあり、その車内側への突出量はインナパネル11の車内側の下端の端末14よりも長くしてある。突出部13の断面形状は前向きのほぼコ字形で上縁に後方へ折り返した上縁フランジを形成してあり、後述のテールクロスアウタ42の断面形状とほぼ同形でかつひとまわり大きくしてある。
【0009】
図3(A),(B)および図4に示すように、リヤピラー1は下端の車内側の端末が縦壁15により塞いである。縦壁15はインナパネル11と一体で、インナパネル11の車内側の下端の端末14から後方へ屈折してリインフォースメント12の突出部13に向けて張り出している。縦壁15の周縁は突出部13の内面に沿うように形成してあり、縦壁15はその後縁フランジ16を突出部13の内面に重ね合わせて溶接してある。
【0010】
図2および図3(A),(B)に示すように、リヤピラー1はその車外側の外面をクォーターパネル2と、その後縁に結合したオープニングサイドフレーム3とで覆ってある。オープニングサイドフレーム3は下端が車内側へL字形に屈曲し、リインフォースメント12の突出部13の外面に沿う突出部31が形成してあり、両者13,31は重ね合わせて溶接してある。リヤピラー1のインナパネル11の中間には、テールクロスメンバ4との溶接作業時に溶接具等を挿入するサービスホール17が形成してある。
【0011】
テールクロスメンバ4は、車幅方向帯状に延びるテールクロスインナ41と、断面形状前向きのほぼコ字形をなし上縁に後方へ折り返した上縁フランジを形成したテールクロスアウタ42とで構成され、テールクロスインナ41の下縁とテールクロスアウタ42の下縁フランジとを溶接するとともに、テールクロスインナ41の上縁とテールクロスアウタ42の上縁フランジとの間の上部開口をフロアパネル5の後端部51で塞いで横方向に延びる閉断面をなす。フロアパネル5の後端部51はフロアパネル5の一般面に対して間に段差を介して高くしてあり、一般面との間の段差面に沿ってテールクロスインナ41の上縁を溶接し、後端部51の後縁とテールクロスアウタ42の上縁フランジとを溶接してある。
【0012】
テールクロスインナ41はその全長がテールクロスアウタ42よりも長めに形成してあり、テールクロスインナ41の側端には前斜め車外側へ屈曲する側端部44が形成してある。一方、テールクロスアウタ42の側端には前斜め車外側へ屈曲する側壁43が形成してあり、側壁43はその先端縁をテールクロスインナ41の屈曲部に溶接してテールクロスメンバ4の側端を塞いでいる。テールクロスアウタ42の後面側端にはサービスホール45が形成してある。
【0013】
リヤピラー1の下端とテールクロスメンバ4の側端とは、リヤピラー1のリインフォースメント12の突出部13の内面にテールクロスアウタ42のサービスホール45よりも車外側の側端外面を重ね合わせて溶接するとともに、テールクロスインナ41の側端部44をリヤピラー1のインナパネル11の下端のサービスホール17下方の外面に重ね合わせて側端部44の上縁および下縁を溶接し、更に、フロアパネル5の後端部51の側縁をリヤピラー1のインナパネル11の下端の端末14の上面に重ね合わせて溶接せしめて、リヤピラー1の閉断面とテールクロスメンバ4の閉断面とが合体するように結合してある。また、テールクロスインナ41の側端部44の前端縦縁は車両前後方向に設置したリヤフロアサイド6の後端縦縁が結合してあり、テールクロスインナ41の側端部44の上縁およびリヤフロアサイド6の上縁にはフロアパネル5の側縁フランジが溶接してある。
【0014】
これによれば、リヤピラー1の下端とテールクロスメンバ4の側端との結合部内において、テールクロスメンバ4の側端を塞ぐテールクロスメンバ4の側壁43に対向して、リヤピラー1の車内側へ向かう下端の端末に、インナパネル11と一体に縦壁15を形成し、その後縁16をリインフォースメント12の突出部13内面に接合して従来の問題であったリヤピラー1の下端の端末開口Y(図5,図6)を塞ぎ、リヤピラー1の縦方向に延びる閉断面を下端の端末まで連続せしめるようにしたので、リヤピラー1の下端、特に下端の端末の剛性を強化でき、もって、リヤピラー1の下端とテールクロスメンバ4の側端との結合部の剛性を強化することができる。また、増設した部材は縦壁15のみですみ、構造簡素で、重量およびコストの増加は極めて少なくすむ。
【0015】
【発明の効果】
本発明の自動車の後部車体構造によれば、後部車体を構成するリヤピラーやテールクロスメンバの板厚を厚くすることなく両者の結合部の剛性を向上することができ、バックドア開口まわりに作用する大負荷に対して剛性の高い後部車体構造を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バックドア開口を備えたワゴン車の後部斜視図である。
【図2】本発明を適用する後部車体構造の車外側から見た斜視図である。
【図3】本発明の後部車体構造を示すもので、図3(A)は車内側から見た斜視図、図3(B)は図3(A)のIIIB−IIIB線に沿う位置での断面図である。
【図4】本発明の後部車体構造の要部(リヤピラーの下端)の車内側から見た斜視図である。
【図5】従来の後部車体構造の車内側から見た斜視図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 リヤピラー
11 インナパネル
12 リインフォースメント
13 リインフォースメントの下端末(突出部)
14 インナパネルの下端の端末
15 縦壁
16 端縁(後縁フランジ)
2 クォーターパネル
3 オープニングサイドフレーム
4 テールクロスメンバ
41 テールクロスインナ
42 テールクロスアウタ
43 側壁
44 テールクロスインナの側端末(側端部)
【発明の属する技術分野】
本発明は、バックドアを有する車両の後部車体構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ワゴン車等のバックドア開口縁の下部コーナー部(図1のX部)は図2に示すように、バックドア開口の側縁を形成するリヤピラー1とバックドア開口の下縁を形成するテールクロスメンバ4とが結合されている。図5および図6に示すように、従来、リヤピラー1は、インナパネル11と、その外側のリインフォースメント12とで縦方向に閉断面をなし、リヤピラー1はその車外面がクォーターパネル2とその後端縁に結合したオープニングサイドフレーム3とで囲まれている。リヤピラー1の下端の端末は若干車内側へ向けてL字形に屈曲している。一方、テールクロスメンバ4はテールクロスインナ41とテールクロスアウタ42およびフロアパネル5の後端部51とで横方向に閉断面をなし、側端はテールクロスアウタ42の側壁43で塞いでいる。
【0003】
リヤピラー1とテールクロスメンバ4の結合部は、リインフォースメント12下端末の車内側へ突出せしめた突出部13をテールクロスアウタ42の側端外面に重ね合わせて溶接するとともに、テールクロスインナ41の車外側へ突出せしめた側端部44をリヤピラー1のインナパネル11の下端外面に重ね合わせて溶接し、かつ、テールクロスメンバ4上のフロアパネル5の後端部51側縁をインナパネル11の下端の端末14の上面に重ね合わせて溶接してリヤピラー1の縦方向の閉断面とテールクロスメンバ4の横方向の閉断面とを合体させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の後部車体構造では、リヤピラー1の下端とテールクロスメンバ4の側端との結合部において、リヤピラー1のインナパネル11の下端の端末14とリインフォースメント12の下端の突出部13との間は開口しており、この下端の端末開口Yにより縦方向の閉断面が構成されず、リヤピラー1下端、特に端末開口Yまわりの剛性が不充分であるため、バックドア開口まわりに作用する大負荷に対してリヤピラー1とテールクロスメンバ4との結合部の剛性が必ずしも充分とはいえない。そこで、結合部の剛性を確保するためリヤピラー1やテールクロスメンバ4の板厚を厚くすることがなされていたが、重量およびコストが増加する。本発明は、リヤピラーやテールクロスメンバの板厚を厚くすることなく、両者の結合部の剛性を強化する自動車の後部車体構造を実現することを課題としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、バックドア開口の側縁を構成しインナパネルとその外側のリインフォースメントとで縦方向の閉断面をなすリヤピラーの車内側へ屈曲する下端の端末と、バックドア開口の下縁を構成しテールクロスインナおよびテールクロスアウタとで横方向の閉断面をなすテールクロスメンバの側端とを結合する自動車の後部車体構造において、上記リヤピラーと上記テールクロスメンバとの結合部内に、テールクロスメンバの側端を塞ぐ側壁に対向して、リヤピラーの下端の端末開口を塞ぐ縦壁を形成し、リヤピラーの縦方向の閉断面をリヤピラーの下端の端末まで連続せしめた構造とする(請求項1)。リヤピラーの下端の端末開口を塞ぐ縦壁を設けて縦方向の閉断面をリヤピラーの下端の端末まで連続せしめたので、リヤピラーの下端の剛性を強化でき、もってリヤピラーの下端とテールクロスメンバの側端との結合部の剛性を強化できる。
【0006】
上記リヤピラーと上記テールクロスメンバとの結合部は、リヤピラーの上記リインフォースメントの車内側へ突出する下端末をテールクロスメンバの上記テールクロスアウタの外面に重合結合するとともに、テールクロスメンバの上記テールクロスインナの車外側へ突出せしめた側端末をリヤピラーの上記インナパネルの外面に重合結合し、リヤピラーのインナパネルの下端の端末にリインフォースメントの上記下端末側へ張り出す上記縦壁を形成し、縦壁の端縁をリインフォースメントの下端末の内面に結合してリヤピラーの下端の端末を塞ぐ(請求項2)。縦壁はリヤピラーのインナパネルの下端の端末に一体形成したので構造の簡素化がはかれ、重量およびコストの増加も極めて少なくすむ。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1に示すワゴン車の後部車体のバックドア開口縁の下部コーナー部(X部)は、図2および図3(A),(B)に示すように、バックドア開口の側縁をなす縦方向に延びる閉断面構造のリヤピラー1の下端と、バックドア開口の側縁をなす横方向に延びる閉断面構造のテールクロスメンバ4の側端とを結合することで構成してある。
【0008】
リヤピラー1は、図2ないし図4に示すように、車内側へ膨出する断面形状のインナパネル11と、車外側へ膨出する断面形状のリインフォースメント12とで構成され、これらの前縁フランジおよび後縁フランジどうしを溶接して縦方向に延びる閉断面をなす。リヤピラー1の下端は、車内側へ向かってほぼL字形に屈曲し、インナパネル11とリインフォースメント12の下縁フランジどうしを溶接して閉じてある。リインフォースメント12の下端末には若干車体後方へ張り出しつつ車内側へ突出する突出部13が形成してあり、その車内側への突出量はインナパネル11の車内側の下端の端末14よりも長くしてある。突出部13の断面形状は前向きのほぼコ字形で上縁に後方へ折り返した上縁フランジを形成してあり、後述のテールクロスアウタ42の断面形状とほぼ同形でかつひとまわり大きくしてある。
【0009】
図3(A),(B)および図4に示すように、リヤピラー1は下端の車内側の端末が縦壁15により塞いである。縦壁15はインナパネル11と一体で、インナパネル11の車内側の下端の端末14から後方へ屈折してリインフォースメント12の突出部13に向けて張り出している。縦壁15の周縁は突出部13の内面に沿うように形成してあり、縦壁15はその後縁フランジ16を突出部13の内面に重ね合わせて溶接してある。
【0010】
図2および図3(A),(B)に示すように、リヤピラー1はその車外側の外面をクォーターパネル2と、その後縁に結合したオープニングサイドフレーム3とで覆ってある。オープニングサイドフレーム3は下端が車内側へL字形に屈曲し、リインフォースメント12の突出部13の外面に沿う突出部31が形成してあり、両者13,31は重ね合わせて溶接してある。リヤピラー1のインナパネル11の中間には、テールクロスメンバ4との溶接作業時に溶接具等を挿入するサービスホール17が形成してある。
【0011】
テールクロスメンバ4は、車幅方向帯状に延びるテールクロスインナ41と、断面形状前向きのほぼコ字形をなし上縁に後方へ折り返した上縁フランジを形成したテールクロスアウタ42とで構成され、テールクロスインナ41の下縁とテールクロスアウタ42の下縁フランジとを溶接するとともに、テールクロスインナ41の上縁とテールクロスアウタ42の上縁フランジとの間の上部開口をフロアパネル5の後端部51で塞いで横方向に延びる閉断面をなす。フロアパネル5の後端部51はフロアパネル5の一般面に対して間に段差を介して高くしてあり、一般面との間の段差面に沿ってテールクロスインナ41の上縁を溶接し、後端部51の後縁とテールクロスアウタ42の上縁フランジとを溶接してある。
【0012】
テールクロスインナ41はその全長がテールクロスアウタ42よりも長めに形成してあり、テールクロスインナ41の側端には前斜め車外側へ屈曲する側端部44が形成してある。一方、テールクロスアウタ42の側端には前斜め車外側へ屈曲する側壁43が形成してあり、側壁43はその先端縁をテールクロスインナ41の屈曲部に溶接してテールクロスメンバ4の側端を塞いでいる。テールクロスアウタ42の後面側端にはサービスホール45が形成してある。
【0013】
リヤピラー1の下端とテールクロスメンバ4の側端とは、リヤピラー1のリインフォースメント12の突出部13の内面にテールクロスアウタ42のサービスホール45よりも車外側の側端外面を重ね合わせて溶接するとともに、テールクロスインナ41の側端部44をリヤピラー1のインナパネル11の下端のサービスホール17下方の外面に重ね合わせて側端部44の上縁および下縁を溶接し、更に、フロアパネル5の後端部51の側縁をリヤピラー1のインナパネル11の下端の端末14の上面に重ね合わせて溶接せしめて、リヤピラー1の閉断面とテールクロスメンバ4の閉断面とが合体するように結合してある。また、テールクロスインナ41の側端部44の前端縦縁は車両前後方向に設置したリヤフロアサイド6の後端縦縁が結合してあり、テールクロスインナ41の側端部44の上縁およびリヤフロアサイド6の上縁にはフロアパネル5の側縁フランジが溶接してある。
【0014】
これによれば、リヤピラー1の下端とテールクロスメンバ4の側端との結合部内において、テールクロスメンバ4の側端を塞ぐテールクロスメンバ4の側壁43に対向して、リヤピラー1の車内側へ向かう下端の端末に、インナパネル11と一体に縦壁15を形成し、その後縁16をリインフォースメント12の突出部13内面に接合して従来の問題であったリヤピラー1の下端の端末開口Y(図5,図6)を塞ぎ、リヤピラー1の縦方向に延びる閉断面を下端の端末まで連続せしめるようにしたので、リヤピラー1の下端、特に下端の端末の剛性を強化でき、もって、リヤピラー1の下端とテールクロスメンバ4の側端との結合部の剛性を強化することができる。また、増設した部材は縦壁15のみですみ、構造簡素で、重量およびコストの増加は極めて少なくすむ。
【0015】
【発明の効果】
本発明の自動車の後部車体構造によれば、後部車体を構成するリヤピラーやテールクロスメンバの板厚を厚くすることなく両者の結合部の剛性を向上することができ、バックドア開口まわりに作用する大負荷に対して剛性の高い後部車体構造を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バックドア開口を備えたワゴン車の後部斜視図である。
【図2】本発明を適用する後部車体構造の車外側から見た斜視図である。
【図3】本発明の後部車体構造を示すもので、図3(A)は車内側から見た斜視図、図3(B)は図3(A)のIIIB−IIIB線に沿う位置での断面図である。
【図4】本発明の後部車体構造の要部(リヤピラーの下端)の車内側から見た斜視図である。
【図5】従来の後部車体構造の車内側から見た斜視図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 リヤピラー
11 インナパネル
12 リインフォースメント
13 リインフォースメントの下端末(突出部)
14 インナパネルの下端の端末
15 縦壁
16 端縁(後縁フランジ)
2 クォーターパネル
3 オープニングサイドフレーム
4 テールクロスメンバ
41 テールクロスインナ
42 テールクロスアウタ
43 側壁
44 テールクロスインナの側端末(側端部)
Claims (2)
- バックドア開口の側縁を構成しインナパネルとその外側のリインフォースメントとで縦方向の閉断面をなすリヤピラーの車内側へ屈曲する下端の端末と、バックドア開口の下縁を構成しテールクロスインナおよびテールクロスアウタとで横方向の閉断面をなすテールクロスメンバの側端とを結合する自動車の後部車体構造において、
上記リヤピラーと上記テールクロスメンバとの結合部内に、テールクロスメンバの側端を塞ぐ側壁に対向して、リヤピラーの下端の端末開口を塞ぐ縦壁を形成し、リヤピラーの縦方向の閉断面をリヤピラーの下端の端末まで連続せしめたことを特徴とする自動車の後部車体構造。 - 上記リヤピラーと上記テールクロスメンバとの結合部は、リヤピラーの上記リインフォースメントの車内側へ突出する下端末をテールクロスメンバの上記テールクロスアウタの外面に重合結合するとともに、テールクロスメンバの上記テールクロスインナの車外側へ突出せしめた側端末をリヤピラーの上記インナパネルの外面に重合結合し、リヤピラーのインナパネルの下端の端末にリインフォースメントの上記下端末側へ張り出す上記縦壁を形成し、縦壁の端縁をリインフォースメントの下端末の内面に結合してリヤピラーの下端の端末を塞いだ請求項1に記載の自動車の後部車体構造。
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JP5853013B2 (ja) * | 2013-12-26 | 2016-02-09 | 本田技研工業株式会社 | 車体後部構造および車体後部構造の組立方法 |
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2001
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