JP6120105B2 - 無機微粒子複合体とその製造方法、組成物及び硬化物 - Google Patents

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Description

本発明は、無機微粒子を長期間安定的に存在させることのできる無機微粒子複合体とその製造方法、及び該無機微粒子複合体を含有する組成物及び硬化物に関する。
有機ポリマーが有する加工性、柔軟性等の特性と、無機材料が持つ耐熱性、耐摩耗性等、表面硬度等の特性を付与することを目的として、無機微粒子と有機ポリマーに配合する検討が広く行われており、無機微粒子を配合した有機ポリマーは、ハードコート材料や耐熱材料として用いられている。
例えば、耐熱性や耐摩耗性といった、無機材料固有の特性を生かすような設計においては、極力小さい粒径の無機微粒子を高い濃度で配合することで、より高い複合化効果を期待することができる。粒径が小さいほど無機微粒子の重量当たりの表面積が大きくなり、有機ポリマーと無機材料との界面領域が広くなるためである。更に無機微粒子の濃度が高くなると、無機材料の特性をより強く出せることとなる。
このような有機ポリマーと無機微粒子との配合系は、塗工や取り扱いの観点から、液状の有機ポリマー、有機ポリマーの原料となるモノマー、あるいは有機溶媒等を使用し、塗料やインキ等の液状物で供与することが殆どである。一方、このような無機微粒子を分散媒に高い濃度で配合する場合、安定な分散液を得ることが難しく、製造作業上および得られる製品の価値に種々の問題を引き起こすことも知られている。すなわち、極めて粒径の小さい無機微粒子は表面活性が高いために2次凝集し、この2次凝集体による分散安定性の低下や、得られる塗膜物性が塗膜箇所で異なるといった物性の均一性に欠けるといった問題が生じ、ひいては造膜性や耐熱性や耐摩耗性といった性能が発揮できなくなるという課題があった。
シリカなどの無機微粒子を有機ポリマーへ分散させる技術としては例えば、カップリング剤で表面処理された無機微粒子を樹脂に分散させる方法(特許文献1参照)や、界面活性剤を使用して無機微粒子を分散させる方法(特許文献2参照)や、ラクトン変性カルボキシル基含有(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸のカプロラクトンとの混合物を使用して無機微粒子を分散させる方法(特許文献3参照)等が知られている。しかし、有機ポリマー中に微分散させたとしても、長期に保存すると無機微粒子が沈殿、凝集するという問題があった。
このような問題点を解決する為、本発明者らはポリシロキサンセグメントを有する樹脂を無機微粒子の分散剤として用いることで、25℃2か月という長期間分散安定性を得られることを見出した(特許文献4)。しかし、船便などの長期輸送や夏季保管といったように、実際の使用環境下では高気温における更なる長期保存安定性を想定する必要がある。
特公平7−98657号公報 特公平8−13938号公報 特開2000−281934号公報 国際公開第12/008415号パンフレット
本発明の課題は、無機微粒子が高気温時であっても長期にわたって分散状態で存在することのできる無機微粒子複合体を提供することにある。
更には、無機微粒子と樹脂が複合化することで、耐水性及び耐光性に優れ、更には基板密着性と耐摩耗性に優れたハードコート材料を提供することにある。
更には、無機微粒子と樹脂が複合化することで、透明性に優れ、熱履歴に対しても低線膨張率である耐熱材料を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、ポリシロキサンセグメント(a1)とビニル系重合体セグメントを有する複合樹脂(A)と無機微粒子(m)とが結合した無機微粒子複合体(M)が、高気温時であっても長期分散安定性に優れ、該無機微粒子複合体(M)を含有する組成物が、耐水性や耐摩耗性、耐熱性に優れることを見出した。
すなわち本発明は、
一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位とシラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)と、ビニル系重合体セグメント(a2)が、一般式(4)で表される結合により結合された複合樹脂(A)と、無機微粒子(m)とが、上記ポリシロキサンセグメント(a1)でシロキサン結合を介して結合していることを特徴とする、無機微粒子複合体(M)を提供することで、上記課題を解決する。
Figure 0006120105
(1)
Figure 0006120105
(2)
(一般式(1)及び(2)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、−R4−CH=CH2、−R4−C(CH3)=CH2、−R4−O−CO−C(CH3)=CH2、及び−R4−O−CO−CH=CH2、または下記式(3)で表される基からなる群から選ばれる重合性二重結合を有する基(但し、R4は単結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す。)
Figure 0006120105
(3)
(一般式(3)中、nは1から5で表される整数であり、構造Qは、−CH=CH2または−C(CH3)=CH2いずれかを表す)、
炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基、アリール基、炭素原子数が7〜12のアラルキル基、エポキシ基を表す)
Figure 0006120105

(4)
(一般式(4)中、炭素原子は前記ビニル系重合体セグメント(a2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合したケイ素原子は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の一部分を構成するものとする)
また、本発明は、上記複合樹脂(A)が、重合性二重結合を有する基を有するものである、無機微粒子複合体(M)を提供する。
また、本発明は、上記複合樹脂(A)が、エポキシ基を有するものである無機微粒子複合体(M)を提供する。
また、本発明は、無機微粒子(m)がシリカである無機微粒子複合体(M)を提供する。
また、本発明は、シラノール基を有するビニル系重合体セグメント(a2)を合成する工程1と、
アルコキシシランと無機微粒子(m)とを混合する工程2と、
アルコキシシランを縮合反応する工程3とを有することを特徴とする、無機微粒子複合体(M)の製造方法を提供する。
また本発明は、上記無機微粒子複合体(M)を含有する組成物、及び上記無機微粒子複合体(M)を含有するハードコート材料、及び上記無機微粒子複合体(M)を含有する耐熱材料を提供する。
また本発明は、上記無機微粒子複合体(M)を含有する組成物を硬化してなる硬化物、及び該硬化物を含有する積層体を提供する。
本発明の無機微粒子複合体(M)は、無機有機複合樹脂と無機微粒子(m)とが直接結合していることから、無機微粒子(m)が系中で均一に存在することが可能であり、なおかつ高気温時においても長期保存安定性が可能である。
また、樹脂と無機微粒子(m)が強固に結合していることから、本発明の無機微粒子複合体(M)は、耐水性、耐光性、耐摩耗性に特に優れるため、屋外におけるハードコート用塗料としての使用に適しており、建材塗料、自動車等運搬装置用塗料、樹脂ガラス保護膜、船底塗料等に好適に使用可能である。
また、本発明の無機微粒子複合体(M)は、樹脂と無機微粒子(m)が強固に結合していることから、熱履歴があっても線膨張率が低いことから寸法安定性に優れるため、高精度な電気・電子部材用の耐熱材料として特に好適に用いることが可能である。
本発明の無機微粒子複合体(M)とは、複合樹脂(A)と無機微粒子(m)がポリシロキサンセグメント(a1)を介して結合することを特徴とする。
〔複合樹脂(A)〕
本発明で使用する複合樹脂(A)は、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位とシラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)(以下単にポリシロキサンセグメント(a1)と称す)と、ビニル系重合体セグメント(a2)とが、前記一般式(4)で表される結合により結合された複合樹脂(A)であることを特徴とする。
〔複合樹脂(A) ポリシロキサンセグメント(a1)〕
本発明における複合樹脂(A)は、ポリシロキサンセグメント(a1)を有する。ポリシロキサンセグメント(a1)は、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するシラン化合物を縮合して得られるセグメントであって、一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有する。
該ポリシロキサンセグメント(a1)の含有率が複合樹脂(A)の全固形分量に対して10−90重量%であることで、後述の無機微粒子(m)と結合が容易になるため好ましい。
(一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位)
具体的には、本発明のポリシロキサンセグメントは、下記一般式(1)及び(2)で表される構造単位とシラノール基および/または加水分解性シリル基とを有する。
Figure 0006120105
(1)
Figure 0006120105
(2)
上記一般式(1)及び(2)におけるR1、R2及びR3は、それぞれ独立して、−R4−CH=CH2、−R4−C(CH3)=CH2、−R4−O−CO−C(CH3)=CH2、及び−R4−O−CO−CH=CH2、または下記式(3)で表される基からなる群から選ばれる重合性二重結合を有する基(但し、R4は単結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す)、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基、アリール基、炭素原子数が7〜12のアラルキル基、エポキシ基を表す。
Figure 0006120105
(3)
(一般式(3)中、nは1から5で表される整数であり、構造Qは、−CH=CH2または−C(CH3)=CH2いずれかを表す。)
前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位は、ケイ素の結合手のうち2または3つが架橋に関与した、三次元網目状のポリシロキサン構造単位である。三次元網目構造を形成しながらも密な網目構造を形成しないので、ゲル化等を生じることもなく保存安定性も良好となる。
前記一般式(1)及び(2)におけるR1、R2及びR3において、R4における前記炭素原子数が1〜6のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基、1−メチルブチレン基、2−メチルブチレン基、1,2−ジメチルプロピレン基、1−エチルプロピレン基、ヘキシレン基、イソヘシレン基、1−メチルペンチレン基、2−メチルペンチレン基、3−メチルペンチレン基、1,1−ジメチルブチレン基、1,2−ジメチルブチレン基、2,2−ジメチルブチレン基、1−エチルブチレン基、1,1,2−トリメチルプロピレン基、1,2,2−トリメチルプロピレン基、1−エチル−2−メチルプロピレン基、1−エチル−1−メチルプロピレン基等が挙げられる。中でもR4は、原料の入手の容易さから単結合または炭素原子数が2〜4のアルキレン基が好ましい。
また、前記炭素原子数が1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基等が挙げられる。
また、前記炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
また、前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基等が挙げられる。
また、前記炭素原子数が7〜12のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
また、前記R1、R2及びR3の少なくとも1つが前記重合性二重結合を有する基であると、活性エネルギー線等により硬化させることができ、活性エネルギー線、並びに、シラノール基及び/又は加水分解性シリル基の縮合反応の2つの硬化機構により、得られる硬化物の架橋密度が高くなり、より優れた耐摩耗性、低線膨張を有する硬化物を形成できる。
前記重合性二重結合を有する基は、ポリシロキサンセグメント(a1)中に2つ以上存在することが好ましく、3〜200個存在することがより好ましく、3〜50個存在することが更に好ましく、より線膨張の低い成形物を得ることができる。具体的には、前記ポリシロキサンセグメント(a1)中の重合性二重結合の含有率が3〜35重量%であれば、所望の線膨張率を得ることができる。尚、ここでいう重合性二重結合とは、ビニル基、ビニリデン基もしくはビニレン基のうち、フリーラジカルによる生長反応を行うことができる基の総称である。また、重合性二重結合の含有率とは、当該ビニル基、ビニリデン基もしくはビニレン基のポリシロキサンセグメント中における重量%を示すものである。
重合性二重結合を有する基としては、当該ビニル基、ビニリデン基、ビニレン基を含有してなる公知の全ての官能基を使用することができるが、中でも−R4−C(CH3)=CH2や−R4−O−CO−C(CH3)=CH2で表される(メタ)アクリロイル基は、紫外線硬化の際の反応性に富むことや、後述のビニル系重合体セグメント(a2)との相溶性が良好となる。
また、前記重合性二重結合を有する基が上記一般式(3)で表される基である場合、式中の構造Qは芳香環にビニル基が複数個結合してもよいことを示している。例えば、芳香環にQが2個結合している場合は、
Figure 0006120105
のような構造も含まれることを意味している。
当該スチリル基に代表されるような構造には酸素原子が含まれないため、酸素原子を基点とした酸化分解が起こりにくく、耐熱分解性が高いため、耐熱性が要求される用途に好適である。これは、嵩高い構造により酸化される反応が阻害されるためだと考えられる。また、耐熱性の向上には、−R4−CH=CH2、−R4−C(CH3)=CH2からなる群から選ばれる重合性二重結合を有する基を有することも好ましい。
また、本発明のポリシロキサンセグメント(a1)において、式中R1、R2及びR3の少なくとも1つがエポキシ基であると、熱硬化や活性エネルギー線硬化により硬化させることができ、エポキシ基、並びに、シラノール基及び/又は加水分解性シリル基の縮合反応の2つの硬化機構により、得られる硬化物の架橋密度が高くなり、より優れた低線膨張率を有する硬化物を形成できる。
(シラノール基および/または加水分解性シリル基)
本発明においてシラノール基とは、珪素原子に直接結合した水酸基を有する珪素含有基である。該シラノール基は具体的には、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位の、結合手を有する酸素原子が水素原子と結合して生じたシラノール基であることが好ましい。
また本発明において加水分解性シリル基とは、珪素原子に直接結合した加水分解性基を有する珪素含有基であり、具体的には、例えば、一般式(6)で表される基が挙げられる。
Figure 0006120105

(6)
(一般式(6)中、R5はアルキル基、アリール基又はアラルキル基等の1価の有機基を、R6はハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、フェノキシ基、アリールオキシ基、メルカプト基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、イミノオキシ基及びアルケニルオキシ基からなる群から選ばれる加水分解性基である。またbは0〜2の整数である。)
前記R5において、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基等が挙げられる。
またアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基等が挙げられる。
またアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
前記R6において、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、第二ブトキシ基、第三ブトキシ基等が挙げられる。
またアシロキシ基としては、例えば、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、ピバロイルオキシ、ペンタノイルオキシ、フェニルアセトキシ、アセトアセトキシ、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等が挙げられる。
またアリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ等が挙げられる。
アルケニルオキシ基としては、例えば、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、イソプロペニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基、3−ブテニルオキシ基、2−ペテニルオキシ基、3−メチル−3−ブテニルオキシ基、2−ヘキセニルオキシ基等が挙げられる。
前記R6で表される加水分解性基が加水分解されることにより、一般式(6)で表される加水分解性シリル基はシラノール基となる。加水分解性に優れることから、中でも、メトキシ基およびエトキシ基が好ましい。
また前記加水分解性シリル基は具体的には、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位の、結合手を有する酸素原子が前記加水分解性基と結合もしくは置換されている加水分解性シリル基であることが好ましい。
前記シラノール基や前記加水分解性シリル基は、シラノール基中の水酸基や加水分解性シリル基中の前記加水分解性基の間で加水分解縮合反応が進行するので、ポリシロキサン構造の架橋密度が高まり、耐摩耗性に優れ、低線膨張である硬化物を形成することができる。
また、前記シラノール基や前記加水分解性シリル基を含むポリシロキサンセグメント(a1)と後述のビニル系重合体セグメント(a2)とを、前記一般式(3)で表される結合を介して結合させる際に使用する。
(その他の基)
ポリシロキサンセグメント(a1)は、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有する以外は特に限定はなく、他の基を含んでいてもよい。例えば、
前記一般式(1)におけるR1が前記重合性二重結合を有する基である構造単位と、前記一般式(1)におけるR1がメチル等のアルキル基である構造単位とが共存したポリシロキサンセグメント(a1)であってもよいし、
前記一般式(1)におけるR1が前記重合性二重結合を有する基である構造単位と、前記一般式(1)におけるR1がメチル基等のアルキル基である構造単位と、前記一般式(2)におけるR2及びR3がメチル基等のアルキル基である構造単位とが共存したポリシロキサンセグメント(a1)であってもよいし、
前記一般式(1)におけるR1が前記重合性二重結合を有する基である構造単位と、前記一般式(2)におけるR2及びR3がメチル基等のアルキル基である構造単位とが共存したポリシロキサンセグメント(a1)であってもよいし、特に限定はない。
〔複合樹脂(A) ビニル系重合体セグメント(a2)〕
本発明におけるビニル系重合体セグメント(a2)とは、ビニル基または(メタ)アクリル基含有モノマーを重合して得られる重合体セグメントであって、ビニル重合体セグメント、アクリル重合体セグメント、ビニル/アクリル共重合体セグメント等が挙げられ、これらは用途により適宜選択することが好ましい。本発明の無機微粒子複合体は、ビニル系重合体セグメント(a2)を有するため、無機微粒子を配合していても造膜性に優れる。
例えば、アクリル重合体セグメントは、汎用の(メタ)アクリルモノマーを重合または共重合させて得られる。(メタ)アクリルモノマーとしては特に限定はなく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の炭素原子数が1〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート類;ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート等のω−アルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;クロトン酸メチル、クロトン酸エチル等のクロトン酸のアルキルエステル類;ジメチルマレート、ジ−n−ブチルマレート、ジメチルフマレート、ジメチルイタコネート等の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル類等が挙げられる。
例えば、ビニル重合体セグメントとしては具体的には芳香族ビニル重合体セグメント、ポリオレフィン重合体、フルオロオレフィン重合体等が挙げられ、それらの共重合体でも構わない。これらビニル重合体を得るためには、ビニル基含有モノマーを重合すればよく、具体的にはエチレン、プロピレン、1,3−ブタジエン、シクロペンチルエチレン、等のα−オレフィン類;スチレン、1−エチニル−4−メチルベンゼン、ジビニルベンゼン、1−エチニル−4−メチルエチルベンゼン、ベンゾニトリル、アクリロニトリル、p−tert−ブチルスチレン、4−ビニルビフェニル、4−エチニルベンジルアルコール、2−エチニルナフタレン、フェナントレン−9−エチニル、等の芳香環を有するビニル化合物;フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン等のフルオロオレフィン類等、が好適に使用できる。更に好ましくは、芳香環を有するビニル化合物である、スチレン、p−tert−ブチルスチレンである。
また、(メタ)アクリルモノマーとビニル基含有モノマーを共重合させて得られるビニル/アクリル共重合体セグメントであってもかまわない。
前記モノマーを共重合させる際の重合方法、溶剤、あるいは重合開始剤にも特に限定はなく、公知の方法によりビニル系重合体セグメント(a2)を得ることができる。例えば、塊状ラジカル重合法、溶液ラジカル重合法、非水分散ラジカル重合法等の種々の重合法により、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート等の重合開始剤を使用してビニル系重合体セグメント(a2)を得ることができる。
前記ビニル系重合体セグメント(a2)の数平均分子量としては、数平均分子量(以下Mnと略す)に換算して500〜200,000の範囲であることが好ましく、前記複合樹脂(A)を製造する際の増粘やゲル化を防止でき、且つ耐久性に優れる。Mnは中でも700〜100,000の範囲がより好ましく、1,000〜50,000の範囲がさらに好ましい。
また前記ビニル系重合体セグメント(a2)は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)と一般式(4)で表される結合により結合された複合樹脂(A)とするために、ビニル系重合体セグメント(a2)中に、炭素原子に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を有する。これらのシラノール基および/または加水分解性シリル基は、複合樹脂(A)中において一般式(4)で表される結合となってしまうために、最終生成物である複合樹脂(A)中のビニル系重合体セグメント(a2)には殆ど存在しない。しかしながらビニル系重合体セグメント(a2)にシラノール基および/または加水分解性シリル基が残存していても何ら問題はなく、本複合樹脂(A)を含有する無機微粒子複合体(M)硬化させる際、シラノール基中の水酸基や加水分解性シリル基中の前記加水分解性基の間で加水分解縮合反応が進行するので、得られる硬化物のポリシロキサン構造の架橋密度が高まり、耐熱性及び耐摩耗性に優れた硬化物を形成することができる。
炭素原子に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基をビニル系重合体セグメント(a2)に導入するには、具体的には、ビニル系重合体セグメント(a2)を重合する際に、ビニル基重合モノマー及び(メタ)アクリルモノマーに対し、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系モノマーを併用すればよい。
炭素原子に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系モノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン等が挙げられる。中でも、加水分解反応を容易に進行でき、また反応後の副生成物を容易に除去することができることからビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
本発明のビニル系重合体セグメント(a2)は、各種官能基を有していてもよい。例えば重合性二重結合を有する基、エポキシ基、アルコール性水酸基等であり、導入するには該当する官能基を有するビニル系モノマーを重合時に配合すればよい。
エポキシ基を有するビニル系モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、ビニルシクロヘキセンオキシド、グリシジルビニルエーテル、メチルグリシジルビニルエーテルもしくはアリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
アルコール水酸基を有するビニル系モノマーとしては、例えば、(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレート、モノ−2−ヒドロキシエチルモノブチルフマレート、ポリエチレングルコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、「プラクセルFMもしくはプラクセルFA」〔ダイセル化学(株)製のカプロラクトン付加モノマー〕等の各種α、β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類、またはこれらとε−カプロラクトンとの付加物、等が挙げられる。
〔無機微粒子(m)〕
本発明の無機微粒子複合体(M)は、複合樹脂(A)と無機微粒子複合体(M)が、上記ポリシロキサンセグメント(a1)でシロキサン結合を介して結合していることを特徴とするものである。
本発明で使用する無機微粒子(m)は、本発明の効果を損なわなければとくに限定は無いが、ポリシロキサンセグメント(a1)とシロキサン結合を介して結合する為、シロキサン結合を形成しうる官能基を有する。
シロキサン結合を形成しうる官能基とは、水酸基、シラノール基、アルコキシシリル基等、シロキサン結合を形成しうる官能基であれば何でも良い。シロキサン結合を形成しうる無機微粒子(m)自身が有しているか、無機微粒子(m)を修飾することで官能基を導入してもよい。
無機微粒子(m)の修飾方法としては、公知慣用の方法を用いればよく、シランカップリング剤処理や、シロキサン結合を形成しうる官能基を有する樹脂でコーティングを行う等の方法がある。
無機微粒子(m)としては、例えば、耐熱性に優れるものとしては、アルミナ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、シリカ(石英、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカ等)等;熱伝導性に優れるものとしては、窒化ホウ素、窒化アルミ、酸化アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素等;導電性に優れるものとしては、金属単体又は合金(例えば、鉄、銅、マグネシウム、アルミニウム、金、銀、白金、亜鉛、マンガン、ステンレスなど)を用いた金属フィラー及び/又は金属被覆フィラー、;バリア性に優れるものとしては、マイカ、クレイ、カオリン、タルク、ゼオライト、ウォラストナイト、スメクタイト等の鉱物等やチタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、セピオライト、ゾノライト、ホウ酸アルミニウム、酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム;屈折率が高いものとしては、チタン酸バリウム、酸化ジルコニア、酸化チタン等;光触媒性を示すものとしては、チタン、セリウム、亜鉛、銅、アルミニウム、錫、インジウム、リン、炭素、イオウ、テリウム、ニッケル、鉄、コバルト、銀、モリブデン、ストロンチウム、クロム、バリウム、鉛等の光触媒金属、前記金属の複合物、それらの酸化物等;耐摩耗性に優れるものとしては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、マグネシウム等の金属、及びそれらの複合物及び酸化物等;導電性に優れるものとしては、銀、銅などの金属、酸化錫、酸化インジウム等;絶縁性に優れるものとしては、シリカ等;紫外線遮蔽に優れるものとしては、酸化チタン、酸化亜鉛等である。
これらの無機微粒子(m)は、用途によって適時選択すればよく、単独で使用しても、複数種組み合わせて使用してもかまわない。また、上記無機微粒子(m)は、例に挙げた特製以外にも様々な特性を有することから、適時用途に合わせて選択すればよい。
例えば無機微粒子(m)としてシリカを用いる場合、特に限定はなく粉末状のシリカやコロイダルシリカなど公知のシリカ微粒子を使用することができる。市販の粉末状のシリカ微粒子としては、例えば、日本アエロジル(株)製アエロジル50、200、旭硝子(株)製シルデックスH31、H32、H51、H52、H121、H122、日本シリカ工業(株)製E220A、E220、富士シリシア(株)製SYLYSIA470、日本板硝子(株)製SGフレ−ク等を挙げることができる。
また、市販のコロイダルシリカとしては、例えば、日産化学工業(株)製メタノ−ルシリカゾル、IPA−ST、PGM−ST、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−UP、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL等を挙げることができる。
表面修飾をしたシリカ微粒子を用いてもよく、例えば、前記シリカ微粒子を、疎水性基を有する反応性シランカップリング剤で表面処理したものや、(メタ)アクリロイル基を有する化合物で修飾したものがあげられる。(メタ)アクリロイル基を有する化合物で修飾した市販の粉末状のシリカとしては、日本アエロジル(株)製アエロジルRM50、R7200、R711等、(メタ)アクリロイル基を有する化合物で修飾した市販のコロイダルシリカとしては、日産化学工業(株)製MIBK−SD、MEK−SD、等、疎水性基を有する反応性シランカップリング剤で表面処理したコロイダルシリカとしては、日産化学工業(株)製MIBK−ST、MEK−ST等が挙げられる。
前記シリカ微粒子の形状は特に限定はなく、球状、中空状、多孔質状、棒状、板状、繊維状、または不定形状のものを用いることができる。例えば、市販の中空状シリカ微粒子としては、日鉄鉱業(株)製シリナックス等を用いることができる。
酸化チタン微粒子としては、体質顔料のみならず紫外光応答型光触媒が使用でき、例えばアナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタンなどが使用できる。更に、酸化チタンの結晶構造中に異種元素をドーピングさせて可視光に応答させるように設計された粒子についても用いることができる。酸化チタンにドーピングさせる元素としては、窒素、硫黄、炭素、フッ素、リン等のアニオン元素や、クロム、鉄、コバルト、マンガン等のカチオン元素が好適に用いられる。また、形態としては、粉末、有機溶媒中もしくは水中に分散させたゾルもしくはスラリーを用いることができる。市販の粉末状の酸化チタン微粒子としては、例えば、日本アエロジル(株)製アエロジルP−25、テイカ(株)製ATM−100等を挙げることができる。また、市販のスラリー状の酸化チタン微粒子としては、例えば、テイカ(株)TKD−701等が挙げられる。
本発明の無機微粒子(m)において、一次粒子径は、5〜200nmの範囲が好ましい。5nm以上であると、分散体中の無機微粒子(m)が分散良好となり、200nm以内の径であれば、硬化物の強度が良好となる。より好ましくは10nm〜100nmである。尚ここでいう「粒径」とは、走査型電子顕微鏡(TEM)などを用いて測定される。
本発明の無機微粒子複合体(M)において、無機微粒子(m)は無機微粒子複合体(M)固形分全量に対しての5〜90重量%の割合で配合でき、用途に応じて配合量を適時変更すればよい。
例えば耐熱材料の場合、低線膨張率と硬化物の高強度を両立させるためには、前記シリカ微粒子は5〜90重量%であることが好ましく、線膨張係数をより低下させるためには20〜90重量%の割合で添加することがより好ましく、更に好ましくは50〜90重量%である。
また、例えばハードコート塗料の場合、耐摩耗性と基板密着性を両立させるためには5〜90重量%が好ましく、耐摩耗性をより向上させるためには5〜60重量%であることが特に好ましい。
〔無機微粒子複合体(M)の製造方法〕
本発明の無機微粒子複合体(M)は、炭素原子に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を有するビニル系重合体セグメント(a2)を合成する工程1と、アルコキシシランと無機微粒子(m)とを混合する工程2と、アルコキシシランを縮合反応する工程3とを有することを特徴とする製造方法によって得ることができる。この時、各工程は別々に行ってもよく、同時に行ってもかまわない。例えば、次のような方法で製造することができる。
<方法1> 工程1で得られる炭素原子に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を有するビニル系重合体セグメント(a2)と、シラノール基および/または加水分解性シリル基含有シラン化合物と無機微粒子(m)とを工程2で同時に混合し、この混合物を工程3においてシラノール基および/または加水分解性シリル基含有シラン化合物の縮合を行い、ポリシロキサンセグメント(a1)の形成と、ビニル系重合体セグメント(a2)及び無機微粒子(m)との結合を形成する方法。
<方法2> シラノール基および/または加水分解性シリル基含有シラン化合物と無機微粒子(m)とを工程2で混合し、工程3においてシラノール基および/または加水分解性シリル基含有シラン化合物の縮合を行い、ポリシロキサンセグメント(a1)の形成と無機微粒子結合を形成したうえで、工程1で得られるシラノール基および/または加水分解性シリル基を有するビニル系重合体セグメント(a2)とポリシロキサンセグメント(a1)無機微粒子(m)とを再び工程3にて加水分解縮合させることで結合を形成する方法。
次に、工程1、工程2、工程3について具体的に説明する。
工程1とは、炭素原子に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を有するビニル系重合体セグメント(a2)を合成する工程である。炭素原子に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基をビニル系重合体セグメント(a2)に導入するには、具体的には、ビニル系重合体セグメント(a2)を重合する際に、ビニル基重合モノマー及び(メタ)アクリルモノマーに対し、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系モノマーを併用すればよい。
。さらにこの後、上記ビニル系重合体セグメント(a2)にシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するシラン化合物を加水分解縮合することで、炭素原子に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基に対し、ポリシロキサンセグメント前駆体を結合させておいても良い。
工程2とは、シラノール基および/または加水分解性シリル基含有シラン化合物と無機微粒子(m)とを混合する工程である。シラン化合物としては後述する汎用のシラノール基および/または加水分解性シリル基含有シラン化合物を使用できる。このとき、ポリシロキサンセグメントに導入したい基がある場合は、導入したい基を有するシラン化合物を併用する。例えばアリール基を導入する場合は、アリール基とシラノール基および/または加水分解性シリル基とを併有するシラン化合物を適宜併用すればよい。また重合性二重結合を有する基を導入する場合は、重合性二重結合を有する基とシラノール基および/または加水分解性シリル基とを併有するシラン化合物を併用すればよい。生成するポリシロキサン中にエポキシ基を導入するためには、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを併有するエポキシ基含有シラン化合物を同時に使用すればよい。
混合には、公知の分散方法を使用することができる。機械的手段としては、例えば、ディスパー、タービン翼等攪拌翼を有する分散機、ペイントシェイカー、ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等が挙げられ、均一に混合させるためにはガラスビーズ、ジルコニアビーズ等の分散メディアを使用するビーズミルによる分散が好ましい。
前記ビーズミルとしては、例えば、アシザワ・ファインテック(株)製のスターミル;三井鉱山(株)製のMSC−MILL、SC−MILL、アトライタ MA01SC;浅田鉄工(株)のナノグレンミル、ピコグレンミル、ピュアグレンミル、メガキャッパーグレンミル、セラパワーグレンミル、デュアルグレンミル、ADミル、ツインADミル、バスケットミル、ツインバスケットミル:寿工業(株)製のアペックスミル、ウルトラアペックスミル、スーパーアペックスミル等が挙げられる。
工程3とは、シラノール基および/または加水分解性シリル基含有シラン化合物を縮合反応する工程である。本工程3によって、シラノール基および/または加水分解性シリル基含有シラン化合物が縮合し、シロキサン結合が生成する。
前述のポリシロキサンセグメント(a1)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基と、前述のビニル系重合体セグメント(a2)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とを脱水縮合反応する場合、前記一般式(4)で表される結合が生じる。従って前記一般式(4)中、炭素原子は前記ビニル系重合体セグメント(a2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合したケイ素原子は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の一部分を構成するものとする。
また、シラノール基および/または加水分解性シリル基含有シラン化合物と無機微粒子(m)を混合した状態で縮合することで、シラノール基および/または加水分解性シリル基含有シラン化合物と無機微粒子(m)の間でシロキサン結合が形成され、ポリシロキサンセグメント(a1)と無機微粒子(m)が化学的に結合する。
複合樹脂(A)において、ポリシロキサンセグメント(a1)とビニル重合体セグメント(a2)との結合位置は、任意であり、例えば、前記ポリシロキサンセグメント(a1)が前記重合体セグメント(a2)の側鎖として化学的に結合したグラフト構造を有する複合樹脂や、前記重合体セグメント(a2)と前記ポリシロキサンセグメント(a1)とが化学的に結合したブロック構造を有する複合樹脂等が挙げられる。
前記工程1〜工程3で使用するシラノール基および/または加水分解性シリル基含有シラン化合物としては、汎用のシラン化合物が使用可能である。例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、iso−ブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等の各種のオルガノトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、メチルシクロヘキシルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等の、各種のジオルガノジアルコキシシラン類;メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシランもしくは等のクロロシラン類が挙げられる。
また、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランもしくはテトラn−プロポキシシランなどの4官能アルコキシシラン化合物や該4官能アルコキシシラン化合物の部分加水分解縮合物を、本発明の効果を損なわない範囲で併用することもできる。前記4官能アルコキシシラン化合物又はその部分加水分解縮合物を併用する場合には、前記ポリシロキサンセグメント(a1)を構成する全珪素原子に対して、該4官能アルコキシシラン化合物の有する珪素原子が、20モル%を超えない範囲となるように併用することが好ましい。
また、前記シラン化合物には、ホウ素、チタン、ジルコニウムあるいはアルミニウムなどの珪素原子以外の金属アルコキシド化合物を、本発明の効果を損なわない範囲で併用することもできる。例えば、ポリシロキサンセグメント(a1)を構成する全珪素原子に対して、上述の金属アルコキシド化合物の有する金属原子が、25モル%を超えない範囲で、併用することが好ましい。
例えば耐熱材料として用いる場合、ポリシロキサンセグメント(a1)を形成するときに使用するシラノール基および/または加水分解性シリル基含有シラン化合物中において、炭素原子数が1〜4のアルキル基を有するモノアルキルトリアルコキシシランが40モル%以上であると、ポリシロキサンセグメント(a1)の加水分解縮合が進行しやすく、結合がより強固になるため好ましい。結合がより強固になることから、得られる耐熱材料および耐熱部材の線膨張率が低くなるためである。モノアルキルトリアルコキシシランにおいて、アルコキシ基の炭素原子数が1〜4であると好ましく、アルキル基の炭素原子数が1〜2であると、より好ましい。
炭素原子数が1〜4のアルキル基を有するモノアルキルトリアルコキシシランとしては、具体的には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−
n−ブトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシランもしくはブチルトリエトキシシラン等が挙げられ、好ましくはメチルトリメトキシシランである。
また、重合性二重結合を有する基を導入する際に使用する重合性二重結合を有する基とシラノール基および/または加水分解性シリル基とを併有するシラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン等を併用する。中でも、加水分解反応を容易に進行でき、また反応後の副生成物を容易に除去することができることからビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
また、ポリシロキサンセグメント(a1)にエポキシ基を導入するには、エポキシ基含有シラン化合物を使用すればよい。エポキシ基含有シラン化合物としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアセトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシエトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジエトキシメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシエトキシメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジアセトキシメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシエトキシメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジアセトキシメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジエトキシエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシエトキシエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジアセトキシエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシエトキシエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジアセトキシエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルジエトキシイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシエトキシイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルジアセトキシイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシエトキシイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジアセトキシイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルエトキシジメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシエトキシジメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシジメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシジメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルエトキシジメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシエトキシジメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルアセトキシジメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシジエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシエトキシジエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシジエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシジエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルエトキシジエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシエトキシジエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルアセトキシジエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシジイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルエトキシジイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシエトキシジイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシジイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシジイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルエトキシジイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシエトキシジイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルアセトキシジイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシエトキシメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシメトキシメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシエトキシメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシエトキシメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシアセトキシメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルエトキシアセトキシメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシエトキシエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシメトキシエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシエトキシエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシエトキシエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシアセトキシエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルエトキシアセトキシエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシエトキシイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシメトキシイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシエトキシイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシエトキシイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシアセトキシイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルエトキシアセトキシイソプロピルシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシメチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシメチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン等が挙げられる。
また、ポリシロキサンセグメント(a1)に式(3)で表される基を導入するには、式(3)で表される基を有するシラン化合物を用いればよい。式(3)で表される基を有するシラン化合物の具体例としては、p−スチリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン、が挙げられる。
工程2において、無機微粒子(m)と混合させるシラノール基および/または加水分解性シリル基含有シラン化合物の一部またはすべてが加水分解縮合されていても良い。
さらに、固形分量や粘度を調製する目的として、分散媒を使用してもよい。分散媒としては、本発明の効果を損ねることのない液状媒体であればよく、各種有機溶剤や水、液状有機ポリマーおよびモノマーが挙げられる。
前記有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソラン等の環状エーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族類、カルビトール、セロソルブ、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ノルマルプロピルアルコールなどのアルコール類が挙げられ、これらを単独又は併用して使用可能である。
〔組成物〕
本発明における組成物とは、無機微粒子複合体(M)を含有する組成物であり、樹脂を配合して樹脂組成物とすることができる。
樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられ、反応性化合物を含有してもかまわない
(反応性化合物)
本発明で使用できる反応性化合物としては、無機微粒子複合体(M)との硬化反応に直接寄与する反応性基を有するポリマーまたはモノマーを使用することができる。本発明の無機微粒子複合体(M)が反応性基を有する場合、該反応性基と反応する基を有する反応性化合物を使用した無機微粒子複合体(M)含有樹組成物は、無機微粒子複合体(M)と反応性化合物とが3次元架橋するため、硬化物からのブリードアウトや可塑化の問題もなく、特に耐候性や耐磨耗性に優れる硬化物が得られる。
また、反応性化合物としてポリイソシアネートを使用する場合は、前記複合樹脂(A)における前記ビニル系重合体セグメント(a2)がアルコール性水酸基を有することが好ましい。その際のポリイソシアネートは、本発明の無機微粒子複合体全量に対して5〜50重量%含有させることが好ましい。ポリイソシアネートを該範囲含有させることで、特に屋外における長期耐候性(具体的には耐クラック性)が特に優れる硬化物が得られる。これは、ポリイソシアネートと系中の水酸基(これは、前記ビニル系重合体セグメント(a2)中の水酸基や後述のアルコール性水酸基を有する活性エネルギー線硬化性モノマー中の水酸基である)とが反応して、ソフトセグメントであるウレタン結合が形成され、重合性二重結合由来の硬化による応力の集中を緩和させる働きをするのではと推定している。
使用するポリイソシアネートとしては特に限定はなく公知のものを使用することができるが、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類や、メタ−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル−メタ−キシリレンジイソシアネート等のアラルキルジイソシアネート類を主原料とするポリイソシアネートは、長期屋外曝露での硬化塗膜が黄変するという問題点が生じるため使用量を最小限にすることが好ましい。
前記ポリイソシアネート中のイソシアネート基は、3〜30重量%であることが、塗料として使用した場合の得られる硬化塗膜の耐クラック性と耐磨耗性の点から好ましい。前記ポリイソシアネート中のイソシアネート基が30%を超えて多い場合、ポリイソシアネートの分子量が小さくなり、応力緩和による耐クラック性が発現しなくなるおそれがある。
ポリイソシアネートと系中の水酸基(これは、前記ビニル系重合体セグメント(a2)中の水酸基や後述のアルコール性水酸基を有する前記活性エネルギー線硬化性モノマー中の水酸基である)との反応は、特に加熱等は必要なく、室温に放置することで徐徐に反応していく。また必要に応じて、80℃で数分間〜数時間(20分〜4時間)加熱して、アルコール性水酸基とイソシアネートの反応を促進してもよい。その場合は、必要に応じて公知のウレタン化触媒を使用してもよい。ウレタン化触媒は、所望する反応温度に応じて適宜選択する。
また、反応性化合物として活性エネルギー線硬化性モノマーを使用する場合は、ビニル系反応基を複数有することを特徴とする多官能ビニル系モノマーを含有するのが好ましい。多官能ビニル系モノマーとしては特に限定は無く、多官能ビニルモノマーや多官能(メタ)アクリルモノマーといった公知のものを使用することができる。例えば、1,2−エタンジオールジアクリレート、1,2−プロパンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシ)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ペンタアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ヘキサアクリレート等の1分子中に2個以上の重合性2重結合を有する多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等も多官能アクリレートとして例示することができる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
例えば、前述のポリイソシアネートを併用する場合には、ペンタエリスリトールトリアクリレートやジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の水酸基を有するアクリレートが好ましい。また、架橋密度をより高めるために、ジ(ペンタエリスリトール)ペンタアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ヘキサアクリレート等の特に官能基数の高い(メタ)アクリレートを使用することも有効である。
また、耐摩耗性を向上させる目的として、イソシアヌレート構造を有する多価(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、具体的にはトリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、εカプロラクトン変性トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート等が挙げられる。
また、単官能ビニル系モノマーを併用することもできる。例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート(例えばダイセル化学工業(株)製商品名「プラクセル」)、フタル酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート、コハク酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、各種エポキシエステルの(メタ)アクリル酸付加物、等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、などのカルボキシル基含有ビニル単量体;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレートなどのスルホン酸基含有ビニル単量体;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロ−プロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルフェニルりん酸などの酸性りん酸エステル系ビニル単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのメチロール基を有するビニル単量体等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
エポキシ基を含有する場合の反応性化合物としては、エポキシ樹脂用の公知の硬化剤を用いることができ、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂(ザイロック樹脂)、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミン、ベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール化合物)やアルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂(ホルムアルデヒドでフェノール核及びアルコキシ基含有芳香環が連結された多価フェノール化合物)等のフェノール系化合物;無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物系化合物;ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等のアミド系化合物;ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ−ル、BF3−アミン錯体、グアニジン誘導体等のアミン系化合物等が挙げられる。
また必要に応じて上記反応性化合物に加え、硬化促進剤を適宜併用することもできる。硬化促進剤としては種々のものが使用できるが、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。特に硬化性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性等に優れる点から、イミダゾール化合物では2−エチル−4−メチルイミダゾール、リン系化合物ではトリフェニルフォスフィン、第3級アミンでは1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセン(DBU)が好ましい。
前記反応性化合物を用いる場合の使用量としては、前記無機微粒子複合体を含有する樹脂組成文中の全固形分量に対して1〜85重量%が好ましく、5〜80重量%がより好ましい。前記反応性化合物を前記範囲内で使用することによって、得られる層の硬度等の物性を改善することができる。
〔その他の配合物〕
本発明の無機微粒子複合体(M)を含有する組成物は、組成物の固形分量や粘度を調製する目的として、分散媒を使用してもよい。
分散媒としては、本発明の効果を損ねることのない液状媒体であればよく、各種水性溶媒、有機溶剤、液状有機ポリマー等が挙げられる。
前記有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソラン等の環状エーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族類、カルビトール、セロソルブ、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ノルマルプロピルアルコールなどのアルコール類が挙げられ、これらを単独又は併用して使用可能であるが、中でもメチルエチルケトンが塗工時の揮発性や溶媒回収の面から好ましい。
前記液状有機ポリマーとは、硬化反応に直接寄与しない液状有機ポリマーであり、例えば、カルボキシル基含有ポリマー変性物(フローレンG−900、NC−500:共栄社)、アクリルポリマー(フローレンWK−20:共栄社)、特殊変性燐酸エステルのアミン塩(HIPLAAD ED−251:楠本化成)、変性アクリル系ブロック共重合物(DISPERBYK2000;ビックケミー)などが挙げられる。
本発明の組成物は、触媒、重合開始剤、有機フィラー、無機フィラー、有機溶剤、無機顔料、有機顔料、体質顔料、粘土鉱物、ワックス、界面活性剤、安定剤、流動調製剤、染料、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤等を
〔硬化〕
本発明の無機微粒子複合体(M)を含有する組成物は、そのまま使用することが可能であるが、硬化させて硬化物として使用することもできる。硬化方法は、無機微粒子複合体(M)の有する硬化可能な構造によって、公知慣用の硬化方法を選択すればよい。
〔熱硬化〕
本発明の無機微粒子複合体(M)の有するポリシロキサンセグメント(a1)が有する、シラノール基および/または加水分解性シリル基を介して硬化させる場合には、熱硬化を行えばよい。熱硬化では単独で加熱し硬化させることも可能であるが、以下のような公知な硬化触媒を併用することも可能である。例えば、塩酸、硫酸、燐酸等の無機酸類;p−トルエンスルホン酸、燐酸モノイソプロピル、酢酸等の有機酸類;水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等の無機塩基類;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン酸エステル類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、モノエタノールアミン、イミダゾール、1−メチルイミダゾール等の各種の塩基性窒素原子を含有する化合物類;テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩等の各種の4級アンモニウム塩類であって、対アニオンとして、クロライド、ブロマイド、カルボキシレートもしくはハイドロオキサイドなどを有する4級アンモニウム塩類;ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、オクチル酸錫又はステアリン酸錫など錫カルボン酸塩等が挙げられる。触媒は単独で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
また、ビニル系重合体セグメント(a2)がアルコール性水酸基を含有し、更に組成物がイソシアネート基含有化合物を含有する場合には、触媒を添加することでウレタン化反応を起こすことができる。
また、ビニル系重合体セグメント(a2)またはポリシロキサンセグメント(a1)が重合性二重結合を有する基を有する場合には、熱重合開始剤を使用することで、反応させることができる。
また、ビニル系重合体セグメント(a2)またはポリシロキサンセグメント(a1)がエポキシ基を有する場合には、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基または酸無水物、またはアミド基を有する化合物を配合することで、反応させることができ、汎用のエポキシ樹脂用硬化剤が使用可能である。
また、熱硬化性樹脂を併用することも可能である。熱硬化性樹脂としては、ビニル系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、エポキシエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、石油樹脂、ケトン樹脂、シリコン樹脂あるいはこれらの変性樹脂等が挙げられる。
〔光硬化〕
本発明の無機微粒子複合体(M)において、ビニル系重合体セグメント(a2)またはポリシロキサンセグメント(a1)が重合性不飽和基を有する場合には、耐熱材料に光重合開始剤を配合することで、光硬化することが可能である。光硬化としては、紫外線硬化が好ましい。
光重合開始剤としては公知のものを使用すればよく、例えば、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、ベンゾフェノン類からなる群から選ばれる一種以上を好ましく用いることができる。前記アセトフェノン類としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン等が挙げられる。前記ベンジルケタール類としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。前記ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。前記ベンゾイン類等としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。光重合開始剤は単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。
紫外線硬化させる場合は、必要に応じて多官能(メタ)アクリレートを配合してもよく、硬化密度が向上する為、耐熱性が向上する。また、単官能(メタ)アクリレートを使用してもかまわない。
紫外線硬化させる際に使用する光は、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、アルゴンレーザー、ヘリウム・カドミウムレーザー、紫外線発光ダイオード等を使用することができる。
〔ハードコート材料〕
本発明の無機微粒子複合体(M)を含有する組成物は、無機微粒子(m)と樹脂が強固に結合しており分散安定性に優れることから、ハードコート材料として好適に使用可能である。
ハードコート性を高めるため、例えばシリカを樹脂に配合した塗膜の場合、シリカが親水性であることから、シリカ部分から塗膜が水分によって浸食され劣化するという問題があったが、本発明の無機微粒子複合体(M)は、無機微粒子(m)と樹脂が強固に結合していることから耐水性に優れるため、屋外で使用する建築材料や自動車関連部材に好適に使用可能である。
本発明のハードコート材料において、無機微粒子複合体(M)における前記複合樹脂(A)において、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の含有率が、複合樹脂(A)の全固形分量に対して10〜90重量%であると、複合樹脂(A)自体が耐水性、耐候性、耐摩耗性に優れるため好ましい。
本発明のハードコート材料において、無機微粒子複合体(M)における前記複合樹脂(A)において、ビニル系重合体セグメント(a2)の水酸基価(OHv)が、65mgKOH/g以下であると、耐水性に優れるため好ましく、より好ましくは45mgKOH/g以下の場合である。また、同様に水酸基価が65mgKOH/g以下であると、耐熱試験後のプラスチック基材、好ましくはポリカーボネートに対する密着性に優れるため好ましく、より好ましくは45mgKOH/g以下の場合である。
また、本発明のハードコート材料において、ビニル系重合体セグメント(a2)を構成するビニル系モノマーにおいて、シクロヘキシル(メタ)アクリレートを用いると、基材特にプラスチック基材、好ましくはポリカーボネートに対する密着性が向上するため好ましい。この時、シクロヘキシル(メタ)アクリレートは、ビニル系重合体セグメント(a2)を構成するビニル系モノマー中、20−75重量%が好ましく、より好ましくは50−75重量%である。
本発明のハードコート材料において、無機微粒子複合体(M)における無機微粒子(m)は、無機微粒子複合体(M)固形分全量に対して5−90重量%の割合が好ましく、耐摩耗性の一つの指標である耐テーバー摩耗性を向上させるためには、好ましくは5〜60重量%である。
また、結合していない無機微粒子として、アルミナ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、シリカ等を別途配合してもかまわない。
本発明のハードコート材料においては、反応性化合物を併用することが好ましく、特に好ましくは多官能(メタ)アクリレートである。多官能アクリレートを用いる場合の使用量としては、前記無機微粒子複合体(M)を含有するハードコート材料の全固形分量に対して1〜85重量%が好ましく、5〜80重量%がより好ましい。前記多官能アクリレートを前記範囲内で使用することによって、得られる層の硬度等の物性を改善することができる。
(ハードコート硬化物)
本発明のハードコート材料を硬化することで、本発明のハードコート硬化物を得ることができる。ハードコート硬化物の形状としては特に制限はなく、例えば、シート状、板状、球状、フィルム状ないしは大型の構築物又は複雑なる形状の組立物あるいは成形物であってもよく、用途に応じて選択すればよい。
(積層体)
本発明のハードコード硬化物を基材上に形成することで、ハードコート性に優れた積層体を得ることができる。基材としては特に限定は無く、プラスチック、金属、木材、無機質、皮革及び人工皮革が挙げられ、基材はコーティングあるいは表面処理等を行ったものであってもかまわない。プラスチック基材に対しては、本発明の無機微粒子複合体(M)がビニル系重合体セグメント(a2)を有することから、特に基材密着性に優れるため好ましい。
本発明のハードコート積層体は、ハードコート硬化物が耐水性・耐候性・耐摩耗性・耐光性等に優れることから、ハードコート性の高い保護膜として非常に好適に使用可能である。特に、本発明の無機微粒子複合体(M)が重合性二重結合を有する基を有する場合、光硬化が可能であることから、熱に比較的弱いプラスチックであっても容易にコーティングが可能であり、耐光性に優れることから、黄変しやすいポリカーボネート等に対しても好適に使用可能である。
積層体の製造方法には特に限定は無く、ハードコート用組成物を基材に塗布してから硬化してもよいし、ハードコート用組成物を硬化してシート状などにした後に、基材に張り付けてもかまわない。塗工方法やシートの製造方法等は、公知慣用の方法を用いればよい。
(用途)
本発明のハードコート材料を硬化してなるハードコート硬化物、及び該ハードコート硬化物を積層してなる積層体は、耐水性に優れるため屋外や水が大量にかかるような使用用途であっても好適に使用可能である。また、本発明のハードコート硬化物は、耐摩耗性に優れるためハードコート層として適している。また、本発明のハードコート硬化物は、耐水性だけでなく耐光性、耐候性も優れるため、屋外における使用に適し、建材塗料、自動車等運搬装置用塗料、樹脂ガラス保護膜、船底塗料等に好適に使用可能である。
〔耐熱材料〕
本発明の無機微粒子複合体(M)を含有する組成物は、無機微粒子(m)と樹脂が強固に結合しており分散安定性に優れることから、耐熱材料として好適に使用可能である。
本発明の耐熱材料を硬化することで耐熱部材が得られる。当該複合樹脂(A)はポリシロキサンセグメント(a1)の加水分解縮合による結合がより強固であるうえ、無機微粒子(m)がポリシロキサンセグメントに直接結合しているため、得られる耐熱材料および耐熱部材の線膨張率が低くなる。
本発明の耐熱材料としては、前記複合樹脂(A)において、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の含有率が、複合樹脂(A)の全固形分量に対して10−90重量%であると耐熱性に優れ、45〜90重量%であると、複合樹脂(A)自体の耐熱性がより優れるため好ましい。
さらに、前記ポリシロキサンセグメント(a1)が、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するシラン化合物を縮合して得られるセグメントであって、前記シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するシラン化合物中において、炭素原子数が1〜4のアルキル基を有するアルキルトリメアルコキシシランが40モル%以上であると、複合樹脂(A)自体の耐熱性により優れるため、さらに好ましい。
また、無機微粒子複合体(M)に対し、結合していない無機微粒子として、アルミナ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、シリカ等を別途配合してもかまわない。
(耐熱部材)
本発明の耐熱材料を硬化することで、本発明の耐熱部材を得ることができる。耐熱部材の形状としては特に制限はなく、例えば、シート状、板状、球状、フィルム状ないしは大型の構築物又は複雑なる形状の組立物あるいは成形物であってもよく、用途に応じて選択すればよい。
耐熱部材の製造方法としては特に制限がなく、例えば金型を使った成形方法でもよいし、粘度を調製して塗液化してから硬化塗膜としてもよい。あるいは、接着剤や封止材のように、別の部材間を充填したり被覆した状態で硬化することで、耐熱部材としてもよい。
(耐熱繊維強化樹脂)
また、本発明の耐熱材料は耐熱性に優れ低線膨張率であるため、強化繊維と複合化し、耐熱繊維強化樹脂としても好適に用いることができる。強化繊維としては、繊維強化樹脂に用いられるものであればよく、カーボン繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリ繊維、ステンレス繊維、ガラス布、ガラス不織布、ガラスマット、ガラスロービング布、等の無機繊維のほか、紙、アラミド紙、アラミド布、アラミド繊維、芳香族エステル繊維のような植物繊維といった有機繊維を用いてもよい。中でも、カーボン繊維とガラス繊維は、産業上利用範囲が広いため、好ましい。これらのうち、一種類のみ用いてもよく、複数種を同時に用いてもよい。
上記強化繊維は、繊維の集合体であってもよく、織布状であっても、不織布状であってもかまわない。また、繊維を一方方向に整列した繊維束でもよく、繊維束を並べたシート状であってもよい。また、繊維の集合体に厚みを持たせた立体形状であってもかまわない。
耐熱繊維強化樹脂は、強化繊維と本発明の耐熱材料とを複合化することによって得られる。
複合化の方法は、本発明の効果を損なわない範囲であればとくに限定はなく、強化繊維と耐熱材料とを、混練、塗布、含浸、注入、圧着、等の方法が挙げられ、強化繊維の形態及び耐熱繊維強化樹脂の用途によって適時選択することができる。
上記耐熱繊維強化樹脂を成形する方法については、特に限定されない。板状の製品を製造するのであれば、押し出し成形法が一般的であるが、平面プレスによっても可能である。この他、異形押し出し成形法、ブロー成形法、圧縮成形法、真空成形法、射出成形法等を用いることが可能である。またフィルム状の製品を製造するのであれば、溶融押出法の他、溶液キャスト法を用いることができ、溶融成形方法を用いる場合、インフレーションフィルム成形、キャスト成形、押出ラミネーション成形、カレンダー成形、シート成形、繊維成形、ブロー成形、射出成形、回転成形、被覆成形等が挙げられる。また、活性エネルギー線で硬化する樹脂の場合、活性エネルギー線を用いた各種硬化方法を用いて硬化物を製造する事ができる。特に、熱硬化によって生計を行う場合には、成形材料をプリプレグ化してプレスやオートクレーブにより加圧加熱する成形法が挙げられ、この他にもRTM(Resin Transfer Molding)成形、VaRTM(Vaccum assist Resin Transfer Molding)成形、積層成形、ハンドレイアップ成形等が挙げられる。
また、耐熱繊維強化樹脂を半硬化したプリプレグと呼ばれる状態を形成した後、最終硬化をおこなって耐熱硬化物である繊維強化樹脂成形体を形成してもよい。該繊維強化樹脂成形体を積層した積層体を形成する場合は、プリプレグを形成した後、その他の層を積層してから最終硬化を行うことで、各層が密着した積層体を形成できるため、好ましい。
積層体の基材としては、金属やガラス等の無機材料や、プラスチックや木材といった有機材料等、用途によって適時使用すればよく、積層体の形状としても、平板状でも三次元構造を有していても立体状であってもかまわない。
プリント配線基板や半導体パッケージ基板といった用途の場合、金属箔を積層することが好ましく、金属箔としては銅箔、アルミ箔、金箔、銀箔などが挙げられ、加工性が良好なことから銅箔を用いることが好ましい。
(用途)
本発明の耐熱材料及び耐熱部材は、耐光性、耐熱性に優れ低線膨張率であることから、様々な用途に使用することができる。例えば、耐熱性接着剤、パワー半導体用封止材、高輝度LED用封止材、耐熱コート材、銅張積層板などに使用することができる。特に光半導体の封止材として使用することで、光による劣化と、熱による寸法変化を抑えることができ、高い水準で半導体の性能を維持することが可能となる。
次に、本発明を、実施例及び比較例により具体的に説明をする。例中断りのない限り、「部」「%」は重量規準である。
実施例において、数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法により、以下の条件で測定した値を用いるものとする。
(a)装置 : ゲル浸透クロマトグラフ GCP−244(WATERS社製)
(b)カラム : Shodex HFIP 80M 2本(昭和電工(株)製)
(c)溶媒 : ジメチルホルムアミド
(d)流速 : 0.5ml/min
(e)温度 : 23℃
(f)試料濃度:0.1% 溶解度:完全溶解 ろ過:マイショリディスク W−13−5
(g)注入量 : 0.300ml
(h)検出器 : R−401型示差屈折率器(WATERS)
(i)分子量校正: ポリスチレン(標準品)
また、実施例において、ビニル系重合体セグメントの水酸基価(OHv)の測定は、JIS−K0070に準拠し測定した。得られた値は樹脂溶液のビニル重合体濃度を考慮し固形分における値を見積もった。
また、実施例において、用いる配合物の略称は、以下の表1~3の通りである。
Figure 0006120105
Figure 0006120105
Figure 0006120105
ポリシロキサンセグメント前駆体の合成
<合成例1> ポリシロキサンセグメント前駆体(a1−1)の合成
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、MTMS 415部、MPTS 756部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、60℃まで昇温した。次いで、PhoslexA−4 0.1部と脱イオン水 121部からなる混合物を5分間で滴下した。滴下終了後、反応容器中を80℃まで昇温し、4時間攪拌することにより加水分解縮合反応を行い、反応生成物を得た。
得られた反応生成物中に含まれるメタノールおよび水を、1〜30キロパスカル(kPa)の減圧下、40〜60℃の条件で除去することにより、数平均分子量が1000であるポリシロキサンセグメント前駆体(a1−1) 1000部を得た。
<合成例2〜7> ポリシロキサンセグメント前駆体(a1−2)〜(a1−7)の合成
合成例1と同様にして、下記表4の配合比によって反応を行い、ポリシロキサンセグメント前駆体(a1−2)〜(a1−7)を得た。
Figure 0006120105
ビニル系重合体セグメント前駆体の合成
<合成例8> ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−1)の合成
合成例1と同様の反応容器に、シラン化合物としてPTMS 20.1部、DMDMS 24.4部、溶剤としてMIBK 107.7部を仕込み、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。
次に、AA 1.5部、BA 1.5部、MMA 30.6部、BMA 14.4部、CHMA 75部、HEMA 22.5部、MPTS 4.5部、TBPEH 6.8部、MIBK 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した後、さらに同温度で2時間撹拌し、数平均分子量が5800、水酸基価(OHv)が64.7mgKOH/gであるビニル系重合体を含有する反応液を得た。前記反応容器中に、PhoslexA−4 0.06部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で5時間攪拌することにより、シラン化合物の加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下である、ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−1)を得た。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
<合成例9〜15> ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−2)〜(a2−8)の合成
合成例8と同様にして、下記表5の配合比によって反応を行い、ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−2)〜(a2−8)を得た。
Figure 0006120105
<合成例16> ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−9)の合成
合成例1と同様の反応容器に、シラン化合物としてPTMS 480部を仕込み、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。
次に、BA 2.4部、MMA 90部、St 1.2部、GMA 72部、HEMA 60部、MPTS 14.4部、TBPEH 48部、PTMS 48部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下し、さらに10時間反応させることで、数平均分子量が6700、水酸基価(OHv)が107.8mgKOH/gであるビニル系重合体を含有する、ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−9)を得た。
<合成例17> ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−10)の合成
合成例16と同様にして、下記表6の配合比によって反応を行い、ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−10)を得た。
<合成例18> ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−11)の合成
合成例1と同様の反応容器に、シラン化合物としてGPTS 2219.7部を仕込み、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。
次に、AA 2部、BA 2部、MMA 26.9部、BMA 3.2部、GMA 202.4部、CHMA 75部、HEMA 37.5部、MPTS 3部、TBPEH 20.9部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下したのち、さらに同温度で2時間撹拌し、数平均分子量が6200、水酸基価(OHv)が46.4mgKOH/gであるビニル系重合体を含有する反応物を得た。さらに、前記反応容器中に、PhoslexA−4 3.42部と脱イオン水 508部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で5時間攪拌することにより、シラン化合物の加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下であるビニル系重合体セグメント前駆体(a2−11)を得た。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
<合成例19〜22> ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−12)〜(a2−15)の合成
合成例18と同様にして、下記表6の配合比によって反応を行い、ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−12)〜(a2−15)を得た。
Figure 0006120105
<合成例23> ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−16)の合成
合成例1と同様の反応容器にMIBK 372.9部を仕込み、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。
次に、AA 2部、BA 2部、MMA 26.9部、BMA 3.2部、GMA 202.4部、CHMA 75部、HEMA 37.5部、MPTS 3部、TBPEH 20.9部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下し、更に同温度で10時間攪拌することで、TBPEHの残存量が0.1%以下、数平均分子量が6200、水酸基価(OHv)が46.5mgKOH/gであるビニル系重合体を含有する、ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−16)を得た。
<合成例24、25> ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−17)、(a2−18)の合成
合成例23と同様にして、下記表7の配合比によって反応を行い、ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−17)、(a2−18)を得た。
<合成例26> ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−19)の合成
合成例1と同様の反応容器に、シラン化合物としてMTMS 1825.8部、GPTS 4439.4部を仕込み、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。
次に、AA 2部、BA 2部、MMA 26.9部、BMA 3.2部、GMA 202.4部、CHMA 75部、HEMA 37.5部、MPTS 3部、TBPEH 6部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下することで、数平均分子量が6500、水酸基価(OHv)が46.5mgKOH/gであるビニル系重合体を含有するビニル系重合体セグメント前駆体(a2−19)を得た。
<合成例27> ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−20)の合成
合成例1と同様の反応容器にMIBK 349部を仕込み、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。
次に、AA 2部、BA 2部、MMA 26.9部、BMA 3.2部、GMA 202.4部、CHMA 75部、HEMA 37.5部、MPTS 3部、TBPEH 20.9部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下し、さらに10時間反応させることで、数平均分子量が7200、水酸基価(OHv)が46.5mgKOH/gであるビニル系重合体を含有する、ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−20)を得た。
<合成例28、29> ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−21)、(a2−22)の合成
合成例18と同様にして、下記表7の配合比によって反応を行い、ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−21)、(a2−22)を得た。
Figure 0006120105
無機微粒子分散体の調製
<調製例1> 無機微粒子分散体(a3−1)の調製
MTMS 415部、MPTS 756部、アエロジルR−7200 1846部、PhoslexA−4 1.0部、脱イオン水 134部、MIBK 1846部を配合し、寿工業(株)製のウルトラアペックスミル UAM015を用いて分散をおこなった。分散体を調製するにあたり、ミル内にメディアとして100μm系のジルコニアビーズをミルの容積に対して70%充填し、周速10m/s、毎分1.5リットルの流量で配合物の循環粉砕を行った。循環粉砕を30分間行い、シリカ微粒子が混合物中に分散した無機微粒子分散液(a3−1)を得た。
<調製例2、3> 無機微粒子分散体(a3−2)、(a3−3)の調製
調製例1と同様にして、下記表8の配合比によって調製を行い、無機微粒子分散体(a3−2)、(a3−3)を得た。
<調製例4〜6> 無機微粒子分散体(a3−4)〜(a3−6)の調製
調製例1において、下記表8の配合比によることと、分散をプライミクス社製ロボミックスで行うこと以外は同様にして、無機微粒子分散体(a3−4)〜(a3−6)を得た。
<調製例7、8> 無機微粒子分散体(a3−7)、(a3−8)の調製
調製例1と同様にして、下記表8の配合比によって調製を行い、無機微粒子分散体(a3−7)、(a3−8)を得た。
Figure 0006120105
<調製例9〜17> 無機微粒子分散体(a3−9)〜(a3−17)の調製
調製例1において、30μm系のジルコニアビーズをミルの容積に対して50%充填したことと、下記表9、表10の配合比によって調製を行ったこと以外は同様にして、無機微粒子分散体(a3−9)〜(a3−17)を得た。
Figure 0006120105
Figure 0006120105
無機微粒子複合体(M)の合成
<実施例1> 無機微粒子複合体(M−1)
ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−1)336.8部に対し、無機微粒子分散体(a3−1)を886.3部添加して、5分間撹拌したのち、脱イオン水 14.7部を加え、80℃で4時間撹拌を行い、ビニル系重合体セグメント前駆体とシラン化合物との加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、1〜30kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、MIBK 159.6部、DAA 620部を添加し、シリカの含有量が52重量%である無機微粒子複合体(M−1)溶液 1908部(固形分33.0%)を得た。
<実施例2〜11> 無機微粒子複合体(M−2)〜(M−11)
実施例1と同様にして、下記表11、12の配合にて反応を行い、無機微粒子複合体(M−2)〜(M−11)を得た。
<実施例12> 無機微粒子複合体(M−12)
ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−9)85.0部に、ポリシロキサンセグメント前駆体(a1−2)168.5部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水17.0部を加え、80℃で4時間攪拌を行いビニル系重合体セグメント前駆体とシラン化合物との加水分解縮合反応を行った。次いで無機微粒子分散体(a3−9)607.7部、脱イオン水2.0部を加え、5分間攪拌した後、反応生成物を1〜30kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、無機微粒子とシラン化合物とポリシロキサンセグメント前駆体との加水分解縮合反応を進行させて無機微粒子が結合したポリシロキサンセグメントを形成し、生成したメタノール及び水を除去した。得られた反応物にPGMAC214.3部を添加し、不揮発分が70%である無機微粒子複合体(M−12)を得た。
<実施例13〜15> 無機微粒子複合体(M−13)〜(M−15)
実施例12と同様にして、下記表13の配合にて反応を行い、無機微粒子複合体M−13)〜(M−15)を得た。
<実施例16> 無機微粒子複合体(M−16)
ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−21)4069部に対し、無機微粒子分散体(a3−17)を10400.1部添加して、80℃で4時間撹拌を行い、ビニル系重合体セグメント前駆体とシラン化合物との加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、1〜30kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、無機微粒子複合体(M−16)を得た。
<実施例17〜21> 無機微粒子複合体(M−17)〜(M−21)
実施例16と同様にして、下記表14の配合にて反応を行い、無機微粒子複合体(M−17)〜(M−21)を得た。
<実施例22> 無機微粒子複合体(M−22)
ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−16) 3015.8部に対し、無機微粒子分散体(a3−13) 9801.5部、p−StTS 2270部、PhoslexA−4 3.69部、脱イオン水 547部を添加して、80℃で4時間を行い、ビニル系重合体セグメント前駆体とシラン化合物との加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、1〜30kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、無機微粒子複合体(M−22)を得た。
<実施例23、24> 無機微粒子複合体(M−23)、(M−24)
実施例22と同様にして、下記表15の配合にて反応を行い、無機微粒子複合体(M−23)、(M−24)を得た。
<実施例25> 無機微粒子複合体(M−25)
実施例16と同様にして、下記表15の配合にて反応を行い、無機微粒子複合体(M−25)を得た。
<実施例26> 無機微粒子複合体(M−26)
実施例22と同様にして、下記表15の配合にて反応を行い、無機微粒子複合体(M−26)を得た。
[無機微粒子複合体(M)の評価]
得られた無機微粒子複合体(M)について、以下の評価を行い、下記表11〜15に結果を記した。
(長期安定性試験:25℃×2か月)
得られた無機微粒子分散体(M−1)〜(M−26)を、25℃にて2か月保存し、沈降物の発生と粘度上昇について目視で観察した。沈降物の発生や粘度上昇が無い場合は○、沈降物の発生や粘度上昇がある場合は×とした。
(長期安定性試験:40℃×3か月)
得られた無機微粒子分散体(M−1)〜(M−26)を、40℃にて3か月保存し、大塚電子製粒度分布計ELS−Zを用いて測定した粒径を下記式に代入して評価を実施した。
△D=(保存後の粒径)−(保存前の粒径)
○:△D=5未満
△:△D=5〜20
×:△D=20以上
(長期安定性試験−HAZE)
上記方法にて40℃にて3か月保存された無機微粒子分散体(M−1)〜(M−26)をガラス基板上に50μmの厚さにて塗工し、ヘイズメータを用いて光線透過率を測定し、次式によって算出した(単位は%)。
Th=Td/Tt (Td:散乱光線透過率、Tt:全光線透過率)
○:ヘイズ値=5%未満
△:ヘイズ値=5%〜10%
×:ヘイズ値=10%以上
(造膜性)
得られた無機微粒子分散体(M−1)〜(M−26)について、アプリケーターを用いてガラス基板上に100μmの薄膜を形成し、これを100℃にて1時間放置した際の外観を目視にて検査し、下記の判断基準にて試験結果を判定した。
○:表面状態が平滑である。
×:表面にクラックが発生している。
Figure 0006120105
Figure 0006120105
Figure 0006120105
Figure 0006120105
Figure 0006120105
<比較例1> 比較無機微粒子複合体(比M−1)
合成例1と同様の装置で、無機微粒子分散体(a3−1)250部を仕込み、80℃で4時間撹拌を行い、シリカ分散体の加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、1〜30kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、MIBK 32.2部、DAA 124.6部を添加し、比較無機微粒子複合体(比M−1)溶液 383部(固形分35.0%)を得た。得られた比較無機微粒子複合体(比M−1)に対し、実施例1と同様に長期保存安定性及び造膜性の評価を行い、結果を表16に示した。
<比較例2> 比較無機微粒子分散体(比M−2)
合成例1と同様の装置に、ポリシロキサンセグメント(a1−1) 178.8部、ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−2)を371.2部添加し、5分間攪拌したのち、脱イオン水 41.0部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、MIBK 195.0部を添加し、不揮発分が45.1%である複合樹脂 600部を得た。得られた複合樹脂に対し、シリカ微粒子としてR7200を270部、MIBKを540部配合し、寿工業(株)製のウルトラアペックスミルUAM015を用いて分散を行った。分散体を調製するにあたり、ミル内にメディアとして100μm径のジルコニアビーズをミルの容積に対して70%充填し、周速10m/s、毎分1.5リットルの流量で配合物の循環粉砕を行った。循環粉砕を30分間行い、シリカ微粒子が複合樹脂中に分散した比較無機微粒子分散体(比M−2)を得た。得られた比較無機微粒子分散体(比M−2)に対し、実施例1と同様に長期保存安定性及び造膜性の評価を行い、結果を表16に示した。
<比較例3、4> 比較無機微粒子分散体(比M−3)、(比M−4)
比較例2と同様にして、下記表16の配合にて反応を行い、比較無機微粒子分散体(比M−3)、(比M−4)を得て、実施例1と同様に長期保存安定性及び造膜性の評価を行い、結果を表16に示した。
<比較例5> 比較樹脂(比M−5)
合成例1と同様の装置に、ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−19) 6623.2部と、PhoslexA−4 2.44部、 脱イオン水 724.9部を配合し、80℃で4時間攪拌を行い、前記ビニル系重合体セグメント前駆体とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、1〜30kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、不揮発分が95.5%である比較樹脂(比M−5)を得た。得られた比較樹脂(比M−5)について、実施例1と同様に長期保存安定性及び造膜性の評価を行い、結果を表16に示した。
<比較例6> 比較無機微粒子分散体(比M−6)
比較例5で得られた比較樹脂(比M−5) 104.2部に対し、アエロジル50 100部、MIBK 200部を配合し、プライミクス社製ロボミックスを用いて分散を行い、比較無機微粒子分散体(比M−6)を得た。得られた無機微粒子分散体(比M−6)について、実施例1と同様に長期保存安定性及び造膜性の評価を行い、結果を表16に示した。
<比較例7> 比較無機微粒子分散体(比M−7)
ビニル系重合体セグメント前駆体(a2−2) 718.9部とアエロジル50を349部、MIBK 698部を、寿工業(株)製のウルトラアペックスミルUAM015を用いて分散を行った。分散体を調製するにあたり、ミル内にメディアとして100μm径のジルコニアビーズをミルの容積に対して70%充填し、周速10m/s、毎分1.5リットルの流量で配合物の循環粉砕を行った。循環粉砕を30分間行い、比較無機微粒子分散体(比M−7)を得て、実施例1と同様に長期保存安定性及び造膜性の評価を行い、結果を表16に示した。
Figure 0006120105
参考実験例1、2 無機微粒子複合体中の有機含有量測定
実施例14で製造した無機微粒子複合体(M−14)、比較例3で製造した比較無機微粒子分散体(比M−3)、アエロジルR7200を、それぞれMIBKにて不揮発成分5重量%程度まで希釈し、12,000rpm、10min遠心分離を行い、上澄みを取り除く操作を3回行って洗浄した。得られた沈殿物を乾燥した後、SII製TG/DTA6200を用い、空気雰囲気にて常温から700℃まで毎分10℃ずつ昇温させ、測定前後での重量減少を測定し、以下の式にて有機含有量を算出した
有機吸着量=(無機微粒子複合体もしくは無機微粒子分散体のTG/DTAによる重量減少)−(アエロジルR7200のTG/DTAによる重量減少)
Figure 0006120105
上記結果により、無機微粒子複合体(M)の方が有機含有量が多く、これは無機微粒子と複合樹脂が化学的に結合していることを示唆するものである。
ハードコート材料の評価
<実施例27> ハードコート材料1
実施例1で得られた無機微粒子複合体(M−1) 100部、A9300 35部、Irg184 2.8部、Ti400 2.8部、Ti123 0.7部を混合し、ハードコート材料1とした。得られたハードコート材料1を2mm×150mm×150mmのポリカーボネート板(レキサンLS2−111(SABIC社製))上に、乾燥膜厚が15μmになるよう塗布し、80℃で4分間乾燥させて樹脂組成物層を形成後、ランプ出力1kWの水銀ランプ下、約1000mJ/cm2の照射量で紫外線を照射することでハードコート硬化膜1を得た。
得られたハードコート材料1及びハードコート硬化膜1について、以下の評価を行い、結果を下記表18に示した。
(初期HAZE)
得られたハードコート硬化膜1に対し、ヘイズメーターを使用して試験片の光線透過率を測定し、次式によってヘイズ値を算出した(単位は%)。
Th=Td/Tt (Td:散乱光線透過率、Tt:全光線透過率)
ヘイズ値が1%未満を(○)、1%〜3%未満を(△)、3%以上を(×)と判定した。
(密着性)
得られたハードコート硬化膜1に対し、JIS K−5400 碁盤目試験法に基づいて密着性試験を実施した。前記ハードコート硬化膜1の上にカッターで1mm幅の切込みを入れ碁盤目の数を100個とし、全ての碁盤目を覆うようにセロハンテープを貼り付け、すばやく引き剥がして付着して残っている碁盤目の数から、下記の基準によりポリカーボネート板への密着性を評価した。
◎:100個
○:95〜99個
△:60〜94個
×:59個以下
(耐熱密着性)
得られたハードコート硬化膜1を100℃の電気オーブン中で250時間加熱したのち、JIS K−5400 碁盤目試験法に基づいて密着性試験を実施した。前記ハードコート硬化膜1の上にカッターで1mm幅の切込みを入れ碁盤目の数を100個とし、全ての碁盤目を覆うようにセロハンテープを貼り付け、すばやく引き剥がして付着して残っている碁盤目の数から、下記の基準によりポリカーボネート板への密着性を評価した。
◎:100個
○:95〜99個
△:60〜94個
×:59個以下
(テーバー磨耗試験1)
得られたハードコート硬化膜1に対し、テーバー磨耗試験にて、ASTM D1044に準拠した方法(磨耗輪:CS−10F、荷重:500g、回転数:100)にて擦り、初期状態とのくもり価の差、すなわち、ヘイズ値変化ΔH(%)を測定する。差が小さいほど、耐磨耗性が高いことを示す。ΔHの値から、下記の基準により耐磨耗性を評価した。
◎:ΔH=6未満
○:ΔH=6〜8未満
△:ΔH=8〜10未満
×:ΔH=10以上
(テーバー磨耗試験2)
得られたハードコート硬化膜1に対し、テーバー磨耗試験にて、ASTM D1044に準拠した方法(磨耗輪:CS−10F、荷重:500g、回転数:500)にて擦り、初期状態とのくもり価の差、すなわち、ヘイズ値変化ΔH(%)を測定する。差が小さいほど、耐磨耗性が高いことを示す。ΔHの値から、下記の基準により耐磨耗性を評価した。
◎:ΔH=6未満
○:ΔH=6〜8未満
△:ΔH=8〜10未満
×:ΔH=10以上
(促進耐候性試験(MW試験))
得られたハードコート硬化膜1に対し、ダイプラウィンテス社製のDMWを使用してメタルウェザー試験(MW)による促進耐候性試験を実施し、未曝露の試験体と、120時間経過後の試験体を目視観察にて比較評価した。表面状態等に変化がないものを(○)、一部クラックが発生しているものを(△)、全面にクラックが発生しているものを(×)として判定した。なお本評価方法は、サンシャインウェザオメーターを利用した促進耐候性試験よりも更に厳しい条件で測定するものであり、屋外での長期使用を目的とする物質に対する試験方法である。
(超促進耐光性試験(SUV))
得られたハードコート硬化膜1に対し、岩崎電気製の超促進耐侯性試験機スーパーUVテスター(SUV)を使用して、照射強度90mW、ブラックパネル温度63℃湿度70%の条件にて100時間UV照射を実施した後に、初期状態とのくもり価の差、すなわち、ヘイズ値変化ΔH(%)を測定する。ΔHの値から、下記の基準により耐光性を評価した。
◎:ΔH=1.5未満
○:ΔH=1.5〜3.0未満
△:ΔH=3.0〜4.5未満
×:ΔH=4.5以上
(超促進耐候性試験)
得られたハードコート硬化膜1に対し、岩崎電気製の超促進耐侯性試験機スーパーUVテスター(SUV)を使用して、4時間照射(照射強度90mW、ブラックパネル温度63℃湿度70%)と4時間暗黒(ブラックパネル温度63℃湿度70%)と4時間結露(ブラックパネル温度30℃湿度95%)の12時間を1サイクルとし、50サイクル行った後に、初期状態とのくもり価の差、すなわち、ヘイズ値変化ΔH(%)を測定する。ΔHの値から、下記の基準により耐候性を評価した。
◎:ΔH=1.5未満
○:ΔH=1.5〜3.0未満
△:ΔH=3.0〜4.5未満
×:ΔH=4.5以上
(耐水試験1)
得られたハードコート硬化膜1に対し、基材ごと60℃の温水に240時間浸漬し、その外観を目視にて検査し、下記の判断基準にて試験結果を判定した。
○:表面状態に変化が無い。
×:表面に荒れもしくはフクレが発生している。
(耐水試験2)
得られたハードコート硬化膜1に対し、基材ごと沸騰水に1時間浸漬し、その外観を目視にて検査し、下記の判断基準にて試験結果を判定した。
○:表面状態に変化が無い。
×:表面に荒れもしくはフクレが発生している。
<実施例28〜42> ハードコート材料2〜16
実施例1と同様にして、下記表18〜20の配合比にて配合を行い、ハードコート材料2〜16及びハードコート硬化膜2〜16を得、評価を行った。
Figure 0006120105
Figure 0006120105
Figure 0006120105
<比較例8、9>
実施例27と同様にして、下記表21の配合比にて配合を行い、比較ハードコート材料1、2及び比較ハードコート硬化膜1、2を得、評価を行った。
Figure 0006120105
耐熱材料の評価
<実施例43> 耐熱材料1
実施例12で得られた無機微粒子複合体(M−12) 30部、2E4MZ 0.5部を配合し、耐熱材料1を得た。
得られた耐熱材料1について、松浪硝子工業株式会社製青板ガラス板(76mm×52mm×1mm)に、耐熱材料1を10μm厚にバーコートし、150℃で3時間加熱処理を行うことで、耐熱硬化膜1−1を得た。
また、また、片面鏡面アルミ板の鏡面層(100mm×250mm×0.3mm)に、耐熱材料1を100μm厚にバーコートし、ヤマト科学株式会社製 精密恒温器 DH610S中で150℃で3時間加熱処理を行い、得られた硬化塗膜をアルミ板上から剥離することで膜厚100μmの単独膜である耐熱硬化膜1−2を得た。
得られた耐熱硬化膜について、それぞれ以下のような評価を行い、結果を表22に示した。
(線膨張係数(CTE)1 40℃〜60℃)
耐熱硬化膜1−2について、島津製作所TMA−50を用いて毎分10℃の昇温速度にて常温(25℃)から260℃まで昇温した後、25℃に冷却し、さらに同じ昇温速度で260℃まで昇温した。この2度目の昇温を本測定とし、40℃〜60℃までのデータから50℃でのCTE(ppm/K-1)を算出した。
(線膨張係数(CTE)2 50℃〜250℃)
耐熱硬化膜1−2について、島津製作所TMA−50を用いて毎分10℃の昇温速度にて常温(25℃)から260℃まで昇温した後、25℃に冷却し、さらに同じ昇温速度で260℃まで昇温した。この2度目の昇温を本測定とし、50℃〜250℃までのデータから50℃〜250℃での平均CTE(ppm/K-1)を算出した。
(透明性)
耐熱硬化膜1−1について、日本電色工業株式会社のヘイズメーターNDH−5000を用い、ガラス板上に得られた10μmの耐熱硬化膜のヘイズを測定した。ヘイズ値が3以下であれば○、3以上であれば×とした。
<実施例44〜57> 耐熱材料2〜15
実施例43と同様にして、下記表22−24の配合比にて配合を行い、耐熱材料2〜15、耐熱硬化膜2−1〜15−1、耐熱硬化膜2−2〜15−2、を得、評価を行った。
ただし、実施例45については、耐熱硬化膜を作成する際の硬化条件として、ヤマト科学株式会社製 精密恒温器 DH610S中で80度、4分間プリベイクした後、80W/cm2の高圧水銀灯下、約1000mJの照射量で、紫外線照射を行うことで、耐熱硬化膜を作製した。
Figure 0006120105
Figure 0006120105
Figure 0006120105
<比較例12〜16>
実施例1と同様にして、下記表25の配合比にて配合を行い、比較耐熱材料1〜5及び比較耐熱硬化膜1−1〜5−1、比較耐熱硬化膜1−2〜5−2を得、評価を行った。
ただし、比較例13については、比較耐熱硬化膜を作成する際の硬化条件として、ヤマト科学株式会社製 精密恒温器 DH610S中で80度、4分間プリベイクした後、80W/cm2の高圧水銀灯下、約1000mJの照射量で、紫外線照射を行うことで、耐熱硬化膜を作製した。
Figure 0006120105
耐熱部材の作製と評価
<実施例58>
実施例48で得られた耐熱材料6を用いて、耐熱繊維強化樹脂、および耐熱部材として繊維強化樹脂成形体及び積層体を作製した。
強化繊維として、ガラス繊維(ガラスクロス「#2116」(210×280mm)、日東紡績株式会社製)を用い、耐熱材料6を含浸させ、160℃で3分間加熱してプリプレグとした。
得られたプリプレグを6枚積層し、200℃、40kg/cm2、1.5時間、加圧プレスをおこなうことにより、耐熱維強化樹脂成形体を積層した積層体を得た。
その積層体に対し、T288試験を行い(試験法はIPC TM650に準拠)し、積層体の耐熱剥離性を評価した結果、60分以上経過しても膨れなどの変形は観察されなかった。
本発明の無機微粒子複合体(M)は、無機有機複合樹脂と無機微粒子(m)とが直接結合していることから、無機微粒子(m)が系中で均一に存在することが可能であり、なおかつ高気温時においても長期保存安定性が可能である。
また、樹脂と無機微粒子(m)が強固に結合していることから、本発明の無機微粒子複合体(M)は、塗膜性、耐水性、耐光性、耐摩耗性に特に優れるため、屋外におけるハードコート用塗料としての使用に適しており、建材塗料、自動車等運搬装置用塗料、樹脂ガラス保護膜、船底塗料等に好適に使用可能である。
また、本発明の無機微粒子複合体(M)は、樹脂と無機微粒子(m)が強固に結合していることから、熱履歴があっても線膨張率が低いことから寸法安定性に優れるため、高精度な電気・電子部材用の耐熱材料として特に好適に用いることが可能である。

Claims (1)

  1. 炭素原子に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を有するビニル系重合体セグメント(a2)を合成する工程1と、
    シラノール基および/または加水分解性シリル基含有シラン化合物と無機微粒子(m)とを混合する工程2と、
    炭素原子に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を有するビニル系重合体セグメント(a2)と、シラノール基および/または加水分解性シリル基含有シラン化合物含有シラン化合物を縮合反応する工程3とを有する
    無機微粒子複合体(M)の製造方法であって、
    前記シラノール基および/または加水分解性シリル基含有シラン化合物が、重合性二重結合を有する基とシラノール基および/または加水分解性シリル基とを併有するシラン化合物、およびエポキシ基含有シラン化合物から選ばれる少なくとも1種を含むものであることを特徴とする、無機微粒子複合体(M)の製造方法。
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