JP4394238B2 - 硬化性有機樹脂組成物および硬化樹脂 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は硬化性有機樹脂組成物および硬化樹脂に関し、詳しくは、流動性、成形性に優れた硬化性有機樹脂組成物および密着性、接着性に優れた硬化樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
硬化性有機樹脂は誘電特性、体積抵抗率、絶縁破壊強度などの電気特性の他、曲げ強度や衝撃強度などの機械的特性に優れているため、あらゆる産業で使用されている。しかし、例えばこれをコーティング剤や接着剤として使用すると、その塗布性や流動性、さらには撥水性などが十分でないため、均一な耐湿性の硬化皮膜を得ることが難しいという欠点があった。また、電気部品や電子素子の封止材として使用した場合には流動性や充填性が十分でなく、さらに硬化後の基材に対する密着性や接着性が不十分なため、封止された電気部品中や電子素子間に隙間が発生して湿気が進入し、その結果、電気・電子部品の信頼性が低下するという問題点があった。
【0003】
一方、硬化性樹脂組成物の流動性を向上させるために、ポリエーテル変性シリコーンやエポキシ基を含有するポリエーテル変性シリコーンを配合した硬化性樹脂組成物(特開昭60−13841号公報、特開昭62−68847号公報参照)や、高分子量のオルガノポリシロキサンとアクリル系モノマーとの共重合体を配合した硬化性樹脂組成物(特開平2−225509号公報、特開平3−54212号公報、特開平3−97719号公報、特開平4−33914号公報、特開平5−271518号公報、特開平5−295235号公報、特開平5−301931号公報、特開平7−206949号公報、特開平9−316299号公報参照)が提案されている。また、ビニル系モノマーとメタアクリロキシプロピル基含有シリコーンオリゴマーとの共重合体を、シリコーンゴム粒子の分散向上剤として配合したエポキシ樹脂組成物(特開昭63−228649号公報参照)も提案されている。
【0004】
しかし、ポリエーテル変性シリコーンを配合してなる樹脂組成物は耐湿性に劣り、また、従来使用されているシリコーンとアクリル系モノマーの共重合体は固体状であるために作業性が低く、さらにこれを配合した硬化性樹脂組成物は成形性や密着性が不十分であるという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記問題点を解決するために鋭意努力した結果、本発明に到達した。
【0006】
すなわち、本発明の目的は、硬化前は流動性、成形性に優れ、硬化後は基材に対する密着性、接着性に優れた硬化樹脂になる硬化性有機樹脂組成物および該組成物を硬化させて得られる硬化樹脂を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)アルケニル基を含有しない硬化性有機樹脂と(B)ケイ素原子結合水素原子含有ビニルポリマーからなることを特徴とする硬化性有機樹脂組成物、および、該硬化性有機樹脂組成物を硬化させて得られる硬化樹脂に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】
(A)成分は本発明組成物の主成分であり、アルケニル基を含有しない従来公知の硬化性有機樹脂を使用することができる。具体的には、フェノール樹脂,ホルムアルデヒド樹脂,キシレン樹脂,キシレン−ホルムアルデヒド樹脂,ケトン−ホルムアルデヒド樹脂,フラン樹脂,尿素樹脂,イミド樹脂,メラミン樹脂,アルキッド樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,アニリン樹脂,スルホン−アミド樹脂,シリコーン樹脂,エポキシ樹脂およびこれらの共重合体樹脂が例示され、これらの樹脂の1種もしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、特に、エポキシ樹脂,フェノール樹脂,イミド樹脂またはシリコーン-エポキシ樹脂であることが好ましい。エポキシ樹脂としては、グリシジル基や脂環式エポキシ基をもつ化合物であればよく、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂,ビフェニル型エポキシ樹脂,ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂,ビスフェノールF型エポキシ樹脂,ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂,ナフタレン型エポキシ樹脂,アントラセン型エポキシ樹脂,ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂,ポリビニルフェノール型エポキシ樹脂,ジフェニルメタン型エポキシ樹脂,ジフェニルサルホン型エポキシ樹脂,トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂,クレゾール・ナフトール共縮合型エポキシ樹脂,ビスフェニルエチレン型エポキシ樹脂,フルオレン型エポキシ樹脂,スピロクマロン型エポキシ樹脂,ノルボルネン型エポキシ樹脂,ハロゲン化エポキシ樹脂,イミド基含有エポキシ樹脂が例示される。フェノ−ル樹脂としては、ポリビニルフェノール型,フェノールノボラック型,ナフトール型,テルペン型,フェノールジシクロペンタジエン型,フェノールアラルキル型,ナフトールアラルキル型,トリフェノールアルカン型,ジシクロペンタジエン型,クレゾール・ナフトール共縮合型,キシレン・ナフトール共縮合型が例示される。またこの(A)成分には、撥水性や低応力化の向上のために、シランやポリアルキルシロキサン、あるいはフルオロアルキル基が化学結合した前記の樹脂を配合することもできる。このような(A)成分の硬化機構は特に限定されず、熱により硬化する熱硬化性樹脂,紫外線または放射線等の高エネルギー線により硬化する高エネルギー線硬化性樹脂,湿気により硬化する湿気硬化性樹脂,2液混合により硬化する縮合反応硬化性樹脂や付加反応硬化性樹脂が挙げられる。また、この(A)成分の25℃における性状は、液状または固体状のいずれの状態であってもよい。
【0010】
(A)成分には、前記した硬化性樹脂以外の成分として、硬化剤,硬化促進剤,充填剤,光増感剤,高級脂肪酸金属塩,エステル系ワックス,可塑剤等を配合することができる。硬化剤として具体的には、カルボン酸やスルホン酸等の有機酸およびその無水物,有機ヒドロキシ化合物,シラノール基、アルコキシ基またはハロゲノ基を有する有機ケイ素化合物,一級または二級のアミノ化合物を例示することができ、これらの一種または二種以上を組み合わせて使用することができる。硬化促進剤として具体的には、第三級アミン化合物,アルミニウムやジルコニウム等の有機金属化合物,ホスフィン等の有機リン化合物,異環型アミン化合物,ホウ素錯化合物,有機アンモニウム塩,有機スルホニウム塩,有機過酸化物、コバルト有機酸塩,バナジウム有機酸塩,マンガン有機酸塩,ヒドロシリル化用触媒やこれらの混合物または反応物が例示される。充填剤として具体的には、ガラス繊維,石綿,アルミナ繊維,アルミナとシリカを成分とするセラミック繊維,ボロン繊維,ジルコニア繊維,炭化ケイ素繊維,金属繊維,ポリエステル繊維,アラミド繊維,ナイロン繊維,フェノール繊維,天然の動植物繊維等の繊維状充填剤,溶融シリカ,沈澱シリカ,ヒュームドシリカ,焼成シリカ,酸化亜鉛,焼成クレイ,カーボンブラック,ガラスビーズ,アルミナ,タルク,炭酸カルシウム,クレイ,水酸化アルミニウム,硫酸バリウム,二酸化チタン,窒化アルミニウム,炭化ケイ素,酸化マグネシウム,酸化ベリリウム,カオリン,雲母,ジルコニア等の粉粒体状充填剤およびこれらの混合物が例示される。
【0011】
(B)成分のビニルポリマーは、本発明組成物の流動性および硬化後の密着性を向上させるための成分である。このビニルポリマーは、分子内にケイ素原子結合水素原子を含有するものであればよく、側鎖または末端に、一般式:
【化4】
で表される基を含有するビニルポリマーが挙げられる。上式中、Rは水素原子または非置換の1価炭化水素基であり、全R中の少なくとも1個は水素原子である。非置換の1価炭化水素基の具体例としては、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,イソプロピル基,イソブチル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基などのアルキル基;ビニル基,アリル基,ヘキセニル基などのアルケニル基;フェニル基,ナフチル基などのアリール基;ベンジル基,1−フェニルエチル基などのアラルキル基が例示される。R'は1価炭化水素基または加水分解性基である。1価炭化水素基としては、上記Rと同様の基が例示される。加水分解性基としては、メトキシ基,エトキシ基,ブトキシ基,プロポキシ基等の炭素原子数1〜10のアルコキシ基が例示される。aは平均値として2または3となるような数である。このような(B)成分として具体的には、(B−a)一般式:
【化5】
で表わされる分子内にケイ素原子結合水素原子を有する有機ケイ素化合物と(B−b)ビニル系モノマーとの共重合体、または、(B−a)有機ケイ素化合物の単独重合体が挙げられる。
【0012】
上記(B−a)成分中、Xはラジカル付加反応により重合可能な有機基であればよく、具体的には、一般式:
【化6】
で示される(メタ)アクリル基含有有機基や、一般式:
【化7】
で示されるスチリル基含有有機基または炭素原子数2〜10のアルケニル基が挙げられる。上式中、R1およびR3は水素原子またはメチル基であり、R2およびR5は炭素原子数1〜10のアルキレン基あるいは芳香族含有基であり、R4は炭素原子数1〜10のアルキル基である。bは0〜4の整数であり、cは0または1である。このようなラジカル重合可能な有機基Xとしては、例えば、アクリロキシメチル基,3−アクリロキシプロピル基,メタクリロキシメチル基,3−メタクリロキシプロピル基,4−ビニルフェニル基,3−ビニルフェニル基,4−(2−プロペニル)フェニル基,3−(2−プロペニル)フェニル基,2−(4−ビニルフェニル)エチル基,2−(3−ビニルフェニル)エチル基,ビニル基,アリル基,メタリル基,5−ヘキセニル基が挙げられる。これらの中でも、メタアクリロキシアルキル基が好ましい。このような(B−a)成分としては、上記有機ケイ素化合物の1種類を単独で使用してもよく、また、上記一般式中のaが2である有機ケイ素化合物とaが3である有機ケイ素化合物の混合物を使用してもよい。
【0013】
このような(B−a)成分としては、下記式で示される化合物が例示される。下式中、Meはメチル基を表している。
CH2=CHCOOC3H6SiMe2OSiMe2H
CH2=CHCOOC3H6Si(OSiMe3)2(OSiMe2H)
CH2=CHC6H4Si(OSiMe3)(OSiMe2H)2
CH2=CHC4H8Si(OSiMe2H)3
【化8】
これらの中でも、下記式で表される有機ケイ素化合物が好ましい。
CH2=CHCOOC3H6SiMe2OSiMe2H
【化9】
【0014】
この(B−a)成分の有機ケイ素化合物は、例えば、特開平11−217389号公報に記載された方法によって製造することができる。即ち、ラジカル重合性基を有するトリアルコキシシラン化合物とジシロキサンを、カルボン酸および強酸の存在下で反応させて、該シラン化合物中のアルコキシ基をジシロキサン中のシロキシ基で置換する方法によって製造することができる。
【0015】
(B)成分を構成するもう一方の成分である(B−b)成分は、ラジカル重合性のビニル基を有する単量体であればよく、その種類等については特に限定されない。ただし、分子内にケイ素原子結合水素原子を含有しないことが必要である。このようなビニル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル,メタクリル酸メチル,アクリル酸エチル,メタクリル酸エチル,アクリル酸n−プロピル,メタクリル酸n−プロピル,アクリル酸イソプロピル,メタクリル酸イソプロピルなどの低級アルキルアクリレート;アクリル酸グリシジル,メタクリル酸グリシジル;アクリル酸n−ブチル,メタクリル酸n−ブチル,アクリル酸イソブチル,メタクリル酸イソブチル,アクリル酸tert−ブチル,メタクリル酸tert−ブチル,アクリル酸n−ヘキシル,メタクリル酸n−ヘキシル,アクリル酸シクロヘキシル,メタクリル酸シクロヘキシル,アクリル酸2−エチルヘキシル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸オクチル,メタクリル酸オクチル,アクリル酸ラウリル,メタクリル酸ラウリル,アクリル酸ステアリル,メタクリル酸ステアリル等の高級アクリレート;酢酸ビニル,プロピオン酸ビニルなどの低級脂肪酸ビニルエステル;酪酸ビニル,カプロン酸ビニル,2−エチルヘキサン酸ビニル,ラウリル酸ビニル,ステアリン酸ビニル等の高級脂肪酸エステル;スチレン,ビニルトルエン,ベンジルアクリレート,ベンジルメタクリレート,フェノキシエチルアクリレート,フェノキシエチルメタクリレート,ビニルピロリドン等の芳香族ビニル系単量体;アクリルアミド,メタクリルアミド,N−メチロールアクリルアミド,N−メチロールメタクリルアミド,N−メトキシメチルアクリルアミド,N−メトキシメチルメタクリルアミド,イソブトキシメトキシアクリルアミド,イソブトキシメトキシメタクリルアミド,N,N−ジメチルアクリルアミド,N,N−ジメチルメタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系単量体;アクリル酸ヒドロキシエチル,メタクリル酸ヒドロキシエチル,アクリル酸ヒドロキシプロピルアルコール,メタクリル酸ヒドロキシプロピルアルコール等の水酸基含有ビニル系単量体;アクリル酸,メタクリル酸,イタコン酸,クロトン酸,フマル酸,マレイン酸等のカルボン酸含有ビニル系単量体;テトラヒドロフルフリルアクリレート,テトラヒドロフルフリルメタクリレート,ブトキシエチルアクリレート,ブトキシエチルメタクリレート,エトキシジエチレングリコールアクリレート,エトキシジエチレングリコールメタクリレート,ポリエチレングリコールアクリレート,ポリエチレングリコールメタクリレート,ポリプロピレングリコールモノアクリレート,ポリプロピレングリコールモノメタクリレート,ヒドロキシブチルビニルエーテル,セチルビニルエーテル,2−エチルヘキシルビニルエーテル等のエーテル結合含有ビニル系単量体;アクリロキシプロピルトリメトキシシラン,メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン,片末端にアクリル基またはメタクリル基を含有するトリス(トリメチルシロキシ)シリルメタクリレートなどの分岐状あるいは直鎖状のポリジメチルシロキサン,片末端にスチリル基を含有するポリジメチルシロキサンなどの不飽和基含有シリコ−ン化合物;ブタジエン;塩化ビニル;塩化ビニリデン;アクリロニトリル,メタクリロニトリル;フマル酸ジブチル;無水マレイン酸;ドデシル無水コハク酸;アクリルグリシジルエーテル,メタクリルグリシジルエーテル:アクリル酸,メタクリル酸,イタコン酸,クロトン酸,フマル酸,マレイン酸等のラジカル重合性不飽和カルボン酸のアルカリ金属塩,アンモニウム塩,有機アミン塩;スチレンスルホン酸のようなスルホン酸基を有するラジカル重合性不飽和単量体,およびそれらのアルカリ金属塩,アンモニウム塩,有機アミン塩;2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドのようなメタクリル酸から誘導される4級アンモニウム塩,メタクリル酸ジエチルアミンエステルのような3級アミン基を有するアルコールのメタクリル酸エステル,およびそれらの4級アンモニウム塩が例示される。これらの中でも、エポキシ基,カルボキシ基,アミノ基,メルカプト基,アルコール基,ポリエーテル基などの(A)成分の硬化性有機樹脂に対して反応性あるいは親和性を有する官能基を含有するビニル系モノマーを(B−b)成分の一部として含有することが好ましく、通常、グリシドキシプロピルメタクリレートが使用される。
【0016】
また、この(B−b)成分として、多官能ビニル系単量体も使用することができる。例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート,トリメチロールプロパントリメタクリレート,ペンタエリスリトールトリアクリレート,ペンタエリスリトールトリメタクリレート,エチレングリコールジアクリレート,エチレングリコールジメタクリレート,テトラエチレングリコールジアクリレート,テトラエチレングリコールジメタクリレート,ポリエチレングリコールジアクリレート,ポリエチレングリコールジメタクリレート,1,4−ブタンジオールジアクリレート,1,4−ブタンジオールジメタクリレート,1,6−ヘキサンジオールジアクリレート,1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート,ネオペンチルグリコールジアクリレート,ネオペンチルグリコールジメタクリレート,トリメチロールプロパントリオキシエチルアクリレート,トリメチロールプロパントリオキシエチルメタクリレート,トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジアクリレート,トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジメタクリレート,トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート,トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート,ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体のジオールのジアクリレートやジメタクリレート,水添ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体のジオールのジアクリレートやジメタクリレート,トリエチレングリコールジビニルエーテル等のアクリロイル基もしくはメタクリロイル基含有単量体,両末端スチリル基封鎖ポリジメチルシロキサンや両末端メタクリロキシプロピル基封鎖ポリジメチルシロキサンなどの不飽和基含有シリコ−ン化合物が例示される。
【0017】
(B)成分において、上記(B−a)成分と(B−b)成分の重合比率は、(B−a)成分と(B−b)成分が重量比で、100:0〜0.1:99.9となる範囲であり、好ましくは99:1〜1:99となる範囲である。
【0018】
上記(B−a)成分と(B−b)成分の重合方法としては、ラジカル重合法やイオン重合法が使用されるが、中でもラジカル重合法が好ましい。このラジカル重合には、乳化重合法,懸濁重合法,塊状重合法,溶液重合法などが使用されるが、溶液重合法が好適に使用される。この溶液重合は、溶媒中で上記(B−a)成分と(B−b)成分とをラジカル開始剤の存在下に、50〜150℃の温度条件下で3〜20時間反応させることにより行われる。このとき重合反応の連鎖移動剤として、メルカプト基とケイ素原子結合加水分解性基を含有するオルガノシラン化合物を、(B)成分中における含有率が0.1〜30重量%の範囲となるような量添加するのが好ましい。このシラン化合物としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン,3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプトプロピルアルコキシシランが好適に使用される。また、これ以外の連鎖移動剤として、2−メルカプトエタノール,ブチルメルカプタン,n−ドデシルメルカプタン,メルカプトプロピル基を有するポリジメチルシロキサン等のメルカプト化合物;塩化メチレン,クロロホルム,四塩化炭素,臭化ブチル,3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン化物を使用することができる。溶液重合に使用される溶媒としては、ヘキサン,オクタン,デカン,シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル,ジブチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル類;アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,ジイソブチルケトン等のケトン類;酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸ブチル,酢酸イソブチル等のエステル類;メタノール,エタノール,イソプロピルアルコール,ブタノール等のアルコール類;オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン,ヘキサメチルジシロキサン,オクタメチルトリシロキサン等のオルガノシロキサンオリゴマーが例示される。ラジカル開始剤としては、一般にラジカル重合法に使用される従来公知の化合物が用いられ、具体的には、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート),2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル),2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル),2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾビス系化合物;過酸化ベンゾイル,過酸化ラウロイル,tert−ブチルパーオキシベンゾエート,tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物が例示される。このラジカル開始剤は1種類を単独で使用してもよく、また2種類以上を混合して使用してもよい。またその使用量は、上記(B−a)成分と(B−b)成分の合計100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲であることが好ましい。このようにして上記(B−a)成分と(B−b)成分、好ましくはさらに、メルカプト基とケイ素原子結合加水分解性基を含有するオルガノシラン化合物を配合してこれらを重合した後、加熱下で減圧処理して、残存する未反応のビニル系単量体を除去することが好ましい。
【0019】
このような(B)成分は、配合のしやすさおよび流動性向上効果の発現しやすさから、25℃における粘度が100〜1000万mPa・sの液状であることが好ましい。またその数平均分子量は、配合のしやすさから、500〜200,000の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは1,000〜10,000の範囲である。
【0020】
この(B)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.01〜100重量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1〜50重量部の範囲である。これは、(B)成分の配合量が(A)成分100重量部に対して0.01重量部未満であると硬化樹脂の接着性が発現しにくく、また、100重量部を超えると硬化後の樹脂の機械的強度が著しく低下する恐れがあるためである。
【0021】
本発明組成物には、その他の任意の成分として、各種のシランカップリング剤,チタン系カップリング剤,光増感剤,高級脂肪酸金属塩,エステル系ワックス,可塑剤,可撓性付与剤,充填剤,顔料や染料等を配合することができる。可撓性付与剤としては、シリコーンオイル、シリコーンゴム、有機ゴム粒子、有機ラテックス粒子やシリコーン変性有機樹脂が例示される。また、充填剤としては、ガラス繊維,アルミナ繊維,アルミナとシリカを成分とするセラミック繊維,ボロン繊維,ジルコニア繊維,炭化ケイ素繊維,金属繊維,ポリエステル繊維,アラミド繊維,ナイロン繊維,フェノール繊維,天然の動植物繊維等の繊維状充填剤,不定形や球状の溶融あるいは結晶性シリカ,沈澱シリカ,ヒュームドシリカ,焼成シリカ,酸化亜鉛,焼成クレイ,カーボンブラック,ガラスビーズ,アルミナ,タルク,炭酸カルシウム,クレイ,水酸化アルミニウム,硫酸バリウム,二酸化チタン,窒化アルミニウム,炭化ケイ素,酸化マグネシウム,酸化ベリリウム,カオリン,雲母,ジルコニア等の粉粒状充填剤およびこれらの2種以上の混合物が例示される。
【0022】
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記(A)成分と(B)成分を均一に混合することにより得られる。混合方法は特に限定されないが、具体的には、(A)成分に直接(B)成分を配合する方法,(A)成分の調製時に(B)成分を配合してプレミックスした後、これに充填剤等の添加剤を配合する方法、(B)成分に(A)成分に配合される各種の添加剤を順次配合する方法が例示される。このとき使用される混合装置は特に限定されず、(A)成分の形態が液状,固体状、粉状のいずれかであるかによって異なるが、具体的には、一軸または二軸の連続混合機,二本ロール,三本ロール,ロスミキサー,ニーダーミキサー,バンバリーミキサーが例示される。
【0023】
以上のような本発明の硬化性有機樹脂組成物は流動性に優れるので、トランスファーモールド,インジェクションモールド,ポッティング,キャスティング,粉体塗装,浸漬塗布,滴下等の方法により、各種基材に適用できるという利点を有する。さらに本発明組成物は、硬化時に接触していた基材に対する密着性や接着性に優れ、かつ、硬化後は接着耐久性および耐湿性に優れた硬化樹脂になるので、電気部品・電子素子の封止剤や接着剤として有用である。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。なお、実施例中、粘度の値は25℃において測定した値であり、Meはメチル基を表している。硬化性有機樹脂組成物のスパイラルフローや粘度変化率、硬化樹脂の接着性は下記の方法に従って測定した。
【0025】
○スパイラルフロー
EMMI規格に準じた方法により測定した。
○接着性(A)
硬化性有機樹脂組成物を42アロイ板と銅板の間に挟み、これを硬化させた後、硬化樹脂を剥した際の密着性を測定した。密着性が良好であった場合を○とし、不良であった場合を×とした。
○接着性(B)
硬化性有機樹脂組成物をニッケル板あるいは銅板に0.1mmの厚さで挟み、これを硬化させた後、テンシロンにて50mm/分の速度でラップシェアによる破壊強度を測定した。
○粘度変化率
硬化性有機樹脂組成物の調製直後の粘度と、室温で1日経過した後の粘度を測定し、調製直後の粘度に対する1日後の粘度の相対値(倍数)を求めた。
【0026】
【参考例1】
窒素置換した攪拌機付フラスコに、式:
【化10】
で示されるケイ素原子結合水素原子含有有機ケイ素化合物30重量部、n−ブチルアクリレ−ト65重量部、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン5重量部およびトルエン100重量部を仕込み、これらを混合した後、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)2重量部を添加して混合した。この混合物を攪拌しながら80℃に昇温して6時間保持したところ、淡黄色の反応溶液が得られた。これを95℃まで加熱した後、10mmHgで30分間減圧してトルエンを除去した。このようにして得られた重合体(1)の重合収率は、不揮発分による計算値として95重量%以上であった。この重合体(1)は粘度2900mPa・sの微黄色透明な液体であり、屈折率は1.457であった。その特性を表1に示した。
【0027】
【参考例2】
窒素置換した攪拌機付フラスコに、式:
【化11】
で示されるケイ素原子結合水素原子含有有機ケイ素化合物30重量部、グリシジルメタクリレート10重量部、n−ブチルアクリレ−ト55重量部、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン2重量部およびトルエン100重量部を仕込み、これらを混合した後、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)2重量部を添加して混合した。この混合物を攪拌しながら80℃に昇温して6時間保持したところ、淡黄色の反応溶液が得られた。これを95℃まで加熱した後、10mmHgで30分間減圧してトルエンを除去した。このようにして得られた重合体(2)の重合収率は、不揮発分による計算値として95重量%以上であった。この重合体(2)は粘度6230mPa・sの淡黄色透明な液体であり、屈折率は1.461であった。その特性を表1に示した。
【0028】
【参考例3】
窒素置換した攪拌機付フラスコに、式:
【化12】
で示される有機ケイ素化合物40重量部、グリシジルメタクリレート10重量部、メチルメタクリレート50重量部およびトルエン100重量部を仕込み、これらを混合した後、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)1.0重量部を添加して混合した。この混合物を攪拌しながら80℃に昇温して6時間保持したところ、淡黄色の反応溶液が得られた。これを冷却後、メタノールに投入して濾別を3回繰り返した後、100℃で10mmHgの条件の真空乾燥オーブンで3時間処理してトルエンを除去した。このようにして得られた重合体(3)の重合収率は、不揮発分による計算値として95重量%以上であった。この重合体(3)は微黄色透明の固体であったため、高速攪拌機に投入して粉砕した後、メッシュを通して約0.5mm径以下の粉体とした。この粉体の特性を表1に示した。
【0029】
【参考例4】
窒素置換した攪拌機付フラスコに、n−ブチルアクリレ−ト95.7重量部とトルエン100重量部を仕込んで混合した後、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)4.3重量部を添加して混合した。この混合物を攪拌しながら80℃に昇温して6時間保持したところ、黄色の反応溶液が得られた。これを95℃まで加熱した後、10mmHgで30分間減圧してトルエンを除去した。このようにして得られた重合体(4)の重合収率は、不揮発分による計算値として95重量%以上であった。この重合体(4)の特性を表1に示した。
【0030】
【参考例5】
窒素置換した攪拌機付フラスコに、式:
【化13】
で示される有機ケイ素化合物29.6重量部、グリシジルメタクリレート5.2重量部、n−ブチルアクリレ−ト59.1重量部、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン4.9重量部およびトルエン100重量部を仕込み、これらを混合した後、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)1.3重量部を添加して混合した。この混合物を攪拌しながら80℃に昇温して6時間保持したところ、淡黄色の反応溶液が得られた。これを95℃まで加熱した後、10mmHgで30分間減圧してトルエンを除去した。このようにして得られた重合体(5)の重合収率は、不揮発分による計算値として95重量%以上であった。この重合体(5)は微黄色透明であり、屈折率は1.457であった。その特性を表1に示した。
【0031】
【表1】
【0032】
【実施例1】
フェノールノボラック樹脂(軟化点80℃、水酸基当量100)35重量部、参考例1で得られた重合体(1)3重量部、溶融石英粉末65重量部、ヘキサメチレンテトラミン4重量部およびカルナウバワックス1重量部を、90℃の加熱ロールで混練して硬化性有機樹脂組成物を調製した。次いでこれを粉砕し、175℃、70kg/cm2の条件下で3分間トランスファ成形した。その後、150℃で2時間かけてポストキュアした。このようにして得られた硬化性有機樹脂組成物のスパイラルフローおよび硬化樹脂の接着性(A)を測定して、その結果を表2に示した。
【0033】
【比較例1】
実施例1において、重合体(1)の代わりに参考例4で得られた重合体(4)を使用した以外は実施例1と同様にして、硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例1と同様にして硬化させて、スパイラルフローおよび接着性(A)を測定した。その結果を表2に示した。
【0034】
【比較例2】
実施例1において、重合体(1)を使用しなかった以外は実施例1と同様にして硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例1と同様にして硬化させて、スパイラルフローおよび接着性(A)を測定した。その結果を表2に示した。
【0035】
【表2】
【0036】
【実施例2】
式:CH3SiO3/2で示されるシロキサン単位40モル%、式:C6H5(CH3)SiO2/2で示されるシロキサン単位10モル%、式:C6H5SiO3/2で示されるシロキサン単位40モル%および式:(C6H5)2SiO2/2で示されるシロキサン単位10モル%からなり、Siに直結する水酸基を5重量%含有するメチルフェニルポリシロキサン樹脂13重量部とクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点80℃、エポキシ当量220)13重量部からなるシリコーン-エポキシ樹脂に、参考例2で得られた重合体(2)2重量部、溶融石英粉末74重量部、アルミニウムアセチルアセトネート0.90重量部およびカルナウバワックス1重量部を配合して、これらを90℃の加熱ロールで混練して硬化性有機樹脂組成物を調製した。次いでこれを粉砕し、175℃、70kg/cm2の条件下で2分間トランスファモールド成形した。その後、180℃で12時間かけてポストキュアした。得られた硬化性有機樹脂組成物のスパイラルフローおよび硬化樹脂の接着性(A)を測定して、その結果を表3に示した。
【0037】
【実施例3】
式:CH3SiO3/2で示されるシロキサン単位40モル%、式:C6H5(CH3)SiO2/2で示されるシロキサン単位10モル%、式:C6H5SiO3/2で示されるシロキサン単位40モル%および式:(C6H5)2SiO2/2で示されるシロキサン単位10モル%からなり、Siに直結する水酸基を5重量%含有するメチルフェニルポリシロキサン樹脂13重量部とクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点80℃、エポキシ当量220)13重量部からなるシリコーン-エポキシ樹脂に、参考例1で得られた重合体(1)2重量部、溶融石英粉末74重量部、アルミニウムアセチルアセトネート0.90重量部およびカルナウバワックス1重量部を配合して、これらを90℃の加熱ロールで混練して硬化性有機樹脂組成物を調製した。次いでこれを粉砕し、175℃、70kg/cm2の条件下で2分間トランスファモールド成形した。その後、180℃で12時間かけてポストキュアした。得られた硬化性有機樹脂組成物のスパイラルフローおよび硬化樹脂の接着性(A)を測定して、その結果を表3に示した。
【0038】
【比較例3】
実施例2において、重合体(2)の代わりに参考例3で得られた重合体(3)を使用した以外は実施例2と同様にして、硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例2と同様にして硬化させて、スパイラルフローおよび接着性(A)を測定した。その結果を表3に示した。
【0039】
【比較例4】
実施例2において、重合体(2)を添加しなかった以外は実施例2と同様にして硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例2と同様にして硬化させて、スパイラルフローおよび接着性(A)を測定した。その結果を表3に示した。
【0040】
【表3】
【0041】
【実施例4】
ビスマレイミド−トリアジン型の熱硬化性ポリイミド樹脂35重量部、参考例1で得られた重合体(1)4重量部、溶融石英粉末65重量部、カルナウバワックス1重量部および安息香酸アルミニウム0.32重量部を90℃の加熱ロールで混練して硬化性有機樹脂組成物を調製した。次いでこれを粉砕して、220℃、70kg/cm2の条件下で4分間トランスファモールド成形した。その後、230℃で3時間かけてポストキュアした。このようにして得られた硬化性有機樹脂組成物のスパイラルフローおよび硬化樹脂の接着性(A)を測定して、その結果を表4に示した。
【0042】
【比較例5】
実施例4において、重合体(1)を使用しなかった以外は実施例4と同様にして硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例4と同様にして硬化させて、スパイラルフローおよび接着性(A)を測定した。その結果を表4に示した。
【0043】
【表4】
【0044】
【実施例5】
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点80℃、エポキシ当量220)40重量部、ビフェニル型エポキシ樹脂(油化シェル社製;商品名YX-4000H、エポキシ当量195)20重量部、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製;商品名HP-7200H、エポキシ当量283)15重量部、溶融シリカ310重量部、カルナバウワックス1重量部、フェノールノボラック樹脂35重量部、トリフェニルフォスフィン0.6重量部および参考例2で得られた重合体(2)5重量部を90℃の加熱ロールで混練して、硬化性有機樹脂組成物を調製した。次いでこれを粉砕して、150℃、70kg/cm2の条件下で3分間トランスファモールド成形した。その後、180℃で4時間かけてポストキュアした。このようにして得られた硬化性有機樹脂組成物のスパイラルフローおよび硬化樹脂の接着性(A)を測定して、その結果を表5に示した。
【0045】
【比較例6】
実施例5において、重合体(2)の代わりに参考例5で得られた重合体(5)を使用した以外は実施例5と同様にして、硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例5と同様にして硬化させて、スパイラルフローおよび接着性(A)を測定した。その結果を表5に示した。
【0046】
【比較例7】
実施例5において、重合体(2)の代わりに、式:
【化14】
(式中、Aはグリシドキシプロピル基であり、Bは式:−(CH2CH2O)50(CHMeCH2O)50-Me基である。)で示される粘度2800mPa・sのポリエーテル変性シリコーンオイルを使用した以外は実施例5と同様にして、硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例5と同様にして硬化させて、スパイラルフローおよび接着性(A)を測定した。その結果を表5に示した。
【0047】
【比較例8】
実施例5において、重合体(2)を使用しなかった以外は実施例5と同様にして硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例5と同様にして硬化させて、スパイラルフローおよび接着性(A)を測定した。その結果を表5に示した。
【0048】
【比較例9】
実施例5において、重合体(2)の代わりに、シリコーンゴム粒子(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製;商品名トレフィルE-500,平均粒径3μm)4.8重量部と参考例3で得られた重合体(3)を0.2重量部使用した以外は実施例5と同様にして、硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例5と同様にして硬化させて、スパイラルフローおよび接着性(A)を測定した。その結果を表5に示した。
【0049】
【表5】
【0050】
【実施例6】
液状エポキシ樹脂(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサノンカルボキシレート)20重量部、液状酸無水物(3または4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物)22重量部、オクチル酸錫0.25重量部および参考例1で得られた重合体(1)2重量部を室温で均一に混合した後、脱泡して、硬化性有機樹脂組成物を調製した。次いで、この硬化性有機樹脂組成物を120℃で2時間加熱して硬化させた。その後、この硬化樹脂を150℃で3時間かけてポストキュアした。得られた硬化性有機樹脂組成物の粘度変化率および接着性(B)を測定して、その結果を表6に示した。
【0051】
【比較例10】
実施例6において、重合体(1)の代わりにγ−アミノプロピルトリメトキシシランを2重量部配合した以外は実施例6と同様にして、硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例6と同様にして硬化させた。得られた硬化性有機樹脂組成物の粘度変化率および接着性(B)を測定して、その結果を表6に示した。
【0052】
【比較例11】
実施例6において、重合体(1)の代わりにγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを2重量部配合した以外は実施例6と同様にして、硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例6と同様にして硬化させた。得られた硬化性有機樹脂組成物の粘度変化率および接着性(B)を測定して、その結果を表6に示した。
【0053】
【比較例12】
実施例6において、重合体(1)を配合しなかった以外は実施例6と同様にして硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例6と同様にして硬化させた。得られた硬化性有機樹脂組成物の粘度変化率および接着性(B)を測定して、その結果を表6に示した。
【0054】
【表6】
【0055】
【発明の効果】
本発明の硬化性有機樹脂組成物は上記(A)成分と(B)成分からなり、硬化前は流動性に優れ、硬化後は、基材に対する密着性や接着性に優れる硬化樹脂を形成するという特徴を有する。
Claims (12)
- (A)アルケニル基を含有しない硬化性有機樹脂と(B)ケイ素原子結合水素原子含有ビニルポリマーからなることを特徴とする硬化性有機樹脂組成物。
- (A)成分100重量部に対して(B)成分を0.01〜100重量部配合してなる、請求項1に記載の硬化性有機樹脂組成物。
- (A)成分が、エポキシ樹脂,シリコーン-エポキシ樹脂,イミド樹脂およびフェノール樹脂からなる群から選択される硬化性有機樹脂である請求項1または2に記載の硬化性有機樹脂組成物。
- (B)成分の25℃における粘度が100〜1000万mPa・sである請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性有機樹脂組成物。
- (B)成分が、(B−a)有機ケイ素化合物と(B−b)ビニル系モノマーの重合時に、メルカプト基とケイ素原子結合加水分解性基を含有するオルガノシラン化合物を配合したものである請求項5に記載の硬化性有機樹脂組成物。
- (B)成分中のメルカプト基とケイ素原子結合加水分解性基を含有するオルガノシラン化合物の含有率が0.1〜30重量%である請求項7に記載の硬化性有機樹脂組成物。
- (B)成分中の(B−a)有機ケイ素化合物の含有率が1〜99重量%である請求項5に記載の硬化性有機樹脂組成物。
- (B)成分中の(B−b)ビニル系モノマーが、エポキシ基,アミノ基,カルボキシ基あるいはメルカプト基を含有する有機化合物である請求項5に記載の硬化性有機樹脂組成物。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の硬化性有機樹脂組成物を硬化させて得られる硬化樹脂。
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