JP2001007447A - 窒化物半導体レーザ素子 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子

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JP2001007447A
JP2001007447A JP17284099A JP17284099A JP2001007447A JP 2001007447 A JP2001007447 A JP 2001007447A JP 17284099 A JP17284099 A JP 17284099A JP 17284099 A JP17284099 A JP 17284099A JP 2001007447 A JP2001007447 A JP 2001007447A
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Shinichi Nagahama
慎一 長濱
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Nichia Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高信頼性を有する発振波長が420nm以上
のレーザ素子を得るため、しきい値電流密度を低下さ
せ、寿命特性の向上が可能な窒化物半導体レーザ素子を
提供することである。 【解決手段】 基板上に、少なくともn型窒化物半導
体、Inを含んでなる井戸層を有する量子井戸構造の活
性層、及びp型窒化物半導体を順に積層してなる窒化物
半導体レーザ素子において、該活性層が、井戸層の全積
層数が2以下である量子井戸構造であり、更に、発振波
長が420nm以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光ダイオード、
レーザダイオード等の発光素子、又は太陽電池、光セン
サー等の受光素子に使用される窒化物半導体(InX
YGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)よりなる窒
化物半導体レーザ素子に関し、特にしきい値電流密度が
低く、寿命特性が向上する発振波長420nm以上の窒
化物半導体レーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、窒化物半導体からなるレーザ素子
は、波長400nm付近の青色レーザ素子として実用可
能なレベルまで研究が進んでいる。例えば、本発明者を
含む研究者等は、Japanese Journal of Aplide Physic
s.Vol.37(1998)pp.L1020-L1022に、ELOG(Epitaxia
lly laterally overgrownGaN)を基板とし、この基板上
に素子構造を形成し、約400nmの波長の光を、50
℃の環境温度の条件下、5mWの出力で約160時間連
続発振させることが可能な窒化物半導体レーザ素子を発
表している。
【0003】また、本発明者は、レーザディスプレイや
カラーコピー等への用途のある発振波長が420nm以
上のレーザ素子の研究を行っている。発振波長が420
nm以上のレーザ光を得るためには、活性層であるIn
GaN層の井戸層のIn組成比を上げ、バンドギャップ
エネルギーを小さくする必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般的
に、InGaNのIn組成比を大きくすると、その結晶
性が劣化し、レーザ素子においては自己吸収の割合が大
きくなり、且つ量子効率も低下するため、しきい値電流
密度が大きくなり、高信頼性を有するレーザ素子ができ
なかった。
【0005】そこで、本発明の目的は、高信頼性を有す
る発振波長が420nm以上のレーザ素子を得るため、
しきい値電流密度を低下させ、寿命特性の向上が可能な
窒化物半導体レーザ素子を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、下記
(1)〜(8)の構成により、本発明の目的を達成する
ことができる。 (1) 基板上に、少なくともn型窒化物半導体、In
を含んでなる井戸層を有する量子井戸構造の活性層、及
びp型窒化物半導体を順に積層してなる窒化物半導体レ
ーザ素子において、該活性層が、井戸層の全積層数が2
以下である量子井戸構造であり、更に、発振波長が42
0nm以上であることを特徴とする窒化物半導体レーザ
素子。 (2) 前記活性層が、井戸層の全積層数が1である単
一量子井戸構造であり、更に、発振波長が430nm以
上であることを特徴とする前記(1)に記載の窒化物半
導体レーザ素子。 (3) 前記活性層の量子井戸構造が、井戸層と障壁層
とから形成され、該障壁層が、n型不純物濃度を1×1
19/cm2以下含んでなることを特徴とする前記
(1)又は(2)に記載の窒化物半導体レーザ素子。 (4) 前記障壁層が、n型不純物を5×1018/cm
2以下含んでなることを特徴とする前記(3)に記載の
窒化物半導体レーザ素子。 (5) 前記井戸層が、n型不純物を1×1018/cm
2以下含んでなることを特徴とする前記(1)〜(4)
のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子。 (6) 前記井戸層が、膜厚40オングストローム以下
であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか
1項に記載の窒化物半導体レーザ素子。 (7) 前記井戸層が、膜厚30オングストローム以下
であることを特徴とする前記(1)〜(6)に記載の窒
化物半導体レーザ素子。 (8) 前記活性層の量子井戸構造が、井戸層と障壁層
から形成され、該障壁層が、100オングストローム以
上の膜厚であることを特徴とする前記(1)〜(7)に
記載の窒化物半導体レーザ素子。 (9) 前記障壁層が、100〜200オングストロー
ムの膜厚であることを特徴とする前記(8)に記載の窒
化物半導体レーザ素子。 (10) 前記窒化物半導体レーザ素子が、窒化物半導
体と異なる材料よりなる異種基板又は窒化物半導体基板
上に、窒化物半導体の横方向の成長を利用して成長させ
てなる窒化物半導体上に成長されてなることを特徴とす
る前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の窒化物半
導体レーザ素子。
【0007】つまり、本発明は、発振波長が420nm
以上となるように井戸層のIn組成比が調整された量子
井戸構造を有する活性層を、井戸層の全積層数を2以下
として形成することにより、低しきい値電流密度で長時
間の連続発振が可能な窒化物半導体レーザ素子を提供す
ることができる。
【0008】前記のJ.J.A.P.に記載の技術で
は、井戸層の積層数を2とするとしきい値電流密度が最
も低下することが記載されているが、井戸層の積層数を
1とするとしきい値電流密度が急激に増加していること
が示されており、発振波長が400nm付近の場合で
は、井戸層の積層数を減らすことでは利得が得られ難い
ことが示唆されている。図3に、発振波長が400nm
付近のレーザ素子におけるしきい値電流密度と井戸層の
積層数の関係を示すグラフを示す。
【0009】これに対して、本発明は、上記の如く、結
晶性の低下が予想される高In組成比であって、且つキ
ャリアの閉じ込めをする井戸層の積層数を減らしたにも
かかわらず、しきい値電流密度を低下させ、良好な寿命
特性を達成させることができる。このように井戸層の積
層数を減らしても大きな利得が得られる理由は、恐ら
く、発振波長が420nm以上となるようにIn組成比
を高くすると、発振波長が約400nmとなるIn組成
比の場合には得られない、良好なキャリアの閉じ込めが
可能となるためではないかと考えられる。つまり、In
組成比が大きいと、InGaNの組成分離によるIn組
成不均一が大きくなり、深い局在準位が形成され、それ
が量子ドット的効果を得るために大きな利得が得られ易
くなると思われる。また、活性層内の損失については、
一般的にIn組成比を大きくすれば結晶性が低下するた
めに、自己吸収の割合が大きくなり内部損失が増加する
と考えられるが、本発明は上記の如く、結晶性が低下し
易い井戸層の全積層数を2以下としているので、自己吸
収の割合を減らして内部損失を小さくしている。
【0010】以上のように、本発明者は、しきい値電流
密度を低減するために、利得の増加と損失の低減につい
て種々検討した結果、In組成比の程度、特に420n
m以上となるようなIn組成比と、420nmより短波
長の場合のIn組成比とでは、In組成不均一の程度に
大きな違いが生じることを見出した。そして、理論によ
る推考と実験を重ねることで、発振波長が420nm以
上となる高In組成比では井戸層の全積層数を2以下と
しても大きな利得が得られ、しかも井戸層の積層数の減
少で内部損失が低減され、その結果、しきい値電流密度
の低下を達成している。また更に、本発明は、しきい値
電流密度の低下に対して、予想以上に寿命特性が向上し
ており、恐らく大きなIn組成不均一が素子の劣化の防
止に何らかの好影響を与えているのではないかと予想さ
れる。
【0011】ちなみに、400nm付近の発振が可能な
程度のIn組成比の場合は、420nm以上の発振が可
能な場合と同様に、In組成不均一が生じているが、I
n組成不均一の程度が小さく、この小さなIn組成不均
一により形成される局在準位による量子ドット的効果は
小さいため、420nm以上としたとき得られる大きな
利得が、400nm付近では得られないと推測される。
【0012】更に、本発明において、レーザ素子の発振
波長を430nm以上とし、活性層が井戸層の全積層数
が1である単一量子井戸構造であると、しきい値電流密
度の低下、および素子の寿命特性の向上の点で好まし
い。更に、本発明において、活性層の量子井戸構造を形
成する障壁層が、n型不純物を1×1019/cm2
下、好ましくは5×1018/cm2以下含んでなると、
しきい値電流密度を低下させ、寿命特性を向上させる点
で好ましい。また更に、本発明において、井戸層が、n
型不純物を1×1018/cm2以下含んでなると、しき
い値電流密度を低下させ、寿命特性を向上させる点で好
ましい。また更に、本発明において、井戸層が、膜厚4
0オングストローム以下、好ましくは、膜厚が30オン
グストローム以下であると、InGaNの結晶性を損な
うことなく、しきい値電流密度を低下させ、寿命特性を
向上させる点で好ましい。また更に、本発明において、
活性層の量子井戸構造が、井戸層と障壁層から形成さ
れ、該障壁層が、100オングストローム以上、好まし
くは100〜200オングストロームの膜厚であると、
寿命特性の向上の点で好ましい。
【0013】また更に、本発明において、窒化物半導体
レーザ素子が、窒化物半導体と異なる材料よりなる異種
基板又は窒化物半導体基板上に、窒化物半導体の横方向
の成長を利用して成長させてなる窒化物半導体(以下E
LOG成長によるELOG基板、又は単にELOG基板
とする)上に成長されてなると、転位の低減された窒化
物半導体を基板とするので、転位の少ない素子構造を形
成することができ、特にIn組成比の大きな井戸層の結
晶性を良好にすることができ、しきい値電流密度の低減
及び寿命特性の向上の点で好ましい。
【0014】また、以下に、本発明の好ましいその他の
形態について記載する。本発明において、ELOG基板
が用いられ、ELOG基板上に成長させるn型コンタク
ト層が、AlaGa1-aN(0<a<1、好ましくは0.
01≦a≦0.05)からなると、n型コンタクト層と
熱膨張係数が異なる傾向があるELOG基板上に、n型
コンタクト層を形成しても内部の微細なクラックの発生
が防止でき、しきい値電流密度の低下及び寿命特性の向
上の点で好ましい。n型コンタクト層上には、レーザ素
子の種々の機能を有する複数の層を成長させるため、n
型コンタクト層の結晶性が良好であればあるほど、結晶
性の良好な素子を作製することができ、素子特性の向上
を達成することができる。また、本発明において、EL
OG基板を成長させるための、異種基板が、サファイア
のC面がステップ状にオフアングルされているものであ
ると、転位の低減及び良好な面状態を得る点で好まし
く、このようなELOG基板上に成長される素子構造も
良好となり、本発明の効果を得る点で好ましい。更に、
ステップ状にオフアングルされているサファイア基板の
オフアングル角が、0.1°〜0.3°であるとELO
G基板を良好に成長させることができ、しきい値電流密
度の低下及び寿命特性の向上の点で好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の窒化物半導体レ
ーザ素子について更に詳細に説明する。本発明の窒化物
半導体レーザ素子は、基板上に、少なくともn型窒化物
半導体、Inを含んでなる井戸層を有する量子井戸構造
の活性層、及びp型窒化物半導体を順に積層されてなる
素子であって、活性層が井戸層の全積層数を2以下とし
て形成され、更に、発振波長が420nm以上となるよ
うに井戸層のIn組成比が調整されてなる。以下に素子
構造を形成する。
【0016】(活性層)本発明において、活性層として
は、少なくとも井戸層にInを含んでなるIn bGa1-b
N(0≦b<1)からなる量子井戸構造である。そし
て、量子井戸構造の活性層は、発振波長が420nm以
上となるようにIn組成比が調整されている。活性層の
In組成比の調整としては、井戸層のIn組成比を、発
振波長が420nm以上となるように調整する。井戸層
のIn組成比としては、発振波長が420nm以上とな
るIn組成比であれば特に限定されず、具体的な値とし
ては、例えば下記の理論値の計算式から求められる値を
近似的な値として挙げることができる。しかし、実際に
レーザ素子を動作させて得られる発振波長は、量子井戸
構造をとる量子準位が形成されるため、発振波長のエネ
ルギー(Eλ)がInGaNのバンドギャップエネルギ
ー(Eg)よりも図2のように大きくなり、計算式など
から求められる発振波長より、短波長側へシフトする傾
向がある。
【0017】[理論値の計算式] Eg=(1−χ)3.40+1.95χ−Bχ(1−
χ) 波長(nm)=1240/Eg Eg:InGaN井戸層のバンドギャップエネルギー χ:Inの組成比 3.40(eV):GaNのバンドギャップエネルギー 1.95(eV):InNのバンドギャップエネルギー B:ボーイングパラメーターを示し、1〜6eVとす
る。このようにボーイングパラメータが変動するのは、
最近の研究では、SIMS分析などから、従来は結晶に
歪みがないと仮定して1eVとされていたが、In組成
比の割合や膜厚が薄い場合等により歪みの生じる程度が
異なり、1eV以上となることが明らかとなってきてい
るためである。
【0018】上記のように井戸層のSIMS分析などか
ら求められる具体的なIn組成比から考えられる発振波
長と、実際に発振させたときの発振波長とには、やや相
違があるものの、実際の発振波長が420nm以上とな
る場合に、活性層の井戸層の全積層数を2以下とする
と、しきい値電流密度の低下と寿命特性の向上が可能と
なり、高信頼性の得られるレーザ素子を提供することが
できる。この理由は定かではないが、恐らく、発振波長
が400nm付近の場合には得られなかったが、発振波
長が420nmとなる素子の場合、In組成不均一が大
きくなり深い局在準位が形成されそれが量子ドット的効
果を得るために、井戸層の全積層数が2以下であっても
大きな利得が得られ、その結果、しきい値電流密度の低
下が可能となると考えられる。更に、井戸層の積層数を
2以下にすると、障壁層の膜厚を100オングストロー
ム以上、好ましくは100〜200オングストローム
と、厚めにした方が寿命が長くなる傾向がある。このこ
とから、しきい値電流密度の低下と寿命特性の向上が可
能となる。更に、しきい値電流密度の低下の程度より良
好な寿命特性が得られることから、大きなIn組成不均
一が素子劣化の防止に何らかの好影響を与えているため
ではないかと考えられる。
【0019】活性層の量子井戸構造を形成する井戸層の
全積層数は、発振波長が420nm以上では2又は1で
あり、より好ましくは発振波長が430nm以上では1
である。このように発振波長によるIn組成比の変化
と、井戸層の積層数の調整とにより、しきい値電流密度
を良好に低下させ得ることができる。図1(a)に発振
波長が420nmの場合の井戸層の積層数としきい値電
流密度の関係を示し、図1(b)に発振波長が430n
mの場合についてグラフを示す。まず図1(a)に示す
ように、発振波長が420nmの場合は、井戸層の積層
数が1と2が最もしきい値電流密度が低下し、井戸層の
積層数を3及び4とすると急激に上昇する傾向がある。
また、図1(b)に示すように、発振波長が430nm
では、井戸層の積層数が1の場合が最もしきい値電流密
度が低下し、井戸層の積層数を2、3などと増やすとし
きい値電流密度の上昇が見られる。また、430nmよ
り長波長の場合も430nmの場合と同様に井戸層の積
層数が1の場合、しきい値電流密度が最小値となる。
【0020】本発明において、井戸層は、アンドープで
も、不純物をドープされていてもよいが、好ましくは結
晶性を損なわない点で、アンドープ、または不純物をド
ープする場合でも不純物(例えばSiなど)を1×10
18/cm2以下含有されてなるものが好ましい。井戸層
の結晶性が良好であれば、しきい値電流密度の低下や寿
命特性の向上の点で好ましい。井戸層の膜厚は、特に限
定されないが、しきい値電流密度の低下の点で、40オ
ングストローム以下、好ましくは30オングストローム
以下である。また井戸層の膜厚の下限値は、特に限定さ
れないが、10オングストローム程度である。
【0021】また、活性層の量子井戸を形成する障壁層
としては、特に限定されないが、少なくとも井戸層より
バンドギャップエネルギーが大きい組成のものが挙げら
れ、例えば具体的には、InbGa1-bN(0≦b<0.
1)で示される窒化物半導体が挙げられる。障壁層は、
アンドープでも、不純物をドープされていてもよいが、
好ましくはしきい値電流密度を低下させるために、不純
物(例えばSiなど)を1×1019/cm2以下、好ま
しくは5×1018/cm2以下含有されてなるものが好
ましい。障壁層の膜厚としては、特に限定されないが、
100オングストローム以上、好ましくは100〜20
0オングストロームである。このような膜厚であると、
素子が劣化しにくくなり寿命特性の向上の点で好まし
い。
【0022】活性層の井戸層の積層数が2の場合、少な
くとも井戸層が2層積層されていればよく、障壁層から
始まり井戸層で終わっても、障壁層から始まり障壁層で
終わっても、井戸層から始まり障壁層で終わっても、ま
た井戸層から始まり井戸層で終わってもよい。好ましく
は障壁層で始まり障壁層で終わると、しきい値電流密度
を低下させ寿命特性を向上させるのに好ましい。また、
活性層が井戸層の積層数が1である単一量子井戸構造の
場合は、障壁層は井戸層を挟むように形成されるのが好
ましい。単一量子井戸構造の場合、障壁層が形成されて
いると、しきい値電流密度の低下及び寿命特性の向上の
点で好ましい。また、活性層が単一量子井戸構造の場
合、障壁層を設けない素子構造とすることもできる。
【0023】本発明の窒化物半導体レーザ素子は、少な
くとも、上記のように井戸層の全積層数と420nm以
上の発振波長が得られるようにIn組成比の調整された
活性層を有していればよく、その他の素子構造としては
特に限定されないが、例えば具体的な一実施の形態とし
ては、図5に示す素子構造のレーザ素子を挙げることが
できる。レーザ素子が、図5に示す素子構造と、上記の
井戸層等の特定された活性層と組み合わせると、しきい
値電流密度の低下及び寿命特性の向上の点で好ましい。
しかし、本発明はこれに限定されない。
【0024】図5は、本発明の一実施の形態である窒化
物半導体レーザ素子を示す模式的断面図である。図5に
は、サファイア等の異種基板上にELOG成長させた窒
化物半導体基板1上に、n型不純物(例えばSi)をド
ープしてなるAlaGa1-aN(0<a<1)よりなるn
型コンタクト層2、SiドープのIngGa1-gN(0.
05≦g≦0.2)よりなるクラック防止層3、Ale
Ga1-eN(0.12≦e<0.15)を含んでなる多
層膜のn型クラッド層4、アンドープのGaNからなる
n型ガイド層5、InbGa1-bN(0≦b<1)からな
る量子井戸構造の活性層6、MgドープのAldGa1-d
N(0<d≦1)からなる少なくとも1層以上のp型電
子閉じ込め層7、アンドープのGaNからなるp型ガイ
ド層8、AlfGa1-fN(0<f≦1)を含んでなる多
層膜のp型クラッド層9、MgドープのGaNからなる
p型コンタクト層10からなるリッジ形状のストライプ
を有する窒化物半導体レーザ素子が示されている。ま
た、p電極は、リッジ形状のストライプの最上層に形成
され、n電極はn型コンタクト層上に形成される。以下
に、基板や各層等について更に詳細に説明する。
【0025】(ELOG成長)まず、ELOG成長につ
いて以下に説明する。本発明において、用いることので
きるELOG成長としては、窒化物半導体の縦方向の成
長を少なくとも部分的に一時的止めて、横方向の成長を
利用して転位を抑制することのできる成長方法であれば
特に限定されない。
【0026】例えば具体例としては、窒化物半導体と異
なる材料からなる異種基板上に、窒化物半導体が成長し
ないかまたは成長しにくい材料からなる保護膜を部分的
に形成し、その上から窒化物半導体を成長させることに
より、保護膜が形成されていない部分から窒化物半導体
が成長し、成長を続けることにより保護膜上に向かって
横方向に成長することにより厚膜の窒化物半導体(EL
OG基板)が得られる成長方法が挙げられる。このよう
な成長方法としては、例えば特願平10−275826
号、特願平10−119377号、特願平10−146
431号、特願平11−37826号、各明細書に記載
の方法が挙げられる。
【0027】また、その他の具体例としては、保護膜を
用いない方法であり、窒化物半導体と異なる材料からな
る異種基板上に成長させた窒化物半導体上に、凹凸を形
成し、この上から再び窒化物半導体を成長させてなる窒
化物半導体(ELOG基板)が得られる成長方法が挙げ
られる。また、保護膜を用いず、窒化物半導体の表面を
部分的に改質して窒化物半導体の横方向の成長を意図的
に行わせる方法が挙げられる。このような成長方法とし
ては、例えば特願平11−378227号、特願平11
−168079号、特願平11−142400号、各明
細書に記載の方法が挙げられる。
【0028】また更に、上記のようなELOG成長等に
より得られた窒化物半導体を基板とし、この窒化物半導
体上に、上記に示したような保護膜を用いて行う又は凹
凸を形成する等のELOG成長を繰り返して転位を良好
に低減される窒化物半導体を得る成長方法が挙げられ
る。このような成長方法としては、例えば特願平11−
80288号明細書に記載の方法が挙げられる。
【0029】上記したELOG成長として好ましくは保
護膜を用いないで成長させる方法、及び窒化物半導体上
にELOG成長させる方法である。このような方法で行
うと転位の低減の点で好ましく、さらには転位の低減さ
れたELOG基板上に素子構造を形成すると、しきい値
電流密度の低減及び寿命特性の向上の点で好ましい。上
記に挙げたELOG成長方法についての詳細は、上記列
記した各号明細書の記載の通りであるが、好ましい一例
を以下に示す。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0030】以下に、本発明に用いることのできる好ま
しいELOG成長の一実施の形態を図4を用いて説明す
る。図4(a−1〜a−4)は、窒化物半導体の成長方
法の一実施の形態を段階的に示した模式図である。ま
ず、図4(a−1)の第1の工程において、異種基板4
1上に第1の窒化物半導体42を成長させ、図4(a−
2)の第2の工程において、第1の窒化物半導体42に
凹凸を形成し、続いて図4(a−3)の第3の工程にお
いて、凹凸の形成された第1の窒化物半導体42上に、
常圧以上の圧力条件下で、第2の窒化物半導体43を成
長させる。
【0031】以下に上記各工程ごとに図4を用いて更に
詳細に説明する。 (第1の工程)図4(a−1)は異種基板41上に、第
1の窒化物半導体42を成長させる第1の工程を行った
模式的段面図である。この第1の工程において、用いる
ことのできる異種基板41としては、例えば、C面、R
面、及びA面のいずれかを主面とするサファイア、スピ
ネル(MgA124)のような絶縁性基板、SiC(6
H、4H、3Cを含む)、ZnS、ZnO、GaAs、
Si、及び窒化物半導体と格子整合する酸化物基板等、
従来知られている窒化物半導体と異なる基板材料を用い
ることができる。好ましい異種基板としては、サファイ
ア、スピネルが挙げられる。異種基板としてサファイア
を用いる場合、サファイアの主面をどの面にするかによ
り、凹凸を形成した時の凸部上部と凹部側面の窒化物半
導体の面方位が特定される傾向があり、その面方位によ
って、窒化物半導体の成長速度がやや異なることから、
凹部側面に成長し易い面方位がくるように主面を選択し
てもよい。
【0032】また、第1の工程において、異種基板41
上に第1の窒化物半導体42を成長させる前に、異種基
板41上にバッファ層(図示されていない)を形成して
もよい。バッファ層としては、AlN、GaN、AlG
aN、InGaN等が用いられる。バッファ層は、90
0℃以下300℃以上の温度で、膜厚0.5μm〜10
オングストロームで成長される。このように異種基板1
上にバッファ層を900℃以下の温度で形成すると、異
種基板41と第1の窒化物半導体42との格子定数不正
を緩和し、第1の窒化物半導体42の結晶欠陥が少なく
なる傾向にある。
【0033】第1の工程において、異種基板41上に形
成される第1の窒化物半導体42としては、アンドープ
(不純物をドープしない状態、undope)のGaN、S
i、Ge、及びS等のn型不純物をドープしたGaNを
用いることができる。第1の窒化物半導体42は、高
温、具体的には約900℃より高温〜1100℃、好ま
しくは1050℃で異種基板41上に成長される。この
ような温度で成長させると、第1の窒化物半導体42は
単結晶となる。第1の窒化物半導体42の膜厚は特に限
定しないが、凹部内部での縦方向の成長を抑えて、横方
向の成長が促進できるように、凹凸の形状を調整するこ
とが可能な膜厚であることが好ましく、少なくとも50
0オングストローム以上、好ましくは5μm以上、より
好ましくは10μm以上の膜厚で形成する。
【0034】(第2の工程)次に、図4(a−2)は異
種基板41上に第1の窒化物半導体42を成長させた
後、第1の窒化物半導体42に部分的に第1の窒化物半
導体42がわずかに残る程度の深さで凹凸を形成して、
凹部側面に第1の窒化物半導体42を露出させてなる模
式的断面図である。
【0035】第2の工程において、部分的に凹凸を形成
するとは、少なくとも凹部側面に第1の窒化物半導体4
2が露出されるように、第1の窒化物半導体42の表面
から異種基板41方向に窪みを形成してあればよく、第
1の窒化物半導体42にいずれの形状で凹凸を設けても
よく、例えば、ランダムな窪み、ストライプ状、碁盤目
状、ドット状に形成できる。好ましい形状としては、ス
トライプ状であり、この形状とすると、異常成長が少な
く、より平坦に埋まり好ましい。第1の窒化物半導体4
2に部分的に設けられた凹凸は、第1の窒化物半導体4
2の途中まで、又は異種基板に達する深さで形成され、
好ましくは異種基板が露出する程度の深さが好ましい。
凹部底部に異種基板が露出されていると、凹部底部から
の成長が抑制されやすくなり、凹部開口部から厚膜に成
長する第2の窒化物半導体43の転位を低減し易くなり
好ましい。
【0036】凹凸の形状は、凹部側面の長さや、凸部上
部の幅と凹部底部の幅などは、特に限定されないが、少
なくとも凹部内での縦方向の成長が抑制され、凹部開口
部から厚膜に成長する第2の窒化物半導体43が凹部側
面から横方向に成長したものとなるように調整されてい
ることが好ましい。凹凸の形状をストライプ状とする場
合、ストライプの形状として特に限定されないが、例え
ばストライプ幅(凸部上部の幅)を1〜20μm、好ま
しくは1〜10μmであり、ストライプ間隔(凹部底部
の幅)を3〜20μm、好ましくは10〜19μmであ
るものを形成することができる。このようなストライプ
形状を有していると、転位の低減と面状態を良好にする
点で好ましい。凹部開口部から成長する第2の窒化物半
導体43の部分を多くするには、凹部底部の幅を広く
し、凸部上部の幅を狭くすることで可能となり、このよ
うにすると転位の低減された部分を多くすることができ
る。凹部底部の幅を広くした場合には、凹部の深さを深
めにすることが、凹部底部から成長する可能性のある縦
方向の成長を防止するのに好ましい。
【0037】第2の工程で凹凸を設ける方法としては、
第1の窒化物半導体42を一部分取り除くことができる
方法であればいずれの方法でもよく、例えばエッチン
グ、ダイシング等が挙げられる。エッチングにより、第
1の窒化物半導体42に部分的(選択的)に凹凸を形成
する場合は、フォトリソグラフィー技術における種々の
形状のマスクパターンを用いて、ストライプ状、碁盤目
状等のフォトマスクを作製し、レジストパターンを第1
の窒化物半導体2に形成してエッチングすることにより
形成できる。フォトマスクは、エッチングして凹凸を形
成後に除去される。また、ダイシングで行う場合は、例
えば、ストライプ状や碁盤目状に形成できる。
【0038】第2の工程において窒化物半導体をエッチ
ングする方法には、ウエットエッチング、ドライエッチ
ング等の方法があり、平滑な面を形成するには、好まし
くはドライエッチングを用いる。ドライエッチングに
は、例えば反応性イオンエッチング(RIE)、反応性
イオンビームエッチング(RIBE)、電子サイクロト
ロンエッチング(ECR)、イオンビームエッチング等
の装置があり、いずれもエッチングガスを適宜選択する
ことにより、窒化物半導体をエッチングしてできる。例
えば、本出願人が先に出願した特開平8−17803号
公報記載の窒化物半導体の具体的なエッチング手段を用
いることができる。また、エッチングによって凹凸を形
成する場合、エッチング面(凹部側面)が、図4(a−
2)に示すように異種基板に対して端面がほぼ垂直とな
る形状、又は順メサ形状や逆メサ形状でもよく、あるい
は階段状になるように形成された形状等がある。好まし
くは転位の低減や面状態の良好性などの点から、垂直、
逆メサ、順メサであり、より好ましくは垂直である。
【0039】(第3の工程)次に、図4(a−3)は、
エッチングにより凹凸を有する第1の窒化物半導体42
上に、常圧以上の加圧条件下で、第2の窒化物半導体4
3を成長させる第3の工程を行った模式的断面図であ
る。第2の窒化物半導体43としては、前記第1の窒化
物半導体42と同様のものを用いることができる。第2
の窒化物半導体43の成長温度は、第1の窒化物半導体
42を成長させる場合と同様であり、このような温度で
成長させる第2の窒化物半導体43は単結晶となる。ま
た、第2の窒化物半導体43を成長させる際に、不純物
(例えばSi、Ge、Sn、Be、Zn、Mn、Cr、
及びMg等)をドープして成長さる、または窒化物半導
体の原料となるIII族とV族の成分のモル比(III
/Vのモル比)を調整して成長させる等により、横方向
の成長を縦方向の成長に比べて促進させ転位を低減させ
る点で好ましく、さらに第2の窒化物半導体43の表面
の面状態を良好にする点で好ましい。
【0040】上記の常圧以上の加圧条件とは、常圧(意
図的に圧力を加えない状態の圧力)から、装置などを調
整し意図的に圧力を加えて加圧条件にした状態で反応を
行うことである。具体的な圧力としては、常圧以上の圧
力であれば特に限定されないが、好ましくは常圧(ほぼ
1気圧)〜2.5気圧であり、好ましい圧力としては、
常圧〜1.5気圧である。このような圧力の条件下で第
2の窒化物半導体を成長させると、第2の窒化物半導体
の表面の面状態を良好にする点で好ましい。
【0041】また、第3の工程において、凹部内部では
凹部の側面から横方向に成長するものと、凹部底部から
縦方向に成長するものとがあると思われるが、成長し続
ける過程で、凹部側面から成長した第2の窒化物半導体
同士が接合し、凹部底部からの成長を抑制する。その結
果、凹部開口部から成長した第2の窒化物半導体には転
位がほとんど見られない。凹部底部からの縦方向の成長
は、凹部側面からの横方向の成長に比べ、成長速度が遅
いと思われる。また、凹部底部の表面が、サファイアな
どの異種基板であると、凹部底部からの第2の窒化物半
導体の成長が抑制され、凹部側面からの第2の窒化物半
導体の成長が良好となり、転位の低減の点で好ましい。
【0042】一方、凸部上部から成長した第2の窒化物
半導体部分には、凹部開口部から成長するものに比べて
やや多めの転位が見られるが、凸部上部に縦方向に成長
を始める窒化物半導体も、縦方向に成長する速度より
も、凹部開口部に向かって横方向に成長する傾向があ
り、凹凸を形成しないで縦方向に成長させた場合に比べ
れば転位が低減する。また、本発明の第2及び第3の工
程を繰り返すことで、凸部上部の転位をなくすことがで
きる。また、凸部上部と凹部内部から成長した第2の窒
化物半導体は、成長の過程で接合し、図4(a−4)の
ようになる。
【0043】更に、第3の工程において、第2の窒化物
半導体を成長させる際に、圧力を常圧以上の加圧条件に
調整することにより、第2の窒化物半導体の表面が異常
成長の少ない平坦な良好な面状態となる。
【0044】また、本発明において、第2及び第3の工
程を繰り返す場合、図4(b−1)に示すように、第1
の窒化物半導体に形成した凹部上部に凸部が、第1の窒
化物半導体に形成した凸部上部に凹部が、それぞれ位置
するように第2の窒化物半導体に部分的に凹凸を形成す
る。そして凹凸を形成された第2の窒化物半導体上に第
3の窒化物半導体4を成長させる。第3の窒化物半導体
4は、全体的に転位の少ない窒化物半導体となり好まし
い。第3の窒化物半導体としては第2の窒化物半導体と
同様のものを成長させる。また、第2及び第3の工程を
繰り返す場合、第2の窒化物半導体の膜厚を、繰り返さ
ない場合に比べて、やや薄く成長させ、第2の窒化物半
導体に形成される凹部底部がサファイアなどの異種基板
面となるように第2の窒化物半導体をエッチングする
と、転位のより少ない面状態の良好な第3の窒化物半導
体が得られ好ましい。
【0045】また、第2の窒化物半導体43は、この上
に素子構造となる窒化物半導体を成長させるための基板
となるが、素子構造を形成するには異種基板を予め除去
してから行う場合と、異種基板等を残して行う場合があ
る。また、素子構造を形成した後で異種基板を除去する
場合もある。異種基板等を除去する場合の第2の窒化物
半導体5の膜厚は、50μm以上、好ましくは100μ
m以上、好ましくは500μm以下である。この範囲で
あると異種基板及び保護膜等を研磨除去しても、第2の
窒化物半導体43が割れにくくハンドリングが容易とな
り好ましい。
【0046】また異種基板等を残して行う場合の第2の
窒化物半導体43の膜厚は、特に限定されないが、10
0μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは
20μm以下である。この範囲であると異種基板と窒化
物半導体の熱膨張係数差によるウエハの反りが防止で
き、更に素子基板となる第2の窒化物半導体45の上に
素子構造となる窒化物半導体を良好に成長させることが
できる。
【0047】本発明の窒化物半導体の成長方法におい
て、第1の窒化物半導体42、及び第2の窒化物半導体
43を成長させる方法としては、特に限定されないが、
MOVPE(有機金属気相成長法)、HVPE(ハライ
ド気相成長法)、MBE(分子線エピタキシー法)、M
OCVD(有機金属化学気相成長法)等、窒化物半導体
を成長させるのに知られている全ての方法を適用でき
る。好ましい成長方法としては、膜厚が100μm以下
ではMOCVD法を用いると成長速度をコントロールし
易い。また膜厚が100μm以下ではHVPEでは成長
速度が速くてコントロールが難しい。
【0048】また本発明において、第2の窒化物半導体
43上には、素子構造となる窒化物半導体を形成するこ
とができるので、明細書内において第2の窒化物半導体
を素子基板又は窒化物半導体基板と言う場合がある。
【0049】また第1の工程における前記異種基板とな
る材料の主面をオフアングルさせた基板、さらにステッ
プ状にオフアングルさせた基板を用いたほうが好まし
い。オフアングルさせた基板を用いると、表面に3次元
成長が見られず、ステップ成長があらわれ表面が平坦に
なり易い。更にステップ状にオフアングルされているサ
ファイア基板のステップに沿う方向(段差方向)が、サ
ファイアのA面に対して垂直に形成されていると、窒化
物半導体のステップ面がレーザの共振器方向と一致し、
レーザ光が表面粗さにより乱反射されることが少なくな
り好ましい。
【0050】更に好ましい異種基板としては、(000
1)面[C面]を主面とするサファイア、(112−0)
面[A面]を主面とするサファイア、又は(111)面を
主面とするスピネルである。ここで異種基板が、(00
01)面[C面]を主面とするサファイアであるとき、前
記第1の窒化物半導体等に形成される凹凸のストライプ
形状が、そのサファイアの(112−0)面[A面]に対
して垂直なストライプ形状を有していること[窒化物半
導体の(101−0)[M面]に平行方向にストライプを
形成すること]が好ましく、また、オフアングルのオフ
角θ(図7に示すθ)は0.1°〜0.5°、好ましく
は0.1°〜0.2°が好ましい。また(112−0)
面[A面]を主面とするサファイアであるとき、前記凹凸
のストライプ形状はそのサファイアの(11−02)面
[R面]に対して垂直なストライプ形状を有していること
が好ましく、また(111)面を主面とするスピネルで
あるとき、前記凹凸のストライプ形状はそのスピネルの
(110)面に対して垂直なストライプ形状を有してい
ることが好ましい。ここでは、凹凸がストライプ形状の
場合について記載したが、本発明においてサファイアの
A面及びR面、スピネルの(110)面に窒化物半導体
が横方向に成長し易いので、これらの面に第1の窒化物
半導体の端面が形成されるように第1の窒化物半導体2
に段差を形成するために保護膜の形成を考慮することが
好ましい。
【0051】本発明に用いられる異種基板について図を
用いて更に詳細に説明する。図6はサファイアの結晶構
造を示すユニットセル図である。まず本発明の方法にお
いて、C面を主面とするサファイアを用い、凹凸はサフ
ァイアA面に対して垂直なストライプ形状とする場合に
ついて説明する。例えば、図8は主面側のサファイア基
板の平面図である。この図はサファイアC面を主面と
し、オリエンテーションフラット(オリフラ)面をA面
としている。この図に示すように凹凸のストライプをA
面に対して垂直方向で、互いに平行なストライプを形成
する。図8に示すように、サファイアC面上に窒化物半
導体を選択成長させた場合、窒化物半導体は面内ではA
面に対して平行な方向で成長しやすく、垂直な方向では
成長しにくい傾向にある。従ってA面に対して垂直な方
向でストライプを設けると、ストライプとストライプの
間の窒化物半導体がつながって成長しやすくなり、図4
に示したような結晶成長が容易に可能となると考えられ
るが詳細は定かではない。
【0052】次に、A面を主面とするサファイア基板を
用いた場合、上記C面を主面とする場合と同様に、例え
ばオリフラ面をR面とすると、R面に対して垂直方向
に、互いに平行なストライプを形成することにより、ス
トライプ幅方向に対して窒化物半導体が成長しやすい傾
向にあるため、結晶欠陥の少ない窒化物半導体層を成長
させることができる。
【0053】また次に、スピネル(MgAl24)に対
しても、窒化物半導体の成長は異方性があり、窒化物半
導体の成長面を(111)面とし、オリフラ面を(11
0)面とすると、窒化物半導体は(110)面に対して
平行方向に成長しやすい傾向がある。従って、(11
0)面に対して垂直方向にストライプを形成すると窒化
物半導体層と隣接する窒化物半導体同士が保護膜の上部
でつながって、結晶欠陥の少ない結晶を成長できる。な
おスピネルは四方晶であるため特に図示していない。
【0054】また、以下に、オフアングルされたサファ
イア基板のステップに沿う方向が、サファイア基板のA
面に対して垂直に形成されてなる場合について図7を用
いて説明する。ステップ状にオフアングルしたサファイ
アなどの異種基板は、図7に示すようにほぼ水平なテラ
ス部分Aと、段差部分Bとを有している。テラス部分A
の表面凹凸は少なく、ほぼ規則正しく形成されている。
このようなオフ角θを有するステップ状部分は、基板全
体にわたって連続して形成されていることが望ましい
が、特に部分的に形成されていてもよい。なおオフ角θ
とは、図7に示すように、複数の段差の底部を結んだ直
線と、最上層のステップの水平面との角度を示すものと
する。また異種基板はオフ角が0.1°〜0.5°、好
ましくは0.1°〜0.2°である。オフ角を上記範囲
とすると、第1の窒化物半導体42表面は細かな筋状の
モフォロジーとなり、エピタキシャル成長表面(第2の
窒化物半導体43表面)は波状のモフォロジーとなり、
この基板を用いて得られる窒化物半導体素子は平滑で、
特性も長寿命、高効率、高出力、歩留まりの向上したも
のが得られる。
【0055】またさらに、上記のELOG成長等により
得られた窒化物半導体基板上に更にELOG成長を行っ
て得られる窒化物半導体を素子構造の基板とすると、転
位の低減及び反りの低減などが良好となり、本発明の効
果を得るのに好ましい。この好ましい一実施の形態とし
ては、特願平11−80288号明細書に記載されてい
る内容が挙げられる。例えば好ましい一例として、上記
の図4に示された工程により得られた第2の窒化物半導
体43上に更に、例えばHVPEなどによって厚膜、例
えば80〜500μmの第3の窒化物半導体を成長さ
せ、その後、異種基板などを除去して第3の窒化物半導
体のみとし、この第3の窒化物半導体の異種基板除去面
とは反対の面上に、HVPE等により第4の窒化物半導
体を成長させる。第4の窒化物半導体の膜厚は、第3の
窒化物半導体の膜厚と、第4の窒化物半導体の膜厚の合
計が、例えば好ましくは400〜80μm程度の膜厚と
なるように調整される。このような第3及び第4の窒化
物半導体からなる窒化物半導体上にELOG成長を繰り
返すと転位が良好に低減された窒化物半導体基板を得る
ことができ、本発明の効果を得るのに好ましい。
【0056】上記のような、転位の少ない窒化物半導体
を基板とし、この基板上に素子構造を形成すれば結晶性
の良好な素子が得られ、しきい値電流密度の低減及び寿
命特性の向上の点で好ましい。
【0057】上記のようなELOG成長により得られた
窒化物半導体基板1上に、素子構造を成長させる。 (n型コンタクト層2)まず、n型コンタクト層2を窒
化物半導体基板1上に成長させる。n型コンタクト層と
しては、n型不純物(好ましくはSi)をドープされた
AlaGa1-aN(0<a<1)を成長させ、好ましくは
aが0.01〜0.05のAlaGa1-aNを成長させ
る。n型コンタクト層がAlを含む3元混晶で形成され
ると、窒化物半導体基板1に微細なクラックが発生して
いても、微細なクラックの伝播を防止することができ、
更に従来の問題点であった窒化物半導体基板1とn型コ
ンタクト層との格子定数及び熱膨張係数の相違によるn
型コンタクト層への微細なクラックの発生を防止するこ
とができ好ましい。n型不純物のドープ量としては、1
×1018/cm3〜5×1018/cm3である。このn型
コンタクト層2にn電極が形成される。n型コンタクト
層2の膜厚としては、1〜10μmである。また、窒化
物半導体基板1とn型コンタクト層2との間に、アンド
ープのAl aGa1-aN(0<a<1)を成長させてもよ
く、このアンドープの層を成長させると結晶性が良好と
なり、寿命特性を向上させるのに好ましい。アンドープ
n型コンタクト層の膜厚は、数μmである。
【0058】(クラック防止層3)次に、クラック防止
層3をn型コンタクト層2上に成長させる。クラック防
止層3としては、SiドープのIngGa1-gN(0.0
5≦g≦0.2)を成長させ、好ましくはgが0.05
〜0.08のIngGa1-gNを成長させる。このクラッ
ク防止層3は、省略することができるが、クラック防止
層3をn型コンタクト層2上に形成すると、素子内のク
ラックの発生を防止するのに好ましい。Siのドープ量
としては、5×1018/cm3である。また、クラック
防止層3を成長させる際に、Inの混晶比を大きく(x
≧0.1)すると、クラック防止層3が、活性層6から
発光しn型クラッド層4から漏れ出した光を吸収するこ
とができ、レーザ光のファーフィールドパターンの乱れ
を防止することができ好ましい。クラック防止層の膜厚
としては、結晶性を損なわない程度の厚みであり、例え
ば具体的には0.05〜0.3μmである。
【0059】(n型クラッド層4)次に、n型クラッド
層4をクラック防止層3上に成長させる。n型クラッド
層4としては、AleGa1-eN(0.12≦e<0.1
5)を含む窒化半導体を有する多層膜の層として形成さ
れる。多層膜とは、互いに組成が異なる窒化物半導体層
を積層した多層膜構造を示し、例えば、AleGa1-e
(0.12≦e<0.15)層と、このAleGa1-e
と組成の異なる窒化物半導体、例えばAlの混晶比の異
なるもの、Inを含んでなる3元混晶のもの、又はGa
N等からなる層とを組み合わせて積層してなるものであ
る。この中で好ましい組み合わせとしては、AleGa
1-eNとGaNとを積層してなる多層膜とすると、同一
温度で結晶性の良い窒化物半導体層が積層でき好まし
い。より好ましい多層膜としは、アンドープのAle
1-eNとn型不純物(例えばSi)ドープのGaNと
を積層してなる組み合わせである。n型不純物は、Al
eGa1-eNにドープされてもよい。n型不純物のドープ
量は、4×1018/cm3〜5×1018/cm3である。
n型不純物がこの範囲でドープされていると抵抗率を低
くでき且つ結晶性を損なわない。このような多層膜は、
単一層の膜厚が100オングストローム以下、好ましく
は70オングストローム以下、さらに好ましくは40オ
ングストローム以下、好ましくは10オングストローム
以上の膜厚の窒化物半導体層を積層してなる。単一の膜
厚が100オングストローム以下であるとn型クラッド
層が超格子構造となり、Alを含有しているにもかかわ
らず、クラックの発生を防止でき結晶性を良好にするこ
とができる。また、n型クラッド層4の総膜厚として
は、0.7〜2μmである。またn型クラッド層の全体
のAlの平均組成は、0.05〜0.1である。Alの
平均組成がこの範囲であると、クラックを発生させない
程度の組成比で、且つ充分にレーザ導波路との屈折率の
差を得るのに好ましい組成比である。
【0060】(n型ガイド層)次に、n型ガイド層5を
n型クラッド層4上に成長させる。n型ガイド層5とし
ては、アンドープのGaNからなる窒化物半導体を成長
させる。n型ガイド層5の膜厚としては、0.15〜
0.07μmであるとしきい値が低下し好ましい。n型
ガイド層4をアンドープとすることで、レーザ導波路内
の伝搬損失が減少し、しきい値が低くなり好ましい。
【0061】(活性層6)次に、活性層6をn型ガイド
層5上に成長させる。活性層6としては、上記に記載の
発振波長が420nm以上となるようにIn組成比が調
整されたInGaNからなる井戸層を2層又は1層、積
層してなる量子井戸構造の活性層である。
【0062】(p型電子閉じ込め層6)次に、p型電子
閉じ込め層7を活性層6上に成長させる。p型電子閉じ
込め層7としては、MgドープのAldGa1-dN(0<
d≦1)からなる少なくとも1層以上を成長させてなる
ものである。好ましくはdが0.1〜0.5のMgドー
プのAldGa1-dNである。p型電子閉じ込め層7の膜
厚は、10〜1000オングストローム、好ましくは5
0〜200オングストロームである。膜厚が上記範囲で
あると、活性層6内の電子を良好に閉じ込めることがで
き、且つバルク抵抗も低く抑えることができ好ましい。
またp型電子閉じ込め層7のMgのドープ量は、1×1
19/cm3〜1×1021/cm3である。ドープ量がこ
の範囲であると、バルク抵抗を低下させることに加え
て、後述のアンドープで成長させるp型ガイド層へMg
が良好に拡散され、薄膜層であるp型ガイド層8にMg
を1×1016/cm3〜1×1018/cm3の範囲で含有
させることができる。またp型電子閉じ込め層7は、低
温、例えば850〜950℃程度の活性層を成長させる
温度と同様の温度で成長させると活性層の分解を防止す
ることができ好ましい。またp型電子閉じ込め層7は、
低温成長の層と、高温、例えば活性層の成長温度より1
00℃程度の温度で成長させる層との2層から構成され
ていてもよい。このように、2層で構成されていると、
低温成長の層が活性層の分解を防止し、高温成長の層が
バルク抵抗を低下させるので、全体的に良好となる。ま
たp型電子閉じ込め層7が2層から構成される場合の各
層の膜厚は、特に限定されないが、低温成長層は10〜
50オングストローム、高温成長層は50〜150オン
グストロームが好ましい。
【0063】(p型ガイド層8)次に、p型ガイド層8
をp型電子閉じ込め層7上に成長させる。p型ガイド層
8としては、アンドープのGaNからなる窒化物半導体
層として成長させてなるものである。膜厚は0.15〜
0.07μmであり、この範囲であるとしきい値が低く
なり好ましい。また上記したように、p型ガイド層はア
ンドープ層として成長させるが、p型電子閉じ込め層7
にドープされているMgが拡散して、1×1016/cm
3〜1×1018/cm3の範囲でMgが含有される。
【0064】(p型クラッド層9)次に、p型クラッド
層9をp型ガイド層8に成長させる。p型クラッド層と
しては、AlfGa1-fN(0<f≦1)を含んでなる窒
化物半導体層、好ましくはAlfGa1-fN(0.05≦
f≦0.15)を含んでなる窒化物半導体層を有する多
層膜の層として形成される。多層膜とは、互いに組成が
異なる窒化物半導体層を積層した多層膜構造であり、例
えば、AlfGa1-fN層と、AlfGa1-fNと組成の異
なる窒化物半導体、例えばAlの混晶比の異なるもの、
Inを含んでなる3元混晶のもの、又はGaN等からな
る層とを組み合わせて積層してなるものである。この中
で好ましい組み合わせとしては、AlfGa1-fNとGa
Nとを積層してなる多層膜とすると、同一温度で結晶性
の良い窒化物半導体層が積層でき好ましい。より好まし
い多層膜としは、アンドープのAlfGa1-fNとp型不
純物(例えばMg)ドープのGaNとを積層してなる組
み合わせである。p型不純物は、AlfGa1-fNにドー
プされてもよい。p型不純物のドープ量は、1×1017
/cm3〜1×1019/cm3である。p型不純物がこの
範囲でドープされていると結晶性を損なわない程度のド
ープ量で且つバルク抵抗が低くなり好ましい。このよう
な多層膜は、単一層の膜厚が100オングストローム以
下、好ましくは70オングストローム以下、さらに好ま
しくは40オングストローム以下、好ましくは10オン
グストローム以上の膜厚の窒化物半導体層を積層してな
る。単一の膜厚が100オングストローム以下であると
n型クラッド層が超格子構造となり、Alを含有してい
るにもかかわらず、クラックの発生を防止でき結晶性を
良好にすることができる。p型クラッド層9の総膜厚と
しては、0.4〜0.5μmであり、この範囲であると
順方向電圧(Vf)を低減するために好ましい。またp
型クラッド層の全体のAlの平均組成は、0.05〜
0.1である。この値は、クラックの発生を抑制し且つ
レーザ導波路との屈折率差を得るのに好ましい。
【0065】(p型コンタクト層10)次に、p型コン
タクト層10をp型クラッド層9上に成長させる。p型
コンタクト層としては、MgドープのGaNからなる窒
化物半導体層を成長させてなるものである。膜厚は10
〜200オングストロームである。Mgのドープ量は1
×1019/cm3〜1×1022/cm3である。このよう
膜厚とMgのドープ量を調整することにより、p型コン
タクト層のキャリア濃度が上昇し、p電極とのオーミッ
クがとりやすくなる。
【0066】本発明の素子において、リッジ形状のスト
ライプは、p型コンタクト層からエッチングされてp型
コンタクト層よりも下側(基板側)までエッチングされ
ることにより形成される。例えば図5に示すようなp型
コンタクト層10からp型クラッド層9の途中までエッ
チングしてなるストライプ、又はp型コンタクト層10
からn型コンタクト層2までエッチングしてなるストラ
イプなどが挙げられる。
【0067】エッチングして形成されたリッジ形状のス
トライプの側面やその側面に連続した窒化物半導体層の
平面に、例えば図5に示すように、レーザ導波路領域の
屈折率より小さい値を有する絶縁膜が形成されている。
ストライプの側面等に形成される絶縁膜としては、例え
ば、屈折率が約1.6〜2.3付近の値を有する、S
i、V、Zr、Nb、Hf、Taよりなる群から選択さ
れた少なくとも一種の元素を含む酸化物や、BN、Al
N等が挙げられ、好ましくは、Zr及びHfの酸化物の
いずれか1種以上の元素や、BNである。さらにこの絶
縁膜を介してストライプの最上層にあるp型コンタクト
層10の表面にp電極が形成される。エッチングして形
成されるリッジ形状のストライプの幅としては、0.5
〜4μm、好ましくは1〜3μmである。ストライプの
幅がこの範囲であると、水平横モードが単一モードにな
り易く好ましい。また、エッチングがp型クラッド層9
とレーザ導波路領域との界面よりも基板側にかけてなさ
れていると、アスペクト比を1に近づけるのに好まし
い。以上のように、リッジ形状のストライプのエッチン
グ量や、ストライプ幅、さらにストライプの側面の絶縁
膜の屈折率などを特定すると、単一モードのレーザ光が
得られ、さらにアスペクト比を円形に近づけられ、レー
ザビームやレンズ設計が容易となり好ましい。また、リ
ッジ形状のストライプを形成する際、素子構造を形成す
るための基板がELOG基板である場合、ELOG成長
が保護膜を用いて行う場合は保護膜の上方部に、ELO
G成長が凹凸を設けて行う場合は凹部上方部に、リッジ
形状のストライプが形成されることが素子の信頼性の向
上の点で好ましい。また、保護膜の中心部、凹部の中心
部のそれぞれの上部を避けることが信頼性の点で好まし
い。また本発明の素子において、p電極やn電極等は従
来公知の種々のものを適宜選択して用いることができ
る。
【0068】以上のような不純物濃度、膜厚、組成など
を調整された各素子構造、幅の狭いリッジ形状のストラ
イプなどを組み合わせると、しきい値電流密度の低下と
寿命特性の向上の点で好ましい。
【0069】
【実施例】以下に本発明の一実施の形態である実施例を
示す。しかし本発明はこれに限定されない。また、本実
施例はMOVPE(有機金属気相成長法)について示す
ものであるが、本発明の方法は、MOVPE法に限るも
のではなく、例えばHVPE(ハライド気相成長法)、
MBE(分子線気相成長法)等、窒化物半導体を成長さ
せるのに知られている全ての方法を適用できる。また、
発明の詳細な説明に記載したように、In組成比の理論
値の計算式の値と、量子井戸構造をとる量子準位の形成
による短波長へのシフトなどによる実際の発振波長とは
異なるために、実施例の活性層のIn組成比は近似的な
値である。
【0070】[実施例1]実施例1として、図5に示さ
れる本発明の一実施の形態である窒化物半導体レーザ素
子を製造する。
【0071】異種基板41として、図7に示すようにス
テップ状にオフアングルされたC面を主面とし、オフア
ングル角θ=0.15°、ステップ段差およそ20オン
グストローム、テラス幅Wおよそ800オングストロー
ムであり、オリフラ面をA面とし、ステップがA面に垂
直であるサファイア基板を用意する。このサファイア基
板を反応容器内にセットし、温度を510℃にして、キ
ャリアガスに水素、原料ガスにアンモニアとTMG(ト
リメチルガリウム)とを用い、サファイア基板上にGa
Nよりなる低温成長のバッファ層を200オングストロ
ームの膜厚で成長させる。バッファ層成長後、TMGの
み止めて、温度を1050℃まで上昇させ、1050℃
になったら、原料ガスにTMG、アンモニアを用い、ア
ンドープのGaNからなる第1の窒化物半導体層を2μ
mの膜厚で成長させる。次に、第1の窒化物半導体層を
積層したウェーハ上にストライプ状のフォトマスクを形
成し、スパッタ装置によりストライプ幅(凸部の上部に
なる部分)5μm、ストライプ間隔(凹部底部となる部
分)10μmにパターニングされたSiO2膜を形成
し、続いて、RIE装置によりSiO2膜の形成されて
いない部分の第1の窒化物半導体層をサファイアが露出
するまでエッチングして凹凸を形成することにより、凹
部側面に第1の窒化物半導体層を露出させる。凹凸を形
成後に、凸部上部のSiO2膜を除去する。なおストラ
イプ方向は、図8に示すように、オリフラ面に対して垂
直な方向で形成する。次に、反応容器にセットし、常圧
で、原料ガスにTMG、アンモニアを用い、アンドープ
のGaNよりなる第2の窒化物半導体層を15μmの膜
厚で成長させ窒化物半導体基板1とする。得られた窒化
物半導体を窒化物半導体基板1として以下の素子構造を
積層成長させる。
【0072】(アンドープn型コンタクト層)[図5に
は図示されていない] 窒化物半導体基板1上に、1050℃で原料ガスにTM
A(トリメチルアルミニウム)、TMG、アンモニアガ
スを用いアンドープのAl0.05Ga0.95Nよりなるn型
コンタクト層を1μmの膜厚で成長させる。 (n型コンタクト層2)次に、同様の温度で、原料ガス
にTMA、TMG及びアンモニアガスを用い、不純物ガ
スにシランガス(SiH4)を用い、Siを3×1018
/cm3ドープしたAl0.05Ga0.95Nよりなるn型コ
ンタクト層2を3μmの膜厚で成長させる。成長された
n型コンタクト層2には、微細なクラックが発生してお
らず、微細なクラックの発生が良好に防止されている。
また、窒化物半導体基板1に微細なクラックが生じてい
ても、n型コンタクト層2を成長させることで微細なク
ラックの伝播を防止でき結晶性の良好な素子構造を成長
さることができる。結晶性の改善は、n型コンタクト層
2のみの場合より、上記のようにアンドープn型コンタ
クト層を成長させることによりより良好となる。
【0073】(クラック防止層3)次に、温度を800
℃にして、原料ガスにTMG、TMI(トリメチルイン
ジウム)及びアンモニアを用い、不純物ガスにシランガ
スを用い、Siを5×10 18/cm3ドープしたIn
0.08Ga0.92Nよりなるクラック防止層3を0.15μ
mの膜厚で成長させる。
【0074】(n型クラッド層4)次に、温度を105
0℃にして、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニア
を用い、アンドープのAl0.14Ga0.86NよりなるA層
を25オングストロームの膜厚で成長させ、続いて、T
MAを止め、不純物ガスとしてシランガスを用い、Si
を5×1018/cm3ドープしたGaNよりなるB層を
25オングストロームの膜厚で成長させる。そして、こ
の操作をそれぞれ160回繰り返してA層とB層の積層
し、総膜厚8000オングストロームの多層膜(超格子
構造)よりなるn型クラッド層4を成長させる。
【0075】(n型ガイド層5)次に、同様の温度で、
原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、アンドープの
GaNよりなるn型ガイド層を0.075μmの膜厚で
成長させる。
【0076】(活性層6)次に、温度を800℃にし
て、原料ガスにTMI、TMG及びアンモニアを用い、
不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018
/cm3ドープしたIn0.01Ga0.99Nよりなる障壁層
を120オングストロームの膜厚で成長させる。続い
て、シランガスを止め、In0.1Ga0.9Nよりなる井戸
層を20オングストロームの膜厚で成長させる。この操
作を1回繰り返し、最後に障壁層を積層した総膜厚40
0オングストロームの多重量子井戸構造(MQW)の活
性層6を成長させる。
【0077】(p型電子閉じ込め層7)次に、同様の温
度で、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニアを用
い、不純物ガスとしてCp2Mg(シクロペンタジエニ
ルマグネシウム)を用い、Mgを1×1019/cm3
ープしたAl0.4Ga0.6Nよりなるp型電子閉じ込め層
7を100オングストロームの膜厚で成長させる。
【0078】(p型ガイド層8)次に、温度を1050
℃にして、原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、ア
ンドープのGaNよりなるp型ガイド層8を0.075
μmの膜厚で成長させる。このp型ガイド層8は、アン
ドープとして成長させるが、p型電子閉じ込め層7から
のMgの拡散により、Mg濃度が5×1016/cm3
なりp型を示す。
【0079】(p型クラッド層9)次に、同様の温度
で、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニアを用い、
アンドープのAl0.1Ga0.9NよりなるA層を25オン
グストロームの膜厚で成長させ、続いて、TMAを止
め、不純物ガスとしてCp2Mgを用い、Mgを5×1
18/cm3ドープしたGaNよりなるB層を25オン
グストロームの膜厚で成長させる。そして、この操作を
それぞれ100回繰り返してA層とB層の積層し、総膜
厚5000オングストロームの多層膜(超格子構造)よ
りなるp型クラッド層9を成長させる。
【0080】(p型コンタクト層10)次に、同様の温
度で、原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、不純物
ガスとしてCp2Mgを用い、Mgを1×1020/cm3
ドープしたGaNよりなるp型コンタクト層10を15
0オングストロームの膜厚で成長させる。
【0081】反応終了後、反応容器内において、ウエハ
を窒素雰囲気中、700℃でアニーリングを行い、p型
層を更に低抵抗化する。アニーリング後、ウエハを反応
容器から取り出し、最上層のp側コンタクト層の表面に
SiO2よりなる保護膜を形成して、RIE(反応性イ
オンエッチング)を用いSiCl4ガスによりエッチン
グし、図9に示すように、n電極を形成すべきn側コン
タクト層2の表面を露出させる。次に図9(a)に示す
ように、最上層のp側コンタクト層10のほぼ全面に、
PVD装置により、Si酸化物(主として、SiO2
よりなる第1の保護膜61を0.5μmの膜厚で形成し
た後、第1の保護膜61の上に所定の形状のマスクをか
け、フォトレジストよりなる第3の保護膜63を、スト
ライプ幅1.8μm、厚さ1μmで形成する。次に、図
9(b)に示すように第3の保護膜63形成後、RIE
(反応性イオンエッチング)装置により、CF4ガスを
用い、第3の保護膜63をマスクとして、前記第1の保
護膜をエッチングして、ストライプ状とする。その後エ
ッチング液で処理してフォトレジストのみを除去するこ
とにより、図9(c)に示すようにp側コンタクト層1
0の上にストライプ幅1.8μmの第1の保護膜61が
形成できる。
【0082】さらに、図9(d)に示すように、ストラ
イプ状の第1の保護膜61形成後、再度RIEによりS
iCl4ガスを用いて、p側コンタクト層10、および
p側クラッド層9をエッチングして、ストライプ幅1.
8μmのリッジ形状のストライプを形成する。但し、リ
ッジ形状のストライプは、図5に示すように、ELOG
成長を行う際に形成した凹部の上部で且つ凹部の中心部
分を避けるように形成される。リッジストライプ形成
後、ウェーハをPVD装置に移送し、図9(e)に示す
ように、Zr酸化物(主としてZrO2)よりなる第2
の保護膜62を、第1の保護膜61の上と、エッチング
により露出されたp側クラッド層9の上に0.5μmの
膜厚で連続して形成する。このようにZr酸化物を形成
すると、p−n面の絶縁をとるためと、横モードの安定
を図ることができ好ましい。次に、ウェーハをフッ酸に
浸漬し、図9(f)に示すように、第1の保護膜61を
リフトオフ法により除去する。
【0083】次に図9(g)に示すように、p側コンタ
クト層10の上の第1の保護膜61が除去されて露出し
たそのp側コンタクト層の表面にNi/Auよりなるp
電極20を形成する。但しp電極20は100μmのス
トライプ幅として、この図に示すように、第2の保護膜
62の上に渡って形成する。第2の保護膜62形成後、
図5に示されるように露出させたn側コンタクト層2の
表面にはTi/Alよりなるn電極21をストライプと
平行な方向で形成する。
【0084】以上のようにして、n電極とp電極とを形
成したウェーハのサファイア基板を研磨して70μmと
した後、ストライプ状の電極に垂直な方向で、基板側か
らバー状に劈開し、劈開面(11−00面、六角柱状の
結晶の側面に相当する面=M面)に共振器を作製する。
共振器面にSiO2とTiO2よりなる誘電体多層膜を形
成し、最後にp電極に平行な方向で、バーを切断して図
5に示すようなレーザ素子とする。なお共振器長は30
0〜500μmとすることが望ましい。得られたレーザ
素子をヒートシンクに設置し、それぞれの電極をワイヤ
ーボンディングして、室温でレーザ発振を試みた。その
結果、得られたレーザ素子は、50℃、しきい値電流密
度5kA/cm2、出力5mW、発振波長420nmの
連続発振が確認され、300時間以上の寿命を示す。
【0085】[実施例2]実施例1において、活性層6
を下記のように、発振波長を430nmとなるようにI
n組成比を調整し、井戸層の積層数を調整する他は同様
にして窒化物半導体レーザ素子を作製する。 (活性層6)次に、温度を800℃にして、原料ガスに
TMI、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとし
てシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープ
したIn0.01Ga0.99Nよりなる障壁層を160オング
ストロームの膜厚で成長させる。続いて、シランガスを
止め、In0.12Ga0.88Nよりなる井戸層を20オング
ストロームの膜厚で成長させる。続いて、最後に上記と
同様の障壁層を積層した総膜厚340オングストローム
の単一量子井戸構造(SQW)の活性層6を成長させ
る。得られたレーザ素子は、実施例1と同様の条件でレ
ーザ発振させたところ、実施例1とほぼ同等に、しきい
値電流密度が低く良好な寿命特性を有する。
【0086】[実施例3]実施例2において、活性層の
井戸層のIn組成比を、発振波長が450nmとなるよ
うに調整する他は同様にしてレーザ素子を作製する。得
られるレーザ素子は、実施例2と同様の条件でレーザ発
振させたところ、実施例2とほぼ同等の良好な結果であ
る。
【0087】
【発明の効果】本発明は、発振波長が420nm以上と
なるような高In組成比とし、さらに井戸層の全積層数
を2以下とすることにより、しきい値電流密度を低下さ
せ、寿命特性の向上が可能な窒化物半導体レーザ素子を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のレーザ素子の活性層の井戸層
の積層数と、しきい値電流密度の関係を示すグラフであ
る。
【図2】図2は、InGaN井戸層のバンドギャップエ
ネルギー(Eg)と、量子準位の形成による発振波長の
エネルギー(Eλ)とを示した模式的断面図である。
【図3】図3は、従来のレーザ素子の活性層の井戸層の
積層数と、しきい値電流密度の関係を示すグラフであ
る。
【図4】図4は、本発明で用いることのできるELOG
成長の一実施の形態の各工程の構造を示す模式的断面図
である。
【図5】図5は、本発明の一実施の形態である窒化物半
導体レーザ素子を示す模式的断面図である。
【図6】図6は、サファイアの面方位を示すユニットセ
ル図である。
【図7】図7は、オフアングルした異種基板の部分的な
形状を示す模式的断面図である。
【図8】図8は、凹凸のストライプ方向を説明するため
の基板主面側の平面図である。
【図9】図9は、リッジ形状のストライプを形成する一
実施の形態である方法の各工程におけるウエハの部分的
な構造を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1・・・窒化物半導体基板 2・・・n型コンタクト層 3・・・クラック防止層 4・・・n型クラッド層 5・・・n型ガイド層 6・・・活性層 7・・・p型電子閉じ込め層 8・・・p型ガイド層 9・・・p型クラッド層 10・・・p型コンタクト層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、少なくともn型窒化物半導
    体、Inを含んでなる井戸層を有する量子井戸構造の活
    性層、及びp型窒化物半導体を順に積層してなる窒化物
    半導体レーザ素子において、該活性層が、井戸層の全積
    層数が2以下である量子井戸構造であり、更に、発振波
    長が420nm以上であることを特徴とする窒化物半導
    体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 前記活性層が、井戸層の全積層数が1で
    ある単一量子井戸構造であり、更に、発振波長が430
    nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の窒化
    物半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 前記活性層の量子井戸構造が、井戸層と
    障壁層とから形成され、該障壁層が、n型不純物濃度を
    1×1019/cm2以下含んでなることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】 前記障壁層が、n型不純物を5×1018
    /cm2以下含んでなることを特徴とする請求項3に記
    載の窒化物半導体レーザ素子。
  5. 【請求項5】 前記井戸層が、n型不純物を1×1018
    /cm2以下含んでなることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子。
  6. 【請求項6】 前記井戸層が、膜厚40オングストロー
    ム以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    1項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  7. 【請求項7】 前記井戸層が、膜厚30オングストロー
    ム以下であることを特徴とする請求項1〜6に記載の窒
    化物半導体レーザ素子。
  8. 【請求項8】 前記活性層の量子井戸構造が、井戸層と
    障壁層から形成され、該障壁層が、100オングストロ
    ーム以上の膜厚であることを特徴とする請求項1〜7に
    記載の窒化物半導体レーザ素子。
  9. 【請求項9】 前記障壁層が、100〜200オングス
    トロームの膜厚であることを特徴とする請求項8に記載
    の窒化物半導体レーザ素子。
  10. 【請求項10】 前記窒化物半導体レーザ素子が、窒化
    物半導体と異なる材料よりなる異種基板又は窒化物半導
    体基板上に、窒化物半導体の横方向の成長を利用して成
    長させてなる窒化物半導体上に成長されてなることを特
    徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の窒化物半
    導体レーザ素子。
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