JP3924154B2 - 有機樹脂用添加剤、それを含有する硬化性有機樹脂組成物、およびその硬化物 - Google Patents

有機樹脂用添加剤、それを含有する硬化性有機樹脂組成物、およびその硬化物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機樹脂用添加剤、それを含有する硬化性有機樹脂組成物、およびその硬化物に関し、詳しくは、有機樹脂に優れた流動性や成形性を付与し、その成形物に優れた撥水性、耐湿性、耐熱性を付与できる有機樹脂用添加剤、該添加剤を含有する、流動性や成形性が優れ、撥水性、耐湿性、耐熱性が優れる硬化物を形成できる硬化性有機樹脂組成物、および該組成物を硬化して得られる、撥水性、耐湿性、耐熱性が優れる硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
硬化性有機樹脂組成物は、誘電特性、体積抵抗率、絶縁破壊強度等の電気特性や、曲げ強度、衝撃強度等の機械的特性が優れていることから種々の産業で使用されているが、これをコーティング剤や接着剤として使用した場合には、その塗布性や流動性が十分でなく、その硬化樹脂の撥水性、耐湿性が十分でないという問題があり、特に、それを電気部品や電子素子の封止剤として使用した場合には、その流動性や充填性が十分でなく、その硬化樹脂の耐湿性が十分でないことから、電気・電子部品の信頼性が十分でないという問題があった。
【0003】
このため、特開2000−160025号公報には、低分子量のシロキサンオリゴマーとアクリル系単量体の共重合体を含有する硬化性有機樹脂組成物が提案されているが、この共重合体は、半導体封止用樹脂組成物において一般に使用される、クレゾルノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等の芳香族環を有するエポキシ樹脂に対する溶解性が十分でなく、また、それを含有する硬化性エポキシ樹脂組成物の流動性や成形性が十分でないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の目的は、有機樹脂に優れた流動性や成形性を付与し、その成形物に優れた撥水性、耐湿性、耐熱性を付与できる有機樹脂用添加剤、該添加剤を含有する、流動性や成形性が優れ、撥水性、耐湿性、耐熱性が優れる硬化物を形成できる硬化性有機樹脂組成物、および該組成物を硬化して得られる、撥水性、耐湿性、耐熱性が優れる硬化物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の有機樹脂用添加剤は、(A)一般式:
【化7】
Figure 0003924154
(式中、R1は同じか、または相異なる、脂肪族不飽和結合を有さない一価炭化水素基もしくは水素原子であり、R2は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、Xはラジカル重合性有機基であり、aは2または3である。)
で表される有機ケイ素化合物、
(B)芳香族炭化水素基含有ビニル系単量体、
および
(C)アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレート
から少なくともなる単量体混合物を共重合した液状ビニル系重合体からなることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の硬化性有機樹脂組成物は、(I)硬化性有機樹脂100重量部、および(II)上記の有機樹脂用添加剤0.01〜100重量部から少なくともなることを特徴とする。
さらに、本発明の硬化物は上記の硬化性有機樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
はじめに、本発明の有機樹脂用添加剤を詳細に説明する。
本添加剤は、(A)一般式:
【化8】
Figure 0003924154
で表される有機ケイ素化合物、
(B)芳香族炭化水素基含有ビニル系単量体、
および
(C)アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレート
から少なくともなる単量体混合物を共重合した液状ビニル系重合体からなる。
【0008】
(A)成分の有機ケイ素化合物は、本添加剤を含有する有機樹脂に耐湿性、流動性を付与するための原料である。上式中、R1は同じか、または相異なり、脂肪族不飽和結合を有さない一価炭化水素基もしくは水素原子である。R1の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基等の鎖状アルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が例示される。特に、R1はメチル基または水素原子であることが好ましい。また、上式中、R2は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、メチル基、エチル基、ブチル基、イソプロピル基が例示される。また、上式中、aは2または3であり、好ましくは3である。
【0009】
また、上式中、Xはラジカル重合性有機基であり、(B)成分および(C)成分と共重合し得る基であれば特に限定されないが、例えば、一般式(1):
【化9】
Figure 0003924154
で表される基、一般式(2):
【化10】
Figure 0003924154
で表される基、一般式(3):
【化11】
Figure 0003924154
で表される基、または炭素原子数2〜10のアルケニル基が例示される。
【0010】
上記一般式(1)で表される基において、式中のR3はメチル基または水素原子である。また、式中のR4は二価炭化水素基であり、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基等の炭素原子数1〜10のアルキレン基;フェニレン基、ナフチレン基、フェニレンメチレン基、フェニレンエチレン基等のアリーレン基もしくはアリーレンアルキレン基が例示される。このような基としては、アクリロキシメチル基、3−アクリロキシプロピル基、メタクリロキシメチル基、3−メタクリロキシプロピル基が例示される。
【0011】
また、上記一般式(2)で表される基において、式中のR3はメチル基または水素原子である。また、式中のR4は二価炭化水素基であり、前記と同様の基が例示される。このような基としては、アクリルアミドメチル基、3−アクリルアミドプロピル基、メタクリルアミドメチル基、3−メタクリルアミドプロピル基が例示される。
【0012】
また、上記一般式(3)で表される基において、式中のR3はメチル基または水素原子である。また、式中のR4は二価炭化水素基であり、前記と同様の基が例示される。また、式中のR5は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基が例示される。また、式中のbは0または1である。また、式中のcは0〜4の整数である。このような基としては、4−ビニルフェニル基、3−ビニルフェニル基、4−(2−プロペニル)フェニル基、3−(2−プロペニル)フェニル基、2−(4−ビニルフェニル)エチル基、2−(3−ビニルフェニル)エチル基が例示される。
【0013】
また、炭素原子数2〜10のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、5−ヘキセニル基が例示される。
【0014】
このような(A)成分としては、例えば、一般式:
【化12】
Figure 0003924154
で表される有機ケイ素化合物および/または一般式:
【化13】
Figure 0003924154
で表される有機ケイ素化合物であることが好ましい。なお、式中のXはラジカル重合性有機基であり、前記と同様の基が例示される。前者の有機ケイ素化合物として、具体的には、
CH2=CHC48Si{OSi(CH3)3}3
【化14】
Figure 0003924154
【化15】
Figure 0003924154
【化16】
Figure 0003924154
【化17】
Figure 0003924154
が例示される。また、後者の有機ケイ素化合物として、具体的には、
CH2=CHC48Si{OSi(CH3)2H}3
【化18】
Figure 0003924154
【化19】
Figure 0003924154
【化20】
Figure 0003924154
が例示される。
【0015】
このような(A)成分の有機ケイ素化合物は、例えば、特開平11−217389号公報に記載のとおり、ラジカル重合性有機基含有トリアルコキシシランとジシロキサンを、カルボン酸および強酸の存在下で反応させて、前記シラン中のアルコキシ基をジシロキサン中のシロキシ基で置換することによって調製できる。
【0016】
(B)成分の芳香族炭化水素基含有ビニル系単量体は、本添加剤の有機樹脂への相溶性を付与するための原料である。このような(B)成分としては、スチレン、ビニルトルエン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、ビニルピロリドンが例示される。特に、本添加剤の有機樹脂への相溶性をさらに向上できることから、(B)成分は、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、またはフェノキシエチルメタクリレートであることが好ましく、特に、本添加剤のガラス転移点を室温以下とすることができることから、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレートであることが好ましい。
【0017】
(C)成分のアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートは、本添加剤の有機樹脂への相溶性を向上させ、また、本添加剤を含有する硬化性有機樹脂組成物の流動性を向上させるための原料である。このような(C)成分は、炭素原子数1〜22の直鎖状あるいは分岐鎖状のアルキル基を有するアルコールとアクリル酸またはメタアクリル酸とのエステルであることが好ましい。このような(C)成分としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル等の低級アルキルアクリレート;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル等の低級アルキルメタクリレート;アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル等の高級アルキルアクリレート;メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル等の高級アルキルメタクリレートが例示され、本添加剤のガラス転移点を室温以下とすることができることから、アクリル酸エステルであることが好ましく、特に、本添加剤の有機樹脂への相溶性をさらに向上できることから、アクリル酸n−ブチルであることが好ましい。
【0018】
本添加剤は、上記(A)成分〜(C)成分から少なくともなる単量体混合物を共重合することにより調製されるが、本添加剤に、有機樹脂との反応性を付与したり、これを含有する有機樹脂に良好な接着性を付与できることから、分子中にエポキシ基を有するビニル系単量体および/または分子中にアルコキシシリル基を有するビニル系単量体を共重合させることが好ましい。前者のビニル系単量体は分子中にグリシジル基、脂環式エポキシ基等のエポキシ基を含有するものであれば特に限定されず、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートが挙げられる。また、後者のビニル系単量体は分子中にアルコキシシリル基を含有するものであれば特に限定されず、例えば、一般式:
X−SiR1 3-d(OR2)d
で表されるビニル系単量体が挙げられる。上式中、R1は同じか、または相異なる、脂肪族不飽和結合を有さない一価炭化水素基もしくは水素原子であり、R1の一価炭化水素基としては、前記と同様の基が例示される。また、上式中、R2は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、前記と同様の基が例示される。また、上式中、Xはラジカル重合性有機基であり、前記と同様の基が例示される。このようなビニル系単量体として、具体的には、
CH2=CH−Si(OCH3)3
【化21】
Figure 0003924154
【化22】
Figure 0003924154
【化23】
Figure 0003924154
【化24】
Figure 0003924154
【化25】
Figure 0003924154
【化26】
Figure 0003924154
が例示される。
【0019】
また、本添加剤は、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分、および分子中にエポキシ基および/またはアルコキシシリル基を有するビニル系単量体以外に、その他任意のビニル系単量体を共重合させてもよい。このビニル系単量体として、具体的には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の低級脂肪酸ビニルエステル;酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の高級脂肪酸エステル;ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基含有ビニル系単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、イソブトキシメトキシアクリルアミド、イソブトキシメトキシメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系単量体;アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルアルコール、メタクリル酸ヒドロキシプロピルアルコール等の水酸基含有ビニル系単量体;トリフルオロプロピルアクリレート、パーフルオロブチルエチルアクリレート、パーフルオロオクチルエチルアクリレート、トリフルオロプロピルメタクリレート、パーフルオロブチルエチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルアメタクリレート等のフッ素含有ビニル系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボン酸含有ビニル系単量体;テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ヒドロキシブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル等のエーテル結合含有ビニル系単量体;アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、片末端にアクリル基またはメタクリル基を含有する分岐状あるいは直鎖状のポリジメチルシロキサン、片末端にスチリル基を含有するポリジメチルシロキサン等の不飽和基含有シリコーン化合物;ブタジエン;塩化ビニル;塩化ビニリデン;アクリロニトリル、メタクリロニトリル;フマル酸ジブチル;無水マレイン酸;ドデシル無水コハク酸;アクリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテル:アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸等のラジカル重合性不飽和カルボン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩;スチレンスルホン酸のようなスルホン酸基を有するラジカル重合性不飽和単量体、およびそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩;2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドのようなメタクリル酸から誘導される4級アンモニウム塩、メタクリル酸ジエチルアミンエステルのような3級アミン基を有するアルコールのメタクリル酸エステル、およびそれらの4級アンモニウム塩が例示される。本添加剤に有機樹脂との反応性を付与したり、有機樹脂への相溶性をさらに向上でき、さらに本添加剤を含有する硬化性有機樹脂組成物に金属に対する接着性を付与できることから、カルボキシ基、アミノ基、メルカプト基、アルコール基、ポリエーテル基等の有機官能基を有するビニル系単量体であることが好ましい。
【0020】
また、このビニル系単量体として多官能ビニル系単量体を用いることもできる。この多官能ビニル系単量体として、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチルメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体のジオールのジアクリレートやジメタクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体のジオールのジアクリレートやジメタクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル等のアクリロイル基もしくはメタクリロイル基含有単量体、両末端スチリル基封鎖ポリジメチルシロキサンや両末端メタクリロキシプロピル基封鎖ポリジメチルシロキサン等の不飽和基含有シリコ−ン化合物が例示される。
【0021】
本添加剤において、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分、およびその他任意のビニル系単量体からなる単量体混合物中、上記(A)成分の含有量は特に限定されないが、好ましくは1〜98重量%であり、さらに好ましくは1〜85重量%の範囲内であり、さらに好ましくは2〜85重量%の範囲内であり、さらに好ましくは5〜80重量%の範囲内であり、さらに好ましくは5〜70重量%の範囲内であり、特に好ましくは10〜50重量%の範囲内である。これは、(A)成分の含有量が上記範囲の下限未満であると、得られるビニル系重合体を含有する有機樹脂の流動性が低下したり、また、その成形物の撥水性が低下する傾向があるからであり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られるビニル系重合体の有機樹脂への相溶性が低下する傾向があるからである。また、上記単量体混合物中、上記(B)成分の含有量は特に限定されないが、好ましくは1〜98重量%の範囲内であり、さらに好ましくは1〜85重量%の範囲内であり、さらに好ましくは2〜85重量%の範囲内であり、さらに好ましくは5〜80重量%の範囲内であり、さらに好ましくは10〜80重量%の範囲内であり、特に好ましく10〜60重量%の範囲内である。これは、(B)成分の含有量が上記範囲の下限未満であると、得られるビニル系重合体の有機樹脂への相溶性が低下する傾向があるからであり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られるビニル系重合体の室温での流動性が損なわれるからである。また、上記単量体混合物中、上記(C)成分の含有量は特に限定されないが、好ましくは1〜98重量%の範囲内であり、さらに好ましくは1〜85重量%の範囲内であり、さらに好ましくは2〜85重量%の範囲内であり、さらに好ましくは5〜80重量%の範囲内であり、さらに好ましくは10〜80重量%の範囲内であり、特に好ましく10〜60重量%の範囲内である。これは、(C)成分の含有量が上記範囲の下限未満であると、得られるビニル系重合体の有機樹脂への相溶性が低下する傾向があるからであり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られるビニル系重合体を含有する有機樹脂組成物の成形物の撥水性が低下する傾向があるからである。さらに、任意のビニル系単量体として分子中にエポキシ基を有するビニル系単量体を用いる場合には、上記単量体混合物中の含有量は20重量%以下であることが好ましく、さらには、0.1〜20重量%の範囲内であることが好ましく、特には、0.1〜10重量%の範囲内であることが好ましい。また、任意のビニル系単量体として分子中にアルコキシシリル基を有するビニル系単量体を用いる場合には、上記単量体混合物中の含有量は20重量%以下であることが好ましく、さらには、0.1〜20重量%の範囲内であることが好ましく、特には、0.1〜10重量%の範囲内であることが好ましい。
【0022】
本添加剤を調製する方法としては、ラジカル重合法、イオン重合法が例示され、特に、ラジカル重合法が好ましい。このラジカル重合法に用いるラジカル開始剤は特に限定されないが、例えば、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾビス系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物が挙げられる。このラジカル開始剤は1種であってもよく、また2種類以上の混合物であってもよい。また、その添加量は、上記単量体混合物100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲内であることが好ましい。
【0023】
また、このラジカル重合として、具体的には、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法が例示され、特に、溶液重合法であることが好ましい。この溶液重合に用いる溶媒は限定されないが、例えば、ヘキサン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン等のオルガノシロキサンオリゴマーが挙げられる。
【0024】
この溶液重合法においては、得られるビニル系重合体の粘度を低下させるため、さらには、有機樹脂への相溶性を向上できることから、連鎖移動剤を添加することが好ましい。この連鎖移動剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプトプロピルアルコキシシランで例示されるメルカプト基含有有機基と加水分解性基を有するシラン化合物;2−メルカプトエタノール、ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、メルカプトプロピル基を有するポリジメチルシロキサン等のメルカプト化合物;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、臭化ブチル、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン化物が挙げられ、好ましくはメルカプト基含有有機基と加水分解性基を有するシラン化合物であり、特に好ましくは3−メルカプトプロピルアルコキシシランである。この連鎖移動剤の添加量は特に限定されないが、上記単量体混合物100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲内であることが好ましい。
【0025】
上記単量体混合物を溶媒中でラジカル重合開始剤の存在下でラジカル重合する方法としては、これを50〜150℃の温度条件下で3〜20時間反応させ、重合後、加熱下で減圧処理して残存する未反応の単量体を除去する方法が例示される。このようにして得られるビニル系重合体は液状であれば特に限定されないが、有機樹脂用添加剤として有機樹脂への配合性が良好であり、これを含有する有機樹脂組成物の流動性が良好であることから、25℃における粘度が10〜1000000mPa・sの範囲内であることが好ましく、さらには、100〜500000mPa・sの範囲内であることが好ましく、特には、500〜100000mPa・sの範囲内であることが好ましい。
【0026】
次に、本発明の硬化性有機樹脂組成物について説明する。
本組成物は、(I)硬化性有機樹脂100重量部、および(II)上記の有機樹脂用添加剤0.1〜100重量部から少なくともなることを特徴とする。
【0027】
(I)成分は本組成物の主成分であり、硬化性のものであれば特に限定されず、その硬化方法としては、熱硬化、紫外線または放射線等の高エネルギー線硬化、湿気硬化、縮合型硬化、付加反応硬化が例示される。また、その性状も限定されず、25℃において液状あるいは固体状のいずれの状態であってもよい。このような(I)成分としては、フェノール樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、キシレン樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、フラン樹脂、尿素樹脂、イミド樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アニリン樹脂、スルホン−アミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、これらの共重合体樹脂、およびこれらの樹脂の少なくとも2種以上の混合物が例示される。特に、(I)成分としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、またはシリコーン−エポキシ樹脂であることが好ましい。
【0028】
このエポキシ樹脂はグリシジル基や脂環式エポキシ基を有するものであれば特に限定されないが、具体的には、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ポリビニルフェノール型エポキシ樹脂、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジフェニルサルホン型エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂、クレゾール・ナフトール共縮合型エポキシ樹脂、ビスフェニルエチレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、スピロクマロン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂、イミド基含有エポキシ樹脂、マレイミド基含有エポキシ樹脂、アリル基変性エポキシ樹脂、さらには得られる硬化物の撥水性を向上させ、またその硬化物を低応力するために、シラン、ポリアルキルシロキサン、あるいはフルオロアルキル基を化学的に結合したエポキシ樹脂が例示される。
【0029】
また、フェノ−ル樹脂として、具体的には、ポリビニルフェノール型フェノール樹脂、フェノールノボラック型フェノール樹脂、クレゾールノボラック型フェノール樹脂、ビフェノール型フェノール樹脂、ビフェノールアラルキル型フェノール樹脂、ナフトール型フェノール樹脂、テルペン型フェノール樹脂、フェノールジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、フェノールアラルキル型フェノール樹脂、ナフトールアラルキル型フェノール樹脂、トリフェノールアルカン型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、クレゾール・ナフトール共縮合型フェノール樹脂、キシレン・ナフトール共縮合型フェノール樹脂、さらには得られる硬化物の撥水性を向上させ、またその硬化物を低応力するために、シラン、ポリアルキルシロキサン、あるいはフルオロアルキル基を化学的に結合したフェノール樹脂が例示される。
【0030】
(II)成分の有機樹脂用添加剤は、本組成物に優れた流動性や成形性を付与し、本組成物を硬化して得られる有機樹脂硬化物に優れた撥水性、耐湿性、耐熱性を付与するための成分である。この(II)成分は上記のとおりである。本組成物において、(II)成分の含有量は、上記(I)成分100重量部に対して0.01〜100重量部の範囲内であり、好ましくは、0.1〜100重量部の範囲内であり、特に好ましくは、0.1〜50重量部の範囲内である。これは、(II)成分の含有量が上記範囲の下限未満であると、得られる硬化性有機樹脂組成物の流動性や成形性を向上し難くなるからであり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られる硬化性有機樹脂組成物を硬化してなる有機樹脂硬化物の機械的強度が著しく低下するからである。
【0031】
本組成物には、その他任意の成分として、硬化剤、硬化促進剤、充填剤、光増感剤、高級脂肪酸金属塩、エステル系ワックス、可塑剤、シランカップリング剤、チタン系カップリング剤、可撓性付与剤、顔料、染料等を含有してもよい。この硬化剤としては、カルボン酸やスルホン酸等の有機酸およびその無水物、有機ヒドロキシ化合物、シラノール基、アルコキシ基またはハロゲノ基を有する有機ケイ素化合物、一級または二級のアミノ化合物、およびこれらの二種以上の混合物が例示される。また、この硬化促進剤としては、三級アミン化合物、アルミニウムやジルコニウム等の有機金属化合物、ホスフィン等の有機リン化合物、異環型アミン化合物、ホウ素錯化合物、有機アンモニウム塩、有機スルホニウム塩、有機過酸化物、ヒドロシリル化用触媒が例示される。また、この充填剤としては、ガラス繊維、石綿、アルミナ繊維、アルミナとシリカを成分とするセラミック繊維、ボロン繊維、ジルコニア繊維、炭化ケイ素繊維、金属繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、フェノール繊維、天然の動植物繊維等の繊維状充填剤;結晶性シリカ、溶融シリカ、沈澱シリカ、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、酸化亜鉛、焼成クレイ、カーボンブラック、ガラスビーズ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、クレイ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、カオリン、雲母、ジルコニア等の粉粒体状充填剤;これらの混合物が例示される。また、この可撓性付与剤としては、シリコーンオイルが例示される。
【0032】
本組成物は、(I)成分、および(II)成分、さらに必要に応じてその他任意の成分を混合することにより調製できる。この調製方法は限定されないが、例えば、(I)成分、(II)成分、およびその他任意の成分を直接混合する方法、(I)成分を調製する際に、(II)成分を予め予備混合しておき、次いで、その他任意の成分を混合する方法、(II)成分にその他任意の成分を予備混合した後、(I)成分を混合する方法が挙げられる。本組成物を調製するための混合装置は特に限定されず、上記(I)成分が性状により異なるが、例えば、一軸または二軸の連続混合機、二本ロール、三本ロール、ロスミキサー、ニーダーミキサー、バンバリーミキサーが挙げられる。
【0033】
本組成物は、流動性や成形性が優れているので、トランスファーモールド、インジェクションモールド、ポッティング、キャスティング、粉体塗装、浸漬塗布、滴下等の方法に適用できる。また、本組成物は、硬化して、撥水性、耐湿性、耐熱性が優れる硬化物を形成できるので、電気部品・電子素子の封止剤や接着剤として有用である。特に、本組成物を半導体封止剤として使用した場合、従来のものに比べて、成形性、接着性、電気特性、機械特性、耐湿性が優れるという特長がある。
【0034】
この半導体封止剤としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化促進剤、無機充填剤、シランカップリング剤、および上記の有機樹脂用添加剤から少なくともなる硬化性エポキシ樹脂組成物であることが好ましい。このエポキシ樹脂としては、前記と同様の樹脂が例示され、特に、本封止剤の成型性が良好であり、その硬化物の耐熱性および耐湿性が良好であることから、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が好ましい。また、このフェノール樹脂としては、前記と同様の樹脂が例示され、特に、フェノールノボラック型フェノール樹脂、フェノールアラルキル型フェノール樹脂であることが好ましい。また、この硬化促進剤としては、前記と同様の促進剤が例示され、特に、トリフェニルフォスフィン等の有機リン系化合物;第3級アミン化合物、イミダゾール等の有機アミン系化合物が好ましい。また、この充填剤としては、前記と同様の充填剤が例示され、特に、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化アルミ、三酸化アンチモンが好ましい。また、溶融シリカの中でも、特に、本封止剤の流動性を向上できることから、球状のものが好ましい。また、この充填剤の粒子径は限定されないが、通常は0.1〜40μmの範囲内のものが好ましく、特に、0.3〜20μmの範囲内のものが好ましい。また、このシランカップリング剤としては、アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン;グリジロキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシシラン;アニリノシラン;イミノシラン;これらシラン2種類以上の混合物;これらシランの部分加水分解縮合物;これらシラン2種類以上の部分共加水分解縮合物等が例示される。また、この有機樹脂用添加剤は上記のとおりのものであり、分子中に芳香族炭化水素基含有ビニル系単量体として、ベンイジルアクリレート、フェノキシアクリレートを用いたものが好ましい。
【0035】
本封止剤において、上記各成分の含有量は限定されないが、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との含有量の比率は、エポキシ樹脂中の総エポキシ量に対するフェノール樹脂中の総フェノール量が0.6〜1.5となる範囲内の量であることが好ましく、さらには0.8〜1.2となる範囲内の量であることが好ましく、特には0.9〜1.1の範囲内の量であることが好ましい。また、硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の合計量100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲内であることが好ましく、特に、0.2〜10重量部の範囲内であることが好ましい。また、無機充填剤の含有量は、本組成物中の70重量%以上であることが好ましく、さらには、80重量%以上であることが好ましく、特には、85重量%以上であることが好ましい。また、シランカップリング剤の含有量は、無機充填剤に対して0.1〜5重量%の範囲内となる量であることが好ましく、特には、0.2〜1重量%の範囲内となる量であることが好ましい。また、有機樹脂用添加剤の含有量は、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の合計量100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲内であることが好ましく、特には、0.2〜10重量部の範囲内であることが好ましい。
【0036】
本封止剤を調製する方法としては、上記各成分を予備混合した後、ミキサー等によって均一に混合し、さらに熱ロールによる溶融混合、あるいはニーダ等による溶融混合する方法が例示される。また、本封止剤を溶融混合した後、冷却固化させて適当な大きさに粉砕することもできる。このようにして調製された本封止剤は、半導体装置をはじめとする電子部品あるいは電気部品の封止、被覆、絶縁等に適用できる、電気部品に優れた特性と信頼性を付与できる。
【0037】
本封止剤を用いて、半導体素子を封止する方法としては、低圧トランスファー成形法、射出成形法、圧縮成形法、注型法が例示される。本封止剤を加熱して硬化させる際の温度は限定されないが、150℃以上に加熱することが好ましい。このようにして封止された半導体装置としては、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオードが例示される。
【0038】
【実施例】
本発明の有機樹脂用添加剤、それを含有する硬化性有機樹脂組成物、およびその硬化物を実施例により説明する。なお、実施例中、粘度は25℃における値である。また、有機樹脂用添加剤の硬化性有機樹脂(エポキシ樹脂)への溶解性は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製のエピコート828)20gをラボプラストミルにて100℃、30rpmで加熱溶解した後、これに有機樹脂用添加剤を4g投入し、5分間、加熱混練した後の溶融状態の硬化性エポキシ樹脂組成物を少量採取し、その外観を目視にて観察することにより評価した。
【0039】
[実施例1〜7、比較例1]
(ビニル重合体1〜8の調製と特性評価)
攪拌装置、温度計、還流管を取り付けた200mLの4口フラスコに、表1に示した量で各原料を仕込み、窒素雰囲気下、70〜80℃で6時間加熱攪拌した。次いで、アスピレーター、および真空ポンプにより減圧下で加熱攪拌することにより、トルエンや未反応物を除去した。これを200メッシュの金網でろ過することによりビニル系重合体を得た。このビニル系重合体をそれぞれ有機樹脂用添加剤▲1▼〜▲8▼とした。これらの有機樹脂用添加剤の粘度、屈折率、エポキシ樹脂への溶解性を表1に示した。なお、表1中の有機ケイ素化合物(1)は、
【化27】
Figure 0003924154
で表される有機ケイ素化合物であり、また、有機ケイ素化合物(2)は、
【化28】
Figure 0003924154
で表される有機ケイ素化合物である。また、表1中のAMBNは2,2'−アゾビス−2−メチルブチロニトリルを示す。
【0040】
【表1】
Figure 0003924154
【0041】
[実施例8〜14]
(有機樹脂用添加剤▲1▼〜▲7▼を含有する硬化性エポキシ樹脂組成物の調製)
加熱2ロールミルに、表2で示した組成で、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製のEOCN1020;エポキシ当量=195)、フェノールノボラック型フェノール樹脂(昭和高分子株式会社製のBRG558;フェノール当量=105)、有機樹脂用添加剤▲1▼〜▲7▼、溶融シリカ(電気化学工業株式会社製のFS692)、カルナバワックス、およびトリフェニルフォスフィンを仕込み、ロール温度90℃の条件で加熱混練し、硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。次に、これを粉砕し、175℃、70kg/cm2の条件下で3分間トランスファー成形した。得られたエポキシ樹脂硬化物を取り出し、オーブン中で150℃×4時間加熱し、ポストキュアした。このようにして得られたエポキシ樹脂硬化物の特性を表2に示した。なお、硬化性エポキシ樹脂組成物の成形性(スパイラルフロー)、およびエポキシ樹脂硬化物の耐湿性(吸水率)を次のようにして測定した。
【0042】
○スパイラルフロー:硬化性エポキシ樹脂組成物についてEMMI規格に準じた方法により測定した。
○吸水率:5mm角×5mm厚みのエポキシ樹脂硬化物の立方体を10個成形し、これを温度121℃、湿度100%の条件下にて12時間加湿した後、その重量増加を測定することにより求めた。
【0043】
【表2】
Figure 0003924154
【0044】
[実施例15〜22]
(有機樹脂用添加剤▲1▼、▲2▼、▲5▼、または▲6▼を含有する硬化性エポキシ樹脂組成物の調製)
加熱2ロールミルに、表3で示した組成で、ビフェニル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製のYX4000H;エポキシ当量=193)、フェノールノボラック型フェノール樹脂(昭和高分子株式会社製のBRG558;フェノール当量=105)またはフェノールアラルキル型フェノール樹脂(三井化学株式会社製のXL−225−3L;フェノール当量=175)、有機樹脂用添加剤▲1▼、▲2▼、▲5▼、または▲6▼、球状シリカ(電気化学工業株式会社製のFB48;平均粒子径=17μm)、カルナバワックス、およびトリフェニルフォスフィンを仕込み、ロール温度90℃の条件で加熱混練し、硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。次に、これを粉砕し、175℃、70kg/cm2の条件下で3分間トランスファー成形した。得られたエポキシ樹脂硬化物を取り出し、オーブン中で150℃×4時間加熱し、ポストキュアした。このようにして得られたエポキシ樹脂硬化物の成形性(スパイラルフロー)、およびエポキシ樹脂硬化物の耐湿性(吸水率)を前記と同様に測定した。これらの結果を表3に示した
【0045】
【表3】
Figure 0003924154
【0046】
[比較例2〜4]
(有機樹脂用添加剤▲1▼、▲6▼、▲7▼を含有した硬化性エポキシ樹脂組成物の調製)
加熱2ロールミルに、表4に示した組成で、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製のEOCN1020;エポキシ当量=195)またはビフェニル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製のYX4000H;エポキシ当量=193)、フェノールノボラック型フェノール樹脂(昭和高分子株式会社製のBRG558;フェノール当量=105)またはフェノールアラルキル型フェノール樹脂(三井化学株式会社製のXL−225−3L;フェノール当量=175)、有機樹脂用添加剤▲8▼、溶融シリカ(電気化学工業株式会社製のFS692)または球状シリカ(電気化学工業株式会社製のFB48;平均粒子径=17μm)、カルナバワックス、およびトリフェニルフォスフィンを仕込み、ロール温度90℃の条件で加熱混練して硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。次に、これを粉砕し、175℃、70kg/cm2の条件下で3分間トランスファー成形した。得られたエポキシ樹脂硬化物を取り出し、オーブン中で150℃×4時間加熱してポストキュアした。このようにして得られた硬化性エポキシ樹脂組成物の成形性(スパイラルフロー)、およびエポキシ樹脂硬化物の耐湿性(吸水率)を前記と同様にして測定した。これらの結果を表4に示した。
【0047】
【表4】
Figure 0003924154
【0048】
[実施例23〜26、比較例5]
(硬化エポキシ樹脂組成物の接着性)
エポキシ樹脂(東都化成株式会社製のエポトートZX−1059)50g、フェノール樹脂(大内新興化学株式会社製のノクラックNS−5)30g、有機樹脂用添加剤5g、イミダゾール触媒(旭化成工業株式会社製のノバキュアHX−3721)20gをミキサーにより室温で混合して、液状の硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。また、同様にして、有機樹脂用添加剤を含有しない以外は同様にして液状の硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。これらの硬化性エポキシ樹脂組成物を2枚の銅板(日本テストパネル製)間にフッ素樹脂製のスペーサを用いて作った長さ15mm×幅10mm×厚さ0.2mmの型に流し込んだ後、120℃で2時間で加熱することにより硬化した。その後、150℃で3時間加熱することによりポストキュアして接着試験片を作成した。また、同様にして、銅板の代わりにニッケルメッキ板(日本テストパネル製)を用いて接着試験片を作成した。これらの接着試験片のせん断接着力をテンシロンにより測定した。それらの結果を表5に示した。
【0049】
【表5】
Figure 0003924154
【0050】
【発明の効果】
本発明の有機樹脂用添加剤は、有機樹脂に優れた流動性や成形性を付与し、得られる成形物に優れた撥水性、耐湿性、耐熱性を付与できるという特徴がある。また、本発明の硬化性有機樹脂組成物は、前記添加剤を含有しているので、流動性や成形性が優れ、撥水性、耐湿性、耐熱性が優れる硬化物を形成できるという特徴がある。さらに、本発明の硬化物は、前記組成物を硬化して得られるので、撥水性、耐湿性、耐熱性が優れるという特徴がある。

Claims (9)

  1. (A)一般式:
    Figure 0003924154
    (式中、R1は同じか、または相異なる、脂肪族不飽和結合を有さない一価炭化水素基もしくは水素原子であり、R2は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、Xはラジカル重合性有機基であり、aは2または3である。)
    で表される有機ケイ素化合物、
    (B)芳香族炭化水素基含有ビニル系単量体、
    および
    (C)アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレート
    から少なくともなる単量体混合物を共重合した液状ビニル系重合体からなる有機樹脂用添加剤。
  2. (A)成分が、一般式:
    Figure 0003924154
    (式中、Xはラジカル重合性有機基である。)
    で表される有機ケイ素化合物および/または一般式:
    Figure 0003924154
    (式中、Xは前記と同じである。)
    で表される有機ケイ素化合物であることを特徴とする、請求項1記載の有機樹脂用添加剤。
  3. (A)成分中のXが、一般式:
    Figure 0003924154
    (式中、R3はメチル基または水素原子であり、R4は二価炭化水素基である。)で表される基、一般式:
    Figure 0003924154
    (式中、R3およびR4は前記と同じである。)
    で表される基、一般式:
    Figure 0003924154
    (式中、R3およびR4は前記と同じであり、R5は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、bは0または1であり、cは0〜4の整数である。)
    で表される基、および炭素原子数2〜10のアルケニル基からなる群より選択される少なくとも1種のラジカル重合性有機基であることを特徴とする、請求項1または2記載の有機樹脂用添加剤。
  4. (B)成分が、ベンジルアクリレート、フェノキシアクリレート、ベンジルメタクリレート、およびフェノキシメタクリレートからなる群より選択される少なくとも一種のビニル系単量体であることを特徴とする、請求項1記載の有機樹脂用添加剤。
  5. (C)成分が、アルキルアクリレートであることを特徴とする、請求項1記載の有機樹脂用添加剤。
  6. 単量体混合物中の(A)成分の含有量が1〜98重量%であり、(B)成分の含有量が1〜98重量%、(C)成分の含有量が1〜98重量%であることを特徴とする、請求項1記載の有機樹脂用添加剤。
  7. (I)硬化性有機樹脂100重量部、および(II)請求項1乃至6のいずれか1項記載の有機樹脂用添加剤0.01〜100重量部から少なくともなる硬化性有機樹脂組成物。
  8. (I)成分が、エポキシ樹脂、シリコーン−エポキシ樹脂、イミド樹脂、およびフェノール樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の硬化性有機樹脂であることを特徴とする、請求項7記載の硬化性有機樹脂組成物。
  9. 請求項7または8記載の硬化性有機樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
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