JP3950509B2 - 多層シート及び容器 - Google Patents

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博幸 高橋
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリン、ゼリー、ヨーグルト等のデザート食品等のガスバリアー容器の製造に好適に用いられるガスバリアー多層シート及びこの多層シートを熱成形して得られる容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリン、ゼリー、ヨーグルト等のデザート用容器には、酸素による内容物の酸化や黴、好気性菌の増殖を防止するために、通常、容器の強度保持や水蒸気バリアーのためのポリスチレンやポリプロピレンからなる主層とガスバリアー性を有する内層バリアー樹脂層とからなるバリアー多層シートを熱成形して得られる容器が用いられている。このようなデザート容器等は、本来、容器に唇が触れるような使用を前提としたものではないが、幼児等がデザート等の内容物を食べる場合には、唇が触れることも多い。また、家庭においては、使用後の容器を幼児の玩具等に使用することも多く、乳幼児が触れたり口に入れることも多い。しかし、デザート容器等のバリアー多層シートを熱成形して作製される容器のフランジ周縁は、通常、熱成形時に打ち抜いたままの姿で製品とされており、打抜時の切断面の角は鋭く尖っている。この切断面の角に乳幼児が肌や唇を触れると、怪我をする場合がある。
【0003】
熱成形容器でも、直接唇に触れることを目的とした飲料カップ等においては、図6に示すように、容器のフランジ部を図6aに示すような形状に成形し、更に加熱しながら応力を加えてカーリングし、図6bに示すようなカール付きフランジとすることにより安全が図られている。消費者保護のPL法の精神からは、デザート容器においてもフランジをカーリング処理することが本来必要である。しかし、デザート容器のように内容物の保存性を重視したバリアー多層シートから成形された容器では、ポリスチレンやポリプロピレン等の主層とバリアー層を接着する接着剤の接着強度が弱く、カーリング時の熱応力により剥離が生じてしまうため、カーリング処理は行われていないのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、バリアー樹脂層を有するバリアー多層シートであって、フランジ付き容器に熱成形した後、フランジ周縁部をカーリング処理しても層間剥離を生じない多層シートを提供することを目的とする。
【0005】
また、本発明は、内容物の保存性が良好な密封容器用に好適なプラスチック容器であって、フランジ周縁部を層間剥離を起こさずにカーリング処理することのできる容器、及びフランジ周縁部がカーリングされており、唇などが触れても怪我をすることのない安全性に優れた容器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、バリアー多層シートを熱成形して得られる容器のカーリングを阻害する要因は、カーリング時の熱によって多層シートの各層内に発生する熱応力により、層間の界面での剥離が生ずることにあることに着目した。また、特に、加熱された接着剤は、ゴム状になって、容器成形時に延伸された以前の状態に戻ろうとし、大きな熱応力を引き起こすことを見出した。このような知見に基づき、鋭意研究を重ねた結果、本発明者らは、
1)接着剤の接着強度を大きし;かつ、
2)接着剤の加熱時の弾性率を小さくし(メルトインデックスを大きくし)、発生する熱応力のレベルを低減する;
という2つの手段によりカーリングによる層間剥離を防止することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、外層樹脂層(A1)、外層樹脂層(A2)、該外層樹脂層(A1)と該外層樹脂層(A2)の間に位置するバリアー樹脂層(C)、該外層樹脂層(A1)と該バリアー樹脂層(C)とを接着強度1.8kgf/25mm以上で接着している超低密度ポリエチレン系接着剤、エチレンプロピレンラバー系接着剤及びエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)系接着剤から選ばれる接着剤層(B1)、及び、該外層樹脂層(A2)と該バリアー樹脂層(C)とを接着強度1.8kgf/25mm以上で接着している超低密度ポリエチレン系接着剤、エチレンプロピレンラバー系接着剤及びエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)系接着剤から選ばれる接着剤層(B2)からなり、該接着剤層(B1)を形成している接着剤及び該接着剤層(B2)を形成している接着剤のメルトインデックスが1.8g/10分以上である多層シートを提供するものである。
【0008】
また、本発明は、上記の多層シートの層構造を有する容器であって、開口端部を有する凹部、及び、該開口端部から該凹部の外側に向かって延びるフランジを有する容器(以下、容器(1)と呼ぶ)を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、上記の多層シートの層構造を有する容器であって、開口端部を有する凹部、及び、該開口端部から該凹部の外側に向かって延びるフランジを有し、該フランジの周縁部が該フランジ下面に向かってカールしている容器(以下容器(2)と呼ぶ)を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の多層シートの一態様の層構造を示す断面説明図であり、図示された層構造は、外層樹脂層(A1)、外層樹脂層(A2)、これら外層樹脂層(A1)及び(A2)の間に位置するバリアー樹脂層(C)、外層樹脂層(A1)とバリアー樹脂層(C)とを接着している接着剤層(B1)、及び、外層樹脂層(A2)とバリア樹脂層(C)とを接着している接着剤層(B2)の5層からなる。
【0011】
本発明の多層シートは、上記5層のみからなるものであってもよく、また、外層樹脂層(A1)及び(A2)の少なくとも一方の外側に更に他の層を有していてもよい。また、バリアー樹脂層(C)は、1層のみからなっていてもよいし、2種以上のバリアー樹脂層からなる多層構造を有していてもよい。また、接着剤層(B1)及び(B2)も、各々、1層のみからなっていてもよいし、2種以上の接着剤層からなる多層構造を有していてもよい。
【0012】
本発明の多層シートにおいて、バリアー樹脂層(C)と外層樹脂層(A1)及び(A2)とは、接着剤層(B1)及び(B2)によって1.8kgf/mm以上、好ましくは2.0kgf/mm以上の接着強度で接着されている。この接着強度が1.8kgf/mm未満であると、熱及び応力によるカーリング処理により、多層シートの層間剥離がカール部に生じることがある。
【0013】
接着剤層(B1)及び(B2)の接着強度の測定は、多層シートを25mm幅に切り出し、プッシュプルゲージを用いて、各接着剤層が接着している外層樹脂層(A1)又は(A2)とバリアー樹脂層(C)とを、手で容器を開封する速度とほぼ同じ速度である200mm/分で90°方向に剥離して行う。
【0014】
外層樹脂層(A1)及び(A2)を構成する樹脂としては、容器等への成形能及び成形物の形状を保持する強度を有する樹脂であれば特に制限はなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアクリロニトリル等の熱可塑性樹脂、これらの混合物、これらに熱可塑性エラストマー、各種添加剤又は無機充填剤を5〜70重量%混合した樹脂などが挙げられる。
【0015】
デザート食品等の容器の成形材料として用いる場合には、特に、透明性に優れ、低温殺菌、レトルト殺菌等に耐える耐熱性を有するポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が好適である。
【0016】
ポリスチレン系樹脂としては、例えば、(1)一般用ポリスチレン(GPPS)、(2)GPPSとスチレンブタジエン共重合体の混合物との混合物であって、ブタジエン成分の含量が5〜50重量%である混合物、(3)透明耐衝撃性ポリスチレン(透明HIPS)、(4)メチルアクリレート成分及びメチルメタクリレート成分含有透明HIPS、(5)メチルアクリレート成分、メチルメタクリレート成分及びテルペン含有透明HIPSが挙げられる。
【0017】
ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレン樹脂(HPP)、プロピレン−エチレンランダムコポリマー(RPP)、プロピレン−エチレンブロックコポリマー(BPP)、又はこれらの混合物、あるいはこれらにポリエチレン等の他のポリオレフィン樹脂を混合したものが挙げられる。
【0018】
外層樹脂層(A1)及び(A2)は、同種の樹脂からなる層であってもよいし、互いに異なる樹脂からなる層であってもよい。また、必要に応じ、外層樹脂層(A1)及び(A2)の外側に、容器成形後の蓋材とのヒートシール用のシーラント層を更に有していてもよい。
【0019】
バリアー樹脂層(C)を形成する樹脂としては、ガス、特に酸素バリアー性に優れた樹脂が用いられ、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン成分含有量は、29〜47モル%であることが好ましい。ポリ塩化ビニリデンとしては、塩化ビニリデンの単独重合体でもよく、また、他のコモノマー成分、例えば、塩化ビニル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、酢酸ビニル等を5〜20モル%含有する共重合体であってもよい。
【0020】
接着剤層(B1)及び(B2)を形成する接着剤としては、外層樹脂層(A1)とバリアー樹脂層(C)、外層樹脂層(12)とバリアー樹脂層(C)とを接着強度1.8kgf/25mm以上で接着し、メルトインデックスが1.8g/10分以上である接着剤を用いる。ここで、接着剤のメルトインデックスの測定は、JIS K 7210(試験温度230℃、試験荷重2.16kgf)に準拠して行う。接着剤のメルトインデックスが1.8g/10分未満であると、容器成形後のフランジのカーリング時に、接着剤層(B1)及び(B2)内に生じる大きい熱応力により、層間剥離が生じる恐れがある。接着剤のメルトインデックスは、好ましくは、1.8〜10g/10分、更に好ましくは3.0〜10g/10分である。
【0021】
接着剤としては、例えば、超低密度ポリエチレン系接着剤、エチレンプロピレンラバー系接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)系接着剤等が好適に用いられる。
【0022】
超低密度ポリエチレン系接着剤としては、例えば、密度0.909以下、重量平均分子量が14万〜15万の超低密度ポリエチレンを主成分とし、テルペン樹脂等の粘着剤を20〜40重量%、ワックス、可塑剤、充填剤等の添加剤を20〜40重量%配合した接着剤が好適である。
【0023】
エチレンプロピレンラバー系接着剤としては、例えば、分子量分布(MW/Mn)が1.0〜10であるエチレン−プロピレンゴム(エチレン含量55〜75重量%)と、テルペン樹脂等の粘着剤との混合物が挙げられる。例えば、エチレン−プロピレンゴムを30〜50重量%、好ましくは35〜45重量%、粘着剤を20〜40重量%、好ましくは25〜35重量%、ワックス、可塑剤、充填剤等の添加剤を10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%含有するものが好適である。
【0024】
また、エチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤としては、通常、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量が30〜50重量%、好ましくは35〜45重量%)30〜50重量%、好ましくは35〜45重量%、粘着剤を20〜40重量%、好ましくは25〜35重量%、ワックス、可塑剤、充填剤等の添加剤を10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%含有するものが好適である。
【0025】
接着剤層(B1)及び(B2)は、同種の接着剤からなるものであってもよく、また、互いに異なる接着剤からなるものであってもよい。
【0026】
本発明においては、上記のような各種接着剤のうちメルトインデックスが1.8g/10分以上のものを選択し、外層樹脂層(A1)、(A2)及びバリアー樹脂層(C)の樹脂材料と、外層樹脂層(A1)とバリアー樹脂層(C)、外層樹脂層(12)とバリアー樹脂層(C)との接着強度が1.8kgf/25mm以上となるように組み合わせて用いる。
【0027】
本発明の多層シートにおいて、外層樹脂層(A1)及び(A2)の厚みは、特に制限はないが、通常、各々、100〜1,000μmであることが好ましく、150〜700μmであることがより好ましい。100μm未満であると、安定した製膜が困難となることがあり、また、容器等に成形した場合に十分な強度が得られなくなることがある。1,000μmを超えると、多層シートとの巻き取り等のハンドリングが困難となることがあり、また、透明性が悪くなることがある。
【0028】
接着剤層(B1)及び(B2)の厚みは、特に制限はないが、通常、各々、10〜50μmであることが好ましく、20〜30μmであることがより好ましい。10μm未満であると、外層樹脂層(A1)及び(A2)とバリアー樹脂層(C)とが剥離することがあり、50μmを超えると、多層シート全体の剛性が低下する傾向があり、また、コストアップともなる。
【0029】
バリアー樹脂層(C)の厚みは、特に制限はないが、通常、10〜50μmであることが好ましく、20〜30μmであることがより好ましい。10μm未満であると、バリアー性能を十分に発揮できなくとなることがあり、50μmを超えるとコストアップとなる。
【0030】
本発明の多層シートは、上記の各樹脂材料を用いる共押出により好適に製造することができる。また、ラミネート加工によって製造することも可能である。
【0031】
共押出成形法としては、例えば、各層の材料をそれぞれ異なった押出機を用いて溶融押出し、これをフィードブロックにて積層しフラットダイにて製膜する方法や、多層ダイを用いてダイ内にて製膜する方法が挙げられる。ラミネート加工としては、例えばエキストルージョンラミネート、ホットメルトラミネート、ドライラミネート、ウェットラミネートなどの方法を用いることができる。
【0032】
本発明の多層シートは、バリアー性に優れ、食品等の酸素による変質を生じる材料用の容器の成形に好適に用いられる。また、本発明の多層シートは、容器ばかりでなく、袋状の包装体等の材料としても好適に用いられる。
【0033】
本発明の容器(1)は、上記本発明の多層シートの層構造を有する容器であって、開口端部を有する凹部、及び、該開口端部から該凹部の外側に向かって延びるフランジを有する。
【0034】
図2は本発明の容器(1)の一態様を示す断面図であり、この容器1は、開口端部12を有する凹部11と、開口端部12から容器の外側に向かって延びる平坦なフランジ13を有している。図3は、図2に示す容器1の層構造を示す部分拡大図であり、この容器1の層構造は、容器の最内層を形成する外層樹脂層(A1)、最外層を形成する外層樹脂層(A2)、外層樹脂層(A1)と(A2)の間に位置するバリアー樹脂層(C)、並びに、それぞれバリアー樹脂層(C)を外層樹脂層(A1)及び(A2)に接着している接着剤層(B1)及び(B2)からなる。
【0035】
本発明の容器(1)は、本発明の多層シートを熱成形により所望の形状に賦形した後、フランジ外周を打ち抜くことにより製造することができる。熱成形は、通常の真空成形法、プラグアシスト成形法、圧空成形法、雄雌型成形法、CD(Cuspation Dilation)法などにより行うことができる。また、各層の樹脂材料を用いて射出成形、射出ブロー成形、ブロー成形などによって成形することもできる。
【0036】
容器の凹部の形状は、収容物を収容できる形状であれば特に制限はなく、例えば、カップ状であってもトレー状であってもよい。また、開口端部の形状も特に限定されるものではないが、通常、円、楕円、四角などである。フランジの形状も特に制限はなく、密封容器の製造に用いる場合には、このフランジの上面で蓋材をヒートシールする。図2及び図3に示すフランジ13は、開口端部12から容器の外側に水平に延び、平坦な形状を有するが、蓋材のヒートシールが可能であればその形状に特に制限はない。傾斜、屈曲又は湾曲していてもよく、凸部を有していたり、階段状に形成されていてもよい。例えば、フランジ周縁部をカーリング処理しやすいように、あらかじめ、図6aに示されるようにフランジ周縁部を下方に向けて屈曲又は湾曲させた形状に成形、又は成形及び打ち抜かれていてもよい。本発明の容器(1)は、バリアー樹脂層(C)と外層樹脂層(A1)及び(A2)とが1.8kgf/mm以上という強い接着強度で接着されており、また、接着剤層(B1)及び(B2)のメルトインデックスが1.8g/10分以上と高く加熱時に発生する熱応力も小さいため、フランジ周縁部への加熱及び応力の印加によるカーリング処理を行っても、カール部に層間剥離を生じることがなく、フランジ周縁部がカールされた安全性に優れる容器、即ち、本発明の容器(2)を製造することができる。
【0037】
図4は、本発明の容器(2)の一態様を示す断面説明図である。図4に示される容器2は、開口端部22を有する凹部21と、開口端部22から容器の外側に向かって延びるフランジ23を有し、このフランジ23は、開口端部22から容器の外側に向かって延びる平坦部231と、フランジ下面に向かってカールしている周縁部232からなる。図5は、図4に示す容器2の層構造を示す部分拡大図であり、この容器2の層構造は、容器の最内層を形成する外層樹脂層(A1)、最外層を形成する外層樹脂層(A2)、外層樹脂層(A1)と(A2)の間に位置するバリアー樹脂層(C)、並びに、それぞれバリアー樹脂層(C)を外層樹脂層(A1)及び(A2)に接着している接着剤層(B1)及び(B2)からなる。
【0038】
容器(2)は、周縁部が下面に向かってカールしているフランジを有する限り、上記容器(1)と同様、その凹部、開口端部及びフランジの形状に特に制限はない。
【0039】
フランジ周縁部のカールの形状も、フランジの切断部が皮膚や唇に触れにくくなるようにカールされている限り特に制限はない。
【0040】
【実施例】
以下、本発明の実施例及びその比較例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0041】
実施例1及び2、比較例1〜5
多層押出機により、表1記載の樹脂材料からなる外層樹脂層(A1)/接着剤層(B1)/バリアー樹脂層(C)/接着剤層(B2)/外層樹脂層(A2)からなる3種5層シートを成形した。シート全体の厚みは1.1mmであり、各層の厚みの割合は(A1:45%)/(B1:3%)/(C:4%)/(B2:3%)/(A2:45%)とした。接着剤のメルトインデックス及び各シートの外層樹脂層(A1)及び(A2)とバリアー樹脂層(C)との間の接着剤層(B1)及び(B2)による接着強度を表1に示す。
【0042】
各シートを用いて、シート温度(成形温度)120℃、型温度30℃、成形時間3秒の条件で真空成形を行い、開口部径が85mm、高さが120mm、展開倍率が6倍で、図6aに示されるような形状のフランジを有するコップ状容器を成形した。市販のリムロールマシンを用い、各容器のフランジを図6bに示される形状にカーリング処理した。
【0043】
各容器のカーリング処理した部分の層状態を表1に示す。
【0044】
【表1】
Figure 0003950509
HIPS: 透明耐衝撃性ポリスチレン樹脂、商品名:SD120、旭化成工業(株)製): 連続相=スチレン・メチルアクリレート・メチルメタクリレート共重合体(スチレン単位52重量%、メチルアクリレート単位18重量%、メチルメタクリレート単位30重量%);分散層=スチレン−ブタジエンゴム(ブタジエン単位:50重量%、スチレン単位:50重量%);テルペン樹脂添加;連続相:分散相:テルペン樹脂=80:20:0.1(重量比);MI値: 3.5g/10分;
HPP: ホモポリプロピレン、商品名:出光E105GM、出光石油化学(株)製、アイソタクチック率95%、MI値0.5g/10分)
VLDPE−1: 超低密度ポリエチレン系接着剤、商品名:AT767、三井石油化学工業(株)製、MI=1.8g/10分、超低密度ポリエチレン(重量平均分子量15万)含量60重量%、粘着剤20重量%、ワックス、可塑剤、充填剤等の添加剤20重量%
VLDPE−2: 超低密度ポリエチレン系接着剤、商品名:AT442、 三井石油化学工業(株)製、MI=3.7g/10分、超低密度ポリエチレン(重量平均分子量14万)含量60重量%、粘着剤20重量%、ワックス、可塑剤、充填剤等の添加剤20重量%
VLDPE−3: 超低密度ポリエチレン系接着剤、商品名:AT1199、三井石油化学工業(株)製、MI=1.4g/10分、超低密度ポリエチレン(重量平均分子量15万)含量70重量%、粘着剤10重量%、ワックス、可塑剤、充填剤等の添加剤20重量%
VLDPE−4: 超低密度ポリエチレン系接着剤、商品名:AT1202、三井石油化学工業(株)製、MI=0.4g/10分、超低密度ポリエチレン(重量平均分子量17万)含量70重量%、粘着剤10重量%、ワックス、可塑剤、充填剤等の添加剤20重量%)
VLDPE−5: 超低密度ポリエチレン系接着剤、商品名:AT1201、三井石油化学工業(株)製、MI=0.8g/10分、超低密度ポリエチレン(重量平均分子量16万)含量60重量%、粘着剤20重量%、ワックス、可塑剤、充填剤等の添加剤20重量%)
PP接着剤: ポリプロピレン系接着剤、商品名:QB550、三井石油化学工業(株)製、MI値:1.1g/10分
EVOH: エチレン−ビニルアルコール共重合体、商品名:エバールJ、クラレ(株)製、エチレン成分含量:32モル%、MI値:2g/10分
【0045】
【発明の効果】
本発明の多層シートは、水蒸気、酸素等のガスに対するバリアー性を有し、食品等、内容物の保存性を重視する容器の成形に特に好適に用いられるとともに、容器成形後のフランジのカーリング処理によっても層間剥離を起こすことがなく、本発明の多層シートを熱成形してフランジをカーリング処理することにより、安全性に優れた容器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層シートの一態様を示す断面図。
【図2】本発明の容器の一態様を示す断面図。
【図3】図2に示される容器の部分拡大断面図。
【図4】本発明の容器の一態様を示す断面図。
【図5】図4に示される容器の部分拡大断面図。
【図6】容器のフランジのカーリング処理方法を説明する部分断面図。
【符号の説明】
(A1) 外層樹脂層(A1)
(A2) 外層樹脂層(A2)
(B1) 接着剤層(B1)
(B2) 接着剤層(B2)
(C) バリアー樹脂層(C)
1 容器
11 凹部
12 開口端部
13 フランジ
2 容器
21 凹部
22 開口端部
23 フランジ
231 平坦部
232 フランジ周縁部

Claims (5)

  1. 外層樹脂層(A1)、外層樹脂層(A2)、該外層樹脂層(A1)と該外層樹脂層(A2)の間に位置するバリアー樹脂層(C)、該外層樹脂層(A1)と該バリアー樹脂層(C)とを接着強度1.8kgf/25mm以上で接着している超低密度ポリエチレン系接着剤、エチレンプロピレンラバー系接着剤及びエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)系接着剤から選ばれる接着剤層(B1)、及び、該外層樹脂層(A2)と該バリアー樹脂層(C)とを接着強度1.8kgf/25mm以上で接着している超低密度ポリエチレン系接着剤、エチレンプロピレンラバー系接着剤及びエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)系接着剤から選ばれる接着剤層(B2)からなり、該接着剤層(B1)を形成している接着剤及び該接着剤層(B2)を形成している接着剤のメルトインデックスが1.8g/10分以上である多層シート。
  2. 該外層樹脂層(A1)及び(A2)がポリスチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂からなり、該接着剤層(B1)及び(B2)が超低密度ポリエチレン系接着剤からなり、該バリアー樹脂層(C)がエチレン−ビニルアルコール共重合体又はポリ塩化ビニリデンからなる請求項1記載の多層シート。
  3. 該バリアー樹脂層(C)がエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる請求項2記載の多層シート。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の多層シートの層構造を有する容器であって、開口端部を有する凹部、及び、該開口端部から該凹部の外側に向かって延びるフランジを有する容器。
  5. 請求項1〜3いずれか記載の多層シートの層構造を有する容器であって、開口端部を有する凹部、及び、該開口端部から該凹部の外側に向かって延びるフランジを有し、該フランジの周縁部が該フランジ下面に向かってカールしている容器。
JP5190297A 1997-03-06 1997-03-06 多層シート及び容器 Expired - Fee Related JP3950509B2 (ja)

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