JP3438675B2 - 窒化物半導体の成長方法 - Google Patents

窒化物半導体の成長方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は窒化物半導体(In
XAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)の成長
方法に関し、特に、窒化物半導体基板となり得る窒化物
半導体の成長方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、転位密度の低い窒化物半導体基板
を製造するために、サファイア、スピネル、炭化ケイ
素、Siのような窒化物半導体と異なる異種基板上に、
窒化物半導体を横方向に選択成長させることにより、転
位の少ない窒化物半導体を形成する方法(ELOG(Epi
taxially laterally overgrown GaN)成長法)が種々
検討されている。転位密度の低い窒化物半導体基板を製
造することができれば、窒化物半導体素子を長寿命化す
ることができる。
【0003】かかるELOG成長法として、例えば、J
pn.J.Appl.Phys.Vol.37(199
8)pp.L309−L312には、サファイアのc面
上に成長させた窒化物半導体上にSiO2等のマスクを
部分的(例えばストライプ形状)に形成し、この上に窒
化物半導体を成長させることにより、窒化物半導体を横
方向に選択成長することが開示されている。SiO2
には窒化物半導体が直接成長しないため、窒化物半導体
の露出した領域を核として横方向に窒化物半導体が成長
する。窒化物半導体の成長起点となる界面において発生
した転位は、その成長と共に横方向には進行するが、縦
方向には進行しないため、SiO2上に低転位密度の窒
化ガリウムを成長させることができる。
【0004】しかし、上記方法においては、SiO2
の保護膜が、窒化物半導体の成長時に分解する場合があ
り、SiO2が分解すると、SiO2上から窒化物半導体
が異常成長したり、分解したSiやO等が窒化物半導体
に入りGaNを汚染したりして、結晶性の低下を招くこ
とがある。一方、SiO2の分解を考慮して比較的低温
で窒化物半導体を成長させると、窒化物半導体が良好な
単結晶となりにくく、窒化物半導体層の結晶性が低下す
る。
【0005】これに対して、SiO2等の保護膜を使用
しないELOG成長方法として、例えば、特開平11−
145516号には、図6に示すように、シリコン基板
10上にエピタキシャル成長しないAlGaN層12を
約1000オングストローム成長させ、更にこのAlG
aN層12上にGaN層13を1000オングストロー
ム成長させた後に、シリコン基板が露出するようにGa
N層13及びAlGaN層12をストライプ状にエッチ
ングして凹凸を形成し、そのストライプ形状のGaN層
13上にGaN層14を成長させる方法が開示されてい
る。
【0006】この技術では、GaN層14が、シリコン
基板10上にはエピタキシャル成長できず、GaN層1
3上にのみ成長可能である。このため、シリコン基板1
0の露出部(凹部)上方には、ストライプ状に形成され
たGaN層13を核として成長しているGaN層14が
横方向にエピタキシャル成長して、シリコン基板10の
露出部(凹部)上方部を覆って成長することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平11−145516号記載の方法によっては、図1
1に模式的に示すように、GaN層14を横方向成長さ
せる時に、露出したシリコン基板10上にアモルファス
状のGaN16がわずかに堆積する場合がある。アモル
ファス状のGaN16が横方向成長中のGaN層14に
接触すると、GaN層14の結晶成長を乱し、得られる
GaN基板となり得るGaN層14の結晶性を低下させ
てしまう。
【0008】そこで、本発明は、窒化物半導体の横方向
の成長過程において、該窒化物半導体がエピタキシャル
成長不可能な基板が露出していることによる上記問題点
を解決し、結晶性の良好な窒化物半導体層を安定して形
成することのできる窒化物半導体の成長方法を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、下記構
成(1)〜(8)によって上記本発明の目的を達成する
ことができる。 (1) 基板上に、少なくとも互いに組成の異なる第1
の窒化物半導体層及び第2の窒化物半導体層を順に成長
させる第1の工程と、前記第2の窒化物半導体層の表面
から基板方向に向かって部分的にエッチングして凹凸を
形成する第2の工程と、第2の工程でエッチングされず
に第1の窒化物半導体層上に残っている第2の窒化物半
導体層を核として、前記第2の窒化物半導体層と大略同
一組成の第3の窒化物半導体層を横方向の成長を利用し
て成長させる第3の工程とを、少なくとも有する窒化物
半導体の成長方法において、前記第1の工程で、第1の
窒化物半導体層と第2の窒化物半導体層の組成が、第3
の工程で成長させる第3の窒化物半導体層の成長が、第
2の窒化物半導体層を核として成長する速度より、第1
の窒化物半導体層を核として成長する速度が遅くなるよ
うに調整され、且つ第1の窒化物半導体層及び第2の窒
化物半導体層が共にエピタキシャル成長されてなり、更
に、前記第2の工程で、エッチングが、第1の窒化物半
導体層が露出しかつ所定の深さで削られるように行われ
ていることを特徴とする窒化物半導体の成長方法。 (2) 前記基板と第1の窒化物半導体層との間に、A
kGa1-kN(0≦k≦1)をエピタキシャル成長させ
てなることを特徴とする前記(1)に記載の窒化物半導
体の成長方法。 (3) 前記第1の窒化物半導体層が、少なくともIn
を含んでなる窒化物半導体であることを特徴とする前記
(1)に記載の窒化物半導体の成長方法。 (4) 前記第1の窒化物半導体層が、InaAlbGa
1-a-bN[0<a<1、0≦b<1、a+b≦1]であ
ることを特徴とする前記(3)に記載の窒化物半導体の
成長方法。 (5) 前記第1の窒化物半導体層が、InaAlbN又
はInaGa1-aNであることを特徴とする前記(4)に
記載の窒化物半導体の成長方法。 (6) 前記第1の窒化物半導体層が、InaGa1-a
であることを特徴とする前記(5)に記載の窒化物半導
体の成長方法。 (7) 前記第2の工程において、前記第2の窒化物半
導体層28に形成される凹凸が、ストライプ形状であ
り、更に前記ストライプ形状の凹凸がオリフラ面からの
垂直軸に対して左右のいずれかに0.1°〜1°程度ず
らして形成されていることを特徴とする前記(1)に記
載の窒化物半導体の成長方法。 (8) 前記基板が、窒化物半導体と異なる異種基板又
は窒化物半導体基板であることを特徴とする前記(1)
に記載の窒化物半導体の成長方法。
【0010】つまり、本発明は、第1及び第2の窒化物
半導体層を核として成長する第3の窒化物半導体層の成
長速度に差が生じるように、第1及び第2の窒化物半導
体層を互いに異なる組成とし、且つ、第3の窒化物半導
体層の成長速度が遅くなるような組成で成長された第1
の窒化物半導体層をエッチングによって凹部底部に露出
させることによって、第2の窒化物半導体層を核として
第3の窒化物半導体層が選択的に横方向の成長を利用し
て成長し、前記従来の課題のようにアモルファス状の窒
化物半導体に結晶成長を乱されることなく、結晶性の良
好な窒化物半導体層を安定に形成できる窒化物半導体の
成長方法を提供することができる。上記のように本発明
は、組成が同一の半導体層へのエピタキシャル成長速度
が組成が異なる半導体層へのエピタキシャル成長速度よ
りも速いことを利用して、横方向成長を優先的に進行さ
せ転位を低減させるものである。
【0011】前記従来技術である特開平11−1455
16号公報の技術では、図11に示すように、SiO2
等の保護膜を用いなくとも凹凸を形成することで窒化物
半導体の横方向の成長を利用して転位を低減させること
が可能である。しかしながら、形成された凹部底面は、
GaN層14がエピタキシャル成長できないSi基板の
露出面であるために、窒化物半導体の基板となり得るG
aN層14の成長の途中で、Si基板面上にわずかに形
成するアモルファス状のGaN16が、エピタキシャル
成長しているGaN層14に接触してGaN層14の結
晶性を低下させる場合がある。
【0012】これに対して、本発明は、凹凸を形成して
露出させる面が、全て第3の窒化物半導体層がエピタキ
シャル成長可能な第1の窒化物半導体層と第2の窒化物
半導体層であるために、仮に、凹部底部に露出している
第1の窒化物半導体層を核として第3の窒化物半導体層
が縦方向に成長したとしても、前記従来のようにアモル
ファス状の窒化物半導体の成長による結晶性の乱れが生
じない。更に本発明は、第3の窒化物半導体層の成長
が、第2の窒化物半導体層を核として成長するよりも、
第1の窒化物半導体層を核として成長する速度が遅いた
めに、第3の窒化物半導体層が選択的に第2の窒化物半
導体層を核として成長し易くなるので、凹部底部からの
縦方向の成長が防止される。この結果、凹部の上方部に
凹部を覆って成長する第3の窒化物半導体層は、結晶成
長を乱されることなく良好な横方向の成長によって形成
されているので、転位の極めて少ない且つ結晶性の良好
な窒化物半導体となる。
【0013】また、本発明において、凸部の上方部に成
長する第3の窒化物半導体層は、凹部の上方部に比べて
転位が比較的多く見られる。この理由は、凹部上方部に
向かって第3の窒化物半導体層が縦方向の成長によって
成長したため、転位の低減があまり生じないと考えられ
る。また、上記の第3の窒化物半導体層を基板として素
子を作製する場合、リッジ形状のストライプは、凹部の
中心部分をはずした凹部の上方部に形成すると、寿命特
性等の良好な素子を得ることができる。なぜならば、凹
部の中心部分は、横方向に成長した第3の窒化物半導体
層同士が接合する部分であるために空隙等が生じている
場合があるからである。また、第1〜第3の工程後に、
再び、前記の工程を繰り返してもよい。このように、工
程を繰り返すことにより、窒化物半導体の成長表面全面
に転位が極めて少なくなり好ましい。但し、工程を繰り
返しする場合、1回目に形成した凹凸の凹部の上方部に
2回目の凸部が、1回目の凸部の上方部に2回目の凹部
がそれぞれ位置するように行うことが転位の低減や結晶
性の点で好ましい。
【0014】更に、本発明を説明すると、この方法によ
れば、第3の工程で成長される第3の窒化物半導体層
は、第1の窒化物半導体層が露出した領域(凹部底部)
において、第1の窒化物半導体層を核として縦方向にエ
ピタキシャル成長すると同時に、第2の窒化物半導体層
を核として横方向にエピタキシャル成長する。しかし、
同一組成である第2の窒化物半導体層を核とする横方向
の成長速度の方が早く、縦方向成長の核となる第1の窒
化物半導体層は適当な深さに削られているため、第2の
窒化物半導体層を核とする横方向の成長が、第1の窒化
物半導体層を核とする縦方向の成長に阻害されることな
く進行可能である。したがって、エピタキシャル成長し
ない基板を露出させることなく窒化物半導体層を横方向
に成長させ、転位の少ない窒化物半導体を安定に製造す
ることができる。
【0015】更に本発明は、第1の窒化物半導体層が、
少なくともInを含んでなる窒化物半導体であると、エ
ッチングして露出した凹部底部が、第3の窒化物半導体
層を成長させる際にIn成分が分解し、第3の窒化物半
導体層が凹部底部の第1の窒化物半導体層面上に成長し
にくくなり、凹部上方部に成長する第3の窒化物半導体
層が、良好な横方向の成長で得られるので、凹部上方部
の転位を良好に低減することができ好ましい。更にまた
本発明は、第1の窒化物半導体層が、InaAlbGa
1-a-bN[0<a<1、0≦b<1、a+b≦1]であ
ると、第3の窒化物半導体層を成長させる際に、凹部底
部に露出している第1の窒化物半導体層の表面の分解に
より、第1及び第2の窒化物半導体層への第3の窒化物
半導体層の成長の速度に差異を持たせるのに好ましい。
更にまた本発明は、第1の窒化物半導体層が、Ina
bN又はInaGa1-aNであると、第3の窒化物半導
体層の成長速度の調整がより良好にでき好ましい。更に
また本発明は、第1の窒化物半導体層が、InaGa1-a
Nであると、第3の窒化物半導体層の成長速度の調整が
より良好となり好ましい。
【0016】更にまた、本発明は、第2の工程におい
て、第2の窒化物半導体層に形成される凹凸が、ストラ
イプ形状であり、更にストライプ形状の凹凸がオリフラ
面からの垂直軸に対して左右のいずれかに0.1°〜1
°程度ずらして形成されていると、成長の表面がより平
坦となり、表面の面状態が良好となり好ましい。前記ず
らす程度の値は、後述の図4のθの値である。更にま
た、本発明は、エッチングが、ストライプ状又は島状に
エッチングされると、第3の窒化物半導体層の横方向の
成長が良好になり、凹部上方部を覆い易くなり好まし
い。更にまた、本発明は、基板として窒化物半導体と異
なる異種基板又は窒化物半導体基板を用いることができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら説明する。
【0018】図1は、本発明の成長方法により得られ
る、基板上に成長された窒化物半導体を模式的に示す断
面図である。基板20上に第1の窒化物半導体層26が
エピタキシャル成長により形成され、さらに、第1の窒
化物半導体層26にエピタキシャル成長可能であるが第
1の窒化物半導体層26と組成の異なる第2の窒化物半
導体層28が形成されている。第2の窒化物半導体層2
8は、その表面から第1の窒化物半導体層26が凹部底
部に露出しかつ所定の深さで削られるように、ストライ
プ状又は島状にエッチングされている。その上に、第2
の窒化物半導体層28と大略同一組成の第3の窒化物半
導体層30が、第2の窒化物半導体層28を核として、
基板全面を覆うように成長している。ここで、第3の窒
化物半導体層30は、凹部底面に露出している第1の窒
化物半導体層26と、凸部上部の第2の窒化物半導体層
28の両方に成長可能であるが、第2の窒化物半導体層
28を核として成長するよりも、第1の窒化物半導体層
26を核として成長する速度が遅くなるように組成が調
整されているために、第3の窒化物半導体層30が成長
し易い第2の窒化物半導体層28に選択的に成長する。
基板20と第1の窒化物半導体層26との間にバッファ
層21を成長させることが好ましい。バッファ層21を
成長させると、基板20が異種基板の場合、格子定数不
整を緩和し転位の低減の点で好ましく、また、表面モフ
ォロジーを改質された寿命特性の向上が可能な基板とな
る窒化物半導体を得る点で好ましい。
【0019】本発明においては、次のような原理によ
り、エピタキシャル成長不可能な基板表面を露出するこ
となく、窒化物半導体層の横方向成長を優先的に起こ
し、転位の少ない窒化物半導体を成長させる。
【0020】第3の窒化物半導体層30は、第2の窒化
物半導体層28と大略同一組成であるため、第1の窒化
物半導体層26及び第2の窒化物半導体層28のいずれ
にもエピタキシャル成長可能である。このため、第1の
窒化物半導体層26が露出した領域(凹部底部)におい
ては、凹部上部での第2の窒化物半導体層28を核とし
た横方向のエピタキシャル成長と、凹部底部での第1の
窒化物半導体層26を核とした縦方向のエピタキシャル
成長が競合する。しかし、組成が同一である第2の窒化
物半導体層28上への成長速度の方が速いため、第2の
窒化物半導体層28を核とした横方向の成長が優先的に
進行する。また、縦方向成長の核となる第1の窒化物半
導体層26が適当な深さまでエッチングされているた
め、第1の窒化物半導体層26を核として縦方向に成長
する窒化物半導体の干渉を受ける前に、第2の窒化物半
導体層28を核として横方向成長する第3の窒化物半導
体層30同士を接合させることができる。
【0021】更に、この方法によれば、第3の窒化物半
導体層30が横方向に成長する過程において、エピタキ
シャル成長不可能な基板表面が露出していないため、ア
モルファス状の窒化物半導体が堆積して第3の窒化物半
導体層30の結晶性に悪影響を与えることはない。従っ
て、安定して結晶性の良い窒化物半導体を成長させるこ
とができる。
【0022】図2(a)〜(f)は、図1に示す窒化物
半導体の成長方法を示す工程断面図である。基板20
は、窒化物半導体と異なる異種基板又は窒化物半導体を
用いることができる。以下に基板20が異種基板201
である場合について説明する。
【0023】[第1の工程]まず、図2(a)に示すよ
うに、異種基板201上に、バッファ層21を介して、
第1の窒化物半導体層26を有機金属気相成長法(MO
CVD法)等の適当な成長法により形成する。異種基板
201としては、例えば、C面、R面、及びA面のいず
れかを主面とするサファイア、並びにスピネル(MgA
24)のような絶縁性基板、SiC(6H、4H、3
Cを含む)、ZnS、ZnO、GaAs、Si、及び窒
化物半導体と格子整合する酸化物基板等、従来知られて
いる窒化物半導体と異なる基板材料を用いることができ
る。好ましい異種基板としては、サファイア、スピネル
が挙げられる。異種基板201としてサファイアを用い
る場合、サファイアの主面をどの面にするかによって、
凹凸を形成した時の凸部上部と凹部側面の窒化物半導体
の面方位が特定される傾向があり、その面方位によっ
て、窒化物半導体の成長速度がやや異なることから、凹
部側面に成長し易い面方位がくるように主面を選択して
もよい。
【0024】また、異種基板201上に第1の窒化物半
導体層26を成長させる前に、異種基板201上にバッ
ファ層21を形成してもよい。バッファ層21として
は、第1の窒化物半導体層26よりも低温で成長させる
公知のバッファ層を形成する。例えば、バッファ層21
としては、AlN、GaN、AlGaN、InGaN等
が用いられる。バッファ層21は、900℃以下300
℃以上の温度で、膜厚0.5μm〜10オングストロー
ムで成長される。このように異種基板201上にバッフ
ァ層21を900℃以下の温度で形成すると、異種基板
201と第1の窒化物半導体26との格子定数不正を緩
和し、第1の窒化物半導体26の転位が少なくなる傾向
にあり好ましい。
【0025】更に、バッファ層上に第1の窒化物半導体
層26を成長させる前に、AlkGa1-kN(0≦k≦
1)からなる層32を成長させることが好ましい。この
AlkGa1-kN層32を成長させると、第1の窒化物半
導体層26を結晶性よく成長させるのに好ましい。更に
また、AlkGa1-kN層32を成長させると、第1の窒
化物半導体層26を、第2の工程でエッチングして凹部
底部に良好に露出できる程度の膜厚に成長するのに好ま
しい。AlkGa1-kN層32の成長温度は、この層32
がエピタキシャル成長可能な温度であることが好まし
い。AlkGa1-kN層32をエピタキシャル成長させる
と、異種基板201上に低温で成長させたバッファ層上
に結晶性の良いAlkGa1-kN層32が形成されている
と、In組成を含有するために比較的低温で成長させる
第1の窒化物半導体層26の結晶性も良好となり好まし
い。
【0026】第1の窒化物半導体層26は、第3の窒化
物半導体層30を成長させる際に、第3の窒化物半導体
層の成長速度が、第2の窒化物半導体層28を核として
成長するよりも、第1の窒化物半導体層26を核として
成長する速度が遅くなるような組成の窒化物半導体であ
れば特に限定されない。好ましい第1の窒化物半導体層
26としては、少なくともInを含んでなる窒化物半導
体層を用いることができ、より好ましくは、例えば、一
般式InaAlbGa1-a-bN(0<a<1、0≦b<
1、a+b≦1)で表される任意の組成の窒化物半導体
を挙げることができる。更に好ましい第1の窒化物半導
体層26としては、InaAlbN又はIn aGa1-aNが
挙げられ、特に好ましくは、InaGa1-aNが挙げられ
る。上記一般式で示される第1の窒化物半導体層26の
In組成比及びAl組成比は、第3の窒化物半導体層3
0を成長させる際に、第3の窒化物半導体層30の成長
速度が、第2の窒化物半導体層28に対するより第1の
窒化物半導体層26に対する成長速度が遅くなるよう
な、成長速度に差が生じる組成であれば良く、さらに結
晶性が比較的良好となるような組成が好ましい。
【0027】上記のように第1の窒化物半導体層26
が、少なくともInを含有してなる窒化物半導体からな
ると、第3の窒化物半導体層30を成長させる際に、I
nが熱により分解して表面が荒れ、第3の窒化物半導体
層30が凹部底部に露出している第1の窒化物半導体層
26に成長しにくくなり、より良好に第2の窒化物半導
体層28に選択的に第3の窒化物半導体層30が成長し
易くなり好ましい。
【0028】第1の窒化物半導体層26の膜厚として
は、特に限定されないが、第2の工程でエッチングして
凹部底部に露出される程度の膜厚であればよく、更に結
晶性が劣化しない程度の膜厚が好ましい。第1の窒化物
半導体層26の膜厚は、構成する組成によっても好まし
い範囲がやや異なるが、第1の窒化物半導体層26の構
成する組成によって好ましい膜厚を適宜調整させれるこ
とが望ましい。
【0029】また、異種基板201及び第1の窒化物半
導体層26の組成に応じて、バッファ層21を省略して
も良く、バッファ層21以外の複数の層を第1の窒化物
半導体層26と異種基板201の間に挟んでも良い。好
ましい態様としては第1の窒化物半導体層26を成長さ
せる前に、予め異種基板201上に第3の窒化物半導体
層30と略同じ組成からなる窒化物半導体を成長させて
おき、その窒化物半導体の上に第1の窒化物半導体層2
6を成長させる方が結晶性の良い第3の窒化物半導体層
30を成長できる。
【0030】次に、図2(b)に示すように、第1の窒
化物半導体層26上に、第2の窒化物半導体層28を、
例えばMOCVD法等により形成する。第2の窒化物半
導体層28としては、第3の窒化物半導体層30を成長
させる際に、第3の窒化物半導体層30が第1の窒化物
半導体層26を核として成長するよりも、第2の窒化物
半導体層28を核として成長し易くなるように、第1の
窒化物半導体層26と異なる組成とする窒化物半導体が
挙げられる。例えば、好ましい第2の窒化物半導体層2
8としては、第3の窒化物半導体層30と大略同一組成
の窒化物半導体が挙げられる。具体的には、一般式In
dAleGa1-d-eN(0≦d、0≦e、d+e≦1)で
表される任意の組成とすることができるが、第1の窒化
物半導体層28にエピタキシャル成長可能であって、第
1の窒化物半導体層28と異なる組成としなければなら
ない。例えば、第1の窒化物半導体層26を、Ina
bN又はInaGa1-aNとし、第2の窒化物半導体層
28をGaN層とすることが好ましい。このような組成
の組み合わせにより成長させると、上記のような第3の
窒化物半導体層30の成長速度に差が良好に生じ好まし
い。
【0031】第2の窒化物半導体層28の膜厚として
は、特に限定されないが、第2の工程でエッチングによ
り第1の窒化物半導体層26を良好に露出させることが
できる程度の膜厚が好ましく、さらには第2の窒化物半
導体層28の結晶性が良好な範囲が好ましい。第2の窒
化物半導体層28の結晶性が第1の窒化物半導体層を構
成する組成によってやや影響を受ける場合があるので、
第1の窒化物半導体層26の組成等を考慮して、第2の
窒化物半導体層28の膜厚を適宜調整させることが好ま
しい。
【0032】[第2の工程]次に、図2(e)に示すよ
うに、第2の窒化物半導体層28を、第1の窒化物半導
体層26が露出しかつ所定の深さで削られるように、例
えばストライプ状又は島状等の凹凸を有するようにエッ
チングする。エッチングする手段は、特に限定されない
が、ドライエッチング又はウエットエッチングが挙げら
れ、好ましくはドライエッチングである。ドライエッチ
ングの具体的な方法としては、例えば特開平8−178
03号公報記載のエッチング手段を用いることができ
る。エッチング後の基板の上面図を、図3(a)及び
(b)に示す。図3(a)は、第2の窒化物半導体層2
8をストライプ状にエッチングした場合を示し、図3
(b)は、第2の窒化物半導体層28を島状にエッチン
グした場合を示す。尚、ストライプ状又は島状のエッチ
ングは、第1の窒化物半導体層26が周期的に現れるよ
うに行えば良く、図3に示す形状には限定されない。
【0033】第2の工程で行われるエッチングは、例え
ば図2の(c)及び(d)を経て行われる。まず、第1
の工程で形成された第2の窒化物半導体層28上に、図
2(c)に示すように、フォトリソグラフィー技術にお
ける種々の形状のマスクパターンを用いて、例えばスト
ライプ状等のフォトマスクを作製し、SiO2等のレジ
ストパターンを形成する。次に、図2の(d)に示すよ
うに、レジストパターンを形成した後、エッチングする
ことにより凹凸が形成される。凹凸を形成後に、フォト
マスクを除去することにより、図2の(e)に示される
ような形状の凹凸が得られる。
【0034】凹凸の形状は、凹部側面の長さや、凸部上
部の幅と凹部底部の幅などは、特に限定されないが、少
なくとも凹部内での縦方向の成長が抑制され、凹部開口
部から厚膜に成長する第3の窒化物半導体層30が凹部
側面から横方向に成長したものとなるように調整されて
いることが好ましい。
【0035】第2の工程で形成される凹凸がストライプ
である場合、ストライプの形状について以下に説明す
る。凹凸の形状をストライプ状とする場合、ストライプ
の形状として特に限定されないが、例えばストライプ幅
(凸部上部の幅)を1〜20μm、好ましくは1〜10
μmであり、ストライプ間隔(凹部底部の幅)を5〜4
0μm、好ましくは10〜35μmであるものを形成す
ることができる。このようなストライプ形状を有してい
ると、転位の低減と面状態を良好にする点で好ましい。
更に、凹部の幅が、上記範囲であると、転位の少ない凹
部上部にリッジ形状のストライプを形成する際に、凹部
の中心部分を避けて、且つ転位の少ない部分に位置する
ように形成するのに好ましい。凹部開口部から成長する
第3の窒化物半導体層30の部分を多くするには、凹部
底部の幅を広くし、凸部上部の幅を狭くすることで可能
となり、このようにすると転位の低減された部分を多く
することができる。凹部底部の幅を広くした場合には、
凹部の深さを深めにすることが、凹部底部から成長する
可能性のある縦方向の成長を防止するのに好ましい。
【0036】また、第1の窒化物半導体層26を削る深
さは、次の第3の窒化物半導体層30の成長工程におい
て、第2の窒化物半導体層28を核として横方向成長す
る第3の窒化物半導体同士が、第1の窒化物半導体層2
6を核とした縦方向の成長の干渉を受ける前に接合する
ことができる深さであれば、特に限定されない。例え
ば、第1の窒化物半導体層26が露出する程度、また
は、第1の窒化物半導体層26の層のいずれかの位置ま
でエッチングされていればよい。例えば具体的には、第
1の窒化物半導体層26を削る深さとしては、0.05
〜0.3μm程度が挙げられる。しかし、第1の窒化物
半導体層26を構成する組成によっては第1の窒化物半
導体層26の膜厚が異なる場合があるので、その都度、
削る深さが適宜調整されることが好ましい。
【0037】また、第2の工程において、凹凸の形状を
ストライプ状とする場合に、ストライプを、図4に示す
ように、オリフラ面を例えばサファイアのA面とし、こ
のオリフラ面の垂直軸に対して左右どちらかに、θ=
0.1°〜1°、好ましくはθ=0.1°〜0.5°ず
らして形成すると、成長面がより平坦な良好な結晶が得
られ好ましい。ちなみに、図4のθが0°の場合は、表
面が平坦にならない場合があり、このような状態の成長
面に素子構造を形成すると、素子特性の低下が生じ易く
なる傾向が見られる。表面が平坦であると歩留まりの向
上の点でも好ましい。
【0038】[第3の工程]次に、第2の窒化物半導体
層28と大略同一組成の第3の窒化物半導体層30を、
MOCVD法等の適当な成長法により形成する。第3の
窒化物半導体層30は、第1の窒化物半導体層26が露
出した領域(凹部内部)において、第2の窒化物半導体
層28を核として横方向にエピタキシャル成長すると同
時に、第1の窒化物半導体層26を核とした縦方向のエ
ピタキシャル成長をする。しかし、組成が同一である第
2の窒化物半導体層28上へ成長速度の方が速く、さら
に縦方向成長の核となる第1の窒化物半導体層26が適
当な深さまでエッチングされているため、第1の窒化物
半導体層26を核として縦方向に成長する窒化物半導体
の干渉を受ける前に、第2の窒化物半導体層28を核と
して横方向成長する第3の窒化物半導体30同士が互い
に接合し、異種基板201全面を覆う。
【0039】本発明においては、組成が同一の半導体層
へのエピタキシャル成長速度が、組成が異なる半導体層
へのエピタキシャル成長速度よりも速いことを利用し
て、横方向成長を優先的に進行させる。さらに、第1の
窒化物半導体層26を、前記の少なくともInを含んで
なる窒化物半導体[最も好ましくはInaGa1-aN層
(0<a≦1)]とし、第2の窒化物半導体層28及び
第3の窒化物半導体層30をGaN層とした時には、次
の理由によっても横方向成長が優先的に進行する。
【0040】第3の窒化物半導体層30であるGaN層
の成長温度は一般に900℃以上であるが、第1の窒化
物半導体層26である例えばInaGa1-aN層は900
℃以上の温度でIn組成が分解し易くなる。したがっ
て、第3の窒化物半導体層30の成長過程において、露
出した第1の窒化物半導体層26が徐々に分解し、第1
の窒化物半導体層26を核とする縦方向成長の成長速度
が低下する。このために、第2の窒化物半導体層28を
核とする横方向成長が、より優先的に進行する。その結
果、凹部を覆って凹部上方部に成長する第3の窒化物半
導体層30は、第2の窒化物半導体層28を核として横
方向に成長した転位の少ない結晶性の良好な窒化物半導
体となる。
【0041】また、第3の窒化物半導体層30を成長さ
せる際に、不純物(例えばSi、Ge、Sn、Be、Z
n、Mn、Cr、及びMg等)をドープして成長させ
る、又は、窒化物半導体の原料となるIII族とV族の
成分のモル比(III/Vのモル比)を調整して成長さ
せる等により、横方向の成長を縦方向の成長に比べて促
進させ転位を低減させる点で好ましく、さらに第3の窒
化物半導体層30の表面の面状態を良好にする点で好ま
しい。また、第3の窒化物半導体層30を成長させる際
に、常圧以上[常圧(意図的に圧力を加えない状態の圧
力)から、装置などを調整し意図的に圧力を加えて加圧
条件]にした状態で反応を行ってもよい。具体的な圧力
としては、常圧以上の圧力であれば特に限定されない
が、好ましくは常圧(ほぼ1気圧)〜2.5気圧であ
り、好ましい圧力としては、常圧〜1.5気圧である。
このような圧力の条件下で第3の窒化物半導体層30を
成長させると、第3の窒化物半導体層30の表面の面状
態を良好にする点で好ましい。
【0042】また、以下に異種基板201となる材料の
好ましい形態について更に説明する。第1の工程におけ
る前記異種基板となる材料の主面をオフアングルさせた
基板、さらにステップ状にオフアングルさせた基板を用
いたほうが好ましい。オフアングルさせた基板を用いる
と、表面に3次元成長が見られず、ステップ成長があら
われ表面が平坦になり易い。更にステップ状にオフアン
グルされているサファイア基板のステップに沿う方向
(段差方向)が、サファイアのA面に対して垂直に形成
されていると、窒化物半導体のステップ面がレーザの共
振器方向と一致し、レーザ光が表面粗さにより乱反射さ
れることが少なくなり好ましい。
【0043】異種基板の主面からオフアングルした主面
を有する異種基板について一実施の形態を図5を用いて
説明する。図5はこのサファイア基板の断面を拡大して
示す模式図である。図5に示すステップ状にオフアング
ルした基板は、ほぼ水平なテラス部分Aと、段差部分B
とを有している。テラス部分Aの表面凹凸は平均でおよ
そ0.5オングストローム、最大でおよそ2オングスト
ローム程度に調整され、ほぼ規則正しく形成されてい
る。一方、段差部分の高さはおよそ15オングストロー
ム程度に調整されている。なおオフ角θは誇張して示し
ているが、成長面の水平面に対して、0.1゜〜0.5
゜程度しか傾斜していない。このようなオフ角を有する
ステップ状部分は、基板全体に渡って連続して形成され
ていることが望ましいが、特に部分的に形成されていて
も良い。オフ角θとは、図5に示すように、複数の段差
の底部を結んだ直線と、最上層のステップの水平面との
角度を指すものとする。ステップ段差は30オングスト
ローム以下、さらに好ましくは25オングストローム以
下、最も好ましくは20オングストローム以下にする。
下限は2オングストローム以上が望ましい。
【0044】更に、好ましい異種基板201としては、
(0001)面[C面]を主面とするサファイア、(11
2−0)面[A面]を主面とするサファイア、又は(11
1)面を主面とするスピネルである。ここで異種基板2
01が、(0001)面[C面]を主面とするサファイア
であるとき、前記第2の窒化物半導体層28等に形成さ
れる凹凸のストライプ形状が、そのサファイアの(11
2−0)面[A面]に対して垂直なストライプ形状を有し
ていること[窒化物半導体の(101−0)[M面]に平
行方向にストライプを形成すること]が好ましく、ま
た、オフアングルのオフ角θ(図5に示すθ)が0.1
°〜0.5°、好ましくは0.1°〜0.2°である
と、素子の寿命特性等が良好となるような表面モフォロ
ジーの改質の点で好ましい。また(112−0)面[A
面]を主面とするサファイアであるとき、前記凹凸のス
トライプ形状はそのサファイアの(11−02)面[R
面]に対して垂直なストライプ形状を有していることが
好ましく、また(111)面を主面とするスピネルであ
るとき、前記凹凸のストライプ形状はそのスピネルの
(110)面に対して垂直なストライプ形状を有してい
ることが好ましい。ここでは、凹凸がストライプ形状の
場合について記載したが、本発明においてサファイアの
A面及びR面、スピネルの(110)面に窒化物半導体
が横方向に成長し易いので、これらの面に第2の窒化物
半導体層28等の端面が形成されるように第2の窒化物
半導体層28等に段差を形成するために保護膜の形成を
考慮することが好ましい。
【0045】本発明に用いられる異種基板201につい
て図を用いて更に詳細に説明する。図6はサファイアの
結晶構造を示すユニットセル図である。まず本発明の方
法において、C面を主面とするサファイアを用い、凹凸
はサファイアA面に対して垂直なストライプ形状とする
場合について説明する。例えば、図7は主面側のサファ
イア基板の平面図である。この図はサファイアC面を主
面とし、オリエンテーションフラット(オリフラ)面を
A面としている。この図に示すように凹凸のストライプ
をA面に対して垂直方向で、互いに平行なストライプを
形成する。図7に示すように、サファイアC面上に窒化
物半導体を選択成長させた場合、窒化物半導体は面内で
はA面に対して平行な方向で成長しやすく、垂直な方向
では成長しにくい傾向にある。従ってA面に対して垂直
な方向でストライプを設けると、ストライプとストライ
プの間の窒化物半導体がつながって成長しやすくなり、
図2に示したような結晶成長が容易に可能となると考え
られるが詳細は定かではない。更に、前記したようにス
トライプを図4に示すようにわずかにずらして形成する
と表面モフォロジーの点で好ましい。
【0046】次に、A面を主面とするサファイア基板を
用いた場合、上記C面を主面とする場合と同様に、例え
ばオリフラ面をR面とすると、R面に対して垂直方向
(好ましくは図4に示すようにわずかにずらす方向)
に、互いに平行なストライプを形成することにより、ス
トライプ幅方向に対して窒化物半導体が成長しやすい傾
向にあるため、結晶欠陥の少ない窒化物半導体層を成長
させることができる。
【0047】また次に、スピネル(MgAl24)に対
しても、窒化物半導体の成長は異方性があり、窒化物半
導体の成長面を(111)面とし、オリフラ面を(11
0)面とすると、窒化物半導体は(110)面に対して
平行方向に成長しやすい傾向がある。従って、(11
0)面に対して垂直方向にストライプを形成すると窒化
物半導体層と隣接する窒化物半導体同士が保護膜の上部
でつながって、結晶欠陥の少ない結晶を成長できる。な
おスピネルは四方晶であるため特に図示していない。
【0048】また、以下に、オフアングルされたサファ
イア基板のステップに沿う方向が、サファイア基板のA
面に対して垂直に形成されてなる場合について図5を用
いて説明する。ステップ状にオフアングルしたサファイ
アなどの異種基板は、図5に示すようにほぼ水平なテラ
ス部分Aと、段差部分Bとを有している。テラス部分A
の表面凹凸は少なく、ほぼ規則正しく形成されている。
このような図5に示すオフ角θを有するステップ状部分
は、基板全体にわたって連続して形成されていることが
望ましいが、特に部分的に形成されていてもよい。なお
オフ角θとは、図5に示すように、複数の段差の底部を
結んだ直線と、最上層のステップの水平面との角度を示
すものとする。また異種基板は、オフ角が0.1°〜
0.5°、好ましくは0.1°〜0.2°である。オフ
角を上記範囲とすると、表面モフォロジーが良好とな
り、この上にデバイス構造を形成してなる窒化物半導体
素子は平滑で素子特性が良好となり、また歩留まりも良
好となる。
【0049】以下に、本発明の基板20が窒化物半導体
基板301である場合の窒化物半導体の成長方法につい
て図8を用いて説明する。図8に示すように、窒化物半
導体基板301上に、少なくとも第1の窒化物半導体層
26、及び第2の窒化物半導体層28を成長させ、エッ
チングして凹凸を形成して凹部底部に第1の窒化物半導
体層26を露出させ、その後第3の窒化物半導体層30
を成長させる。更に好ましくは、窒化物半導体基板30
1と第1の窒化物半導体層26との間に、前記した低温
及び/又は高温で成長させるバッファ層304を成長さ
せることが、表面モフォロジーの良好な第3の窒化物半
導体層30を成長させるのに好ましい。上記のように窒
化物半導体基板301を用いる場合、第1の窒化物半導
体層26、第2の窒化物半導体層28、及び第3の窒化
物半導体層30は、前記した異種基板201を用いて行
う場合と同様のものを用いることができる。更にエッチ
ングの深さ、エッチングの形状各層の膜厚等も同様であ
る。
【0050】以下に窒化物半導体基板301を用いる場
合、前記の異種基板201を用いて成長させる場合と異
なる点について記載する。窒化物半導体基板301とし
ては、いずれの成長方法により形成されたものでもよ
く、好ましくは転位の少ない結晶性の良好なものが好ま
しい。例えば、特願平11−80288号明細書に記載
の成長方法により得られた、HVPE法で厚膜に成長さ
せた窒化物半導体基板を用いることが好ましい。また、
前記の異種基板201上に前記の方法により第3の窒化
物半導体層30を成長後、特願平11−80288号明
細書に記載の第3の工程〜第4の工程又は第3の工程〜
第5の工程により得られた窒化物半導体基板を用いても
よい。
【0051】また、図8に示すように、窒化物半導体基
板301上に第1の窒化物半導体層26を成長させる前
に、窒化物半導体基板301上に低温及び/又は高温バ
ッファ層304を成長させると、窒化物半導体基板30
1表面の結晶の乱れを緩和でき、第3の窒化物半導体層
30をより良好に成長させることができ好ましい。
【0052】次に、上記本発明の窒化物半導体の成長方
法により得られる本発明の基板上に、デバイス構造を形
成してなる窒化物半導体素子について説明する。本発明
の基板上に形成する窒化物半導体素子としては、上記本
発明の方法により得られる窒化物半導体の基板上(窒化
物半導体基板20上に成長された第3の窒化物半導体3
0上)に、少なくともn型窒化物半導体、InGaNを
含んでなる活性層、及びp型窒化物半導体を有するデバ
イス構造が形成されてなる素子が挙げられる。上記素子
を構成するn型窒化物半導体などは、特に限定されず、
従来公知のデバイス構造を適宜用いることができる。デ
バイス構造の一実施の形態としては、後述の実施例に示
されるものが挙げられる。しかし、本発明はこれに限定
されない。また、電極や素子の形状なども特に限定され
ず、公知の種々のものを用いることができる。つまり、
前記本発明の窒化物半導体の成長方法により得られる基
板が転位の低減された良好な基板であるので、デバイス
構造の種類により差があるものの、寿命特性を良好にす
ることができるものである。また、基板は窒化物半導体
からなるので窒化物半導体のM軸方向に垂直な面で良好
に劈開できる。
【0053】また本発明において、好ましい窒化物半導
体素子としては、例えばレーザ素子において、発光領域
がリッジ形状のストライプであるものが寿命特性などの
素子特性の点から挙げられる。より好ましい素子として
は、リッジ形状のストライプが、上記第2の工程で形成
される凹凸がストライプ形状の場合、ストライプ形状の
凹凸のストライプ方向に平行に形成され、さらに好まし
くはストライプ形状の凹凸の凹部上方部に形成されるこ
とが寿命特性を向上させる点で好ましい。第1の工程で
用いる基板の種類によって、第3の窒化物半導体層30
表面の平均の転位密度にやや差はあるが、凹凸の凹部上
方部には転位がほとんど見られなくなることから、この
部分に発光領域、例えば上記のようなリッジ形状のスト
ライプを形成すると、レーザ素子などを作動中に転位の
伝播を防止でき素子劣化を抑制し寿命特性の向上が可能
となる。
【0054】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが本発明はこれ
に限定されない。 [実施例1]実施例1について、成長の工程を示す一実
施の形態である図9を用いて示す。また実施例1はMO
CVD法を用いて行った。
【0055】異種基板201として、2インチφ、C面
を主面とし、オリフラ面をA面とするサファイア基板5
1を反応容器内にセットし、温度を510℃にして、キ
ャリアガスに水素、原料ガスにアンモニアとTMG(ト
リメチルガリウム)とを用い、サファイア基板51上に
GaNよりなるバッファ層52を200オングストロー
ムの膜厚で成長させる。
【0056】次に、温度を1050℃にして、アンドー
プのGaNよりなる層53を2μmの膜厚で成長させ
る。
【0057】次に、温度を800℃にして、原料ガスに
TMI(トリメチルインジウム)、TMG及びアンモニ
アを用い、アンドープのIn0.2Ga0.8Nからなる第1
の窒化物半導体層54を0.2μmの膜厚で成長させ
る。
【0058】次に、温度を1050℃にして、原料ガス
にTMG、アンモニアを用い、アンドープのGaNより
なる第2の窒化物半導体層56を0.3μmの膜厚で成
長させる。
【0059】次に、MOVPE反応装置からウエハを取
り出し、フォトリソグラフィー技術を用いて、最上層の
GaNからなる第2の窒化物半導体層56上に、ストラ
イプ状のフォトマスクを形成し、スパッタ装置によりス
トライプ幅(凸部の上部になる部)5μm、ストライプ
間隔(凹部底部となる部分)10μmにパターニングさ
れたSiO2膜を形成し、続いて、RIE装置によりS
iO2膜の形成されていない部分の第2の窒化物半導体
層56をエッチングし、さらにIn0.2Ga0.8Nからな
る第1の窒化物半導体層54をわずかに削って露出させ
る程度にエッチングすることにより、ストライプ幅5μ
m、ストライプ間隔10μmのストライプを形成する。
ストライプを形成後、凸部の第2の窒化物半導体層56
上に形成されたSiO 2膜を除去する。
【0060】次に、ウエハを反応容器内にセットし、温
度を1050℃にして、原料ガスにTMG、アンモニア
を用い、アンドープのGaNよりなる第3の窒化物半導
体層58を15μmの膜厚で成長させる。
【0061】得られた第3の窒化物半導体層58(本発
明の窒化物半導体基板)の表面を、CL(カソードルミ
ネセンス)方法により観測すると、凸部上部は転位密度
がやや多めであったが、凹部開口部の上部にはほとんど
転位が見られず良好な結晶性を有している。
【0062】[実施例2]実施例2について、成長の工
程を示す一実施の形態である図10を用いて示す。また
実施例2はMOVPE法を用いて行った。
【0063】異種基板201として、2インチφ、C面
を主面とし、オリフラ面をA面とするサファイア基板5
1を反応容器内にセットし、温度を510℃にして、キ
ャリアガスに水素、原料ガスにアンモニアとTMG(ト
リメチルガリウム)とを用い、サファイア基板201上
にGaNよりなるバッファ層60を200オングストロ
ームの膜厚で成長させる。
【0064】次に、温度を1050℃にして、バッファ
層60の上にGaN層62を3μmの膜厚で成長させ
る。
【0065】続いて、GaN層62上に、原料ガスにT
MA(トリメチルアルミニウム)、に、アンドープのA
0.1In0.05Ga0.85Nからなる第1の窒化物半導体
層64を0.2μmの膜厚で成長させる。その後、TM
Aガスを止めて、アンドープのGaNからなる第2の窒
化物半導体層56を0.3μmの膜厚で成長させる。
【0066】次に、MOVPE反応装置からウエハを取
り出し、フォトリソグラフィー技術を用いて、最上層の
GaNからなる第2の窒化物半導体層56上に、ストラ
イプ状のフォトマスクを形成し、スパッタ装置によりス
トライプ幅(凸部の上部になる部)5μm、ストライプ
間隔(凹部底部となる部分)10μmにパターニングさ
れたSiO2膜を形成し、続いて、RIE装置によりS
iO2膜の形成されていない部分の第2の窒化物半導体
層56をエッチングし、さらにAl0.1In0.05Ga
0.85Nからなる第1の窒化物半導体層64をわずかに削
って露出させる程度にエッチングすることにより、スト
ライプ幅5μm、ストライプ間隔10μmのストライプ
を形成する。ストライプを形成後、凸部の第2の窒化物
半導体層56上に形成されたSiO 2膜を除去する。
【0067】次に、ウエハを反応容器内にセットし、温
度を1050℃にして、原料ガスにTMG、アンモニア
を用い、アンドープのGaNよりなる第3の窒化物半導
体層58を15μmの膜厚で成長させる。
【0068】得られた第3の窒化物半導体層58(本発
明の窒化物半導体基板)の表面を、CL(カソードルミ
ネセンス)方法により観測すると、実施例1とほぼ同様
に、凸部上部は転位密度がやや多めであったが、凹部開
口部の上部にはほとんど転位が見られず良好な結晶性を
有している。
【0069】[実施例3]実施例1において、基板を、
異種基板として用いたサファイア基板51に替えて、特
願平11−80288号明細書の実施例1により得られ
る窒化物半導体基板を用い、この窒化物半導体基板上
に、実施例1におけるアンドープGaNよりなる層53
に替えて、アンドープAlGaNよりなる層を2μmの
膜厚で成長させる他は同様にして第3の窒化物半導体層
58を成長させる。その結果、転位の少ない窒化物半導
体基板を用いているので、凹部上方部に成長した第3の
窒化物半導体層58表面には転位がほとんど見られない
ばかりか、凸部上方部に成長した第3の窒化物半導体層
58の表面も転位が実施例1に比べて低減している。
【0070】[実施例4]実施例3において、特願平1
1−80288号明細書の実施例2により得られる窒化
物半導体基板を用いる他は同様にして第3の窒化物半導
体層を成長させる。その結果、実施例3とほぼ同様に良
好な結果が得られる。
【0071】[実施例5]実施例1により得られたサフ
ァイア基板上の第3の窒化物半導体層30上に下記のデ
バイス構造を形成して、窒化物半導体素子を作製する。
【0072】(アンドープn型コンタクト層)[図12
には図示されていない] 窒化物半導体の基板上に、1050℃で原料ガスにTM
A(トリメチルアルミニウム)、TMG、アンモニアガ
スを用いアンドープのAl0.05Ga0.95Nよりなるn型
コンタクト層を1μmの膜厚で成長させる。 (n型コンタクト層72)次に、同様の温度で、原料ガ
スにTMA、TMG及びアンモニアガスを用い、不純物
ガスにシランガス(SiH4)を用い、Siを3×10
18/cm3ドープしたAl0.05Ga0.95Nよりなるn型
コンタクト層72を3μmの膜厚で成長させる。
【0073】(クラック防止層73)次に、温度を80
0℃にして、原料ガスにTMG、TMI(トリメチルイ
ンジウム)及びアンモニアを用い、不純物ガスにシラン
ガスを用い、Siを5×10 18/cm3ドープしたIn
0.08Ga0.92Nよりなるクラック防止層73を0.15
μmの膜厚で成長させる。
【0074】(n型クラッド層74)次に、温度を10
50℃にして、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニ
アを用い、アンドープのAl0.14Ga0.86NよりなるA
層を25オングストロームの膜厚で成長させ、続いて、
TMAを止め、不純物ガスとしてシランガスを用い、S
iを5×1018/cm3ドープしたGaNよりなるB層
を25オングストロームの膜厚で成長させる。そして、
この操作をそれぞれ160回繰り返してA層とB層の積
層し、総膜厚8000オングストロームの多層膜(超格
子構造)よりなるn型クラッド層74を成長させる。
【0075】(n型ガイド層75)次に、同様の温度
で、原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、アンドー
プのGaNよりなるn型ガイド層75を0.075μm
の膜厚で成長させる。
【0076】(活性層76)次に、温度を800℃にし
て、原料ガスにTMI、TMG及びアンモニアを用い、
不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018
/cm3ドープしたIn0.01Ga0.99Nよりなる障壁層
を100オングストロームの膜厚で成長させる。続い
て、シランガスを止め、アンドープのIn0.11Ga0.89
Nよりなる井戸層を50オングストロームの膜厚で成長
させる。この操作を3回繰り返し、最後に障壁層を積層
した総膜厚550オングストロームの多重量子井戸構造
(MQW)の活性層76を成長させる。
【0077】(p型電子閉じ込め層77)次に、同様の
温度で、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニアを用
い、不純物ガスとしてCp2Mg(シクロペンタジエニ
ルマグネシウム)を用い、Mgを1×1019/cm3
ープしたAl0.4Ga0.6Nよりなるp型電子閉じ込め層
77を100オングストロームの膜厚で成長させる。
【0078】(p型ガイド層78)次に、温度を105
0℃にして、原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、
アンドープのGaNよりなるp型ガイド層78を0.0
75μmの膜厚で成長させる。このp型ガイド層78
は、アンドープとして成長させるが、p型電子閉じ込め
層77からのMgの拡散により、Mg濃度が5×1016
/cm3となりp型を示す。
【0079】(p型クラッド層79)次に、同様の温度
で、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニアを用い、
アンドープのAl0.1Ga0.9NよりなるA層を25オン
グストロームの膜厚で成長させ、続いて、TMAを止
め、不純物ガスとしてCp2Mgを用い、Mgを5×1
18/cm3ドープしたGaNよりなるB層を25オン
グストロームの膜厚で成長させる。そして、この操作を
それぞれ100回繰り返してA層とB層の積層し、総膜
厚5000オングストロームの多層膜(超格子構造)よ
りなるp型クラッド層79を成長させる。
【0080】(p型コンタクト層80)次に、同様の温
度で、原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、不純物
ガスとしてCp2Mgを用い、Mgを1×1020/cm3
ドープしたGaNよりなるp型コンタクト層80を15
0オングストロームの膜厚で成長させる。
【0081】反応終了後、反応容器内において、ウエハ
を窒素雰囲気中、700℃でアニーリングを行い、p型
層を更に低抵抗化する。アニーリング後、ウエハを反応
容器から取り出し、最上層のp側コンタクト層の表面に
SiO2よりなる保護膜を形成して、RIE(反応性イ
オンエッチング)を用いSiCl4ガスによりエッチン
グし、図10に示すように、n電極を形成すべきn側コ
ンタクト層2の表面を露出させる。次に図13(a)に
示すように、最上層のp側コンタクト層80のほぼ全面
に、PVD装置により、Si酸化物(主として、SiO
2)よりなる第1の保護膜91を0.5μmの膜厚で形
成した後、第1の保護膜91の上に所定の形状のマスク
をかけ、フォトレジストよりなる第3の保護膜93を、
ストライプ幅1.8μm、厚さ1μmで形成する。次
に、図13(b)に示すように第3の保護膜93形成
後、RIE(反応性イオンエッチング)装置により、C
4ガスを用い、第3の保護膜93をマスクとして、前
記第1の保護膜91をエッチングして、ストライプ状と
する。その後エッチング液で処理してフォトレジストの
みを除去することにより、図13(c)に示すようにp
側コンタクト層80の上にストライプ幅1.8μmの第
1の保護膜91が形成できる。
【0082】さらに、図13(d)に示すように、スト
ライプ状の第1の保護膜91形成後、再度RIEにより
SiCl4ガスを用いて、p側コンタクト層10、およ
びp側クラッド層89をエッチングして、ストライプ幅
1.8μmのリッジ形状のストライプを形成する。但
し、リッジ形状のストライプは、図12に示すように、
ELOG成長を行う際に形成した凹部上方部で且つ凹部
の中心部分を避けるように形成される。リッジストライ
プ形成後、ウェーハをPVD装置に移送し、図13
(e)に示すように、Zr酸化物(主としてZrO2
よりなる第2の保護膜92を、第1の保護膜91の上
と、エッチングにより露出されたp側クラッド層79の
上に0.5μmの膜厚で連続して形成する。このように
Zr酸化物を形成すると、p−n面の絶縁をとるため
と、横モードの安定を図ることができ好ましい。次に、
ウェーハをフッ酸に浸漬し、図13(f)に示すよう
に、第1の保護膜91をリフトオフ法により除去する。
【0083】次に図13(g)に示すように、p側コン
タクト層80の上の第1の保護膜91が除去されて露出
したそのp側コンタクト層80の表面にNi/Auより
なるp電極82を形成する。但しp電極82は100μ
mのストライプ幅として、この図に示すように、第2の
保護膜92の上に渡って形成する。第2の保護膜92形
成後、図12に示されるように露出させたn側コンタク
ト層72の表面にはTi/Alよりなるn電極84をス
トライプと平行な方向で形成する。
【0084】以上のようにして、n電極とp電極とを形
成したウェーハを、ストライプ状の電極に垂直な方向
で、基板側からバー状に劈開し、劈開面(11−00
面、六角柱状の結晶の側面に相当する面=M面)に共振
器を作製する。共振器面にSiO 2とTiO2よりなる誘
電体多層膜を形成し、最後にp電極に平行な方向で、バ
ーを切断して図12に示すようなレーザ素子とする。得
られたレーザ素子をヒートシンクに設置し、それぞれの
電極をワイヤーボンディングして、室温でレーザ発振を
試みた。その結果、室温において、出力5mWで、発振
波長400nmの連続発振が確認され、1000時間以
上の寿命を示す。
【0085】
【発明の効果】本発明の窒化物半導体基板の製造方法に
よれば、組成の異同による成長速度の差を利用して窒化
物半導体層の横方向成長を優先的に進行させ、同時に縦
方向成長の成長点と横方向成長の成長点の間に適当な空
間を設けたため、窒化物半導体層の横方向成長を安定に
進行させ、転位の少ない窒化物半導体基板を製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の製造方法に係る素子構造を形
成するための基板となる窒化物半導体を模式的に示す断
面図である。
【図2】図2(a)から(f)は、本発明の製造方法を
模式的に示す工程断面図である。
【図3】図3(a)及び(b)は、図2(e)に示す工
程における基板を表す上面図である。
【図4】図4は、凹凸がストライプ形状の場合のストラ
イプ方向がオリフラ面からわずかにずれた状態で形成す
ることを説明するための基板主面側の平面図である。
【図5】図5は、主面がオフアングルされてなる異種基
板のオフ角θ等を示す一実施の形態の異種基板の部分的
な形状を示す模式的断面図である。
【図6】図6は、サファイアの面方位を示すユニットセ
ル図である。
【図7】図7は、凹凸のストライプ方向を説明するため
の基板主面側の平面図である。
【図8】図8は、本発明の製造方法に係る素子構造を形
成するための基板となる窒化物半導体を模式的に示す断
面図である。
【図9】図9は、本発明の実施例1に係る素子構造を形
成するための窒化物半導体を模式的に示す断面図であ
る。
【図10】図10は、本発明の実施例2に係る素子構造
を形成するための窒化物半導体を模式的に示す断面図で
ある。
【図11】図11は、従来の製造方法に係る素子構造を
形成するための窒化物半導体を模式的に示す断面図であ
る。
【図12】図12は、実施例5に係る本発明の成長方法
により得られる窒化物半導体を基板とし素子構造を形成
してなる窒化物半導体素子の模式的断面図である。
【図13】図13は、リッジ形状のストライプを形成す
る一実施の形態である方法の各工程におけるウエハの部
分的な構造を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
20・・・・異種基板 21・・・・バッファ層 26・・・・第1の窒化物半導体層 28・・・・第2の窒化物半導体層 30・・・・第3の窒化物半導体層 31・・・・サファイア基板 32、40・・・バッファ層 34・・・・InGaN層 36、38、42・・GaN層 44・・・・AlGaN層 301・・・窒化物半導体基板 304・・・低温及び/又は高温成長のバッファ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205 C30B 29/40 502 H01S 5/323 610

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、少なくとも互いに組成の異な
    る第1の窒化物半導体層及び第2の窒化物半導体層を順
    に成長させる第1の工程と、前記第2の窒化物半導体層
    の表面から基板方向に向かって部分的にエッチングして
    凹凸を形成する第2の工程と、第2の工程でエッチング
    されずに第1の窒化物半導体層上に残っている第2の窒
    化物半導体層を核として、前記第2の窒化物半導体層と
    大略同一組成の第3の窒化物半導体層を横方向の成長を
    利用して成長させる第3の工程とを、少なくとも有する
    窒化物半導体の成長方法において、 前記第1の工程で、第1の窒化物半導体層と第2の窒化
    物半導体層の組成が、第3の工程で成長させる第3の窒
    化物半導体層の成長が、第2の窒化物半導体層を核とし
    て成長する速度より、第1の窒化物半導体層を核として
    成長する速度が遅くなるように調整され、且つ第1の窒
    化物半導体層及び第2の窒化物半導体層が共にエピタキ
    シャル成長されてなり、 更に、前記第2の工程で、エッチングが、第1の窒化物
    半導体層が露出しかつ所定の深さで削られるように行わ
    れていることを特徴とする窒化物半導体の成長方法。
  2. 【請求項2】 前記基板と第1の窒化物半導体層との間
    に、AlkGa1-kN(0≦k≦1)をエピタキシャル成
    長させてなることを特徴とする請求項1に記載の窒化物
    半導体の成長方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の窒化物半導体層が、少なくと
    もInを含んでなる窒化物半導体であることを特徴とす
    る請求項1に記載の窒化物半導体の成長方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の窒化物半導体層が、Ina
    bGa1-a-bN[0<a<1、0≦b<1、a+b≦
    1]であることを特徴とする請求項3に記載の窒化物半
    導体の成長方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の窒化物半導体層が、Ina
    bN又はInaGa1 -aNであることを特徴とする請求
    項4に記載の窒化物半導体の成長方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の窒化物半導体層が、Ina
    1-aNであることを特徴とする請求項5に記載の窒化
    物半導体の成長方法。
  7. 【請求項7】 前記第2の工程において、前記第2の窒
    化物半導体層28に形成される凹凸が、ストライプ形状
    であり、更に前記ストライプ形状の凹凸がオリフラ面か
    らの垂直軸に対して左右のいずれかに0.1°〜1°程
    度ずらして形成されていることを特徴とする請求項1に
    記載の窒化物半導体の成長方法。
  8. 【請求項8】 前記基板が、窒化物半導体と異なる異種
    基板又は窒化物半導体基板であることを特徴とする請求
    項1に記載の窒化物半導体の成長方法。
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