JP3917651B2 - 粘着チャック装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば液晶ディスプレー(LCD)やプラズマディスプレー(PDP)などのフラットパネルディスプレーの製造過程において、CFガラスやTFTガラスなどのガラス製基板か又は合成樹脂製基板を粘着保持して貼り合わせる基板貼り合わせ機を含む基板組立装置や、基板を搬送する基板搬送装置などに用いられる粘着チャック装置に関する。
詳しくは、基板を保持板に対し、粘着で着脱自在に保持する粘着チャック装置に関する。
従来、二枚の基板を重ね合わせる基板貼り合わせ機では、静電チャックで基板を保持していたが、近年の基板の大型化に伴い、大きなサイズの静電チャックを製作することが難しくなり、また仮に製作できても非常に高価な物となっていた。
そこで、これらの問題を解決するため、基板の保持に粘着材を使用した粘着チャック装置がある。
このような粘着チャック装置の一例として、一対のローラに亘り巻き取り自在に張られた粘着シートに対し、上基板を貼り付け保持した後、上基板と下基板の貼り合わせを行ない、その後、複数のモータの駆動で、スピンドルを回転させて粘着シートを巻き取ると同時に、その巻き取り速度と同期した速さで同巻き取り方向へ該スピンドル及び一方のローラを水平移動させることにより、上基板の上面から粘着シートを徐々に剥がすものがある(例えば、特許文献1参照)。
そして、上述したスピンドルによる粘着シートの巻き取りに代えて、両基板を貼り合わせてセルができた後に、複数のアクチュエータの駆動で、カッタ台及びカッタベースを複数のアクチュエータによりカッタの刃の下端位置まで上昇させてから、粘着シートの幅方向へカッタを移動させることにより、上基板が貼り付いている粘着シートを切断し、この粘着シートが付いたままセルを取り出し、適宜な時点でセルから粘着シートを剥ぎ取るようにしている。
更に他の例として、上方の加圧板に開孔を複数設け、これら開孔内にアクチュエータを夫々備え、各アクチュエータから下方に向かって伸びた軸の先端に粘着部材が貼着され、上記アクチュエータの動作により開孔内で粘着部材を下降させ、粘着部材の下面が上基板と接触すると、その粘着作用で加圧板の下面に密着した形で保持され、また基板の貼り合わせ後に上基板から粘着材を剥がす時は、アクチュエータにより開孔内で粘着部材を上昇させると、開孔の周縁部が上基板の移動を阻止して粘着部材から上基板を引き離すものがある(例えば、特許文献2参照)。
また、上方の加圧板に開口を複数設け、これら開口内に回転用アクチュエータと上下駆動用アクチュエータを夫々備え、夫々の回転用アクチュエータから下方に向かって伸びた回転軸の先端に粘着部材が取り付けられ、上下駆動用アクチュエータの動作により開口内で各粘着部材を下降させ、これら粘着部材と吸引吸着で上基板を保持して、位置決めしながら貼り合わせを行い、粘着部材を加圧板内に退行させる時は、粘着部材を基板面に対して回転用アクチュエータにより捻りながら、又は捻ってから上下駆動用アクチュエータにより退行させて、粘着部材を上基板から剥がすものがある(例えば、特許文献3参照)。
特開2001−133745号公報(第3−5頁、図1−図7) 特開2003−241160号公報(第5頁、図7) 特開2003−273508号公報(第5頁、図1−5)
しかし乍ら、このような従来の粘着チャック装置では、特許文献1の場合、粘着部材と基板とを剥がすために、粘着シートを巻き取りながら巻き取り速度と同期した速さで同巻き取り方向へ水平移動させるか、又はカッタ台及びカッタベースを上昇させカッタで粘着シートを切断しなければならず、夫々の作動には複数のモータやアクチュエータなどの駆動源が多く必要になって構造が複雑化するという問題があった。
また、特許文献2の場合には、加圧板の開孔内で粘着部材を上昇させるために複数のアクチュエータが各粘着部材毎に夫々必要になり、特許文献3の場合には、粘着部材を捻りながら退行させるための回転用アクチュエータ及び上下駆動用アクチュエータが各粘着部材毎に夫々必要に必要になって構造が複雑化するという問題があった。
従って、特許文献1〜3は、特に剥離構造が複雑であるため、故障の発生率が高いだけでなく、特に基板貼り合わせ機を含む基板組立装置や基板搬送装置などに配備する場合には、既設の静電チャックなどの基板保持機構を本発明の粘着チャック装置へ置き換えることが困難であるという問題があった。
更に、上記アクチュエータが例えばモータのような電磁気的な電動機である場合には発熱し易く、例えばガラス製の基板は熱変化に敏感で1℃変化しただけでも約4μmm程度は伸び縮みしてしまい、このような発熱による影響で基板同士を正確に位置合わせするのは困難であるという問題があった。
更にまた、大気圧から所定の真空度へ至る雰囲気中で粘着して保持させると共に該粘着を剥離して開放させる場合には、大気圧から所定の真空度まで変化するが、モータのような電磁気的なアクチュエータを使用すると、真空中のあるタイミングでプラズマ放電を引き起こす恐れがあって、ガラス基板へのダメージにつながるという問題もあった。
なお、上記アクチュエータがエアシリンダのような駆動源であったとしても、それ自体のみで伸縮動作が可能な密封構造であるため、コンパクト化が困難であり、そのために装置全体が大型化して製造コストのアップになるという問題があった。
ところで、特に大型の基板はたわみ変形が発生し易く、このような変形し易い基板を確実に粘着保持して剥離開放するには、基板に対し粘着部材を強い力で接触させるか又は離す必要があるが、このような強い力を得るにはアクチュエータを大型化しなければならず、それにより重くなるという問題もあった。
本発明のうち請求項1記載の発明は、簡単な構造の空圧機構で基板を確実に着脱することを目的としたものである。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明の目的に加えて、簡単な構造の空圧機構で基板を確実に粘着・剥離するために必要な力を得ることを目的としたものである。
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の発明の目的に加えて、吸引用配管系や吸引制御を容易に実現しながら基板を確実に保持することを目的としたものである。
請求項4記載の発明は、請求項2または3に記載の発明の目的に加えて、剛体部の往復動を安定させて基板との粘着性能及び剥離性能の向上を図ることを目的としたものである。
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の発明の目的に加えて、二次側空間の圧力変化と関係なく基板を粘着保持及び剥離開放することを目的としたものである。
請求項6記載の発明は、請求項1、2、3、4または5に記載の発明の目的に加えて、可動膜自体を大型化しなくとも粘着・剥離を確実に行うためのストロークを確保することを目的としたものである。
請求項7記載の発明は、請求項1、2、3、4、5または6に記載の発明の目的に加えて、空圧機構の圧力制御を容易にすることを目的としたものである。
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、保持板の基板側に、この基板側面に開設した開口部内で該基板側面と交差する方向へ変形可能な可動膜と、基板と対向して粘着保持する粘着部材とを設け、上記可動膜の一次側空間と二次側空間の圧力差による該可動膜の往復動で粘着部材の粘着表面と基板を当接させて粘着すると共に、これら両者を強制的に引き離して剥離することを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、前記可動膜の一部に剛体部を基板と対向して設け、この可動膜の往復動で該剛体部の先端面を保持板の開口部から出没させて基板と当接した構成を加えたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の構成に、前記可動膜の往復動方向へ貫通する通気路を基板と対向して開設し、この通気路から基板を吸引吸着した構成を加えたことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の発明の構成に、前記可動膜に、剛体部と一体化されたシリンダー部を設け、基板側面に開設された開口部内に、該シリンダー部と対向する隔壁を設け、この隔壁に対しシリンダー部を往復動自在に挿通して軸受けした構成を加えたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の構成に、前記開口部内に、相互に離れた2枚の可動膜を設けて、これら可動膜にシリンダー部を挿着して、両可動膜の間に第1空圧室と第2空圧室を別々に区画形成し、該第1空圧室と第2空圧室の圧力差で両可動膜を同時に変形して往復動させた構成を加えたことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1、2、3、4または5記載の発明の構成に、前記可動膜が保持板の基板側面と交差する方向へ変形可能なベローズからなる構成を加えたことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1、2、3、4、5または6記載の発明の構成に、前記可動膜と連係する付勢部材を設け、この付勢部材で該可動膜をその往復動のどちらか一方へ向けて付勢した構成を加えたことを特徴とする。
本発明のうち請求項1記載の発明は、保持板の基板側に、この基板側面に開設した開口部内で該基板側面と交差する方向へ変形可能な可動膜と、基板と対向して粘着保持する粘着部材とを設け、上記可動膜の一次側空間と二次側空間の圧力差で該可動膜を往復動させることにより、粘着部材の粘着表面と基板が当接して粘着保持されると共に、これら両者が強制的に引き離されて、粘着部材の粘着表面から基板が無理なく剥離される。
従って、簡単な構造の空圧機構で基板を確実に着脱することができる。
その結果、粘着部材と基板とを剥がすためにモータやアクチュエータなどの駆動源が多く必要な従来のものに比べ、特に剥離構造が簡単であるため、故障の発生率を著しく低下でき、特に基板貼り合わせ機を含む基板組立装置や基板搬送装置などに配備する場合には、既設の静電チャックなどの基板保持機構を本発明の粘着チャック装置へ容易に置き換えることができて、製造コストの大幅な低減化が図れる。
更に、静電吸着により基板を保持しないから、静電気を自発的に発生させないという利点もある。
また、電磁気的なアクチュエータの発熱による影響や放電のリスクを回避でき、安全で且つ正確な基板同士の位置合わせができると共に、コンパクト化及び軽量化が可能となって、装置全体を小型化できて製造コストの低減化も図れる。
また更に、大気圧から所定の真空度へ至る雰囲気中で粘着して保持させると共に該粘着を剥離して開放させる場合には、駆動源を空圧とすることで、大気圧から所定の真空度へ至る閉空間との構成的な共存を図ることができ、電磁気的なアクチュエータのように電源へ配線連絡する必要がある従来のものに比べ、真空な閉空間を貫通させる部材が減少して真空漏れなどの発生を防止できる。
請求項2の発明は、請求項1の発明の効果に加えて、可動膜の一部に剛体部を基板と対向して設け、この可動膜の往復動で該剛体部の先端面を保持板の開口部から出没させて基板と当接することにより、可動膜の往復運動が剛体部を介して変形せずに基板に伝わる。
従って、簡単な構造の空圧機構で基板を確実に粘着・剥離するために必要な力を得ることができる。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明の効果に加えて、可動膜の往復動方向へ貫通する通気路を基板と対向して開設し、この通気路から基板を吸引吸着することで、粘着部材による粘着保持と真空吸着による保持と併用される。
従って、吸引用配管系や吸引制御を容易に実現しながら基板を確実に保持することができる。
更に、吸着時の真空圧力を制御することにより、基板との粘着力の強弱を簡単に調整することができる。
請求項4の発明は、請求項2または3の発明の効果に加えて、可動膜に、剛体部と一体化されたシリンダー部を設け、基板側面に開設された開口部内に、該シリンダー部と対向する隔壁を設け、この隔壁に対しシリンダー部を往復動自在に挿通して軸受けすることにより、可動膜の変形に伴いシリンダー部を介して剛体部が直線方向へ往復動する。
従って、剛体部の往復動を安定させて基板との粘着性能及び剥離性能の向上を図ることができる。
請求項5の発明は、請求項項4の発明の効果に加えて、開口部に離れた2枚の可動膜を離して設け、これら可動膜にシリンダー部を挿着して、両可動膜の間に第1空圧室と第2空圧室を別々に区画形成し、該第1空圧室と第2空圧室の圧力差で両可動膜を同時に変形して往復動させることにより、基板が粘着して保持されると共に該粘着を剥離して開放される。
従って、二次側空間の圧力変化と関係なく基板を粘着保持及び剥離開放することができる。
請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5の発明の効果に加えて、可動膜を保持板の基板側面と交差する方向へ変形可能なベローズで構成することにより、可動膜全体の径寸法に関係なく長いストロークの往復運動が可能となる。
従って、可動膜自体を大型化しなくとも粘着・剥離を確実に行うためのストロークを確保することができる。
その結果、大型基板を粘着保持するために多数の粘着チャック装置を配備する必要がある場合に有効である。
請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の発明の効果に加えて、可動膜と連係する付勢部材を設け、この付勢部材で該可動膜をその往復動のどちらか一方へ向けて付勢することにより、一次側空間と二次側空間の圧力差で付勢部材の付勢力に抗する方向へ可動膜を移動すれば、一次側空間と二次側空間の圧力差がなくなった時には、付勢部材の復元力により可動膜が強制的に戻る。
従って、空圧機構の圧力制御を容易にすることができる。
更に、基板貼り合わせ機などように、低真空ポンプと高真空ポンプを連動させて所定の真空度まで到達させる場合には、一次側空間と二次側空間の圧力差に関係なく付勢部材の付勢力により基板の粘着保持状態を維持すれば、上記高真空ポンプを配管上で遮断した後に基板の剥離動作へ切り換え可能となって、それにより、空気漏れが発生しても高真空ポンプの破損を防止できる。
本発明の粘着チャック装置が、液晶ディスプレー(LCD)パネルなどのガラス製基板を粘着保持して貼り合わせる基板貼り合わせ機に配備された場合を示す。
この基板貼り合わせ機は、図1〜図10に示す如く、上下に配置された保持板1,2の平行に対向する保持面1a,2aに二枚のガラス製基板A,Bを夫々保持させ、それらの周囲に区画形成された閉空間S内が所定の真空度(0.5Pa程度)に達してから、上下保持板1,2を相対的にXYθ方向(図面では水平方向)へ調整移動し、基板A,B同士の位置合わせが行われ、その後、上保持板1の保持面1aから上基板Aを強制的に剥離して下基板B上の環状接着剤(シール材)Cへ瞬間的に圧着することにより、両者間を封止して重ね合わせ、その後は、両基板A,Bの内外に生じる気圧差で両基板A,Bの間を所定のギャップまで加圧するものである。
詳しく説明すれば、上下保持板1,2が昇降手段(図示せず)でZ方向(図面では上下方向)へ相対的に移動可能に支持され、大気圧の雰囲気中、これら上下保持板1,2を上下方向へ離した状態で夫々の保持面1a,2aに対し、基板搬送用ロボット(図示せず)で移送された基板A,Bをセットし、その後、上記昇降手段の作動により上下保持板1,2を接近させることにより閉空間Sが区画形成される。
そして、この閉空間Sから吸気手段(図示せず)の作動により、空気を抜いて所定の真空度に達したところで、水平移動手段(図示せず)の作動により、上下保持板1,2のどちらか一方を他方に対しXYθ方向へ調整移動させることで、それらに保持された基板A,B同士の位置合わせ(アライメント)として粗合わせと微合わせが順次行われる。
これらの位置合わせが完了して上下基板A,Bを重ね合わせた後は、閉空間S内に空気や窒素を供給して、該閉空間S内の雰囲気を大気圧に戻すことにより、両基板A,Bの内外に生じる気圧差で均等に加圧され、液晶が封入された状態で所定のギャップまで押し潰れて製品を完成させている。
更に、前記保持板1,2の基板側に、本発明の粘着チャック装置を備えている。
詳しく説明すれば、図1、図3、図4、図7及び図10に示す如く、上下保持板1,2の基板側である保持面1a,2aのどちらか一方か又は両方に、開口部1bを略等間隔毎に複数開設し、これら開口部1b内に可動膜3を該保持面1a,2aと交差するZ方向へ変形自在に夫々設け、上記開口部1bの基板側開口縁か又は可動膜3の基板側表面に、上下基板A,Bの表面A1,B1と対向して粘着保持する粘着部材4を固定し、この可動膜3を挟んで形成される一次側空間5と二次側空間である閉空間Sとの圧力差により、該可動膜3を往復動させることで、粘着部材4の粘着表面と基板A,Bの一方又は両方とを当接させて粘着すると共に、これら両者を強制的に引き離すことで、粘着部材4の粘着表面から基板A,Bの一方又は両方が無理なく剥離されるようにしている。
以下、本発明の各実施例を図面に基づいて説明する。
この実施例1は、図1(a)〜(c)に示す如く、上保持板1の保持面1aのみに複数の開口部1bを開設して可動膜3の外周部分を支持し、この可動膜3の一部に剛体部3aを基板Aの表面A1と対向して設けると共に、該可動膜3よりも二次側に位置する各開口部1bの開口縁に沿って環状の粘着部材4を固定し、上記剛体部3aが上動して開口部1b内に没入させた状態で、該粘着部材4と上基板Aとを当接させて粘着保持し、また可動膜3を二次側空間(閉空間)Sへ向けて下方に突出変形させることにより、粘着部材4の粘着表面4aに粘着保持した基板Aが強制的に押し剥がされる場合を示すものである。
また、図示例ではスペースの関係上、上基板Aの端部と対向して開口部1b及び可動膜3を2つしか配置していないが、上基板Aの大きさに対応してそれを吊り下げることが可能な数だけ配置されている。
上記可動膜3は、例えばステンレスなどの金属製の弾性変形可能な膜か又はゴムやエンジニアリング‐プラスチックなどの合成樹脂で薄板状に成形されたダイヤフラムからなる弾性膜で、その外周部分を図2(a)に示す如く、上保持板1の開口部1bに配備された挟持部材1cでクサビ形状に折り曲げて挟み込むか、又は図2(b)に示す如く、一体成形された係合部3bを挟み込んで脱落不能に固定する。
そして、この可動膜3を挟んでその一次側(背後)に区画形成される空圧室5と、二次側に区画形成される閉空間Sとの圧力差により、Z方向へ弾性変形させて往復動させる。
また、上記可動膜3は、図2(c)に示す如く、その肉厚寸法を変えて上下方向への変形量が調整可能な形状に成形することにより、上記可動膜3の一次側空間(空圧室)5と二次側空間(閉空間)Sとの圧力差による該可動膜3の変形量を調整して、その中心部分及びそれに設けられた後述する剛体部3aの先端面全体を、上下方向へ平行移動させることも可能である。
前記剛体部3aは、変形不能な剛体で上記可動膜3の基板Aの表面A1と対向する中心部分から二次側空間(閉空間)Sへ向け一体的に突設され、その先端面を上基板Aの表面A1と平行に対向させている。
図示例の如く、可動膜3の上下方向への弾性変形を阻害しないように上基板Aへ向け外径が徐々に大径となる断面台形状に形成して、その先端面を各開口部1bの開口縁近くまで拡開させることが好ましい。
上記粘着部材4は、例えばシリコン系やアクリル系などの粘着材料からなる粘着シートであり、その粘着表面4aの面積を、上基板Aが吊持可能な粘着力を有する範囲内で可能な限り小さく設定すると共に、該粘着表面4aを前記可動膜3の剛体部3aの表面と可能な限り接近させて配置することが望ましい。
また図示例の如く、反対側の固着裏面4bを、各開口部1bの開口縁に対し直接的に粘着して固定するか、或いは各開口部1bに対して着脱自在な固定部品(図示せず)に粘着して固定する。
この反対側の固着裏面4bの粘着力は、前記ガラス製基板Aと接触する粘着表面4a側の粘着力よりも強くて、上基板Aを粘着保持した時にその重量で剥離しないが、粘着表面4aの粘着力の減衰に応じて、容易に交換できるようにする必要がある。
この点において、上述の如く、着脱自在な固定部品に固着裏面4bを粘着して粘着部材4を固定すれば、粘着表面4aの粘着力の減衰に応じて、固定部品単位で簡単に交換可能である。
更に図示せぬが、前記上保持板1の保持面1aには、吸引孔を全面に亘って多数開穿し、これら吸引孔から所定タイミングで真空吸引し、また別のタイミングでは上基板Aの表面A1へ向けて例えば窒素ガスなどの気体を噴き出すようにすることも可能である。
次に、斯かる真空貼り合わせ機用粘着チャック装置の作動について説明する。
先ず、図1(a)の実線に示す如く、上下保持板1,2が上下方向へ離れた初期状態で、上保持板1の保持面1aに上基板Aをセットするが、この時は剛体部3aを上動して保持板1の開口部1b内に待機させておく。
図示例の場合には、一次側空間(空圧室)5から吸引しその内圧を二次側空間(閉空間)Sより低くして、可動膜3を一次側空間(空圧室)5へ向け上方に変形させ、それにより、剛体部3aの先端面が保持面1a及び粘着部材4の粘着表面4aに対し凹状に待機している。
なお、図示せぬが一次側空間(空圧室)5の内圧と二次側空間(閉空間)Sの圧力とを等しくして可動膜3を変形せず略水平なフラット状態にすることで、剛体部3aの先端面が保持面1a及び粘着部材4の粘着表面4aと略同じ高さ位置に待機するか、又はそれより若干上方に待機するようにしても良い。
この待機状態で、基板搬送用ロボット(図示せず)により上基板Aが移送され、その表面A1を上保持板1の保持面1aへ向け移動して、粘着部材4の粘着表面4aに所定圧力で接触させれば、該粘着表面4aの粘着力によって保持される。
この際、上保持板1の保持面1aに開穿した吸引孔(図示せず)から真空吸引すれば、上基板Aの表面A1が粘着部材4の粘着表面4aに対し更に強く接触して粘着保持されると共に、上基板Aが吸着保持されて、落下し難くなる。
その後、図1(a)の二点鎖線に示す如く、上下保持板1,2が接近して二次側空間(閉空間)S内が所定の真空度に達してから、上下保持板1,2のどちらか一方を他方に対してXYθ方向へ調整移動して、それらに保持された基板A,B同士の位置合わせが行われる。
このような基板A,B同士の位置合わせと重ね合わせが完了した後は、図1(b)に示す如く、一次側空間(空圧室)5へ圧縮空気などの気体を供給しその内圧を二次側空間(閉空間)Sより高くしながら、上保持板1を上昇させるか又は下保持板2を下降させて両者を相対的に離すと、可動膜3が二次側空間(閉空間)Sへ向け下方へ変形して、剛体部3aの先端面が上基板Aの表面A1に接触したまま粘着部材4の粘着表面4aから押し離す。
なお、この際、二次側空間(閉空間)Sは所定の真空度に達しているため、この時点における一次側空間(空圧室)5への気体の供給量は少なくて良い。
それにより、粘着部材4の粘着表面4aに粘着保持された上基板Aが強制的に押し離されて、粘着部材4の粘着表面4aから上基板Aを無理なく押し剥がすと同時に、これら可動膜3及び剛体部3aの突出圧力で該上基板Aを下基板B上の環状接着剤Cに押し付けて重ね合わせる。
この際、上保持板1の保持面1aに開穿した吸引孔から上基板Aの表面A1へ例えば窒素ガスなどの気体を噴き出せば、該粘着部材4の粘着表面4aから上基板Aを強制的に剥離して下基板B上の環状接着剤Cへ瞬間的に圧着し、両者間が封止される。
その後は、図1(c)に示す如く、一次側空間(空圧室)5から吸引しその内圧を二次側空間(閉空間)Sより低くして可動膜3を一次側空間(空圧室)5へ向け上方に変形することにより、剛体部3aの先端面が保持面1aに対し凹んで初期状態に戻る。
従って、図1〜図2に示した実施例1は、電磁気的な駆動源を使用せずに簡単な構造でありながら上基板Aを確実に粘着保持及び剥離開放に必要な力が得られる。
また、上記可動膜3の一次側に形成された空圧室5への気体供給量を制御して、該可動膜3の弾性変形量を調整すれば、上基板Aの表面A1と粘着部材4との接触圧力(押し付け圧力)が調整可能となって、上基板Aとの粘着及び/又は剥離の強弱を簡単に調整できる。
この際、上基板Aと粘着部材4との間に発生する粘着力は両者の接触面積に比例するため、上述した押し付け圧力の増減により、上基板Aの表面A1に対し粘着部材4の粘着表面4aが弾性変形して接触面積が増減する構造にすれば、更に粘着力の強弱をより明確に調整できる。
この実施例2は、図3(a)〜(d)に示す如く、前記可動膜3の往復動方向へ貫通する通気路6aと、この通気路6aから真空吸引すると共に例えば窒素ガスなどの気体を供給する給気源6bとからなる真空吸着手段6を設け、上基板Aのセット時に、この真空吸着手段6の通気路6aから真空吸引して上基板Aを吸着保持し、更に必要に応じて粘着部材4からの剥離時には、該通気路6aから上基板Aの表面A1へ向け例えば窒素ガスなどの気体を噴き出す構成が、前記図1〜図2に示した実施例1とは異なり、それ以外の構成は実施例1と同じものである。
図示例では、上記可動膜3と共にその一部に設けられた剛体部3aを上下方向へ貫通するように通気路6aを開穿しているが、それに代えて該通気路6aの貫通位置を図示せぬが、上保持板1を上下方向へ貫通させてその保持面1aに開設した開口部1bの開口縁に固定される粘着部材4に向けて開穿するようにすることも可能である。
即ち、上保持板1の保持面1aに上基板Aをセットする時には、図3(a)に示す如く、一次側空間(空圧室)5へ圧縮空気などの気体を供給して可動膜3を下方へ変形することにより、剛体部3aが下動して、その先端面を粘着部材4の粘着表面4aに対し、若干でも凸状に突出させて待機し、この状態で、基板搬送用ロボットで移送された上基板Aを、上記真空吸着手段6の通気路6aからの真空吸引により受け取って吸着保持する。
その後、図3(b)に示す如く、一次側空間(空圧室)5から吸引しその内圧を二次側空間(閉空間)Sの圧力とを略等しくして可動膜3を略水平にすることにより、剛体部3aの先端面が保持面1a及び粘着部材4の粘着表面4aと同じ高さ位置へ上動して、上基板Aが粘着部材4へ向け誘導され、そのまま上基板Aの表面A1を粘着部材4の粘着表面4aに所定圧力で接触させ、該粘着表面4aの粘着力によって保持する。
そして、上下基板A,B同士の重ね合わせが完了した後は、図3(c)に示す如く、一次側空間(空圧室)5へ圧縮空気などの気体を供給しその内圧を二次側空間(閉空間)Sより高くしながら、上保持板1を上昇させるか又は下保持板2を下降させて両者を相対的に離すと、可動膜3が二次側空間(閉空間)Sへ向け下方へ変形して、剛体部3aの先端面が上基板Aの表面A1に接触したまま粘着部材4の粘着表面4aから押し離す。
更に、これと同時に上記真空吸着手段6の通気路6aから上基板Aの表面A1へ向け例えば窒素ガスなどの気体を噴き出せば、粘着部材4の粘着表面4aに粘着保持された上基板Aが強制的に押し離されて、粘着部材4の粘着表面4aから上基板Aを無理なく押し剥がす。
その後は、図3(d)に示す如く、一次側空間(空圧室)5から吸引しその内圧を二次側空間(閉空間)Sより低くして可動膜3を一次側空間(空圧室)5へ向け上方に変形することにより、剛体部3aの先端面が保持面1aに対し凹んで初期状態に戻る。
従って、図3(a)〜(d)に示す実施例2は、前記図1〜図2に示した実施例1と同様な作用効果が得られ、更に加えて上基板Aの粘着及び剥離を補助しながら上基板Aとの粘着力の強弱を実施例1とは別な手法で簡単に調整できるという利点がある。
この際、上基板Aと粘着部材4との間に発生する粘着力は両者の接触面積に比例するため、上述した真空吸着力の増減により、上基板Aの表面A1に対し粘着部材4の粘着表面4aが弾性変形して接触面積が増減する構造にすれば、更に粘着力の強弱をより明確に調整できる。
この実施例3は、図4(a)〜(c)に示す如く、前記粘着部材4の固定位置を開口部1bの開口縁に代えて、可動膜3の中心部分に突設された剛体部3aの先端面に変更すると共に、可動膜3の一次側空間(空圧室)5と二次側空間(閉空間)Sとの圧力差により、この粘着部材4の粘着表面4aが保持面1aと略面一状か又は若干(100μm程度)凸状に突出した状態で、該粘着部材4の粘着表面4aに上基板Aを当接させて粘着保持し、また可動膜3を一次側空間(空圧室)5へ向け上方に変形させて開口部1b内へ凹状に没入させることにより、粘着部材4の粘着表面4aを上基板Aから強制的に引き剥がす構成が、前記図1〜図2に示した実施例1及び図3に示した実施例2とは異なり、それ以外の構成は実施例1及び実施例2と同じものである。
即ち、上保持板1の保持面1aに上基板Aをセットする時には、図4(a)に示す如く、一次側空間(空圧室)5の内圧と二次側空間(閉空間)Sの圧力とを等しくして可動膜3を変形せず略水平なフラット状態にすることで、剛体部3aの先端面に固定された粘着部材4の粘着表面4aが保持面1aと略面一状か又は若干突出し、上基板Aの表面A1に所定圧力で接触させることにより、該粘着表面4aの粘着力によって保持する。
そして、上下基板A,B同士の重ね合わせが完了した直後は、図4(b)に示す如く、一次側空間(空圧室)5から吸引しその内圧を二次側空間(閉空間)Sよりも低くして可動膜3を一次側空間(空圧室)5へ向け上方に変形することにより、剛体部3aの先端面が保持面1aに対し凹んで、剛体部3aの先端面が粘着部材4と一緒に上基板Aの表面A1から引き離され、粘着部材4の粘着表面4aを上基板Aから無理なく引き剥がす。
その後は、図4(c)に示す如く、上保持板1を上昇させるか又は下保持板2を下降させて両者が相対的に離してから、一次側空間(空圧室)5へ圧縮空気などの気体を供給して可動膜3を下方へ変形することにより、剛体部3aの先端面が保持面1aと略面一状か又は若干突出して初期状態に戻る。
このような上基板Aに合った最適な粘着力を得るため、図4(a)〜(c)に示す例では、粘着部材4の形状を剛体部3aの先端面全体が覆われるようにした場合を示している。
それ以外の例としては、図5に示す如く、粘着部材4の形状を剛体部3aの先端面の外周が部分的に覆われる環状に形成したり、また図6に示す如く、粘着部材4の形状を、固着裏面4bが剛体部3aの先端面全体を覆うと共に、粘着表面4a側へ向かって徐々に表面積が減少するように断面台形状に形成することも可能である。
また図示せぬが、前記図3に示す実施例2で説明した上記可動膜3の往復動方向へ貫通する通気路6aと給気源6bとからなる真空吸着手段6を設け、上基板Aのセット時に、この真空吸着手段6から真空吸引して上基板Aが吸着保持し、更に必要に応じて粘着部材4からの剥離時には、該真空吸着手段6から上基板Aの表面A1へ向け例えば窒素ガスなどの気体を噴き出すようにすることも可能である。
従って、図4〜図6に示す実施例3は、前記図1〜図2に示した実施例1及び図3に示す実施例2と同様な作用効果が得られ、更に加えて粘着する上基板Aの大きさや重量に合わせて粘着部材4を変更するだけで最適な粘着力が得られるという利点がある。
なお、上述した実施例3と同様に、実施例1及び実施例2においても、上基板Aの大きさや重量に合わせて最適な粘着力が得られるように、粘着表面4aの表面積が異なる複数種類の粘着部材4を用意して交換できようにしても良い。
また、剥離時において、剛体部3aの先端面を保持面1aから突出させて粘着部材4から上基板Aを強制的に押し剥がす実施例1及び実施例2に比べ、重ね合わせが完了した上基板Aを部分的に再加圧する必要がないので、上下基板A,B同士が位置ズレしたり、平行度が狂うなどの事故が発生する恐れがないという利点がある。
この実施例4は、図7(a)〜(c)に示す如く、前記開口部1b内に可動膜3として2枚の弾性膜3c,3dを上下方向へ離して略平行に設けることにより、これらの間に前記可動膜3の一次側空間として第1空圧室5aを区画形成すると共に、二次側空間として第2空圧室5bを別々に区画形成し、これら第1空圧室5aと第2空圧室5bへの気体供給量を夫々制御して、両者間に圧力差を生じさせることにより、両可動膜3c,3dを同時に弾性変形して往復動させた構成が、上述した実施例1〜実施例3とは異なり、それ以外の構成は実施例1〜実施例3と同じものである。
これら2枚の可動膜3c,3dの中心部分にはシリンダー部7を挿着し、このシリンダー部7の下面に前記剛体部3aを連結して一体化させ、前記開口部1b内には該シリンダー部7の軸方向略中間位置と対向する隔壁8を設けて、この隔壁8に対しシリンダー部7をZ方向へ往復動自在でしかも気密状に挿通して軸受けすることにより、該隔壁8を挟んでその一次側(背後)には第1空圧室5aが、二次側には第2空圧室5bが夫々分割形成される。
上記シリンダー部7には、分割された第1空圧室5aと第2空圧室5bへ夫々連通する第1通路7aと第2通路7bを設け、これら第1通路7a及び第2通路7bを介して外部から空気などを供給することにより、第1空圧室5a及び第2空圧室5bの内圧を調整する。
更に、上記シリンダー部7と開口部1bとの間には、互いに係合するストッパー7cを設けて、該シリンダー部7及びそれと一体化された剛体部3aの往復動ストロークを規制している。
図示例の場合には、シリンダー部7の外周に隔壁8と係合するストッパー7cを設けて、シリンダー部7の移動量を規制している。
それにより、図7(a)(c)に示す如く、第1通路7aを通じて第1空圧室5a内の気体を吸引するか、又は第2通路7bを通じて第2空圧室5bのみに気体を供給するか、或いはこれらの同時進行で第1空圧室5aの内圧を第2空圧室5bの内圧より低くすることで、二次側空間(閉空間)Sの圧力変化と関係なく両可動膜3c,3dが同時に上方へ変形して、剛体部3aの先端面を保持面1aから開口部1b内に没入したまま待機させている。
これと逆に、図7(b)に示す如く、第1通路7aを通じて第1空圧室5aのみに気体を供給するか、又は第2通路7bを通じて第2空圧室5b内の気体を吸引するか、或いはこれらの同時進行で第1空圧室5aの内圧を第2空圧室5bの内圧より高くするだけで、閉空間Sの圧力変化と関係なく両可動膜3c,3dが同時に下方へ変形して、剛体部3aの先端面を保持面1aから突出させている。
図示例では、図1〜図2に示した実施例1と同様に、剛体部3aの先端面を保持面1aから開口部1b内に没入させることで、各開口部1bの開口縁に沿って固定された粘着部材4の粘着表面4aと上基板Aとを当接して粘着保持させ、また剛体部3aの先端面を保持面1aから突出させることで、該粘着部材4の粘着表面4aに粘着保持された上基板Aを強制的に押し剥がす場合を示している。
それ以外の例として、図示せぬが、図4〜図6に示す実施例3と同様に、剛体部3aの先端面を保持面1aから若干突出させることで、この剛体部3aの先端面に固定された粘着部材4の粘着表面4aと上基板Aとを当接して粘着保持させ、また剛体部3aの先端面を保持面1aから開口部1b内に没入させることで、該粘着部材4の粘着表面4aを上基板Aから強制的に引き剥がすようにすることも可能である。
また図示せぬが、前記図3に示す実施例2で説明した上記可動膜3の往復動方向へ貫通する通気路6aと給気源6bとからなる真空吸着手段6を設け、上基板Aのセット時に、この真空吸着手段6から真空吸引して上基板Aが吸着保持し、更に必要に応じて粘着部材4からの剥離時には、該真空吸着手段6から上基板Aの表面A1へ向け例えば窒素ガスなどの気体を噴き出すようにすることも可能である。
従って、図7(a)〜(c)に示す実施例4は、上述した実施例1〜実施例3と同様な作用効果が得られ、更に加えて第1空圧室5aと第2空圧室5bの圧力差のみで往復動するので、二次側空間(閉空間)Sの圧力変化と関係なく上基板Aを粘着保持及び剥離開放できるという利点がある。
更に、図示例では、上保持板1に開穿された開口部1bに対して円筒体1dを装着し、この円筒体1dに可動膜3c,3d、シリンダー部7、剛体部3a、粘着部材4及び隔壁8などの構成部品全てを一体的に配備してユニット化しており、上記開口部1bに対して円筒体1dを例えば磁気やクランプ機構などの着脱手段(図示せず)から取り外し自在に取り付ければ、粘着部材4の粘着力が低下した際に、上保持板1の保持面1aからユニット全体を着脱することにより、容易に交換できて正確な位置にセットできる利点もある。
この実施例5は、図8及び図9に示す如く、前記可動膜3の中心部分に剛体部3aと一体化されたシリンダー部7を挿着し、前記開口部1b内には該シリンダー部7の軸方向略中間位置と対向する隔壁8を設けて、この隔壁8に対しシリンダー部7をZ方向へ往復動自在でしかも気密状に挿通して軸受けすることにより、可動膜3の変形に伴って剛体部3aを直線状に往復動させる構成が、上述した実施例1〜実施例4とは異なり、それ以外の構成は実施例1〜実施例4と同じものである。
図8に示す例では、平行に配置された可動膜3と隔壁8との間に一次側空間5を区画形成し、この一次側空間5に連通する通路7aをシリンダー部7の内部に設け、このシリンダー部7と前記開口部1bとの間には、互いに係合するストッパー7cを設けて、該シリンダー部7及びそれと一体化された剛体部3aの往復動ストロークを規制している。
図9に示す例では、開口部1b内に2枚の可動膜3c,3dを上下方向へ離して設け、これら可動膜3c,3dの間に隔壁8を略平行に配置して、可動膜3c,3dのどちらか一方と隔壁8との間に一次側空間5を区画形成し、この一次側空間5に連通する通路7aをシリンダー部7の内部に設け、このシリンダー部7と前記開口部1bとの間には、互いに係合するストッパー7cを設けて、該シリンダー部7及びそれと一体化された剛体部3aの往復動ストロークを規制している。
図示例では、図1〜図2に示した実施例1と同様に、剛体部3aの先端面を保持面1aから開口部1b内に没入させることで、各開口部1bの開口縁に沿って固定された粘着部材4の粘着表面4aと上基板Aとを当接して粘着保持させ、また剛体部3aの先端面を保持面1aから突出させることで、該粘着部材4の粘着表面4aに粘着保持された上基板Aを強制的に押し剥がす場合を示している。
それ以外の例として、図示せぬが、図4〜図6に示す実施例3と同様に、剛体部3aの先端面を保持面1aから若干突出させることで、この剛体部3aの先端面に固定された粘着部材4の粘着表面4aと上基板Aとを当接して粘着保持させ、また剛体部3aの先端面を保持面1aから開口部1b内に没入させることで、該粘着部材4の粘着表面4aを上基板Aから強制的に引き剥がすようにすることも可能である。
また図示せぬが、前記図3に示す実施例2で説明した上記可動膜3の往復動方向へ貫通する通気路6aと給気源6bとからなる真空吸着手段6を設け、上基板Aのセット時に、この真空吸着手段6から真空吸引して上基板Aが吸着保持し、更に必要に応じて粘着部材4からの剥離時には、該真空吸着手段6から上基板Aの表面A1へ向け例えば窒素ガスなどの気体を噴き出すようにすることも可能である。
従って、図8及び図9に示す実施例5は、上述した実施例1〜実施例4と同様な作用効果が得られ、更に加えて可動膜3の弾性変形に伴いシリンダー部7を介して剛体部3aが直線方向へ往復動するため、剛体部3aの往復動が安定して上基板Aとの粘着性能及び剥離性能の向上が図れるという利点がある。
この実施例6は、図10(a)〜(c)に示す如く、前記可動膜3がダイヤフラムではなくベローズのようなZ方向へ長く伸縮変形可能な弾性体からなると共に、この可動膜3に設けられた剛体部3aと連係する付勢部材9を設けて、この付勢部材9により該可動膜3をその往復動のどちらか一方へ向けて常時付勢した構成が、上述した実施例1〜実施例5とは異なり、それ以外の構成は実施例1〜実施例5と同じものである。
図示例では、上述した図8に示す実施例5に構造が最も類似しており、可動膜3の中心部分に剛体部3aと一体化されたシリンダー部7を、上保持板1の保持面1aに開設した開口部1b内に設けられる隔壁8に対し上下方向へ往復動自在でしかも気密状に挿通して軸受けすると共に、これらシリンダー部7と開口部1bとの間に、互いに係合するストッパー7cを設けることで、可動膜3の変形により剛体部3aを所定のストロークに亘って直線状に往復動させる構造になっている。
上記ベローズのようなZ方向へ長く伸縮変形可能な弾性体からなる可動膜3は、円筒状に形成され、その両開口端を上記シリンダー部7と上保持板1の開口部1bに夫々脱落不能に固定することにより、該シリンダー部7の外周を囲むように取り付けられ、このシリンダー部7を囲む筒状部分には、上下方向へ伸縮可能な蛇腹部3eを形成している。
前記開口部1b内には、該シリンダー部7の軸方向略中間位置と対向する隔壁8を設けて、この隔壁8に対しシリンダー部7をZ方向へ往復動自在でしかも気密状に挿通して軸受けし、この隔壁8とベローズ3の蛇腹部3eとの間には、密閉室3fを区画形成し、この密閉室3fと、該隔壁8を挟んでその一次側(背後)に区画形成される一次側空間(空圧室)5とを連通する通路7aをシリンダー部7の内部に設けている。
この一次側空間(空圧室)5から通路7aを介して密閉室3fへ空気などを供給して、これら一次側空間(空圧室)5及び密閉室3fと二次側空間(閉空間)Sと間に圧力差を生じさせることにより、ベローズ3の蛇腹部3eが伸縮してシリンダー部7及び剛体部3aをZ方向へ往復動させている。
上記シリンダー部7と前記開口部1bとの間には、互いに係合するストッパー7cを設けて、該シリンダー部7及びそれと一体化された剛体部3aの往復動ストロークを規制している。
上記付勢部材9は、例えば圧縮コイルバネなどであり、上記シリンダー部7に沿って上下方向へ伸縮自在に配設され、上記一次側空間(空圧室)5及び密閉室3fと二次側空間(閉空間)Sの圧力差に連動して伸縮変形させることにより、上記シリンダー部7及びベローズ3を介して剛体部3aの先端面が保持板1の開口部1bから出没するように設定している。
更に図示例の場合には、上記可動膜3を有底筒状に形成して、その底面部にシリンダー部7を挿着すると共に、前記隔壁8と、シリンダー部7の上端に突設されたバネ受け部7dとの間に圧縮コイルバネ9を介装し、図10(a)に示す如く、一次側空間(空圧室)5及び密閉室3fの内圧を二次側空間(閉空間)Sよりも低くするか又は略等しくして、該圧縮コイルバネ9を伸長変形させることにより、シリンダー部7及び剛体部3aが上方へ移動して、剛体部3aの先端面を保持面1aから開口部1b内に没入させ、この没入状態で待機させている。
そして、図10(b)に示す如く、一次側空間(空圧室)5及び密閉室3fの内圧を二次側空間(閉空間)Sよりも高くして、圧縮コイルバネ9を圧縮変形させることにより、シリンダー部7及び剛体部3aが下方へ移動して、剛体部3aの先端面を保持面1aから突出させている。
即ち、上基板Aのセット時は、図10(a)に示す如く、圧縮コイルバネ9の付勢力により剛体部3aの先端面を保持面1aから開口部1b内に没入したまま待機させることで、各開口部1bの開口縁に固定された粘着部材4の粘着表面4aと上基板Aとを当接して粘着保持させ、この上基板Aの粘着保持状態を圧縮コイルバネ9の付勢力で維持している。
上下基板A,B同士の重ね合わせ完了直後は、図10(b)に示す如く、必要に応じて上保持板1と下保持板2を相対的に若干離しながら剛体部3aの先端面を保持面1aから若干(100μm程度)突出させることで、該粘着部材4の粘着表面4aに粘着保持された上基板Aを強制的に押し剥がしている。
その後は、図10(c)に示す如く、上保持板1と下保持板2が完全に離れると共に、二次側空間(閉空間)S内の雰囲気が大気圧に戻ると、圧縮コイルバネ9の復元力によってベローズ3及び剛体部3aが上方向へ強制的に移動し、剛体部3aの先端面を開口部1b内に没入させて初期状態に戻している。
また、前記図3に示す実施例2で説明した上記可動膜3の往復動方向へ貫通する通気路6aと給気源6bとからなる真空吸着手段6を設け、上基板Aのセット時に、この真空吸着手段6から真空吸引して上基板Aが吸着保持し、更に必要に応じて粘着部材4からの剥離時には、該真空吸着手段6から上基板Aの表面A1へ向け例えば窒素ガスなどの気体を噴き出すようにすることが好ましい。
なお、図示例では、上記通気路6aを、上保持板1又はその開口部1bに挿着される円筒体1dに対し上下方向へ貫通させて、該開口部1bの開口縁に固定される粘着部材4に向け開穿することにより、可動膜3の往復動及びそれに伴う剛体部3aの開口部1b内への没入待機と関係なく、上保持板1の粘着部材4で粘着保持できるようにしている。
従って、図10(a)〜(c)に示す実施例6は、上述した実施例1〜実施例5と同様な作用効果が得られ、更に加えて可動膜3をベローズのようなZ方向へ長く伸縮変形可能な弾性体で構成すれば、ダイヤフラムからなるものに比べ、可動膜3の径寸法に関係なく長いストロークの往復運動が可能となって、可動膜3自体を大型化しなくとも粘着・剥離を確実に行うためのストロークを確保できるという利点がある。
特に、図示例の場合には、剛体部3aの先端面を開口部1b内に没入して粘着部材4を上基板Aから強制的に引き剥がすためのストロークを、可動膜3の径寸法が小型であっても確保できる。
更に、一次側空間5と二次側空間Sの圧力差で付勢部材9の付勢力に抗して可動膜3であるベローズ及び剛体部3aを下方へ押動すれば、上下基板A,B同士の重ね合わせ後は、二次側空間(閉空間)S内の雰囲気が大気圧に戻って一次側空間5との圧力差がなくなるため、付勢部材9の復元力によりベローズ3及び剛体部3aを上方向へ強制的に戻すことができ、それにより空圧機構の圧力制御を容易にすることができるという利点がある。
特に、基板貼り合わせ機では、閉空間S内の雰囲気を所定の真空度(0.5Pa程度)まで確実に到達させるため、先ず例えばスクロール真空ポンプなどのような低真空ポンプ(図示せず)の単独作動により、大気圧から約100Pa未満までに真空度を高めてから、次に約50Pa程度からは例えばターボ分子ポンプなどのような高真空ポンプ(図示せず)を連動させて0.5Paまで真空度を高めている。
このような場合でも実施例6は、一次側空間5と二次側空間Sの圧力差に関係なく付勢部材9の付勢力により上基板Aの粘着保持状態が維持されるため、上記高真空ポンプを配管上で遮断してから、上基板Aの剥離動作に切り換えることができる。
それにより、この高真空雰囲気で、基板Aの剥離動作に切り換える際に、例えば可動膜3に孔が開くなど空気漏れが発生して真空度が一気に低下しても高真空ポンプが破損することはないという利点もある。
この実施例7は、図11(a)〜(c)に示す如く、前記付勢部材9を伸縮変形させながら可動膜3の一次側空間(空圧室)5と二次側空間(閉空間)Sとの圧力差により、ベローズのような弾性体からなる可動膜3をZ方向へ伸縮変形して、剛体部3aの先端面を保持面1aから若干突出させることにより、この剛体部3aの先端面に固定された粘着部材4の粘着表面4aと上基板Aとを当接して粘着保持させ、また剛体部3aの先端面を保持面1aから開口部1b内に没入させることで、該粘着部材4の粘着表面4aを上基板Aから強制的に引き剥がすようにした構成が、前記図10に示した実施例6とは異なり、それ以外の構成は実施例6と同じものである。
図示例では、上保持板1の開口部1b内に設けられる隔壁8に対し、剛体部3aと一体化されたシリンダー部7を、上下方向へ往復動自在に挿通すると共に、このシリンダー部7の上端に突設されたバネ受け部7dを、上記開口部1bの内周面に対し上下方向へ往復動自在でしかも気密状に挿通して軸受けし、これら隔壁8とバネ受け部7dとに亘り、上記可動膜3として円筒状ベローズの両開口端を夫々脱落不能に固定している。
このベローズ3の蛇腹部3eと開口部1bの内周面との間には、密閉室3fを区画形成し、この密閉室3fと、上記バネ受け部7dを挟んでその一次側(背後)に区画形成される一次側空間(空圧室)5とを通路1eで連通し、該バネ受け部7dと、上保持板1の開口部1bの背面側に形成されたバネ受け部1fとの間には、上記付勢部材9として圧縮コイルバネを介装している。
更に、図11(a)に示す如く、一次側空間(空圧室)5及び密閉室3fの内圧を二次側空間(閉空間)Sよりも高くして、該圧縮コイルバネ9を伸長変形させることにより、シリンダー部7及び剛体部3aが下方へ移動して、剛体部3aの先端面を保持面1aと略面一状か又は若干(100μm程度)凸状に突出させている。
そして、図11(b)に示す如く、一次側空間(空圧室)5及び密閉室3fの内圧を二次側空間(閉空間)Sよりも高くして、圧縮コイルバネ9を圧縮変形させることにより、シリンダー部7及び剛体部3aが上方へ移動して、剛体部3aの先端面を保持面1aから開口部1b内に若干(-500μm程度)凹状に没入させている。
即ち、上基板Aのセット時は、図11(a)に示す如く、圧縮コイルバネ9の付勢力により、上述した図4〜図6に示す実施例3と同様に、剛体部3aの先端面を保持面1aと略面一状か又は若干(100μm程度)凸状に突出したまま待機させることで、この剛体部3aの先端面に固定された粘着部材4の粘着表面4aと上基板Aとを当接して粘着保持させ、この上基板Aの粘着保持状態を圧縮コイルバネ9の付勢力で維持している。
上下基板A,B同士の重ね合わせ完了直後は、図11(b)に示す如く、剛体部3aの先端面を保持面1aから開口部1b内に若干(-500μm程度)没入させることで、該粘着部材4の粘着表面4aを上基板Aから強制的に引き離して引き剥している。
その後は、図11(c)に示す如く、上保持板1と下保持板2が相対的に離れると共に、二次側空間(閉空間)S内の雰囲気が大気圧に戻ると、圧縮コイルバネ9の復元力によって剛体部3aの先端面を保持面1aと略面一状か又は若干凸状に突出させて初期状態に戻している。
また、前記図3に示す実施例2で説明した上記可動膜3の往復動方向へ剛体部3aとシリンダー部7を貫通する通気路6aと給気源6bとからなる真空吸着手段6を設け、上基板Aのセット時に、この真空吸着手段6から真空吸引して上基板Aが吸着保持し、更に必要に応じて粘着部材4からの剥離時には、該真空吸着手段6から上基板Aの表面A1へ向け例えば窒素ガスなどの気体を噴き出すようにすることが好ましい。
従って、図11(a)〜(c)に示す実施例7は、上述した実施例6と同様な作用効果が得られ、更に加えて上基板Aの剥離時には、剛体部3aの先端面を保持面1aから突出させて粘着部材4から上基板Aを強制的に押し剥がす実施例6に比べ、重ね合わせが完了した上基板Aを部分的に再加圧する必要がないので、上下基板A,B同士が位置ズレしたり、平行度が狂うなどの事故が発生する恐れがないという利点がある。
尚、本発明の粘着チャック装置が、液晶ディスプレー(LCD)パネルなどのガラス基板を粘着保持して貼り合わせる基板貼り合わせ機に配備される場合を示したが、これに限定されず、この基板貼り合わせ機以外の基板組立装置や、基板を搬送する基板搬送装置に配備したり、LCDパネル用ガラス基板以外の基板を粘着保持しても良い。
更に、真空中で基板A,Bを貼り合わせる基板貼り合わせ機を説明したが、これに限定されず、大気中で基板A,Bを貼り合わせる基板貼り合わせ機でも良く、この場合でも、上述した真空貼り合わせ機と同じ作用効果が得られる。
また、前示実施例では、上保持板1の保持面1aのみに開口部1bを開設して可動膜3を配置することにより、上基板Aの粘着保持及び剥離開放を行ったが、これに限定されず、下保持板2の保持面2aにも同様に、下基板Bの表面B1と対向する開口部を開設して可動膜を配置することにより、下基板Bの粘着保持及び剥離開放を行っても良い。
更に、図7に示す実施例4と図8及び図9に示す実施例5と図10に示す実施例6のみ、上保持板1に開穿された開口部1bに対して円筒体1dを装着し、この円筒体1dに可動膜3c,3d,3や粘着部材4などの構成部品全てを一体的に配備してユニット化した場合を図示しているが、これに限定されず、それ以外の実施例においても同様に、上保持板1に開穿された開口部1bに対して円筒体(図示せず)を装着し、この円筒体に可動膜3や粘着部材4などの構成部品全てを一体的に配備してユニット化する共に、上記開口部1bに対して円筒体を例えば磁気やクランプ機構などの着脱手段(図示せず)から取り外し自在に取り付けることにより、粘着部材4の粘着力が低下した際に、上保持板1の保持面1aからユニット全体を着脱して交換するようにして良い。
本発明の粘着チャック装置の実施例1を示す部分的な縦断正面図であり、基板貼り合わせ機に配備された場合の作動工程を(a)〜(c)に示している。 (a)〜(b)が可動膜の支持方法の変形例を示す部分拡大断面図であり、(c)が可動膜の変形例を示す部分拡大断面図である。 本発明の粘着チャック装置の実施例2を示す部分的な縦断正面図であり、基板貼り合わせ機に配備された場合の作動工程を(a)〜(d)に示している。 本発明の粘着チャック装置の実施例3を示す部分的な縦断正面図であり、基板貼り合わせ機に配備された場合の作動工程を(a)〜(c)に示している。 粘着部材の変形例を示す部分拡大断面図である。 粘着部材の変形例を示す部分拡大断面図である。 本発明の粘着チャック装置の実施例4を示す部分的な縦断正面図であり、基板貼り合わせ機に配備された場合の作動工程を(a)〜(c)に示している。 本発明の粘着チャック装置の実施例5を示す部分的な拡大縦断正面図である。 本発明の粘着チャック装置の実施例5を示す部分的な拡大縦断正面図である。 本発明の粘着チャック装置の実施例6を示す部分的な縦断正面図であり、基板貼り合わせ機に配備された場合の作動工程を(a)〜(c)に示している。 本発明の粘着チャック装置の実施例7を示す部分的な縦断正面図であり、基板貼り合わせ機に配備された場合の作動工程を(a)〜(c)に示している。
符号の説明
A 基板(上基板) A1 表面
B 基板(下基板) B1 表面
C 環状接着剤 S 二次側空間(閉空間)
1 上保持板(上定盤) 1a 保持面
1b 開口部 1c 挟持部材
1d 円筒体 1e 通路
1f バネ受け部 2 下保持板(下定盤)
2a 保持面 3 可動膜
3a 剛体部 3b 係合部
3c,3d 可動膜 3e 蛇腹部
3f 密閉室 4 粘着部材
4a 粘着表面 4b 固着裏面
5 一次側空間(空圧室) 5a 第1空圧室
5b 第2空圧室 6 真空吸着手段
6a 通気路 6b 給気源
7 シリンダー部 7a 第1通路
7b 第2通路 7c ストッパー
7d バネ受け部 8 隔壁
9 付勢部材

Claims (6)

  1. 基板を保持板に対し、粘着で着脱自在に保持する粘着チャック装置において、
    前記保持板の基板側に、この基板側面に開設した開口部内で該基板側面と交差する方向へ変形可能な可動膜と、この可動膜の一部にその先端面が基板と平行に対向するように配置される剛体部と、この剛体部の先端面に配置される粘着部材とを設け、上記可動膜の一次側空間と二次側空間の圧力差による該可動膜の往復動で、上記剛体部の先端面及び粘着部材を保持板の開口部から出没させ、その粘着表面を基板と平行に当接させて粘着保持すると共に、これら両者を強制的に引き離して剥離することを特徴とする粘着チャック装置。
  2. 前記可動膜の往復動方向へ貫通する通気路を基板と対向して開設し、この通気路から基板を吸引吸着した請求項1記載の粘着チャック装置。
  3. 前記可動膜に、剛体部と一体化されたシリンダー部を設け、基板側面に開設された開口部内に、該シリンダー部と対向する隔壁を設け、この隔壁に対しシリンダー部を往復動自在に挿通して軸受けした請求項3記載の粘着チャック装置。
  4. 前記開口部内に、相互に離れた2枚の可動膜を設け、これら可動膜にシリンダー部を挿着して、両可動膜の間に第1空圧室と第2空圧室を別々に区画形成し、該第1空圧室と第2空圧室の圧力差で両可動膜を同時に変形して往復動させた請求項4記載の粘着チャック装置。
  5. 前記可動膜が保持板の基板側面と交差する方向へ変形可能なベローズからなる請求項1、3、4または5記載の粘着チャック装置。
  6. 前記可動膜と連係する付勢部材を設け、この付勢部材で該可動膜をその往復動のどちらか一方へ向けて付勢した請求項1、3、4、5または6記載の粘着チャック装置。
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