JP3925127B2 - 窒化物半導体基板、及びその成長方法 - Google Patents

窒化物半導体基板、及びその成長方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は窒化物半導体(InAlGa1−x−yN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)から成る窒化物半導体基板、及びその成長方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
窒化物半導体と格子整合する基板が存在しないためサファイア、スピネル、炭化ケイ素のような窒化物半導体と異なる異種基板を窒化物半導体の成長基板として用いている。格子定数や熱膨張係数が不整合であるためサファイア基板などの上にバッファ層を介して貫通転位を低減させる方法や、横方向成長を利用した方法が報告されている。
【0003】
特開平10−312971号公報には、SiO等のマスク材料を用いて基板上にパターニングし、選択成長によりマスク材料を埋め込むまで成長させることによりマスク上における結晶成長過程で転位の伝播方向が曲げられることにより転位密度の低減がなされるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の方法では基板上に窒化物半導体層を成長させた後、マスクをパターン形成し、さらに窒化物半導体を再成長させる必要がある。これらの工程は連続反応で行うことはできず、窒化物半導体基板の成長途中に反応装置からの出し入れをしなければならい。そのため、窒化物半導体の表面酸化等による結晶性の低下が問題となる。
【0005】
さらに上記方法では、マスク材料を埋め込む際にマスク上を成長面に対して窒化物半導体の横方向成長が進む。それにより窒化物半導体の結晶軸が傾くためチルトが発生する。このチルトした結晶同士が合体することにより新たな転位欠陥が発生する。またマスクを有する状態で窒化物半導体を成長させれば、窒化物半導体素子の成長時にマスクの分解による汚染が発生し、窒化物半導体の特性劣化が問題となる。
【0006】
本発明は上記問題に鑑み、窒化物半導体の成長工程の簡略化を目的とする。また貫通転位を低減させた窒化物半導体基板を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の窒化物半導体基板は、部分的に窒素含有領域を表面に有する基板と、該基板上に形成された下地層と、窒素含有領域上の該下地層表面を成長界面としてエピタキシャル成長した窒化物半導体層とを備え、前記基板と窒化物半導体層に挟まれ、かつ前記窒素含有領域どうし間の下地層が露出された空洞部を有することを特徴とする窒化物半導体基板。前記窒素含有領域は、窒化アルミニウムで形成されていることを特徴とする。
【0008】
前記窒化物半導体基板は、前記下地層が、GaNであることを特徴とする。
【0009】
本発明の窒化物半導体基板の成長方法は、基板上に窒化物半導体をエピタキシャル成長させる窒化物半導体基板の成長方法であって、該基板上に開口部を有する保護膜を形成する工程と、前記保護膜の開口部より露出した基板上に窒素含有領域を形成する工程と、前記保護膜を除去する工程と、その後、前記基板上に下地層を形成する工程と、気相成長法により選択的に窒素含有領域上に窒化物半導体核を形成する工程と、前記窒化物半導体核より縦方向及び横方向に窒化物半導体を成長させることを特徴とする。ここで、窒素含有領域とは、例えばサファイア(Al)のような基板上において、基板表面とN元素含有原料とが反応することで形成される。そこで、基板表面上で改質が起こり、AlN、その他にAlとNを含有する化合物が形成されるのである。また、このAlN等は窒化物半導体を選択的に成長させることができ好ましい。
【0010】
前記基板の第1の面上に形成される窒素含有領域は、基板を800℃以上で熱処理する事により形成されることを特徴とする請求項4に記載の窒化物半導体基板の成長方法。
【0011】
前記保護膜の除去工程は、HF、BHFから選択される酸溶液で処理をすることを特徴とする。
【0012】
前記保護膜にはSiO、SiN、SiON、TiOから選択される材料を用いることを特徴とする。
【0013】
前記窒化物半導体層を形成する工程において、窒化物半導体核から窒化物半導体層を成長することにより前記窒素含有領域どうし間には空洞を有することを特徴とする。
【0014】
前記保護膜の平面形状は、ストライプ状に形成されることを特徴とする。その他には、保護膜の平面形状としては島状や矩形状、格子状、又はこれらの抜き取り形状として形成される。
【0015】
1(a)〜(e)に示すように基板上に窒素含有領域を形成し、その後、窒素含有領域上に選択成長した窒化物半導体核の形成、さらには平坦な窒化物半導体膜の形成は連続反応である。本発明では、窒化物半導体は反応装置からの出し入れ等の作業工程もなく、量産性に優れている。また、従来のELO法では反応装置からの出し入れが必要であったため、窒化物半導体を一度成長させた基板を大気にさらし、その後に窒化物半導体の再成長を行うものであり窒化物半導体上にゴミ等が不着する恐れがあった。しかしながら、本発明ではこのような問題もなく、結晶性のよい窒化物半導体基板を提供することができる。
【0016】
前記窒化物半導体膜を形成後、窒化物半導体核に隣接して空洞が形成される。この空洞はエアギャップとしての効果を有するため、基板と窒化物半導体との格子不整合により発生する反り緩和が期待できる。そのため、この窒化物半導体基板を用いた後工程での発光素子や受光素子、その他の電子デバイスの形成工程が容易となる。また、この空洞を有することで基板上の位置認識もすることができる。
【0017】
横方向成長を選択的に行い窒化物半導体層を薄膜とする窒化物半導体基板ができる。横方向成長を促進させる条件としては、V族原料とIII族原料とのモル比(V/III比)を小さくする、又は減圧条件、高温条件、Mgをドープさせる等により選択的に横方向成長させることができる。
【0018】
また、本発明における窒化物半導体層の横方向成長は、窒化物半導体をRIEやICPに代表されるドライエッチングを用いて部分的に削ることにより窒化物半導体に凹凸を形成させ、凹部の側面より横方向成長させるものではない。成長核となる窒化物半導体にドライエッチング等で物理的ダメージを与えることは再成長時に形成される窒化物半導体の結晶性の低下を招く。そこで、本発明は上記に示すようなエッチングを必要とせず、選択的に窒化物半導体核を形成し、この窒化物半導体核より横方向成長させるものである。
【0019】
以上より、選択的に成長した窒化物半導体核(第1の領域)上には転位欠陥が多く存在するものの、これを成長核として横方向成長した領域(第2の領域)には転位欠陥も屈曲して横方向に延びるため、この第2の領域上には低転位領域を形成することができる。単位面積あたりの転位数をバッファ層のみ用いた場合に比べて2桁以上低減することができ、具体的な数値としては転位密度が1×10個/cm以下である窒化物半導体基板を提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1(a)乃至(e)は本発明に係る窒化物半導体の成長方法を説明するための断面図である。ここで、1は基板であり、2は該基板上に部分的に形成された保護膜を示している。3は基板表面を熱処理をすることにより形成された窒素含有領域である。また、4は窒化物半導体の選択成長時に形成される窒化物半導体核であり、5は前記窒化物半導体核4からの連続反応により形成された窒化物半導体層である。図1(e)には第1の領域、第2の領域を示している。第2の領域は横方向成長により形成されており転位低減領域となる。
【0021】
上記に示す本実施形態の成長方法は、保護膜上に窒化物半導体を成長させるものではない。そのため、保護膜上に強引に横方向成長させることで応力を発生させることなく、窒化物半導体核より横方向成長させ、窒化物半導体基板を形成するものである。図1(e)に示す第2の領域は転位欠陥を大幅に低減させた領域であり、単位面積あたりの転位数は1×10個/cm以下、さらに好ましくは1×10個/cm以下となる。また、第1の領域は縦方向に進む貫通転位が残るため、転位数は1×10〜1×1010個/cm程度となる。
【0022】
以下、図を用いて本発明の実施形態における各工程を更に詳細に説明する。
この基板1としては、C面、R面、及びA面のいずれかを主面とするサファイア、スピネル(MgAl)のような絶縁性基板、SiC(6H、4H、3C)、ZnS、ZnO、GaAs、Si、及び窒化物半導体と格子接合する酸化物基板等を用いることができる。また、同種から成る窒化物半導体の単体基板、好ましくは単結晶から成る基板を用いれば、ホモエピタキシャル成長になるため、窒化物半導体を成長後に発生する窒化物半導体基板の反りをより抑制することができる。
【0023】
次に、基板1上に成膜される保護膜2としては、表面上に窒化物半導体が成長しないものや成長しにくいものであり、アニール等の熱処理に対して耐熱性を有するものであればよい。この保護膜2の具体例としては、酸化ケイ素(SiO)、窒化酸化ケイ素(SiO)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)等の酸化物、その他に窒化ケイ素(Si)や1200℃以上の融点を有する金属やこれらの多層膜を用いることができる。
【0024】
この保護膜2の成膜方法としては、CVD、スパッタリング及び、蒸着法等を用い成膜させる。また保護膜の膜厚は、保護膜下の基板表面を800℃以上の熱処理に保護できていればよく、特に限定する必要はないが膜厚を0.2〜10μmの範囲で形成すれば、保護膜下の基板表面を変質させることなく、また後工程での保護膜除去も容易にすることができる。また保護膜の平面形状はストライプ形状とするが、その他に格子状や島状、円形、又は多角形とする。これらの抜き取り形状とする円形や多角形の開口部を有する保護膜とすることもできる。保護膜に開口部を形成するエッチング方法としては、ウェットエッチング、ドライエッチング等の方法がある。また、ドライエッチングには、例えば反応性イオンエッチング(RIE)、ICP、反応性イオンビームエッチング(RIBE)、電子サイクロトロンエッチング(ECR)、アッシャー等の装置がある。ここに示すいずれの方法もエッチングガスを適宜選択することにより、保護膜に開口部を形成するエッチングをすることができる。
【0025】
例えば保護膜をストライプ形状とする場合の開口部の幅としては1〜100μm、好ましくは2〜15μmである。また保護膜のストライプ幅(S)と開口部幅(W)との比をS/Wとすれば0.1以上である。後工程において、窒化物半導体核からの成長により表面を平坦化できる範囲であればいいが、好ましくは1/3≦(S/W)≦3となる。具体的にはストライプ幅(S)と開口部幅(W)とも10μm等がある。
【0026】
また、保護膜2をストライプ状に形成する場合に、基板1をサファイア基板とすれば、オリフラ面をサファイアのA面とし、このオリフラ面の垂直軸に対して左右どちらかにずらして保護膜2を形成してもよい。こうすることで、窒化物半導体を成長させた後の表面をより平坦化させることができる。具体的には、このオリフラ面の垂直軸に対して左右にθ=0°〜5°の範囲とする。また、本発明に用いる基板にはオフ角を加工形成したものを用いることもできる。例えば、ステップ状にオフ角を形成したものであってもよい。ここで、オフ角は0°〜2°とする。
【0027】
次に保護膜2の開口部に窒素含有領域を形成する。この窒素含有領域の形成方法としては基板1を窒素原料を含有した雰囲気で熱処理をすることである。窒素原料を含有した雰囲気とは、例えば窒素ガス雰囲気やアンモニアガス雰囲気である。また、熱処理を行う温度は700℃以上、好ましくは800℃以上で行うものとする。処理時間としては5分以上である。
【0028】
次に、窒素含有領域を形成後に保護膜を除去する。除去方法としてはBHFやHFを使用したウェットエッチング、その他にはドライエッチングを用いる。
【0029】
保護膜を除去後、基板1上に下地層(図示されていない)を成長させる。下地層としては、AlN、GaN、AlGaN、InGaN等が用いられる。この下地層は、成長温度を300℃以上900℃以下、好ましくは700℃以下とし、膜厚10オングストローム以上0.5μm以下で成長される。これは基板1上に成長させる窒化物半導体層との格子定数不整を緩和するためであり、転位欠陥を低減させる緩衝層としての効果を有する。
【0030】
次に、基板1上に窒化物半導体層5を形成する。まず、窒素含有領域を成長起点として選択的に窒化物半導体核4を形成する。成長条件としては、原料にはIII族元素含有化合物と窒素源を有する化合物とを用いる。III族元素としてはGa、Al、Inがあり、これらのトリメチル化合物やトリエチル化合物をIII族元素含有化合物とする。また窒素源を有する化合物にはアンモニアやN等を用いる。例えば、III族元素含有化合物にTMG(トリメチルガリウム)を用いる場合、TMGを100〜150cc/分、アンモニアを5〜10L/分として反応時間を180分間以下とする。また成長温度を900℃〜1200℃とする。膜厚は1.0μm以上、好ましくは3〜5μmとする。
【0031】
さらに、成長温度を窒化物半導体核4の成長温度より30℃以上高くして窒化物半導体層5を成長させる。原料は窒化物半導体核と同様である。成長条件としては、例えば、TMGを100〜200cc/分、アンモニアを1〜5L/分とし、反応時間は500分以下、好ましくは400分とする。また、この連続反応の圧力条件は常圧とするが、減圧条件(400Torr程度)でも行うことができる。この窒化物半導体層5の膜厚は、窒化物半導体同志が接合し、平坦化できる膜厚であればよく5μm以上、好ましくは10〜15μmとする。以上から図1(e)に示すように横方向成長を利用することで得られた第2の領域は転位数が1×10個/cm以下、好ましくは1×10個/cm以下とする窒化物半導体基板を提供することができる。
【0032】
本発明において、窒化物半導体は一般式InAlGa1−x−yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)によって表される組成を有する。但し、これらは連続反応時に異なる組成であってもよい。また、アンドープの窒化物半導体やSi、Ge、Sn、S等のn型不純物をドープした窒化物半導体、またはMg、Zn等のp型不純物をドープした窒化物半導体、n型不純物とp型不純物とを同時ドープさせた窒化物半導体を用いることができる。本発明の窒化物半導体の成長方法としては、MOVPE(有機金属気相成長法)、HVPE(ハライド気相成長法)、MBE(分子線エピタキシー法)、MOCVD(有機金属化学気相成長法)等の気相成長方法を適用することができる。
【0033】
またHVPE法との組み合わせにより厚膜成長させ、この厚膜成長時に貫通転位を表面全域に均等に低減させる方法が挙げられる。このHVPE法で窒化物半導体を成長させる場合、例えばGaNであれば、HClガスとGa金属が反応することでGaClやGaClを形成し、さらにこのGa塩化物がアンモニアと反応することでGaNを基板上に堆積させるものである。HVPE法による窒化物半導体の成長時に成長速度を変化させ、2段階成長させることで結晶欠陥を大幅に低減させることができ、本発明との組み合わせにより窒化物半導体から成る単体基板を得ることができる。厚膜の窒化物半導体基板から基板のみを除去する方法としては、基板を研磨により除去する方法、他には基板と窒化物半導体との界面にエキシマレーザ等の電磁波を照射することにより基板を除去する方法が挙げられる。そのためサファイア基板のような絶縁体基板上に成長させた窒化物半導体基板であってもサファイア基板を除去することで窒化物半導体から成る単体基板とし、裏面電極構造とする窒化物半導体レーザダイオード等を提供することができる。
【0034】
次に、前記窒化物半導体基板上に半導体レーザ素子を形成する一実施形態を示す。前記窒化物半導体基板上にn側コンタクト層としてn型不純物をドープしたAlGa1−xN(0≦X<1)を1〜5μm程度で成長させる。このn側コンタクト層上にクラック防止層としてn型不純物ドープInGa1−xN(0≦X<1)を0.1〜0.3μmで成長させる。なお、このクラック防止層は省略可能である。続いて、クラック防止層上にn側クラッド層を成長させる。このn側クラッド層としては、超格子構造であるのが好ましく、アンドープAlGa1−xN(0≦X<1)よりなる層と、n型不純物をドープしたn型GaNよりなる層とを交互に積層して総膜厚2.0μm以下の超格子構造よりなるn側クラッド層を成長させる。続いて、アンドープGaNよりなるn側光ガイド層を0.05から0.2μmの膜厚で成長させる。このn側光ガイド層は、n型不純物をドープしてもよい。
【0035】
次に、障壁層にノンドープInGa1−xN(0≦X≦1)と井戸層にn型不純物ドープInGa1−xN(0≦X≦1)とからなる単一量子井戸構造、又は多重量子井戸構造である活性層を成長させる。多重量子井戸構造であれば、障壁層と井戸層とを同一温度で2〜5回程度で交互に積層し、最後に障壁層とし総膜厚を200〜500Åとする。
【0036】
次に、活性層上にp側キャップ層(図示されていない)としてp型不純物をドープしたp型AlGa1−xN(0≦X<1)を成長させる。このp側キャップ層は膜厚を50〜500Å程度で成長させる。続いて、アンドープGaNよりなるp側光ガイド層を0.05〜0.5μmの膜厚で成長させる。このp側光ガイド層は、p型不純物をドープしてもよい。次に、p側光ガイド層上にp側クラッド層を成長させる。このp側クラッド層としては、n側クラッド層と同様に超格子構造であるのが好ましく、アンドープAlGa1−xN(0≦X<1)よりなる層と、p型不純物をドープしたp型GaNよりなる層とを交互に積層して総膜厚0.3〜0.8μm程度の超格子構造よりなるp側クラッド層を成長させる。最後に、p側クラッド層の上に、p型不純物をドープしたAlGa1−xN(0≦X≦1)からなるp側コンタクト層を成長させる。
【0037】
ここで、不純物濃度としては、特に限定する必要はないが、好ましくはn型不純物、及びp型不純物は1×1018/cm〜1×1020/cmとする。また、前記n型不純物としてはSi、Ge、Sn、S、O、Ti、Zr、Cd等が挙げられ、p型不純物としてはBe、Zn、Mn、Mg、Ca、Sr等が挙げられる。
【0038】
次に、前記半導体レーザ素子を形成後、p電極とn電極とを同一面側に形成する場合には、n電極を形成するためにn側コンタクト層をエッチングにより露出させる。次に、ストライプ状の光導波路領域を形成するためにエッチングすることによりリッジを形成する。ここで、エッチングはリッジを形成するには異方性エッチングであるのが好ましく、例えばRIE(反応性イオンエッチング)装置等を使用する。ここで形成されるリッジ幅としては本発明においては後工程で形成する埋め込み層や出力にもよるが、リッジ幅は1.0〜3.0μmと広くすることができる。また、エッチング深さとしては窒化物半導体素子内の少なくともp側クラッド層までエッチングするものとする。さらに、リッジ形状は、順メサ型、逆メサ型、垂直型から成り、これらの形状であれば横方向の光閉じ込めができ好ましい。
【0039】
リッジを形成後、露出したリッジの側壁部からリッジの両側表面の窒化物半導体上に絶縁体から成る埋め込み膜(例えば、ZrOやDLC、ガラス等)をスパッタ法等により形成する。この埋め込み膜の効果としては、電流狭窄、及び横方向の光閉じ込めである。横方向の光閉じ込めをするためには窒化物半導体層との間に屈折率差を設ける必要があり、またコア領域内に光を閉じ込めるには窒化物半導体よりも屈折率の小さい材料を埋め込み層に用いる。また、縦方向の光閉じ込めは屈折率の高いコア領域と、屈折率の低いp、n側クラッド層とで屈折率差をつけることでコア内に光を閉じ込めている。
【0040】
その後、p電極を形成するためにリッジ最上面に成膜された埋め込み層をリフトオフ等により除去する。次に除去後、露出したp側コンタクト層の表面にNi/Auよりなるp電極をストライプ状に形成し、p電極を形成後、n側コンタクト層の表面にTi/Alよりなるn電極をリッジストライプと平行に形成する。次に取り出し電極であるパッド電極をNi/Ti/Auの順にp電極、及びn電極上に形成する。また、p電極をNi/Au/RhOとし、p側パッド電極をRhO/Pt/Auとする組み合わせとすることもできる。パッド電極を形成する前に、SiO、TiO等から成る誘電体多層膜を共振器面(光出射端面側)に形成してもよい。この誘電体多層膜を有することにより高出力時における光出射端面の端面劣化を抑制することができる。
【0041】
さらに、ストライプ状の電極に垂直な方向で、基板側からバー状にヘキカイし、ヘキカイ面((11−00)面、六方晶系の側面に相当する面=M面)に共振器を形成する。この共振器面に誘電体多層膜を形成し、電極に平行な方向でバーを切断して窒化物半導体レーザ素子とする。この窒化物半導体レーザ素子をヒートシンクに設置し、ワイヤーボンディングし、キャップで封止することで窒化物半導体レーザダイオードとする。
【0042】
以上により得られた窒化物半導体レーザダイオードを用いて室温でレーザ発振を試みたところ、発振波長400〜420nm、閾値電流密度2.9kA/cmにおいて連続発振を示し、30mW以上、好ましくは50mW程度の光出力時でもリップルが発生せず、3000時間以上の寿命特性を示す。
【0043】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが本発明はこれに限定されない。
[実施例1]
C面を主面したサファイア基板1を用い、この基板1上にCVD法によりSiOよりなる保護膜2を0.3μmの膜厚で成膜し、ストライプ状のフォトマスクを形成し、ICP(ドライエッチング)によりストライプ幅10μm、開口部幅10μmのSiOよりなる保護膜を形成する。このストライプ方向はサファイアA面に対してほぼ垂直である。
【0044】
その後、窒素雰囲気でパターニングした基板を熱処理する。これにより開口部は基板1の露出部分が改変される。条件としては900℃、約20分である。その後、保護膜2をBHF(ウェットエッチング)で除去する。
【0045】
次にMOCVD装置に搬入し、温度を500℃、キャリアガスに水素、原料ガスにアンモニアとTMG(トリメチルガリウム)とを用い、サファイア基板1上にGaNよりなる下地層(図示されていない)を200オングストロームの膜厚で成長させる。
【0046】
さらにMOCVD装置内において連続反応により窒化物半導体を成長させる。まず、成長温度が1150℃でTMGを100cc/min、アンモニアを8L/minの流量で60分間流した。これにより5μmの膜厚で窒化物半導体核であるGaNをストライプ形状に形成した。さらに、該窒化物半導体核を成長起点として窒化物半導体層を成長させる。成長温度を1180℃とし、原料ガスにTMGを140cc/min、アンモニアを4L/minとし、400分間反応させることで窒化物半導体層となるGaNを膜厚15μmで成長させた。以上より得られた窒化物半導体基板は表面における単位面積あたりの転位数が1×10個/cm以下である窒化物半導体基板とすることができた。本実施例で得られた窒化物半導体基板のCL写真を図2に示す。
【0047】
[実施例2]
実施例1で得られた窒化物半導体基板上にさらに100μmの厚膜でGaNを成長させる。HVPE法により、原料にはGaメタルとHClガス、アンモニアを用い、GaCl分圧は1.25×10−3atm、アンモニア分圧は0.375atmとする。100μmの厚膜を成長後、研削によりサファイア基板を除去し、窒化物半導体から成る単体基板を得ることができる。
【0048】
[実施例3]
実施例1において、窒化物半導体内に成長条件としてシランガスを1.7×10−3μmolを加える他は、実施例1と同様に成長させる。これにより得られる窒化物半導体基板はSiドープのn型窒化物半導体基板を得ることができる。
【0049】
【発明の効果】
上記に示すように、本発明によれば成長工程を簡略化した量産に適した窒化物半導体基板の成長方法を提供できる。また低転位欠陥の窒化物半導体基板であり、かつ成長工程を反応装置内で連続反応で行うため、不純物の混入を無くした基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における成長工程を示す模式的断面図である。
【図2】本発明により得られた窒化物半導体基板の表面CL写真を示す。
【符号の説明】
1・・・基板
2・・・保護膜
3・・・窒素含有領域
4・・・窒化物半導体核
5・・・窒化物半導体層

Claims (10)

  1. 部分的に窒素含有領域を表面に有する基板と、該基板上に形成された下地層と、窒素含有領域上の該下地層表面を成長界面としてエピタキシャル成長した窒化物半導体層とを備え、
    前記基板と窒化物半導体層に挟まれ、かつ前記窒素含有領域どうし間の下地層が露出された空洞部を有することを特徴とする窒化物半導体基板。
  2. 前記下地層が、GaNであることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体基板。
  3. 前記窒素含有領域は、窒化アルミニウムで形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の窒化物半導体基板。
  4. 基板上に窒化物半導体をエピタキシャル成長させる窒化物半導体基板の成長方法であって、
    該基板上に開口部を有する保護膜を形成する工程と、
    前記保護膜の開口部より露出した基板上に窒素含有領域を形成する工程と、
    前記保護膜を除去する工程と、
    その後、前記基板上に下地層を形成する工程と、
    気相成長法により選択的に窒素含有領域上に窒化物半導体核を形成する工程と、
    前記窒化物半導体核より縦方向及び横方向に窒化物半導体を成長させる工程とを有することを特徴とする窒化物半導体基板の成長方法。
  5. 前記基板の第1の面上に形成される窒素含有領域は、基板を800 ℃以上で熱処理することで形成されることを特徴とする請求項4に記載の窒化物半導体基板の成長方法。
  6. 前記保護膜の除去工程は、HF又はBHFで酸処理をすることを特徴とする請求項4又は5に記載の窒化物半導体基板の成長方法。
  7. 前記保護膜にはSiO 、SiN、SiON、TiO から選択される材料を用いることを特徴とする請求項4に記載の窒化物半導体基板の成長方法。
  8. 前記窒化物半導体層を形成する工程において、窒化物半導体核から窒化物半導体層を成長することにより前記窒素含有領域どうし間には空洞を有することを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板の成長方法。
  9. 前記保護膜の平面形状は、ストライプ状に形成されることを特徴とする請求項4に記載の窒化物半導体基板の成長方法。
  10. 前記保護膜の平面形状は、島状、矩形状、格子状又はこれらの抜き取り形状として形成されることを特徴とする請求項4に記載の窒化物半導体基板の成長方法。
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