JP3945260B2 - 光コネクタ測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光コネクタフェルールに設けられたファイバ穴の偏心を測定する光コネクタ測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光コネクタフェルールの一つとして、1対のガイド穴と複数のファイバ穴とを有するMTコネクタフェルールがある。このようなMTコネクタフェルールにおけるファイバ穴の偏心を測定する方法としては、例えばガイド穴およびファイバ穴に光を入射させ、ガイド穴およびファイバ穴を撮像して画像処理することにより、各ファイバ穴の偏心値を測定することが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては、ファイバ穴の偏心測定時に、ガイド穴およびファイバ穴を透過する光以外に、撮像部側に光の回り込みがあると、正確な偏心測定ができなくなる可能性がある。また、光コネクタフェルールにバリがある場合には、そのバリによって光コネクタフェルールの姿勢がずれてしまい、正確な偏心測定ができなくなる可能性がある。
【0004】
本発明の目的は、光コネクタフェルールのファイバ穴の偏心測定を正確に行うことができる光コネクタ測定装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光コネクタフェルールに設けられたファイバ穴の偏心を測定する光コネクタ測定装置において、光コネクタフェルールを支持する支持部材と、支持部材に支持された光コネクタフェルールのファイバ穴に光を入射させるための光源と、支持部材に対して光源の反対側に配置され、支持部材に支持された光コネクタフェルールの一端面を撮像する撮像部と、支持部材に光コネクタフェルールが支持されたときに、光源から撮像部側に漏れる光を遮断するための遮光部材とを備え、支持部材は、ステージ上に設けられた本体支持部と、ステージ上に移動可能に設けられ、光コネクタフェルールを本体支持部の支持受け面に押し付ける可動部とを有し、遮光部材は、可動部に固定されて、可動部と一緒に移動するように構成されていることを特徴とするものである。
【0006】
このように遮光部材を設けることにより、支持部材に光コネクタフェルールを支持した状態で、光源より光コネクタフェルールのファイバ穴に光を入射させた時には、光源からの漏れ光は遮光部材によって遮断されるため、撮像部側への漏れ光の回り込みが防止される。従って、撮像部においては、ファイバ穴を透過する光のように必要とする光のみが捉えられる。これにより、ファイバ穴の偏心値を正確に測定することができる。また、遮光部材は可動部と一緒に移動することになるため、必要に応じて遮光部材を所定の遮光位置から待避させておくことが可能となる。
【0008】
また、好ましくは、支持部材には、光コネクタフェルールの両側面に生じたバリをよけるための切り欠きと、光コネクタフェルールの角部に生じるバリをよけるための切り欠きと、が設けられている。これにより、光コネクタフェルールにバリがある場合であっても、光コネクタフェルールを支持部材に支持したときには、バリが切り欠きに入り込むため、光コネクタフェルールが正規の姿勢に対して傾くことは無い。従って、光源からの光がファイバ穴の軸線に対して平行に入射される。また、撮像部により光コネクタフェルールの一端面が斜めに撮像されることが防止される。これにより、ファイバ穴の偏心値をより正確に測定することができる。
【0009】
また、本発明は、光コネクタフェルールに設けられたファイバ穴の偏心を測定する光コネクタ測定装置において、光コネクタフェルールを支持する支持部材と、支持部材に支持された光コネクタフェルールのファイバ穴に光を入射させるための光源と、支持部材に対して光源の反対側に配置され、支持部材に支持された光コネクタフェルールの一端面を撮像する撮像部とを備え、支持部材には、光コネクタフェルールの両側面に生じたバリをよけるための切り欠きと、光コネクタフェルールの角部に生じるバリをよけるための切り欠きと、が設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
このようにバリよけ用の切り欠きを設けることにより、光コネクタフェルールにバリがある場合であっても、光コネクタフェルールを支持部材に支持したときには、バリが切り欠きに入り込むため、光コネクタフェルールが正規の姿勢に対して傾くことは無い。従って、光源からの光がファイバ穴の軸線に対して平行に入射される。また、撮像部により光コネクタフェルールの一端面が斜めに撮像されることが防止される。これにより、ファイバ穴の偏心値を正確に測定することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光コネクタ測定装置の好適な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明に係る光コネクタ測定装置の一実施形態を示す概略構成図である。同図において、本実施形態の光コネクタ測定装置1は、MT型光コネクタフェルール2の測定に使用されるものである。
【0013】
MT型光コネクタフェルール2は、図2に示すように、ガイドピン(図示せず)が挿入される1対のガイド穴3と、これらのガイド穴3間に設けられた複数のファイバ穴4とを有している。各ファイバ穴4には、光ファイバテープ心線(図示せず)の被覆部から露出した光ファイバが挿入される。なお、ガイド穴3の穴径(直径)は700μm程度であり、ファイバ穴4の穴径(直径)は125μm程度である。光コネクタフェルール2の上面部には、各ファイバ穴4に挿入された光ファイバの固定に用いる接着剤を注入するための窓穴5が設けられている。
【0014】
図1に戻り、光コネクタ測定装置1は、基台(図示せず)上に配置されたXYステージ6を有している。XYステージ6のX軸ステージ6Aは、X軸駆動モータ7によって駆動され、XYステージ6のY軸ステージ6Bは、Y軸駆動モータ8によって駆動される。
【0015】
XYステージ6上には、図3に示すように、光コネクタフェルール2を支持するための支持部材9が設けられている。支持部材9は、本体支持部10と、可動部11とを有している。
【0016】
本体支持部10は、図4に示すように、吸着支持面10a及び支持受け面10bを有し、光コネクタフェルール2の前端面(接続端面)が上側になるような姿勢で、光コネクタフェルール2の上面または下面をエアーにより吸着支持面10aに吸着支持する。可動部11は、XYステージ6上にスライド可能に設けられ、吸着支持面10aに吸着支持された光コネクタフェルール2を支持受け面10bに押し付ける。この可動部11は、押付駆動モータ12(図1参照)によって駆動される。なお、可動部11により光コネクタフェルール2が支持受け面10bに押し付けられた時の位置を、支持位置と称することとする。
【0017】
このような支持部材9の下方には、支持部材9に支持された光コネクタフェルール2の後部側からガイド穴3及びファイバ穴4に光を入射させて透過させるための光量可変な光源13が配置されている。このような光源13としては、時間の経過で光量が揺らぐことが無いメタルハライド光ランプを使用するのが好ましい。
【0018】
支持部材9の上方にはZ軸ステージ14が配置され、このZ軸ステージ14はZ軸駆動モータ15によって垂直方向に駆動される。Z軸ステージ14には、測定レンズ16を介して光コネクタフェルール2のガイド穴3及びファイバ穴4を撮像するためのCCDカメラ17が取り付けられている。
【0019】
このCCDカメラ17による撮像時に、光コネクタフェルール2のガイド穴3及びファイバ穴4を透過する光以外に、光源13からCCDカメラ17側への光の回り込みがあると、その光が測定レンズ16に反射して正確な測定ができなくなる虞がある。そこで、支持部材9の可動部11の側面には、図3に示すように、光コネクタフェルール2が支持部材9に支持されたときに、光源13からCCDカメラ17側に漏れる光を遮断するための遮光板18が固定されている。この遮光板18は、アルミニウム等で形成されている。
【0020】
このような遮光板18を設けることにより、光コネクタフェルール2が支持位置にある状態では、光源13から漏れる光がCCDカメラ17側に回り込むことは無く、ガイド穴3及びファイバ穴4を透過する光のみが測定レンズ16に捉えられる。
【0021】
また、光コネクタフェルール2にバリが存在すると、光コネクタフェルール2を支持部材9に支持した際に、光コネクタフェルール2が測定時の正規の姿勢に対して傾くことがある。この場合には、ガイド穴3及びファイバ穴4の軸心方向とガイド穴3及びファイバ穴4への光の入射方向とがずれると共に、CCDカメラ17によりガイド穴3及びファイバ穴4が斜め方向から撮像されるため、正確な測定ができなくなる虞がある。
【0022】
そこで、図4に示すように、本体支持部10の吸着支持面10a及び支持受け面10bにはバリよけ用切り欠き19A〜19Dが設けられ、可動部11の先端部にはバリよけ用切り欠き20A〜20Cが設けられ、遮光板18の基部にはバリよけ用切り欠き21A,21Bが設けられている。切り欠き19A,20Aは、1対の光コネクタフェルール成形用金型を突き合わせることで光コネクタフェルール2の両側面に生じたバリ(合わせ面バリ)をよける為のものであり、光コネクタフェルール2が支持位置にある時に光コネクタフェルール2の両側面に対応する位置に形成されている。切り欠き19B〜19D,20B,20C,21A,21Bは、光コネクタフェルール2の角部に生じるバリ(角バリ)をよける為のものであり、光コネクタフェルール2が支持位置にある時に光コネクタフェルール2の角部に対応する位置に形成されている。
【0023】
これらの切り欠きの形状や寸法は、本体支持部10による光コネクタフェルール2の吸着支持に支障をきたすことが無いものであれば良い。例えば、各切り欠きの幅寸法Pは150〜200μm程度であり、各切り欠きの深さ寸法Qも150〜200μm程度である。
【0024】
このようなバリよけ用の切り欠き19A〜19D,20A〜20C,21A,21Bを設けることにより、光コネクタフェルール2にバリがあっても、光コネクタフェルール2を支持部材9に支持したときには、切り欠きにバリが入り込むため、光コネクタフェルール2の姿勢が正規の姿勢に対して傾くことは無い。
【0025】
また、光コネクタ測定装置1は、画像処理部および演算処理部等からなる制御ユニット22を有している。この制御ユニット22は、光源13及び各駆動モータ7,8,12,15の制御を行うと共に、CCDカメラ17の出力信号(画像データ)を画像処理して、光コネクタフェルール2の各ファイバ穴4の偏心値の演算を行う。
【0026】
以下、図5に示すフローチャートに従って制御ユニット22による制御処理の詳細を明らかにしつつ、支持部材9に保持された光コネクタフェルール2のファイバ穴4の偏心測定を行う動作について説明する。
【0027】
制御ユニット22は、まず駆動モータ7,8を制御して、光コネクタフェルール2の一方のガイド穴3(以下、ガイド穴G1という)がCCDカメラ17の真下に位置するようにXYステージ6を移動させる。そして、光源13よりガイド穴G1に光を入射し、そのガイド穴G1をCCDカメラ17で撮像する。すると、制御ユニット22は、ガイド穴G1の画像データに基づいてガイド穴G1の輪郭を抽出し、ガイド穴G1の中心位置を求める(手順101)。
【0028】
次いで、駆動モータ7,8を制御して、光コネクタフェルール2の他方のガイド穴3(以下、ガイド穴G2という)がCCDカメラ17の真下に位置するようにXYステージ6を移動させる。そして、光源13よりガイド穴G2に光を入射し、そのガイド穴G2をCCDカメラ17で撮像する。すると、制御ユニット22は、ガイド穴G2の画像データに基づいてガイド穴G2の輪郭を抽出し、ガイド穴G2の中心位置を求める(手順102)。
【0029】
次いで、駆動モータ7,8を制御して、光コネクタフェルール2のファイバ穴4がCCDカメラ17の真下に位置するようにXYステージ6を移動させる。そして、光源13よりファイバ穴4に光を入射し、そのファイバ穴4をCCDカメラ17で撮像する。すると、制御ユニット22は、ファイバ穴4の画像データに基づいてファイバ穴4の輪郭を抽出し、ファイバ穴4の中心位置を求める(手順103)。
【0030】
そして、全てのファイバ穴4の中心位置を求めたかどうかを判断し(手順104)、全てのファイバ穴4の中心位置が求められていないときは、上記の手順103を繰り返し実行する。一方、全てのファイバ穴4の中心位置が求められたときは、先に求めたガイド穴G1,G2の中心位置とファイバ穴4の中心位置とから各ファイバ穴4の偏心値を求める(手順105)。具体的には、ガイド穴G1,G2の中心位置が分かれば、各ファイバ穴4が存在すべき正規の位置が得られるため、その正規の位置に対するファイバ穴4の偏心値を求める。
【0031】
以上のように本実施形態にあっては、支持部材9の可動部11に遮光板18を取り付けたので、ファイバ穴4の偏心測定時に、光源13からの漏れ光(迷光)がCCDカメラ17側に回り込んで、測定レンズ16に反射することが防止される。さらに、支持部材9にバリよけ用切り欠き19A〜19D,20A〜20C,21A,21Bを設けたので、光コネクタフェルール2にバリがあっても、ファイバ穴4の偏心測定時には、光コネクタフェルール2は傾くことなく正規の姿勢で支持部材9に支持される。このため、光源13からの光がガイド穴3及びファイバ穴4の軸線に対して平行に入射される。また、CCDカメラ17によりガイド穴3及びファイバ穴4が斜めに撮像されることも無い。以上により、ファイバ穴4の偏心値を高精度に測定することができる。
【0032】
なお、上記実施形態は、ファイバ穴が開放された光コネクタフェルールにおいてファイバ穴の偏心測定を行うものであるが、本発明は、ファイバ穴に光ファイバが挿入された状態のものにも適用可能である。この場合には、ガイド穴に光を入射させる光源と、光ファイバに光を入射させる光源とを別個独立に設ける。
【0033】
また、上記実施形態は、MT型光コネクタフェルールにおけるファイバ穴の偏心測定を行うものであるが、本発明は、少なくとも1つのファイバ穴を有する円筒状の光コネクタフェルールの測定にも適用できる。この場合は、例えば、円筒状の光コネクタフェルールが挿入される溝部を有する支持部材と、溝部と対向するように配置される遮光板とを有する構成を採用すればよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、支持部材に光コネクタフェルールが支持されたときに、光源から撮像部側に漏れる光を遮断するための遮光部材を設けたので、ファイバ穴の偏心値を正確に測定することができる。
【0035】
また、本発明によれば、光コネクタフェルールに生じたバリをよけるための切り欠きを支持部材に設けたので、ファイバ穴の偏心値を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光コネクタ測定装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す光コネクタ測定装置により測定される光コネクタフェルールを示す斜視図である。
【図3】図1に示す光コネクタ測定装置の支持部材を含む部分を示す斜視図である。
【図4】図3に示す支持部材の水平方向断面図である。
【図5】図1に示す制御ユニットによる制御処理の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…光コネクタ検査装置、2…光コネクタフェルール、4…ファイバ穴、6…XYステージ、9…支持部材、10…本体支持部、11…可動部、13…光源、17…CCDカメラ(撮像部)、18…遮光板(遮光部材)、19A〜19D…切り欠き、20A〜20C…切り欠き、21A,21B…切り欠き。
Claims (3)
- 光コネクタフェルールに設けられたファイバ穴の偏心を測定する光コネクタ測定装置において、
前記光コネクタフェルールを支持する支持部材と、
前記支持部材に支持された前記光コネクタフェルールの前記ファイバ穴に光を入射させるための光源と、
前記支持部材に対して前記光源の反対側に配置され、前記支持部材に支持された前記光コネクタフェルールの一端面を撮像する撮像部と、
前記支持部材に前記光コネクタフェルールが支持されたときに、前記光源から前記撮像部側に漏れる光を遮断するための遮光部材とを備え、
前記支持部材は、ステージ上に設けられた本体支持部と、前記ステージ上に移動可能に設けられ、前記光コネクタフェルールを前記本体支持部の支持受け面に押し付ける可動部とを有し、
前記遮光部材は、前記可動部に固定されて、前記可動部と一緒に移動するように構成されていることを特徴とする光コネクタ測定装置。 - 前記支持部材には、前記光コネクタフェルールの両側面に生じたバリをよけるための切り欠きと、前記光コネクタフェルールの角部に生じるバリをよけるための切り欠きと、が設けられていることを特徴とする請求項1記載の光コネクタ測定装置。
- 光コネクタフェルールに設けられたファイバ穴の偏心を測定する光コネクタ測定装置において、
前記光コネクタフェルールを支持する支持部材と、
前記支持部材に支持された前記光コネクタフェルールの前記ファイバ穴に光を入射させるための光源と、
前記支持部材に対して前記光源の反対側に配置され、前記支持部材に支持された前記光コネクタフェルールの一端面を撮像する撮像部とを備え、
前記支持部材には、前記光コネクタフェルールの両側面に生じたバリをよけるための切り欠きと、前記光コネクタフェルールの角部に生じるバリをよけるための切り欠きと、が設けられていることを特徴とする光コネクタ測定装置。
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