JP3938501B2 - 回転角度検出装置、それを用いた永久磁石型回転電機、及び、永久磁石型回転電機を用いた電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、回転角度検出装置に関し、特に、1相の励磁巻線と2相の出力巻線を設けた固定子と突極を有する回転子とからなる回転角度検出装置に関する。また、この発明は、当該回転角度検出装置を用いた永久磁石型回転電機及び電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転角度検出装置として、光学式エンコーダが従来より用いられているが、光学式エンコーダは、使用温度環境が制限されるとともに、構造が複雑で高価であるという欠点がある。これに対して、構造が簡単で安価であり、かつ、高温度環境にも耐え得るものとして、回転子と固定子間のギャップのパーミアンスの変化を利用した回転角度検出装置が考案されている。例えば、特公昭62−58445号公報には、2相の励磁巻線と1相の出力巻線を有する回転角度検出装置の例が記載されている。また、特開昭49−124508号公報には、1相の励磁巻線と2相の出力巻線を有する例が記載されている。いずれの従来例も、回転子の形状は突極を有するものになっているため、回転子の角度によって、出力巻線に現れる電圧の位相あるいは振幅が変化し、その変化を読み取ることによって回転子の位置を知ることができるというものである。また、これらの従来例においては出力巻線の巻数が各ティースにおいて全て同じになった構成である。
【0003】
これらの従来例においては、工作誤差がない理想的な場合においては、検出位置誤差は小さく、精度の良い回転角度検出装置が得られるが、実際には工作誤差が発生してしまうため、検出位置誤差は増大し、所望の精度が得られないことがあるという問題点がある。例えば、巻線の配置の誤差や、固定子鉄心を打抜くときに用いる金型の精度の悪さなどが原因となり、固定子の内径の真円度が悪化した場合には検出位置誤差が大きくなってしまう。
【0004】
図24に従来例として、軸倍角が2の回転角度検出装置を示す。図24の従来例は、具体的には、特開昭49−124508号公報に記載された回転子形状が2つの突極を有している場合のものに相当する。図24において、100−1および100−2は2相の出力巻線(以下、出力巻線(1)および出力巻線(2)とする。)である。また、101はティースであり、102はそれらティース101を8個有した固定子である。図中の数字1〜8は、ティース101のティース番号を示している。103は回転子であり、104はティース101に巻き回された巻数Nの出力巻線、105は回転子103の回転軸である。
【0005】
図24に示すように、この従来例における回転角度検出装置は、8個のティース101を有する固定子102と、2つの突極を有し、固定子と空隙面とのパーミアンスの変動が脈動し機械角360度で2山の脈動成分をもった構造とした回転子103とからなり、固定子102には、図には示していないが、励磁巻線が各ティース101に集中的に巻き回されており、隣り合うティース101で極性が逆になるように巻かれている。また、2相の出力巻線100は、それぞれ4つのティース101(具体的には、出力巻線(1)はティース番号1,3,5,7のティース、出力巻線(2)はティース番号2,4,6,8のティース)に同じ巻数Nだけ巻き回されている。ただし極性は互い違いになるようになっている。出力巻線(1)は、図24に示すように、ティース番号1,3,5,7に巻き回され、その極性は互い違いになるように、すなわち、ティース番号1と5で同じ極性、3と7で同じ極性、かつ、ティース番号1と3で極性が逆になるように巻き回されている。出力巻線(2)は、図24に示すように、ティース番号2,4,6,8に巻き回され、その極性は互い違いになるように、すなわち、ティース番号2と6で同じ極性、4と8で同じ極性、かつ、ティース番号2と4で極性が逆になるように巻き回されている。またこれら4つの巻線104は直列に接続されている。図25に、各ティースにおける出力巻線の巻数を示す。このように、図24に示す従来例では、出力巻線の巻数は出力巻線が巻き回された各ティースにおいて同じNとなっている。このとき、工作誤差がない理想的な場合においては、検出位置誤差は小さく、精度の良い回転角度検出装置として動作する。
【0006】
しかしながら、すでに述べたように、実際には工作誤差が発生するため、検出位置誤差は増大し、所望の精度が得られないことある。例えば、固定子鉄心を打抜くときに用いる金型の精度の悪さなどが原因となり、固定子の内径の真円度が悪化した場合には検出位置誤差が大きくなることがある。
【0007】
工作誤差により検出位置誤差が増大することを、具体例を挙げて説明する。軸倍角が2である固定子内径20mmの回転角度検出装置を設計した場合を例とする。なお、巻線仕様は先に述べた従来例と同様であるとする。
【0008】
固定子の内径の真円度が悪化し、楕円状に変形した場合を考える。真円から50μmだけずれて変形した場合と、工作誤差がなく固定子内径の形状が真円である理想的な状態の検出位置誤差を図31に示す。横軸は回転子の位置を機械角で示し、縦軸には検出位置誤差を機械角で示す。この図から固定子の内径が真円から僅かに変形することによって検出位置誤差が増大することがわかる。さらに、検出位置誤差の周期が機械角180度でありこれは電気角に直すと360度であることが分かる。ただし、電気角は機械角に軸倍角を乗じた値としている。また、この電気角360度周期の誤差の位相は生じている工作誤差によって様々な値に変化する。
【0009】
次に、固定子の内径の真円度が悪化し、四角形状に変形した場合を考える。真円から20μmだけずれて変形した場合と、工作誤差がなく固定子内径の形状が真円である理想的な状態の検出位置誤差を図26に示す。横軸は回転子の位置を機械角で示し、縦軸には検出位置誤差を機械角で示す。この図から固定子の内径が真円から僅かに変形することによって検出位置誤差が増大することがわかる。さらに、検出位置誤差の周期が機械角90度でありこれは電気角に直すと180度であることが分かる。ただし、電気角は機械角に軸倍角を乗じた値としている。また、この電気角180度周期の誤差の位相は生じている工作誤差によって様々な値に変化する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の回転角度検出装置においては、工作誤差がない理想的な場合においては、検出位置誤差は小さく、精度の良い回転角度検出装置として動作するように設計されているが、実際には、巻線の配置の誤差や、固定子鉄心を打抜くときに用いる金型の精度の悪さ等が原因となって、どうしても工作誤差が発生してしまうため、検出位置誤差が増大し、所望の精度が得られないことあるという問題点があった。
【0011】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、1相の励磁巻線と2相の出力巻線を設けた固定子と突極を有する回転子とからなる回転角度検出装置において、出力巻線の巻数を工夫することによって、工作誤差に起因して発生する検出位置誤差を補正し、精度の良い回転角度検出装置を得ることを目的としている。また、当該回転角度検出装置を用いた永久磁石型回転電機及び電動パワーステアリング装置を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は、1相の励磁巻線と2相の出力巻線とを設けた固定子と、突極を有する回転子とを備えた回転角度検出装置であって、上記固定子が複数のティースを有し、上記2相の出力巻線は上記複数のティースに巻き回されており、上記2相の出力巻線のうちの所定の1相の出力巻線の各ティースにおける巻数が、N±m、0、N、0(N,mは正の整数でN>mとする。)となるか、あるいは、この巻数のパターンが繰り返されるように巻き回され、かつ、上記2相の出力巻線のうちの他方の1相の出力巻線の各ティースにおける巻数が、0、N、0、Nとなるか、あるいはこの巻数のパターンが繰り返されるように巻き回されている回転角度検出装置である。
【0014】
また、この発明は、1相の励磁巻線と2相の出力巻線とを設けた固定子と、突極を有する回転子とを備えた回転角度検出装置であって、上記固定子が複数のティースを有し、上記2相の出力巻線は上記複数のティースに巻き回されており、上記2相の出力巻線のうちの所定の1相の出力巻線の各ティースにおける巻数が、N、0、N±m1、0(N,m1は正の整数でN>m1とする。)となるか、あるいは、この巻数のパターンが繰り返されるように巻き回され、かつ、上記2相の出力巻線のうちの他方の1相の出力巻線の各ティースにおける巻数が、0、N±m2、0、N(N,m2は正の整数でN>m2とする。)となるか、あるいは、この巻数のパターンが繰り返されるように巻き回されている回転角度検出装置である。
【0015】
また、この発明は、1相の励磁巻線と2相の出力巻線とを設けた固定子と、突極を有する回転子とを備えた回転角度検出装置であって、上記固定子が複数のティースを有し、上記2相の出力巻線は上記複数のティースに巻き回されており、上記2相の出力巻線のうちの所定の1相の出力巻線において、当該出力巻線の各ティースにおける巻数が、N±m、0、N±m、0(N,mは正の整数でN>mとする。)となるパターンが少なくとも1つ含まれ、かつ、上記2相の出力巻線のうちの他方の1相の出力巻線の各ティースにおける巻数が、0、N、0、Nとなるか、あるいはこの巻数のパターンが繰り返されるように巻き回されている回転角度検出装置である。
【0016】
また、この発明は、1相の励磁巻線と2相の出力巻線とを設けた固定子と、突極を有する回転子とを備えた回転角度検出装置であって、上記固定子が複数のティースを有し、上記2相の出力巻線は上記複数のティースに巻き回されており、上記2相の出力巻線のうちの所定の1相の出力巻線の各ティースにおける巻数が、N±m、0、N±m、0(N,mは正の整数でN>mとする。)となるか、あるいは、この巻数のパターンが繰り返されるように巻き回され、かつ、上記2相の出力巻線のうちの他方の1相の出力巻線の各ティースにおける巻数が、0、N、0、Nとなるか、あるいはこの巻数のパターンが繰り返されるように巻き回されている回転角度検出装置である。
【0017】
また、上記mをm=0とした巻線仕様の場合に、検出位置誤差が電気角でε[rad]だけ発生する回転角度検出装置であって、上記誤差を補正するために、m/2Nとεとをほぼ等しく、望ましくは、m/2N=εとする。
【0018】
また、上記回転子の回転軸の中心を原点とし、回転子外周の位置を表す角度をθとするとき、前記角度θの位置における空隙長が1/{A+Bcos(Mθ)}(ただし、A、Bは正の定数でA>B、Mは回転角度検出装置の軸倍角)となる回転子を備えている。
【0019】
また、この発明は、上述した回転角度検出装置のいずれかを備えた永久磁石型回転電機である。
【0020】
また、この発明は、当該永久磁石型回転電機を駆動源として用いる電動パワーステアリング装置である。
【0021】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態における回転角度検出装置の構成を示した構成図である。図1において、11はティースであり、12はそれらティース11を8個有した固定子である。図中の数字1〜8は、ティース11のティース番号を示している。13は回転子であり、14a及び14bはティース11に巻き回された出力巻線である。巻数は、それぞれ、出力巻線14a(ティース番号3,7のティースに巻き回された出力巻線)がN±m、出力巻線14b(ティース番号1,5のティースに巻き回された出力巻線)がNとなっている。また、15は回転子13の回転軸である。なお、本実施の形態においては、出力巻線は実際には2相設けられているが、図1においては、そのうちの1相分だけ(出力巻線(1)のみ)示している。図2は、各ティースにおける出力巻線の巻数を示したものであり、出力巻線(1)については上述した通りであるが(但し、ティース番号3,7に関し、N+mのみ記載、N−mは省略)、出力巻線(2)においては、ティース番号2,4,6,8のティースに巻き回された出力巻線の巻数がN、ティース番号3,7のティースに巻き回された出力巻線の巻数がmとなっている。
【0022】
図24の従来例を用いて説明したように、上述した図31のグラフに示されるように、検出位置誤差の周期は、機械角180度であり、これは電気角に直すと360度である。ただし、電気角は機械角に軸倍角を乗じた値とする。また、この電気角360度周期の誤差の位相は、生じている工作誤差によって様々な値に変化する。
【0023】
このことから、本発明の実施の形態1においては、電気角360度周期の誤差を補正できるように出力巻線の仕様を、図24に示す従来例から工夫して変更すれば、固定子形状の工作誤差によって生じる検出位置誤差を低減し、高精度な回転角度検出装置を得ることができると考える。また、固定子鉄心を打抜くための金型の精度によってこのような誤差が生じるのであれば、同じ金型を使う限り同じような傾向の検出位置誤差が発生すると考えられ、量産時にも誤差を補正する巻線仕様を個々の回転角度検出装置において変更しなければならない可能性は小さいと思われる。
【0024】
そこで、出力巻線を工夫することにより電気角360度周期の誤差を意図的に発生させる手法を考察することにする。その第一段階として、電気角360度周期の誤差の原因を考える。上記構造の回転角度検出装置において、励磁巻線に交流電流を通電しつつ、回転子の位置を変化させていくと2相の出力巻線に生ずる電圧は正弦波状に変化し、その変化する位相が2相の出力巻線で互いに電気角90度ずれている。したがって、2相の出力巻線に生じる電圧の振幅を各回転子位置においてプロットしていくと、図27のようなグラフを得ることができる。ただし、出力巻線の電圧の振幅が負であるとは振幅が正であるときと位相が反転していることを示している。このように、出力巻線に生じる電圧が回転角度に対して理想的に正弦波状に変化するならば、その振幅を2相の出力巻線、出力巻線1および2でそれぞれe1、e2とし、回転子の回転角度(機械角)をψ[rad]とすれば、上記構造の回転角度検出装置は軸倍角が2であるから、
【0025】
【数1】
【0026】
と表すことができる。ただし、電圧の振幅は最大値を1とし規格化している。図27の波形は理想的には正弦波であるが、実際には高調波成分を含んでいる。出力電圧の振幅の変化に振幅αqの第q高調波が含まれた場合の2相の出力巻線の電圧の振幅をe1’、e2’とすれば、
【0027】
【数2】
【0028】
と書ける。ここで、
【0029】
【数3】
【0030】
とおくと、検出位置誤差ε[rad](電気角)は式(1)〜(6)から
【0031】
【数4】
【0032】
となる。αq<<1とすれば、式(7)は次式のように近似できる。
【0033】
【数5】
【0034】
また、εが十分小さい場合は
【0035】
【数6】
【0036】
が成り立つから、検出位置誤差εは
【0037】
【数7】
【0038】
となる。以上により出力巻線の電圧変化に含まれる高調波成分と検出位置誤差の周期の関係が明らかになった。
【0039】
式(9)からq=0のとき、すなわち出力巻線の電圧変化に直流成分が含まれるときに機械角180度周期(電気角360度周期)の誤差が発生することが分かる。したがって、意図的に出力巻線の電圧変化に直流成分を含ませるような巻線仕様にすれば、電気角360度周期の検出位置誤差を発生させることができ、うまく位相を設定すれば工作誤差による誤差を補正し、検出位置誤差を低減し、高精度な回転角度検出装置を得ることができると考えられる。ただし、ここで言う直流成分とは、図27のグラフでの直流成分であり、回転子の位置に依存せず、出力電圧の振幅と位相が一定となる成分のことを示していることに注意されたい。
【0040】
次に、意図的に出力巻線の電圧変化に直流成分を含ませる方法を考察する。上記構造の軸倍角2の回転角度検出装置においては、励磁巻線は各ティースに集中的に巻き回されており、隣り合うティースで極性が逆になるように巻かれているから、励磁巻線に流れる電流が作る起磁力は8極の成分すなわち空間4次の成分となる。一方、回転子は2つの突極を有し、パーミアンス脈動の成分として空間2次の成分を持つことになる。したがって、空隙に発生する磁束の空間次数はこれら起磁力の次数とパーミアンスの次数の和と差の成分、4+2=6と4−2=2が主な成分となり、さらに励磁巻線の電流が作る起磁力と同じ成分すなわち空間4次の成分も多く含まれると考察できる。起磁力の次数とパーミアンスの次数の和と差の成分、すなわちここでは空間2次と6次成分は回転子の位置によって変化し、出力巻線がこれらの磁束の変化を拾うことで回転角度検出装置としての動作をする。一方、励磁巻線の電流が作る起磁力と同じ成分、すなわち、ここでは空間4次の成分は回転子の位置によってほとんど変化することなくほぼ一定である。また、図25に示す従来例の出力巻線の巻線仕様ではこの空間4次成分の磁束を拾わないことが図30により理解できる。図30は従来例の出力巻線104−1,104−3,104−5,104−7(以下、まとめて104とする)と空間4次の磁束108を模式的に表現したものである。出力巻線104が巻き回されている各ティース101の巻数が同じNで、極性が互い違いになるような構成となっており、4つのティース101の鎖交磁束の和がゼロになることが理解できる。ところが、各ティース101の巻数を少し変化させるか、巻線104が施されていない隣のティース101にも若干の巻数の巻線を施せば、空間4次成分の磁束106を拾うことができ、かつ、この磁束108は回転子103の位置によって変化しないため、結果として出力巻線104の電圧変化に直流成分を含ませることが可能となる。すなわち、出力巻線104の巻数がNであるティース101を有し、さらに、巻数がN±m(N,mは正の整数でN>mとする)であるティース101か巻数がmであるティース101のいずれか一方あるいは両方とで構成されるようにすれば、出力巻線104の電圧変化に直流成分を含ませることが可能となり、電気角360度周期の検出位置誤差を意図的に発生させることができる。この誤差が工作誤差による検出位置誤差を補正するものであれば、検出位置誤差を低減し、高精度な回転角度検出装置を得ることができる。
【0041】
そこで、本実施の形態は、図1及び図2に示す巻線仕様の構成とする。ここでは、N=158、m=1としている。図3に検出位置誤差の波形を示す。図3においては、図24の従来の巻線仕様(図25でN=158とした場合)のときの検出位置誤差の波形(図の破線)と、図1の巻線仕様とした場合の波形(図の実線)とを示す。従来例の巻線仕様では、理想的な状態では図31の実線ですでに示したように検出位置誤差は小さく、十分精度が出るが、実際は工作誤差が原因で機械角180度すなわち電気角360度周期の誤差が見られる。本発明の巻線仕様ではこの誤差は低減されており、高精度な回転角度検出装置を得ることができたと言える。
【0042】
ここでは、巻数がN±m(N,mは正の整数でN>mとする。)であるティースと巻数がmであるティースとの両方で構成される例を示したが、いずれか一方で構成される場合においても、すでに述べたように電気角360度の誤差を意図的に発生させることができ、これにより、工作誤差によって発生した電気角360度の誤差を補正することができる。また、本実施の形態では、軸倍角が2のものについて示したが、軸倍角が1あるいは3以上のものについても同様に考えることが可能である。
【0043】
以上のように、1相の励磁巻線と2相の出力巻線を設けた固定子と、突極を有する回転子とからなる回転角度検出装置において、上記2相の出力巻線は固定子の複数のティースに巻き回されており、出力巻線の巻数がNであるティースを有し、さらに巻数がN±m(N,mは正の整数でN>mとする。)であるティースか巻数がmであるティースのいずれか一方あるいは両方とで構成されるようにしたので、工作誤差により発生した検出位置誤差を低減することができ、高精度な回転角度検出装置を得ることができるという効果がある。
【0044】
実施の形態2.
上述の実施の形態1においては出力巻線の巻数を図24の従来例から変更することによって、工作誤差が原因で発生する検出位置誤差を補正する手法を述べた。巻線仕様を工夫し、出力巻線の電圧変化に直流成分を含ませることによって電気角360度の検出位置誤差を意図的に発生するような巻線とし、工作誤差が原因で発生する誤差を補正した。
【0045】
本実施の形態においては、回転角度検出装置の構成を、出力巻線は固定子の複数のティースに巻き回されており、ある1相の出力巻線は各ティースにおける巻数がN±m、0、N、0(N,mは正の整数で N>mとする)となるか、あるいは、この巻数のパターンが繰り返されるように巻き回され、もう1相の出力巻線は各ティースにおける巻数が0、N、0、Nとなるか、あるいは、この巻数のパターンが繰り返されるように巻き回された構成とすることにより、意図的に発生する誤差の位相と振幅をある程度制御し、検出位置誤差をより効果的に低減できることを説明する。なお、ここでも、実施の形態1と同様、軸倍角2の例について考える。
【0046】
図4は、本実施の形態における回転角度検出装置の構成を示した構成図である。図4において、11はティースであり、12はそれらティース11を8個有した固定子である。図中の数字1〜8は、ティース11のティース番号を示している。13は回転子であり、15は回転子13の回転軸である。24a,24b,24c,24dは、ティース11に巻き回された出力巻線である。24a及び24bが出力巻線(1)(図中、符号21)であり、24c及び24dが出力巻線(2)(図中、符号22)である。巻数は、出力巻線(1)においては、出力巻線24a(ティース番号3,7のティースに巻き回された出力巻線)がN、出力巻線24b(ティース番号1,5のティースに巻き回された出力巻線)がN±mとなっている。また、出力巻線(2)においては、出力巻線24c(ティース番号2,6のティースに巻き回された出力巻線)及び出力巻線24d(ティース番号4,8のティースに巻き回された出力巻線)のいずれもNとなっている。図5は、図4の各ティースにおける出力巻線の巻数を示したものである。
【0047】
実施の形態1において、各ティースの出力巻線の巻数を変化させることにより、空間4次の磁束を拾うことが可能となり、出力巻線の電圧の変化に直流成分を加え、電気角360度の誤差を意図的に発生させることができることを述べた。そこで、回転子位置による各出力巻線の電圧の振幅の変化(規格化した値)をそれぞれ、
【0048】
【数8】
【0049】
とする。ここで、α1とα2はそれぞれ出力巻線(1)と出力巻線(2)の電圧変化の直流成分であり、その絶対値は1より十分小さい値とする。実施の形態1で述べたように検出位置誤差ε[rad](電気角)を求めると、
【0050】
【数9】
【0051】
と近似できる。ただし、
【0052】
【数10】
【0053】
である。式(12)、(13)から、α1とα2をうまく設定することにより効果的に誤差を低減できると考えられる。
【0054】
図4及び図5を用いて、本実施の形態の出力巻線について説明する。ただし、励磁巻線については図では省略しているが、実施の形態1と同様に、各ティースに集中的に巻き回されており、隣り合うティースで極性が逆になるように巻かれている。上述したように、出力巻線(1)21の巻数がティース番号1,2,3,4,5,6,7,8の順にN±m、0、N、0、N±m、0、N、0となっており、出力巻線(2)22の巻数がティース番号1,2,3,4,5,6,7,8の順に0、N、0、N、0、N、0、Nとなっている。また、実施の形態1で述べたように、巻線の極性は互い違いになっており、出力巻線(1)21はティース番号1と5で同じ、3と7で同じ、かつ、ティース番号1と3で逆極性になるように巻き回されていて、出力巻線(2)22はティース番号2と6で同じ、4と8で同じ、かつ、ティース番号2と4で逆極性になるように巻き回されている。
【0055】
なお、図5は出力巻線(1)21の巻数を従来例から変化させ、出力巻線(2)22は従来例と同等にした場合、すなわち、図4の巻線仕様を表にしたものであるが、図6はその逆で、すなわち、出力巻線(2)22の巻数を従来例から変化させ、出力巻線(1)21は従来例と同等にした場合である。ただし、図5の出力巻線(1)21において、ティース番号1と5において複合同順であり、図6の出力巻線(2)22において、ティース番号2と6において複合同順である。このように巻数を設定することにより、式(12)のα1とα2を正、負、ゼロと変化させることが可能となる。なぜなら、出力巻線(1)21および出力巻線(2)22の巻線仕様が従来例と同様であればα1、α2はゼロとなり、巻数がN±mのティースが含まれると、すでに説明したように出力巻線が空間4次成分を拾い、α1とα2がゼロでなくなり、その符号が巻数をN+mとするかN−mにするかで符号が逆転するからである。符号の逆転をもう少し詳細に説明しておく。巻数をN+mとするかN−mにするかによって出力巻線の振幅変化に現れる直流成分となる空間4次成分の鎖交磁束の位相が反転する。この位相の反転によってα1、α2の符号が変わる。
【0056】
上記のように巻線仕様を工夫することにより、α1、α2をゼロに設定したり、符号を変化できることが分かった。具体的には、図5の巻線によりα2=0とした上で、α1を正か負になるように設定でき、図6の巻線によりα1=0とした上で、α2を正か負になるように設定できる。図7に本実施の形態にて可能なα1、α2の組み合わせと式(12)のβすなわち意図的に発生させる検出位置誤差の位相を示す。図7から検出位置誤差の位相を電気角90度間隔で設定することが可能であることが分かる。またmを変化させることにより、出力巻線が比拾う空間4次成分の磁束の量を調節できるため、意図的に発生させる検出位置誤差の振幅についても制御できることが分かる。ただし、N>mでないと意図的に発生させる誤差の振幅が大きくなりすぎるので不適切である。また、図5の出力巻線(1)においてのティース番号1,5の巻数をN、ティース番号3,7の巻数をN±mとしたものおよび図6の出力巻線(2)においてティース番号2,6の巻数をN、ティース番号4,8の巻数をN±mとしたものも原理的には同等であることは言うまでもない。
【0057】
以上の考察から、工作誤差が原因で発生する検出位置誤差の振幅、位相を把握し、適切な巻数を選定することによって工作誤差が原因で発生する検出位置誤差を補正し、高精度な回転角度検出装置を得ることができる。
【0058】
具体例として、図6でN=158、m=2とし符号は+を選択した場合の巻線仕様について示す。図8に固定子内径の真円度が悪化した場合の検出位置誤差を示す。横軸は回転子の回転角度を機械角で示し、縦軸は検出位置誤差を機械角で示す。従来例のように出力巻線の巻数を設定した場合(図の破線)では、機械角180度すなわち電気角360度の周期を持った検出位置誤差が生じている。その誤差の振幅は機械角で約0.7度である。一方、本実施の形態に従った巻数にした場合(図の実線)には、誤差を低減できており、その振幅は約0.4度となって、従来例より高精度な回転角度検出装置として機能していることが分かる。また、本実施の形態においては、向かい合うティースの出力巻線の巻数が同じとなるため、回転子の偏心の影響を受けにくいという効果がある。
【0059】
本実施の形態においては、軸倍角が2の例について述べたが、軸倍角が1の場合はティースが4本になるため、巻数を例えば出力巻線1ではティース番号1,2,3,4の順にN±m、0、N、0とし、出力巻線2ではティース番号1,2,3,4の順に0、N、0、Nとすればよい。また、軸倍角が3以上のものについても同様に考えることができ、例えば出力巻線1では巻数をN±m、0、N、0のパターンを軸倍角たけ繰り返し、出力巻線2では巻数を0、N、0、Nのパターンを軸倍角だけ繰り返せばよい。
【0060】
以上より、1相の励磁巻線と2相の出力巻線を設けた固定子と、突極を有する回転子とからなる回転角度検出装置において、上記2相の出力巻線は固定子の複数のティースに巻き回されており、ある1相の出力巻線は各ティースにおける巻数がN±m、0、N、0(N,mは正の整数でN>mとする)となるか、あるいはこの巻数のパターンが繰り返されるように巻き回され、もう1相の出力巻線は各ティースにおける巻数が0、N、0、Nとなるか、あるいはこの巻数のパターンが繰り返されるように巻き回された構成としたので、工作誤差によって発生する検出位置誤差を低減することができ、さらにこの検出位置誤差を補正するために意図的に発生させる検出位置誤差の位相を電気角90度間隔で制御でき、さらに振幅も制御できるため、効果的に検出位置誤差を低減することができ、高精度な回転角度検出装置を得ることができるという効果がある。
【0061】
実施の形態3.
本実施の形態においては、回転角度検出装置の構成を、出力巻線は固定子の複数のティースに巻き回されており、ある1相の出力巻線は各ティースにおける巻数がN、0、N±m1、0(N,m1は正の整数でN>m1とする。)となるか、あるいはこの巻数のパターンが繰り返されるように巻き回され、もう1相の出力巻線は各ティースにおける巻数が0、N±m2、0、N(N,m2は正の整数でN>m2とする)となるか、あるいはこの巻数のパターンが繰り返されるように巻き回された構成とすることにより、検出位置誤差を実施の形態2よりもさらに効果的に低減できることを説明する。
【0062】
実施の形態2で、工作誤差によって発生する検出位置誤差を補正することを目的として、意図的に発生しようとする検出位置誤差の位相を電気角90度単位で変化させることができる上、その振幅も制御可能であることを述べた。しかしながら、式(12)(13)からα1、α2を任意の値に調整できれば、意図的に発生しようとする検出位置誤差の位相および振幅を任意に制御できる、さらに効果的に検出位置誤差の低減が可能になる。
【0063】
図9は、本実施の形態における回転角度検出装置の構成を示した構成図である。図9において、12はティース11を8個有した固定子である。図中の数字1〜8は、ティース11のティース番号を示している。34a,34b,34c,34dは、ティース11に巻き回された出力巻線である。34a及び34bが出力巻線(1)(図中、符号21)であり、34c及び34dが出力巻線(2)(図中、符号22)である。巻数は、出力巻線(1)においては、出力巻線34a(ティース番号3,7のティースに巻き回された出力巻線)がN±m1、出力巻線34b(ティース番号1,5のティースに巻き回された出力巻線)がNとなっている。また、出力巻線(2)においては、出力巻線34c(ティース番号2,6のティースに巻き回された出力巻線)がN±m2、出力巻線34d(ティース番号4,8のティースに巻き回された出力巻線)のいずれもNとなっている。図10は、図9の各ティースにおける出力巻線の巻数を示したものである。
【0064】
図9及び図10を用いて本実施の形態について説明する。ここでも、これまで同様、軸倍角2の回転角度検出装置について考える。図9では励磁巻線については図では省略しているが、実施の形態1,2と同様に、各ティースに集中的に巻き回されており、隣り合うティースで極性が逆になるように巻かれている。ここでは、出力巻線(1)21の巻数がティース番号1,2,3,4,5,6,7,8の順にN、0、N±m1、0、N、0、N±m1、0となっており、出力巻線(2)22の巻数がティース番号1,2,3,4,5,6,7,8の順に0、N±m2、0、N、0、N±m2、0、Nとなっている。ここで、N,m1、m2は正の整数でN>m1、N>m2とする。また、実施の形態1で述べたように、巻線の極性は互い違いになっており、出力巻線(1)21はティース番号1と5で同じ、3と7で同じ、かつ、ティース番号1と3で逆極性になるように巻き回されていて、出力巻線(2)22はティース番号2と6で同じ、4と8で同じ、かつ、ティース番号2と4で逆極性になるように巻き回されている。このように構成された出力巻線が、空間4次成分の磁束をどのように拾うか考えてみると、各ティースにおいて巻線の巻数1あたりに鎖交する空間4次成分の磁束をΦとする。このとき、出力巻線1に鎖交する空間4次成分の磁束は、ティース番号1,3,5,7の巻線の極性と巻数を考慮すれば、
【0065】
【数11】
【0066】
と書け、出力巻線2についても同様に、巻数、極性を考慮し、空間4次成分の磁束の位相が出力巻線1の施されたティースの位置とは位相が反転していることに注意すれば、
【0067】
【数12】
【0068】
となる。だたし、式(14)(15)それぞれの中では複合同順であるが、巻線仕様により、必ずしも式(14)(15)両方で複合同順とならない。これらの磁束と出力巻線の電圧の振幅変化に含まれる直流成分とが比例関係にある、すなわち式(10)(11)の右辺とα1、α2とはそれぞれ比例関係にあることになるので式(13)は
【0069】
【数13】
【0070】
と書きかえることができる。但し、複合同順である。この式から、m1、m2を変化させることにより、工作誤差が原因で発生する検出位置誤差を補正するために、意図的に発生させようとする検出位置誤差の位相を任意に設定できることが分かる。さらに、その振幅は式(12)より、
【0071】
【数14】
【0072】
となるので、意図的に発生させようとする検出位置誤差の振幅も任意に設定できることが分かる。図9では、出力巻線(1)21においてティース番号1,5での巻数がN±m1とし、ティース番号3,7で巻数をNとした例を示したが、ティース番号1,5での巻数がNとし、ティース番号3,7で巻数をN±m1としとした場合でもよい。なぜなら、出力巻線(1)21の鎖交する空間4次成分の磁束は式(14)の右辺の符号が逆転するたけで、意図的に発生させようとする検出位置誤差の位相、振幅ともに調整できるという点で同じだからである。同様に、出力巻線(2)22についても同様で、ティース番号2,6での巻数がNとし、ティース番号4,8で巻数をN±m2とした場合でもよいことが言える。工作誤差が原因で発生する検出位置誤差を補正することを目的として意図的に発生させる検出位置誤差の位相と振幅を任意に設定できることから、実施の形態2より効果的に誤差の補正が可能となり、高精度な回転角度検出装置を得ることができることが分かった。
【0073】
本実施の形態の具体例として、図10において、N=158、m1=1、m2=1とし、符号はいずれも+を選択した場合について工作誤差による検出位置誤差を低減できることを示す。図11に固定子内径の真円度が悪化した場合の検出位置誤差を示す。横軸は回転子の回転角度を機械角で示し、縦軸は検出位置誤差を機械角で示す。従来例のように出力巻線の巻数を設定した場合(図の破線)では、機械角180度すなわち電気角360度の周期を持った検出位置誤差が生じている。その誤差の振幅は機械角で約0.6度である。一方、本実施の形態に従った巻数にした場合(図の実線)には、誤差を大幅に低減できておりその振幅は約0.2度となって、従来例より高精度な回転角度検出装置として機能していることが分かる。また、本実施の形態においては、向かい合うティースの出力巻線の巻数が同じとなるため、回転子の偏心の影響を受けにくいという効果がある。
【0074】
本実施の形態においては、軸倍角が2の例について述べたが、軸倍角が1の場合はティースが4本になるため、巻数を例えば出力巻線1ではティース番号1,2,3,4の順にN±m1、0、N、0とし、出力巻線2ではティース番号1,2,3,4の順に0、N±m2、0、Nとすればよい。また、軸倍角が3以上のものについても同様に考えることができ、例えば出力巻線1では巻数N±m1、0、N、0のパターンを軸倍角たけ繰り返し、出力巻線2では巻数0、N±m2、0、Nのパターンを軸倍角たけ繰り返せばよい。
【0075】
以上より、1相の励磁巻線と2相の出力巻線を設けた固定子と、突極を有する回転子とからなる回転角度検出装置において、上記2相の出力巻線は固定子の複数のティースに巻き回されており、ある1相の出力巻線は各ティースにおける巻数がN±m1、0、N、0(N,m1は正の整数でN>m1とする。)となるか、あるいはこの巻数のパターンが繰り返されるように巻き回され、もう1相の出力巻線は各ティースにおける巻数が0、N±m2、0、N(N,m2は正の整数でN>m2とする。)となるか、あるいはこの巻数のパターンが繰り返されるように巻き回された構成とすることにより、工作誤差によって発生する検出位置誤差を低減することができ、さらにこの検出位置誤差を補正するために意図的に発生させる検出位置誤差の位相を任意に制御でき、さらに振幅も任意に制御できるため、効果的に検出位置誤差を低減することができ、高精度な回転角度検出装置を得ることができるという効果がある。
【0076】
実施の形態4.
図12は、本実施の形態における回転角度検出装置の構成を示した構成図である。図12において、11はティースであり、12はそれらティース11を8個有した固定子である。図中の数字1〜8は、ティース11のティース番号を示している。13は回転子であり、44aはティース11に巻き回された出力巻線(1)、44bおよび44cはティース11に巻き回された出力巻線(2)である。巻数は、それぞれ、出力巻線44a(ティース番号1,3,5,7のティースに巻き回された出力巻線)がN、出力巻線44b(ティース番号2,4のティースに巻き回された出力巻線)がN+m、出力巻線44c(ティース番号6,8のティースに巻き回された出力巻線)がNとなっている。また、15は回転子13の回転軸である。図13は、上述した各ティースにおける出力巻線の巻数をまとめたものである。
【0077】
図24の従来例を用いて説明したように、上述した図26のグラフに示されるように、固定子の内径が真円から20μmだけずれて四角形状に変形した場合の検出位置誤差の周期は、機械角90度であり、これは電気角に直すと180度である。ただし、電気角は機械角に軸倍角を乗じた値とする。また、この電気角180度周期の誤差の位相は、生じている工作誤差によって様々な値に変化する。
【0078】
このことから、本実施の形態においては、電気角180度周期の誤差を補正できるように出力巻線の仕様を、図24に示す従来例から工夫して変更すれば、固定子形状の工作誤差によって生じる検出位置誤差を低減し、高精度な回転角度検出装置を得ることができると考える。また、上述の実施の形態1においても述べたように、固定子鉄心を打抜くための金型の精度によってこのような誤差が生じるのであれば、同じ金型を使う限り同じような傾向の検出位置誤差が発生すると考えられ、量産時にも誤差を補正する巻線仕様を個々の回転角度検出装置において変更しなければならない可能性は小さいと思われる。
【0079】
そこで、出力巻線を工夫することにより電気角180度周期の誤差を意図的に発生させる手法を考察することにする。その第一段階として、電気角180度周期の誤差の原因を考える。上記構造の回転角度検出装置において、励磁巻線に交流電流を通電しつつ、回転子の位置を変化させていくと2相の出力巻線に生ずる電圧は正弦波状に変化し、その変化する位相が2相の出力巻線で互いに電気角90度ずれている。したがって、2相の出力巻線に生じる電圧の振幅を各回転子位置においてプロットしていくと、図27のようなグラフを得ることができる。ただし、出力巻線の電圧の振幅が負であるときは、振幅が正であるときと位相が反転していることを示している。このように、出力巻線に生じる電圧が回転角度に対して理想的に正弦波状に変化するならば、その振幅を2相の出力巻線、出力巻線(1)および(2)でそれぞれe1、e2とし、回転子の回転角度(機械角)をψ[rad]とすれば、上記構造の回転角度検出装置は軸倍角が2であるから、
【0080】
【数15】
【0081】
と表すことができる。ただし、電圧の振幅は最大値を1とし規格化している。図27の波形は理想的には、振幅の等しい正弦波であるが、実際には工作誤差などが原因で2相の出力巻線にて振幅が異なっている場合がある。出力電圧の振幅が異なり、出力巻線(2)の出力電圧の振幅が出力巻線(1)のそれの1+α倍となった場合、2相の出力巻線の電圧の振幅をe1’、e2’とすれば、
【0082】
【数16】
【0083】
と書ける。ここで、
【0084】
【数17】
【0085】
とおくと、検出位置誤差ε[rad](電気角)は式(18)〜(23)から
【0086】
【数18】
【0087】
となる。α<<1とすれば、式(24)は次式のように近似できる。
【0088】
【数19】
【0089】
また、εが十分小さい場合は
【0090】
【数20】
【0091】
が成り立つから、検出位置誤差εは
【0092】
【数21】
【0093】
となる。以上により、2相の出力巻線の電圧の違いが検出位置誤差に与える影響が明らかになった。
【0094】
例えば、図24の従来の回転角度検出装置において、固定子102の内径が四角形状に変形した場合、1相の出力巻線の巻き回されているティース101が回転子103側に近づき、他方は回転子103から離れるので2相の出力巻線に鎖交する磁束に差が生じる。したがって、上記の考察から電気角180度周期の誤差が発生することになる。しかしながら、巻線を工夫し、工作誤差のない理想的な状態において2相の出力巻線の電圧に差が生じるようにしていれば、内径の変形によって発生する検出位置誤差を補正し、低減することができる。
【0095】
以下、電気角180度周期の誤差を低減する出力巻線、すなわち工作誤差のない理想的な状態において2相の出力巻線の電圧に差が生じるような出力巻線について考察する。図24の軸倍角2の従来の回転角度検出装置においては、励磁巻線(図示省略)は各ティース101に集中的に巻きまわされており、隣合うティース101で極性が逆になるように巻かれているから、励磁巻線に流れる電流が作る起磁力は8極の成分、すなわち空間4次の成分となる。
【0096】
一方、回転子103は2つの突極を有し、パーミアンス脈動の成分として空間2次の成分を持つことになる。したがって、空隙に発生する磁束の空間次数はこれらの起磁力の次数とパーミアンスの次数の和と差の成分、4+2=6と4−2=2が主な成分となり、さらに、励磁巻線の電流が作る起磁力と同じ成分すなわち空間4次の成分も多く含まれると考察できる。起磁力の次数とパーミアンスの次数の和と差の成分、すなわちここでは空間2次と6次の成分か回転子103の位置によって変化し、出力巻線がこれらの磁束の変化を拾うことで回転角度検出装置としての動作をする。一方、励磁巻線の電流が作る起磁力と同じ成分、すなわちここでは空間4次の成分は回転子の位置によってほとんど変化することなくほぼ一定である。
【0097】
工作誤差のない理想的な状態において2相の出力巻線の電圧に差が生じるような出力巻線を実現するためには、2相の出力巻線はいずれも空間4次の磁束を拾わず、空間2次と4次の磁束に関しては2相の出力巻線で差が出るようにしなければならない。そこで、出力巻線の鎖交磁束を空間2次、6次、4次の成分について考える。図28は、空間2次の磁束が出力巻線にどのように鎖交するかを説明するための図である。巻線は出力巻線(1)(符号100−1)のみを示す。空間2次の磁束を楕円状の実線で示している。図29は空間6次、図30は空間4次についての図である。ここでは、図24のティース番号1〜8までの巻数をそれぞれN1〜N8とする。空隙磁束密度の空間2次、6次、4次の成分をそれぞれ、φ2 ,φ6,φ4 とすると出力巻線1に鎖交する空間2次、6次、4次の磁束をΦ21,Φ61,Φ41とすれば、図28,29,30を参考にして巻線の極性に注意すれば、
【0098】
【数22】
【0099】
となることが理解できる。出力巻線(2)についても同様で、出力巻線(1)に鎖交する空間2次、6次、4次の磁束をΦ22,Φ62,Φ42とすれば
【0100】
【数23】
【0101】
となる。図13に示したように従来例の巻線仕様ではN1〜N8は全てNに等しいので、式(27)〜(32)より
【0102】
【数24】
【0103】
となり、従来の巻線仕様では空間2次、4次を拾いその振幅は2相の出力巻線で等しく、さらに空間4次の磁束は拾わない。ところが、本発明においては、図14のように出力巻線2のティース2,4の巻数を変化させてN+m(mは正の整数でN>m)にした場合には、上式(27)〜(32)から
【0104】
【数25】
【0105】
となり、回転子位置を知るために必要な空間2次、6次の磁束成分に関して差が生じ、空間4次については従来例と同じく拾わない。以上により、出力巻線(1)と(2)で出力電圧に差を生じさせることができ、意図的に電気角180度周期の誤差を発生させることができるのである。
【0106】
式(34)(35)から出力巻線の鎖交磁束の比、すなわち出力電圧の比が分かる。出力巻線(1)の電圧で規格化すれば、出力巻線(2)の電圧は式(34)(35)より、出力巻線(1)の
【0107】
【数26】
【0108】
倍になることが明らかである。これは式(21)でα=m/2Nとした場合に相当し、意図的に発生させようとする誤差εは
【0109】
【数27】
【0110】
となる。したがって、Nとmを適切に選ぶことにより工作誤差によって発生する電気角180度周期の誤差を補正し、低減することができることが理解できた。
【0111】
本発明の具体的例として図13においてN=158、m=2とした場合について述べる。図14に検出位置誤差の波形を示す。従来の巻線仕様(図25でN=158)とした場合には図26の実線で示したように検出位置誤差は小さい。ところが工作誤差により図14の破線で示したように機械角90度周期すなわち電気角180度周期の検出位置誤差が増大する。そこで、本発明の巻線仕様(図13においてN=158、m=2とした場合)は実線で示したように電気角180度周期の検出位置誤差が低減され、高精度な回転角度検出装置として動作していると言える。
【0112】
ここでは出力巻線(2)のティース番号2,4の巻数をN+mに変化させた場合について述べたが、工作誤差による検出位誤差の位相が逆転してるときはN−mとすれば同様に誤差を低減できることは式(37)から分かる。また、ティース番号2,4の巻数を変化させるのではなくティース番号6,8やティース番号4,6を変化した場合でも同様の効果があることは言うまでもない。また、出力巻線(2)の巻数を変化させた場合について述べたが、出力巻線(2)は従来例と同じで出力巻線(1)の巻数を変化させた場合についても同様の効果が得られることは言うまでもない。また、図13においては、一方の出力巻線が、N+m,0,N+m,0のパターンを少なくとも1つ有する例について述べたが、一方の出力巻線が、N−m,0,N−m,0のパターンを少なくとも1つ有する場合においても、同様の効果が得られることは言うまでもない。さらに、今回は軸倍角2の回転角度検出装置について述べたが、軸倍角1の場合はティースが4本になるので、例えば出力巻線(1)の巻数をティース1〜4の順にN±m,0,N±m,0(複合同順)、出力巻線(2)の巻数を0,N,0,Nなどとすれば同様の効果が得られる。また、軸倍角が3以上のものについても、出力巻線の一方は従来例と同じとし、一方にN±m,0,N±m,0(複合同順)なるパターンを少なくとも1回設けることにより同様の検出位置誤差低減の効果があることは言うまでもない。
【0113】
以上のように、1相の励磁巻線と2相の出力巻線を設けた固定子と、突極を有する回転子とからなる回転角度検出装置において、上記2相の出力巻線は固定子の複数のティースに巻き回されており、一方の出力巻線において巻数がN±m,0,N±m,0(複合同順)のパターンを少なくとも1つ有し(N,mは正の整数でN>m)、もう一方の出力巻線は0,N,0,Nとなるかこのパターンの繰り返しで構成することにより、固定子内径の真円度の悪化等の工作誤差によって発生する検出位置誤差を補正することができるため、検出位置誤差の小さいすなわち精度のよい回転角度検出装置を得ることができるという効果がある。
【0114】
実施の形態5.
上述の実施の形態4では、図13に示すように出力巻線の巻数の一部を変更し、N±m,0,N±m,0(複合同順)なるパターンを少なくとも1つ有する場合について述べたが、本実施の形態では、2相あるうちの1相の出力巻線を全てN±m,0,N±m,0(複合同順)のパターンの繰り返しとした場合を考える。
【0115】
図15は本実施の形態の回転角度検出装置である。図15において、11はティースであり、12はそれらティース11を8個有した固定子である。図中の数字1〜8は、ティース11のティース番号を示している。13は回転子であり、54aはティース11に巻き回された出力巻線(1)、54bはティース11に巻き回された出力巻線(2)である。巻数は、それぞれ、出力巻線54a(ティース番号1,3,5,7のティースに巻き回された出力巻線)がN、出力巻線54b(ティース番号2,4、6,8のティースに巻き回された出力巻線)がN−mとなっている。また、15は回転子13の回転軸である。図16は、上述した各ティースにおける出力巻線の巻数をまとめたものである。
【0116】
出力巻線(1)は従来例と同じ巻数Nとし、出力巻線(2)についてはすべてN±mとしている。このとき、Φ21,Φ61,Φ41 ,Φ22,Φ62,Φ42を求めると
【0117】
【数28】
【0118】
となる。このとき、出力巻線(1)と(2)の出力電圧の比を求めると、
【0119】
【数29】
【0120】
となり、これは式(21)においてα=±m/Nとした場合に相当する。よって、意図的に発生しようとする誤差ε[rad](電気角)は
【0121】
【数30】
【0122】
となる。また、出力巻線(2)は従来例と同じ巻数Nとし、出力巻線(1)についてはすべてN±mとした場合には同様に、
【0123】
【数31】
【0124】
となるから、このとき、出力巻線(1)と(2)の出力電圧の比を求めると、
【0125】
【数32】
【0126】
となり、これは式(21)においてα=±m/Nとした場合に相当する(ただしm<<Nとした)。よって、意図的に発生しようとする誤差ε[rad](電気角)は
【0127】
【数33】
【0128】
となる。
【0129】
そこで具体例として図16の巻線仕様にてN=158、m=1とした場合について検出位置誤差を磁界解析によって求めた。図18にその結果を示す。従来の巻線では振幅が機械角0.19度程度(電気角で0.38度)の電気角180度周期の誤差が見られたが、図16の巻線仕様ではこの誤差が低減されて、高精度な回転角度検出装置として動作していることが分かる。
【0130】
なお、図16は出力巻線(1)21の巻数は従来例と同等にし、出力巻線(2)22の巻数を従来例から変化させた場合、すなわち、図15の巻線仕様を表にしたものであるが、図17はその逆で、すなわち、出力巻線(1)21の巻数を従来例から変化させ、出力巻線(2)22は従来例と同等にした場合である。ただし、図16においては、各ティースにおいて、変化させた巻数がN−mと記載したが、図17においては、各ティースにおいて、変化させた巻数がN+mと記載されている。しかしながら、これは、記載された例に限定されるものではなく、本実施の形態においては、一方の出力巻線において巻数がN±m,0,N±m,0となるか、あるいは、N±m,0,N±m,0のパターンの繰り返しで構成され(N,mは正の整数でN>m)、かつ、もう一方の出力巻線は0,N,0,Nとなるか、このパターンの繰り返しで構成されていればよいものとする。
【0131】
図17の巻線仕様にてN=158、m=1とした場合についても、図19に示す。この場合も従来の巻線では振幅が機械角0.19度程度(電気角で0.38度)の電気角180度周期の誤差が見られたが、図17の巻線仕様ではこの誤差が低減されて、高精度な回転角度検出装置として動作していることが分かる。
【0132】
ここでは軸倍角が2の回転角度検出装置について述べたが、軸倍角が3以上についても同様のことが言える。例えば軸倍角が3の場合であれば、例えば12本のティースにおいて出力巻線(1)は巻数はN±m,0,N±m,0のパターンを3回繰り返した仕様として、出力巻線(2)については0,N,0,Nのパターンを3回繰り返した仕様とすれば同様の効果が得られる。さらに軸倍角によって式(41)(45)は変化しないことも明らかであり軸倍角によらず、検出位置誤差の低減という効果が得られる。
【0133】
以上により、1相の励磁巻線と2相の出力巻線を設けた固定子と、突極を有する回転子とからなる回転角度検出装置において、上記2相の出力巻線は固定子の複数のティースに巻き回されており、一方の出力巻線において巻数がN±m,0,N±m,0となるかあるいはN±m,0,N±m,0のパターンの繰り返しで構成され(mは正の整数でN>m)、かつ、もう一方の出力巻線は0,N,0,Nとなるかこのパターンの繰り返しで構成することにより、固定子内径の真円度の悪化等の工作誤差によって発生する検出位置誤差を補正することができるため、検出位置誤差の小さいすなわち精度のよい回転角度検出装置を得ることができるという効果がある。さらに、実施の形態4においては、一方の出力巻線の巻数が周方向にアンバランスになっていたが、本実施の形態ではアンバランスが生じず、周方向で対称性をもっている。したがって偏心に対して誤差があまり増大しないという効果もある。
【0134】
実施の形態6.
これまで、出力巻線の巻数を従来例から変化させて、工作誤差によって発生する検出位置誤差を低減し、高精度な回転角度検出装置を得る手法を述べた。本実施の形態においては、より巻数をうまく調整することにより、さらに効果的に検出位置誤差を低減する手法について述べる。
【0135】
工作誤差によって発生する検出位置誤差を補正するため、意図的に発生させる検出位置誤差と出力巻線の巻数との関係は既に導出したように式(41)(28)で表される。これは、実施の形態5の巻線仕様において工作誤差のない理想的な状態において電気角180度周期の検出位置誤差を振幅m/2Nで意図的に発生させることができることを示している。すなわち、工作誤差がある状態で、従来の巻線仕様で発生する検出位置誤差の振幅εとこの意図的に発生させる誤差の振幅が一致するようにNおよびmを選定すれば、より効果的に誤差を低減することができるのである。
【0136】
具体的な例として、図25に示した従来の巻線仕様でN=158としたときに電気角0.38度すなわち0.0066[rad]の振幅の誤差が生じている場合に対し、m=2とし、
【0137】
【数34】
【0138】
のように意図的に発生する検出位置誤差の振幅と工作誤差による検出位置誤差の振幅をほぼ一致させた場合についてその効果を見る。本実施の形態における巻線仕様は、図20でN=158、m=2とした場合に相当する。このときの検出位置誤差のグラフを図21に示す。これまでの実施の形態に比べて、より効果的に検出位置誤差を低減し、さらに高精度な回転角度検出装置を得ることができたといえる。ここではm/2Nとεがほぼ等しい場合について示したが、
【0139】
【数35】
【0140】
とした場合にはさらに誤差を低減できるということは言うまでもない。
【0141】
以上により、従来例の巻線仕様の場合に検出位置誤差が電気角でε[rad]発生する回転角度検出装置において、上記誤差を補正するため、m/2Nとεをほぼ等しく、望ましくは、m/2N=εとなるようにNとmを選定したことにより、固定子内径の真円度の悪化等の工作誤差によって発生する検出位置誤差を補正することができるため、誤差低減のため意図的に発生させる誤差と工作誤差によって発生している誤差の振幅がほぼ等しくあるいは等しくできるため、より効果的に検出位置誤差を低減でき、高精度な回転角度検出装置を得ることができるという効果がある。
【0142】
実施の形態7.
これまでは、回転子の形状については特に限定しなかったが、本発明の巻線によって工作誤差が原因で発生する検出位置誤差を低減できたとしても、回転子の形状が適切でないと検出位置誤差が大きくなってしまう場合がある。本発明では、回転子の形状によって生じるパーミアンスの変動成分を利用した回転角度検出装置に関するものであり、上記パーミアンスの変動成分が正弦波状であれば検出位置誤差が小さく、高精度になる。
【0143】
したがって、回転子の回転軸中心を原点とし回転子外周の位置を表す角度θとするとき、固定子内周と回転子の外周の間のパーミアンスを角度θにおいて、直流成分も含めて
【0144】
【数36】
【0145】
となれば、高精度な回転角度検出装置として機能する。ただし、A、Bは正の定数でA>B、Mは回転角度検出装置の軸倍角とする。空隙長はパーミアンスに逆比例することと式(31)とから、前記角度θの位置における空隙長が
【0146】
【数37】
【0147】
となるような回転子形状とすれば、空隙のパーミアンスの脈動成分が正弦波状となり高精度な回転角度検出装置を得ることができる。
【0148】
したがって、出力巻線の巻数を実施の形態1〜6で述べたいずれかのように設定し、さらに回転子を式(49)によって決まる形状としたことで検出位置誤差をさらに低減することができ、高精度な回転角度検出装置を得ることができるという効果がある。
【0149】
実施の形態8.
図22に、上述した本発明の回転角度検出装置を具備した永久磁石型回転電機を示す。図22において、140は永久磁石型回転電機、141は回転電機140の固定子、142は当該固定子141を構成している電機子鉄心、143は同じく固定子141を構成している電機子巻線、144は回転電機140の回転子、145は当該回転子144を構成している回転子鉄心、146は同じく回転子144を構成している永久磁石、147は回転子鉄心145が固定されているシャフトである。なお、12,13,14は上述したものと同じであり、すなわち、それぞれ、回転角度検出装置の固定子、回転子、出力巻線である。なお、出力巻線については、実施の形態1における符号14を用いているが、この場合に限らず、上述の実施の形態のいずれのものでもよいものとする。また、16は回転角度検出装置の励磁巻線である。
【0150】
この永久磁石型回転電機140は、電機子鉄心142と電機子鉄心142に納められた電機子巻線143によって構成される固定子141と、回転子鉄心145と永久磁石146とで構成される回転子144を具備している。回転子144はシャフト147に固定されている。回転子144は軸受け148によって自由自在に回転できる。
【0151】
実施の形態1〜7で述べた回転角度検出装置はシャフト147にその回転子144が例えば圧入によって固定されており、回転子144の回りに固定子141が囲うような位置で永久磁石型回転電機140の固定子141側に固定されている。回転角度検出装置の回転子13は、永久磁石型回転電機140の回転子144とともに回転する。回転角度検出装置の励磁巻線に励磁電流を加えると出力巻線に電圧が生じ、その電圧の変化を読み取り回転角度を検出する。
【0152】
実施の形態1〜7では工作誤差が原因で発生する検出位置誤差を補正し、回転角度検出装置を高精度化する手法について説明した。本発明の技術を適用した回転角度検出装置を図22に示したように、永久磁石型回転電機140の回転子144の回転角度を検出する用途に用いたとすれば、上記回転角度検出装置は、工作誤差が原因で発生する検出位置誤差を低減し、高精度化されているため永久磁石型回転電機140の回転子144の位置決め精度が向上するという効果がある。
【0153】
また、検出位置誤差が大きいと、永久磁石型回転電機140の回転子144の位置を正確に把握できないため、電流の位相が通電すべき位相からずれるため、トルク指令値と実際に発生するトルクとの間に差が生じる。これまでの例で分かるように、回転角度検出装置の検出位置誤差は回転角によって周期的に変化するため、トルク値もそれに伴い脈動する。すなわち、回転角度検出装置の検出位置誤差が大きいとトルク脈動が大きくなり、永久磁石型回転電機140の性能を低下させることになるのである。そこで、実施の形態1〜7で述べた回転角度検出装置を用いれば、検出位置誤差が低減されているので、トルク脈動が小さく永久磁石型回転電機を駆動することができるという効果がある。また、構造が複雑で高価な光学式エンコーダなどを用いないので、構造が簡単で安価であり、かつ耐環境性にすぐれた永久磁石型回転電機を得ることができるという効果もある。
【0154】
本実施の形態では回転角度検出装置を永久磁石型回転電機の負荷側に配置した例を示したが、負荷とは逆方向に回転角度検出装置を配置した場合や回転電機の内部に配置した場合にも同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0155】
実施の形態9.
また、電動パワーステアリング装置のように、駆動源として用いる電動機のトルク脈動を小さくする必要がある用途には、実施の形態8で述べた永久磁石型回転電機が適していると言える。図23に電動パワーステアリング装置の概念図を示す。図23において、140は実施の形態8で示した永久磁石型回転電機である。また、151はステアリングホイール、152はコラムシャフト、153はウォームギヤ、154はハンドルジョイント、155はステアリングギヤ、156はラックである。
【0156】
操舵力はステアリングホイール151からコラムシャフト152を介しウォームギヤ153(図では詳細は省略し、ギヤボックスのみ示している)に伝わる。このウォームギヤ153は電動機出力(トルク、回転数)を回転方向を直角に変えながら伝達し、同時に減速し、アシストトルクを増加させる。さらに操舵力はハンドルジョイントを伝わり、方向も変えられる。ステアリングギヤ155(図では詳細は省略し、ギヤボックスのみ示している)はコラムシャフト152の回転を減速し、同時にラック156の直線運動に変換し、所要の変位を得る。このラック156の直線運動により車輪を動かし、車両の方向転換等を可能とする。
【0157】
上記のような電動パワーステアリング装置では電動機にて発生するトルクの脈動がウォームギヤ153とコラムシャフト152を介して、ステアリングホイール151に伝達される。従って、電動機が大きなトルク脈動を発生する場合、滑らかなステアリング感覚を得ることが出来ない。また、構造が複雑で高価な光学式エンコーダなどを用いないので、構造が簡単で安価であり、かつ耐環境性にすぐれた電動パワーステアリング装置を得ることができるという効果もある。
【0158】
また、本実施の形態ではコラムシャフトを電動機のトルクによってアシストするコラムアシスト式の電動パワーステアリング装置を示したが、ラックを電動機のトルクによってアシストするラックアシスト式の場合でもよいことは言うまでもない。
【0159】
したがって、実施の形態8で述べた永久磁石型回転電機を駆動源とした電動パワーステアリング装置は、トルクの脈動が小さく滑らかなステアリング感覚を得ることができるという効果がある。
【0160】
【発明の効果】
この発明は、1相の励磁巻線と2相の出力巻線とを設けた固定子と、突極を有する回転子とを備えた回転角度検出装置であって、上記固定子が複数のティースを有し、上記2相の出力巻線は上記複数のティースに巻き回されており、上記2相の出力巻線のうちの所定の1相の出力巻線の各ティースにおける巻数が、N±m、0、N、0(N,mは正の整数でN>mとする。)となるか、あるいは、この巻数のパターンが繰り返されるように巻き回され、かつ、上記2相の出力巻線のうちの他方の1相の出力巻線の各ティースにおける巻数が、0、N、0、Nとなるか、あるいはこの巻数のパターンが繰り返されるように巻き回されている回転角度検出装置であるので、このような構成とすることにより、固定子内径の真円度の悪化等の工作誤差によって発生する検出位置誤差を補正することができるため、検出位置誤差の小さいすなわち精度のよい回転角度検出装置を得ることができるという効果がある。さらに、誤差を補整するため意図的に発生させる検出位置誤差の位相、振幅を制御できるため効果的に検出位置誤差を低減することができ、高精度な回転角度検出装置を得ることができるという効果がある。
【0162】
また、この発明は、1相の励磁巻線と2相の出力巻線とを設けた固定子と、突極を有する回転子とを備えた回転角度検出装置であって、上記固定子が複数のティースを有し、上記2相の出力巻線は上記複数のティースに巻き回されており、上記2相の出力巻線のうちの所定の1相の出力巻線の各ティースにおける巻数が、N、0、N±m1、0(N,m1は正の整数でN>m1とする。)となるか、あるいは、この巻数のパターンが繰り返されるように巻き回され、かつ、上記2相の出力巻線のうちの他方の1相の出力巻線の各ティースにおける巻数が、0、N±m2、0、N(N,m2は正の整数でN>m2とする。)となるか、あるいは、この巻数のパターンが繰り返されるように巻き回されている回転角度検出装置であるので、このような構成とすることにより、固定子内径の真円度の悪化等の工作誤差によって発生する検出位置誤差を補正することができるため、検出位置誤差の小さいすなわち精度のよい回転角度検出装置を得ることができるという効果がある。さらに、誤差を補整するため意図的に発生させる検出位置誤差の位相、振幅を任意に制御できるため効果的に検出位置誤差を低減することができ、高精度な回転角度検出装置を得ることができるという効果がある。
【0163】
また、この発明は、1相の励磁巻線と2相の出力巻線とを設けた固定子と、突極を有する回転子とを備えた回転角度検出装置であって、上記固定子が複数のティースを有し、上記2相の出力巻線は上記複数のティースに巻き回されており、上記2相の出力巻線のうちの所定の1相の出力巻線において、当該出力巻線の各ティースにおける巻数が、N±m、0、N±m、0(N,mは正の整数でN>mとする。)となるパターンが少なくとも1つ含まれ、かつ、上記2相の出力巻線のうちの他方の1相の出力巻線の各ティースにおける巻数が、0、N、0、Nとなるか、あるいはこの巻数のパターンが繰り返されるように巻き回されている回転角度検出装置であるので、このような構成とすることにより、固定子内径の真円度の悪化等の工作誤差によって発生する検出位置誤差を補正することができるため、検出位置誤差の小さい、すなわち、精度のよい回転角度検出装置を得ることができるという効果がある。
【0164】
また、この発明は、1相の励磁巻線と2相の出力巻線とを設けた固定子と、突極を有する回転子とを備えた回転角度検出装置であって、上記固定子が複数のティースを有し、上記2相の出力巻線は上記複数のティースに巻き回されており、上記2相の出力巻線のうちの所定の1相の出力巻線の各ティースにおける巻数が、N±m、0、N±m、0(N,mは正の整数でN>mとする。)となるか、あるいは、この巻数のパターンが繰り返されるように巻き回され、かつ、上記2相の出力巻線のうちの他方の1相の出力巻線の各ティースにおける巻数が、0、N、0、Nとなるか、あるいはこの巻数のパターンが繰り返されるように巻き回されている回転角度検出装置であるので、このような構成とすることにより、固定子内径の真円度の悪化等の工作誤差によって発生する検出位置誤差を補正することができるため、検出位置誤差の小さいすなわち精度のよい回転角度検出装置を得ることができるという効果がある。さらに、偏心に対して誤差があまり増大しないという効果がある。
【0165】
また、上記mをm=0とした巻線仕様の場合に、検出位置誤差が電気角でε[rad]だけ発生する回転角度検出装置であって、上記誤差を補正するために、m/2Nとεとをほぼ等しく、望ましくは、m/2N=εとするので、このような構成とすることにより、固定子内径の真円度の悪化等の工作誤差によって発生する検出位置誤差を補正することができるため、検出位置誤差の小さいすなわち精度のよい回転角度検出装置を得ることができるという効果がある。さらに、誤差低減のため意図的に発生させる誤差と工作誤差によって発生している誤差の振幅がほぼ等しく、あるいは等しくできるため、より効果的に検出位置誤差を低減できるという効果がある。
【0166】
また、上記回転子の回転軸の中心を原点とし、回転子外周の位置を表す角度をθとするとき、前記角度θの位置における空隙長が1/{A+Bcos(Mθ)}(ただし、A、Bは正の定数でA>B、Mは回転角度検出装置の軸倍角)となる回転子を備えているので、このような回転子を具備することにより、空隙のパーミアンス変化が正弦波状となり高精度な回転角度検出装置を得ることができるという効果がある。
【0167】
また、この発明は、上述した回転角度検出装置のいずれかを備えた永久磁石型回転電機であるので、固定子内径の真円度の悪化やティースの位置ずれ等の工作誤差によって発生する検出位置誤差を補正することにより、検出位置誤差の小さいすなわち精度のよい回転角度検出装置を永久磁石型回転電機の回転位置センサとして用いることにより、位置決め精度が向上する効果がある。また、検出位置誤差に起因するトルク脈動を低減することができるため、滑らかなトルク波形を得ることができるという効果がある。構造が複雑で高価な光学式エンコーダなどを用いないので、構造が簡単で安価であり、かつ、耐環境性にすぐれた永久磁石型回転電機を得ることができるという効果もある。
【0168】
また、この発明は、固定子内径の真円度の悪化やティースの位置ずれ等の工作誤差によって発生する検出位置誤差を補正することにより、検出位置誤差の小さいすなわち精度のよい回転角度検出装置を用いた当該永久磁石型回転電機を駆動源として用いる電動パワーステアリング装置であるので、このような永久磁石型回転電機はトルク脈動が小さいため、滑らかなステアリング感覚を得ることができるという効果がある。また、構造が複雑で高価な光学式エンコーダなどを用いないので、構造が簡単で安価であり、かつ、耐環境性にすぐれた電動パワーステアリング装置を得ることができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における回転角度検出装置の巻線仕様を示した構成図である。
【図2】 本発明の実施の形態1における回転角度検出装置の巻線仕様を表形式で示した説明図である。
【図3】 従来例と本発明の実施の形態1との検出位置誤差の比較をグラフにより示した説明図である。
【図4】 本発明の実施の形態2における回転角度検出装置の巻線仕様を示した構成図である。
【図5】 本発明の実施の形態2における回転角度検出装置の巻線仕様を表形式で示した説明図である。
【図6】 本発明の実施の形態2における回転角度検出装置の巻線仕様の変形例を表形式で示した説明図である。
【図7】 本発明の実施の形態2における2相の出力巻線の電圧変化の直流成分α1、α2の組み合わせと意図的に発生させる検出位置誤差βの位相の関係を表形式で示した説明図である。
【図8】 従来例と本発明の実施の形態2との検出位置誤差の比較をグラフにより示した説明図である。
【図9】 本発明の実施の形態3における回転角度検出装置の巻線仕様を示した構成図である。
【図10】 本発明の実施の形態3における回転角度検出装置の巻線仕様を表形式で示した説明図である。
【図11】 従来例と本発明の実施の形態3との検出位置誤差の比較をグラフにより示した説明図である。
【図12】 本発明の実施の形態4における回転角度検出装置の巻線仕様を示した構成図である。
【図13】 本発明の実施の形態4における回転角度検出装置の巻線仕様を表形式で示した説明図である。
【図14】 従来例と本発明の実施の形態4との検出位置誤差の比較をグラフにより示した説明図である。
【図15】 本発明の実施の形態5における回転角度検出装置の巻線仕様を示した構成図である。
【図16】 本発明の実施の形態5における回転角度検出装置の巻線仕様を表形式で示した説明図である。
【図17】 本発明の実施の形態5における回転角度検出装置の巻線仕様の変形例を表形式で示した説明図である。
【図18】 従来例と本発明の実施の形態5との検出位置誤差の比較をグラフにより示した説明図である。
【図19】 従来例と本発明の実施の形態5の変形例との検出位置誤差の比較をグラフにより示した説明図である。
【図20】 本発明の実施の形態6における回転角度検出装置の巻線仕様を表形式で示した説明図である。
【図21】 従来例と本発明の実施の形態6との検出位置誤差の比較をグラフにより示した説明図である。
【図22】 本発明の実施の形態8における永久磁石型回転電機の構成を示した概略構成図である。
【図23】 本発明の実施の形態9における電動パワーステアリングの構成を示した概略構成図である。
【図24】 従来の回転角度検出装置の巻線仕様を示した構成図である。
【図25】 従来の回転角度検出装置の巻線仕様を表形式で示した説明図である。
【図26】 固定子巻線内径が四角形状に変形して真円から20μmずれた場合の検出位置誤差の変化をグラフにより示した説明図である。
【図27】 2相の出力巻線の電圧の変化(軸倍角2の場合)をグラフにより示した説明図である。
【図28】 空間2次の磁束がどのように出力巻線に鎖交するかを示した説明図である。
【図29】 空間6次の磁束がどのように出力巻線に鎖交するかを示した説明図である。
【図30】 空間4次の磁束がどのように出力巻線に鎖交するかを示した説明図である。
【図31】 固定子巻線内径が楕円形状に変形して真円から50μmずれた場合の検出位置誤差の変化をグラフにより示した説明図である。
【符号の説明】
11,101 ティース、12,102 固定子、13,103 回転子、21,100−1 出力巻線(1)、22,100−2 出力巻線(2)、14a,14b,24a,24b,24c,24d,34a,34b,34c,34d,44a,44b,44c,54a,54b,104 出力巻線、15,105回転軸、16 励磁巻線、104−1,104−3,104−5,104−7出力巻線、106 空間2次の磁束、107 空間6次の磁束、108 空間4次の磁束、140 永久磁石型回転電機、141 固定子、142 電機子鉄心、143 電機子巻線、144 回転子、145 回転子鉄心、146 永久磁石、147 シャフト、148 軸受け、151 ステアリングホイール、152 コラムシャフト、153 ウォームギヤ、154 ハンドルジョイント、155 ステアリングギヤ、156 ラック。
Claims (8)
- 1相の励磁巻線と2相の出力巻線とを設けた固定子と、突極を有する回転子とを備えた回転角度検出装置であって、
上記固定子が複数のティースを有し、上記2相の出力巻線は上記複数のティースに巻き回されており、
上記2相の出力巻線のうちの所定の1相の出力巻線の各ティースにおける巻数が、N±m、0、N、0(N,mは正の整数でN>mとする。)となるか、あるいは、この巻数のパターンが繰り返されるように巻き回され、かつ、
上記2相の出力巻線のうちの他方の1相の出力巻線の各ティースにおける巻数が、0、N、0、Nとなるか、あるいはこの巻数のパターンが繰り返されるように巻き回されている
ことを特徴とする回転角度検出装置。 - 1相の励磁巻線と2相の出力巻線とを設けた固定子と、突極を有する回転子とを備えた回転角度検出装置であって、
上記固定子が複数のティースを有し、上記2相の出力巻線は上記複数のティースに巻き回されており、
上記2相の出力巻線のうちの所定の1相の出力巻線の各ティースにおける巻数が、N、0、N±m1、0(N,m1は正の整数でN>m1とする。)となるか、あるいは、この巻数のパターンが繰り返されるように巻き回され、かつ、
上記2相の出力巻線のうちの他方の1相の出力巻線の各ティースにおける巻数が、0、N±m2、0、N(N,m2は正の整数でN>m2とする。)となるか、あるいは、この巻数のパターンが繰り返されるように巻き回されている
ことを特徴とする回転角度検出装置。 - 1相の励磁巻線と2相の出力巻線とを設けた固定子と、突極を有する回転子とを備えた回転角度検出装置であって、
上記固定子が複数のティースを有し、上記2相の出力巻線は上記複数のティースに巻き回されており、
上記2相の出力巻線のうちの所定の1相の出力巻線において、当該出力巻線の各ティースにおける巻数が、N±m、0、N±m、0(N,mは正の整数でN>mとする。)となるパターンが少なくとも1つ含まれ、かつ、
上記2相の出力巻線のうちの他方の1相の出力巻線の各ティースにおける巻数が、0、N、0、Nとなるか、あるいはこの巻数のパターンが繰り返されるように巻き回されている
ことを特徴とする回転角度検出装置。 - 1相の励磁巻線と2相の出力巻線とを設けた固定子と、突極を有する回転子とを備えた回転角度検出装置であって、
上記固定子が複数のティースを有し、上記2相の出力巻線は上記複数のティースに巻き回されており、
上記2相の出力巻線のうちの所定の1相の出力巻線の各ティースにおける巻数が、N±m、0、N±m、0(N,mは正の整数でN>mとする。)となるか、あるいは、この巻数のパターンが繰り返されるように巻き回され、かつ、
上記2相の出力巻線のうちの他方の1相の出力巻線の各ティースにおける巻数が、0、N、0、Nとなるか、あるいはこの巻数のパターンが繰り返されるように巻き回されている
ことを特徴とする回転角度検出装置。 - 上記mをm=0とした巻線仕様の場合に、検出位置誤差が電気角でε[rad]だけ発生する回転角度検出装置であって、
上記誤差を補正するために、m/2Nとεとをほぼ等しく、望ましくは、m/2N=εとすることを特徴とする請求項4に記載の回転角度検出装置。 - 上記回転子の回転軸の中心を原点とし、回転子外周の位置を表す角度をθとするとき、前記角度θの位置における空隙長が
1/{A+Bcos(Mθ)}
(ただし、A、Bは正の定数でA>B、Mは回転角度検出装置の軸倍角)となる回転子を備えていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の回転角度検出装置。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載の回転角度検出装置を備えていることを特徴とする永久磁石型回転電機。
- 請求項7に記載の永久磁石型回転電機を駆動源として用いることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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