JP3912028B2 - 自動車の車体フロア構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車の車体フロア構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車体フロア構造の中には、例えば特開平8−239056号公報に示されているように、ダッシュパネルから車体前方に向けて配設したサイドメンバのフロア側延長部であるエクステンションサイドメンバの前端部と、フロアサイドに車体前後方向に配設したサイドシルの前端部とをアウトリガーで連結し、このエクステンションサイドメンバの前端部とアウトリガーとの結合部近傍にサスペンションメンバの後部取付点を設けたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の車体フロア構造では、車両の斜め前方からの衝突時にサスペンションメンバの後部取付点およびサイドシル前端部に作用する車幅方向内側後方へ向かう斜め入力によって、エクステンションサイドメンバの前端部およびサイドシルの前端部にそれぞれ車幅方向内側に向けて大きな曲げモーメントが作用するが、この曲げモーメントに対する抗力が十分でないとこれらエクステンションサイドメンバおよびサイドシルの前端部が車幅方向内側へ大きく曲げ変形してフロア全体への荷重の分散伝達が良好に行われなくなってしまうため、前記各フロア骨格メンバ自体の板厚増大やダッシュクロスメンバを含めたフロア全体の板厚増大といった、変形抑制に必要な投資重量が嵩んで大幅な車体重量の増加を招来してしまう。
【0004】
そこで、本発明はフロア骨格メンバやフロア全体の板厚増大等による車体重量の増加を伴うことなく、車両のオフセット衝突時にフロア全体に衝突荷重を分散伝達させることができて、エクステンションサイドメンバおよびサイドシルの大変形によるフロア前部の変形を小さく抑制することができる自動車の車体フロア構造を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にあっては、ダッシュパネルの前面に車体前後方向に配設された左右のサイドメンバと、ダッシュパネル下側のダッシュクロスメンバ部分でサイドメンバの後部に連設されて該ダッシュクロスメンバからフロアパネルに亘って車体前後方向に配設されたエクステンションサイドメンバと、左右のサイドメンバの前端部と左右のエクステンションサイドメンバの前端部とに取付点を設けて車体に架設されるサスペンションメンバと、左右のエクステンションサイドメンバの各外側でフロアサイドに車体前後方向に配設された左右のサイドシルと、ダッシュクロスメンバの側部でエクステンションサイドメンバの前端部とサイドシルの前端部とを連結するアウトリガーと、フロアパネルの平坦部において車幅方向に配設されてエクステンションサイドメンバとサイドシルとを連結するセカンドクロスメンバと、を備えた自動車の車体フロア構造において、
エクステンションサイドメンバのサスペンションメンバ取付点からセカンドクロスメンバとの結合部に亘る領域に、車体後方へ向かって横方向入力に対する強度が高くなるエクステンションサイドメンバ補強部を設けると共に、その部材強度に上下方向曲げ強度<横方向曲げ強度となるような方向性を持たせる一方、
サイドシルの前端部からセカンドクロスメンバとの結合部に亘る領域にサイドシル補強部を設け、
フロアパネルに前記エクステンションサイドメンバ補強部とサイドシル補強部とに亘って連結補強部を設けたことを特徴としている。
【0006】
請求項2の発明にあっては、請求項1に記載のフロアパネルの連結補強部を、該フロアパネルにビードを設けて構成したことを特徴としている。
【0007】
請求項3の発明にあっては、請求項2に記載のビードを、フロアパネルに前後複数個設けたことを特徴としている。
【0008】
請求項4の発明にあっては、請求項2,3に記載のビードを、車幅方向に延在して形成したことを特徴としている。
【0009】
請求項5の発明にあっては、請求項2,3に記載のビードを、サイドシル補強部からエクステンションサイドメンバ補強部に向けて、斜め後方に延在して形成したことを特徴としている。
【0010】
請求項6の発明にあっては、請求項2,3に記載のビードを、車両衝突時の入力によりエクステンションサイドメンバが上下方向に変位した際にフロアパネルに発生する張力に対して、ビード軸線が略直角となるように形成したことを特徴としている。
【0011】
請求項7の発明にあっては、請求項2〜6に記載のビードを、エクステンションサイドメンバに直接連結したことを特徴としている。
【0012】
請求項8の発明にあっては、請求項1〜7に記載の自動車の車体フロア構造であって、エクステンションサイドメンバ補強部のセカンドクロスメンバ近傍の横方向断面寸法を、サスペンションメンバ取付点近傍の横方向断面寸法よりも大きく設定することにより、エクステンションサイドメンバ補強部の横方向入力に対する強度を高めると共に強度に方向性を持たせたことを特徴としている。
【0013】
請求項9の発明にあっては、請求項8に記載のエクステンションサイドメンバ補強部の横方向断面寸法を、サスペンションメンバ取付点近傍からセカンドクロスメンバ近傍に向かい連続的に拡大したことを特徴としている。
【0014】
請求項10の発明にあっては、請求項1〜9に記載の自動車の車体フロア構造であって、エクステンションサイドメンバ補強部の形成領域で、その断面内に補強部材を車体前後方向に配設したことを特徴としている。
【0015】
請求項11の発明にあっては、請求項1〜10に記載の自動車の車体フロア構造であって、エクステンションサイドメンバ補強部を、エクステンションサイドメンバとフロアパネルとに跨って別体成形されたパネル部材を接合して構成したことを特徴としている。
【0016】
請求項12の発明にあっては、請求項1〜11に記載の自動車の車体フロア構造であって、エクステンションサイドメンバ補強部のセカンドクロスメンバ近傍の横方向断面寸法を、車幅方向外側に向かって拡大したことを特徴としている。
【0017】
請求項13の発明にあっては、請求項1〜12に記載の自動車の車体フロア構造であって、エクステンションサイドメンバを、ダッシュクロスメンバおよびフロアパネルの上面に接合配設したことを特徴としている。
【0018】
請求項14の発明にあっては、請求項13に記載の自動車の車体フロア構造であって、エクステンションサイドメンバ補強部の車幅方向外側の側部を、サイドシルのシルインナの側面に直接接合したことを特徴としている。
【0019】
請求項15の発明にあっては、請求項1〜14に記載の自動車の車体フロア構造であって、サイドシル補強部を、シル断面内においてシルインナ縦壁面に別体成形した補強部材を接合して構成したことを特徴としている。
【0020】
請求項16の発明にあっては、請求項1〜14に記載の自動車の車体フロア構造であって、サイドシル補強部を、サイドシルの一般部に対して横方向断面寸法を車幅方向内側に拡大して構成したことを特徴としている。
【0021】
請求項17の発明にあっては、請求項16に記載のサイドシル補強部のシルインナ縦壁面を車幅方向内側にオフセットして形成して、横方向断面寸法を拡大したことを特徴としている。
【0022】
請求項18の発明にあっては、請求項16に記載のサイドシル補強部を、シルインナ縦壁面の車幅方向内側に別体成形した補強部材を接合して、横方向断面寸法を車幅方向内側に拡大して構成したことを特徴としている。
【0023】
請求項19の発明にあっては、請求項16〜18に記載のサイドシル補強部のフロアパネル側部を接合する車幅方向内側の側面を、その下端側がフロア中央側に張り出す傾斜面として形成したことを特徴としている。
【0024】
請求項20の発明にあっては、請求項16〜19に記載のサイドシル補強部の横方向断面寸法を、前端側よりもセカンドクロスメンバとの結合部側を大きくしたことを特徴としている。
【0025】
請求項21の発明にあっては、請求項20に記載のサイドシル補強部の横方向断面寸法を、前端側からセカンドクロスメンバとの結合部側に向かい連続的に拡大したことを特徴としている。
【0026】
請求項22の発明にあっては、請求項1〜21に記載の自動車の車体フロア構造であって、エクステンションサイドメンバ補強部、サイドシル補強部、連結補強部、およびセカンドクロスメンバで形成される補強エリアの上方に座席を配置したことを特徴としている。
【0027】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、車両の斜め前方衝突時には、その衝突初期に前輪タイヤを介してエクステンションサイドメンバ前端部のサスペンションメンバ後部取付点、およびサイドシル前端部に車幅方向内側後方へ向かって衝突入力が作用し、この斜め入力によってエクステンションサイドメンバの前端部およびサイドシル前端部には車幅方向内側に向けて曲げモーメントが発生するが、エクステンションサイドメンバおよびサイドシルはそれぞれの補強部によって横方向曲げ強度が高く、とりわけ、エクステンションサイドメンバ補強部のセカンドクロスメンバとの連結基部側の横方向曲げ強度が高く、しかも、これらエクステンションサイドメンバ補強部とサイドシル補強部とはフロアパネルに設けた連結補強部で連結されているため、前記曲げモーメントに対してエクステンションサイドメンバおよびサイドシルの車幅方向内側への曲げ変形が抑制される。
【0028】
そして、斜め衝突の後期に前輪タイヤもしくは相手車両のサイドシル前端への強干渉により作用する車幅方向内側へ向かう斜め入力とそれに伴い発生する曲げモーメントに対して、サイドシル自体で入力を受けると共に、連結補強部およびエクステンションサイドメンバ補強部とがオーバーラップするエリアを介してエクステンションサイドメンバ,セカンドクロスメンバへ衝突入力を分散伝達することができる。
【0029】
この結果、斜め衝突時の初期から後期に亘って衝突入力をフロア全体に効果的に分散伝達して、エクステンションサイドメンバおよびサイドシルの各前端部の車幅方向内側への変形を合理的に抑制することができる。
【0030】
また、エクステンションサイドメンバ補強部,サイドシル補強部,および連結補強部により前述のように斜め衝突入力をフロア全体に効率的に分散伝達できるため、各フロア骨格メンバやダッシュクロスメンバを含めたフロア全体の各板厚を増大する必要がなく、重量的におよびコスト的に有利に得ることができる。
【0031】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、連結補強部をフロアパネルにビードを設けて構成してあるため、該ビードに形成される複数の角部によって入力支持効率が高められてサイドシルからエクステンションサイドメンバへの入力伝達性を高められると共に、フロアパネル自体の剛性,強度を高められてフロアパネルの曲げ変形抑制効果を得ることができる。
【0032】
また、前記車両の斜め衝突時にエクステンションサスペンションメンバのサスペンションメンバ後部取付点に過大な入力が作用して、該エクステンションサイドメンバがその補強部の強度の方向性(上下方向曲げ強度<横方向曲げ強度)から上下方向に変位した場合、フロアパネルに作用する張力でビードが伸び変形してエネルギー吸収を行うことができると共に、フロアパネル側部とサイドシルとの接合部の剥離抑制効果を得ることができる。
【0033】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の発明の効果に加えて、前後複数個のビードによりサイドシルを前後方向に広範囲に亘って車室内側から支持し、前記斜め衝突時のサイドシルへの入力をより合理的にエクステンションサイドメンバ,セカンドクロスメンバへ分散伝達することができる。
【0034】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2,3の発明の効果に加えて、エクステンションサイドメンバが上下方向に変位した場合に、フロアパネルに発生する張力に対して、車幅方向に延在するビードによってより張力発生源(即ち、エクステンションサイドメンバ)に近い部分でエネルギー吸収が可能であり、かつ、その吸収代についても拡大を図ることができる。
【0035】
請求項5に記載の発明によれば、請求項2,3の発明の効果に加えて、車両の斜め衝突によりサイドシルに作用する斜め入力とそれに伴う曲げモーメントに対して、斜め後方に延在するビードの稜線を長手方向に機能させることができて、入力支持効率をより高められて入力の合理的な分散伝達を行わせることができる。
【0036】
請求項6に記載の発明によれば、請求項2,3の発明の効果に加えて、エクステンションサイドメンバが上下方向に変位した場合に、フロアパネルに発生する張力を、ビードの長手方向の稜線が直角方向に受けるため、該ビードの伸び変形によるエネルギー吸収作用を最大に活かすことができると共に、フロアパネル側部とサイドシルとの接合部の剥離抑制効果を高めることができる。
【0037】
請求項7に記載の発明によれば、請求項2〜6の発明の効果に加えて、車両の斜め衝突によりサイドシルに作用する斜め入力をビードにより直接エクステンションメンバへ分散伝達できて、より合理的な入力の分散伝達を行わせることができる。
【0038】
請求項8に記載の発明によれば、請求項1〜7の発明の効果に加えて、エクステンションサイドメンバ補強部の横方向断面寸法を、セカンドクロスメンバ近傍とサスペンションメンバ取付点近傍とで大,小変化させることで、該エクステンションサイドメンバ補強部の横方向入力に対する前後方向の強度分布と、強度方向性とを容易に設定することができる。
【0039】
請求項9に記載の発明によれば、請求項8の発明の効果に加えて、エクステンションサイドメンバ補強部の横方向断面寸法をサスペンションメンバ取付点近傍からセカンドクロスメンバ近傍に向かい連続的に拡大することによって、該エクステンションサイドメンバ補強部の横方向入力に対する前後方向の強度分布を連続的に変化させているため、該エクステンションサイドメンバ補強部の断面変化による応力集中を回避することができる。
【0040】
請求項10に記載の発明によれば、請求項1〜9の発明の効果に加えて、エクステンションサイドメンバ補強部の断面内に車体前後方向に存在する補強部材によって、該エクステンションサイドメンバ補強部の前後方向入力に対する強度を高められると共に、面外力を高めることができる。
【0041】
請求項11に記載の発明によれば、請求項1〜10の発明の効果に加えて、エクステンションサイドメンバとフロアパネルとに跨って接合したパネル部材によって、エクステンションサイドメンバ補強部の強度を微細にコントロールすることができる。
【0042】
請求項12に記載の発明によれば、請求項1〜11の発明の効果に加えて、エクステンションサイドメンバ補強部のセカンドクロスメンバ近傍の横方向断面寸法を、車幅方向外側に向って拡大することにより、連結補強部との結合強度を高めると共に、エクステンションサイドメンバ補強部の車幅方向内側を強固にすることができる。
【0043】
請求項13に記載の発明によれば、請求項1〜12の発明の効果に加えて、エクステンションサイドメンバをダッシュクロスメンバおよびフロアパネルの上面に接合配置することによって、サイドメンバとエクステンションサイドメンバとの上下方向のオフセット量を小さく抑制でき、車両衝突時における該オフセット部分の荷重負担を軽減することができる。
【0044】
請求項14に記載の発明によれば、請求項13の発明の効果に加えて、エクステンションサイドメンバ補強部の車幅方向外側の側部を、シルインナの側面に直接接合してあるため、両部材間での入力伝達をより確実に行うことができる。
【0045】
請求項15に記載の発明によれば、請求項1〜14の発明の効果に加えて、別体成形した補強部材をシルインナ縦壁面に接合することによって、サイドシル補強部を容易に構成できると共に該補強部材によってサイドシル補強部の強度を微細にコントロールすることができる。
【0046】
また、サイドシルの断面拡大を伴わないため、車室内の足元スペースを広く確保することができる。
【0047】
請求項16に記載の発明によれば、請求項1〜14の発明の効果に加えて、サイドシルの横方向断面寸法を拡大変化させることで、サイドシル補強部を容易に構成することができる。
【0048】
請求項17に記載の発明によれば、請求項16の発明の効果に加えて、サイドシルの横方向断面寸法の拡大変化を、シルインナ縦壁面を車幅方向内側にオフセットして形成することによって行っているので、サイドシルの外側形状に変化はなく車体側部の造形に影響を及ぼすのを回避することができる。
【0049】
請求項18に記載の発明によれば、請求項16の発明の効果に加えて、サイドシルの横方向断面寸法の拡大変化を、シルインナ縦壁面の車幅方向内側に別体成形した補強部材を接合することによって行っているので、サイドシルの外側形状に変化はなく車体側部の造形に影響を及ぼすのを回避できることは勿論、サイドシル自体を加工しないため標準規格のサイドシルを利用できてコスト的に有利に得ることができ、また、補強部材によってサイドシル補強部の強度を微細にコントロールすることができる。
【0050】
請求項19に記載の発明によれば、請求項16〜18の発明の効果に加えて、サイドシル補強部の車幅方向内側の側面を傾斜面としてあるため、エクステンションサイドメンバが上下方向に変位した際にフロアパネルに発生した張力で、該フロアパネルの側部とサイドシルとの接合面に作用する力の剪断成分を増加させることができ、これらフロアパネルとサイドシルとの剥離防止効果を高めることができる。
【0051】
請求項20に記載の発明によれば、請求項16〜19の発明の効果に加えて、サイドシル補強部の横方向断面寸法を、前端側よりもセカンドクロスメンバとの結合部側を大きくすることにより、車両の斜め衝突時にサイドシル補強部に作用する横方向入力に対する強度を高めることができる。
【0052】
請求項21に記載の発明によれば、請求項20の発明の効果に加えて、サイドシル補強部の横方向断面寸法を、前端側からセカンドクロスメンバとの結合部側に向かい連続的に拡大することによって、該サイドメンバ補強部の横方向入力に対する前後方向の強度分布を連続的に変化させているため、該サイドメンバ補強部の断面変化による応力集中を回避することができる。
【0053】
請求項22に記載の発明によれば、請求項1〜21の発明の効果に加えて、座席を補強エリアの上方に配置してあるため、座席の取り付け安定性を一段と高めることができる。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面とともに詳述する。
【0055】
図1〜6において、1はエンジンルームと車室とを隔成するダッシュパネル、2は該ダッシュパネル1の下側部に設けたダッシュクロスメンバ、3は前端をダッシュクロスメンバ2の後端に接合したフロアパネルで、その車幅方向中央部に車室側に膨出成形されて車体前後方向に延在するフロアトンネル4を備えている。
【0056】
5はエンジンルームの車幅方向両側部に配設した車体前後方向骨格部材のサイドメンバで、その後端はダッシュパネル1に接合してあると共に、該後端からダッシュクロスメンバ2およびフロアパネル3の下面に廻り込んで車体後方に延在するエクステンションサイドメンバ6を延設してある。
【0057】
7はエンジンルームの下側に配置したサスペンションメンバで、サイドメンバ5の前端部およびエクステンションサイドメンバ6の前端部にそれぞれ取付点Q1 ,Q2 を設けて車体10に架設してある。
【0058】
エクステンションサイドメンバ6は略ハット形断面に形成して、前記ダッシュクロスメンバ2およびフロアパネル3の下面に接合して閉断面を形成しており、図2〜4にあっては理解し易いように該エクステンションサイドメンバ6を実線で示している。
【0059】
8はフロアパネル3の側部に前後方向に配置したフロア骨格部材のサイドシルを示し、シルインナ8aとシルアウタ8bとで閉断面に形成してある。
【0060】
このサイドシル8の前端部と前記エクステンションサイドメンバ6の前端部とをダッシュサイドで閉断面を形成するアウトリガー9で結合してある。
【0061】
11はフロアパネル3のフロアトンネル4とサイドシル8との間の平坦部の上面において、該フロアトンネル4とサイドシル8とに亘って接合配置されて閉断面を形成した車幅方向骨格部材のセカンドクロスメンバを示す。
【0062】
ここで、前記エクステンションサイドメンバ6のサスペンションメンバ取付点Q2 からセカンドクロスメンバ11との結合部に亘る領域に、車体後方へ向かって横方向入力に対する強度が高くなるエクステンションサイドメンバ補強部12を設けてある。
【0063】
本実施形態ではエクステンションサイドメンバ6を車幅方向外側に拡幅成形してエクステンションサイドメンバ補強部12を構成してあり、その車幅方向外側の側壁の略前半部を前端から後方に至るに従って漸次拡幅してテーパ状に形成すると共に略後半部は直状として、セカンドクロスメンバ11近傍の横方向断面寸法をサスペンションメンバ取付点Q2 近傍の横方向断面寸法よりも大きく設定することによって、エクステンションサイドメンバ補強部12の横方向入力に対する強度を車体後方に向かって高めてあると共に、部材強度に上下方向曲げ強度<横方向曲げ強度となるような方向性を持たせてある。
【0064】
このエクステンションサイドメンバ補強部12の形成領域には、その閉断面内に補強部材13を車体前後方向に配設してある。
【0065】
この補強部材13には直状の板材(パネル材)が用いられ、エクステンションサイドメンバ補強部12の拡幅部分を仕切るようにエクステンションサイドメンバ6の車幅方向外側の側壁と底壁とに接合してある。
【0066】
一方、サイドシル8にはその前端部からセカンドクロスメンバ11との結合部に亘る領域にサイドシル補強部14を設けてある。
【0067】
このサイドシル補強部14は、シル断面内においてシルインナ8aの縦壁面に補強部材としての直状の板材15を接合して構成している。
【0068】
また、フロアパネル3の前記平坦部には、前記エクステンションサイドメンバ6とサイドシル補強部14とに亘って連結補強部16を設けてある。
【0069】
本実施形態ではフロアパネル3に所要長さと深さで複数個のビード17を設けて連結補強部16を構成している。
【0070】
連結補強部16の略前半部領域は、サイドシル8の近傍で下向きに膨出成形されて前後方向に延在する1つのビード17aで構成し、略後半部領域は上向きに膨出成形されてセカンドクロスメンバ11と略平行に車幅方向に延在する3つのビード17bで構成している。
【0071】
この略後半部領域の各ビード17bは、何れも前記エクステンションサイドメンバ補強部12の上方と、サイドシル補強部14とに跨るように形成してある。
【0072】
これにより本実施形態では図3に示すように、エクステンションサイドメンバ補強部12で形成される平面略三角形状の補強エリアAと、サイドシル補強部14で形成されるシルインナ8aに沿った補強エリアBと、これら両補強エリアA,Bに挟まれた連結補強部16で形成される補強エリアCと、補強エリアA,Cがオーバーラップした補強エリアDとが構成され、これら各補強エリアA〜Dの後端部分をセカンドクロスメンバ11で構成している。
【0073】
図1,2中、18はフロントバンパーを示す。
【0074】
以上の実施形態の構造によれば、例えば図2に示すように相手車両V0 が斜め前方から衝突すると、その衝突初期に前輪タイヤ19を介してエクステンションサイドメンバ6の前端部のサスペンションメンバ後部取付点Q2 、およびサイドシル8の前端部に車幅方向内側後方へ向かって衝突入力Fが作用し、この斜め入力によってエクステンションサイドメンバ6の前端部およびサイドシル8の前端部には車幅方向内側に向けて曲げモーメントMext ,Msillが発生する。
【0075】
エクステンションサイドメンバ6及びサイドシル8は、それぞれの補強部12,14によって横方向曲げ強度が高く、とりわけ、エクステンションサイドメンバ補強部12のセカンドクロスメンバ11との連結基部側の横方向曲げ強度が高く、しかも、これらエクステンションサイドメンバ補強部12とサイドシル補強部14とはフロアパネル3に設けた連結補強部16で連結されているため、前記曲げモーメントMext ,Msillに対するエクステンションサイドメンバ6およびサイドシル8の車幅方向内側への曲げ強度が、図3に併記した強度分布に示すように何れも従来の構造と比較してa1 からa2 へ、およびb1 からb2 へと高められ、従って、これらエクステンションサイドメンバ6およびサイドシル8の車幅方向内側への曲げ変形が抑制される。
【0076】
また、このエクステンションサイドメンバ補強部12の断面内には補強部材13が前後方向に配設されている一方、サイドシル補強部14はシルインナ8aに補強部材15を接合して構成しているため、これらエクステンションサイドメンバ6およびサイドシル8の前後方向入力Fext ,Fsillに対する強度も高められる。
【0077】
そして、前記斜め衝突の後期に前輪タイヤ19もしくは相手車両V0 のサイドシル8前端への強干渉により作用する車幅方向内側へ向かう斜め入力とそれに伴い発生する曲げモーメントに対して、サイドシル8自体で入力を受けると共に、連結補強部16とエクステンションサイドメンバ補強部12とがオーバーラップした補強エリアDを介してエクステンションサイドメンバ6,セカンドクロスメンバ11へ衝突入力を分散伝達することができる。
【0078】
この結果、斜め衝突時の初期から後期に亘って衝突入力をフロア全体に効率的に分散伝達して、エクステンションサイドメンバ6およびサイドシル8の各前端部の車幅方向内側への変形を合理的に抑制することができる。
【0079】
また、エクステンションサイドメンバ補強部12,サイドシル補強部14,および連結補強部16により、前述のように斜め衝突入力Fをフロア全体に効率的に分散伝達できるため、各フロア骨格メンバ6,8,11やダッシュクロスメンバ2を含めたフロア全体の各板厚を増大する必要がなく、重量的におよびコスト的に有利に得ることができる。
【0080】
ここで、本実施形態によれば、前述のようにエクステンションサイドメンバ補強部12の横方向断面寸法を、セカンドクロスメンバ11近傍とサスペンションメンバ後部取付点Q2 近傍とで大,小変化させることで、該エクステンションサイドメンバ補強部12の横方向入力に対する前後方向の強度分布と、強度方向性とを容易に設定することができる。
【0081】
しかも、該エクステンションサイドメンバ補強部12のセカンドクロスメンバ11近傍の横方向断面寸法を、車幅方向外側に向かって拡大することによって、連結補強部16との結合強度を高められると共に、エクステンションサイドメンバ補強部12の車幅方向内側を強固にすることができる。
【0082】
また、前述のように補強部材13,15の設定によって、エクステンションサイドメンバ補強部12およびサイドシル補強部14の強度を微細にコントロールすることが可能で、要求に合った強度,剛性を確保することができる。
【0083】
特に、サイドシル補強部14はこの補強部材15の設定によってサイドシル8の断面拡大を伴わないため、車室内の足元スペースを広く確保することができる。
【0084】
一方、連結補強部16はフロアパネル3にビード17を設けて構成してあるため、該ビード17に形成される複数の角部によって入力支持効率が高められてサイドシル8からエクステンションサイドメンバ6への入力伝達性を高められると共に、フロアパネル3自体の剛性,強度を高められてフロアパネル3の曲げ変形抑制効果を得ることができる。
【0085】
また、前記車両の斜め衝突時に図7に示すように、エクステンションサイドメンバ6のサスペンションメンバ後部取付点Q2 に過大な入力Fmax が作用して、該エクステンションサイドメンバ6がその補強部12の方向性(上下方向曲げ強度<横方向曲げ強度)から上下方向に変位した場合、フロアパネル3に作用する張力Tでビード17が伸び変形し、とりわけ、ビード17aは張力Tに対して長手方向の稜線が直角方向に受けて伸び変形が図8に示すように良好に行われてエネルギー吸収を行うことができると共に、フロアパネル3の側部とサイドシル8との接合部の剥離抑制効果を得ることができる。
【0086】
また、ビード17bも前記張力Tに対して伸び変形してエネルギー吸収に寄与するが、該ビード17bが車幅方向に延在していることにより、前述のようにエクステンションサイドメンバ6が上下方向に変位した場合に、フロアパネル3に発生する張力Tに対してより張力発生源(即ち、エクステンションサイドメンバ6)に近い部分でエネルギー吸収が可能であり、かつ、その吸収代についても拡大を図ることができる。
【0087】
なお、フロアパネル3には前述のようにエクステンションサイドメンバ補強部12,サイドシル補強部14,連結補強部16,およびセカンドクロスメンバ11で補強エリアA〜Dが形成されるため、図示は省略したが座席をこの補強エリアA〜Dの上方に配置することによって、座席の取付安定性を一段と高めることができる。
【0088】
図9,10は本発明の第2実施形態を示すもので、本実施形態にあっては前記第1実施形態におけるエクステンションサイドメンバ補強部12の横方向断面寸法を、サスペンションメンバ後部取付点Q2 の近傍からセカンドクロスメンバ11の近傍に向かい連続的に平面テーパ状に拡大してある。
【0089】
本実施形態ではこのエクステンションサイドメンバ補強部12は、前記第1実施形態のようにエクステンションサイドメンバ6を車幅方向外側に向けて拡幅成形するのに替えて、別体成形した平面略三角形状のパネル部材12Aをエクステンションサイドメンバ6とフロアパネル3とに跨って接合して構成している。
【0090】
また、サイドシル補強部14は、サイドシル8の一般部に対して横方向断面寸法を車幅方向内側に向かって拡大して構成してあり、本実施形態では該サイドシル補強部14の領域におけるシルインナ8aの縦壁面を車幅方向内側に向けて膨出させてオフセットして形成してある。
【0091】
このサイドシル補強部14の領域におけるシルインナ8aの縦壁面は、その下端側がフロア中央側に張り出す傾斜面として形成してある。
【0092】
一方、フロアパネル3の連結補強部16を構成する複数個のビード17のうち、略後半部のビード17bをサイドシル補強部14からエクステンションサイドメンバ補強部12に向けて、斜め後方に延在して形成してある。
【0093】
このビード17bの斜め後方に延在する傾斜角度として、好ましくは前記フロアパネル3に発生する張力に対して、ビード軸線が略直角となる後傾角度としてある。
【0094】
従って、この第2実施形態の構造によれば前記第1実施形態と同様の効果が得られる他、エクステンションサイドメンバ補強部12の横方向断面寸法の拡大変化を、サスペンションメンバ後部取付点Q2 の近傍からセカンドクロスメンバ11の近傍に向けて連続的としてあるため、該エクステンションサイドメンバ補強部12の断面変化による応力集中を回避することができる。
【0095】
また、別体成形したパネル部材12Aでエクステンションサイドメンバ補強部12を構成しているため、該エクステンションサイドメンバ補強部12の強度を微細にコントロールすることができる。
【0096】
更に、サイドシル8の横方向断面寸法を拡大変化させることで、サイドシル補強部14を容易に構成できることは勿論、シルインナ8aの縦壁面を車幅方向内側にオフセットして形成することによって行っているので、サイドシル8の外側形状に変化はなく車体側部の造形に影響を及ぼすのを回避することができる。
【0097】
しかも、このシルインナ8aの縦壁面を傾斜面としてあるので、前記フロアパネル3に発生した張力Tで、該フロアパネル3の側部とサイドシル8との接合面に作用する力の剪断成分を増加させることができ、これらフロアパネル3とサイドシル8との剥離防止効果を高めることができる。
【0098】
一方、連結補強部16の略後半部領域を構成するビード17bの傾斜配置によって、ビード17bの稜線を長手方向に機能させることができて、入力支持効率をより高められると共に、該ビード17bもビード17aと同様にフロアパネル3に発生する張力Tを、ビード17bの長手方向の稜線が直角方向に受けるため、これらビード17a,17bの伸び変形によるエネルギー吸収作用を最大に活かすことができると共に、フロアパネル3の側部とサイドシル8との接合部の剥離抑制効果を高めることができる。
【0099】
図11〜13は本発明の第3実施形態を示すもので、本実施形態にあっては、前記第2実施形態におけるエクステンションサイドメンバ6(補強部12を含む)を、ダッシュクロスメンバ2およびフロアパネル3の上面に接合配置してあると共に、セカンドクロスメンバ11の部分でエクステンションサイドメンバ補強部12の車幅方向外側の側部を、シルインナ8aの側面に直接接合してある。
【0100】
このようにエクステンションサイドメンバ6をフロアパネル3の上面に接合するため、連結補強部16を構成するビード17bは、その車幅方向内側の側部をエクステンションサイドメンバ補強部12の内側に入り込ませて直接接合してある。
【0101】
従って、この第3実施形態の構造によれば前記第2実施形態と同様の効果が得られる他、エクステンションサイドメンバ6をダッシュクロスメンバ2およびフロアパネル3の上面に接合配置することで、サイドメンバ5とエクステンションサイドメンバ6との上下方向のオフセット量を小さく抑制でき、車両衝突時における該オフセット部分の荷重負担を軽減することができる。
【0102】
また、エクステンションサイドメンバ補強部12の車幅方向外側の側部をシルインナ8bの側面に直接接合してあるため、両部材間での入力伝達をより確実に行うことができると共に、ビード17bをエクステンションサイドメンバ6に直接接合してあるため、サイドシル8に作用する前記斜め入力を該ビード17bにより直接エクステンションサイドメンバ6へ分散伝達できて、より合理的な入力の分散伝達を行わせることができる。
【0103】
なお、前記第2,第3実施形態ではサイドシル8のシルインナ8aを車幅方向内側へ向けて膨出成形することで、横方向断面寸法を拡大したサイドシル補強部14を構成しているが、第1実施形態に示したサイドシル8の略垂直なシルインナ8aの縦壁の車幅方向内側、即ち、車室側の側面に別体成形した補強部材(図示省略)を接合して、横方向断面寸法を拡大することもできる。
【0104】
また、これら実施形態のようにサイドシル補強部14を、サイドシル8の横方向断面寸法を拡大して構成する場合に、サイドシル8の前端側よりもセカンドクロスメンバ11との結合部側を大きく、望ましくは連続的に拡大変化すれば、車両の斜め衝突時に応力集中を生じることなくサイドシル補強部14に作用する横方向入力に対する強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象とする自動車の外観斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態における斜め衝突時の重力形態を示す車両前部の平面説明図。
【図3】本発明の第1実施形態の補強エリアを概念的に示す平面説明図。
【図4】本発明の第1実施形態の斜視図。
【図5】図4のA−A線に沿う断面図。
【図6】図4のB−B線に沿う断面図。
【図7】本発明の第1実施形態の機能を説明する斜視図。
【図8】図7のC−C線に沿う断面図。
【図9】本発明の第2実施形態の斜視図。
【図10】図9のD−D線に沿う断面図。
【図11】本発明の第3実施形態の斜視図。
【図12】図11のE−E線に沿う断面図。
【図13】図11のF−F線に沿う断面図。
【符号の説明】
1 ダッシュパネル
2 ダッシュクロスメンバ
3 フロアパネル
5 サイドメンバ
6 エクステンションサイドメンバ
7 サスペンションメンバ
8 サイドシル
9 アウトリガー
11 セカンドクロスメンバ
12 エクステンションサイドメンバ補強部
12A パネル部材
13 補強部材
14 サイドシル補強部
15 補強部材
16 連結補強部
17 ビード
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車の車体フロア構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車体フロア構造の中には、例えば特開平8−239056号公報に示されているように、ダッシュパネルから車体前方に向けて配設したサイドメンバのフロア側延長部であるエクステンションサイドメンバの前端部と、フロアサイドに車体前後方向に配設したサイドシルの前端部とをアウトリガーで連結し、このエクステンションサイドメンバの前端部とアウトリガーとの結合部近傍にサスペンションメンバの後部取付点を設けたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の車体フロア構造では、車両の斜め前方からの衝突時にサスペンションメンバの後部取付点およびサイドシル前端部に作用する車幅方向内側後方へ向かう斜め入力によって、エクステンションサイドメンバの前端部およびサイドシルの前端部にそれぞれ車幅方向内側に向けて大きな曲げモーメントが作用するが、この曲げモーメントに対する抗力が十分でないとこれらエクステンションサイドメンバおよびサイドシルの前端部が車幅方向内側へ大きく曲げ変形してフロア全体への荷重の分散伝達が良好に行われなくなってしまうため、前記各フロア骨格メンバ自体の板厚増大やダッシュクロスメンバを含めたフロア全体の板厚増大といった、変形抑制に必要な投資重量が嵩んで大幅な車体重量の増加を招来してしまう。
【0004】
そこで、本発明はフロア骨格メンバやフロア全体の板厚増大等による車体重量の増加を伴うことなく、車両のオフセット衝突時にフロア全体に衝突荷重を分散伝達させることができて、エクステンションサイドメンバおよびサイドシルの大変形によるフロア前部の変形を小さく抑制することができる自動車の車体フロア構造を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にあっては、ダッシュパネルの前面に車体前後方向に配設された左右のサイドメンバと、ダッシュパネル下側のダッシュクロスメンバ部分でサイドメンバの後部に連設されて該ダッシュクロスメンバからフロアパネルに亘って車体前後方向に配設されたエクステンションサイドメンバと、左右のサイドメンバの前端部と左右のエクステンションサイドメンバの前端部とに取付点を設けて車体に架設されるサスペンションメンバと、左右のエクステンションサイドメンバの各外側でフロアサイドに車体前後方向に配設された左右のサイドシルと、ダッシュクロスメンバの側部でエクステンションサイドメンバの前端部とサイドシルの前端部とを連結するアウトリガーと、フロアパネルの平坦部において車幅方向に配設されてエクステンションサイドメンバとサイドシルとを連結するセカンドクロスメンバと、を備えた自動車の車体フロア構造において、
エクステンションサイドメンバのサスペンションメンバ取付点からセカンドクロスメンバとの結合部に亘る領域に、車体後方へ向かって横方向入力に対する強度が高くなるエクステンションサイドメンバ補強部を設けると共に、その部材強度に上下方向曲げ強度<横方向曲げ強度となるような方向性を持たせる一方、
サイドシルの前端部からセカンドクロスメンバとの結合部に亘る領域にサイドシル補強部を設け、
フロアパネルに前記エクステンションサイドメンバ補強部とサイドシル補強部とに亘って連結補強部を設けたことを特徴としている。
【0006】
請求項2の発明にあっては、請求項1に記載のフロアパネルの連結補強部を、該フロアパネルにビードを設けて構成したことを特徴としている。
【0007】
請求項3の発明にあっては、請求項2に記載のビードを、フロアパネルに前後複数個設けたことを特徴としている。
【0008】
請求項4の発明にあっては、請求項2,3に記載のビードを、車幅方向に延在して形成したことを特徴としている。
【0009】
請求項5の発明にあっては、請求項2,3に記載のビードを、サイドシル補強部からエクステンションサイドメンバ補強部に向けて、斜め後方に延在して形成したことを特徴としている。
【0010】
請求項6の発明にあっては、請求項2,3に記載のビードを、車両衝突時の入力によりエクステンションサイドメンバが上下方向に変位した際にフロアパネルに発生する張力に対して、ビード軸線が略直角となるように形成したことを特徴としている。
【0011】
請求項7の発明にあっては、請求項2〜6に記載のビードを、エクステンションサイドメンバに直接連結したことを特徴としている。
【0012】
請求項8の発明にあっては、請求項1〜7に記載の自動車の車体フロア構造であって、エクステンションサイドメンバ補強部のセカンドクロスメンバ近傍の横方向断面寸法を、サスペンションメンバ取付点近傍の横方向断面寸法よりも大きく設定することにより、エクステンションサイドメンバ補強部の横方向入力に対する強度を高めると共に強度に方向性を持たせたことを特徴としている。
【0013】
請求項9の発明にあっては、請求項8に記載のエクステンションサイドメンバ補強部の横方向断面寸法を、サスペンションメンバ取付点近傍からセカンドクロスメンバ近傍に向かい連続的に拡大したことを特徴としている。
【0014】
請求項10の発明にあっては、請求項1〜9に記載の自動車の車体フロア構造であって、エクステンションサイドメンバ補強部の形成領域で、その断面内に補強部材を車体前後方向に配設したことを特徴としている。
【0015】
請求項11の発明にあっては、請求項1〜10に記載の自動車の車体フロア構造であって、エクステンションサイドメンバ補強部を、エクステンションサイドメンバとフロアパネルとに跨って別体成形されたパネル部材を接合して構成したことを特徴としている。
【0016】
請求項12の発明にあっては、請求項1〜11に記載の自動車の車体フロア構造であって、エクステンションサイドメンバ補強部のセカンドクロスメンバ近傍の横方向断面寸法を、車幅方向外側に向かって拡大したことを特徴としている。
【0017】
請求項13の発明にあっては、請求項1〜12に記載の自動車の車体フロア構造であって、エクステンションサイドメンバを、ダッシュクロスメンバおよびフロアパネルの上面に接合配設したことを特徴としている。
【0018】
請求項14の発明にあっては、請求項13に記載の自動車の車体フロア構造であって、エクステンションサイドメンバ補強部の車幅方向外側の側部を、サイドシルのシルインナの側面に直接接合したことを特徴としている。
【0019】
請求項15の発明にあっては、請求項1〜14に記載の自動車の車体フロア構造であって、サイドシル補強部を、シル断面内においてシルインナ縦壁面に別体成形した補強部材を接合して構成したことを特徴としている。
【0020】
請求項16の発明にあっては、請求項1〜14に記載の自動車の車体フロア構造であって、サイドシル補強部を、サイドシルの一般部に対して横方向断面寸法を車幅方向内側に拡大して構成したことを特徴としている。
【0021】
請求項17の発明にあっては、請求項16に記載のサイドシル補強部のシルインナ縦壁面を車幅方向内側にオフセットして形成して、横方向断面寸法を拡大したことを特徴としている。
【0022】
請求項18の発明にあっては、請求項16に記載のサイドシル補強部を、シルインナ縦壁面の車幅方向内側に別体成形した補強部材を接合して、横方向断面寸法を車幅方向内側に拡大して構成したことを特徴としている。
【0023】
請求項19の発明にあっては、請求項16〜18に記載のサイドシル補強部のフロアパネル側部を接合する車幅方向内側の側面を、その下端側がフロア中央側に張り出す傾斜面として形成したことを特徴としている。
【0024】
請求項20の発明にあっては、請求項16〜19に記載のサイドシル補強部の横方向断面寸法を、前端側よりもセカンドクロスメンバとの結合部側を大きくしたことを特徴としている。
【0025】
請求項21の発明にあっては、請求項20に記載のサイドシル補強部の横方向断面寸法を、前端側からセカンドクロスメンバとの結合部側に向かい連続的に拡大したことを特徴としている。
【0026】
請求項22の発明にあっては、請求項1〜21に記載の自動車の車体フロア構造であって、エクステンションサイドメンバ補強部、サイドシル補強部、連結補強部、およびセカンドクロスメンバで形成される補強エリアの上方に座席を配置したことを特徴としている。
【0027】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、車両の斜め前方衝突時には、その衝突初期に前輪タイヤを介してエクステンションサイドメンバ前端部のサスペンションメンバ後部取付点、およびサイドシル前端部に車幅方向内側後方へ向かって衝突入力が作用し、この斜め入力によってエクステンションサイドメンバの前端部およびサイドシル前端部には車幅方向内側に向けて曲げモーメントが発生するが、エクステンションサイドメンバおよびサイドシルはそれぞれの補強部によって横方向曲げ強度が高く、とりわけ、エクステンションサイドメンバ補強部のセカンドクロスメンバとの連結基部側の横方向曲げ強度が高く、しかも、これらエクステンションサイドメンバ補強部とサイドシル補強部とはフロアパネルに設けた連結補強部で連結されているため、前記曲げモーメントに対してエクステンションサイドメンバおよびサイドシルの車幅方向内側への曲げ変形が抑制される。
【0028】
そして、斜め衝突の後期に前輪タイヤもしくは相手車両のサイドシル前端への強干渉により作用する車幅方向内側へ向かう斜め入力とそれに伴い発生する曲げモーメントに対して、サイドシル自体で入力を受けると共に、連結補強部およびエクステンションサイドメンバ補強部とがオーバーラップするエリアを介してエクステンションサイドメンバ,セカンドクロスメンバへ衝突入力を分散伝達することができる。
【0029】
この結果、斜め衝突時の初期から後期に亘って衝突入力をフロア全体に効果的に分散伝達して、エクステンションサイドメンバおよびサイドシルの各前端部の車幅方向内側への変形を合理的に抑制することができる。
【0030】
また、エクステンションサイドメンバ補強部,サイドシル補強部,および連結補強部により前述のように斜め衝突入力をフロア全体に効率的に分散伝達できるため、各フロア骨格メンバやダッシュクロスメンバを含めたフロア全体の各板厚を増大する必要がなく、重量的におよびコスト的に有利に得ることができる。
【0031】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、連結補強部をフロアパネルにビードを設けて構成してあるため、該ビードに形成される複数の角部によって入力支持効率が高められてサイドシルからエクステンションサイドメンバへの入力伝達性を高められると共に、フロアパネル自体の剛性,強度を高められてフロアパネルの曲げ変形抑制効果を得ることができる。
【0032】
また、前記車両の斜め衝突時にエクステンションサスペンションメンバのサスペンションメンバ後部取付点に過大な入力が作用して、該エクステンションサイドメンバがその補強部の強度の方向性(上下方向曲げ強度<横方向曲げ強度)から上下方向に変位した場合、フロアパネルに作用する張力でビードが伸び変形してエネルギー吸収を行うことができると共に、フロアパネル側部とサイドシルとの接合部の剥離抑制効果を得ることができる。
【0033】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の発明の効果に加えて、前後複数個のビードによりサイドシルを前後方向に広範囲に亘って車室内側から支持し、前記斜め衝突時のサイドシルへの入力をより合理的にエクステンションサイドメンバ,セカンドクロスメンバへ分散伝達することができる。
【0034】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2,3の発明の効果に加えて、エクステンションサイドメンバが上下方向に変位した場合に、フロアパネルに発生する張力に対して、車幅方向に延在するビードによってより張力発生源(即ち、エクステンションサイドメンバ)に近い部分でエネルギー吸収が可能であり、かつ、その吸収代についても拡大を図ることができる。
【0035】
請求項5に記載の発明によれば、請求項2,3の発明の効果に加えて、車両の斜め衝突によりサイドシルに作用する斜め入力とそれに伴う曲げモーメントに対して、斜め後方に延在するビードの稜線を長手方向に機能させることができて、入力支持効率をより高められて入力の合理的な分散伝達を行わせることができる。
【0036】
請求項6に記載の発明によれば、請求項2,3の発明の効果に加えて、エクステンションサイドメンバが上下方向に変位した場合に、フロアパネルに発生する張力を、ビードの長手方向の稜線が直角方向に受けるため、該ビードの伸び変形によるエネルギー吸収作用を最大に活かすことができると共に、フロアパネル側部とサイドシルとの接合部の剥離抑制効果を高めることができる。
【0037】
請求項7に記載の発明によれば、請求項2〜6の発明の効果に加えて、車両の斜め衝突によりサイドシルに作用する斜め入力をビードにより直接エクステンションメンバへ分散伝達できて、より合理的な入力の分散伝達を行わせることができる。
【0038】
請求項8に記載の発明によれば、請求項1〜7の発明の効果に加えて、エクステンションサイドメンバ補強部の横方向断面寸法を、セカンドクロスメンバ近傍とサスペンションメンバ取付点近傍とで大,小変化させることで、該エクステンションサイドメンバ補強部の横方向入力に対する前後方向の強度分布と、強度方向性とを容易に設定することができる。
【0039】
請求項9に記載の発明によれば、請求項8の発明の効果に加えて、エクステンションサイドメンバ補強部の横方向断面寸法をサスペンションメンバ取付点近傍からセカンドクロスメンバ近傍に向かい連続的に拡大することによって、該エクステンションサイドメンバ補強部の横方向入力に対する前後方向の強度分布を連続的に変化させているため、該エクステンションサイドメンバ補強部の断面変化による応力集中を回避することができる。
【0040】
請求項10に記載の発明によれば、請求項1〜9の発明の効果に加えて、エクステンションサイドメンバ補強部の断面内に車体前後方向に存在する補強部材によって、該エクステンションサイドメンバ補強部の前後方向入力に対する強度を高められると共に、面外力を高めることができる。
【0041】
請求項11に記載の発明によれば、請求項1〜10の発明の効果に加えて、エクステンションサイドメンバとフロアパネルとに跨って接合したパネル部材によって、エクステンションサイドメンバ補強部の強度を微細にコントロールすることができる。
【0042】
請求項12に記載の発明によれば、請求項1〜11の発明の効果に加えて、エクステンションサイドメンバ補強部のセカンドクロスメンバ近傍の横方向断面寸法を、車幅方向外側に向って拡大することにより、連結補強部との結合強度を高めると共に、エクステンションサイドメンバ補強部の車幅方向内側を強固にすることができる。
【0043】
請求項13に記載の発明によれば、請求項1〜12の発明の効果に加えて、エクステンションサイドメンバをダッシュクロスメンバおよびフロアパネルの上面に接合配置することによって、サイドメンバとエクステンションサイドメンバとの上下方向のオフセット量を小さく抑制でき、車両衝突時における該オフセット部分の荷重負担を軽減することができる。
【0044】
請求項14に記載の発明によれば、請求項13の発明の効果に加えて、エクステンションサイドメンバ補強部の車幅方向外側の側部を、シルインナの側面に直接接合してあるため、両部材間での入力伝達をより確実に行うことができる。
【0045】
請求項15に記載の発明によれば、請求項1〜14の発明の効果に加えて、別体成形した補強部材をシルインナ縦壁面に接合することによって、サイドシル補強部を容易に構成できると共に該補強部材によってサイドシル補強部の強度を微細にコントロールすることができる。
【0046】
また、サイドシルの断面拡大を伴わないため、車室内の足元スペースを広く確保することができる。
【0047】
請求項16に記載の発明によれば、請求項1〜14の発明の効果に加えて、サイドシルの横方向断面寸法を拡大変化させることで、サイドシル補強部を容易に構成することができる。
【0048】
請求項17に記載の発明によれば、請求項16の発明の効果に加えて、サイドシルの横方向断面寸法の拡大変化を、シルインナ縦壁面を車幅方向内側にオフセットして形成することによって行っているので、サイドシルの外側形状に変化はなく車体側部の造形に影響を及ぼすのを回避することができる。
【0049】
請求項18に記載の発明によれば、請求項16の発明の効果に加えて、サイドシルの横方向断面寸法の拡大変化を、シルインナ縦壁面の車幅方向内側に別体成形した補強部材を接合することによって行っているので、サイドシルの外側形状に変化はなく車体側部の造形に影響を及ぼすのを回避できることは勿論、サイドシル自体を加工しないため標準規格のサイドシルを利用できてコスト的に有利に得ることができ、また、補強部材によってサイドシル補強部の強度を微細にコントロールすることができる。
【0050】
請求項19に記載の発明によれば、請求項16〜18の発明の効果に加えて、サイドシル補強部の車幅方向内側の側面を傾斜面としてあるため、エクステンションサイドメンバが上下方向に変位した際にフロアパネルに発生した張力で、該フロアパネルの側部とサイドシルとの接合面に作用する力の剪断成分を増加させることができ、これらフロアパネルとサイドシルとの剥離防止効果を高めることができる。
【0051】
請求項20に記載の発明によれば、請求項16〜19の発明の効果に加えて、サイドシル補強部の横方向断面寸法を、前端側よりもセカンドクロスメンバとの結合部側を大きくすることにより、車両の斜め衝突時にサイドシル補強部に作用する横方向入力に対する強度を高めることができる。
【0052】
請求項21に記載の発明によれば、請求項20の発明の効果に加えて、サイドシル補強部の横方向断面寸法を、前端側からセカンドクロスメンバとの結合部側に向かい連続的に拡大することによって、該サイドメンバ補強部の横方向入力に対する前後方向の強度分布を連続的に変化させているため、該サイドメンバ補強部の断面変化による応力集中を回避することができる。
【0053】
請求項22に記載の発明によれば、請求項1〜21の発明の効果に加えて、座席を補強エリアの上方に配置してあるため、座席の取り付け安定性を一段と高めることができる。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面とともに詳述する。
【0055】
図1〜6において、1はエンジンルームと車室とを隔成するダッシュパネル、2は該ダッシュパネル1の下側部に設けたダッシュクロスメンバ、3は前端をダッシュクロスメンバ2の後端に接合したフロアパネルで、その車幅方向中央部に車室側に膨出成形されて車体前後方向に延在するフロアトンネル4を備えている。
【0056】
5はエンジンルームの車幅方向両側部に配設した車体前後方向骨格部材のサイドメンバで、その後端はダッシュパネル1に接合してあると共に、該後端からダッシュクロスメンバ2およびフロアパネル3の下面に廻り込んで車体後方に延在するエクステンションサイドメンバ6を延設してある。
【0057】
7はエンジンルームの下側に配置したサスペンションメンバで、サイドメンバ5の前端部およびエクステンションサイドメンバ6の前端部にそれぞれ取付点Q1 ,Q2 を設けて車体10に架設してある。
【0058】
エクステンションサイドメンバ6は略ハット形断面に形成して、前記ダッシュクロスメンバ2およびフロアパネル3の下面に接合して閉断面を形成しており、図2〜4にあっては理解し易いように該エクステンションサイドメンバ6を実線で示している。
【0059】
8はフロアパネル3の側部に前後方向に配置したフロア骨格部材のサイドシルを示し、シルインナ8aとシルアウタ8bとで閉断面に形成してある。
【0060】
このサイドシル8の前端部と前記エクステンションサイドメンバ6の前端部とをダッシュサイドで閉断面を形成するアウトリガー9で結合してある。
【0061】
11はフロアパネル3のフロアトンネル4とサイドシル8との間の平坦部の上面において、該フロアトンネル4とサイドシル8とに亘って接合配置されて閉断面を形成した車幅方向骨格部材のセカンドクロスメンバを示す。
【0062】
ここで、前記エクステンションサイドメンバ6のサスペンションメンバ取付点Q2 からセカンドクロスメンバ11との結合部に亘る領域に、車体後方へ向かって横方向入力に対する強度が高くなるエクステンションサイドメンバ補強部12を設けてある。
【0063】
本実施形態ではエクステンションサイドメンバ6を車幅方向外側に拡幅成形してエクステンションサイドメンバ補強部12を構成してあり、その車幅方向外側の側壁の略前半部を前端から後方に至るに従って漸次拡幅してテーパ状に形成すると共に略後半部は直状として、セカンドクロスメンバ11近傍の横方向断面寸法をサスペンションメンバ取付点Q2 近傍の横方向断面寸法よりも大きく設定することによって、エクステンションサイドメンバ補強部12の横方向入力に対する強度を車体後方に向かって高めてあると共に、部材強度に上下方向曲げ強度<横方向曲げ強度となるような方向性を持たせてある。
【0064】
このエクステンションサイドメンバ補強部12の形成領域には、その閉断面内に補強部材13を車体前後方向に配設してある。
【0065】
この補強部材13には直状の板材(パネル材)が用いられ、エクステンションサイドメンバ補強部12の拡幅部分を仕切るようにエクステンションサイドメンバ6の車幅方向外側の側壁と底壁とに接合してある。
【0066】
一方、サイドシル8にはその前端部からセカンドクロスメンバ11との結合部に亘る領域にサイドシル補強部14を設けてある。
【0067】
このサイドシル補強部14は、シル断面内においてシルインナ8aの縦壁面に補強部材としての直状の板材15を接合して構成している。
【0068】
また、フロアパネル3の前記平坦部には、前記エクステンションサイドメンバ6とサイドシル補強部14とに亘って連結補強部16を設けてある。
【0069】
本実施形態ではフロアパネル3に所要長さと深さで複数個のビード17を設けて連結補強部16を構成している。
【0070】
連結補強部16の略前半部領域は、サイドシル8の近傍で下向きに膨出成形されて前後方向に延在する1つのビード17aで構成し、略後半部領域は上向きに膨出成形されてセカンドクロスメンバ11と略平行に車幅方向に延在する3つのビード17bで構成している。
【0071】
この略後半部領域の各ビード17bは、何れも前記エクステンションサイドメンバ補強部12の上方と、サイドシル補強部14とに跨るように形成してある。
【0072】
これにより本実施形態では図3に示すように、エクステンションサイドメンバ補強部12で形成される平面略三角形状の補強エリアAと、サイドシル補強部14で形成されるシルインナ8aに沿った補強エリアBと、これら両補強エリアA,Bに挟まれた連結補強部16で形成される補強エリアCと、補強エリアA,Cがオーバーラップした補強エリアDとが構成され、これら各補強エリアA〜Dの後端部分をセカンドクロスメンバ11で構成している。
【0073】
図1,2中、18はフロントバンパーを示す。
【0074】
以上の実施形態の構造によれば、例えば図2に示すように相手車両V0 が斜め前方から衝突すると、その衝突初期に前輪タイヤ19を介してエクステンションサイドメンバ6の前端部のサスペンションメンバ後部取付点Q2 、およびサイドシル8の前端部に車幅方向内側後方へ向かって衝突入力Fが作用し、この斜め入力によってエクステンションサイドメンバ6の前端部およびサイドシル8の前端部には車幅方向内側に向けて曲げモーメントMext ,Msillが発生する。
【0075】
エクステンションサイドメンバ6及びサイドシル8は、それぞれの補強部12,14によって横方向曲げ強度が高く、とりわけ、エクステンションサイドメンバ補強部12のセカンドクロスメンバ11との連結基部側の横方向曲げ強度が高く、しかも、これらエクステンションサイドメンバ補強部12とサイドシル補強部14とはフロアパネル3に設けた連結補強部16で連結されているため、前記曲げモーメントMext ,Msillに対するエクステンションサイドメンバ6およびサイドシル8の車幅方向内側への曲げ強度が、図3に併記した強度分布に示すように何れも従来の構造と比較してa1 からa2 へ、およびb1 からb2 へと高められ、従って、これらエクステンションサイドメンバ6およびサイドシル8の車幅方向内側への曲げ変形が抑制される。
【0076】
また、このエクステンションサイドメンバ補強部12の断面内には補強部材13が前後方向に配設されている一方、サイドシル補強部14はシルインナ8aに補強部材15を接合して構成しているため、これらエクステンションサイドメンバ6およびサイドシル8の前後方向入力Fext ,Fsillに対する強度も高められる。
【0077】
そして、前記斜め衝突の後期に前輪タイヤ19もしくは相手車両V0 のサイドシル8前端への強干渉により作用する車幅方向内側へ向かう斜め入力とそれに伴い発生する曲げモーメントに対して、サイドシル8自体で入力を受けると共に、連結補強部16とエクステンションサイドメンバ補強部12とがオーバーラップした補強エリアDを介してエクステンションサイドメンバ6,セカンドクロスメンバ11へ衝突入力を分散伝達することができる。
【0078】
この結果、斜め衝突時の初期から後期に亘って衝突入力をフロア全体に効率的に分散伝達して、エクステンションサイドメンバ6およびサイドシル8の各前端部の車幅方向内側への変形を合理的に抑制することができる。
【0079】
また、エクステンションサイドメンバ補強部12,サイドシル補強部14,および連結補強部16により、前述のように斜め衝突入力Fをフロア全体に効率的に分散伝達できるため、各フロア骨格メンバ6,8,11やダッシュクロスメンバ2を含めたフロア全体の各板厚を増大する必要がなく、重量的におよびコスト的に有利に得ることができる。
【0080】
ここで、本実施形態によれば、前述のようにエクステンションサイドメンバ補強部12の横方向断面寸法を、セカンドクロスメンバ11近傍とサスペンションメンバ後部取付点Q2 近傍とで大,小変化させることで、該エクステンションサイドメンバ補強部12の横方向入力に対する前後方向の強度分布と、強度方向性とを容易に設定することができる。
【0081】
しかも、該エクステンションサイドメンバ補強部12のセカンドクロスメンバ11近傍の横方向断面寸法を、車幅方向外側に向かって拡大することによって、連結補強部16との結合強度を高められると共に、エクステンションサイドメンバ補強部12の車幅方向内側を強固にすることができる。
【0082】
また、前述のように補強部材13,15の設定によって、エクステンションサイドメンバ補強部12およびサイドシル補強部14の強度を微細にコントロールすることが可能で、要求に合った強度,剛性を確保することができる。
【0083】
特に、サイドシル補強部14はこの補強部材15の設定によってサイドシル8の断面拡大を伴わないため、車室内の足元スペースを広く確保することができる。
【0084】
一方、連結補強部16はフロアパネル3にビード17を設けて構成してあるため、該ビード17に形成される複数の角部によって入力支持効率が高められてサイドシル8からエクステンションサイドメンバ6への入力伝達性を高められると共に、フロアパネル3自体の剛性,強度を高められてフロアパネル3の曲げ変形抑制効果を得ることができる。
【0085】
また、前記車両の斜め衝突時に図7に示すように、エクステンションサイドメンバ6のサスペンションメンバ後部取付点Q2 に過大な入力Fmax が作用して、該エクステンションサイドメンバ6がその補強部12の方向性(上下方向曲げ強度<横方向曲げ強度)から上下方向に変位した場合、フロアパネル3に作用する張力Tでビード17が伸び変形し、とりわけ、ビード17aは張力Tに対して長手方向の稜線が直角方向に受けて伸び変形が図8に示すように良好に行われてエネルギー吸収を行うことができると共に、フロアパネル3の側部とサイドシル8との接合部の剥離抑制効果を得ることができる。
【0086】
また、ビード17bも前記張力Tに対して伸び変形してエネルギー吸収に寄与するが、該ビード17bが車幅方向に延在していることにより、前述のようにエクステンションサイドメンバ6が上下方向に変位した場合に、フロアパネル3に発生する張力Tに対してより張力発生源(即ち、エクステンションサイドメンバ6)に近い部分でエネルギー吸収が可能であり、かつ、その吸収代についても拡大を図ることができる。
【0087】
なお、フロアパネル3には前述のようにエクステンションサイドメンバ補強部12,サイドシル補強部14,連結補強部16,およびセカンドクロスメンバ11で補強エリアA〜Dが形成されるため、図示は省略したが座席をこの補強エリアA〜Dの上方に配置することによって、座席の取付安定性を一段と高めることができる。
【0088】
図9,10は本発明の第2実施形態を示すもので、本実施形態にあっては前記第1実施形態におけるエクステンションサイドメンバ補強部12の横方向断面寸法を、サスペンションメンバ後部取付点Q2 の近傍からセカンドクロスメンバ11の近傍に向かい連続的に平面テーパ状に拡大してある。
【0089】
本実施形態ではこのエクステンションサイドメンバ補強部12は、前記第1実施形態のようにエクステンションサイドメンバ6を車幅方向外側に向けて拡幅成形するのに替えて、別体成形した平面略三角形状のパネル部材12Aをエクステンションサイドメンバ6とフロアパネル3とに跨って接合して構成している。
【0090】
また、サイドシル補強部14は、サイドシル8の一般部に対して横方向断面寸法を車幅方向内側に向かって拡大して構成してあり、本実施形態では該サイドシル補強部14の領域におけるシルインナ8aの縦壁面を車幅方向内側に向けて膨出させてオフセットして形成してある。
【0091】
このサイドシル補強部14の領域におけるシルインナ8aの縦壁面は、その下端側がフロア中央側に張り出す傾斜面として形成してある。
【0092】
一方、フロアパネル3の連結補強部16を構成する複数個のビード17のうち、略後半部のビード17bをサイドシル補強部14からエクステンションサイドメンバ補強部12に向けて、斜め後方に延在して形成してある。
【0093】
このビード17bの斜め後方に延在する傾斜角度として、好ましくは前記フロアパネル3に発生する張力に対して、ビード軸線が略直角となる後傾角度としてある。
【0094】
従って、この第2実施形態の構造によれば前記第1実施形態と同様の効果が得られる他、エクステンションサイドメンバ補強部12の横方向断面寸法の拡大変化を、サスペンションメンバ後部取付点Q2 の近傍からセカンドクロスメンバ11の近傍に向けて連続的としてあるため、該エクステンションサイドメンバ補強部12の断面変化による応力集中を回避することができる。
【0095】
また、別体成形したパネル部材12Aでエクステンションサイドメンバ補強部12を構成しているため、該エクステンションサイドメンバ補強部12の強度を微細にコントロールすることができる。
【0096】
更に、サイドシル8の横方向断面寸法を拡大変化させることで、サイドシル補強部14を容易に構成できることは勿論、シルインナ8aの縦壁面を車幅方向内側にオフセットして形成することによって行っているので、サイドシル8の外側形状に変化はなく車体側部の造形に影響を及ぼすのを回避することができる。
【0097】
しかも、このシルインナ8aの縦壁面を傾斜面としてあるので、前記フロアパネル3に発生した張力Tで、該フロアパネル3の側部とサイドシル8との接合面に作用する力の剪断成分を増加させることができ、これらフロアパネル3とサイドシル8との剥離防止効果を高めることができる。
【0098】
一方、連結補強部16の略後半部領域を構成するビード17bの傾斜配置によって、ビード17bの稜線を長手方向に機能させることができて、入力支持効率をより高められると共に、該ビード17bもビード17aと同様にフロアパネル3に発生する張力Tを、ビード17bの長手方向の稜線が直角方向に受けるため、これらビード17a,17bの伸び変形によるエネルギー吸収作用を最大に活かすことができると共に、フロアパネル3の側部とサイドシル8との接合部の剥離抑制効果を高めることができる。
【0099】
図11〜13は本発明の第3実施形態を示すもので、本実施形態にあっては、前記第2実施形態におけるエクステンションサイドメンバ6(補強部12を含む)を、ダッシュクロスメンバ2およびフロアパネル3の上面に接合配置してあると共に、セカンドクロスメンバ11の部分でエクステンションサイドメンバ補強部12の車幅方向外側の側部を、シルインナ8aの側面に直接接合してある。
【0100】
このようにエクステンションサイドメンバ6をフロアパネル3の上面に接合するため、連結補強部16を構成するビード17bは、その車幅方向内側の側部をエクステンションサイドメンバ補強部12の内側に入り込ませて直接接合してある。
【0101】
従って、この第3実施形態の構造によれば前記第2実施形態と同様の効果が得られる他、エクステンションサイドメンバ6をダッシュクロスメンバ2およびフロアパネル3の上面に接合配置することで、サイドメンバ5とエクステンションサイドメンバ6との上下方向のオフセット量を小さく抑制でき、車両衝突時における該オフセット部分の荷重負担を軽減することができる。
【0102】
また、エクステンションサイドメンバ補強部12の車幅方向外側の側部をシルインナ8bの側面に直接接合してあるため、両部材間での入力伝達をより確実に行うことができると共に、ビード17bをエクステンションサイドメンバ6に直接接合してあるため、サイドシル8に作用する前記斜め入力を該ビード17bにより直接エクステンションサイドメンバ6へ分散伝達できて、より合理的な入力の分散伝達を行わせることができる。
【0103】
なお、前記第2,第3実施形態ではサイドシル8のシルインナ8aを車幅方向内側へ向けて膨出成形することで、横方向断面寸法を拡大したサイドシル補強部14を構成しているが、第1実施形態に示したサイドシル8の略垂直なシルインナ8aの縦壁の車幅方向内側、即ち、車室側の側面に別体成形した補強部材(図示省略)を接合して、横方向断面寸法を拡大することもできる。
【0104】
また、これら実施形態のようにサイドシル補強部14を、サイドシル8の横方向断面寸法を拡大して構成する場合に、サイドシル8の前端側よりもセカンドクロスメンバ11との結合部側を大きく、望ましくは連続的に拡大変化すれば、車両の斜め衝突時に応力集中を生じることなくサイドシル補強部14に作用する横方向入力に対する強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象とする自動車の外観斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態における斜め衝突時の重力形態を示す車両前部の平面説明図。
【図3】本発明の第1実施形態の補強エリアを概念的に示す平面説明図。
【図4】本発明の第1実施形態の斜視図。
【図5】図4のA−A線に沿う断面図。
【図6】図4のB−B線に沿う断面図。
【図7】本発明の第1実施形態の機能を説明する斜視図。
【図8】図7のC−C線に沿う断面図。
【図9】本発明の第2実施形態の斜視図。
【図10】図9のD−D線に沿う断面図。
【図11】本発明の第3実施形態の斜視図。
【図12】図11のE−E線に沿う断面図。
【図13】図11のF−F線に沿う断面図。
【符号の説明】
1 ダッシュパネル
2 ダッシュクロスメンバ
3 フロアパネル
5 サイドメンバ
6 エクステンションサイドメンバ
7 サスペンションメンバ
8 サイドシル
9 アウトリガー
11 セカンドクロスメンバ
12 エクステンションサイドメンバ補強部
12A パネル部材
13 補強部材
14 サイドシル補強部
15 補強部材
16 連結補強部
17 ビード
Claims (22)
- ダッシュパネルの前面に車体前後方向に配設された左右のサイドメンバと、ダッシュパネル下側のダッシュクロスメンバ部分でサイドメンバの後部に連設されて該ダッシュクロスメンバからフロアパネルに亘って車体前後方向に配設されたエクステンションサイドメンバと、左右のサイドメンバの前端部と左右のエクステンションサイドメンバの前端部とに取付点を設けて車体に架設されるサスペンションメンバと、左右のエクステンションサイドメンバの各外側でフロアサイドに車体前後方向に配設された左右のサイドシルと、ダッシュクロスメンバの側部でエクステンションサイドメンバの前端部とサイドシルの前端部とを連結するアウトリガーと、フロアパネルの平坦部において車幅方向に配設されてエクステンションサイドメンバとサイドシルとを連結するセカンドクロスメンバと、を備えた自動車の車体フロア構造において、
エクステンションサイドメンバのサスペンションメンバ取付点からセカンドクロスメンバとの結合部に亘る領域に、車体後方へ向かって横方向入力に対する強度が高くなるエクステンションサイドメンバ補強部を設けると共に、その部材強度に上下方向曲げ強度<横方向曲げ強度となるような方向性を持たせる一方、
サイドシルの前端部からセカンドクロスメンバとの結合部に亘る領域にサイドシル補強部を設け、
フロアパネルに前記エクステンションサイドメンバ補強部とサイドシル補強部とに亘って連結補強部を設けたことを特徴とする自動車の車体フロア構造。 - フロアパネルの連結補強部を、該フロアパネルにビードを設けて構成したことを特徴とする請求項1に記載の自動車の車体フロア構造。
- ビードをフロアパネルに前後複数個設けたことを特徴とする請求項2に記載の自動車の車体フロア構造。
- ビードを車幅方向に延在して形成したことを特徴とする請求項2,3に記載の自動車の車体フロア構造。
- ビードをサイドシル補強部からエクステンションサイドメンバ補強部に向けて、斜め後方に延在して形成したことを特徴とする請求項2,3に記載の自動車の車体フロア構造。
- ビードを、車両衝突時の入力によりエクステンションサイドメンバが上下方向に変位した際にフロアパネルに発生する張力に対して、ビード軸線が略直角となるように形成したことを特徴とする請求項2,3に記載の自動車の車体フロア構造。
- ビードをエクステンションサイドメンバに直接連結したことを特徴とする請求項2〜6の何れかに記載の自動車の車体フロア構造。
- エクステンションサイドメンバ補強部のセカンドクロスメンバ近傍の横方向断面寸法を、サスペンションメンバ取付点近傍の横方向断面寸法よりも大きく設定することにより、エクステンションサイドメンバ補強部の横方向入力に対する強度を高めると共に強度に方向性を持たせたことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の自動車の車体フロア構造。
- エクステンションサイドメンバ補強部の横方向断面寸法を、サスペンションメンバ取付点近傍からセカンドクロスメンバ近傍に向かい連続的に拡大したことを特徴とする請求項8に記載の自動車の車体フロア構造。
- エクステンションサイドメンバ補強部の形成領域で、その断面内に補強部材を車体前後方向に配設したことを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の自動車の車体フロア構造。
- エクステンションサイドメンバ補強部を、エクステンションサイドメンバとフロアパネルとに跨って別体成形されたパネル部材を接合して構成したことを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の自動車の車体フロア構造。
- エクステンションサイドメンバ補強部のセカンドクロスメンバ近傍の横方向断面寸法を、車幅方向外側に向かって拡大したことを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の自動車の車体フロア構造。
- エクステンションサイドメンバを、ダッシュクロスメンバおよびフロアパネルの上面に接合配設したことを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載の自動車の車体フロア構造。
- エクステンションサイドメンバ補強部の車幅方向外側の側部を、サイドシルのシルインナの側面に直接接合したことを特徴とする請求項13に記載の自動車の車体フロア構造。
- サイドシル補強部を、シル断面内においてシルインナ縦壁面に別体成形した補強部材を接合して構成したことを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載の自動車の車体フロア構造。
- サイドシル補強部を、サイドシルの一般部に対して横方向断面寸法を車幅方向内側に拡大して構成したことを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載の自動車の車体フロア構造。
- サイドシル補強部のシルインナ縦壁面を車幅方向内側にオフセットして形成して、横方向断面寸法を拡大したことを特徴とする請求項16に記載の自動車の車体フロア構造。
- サイドシル補強部を、シルインナ縦壁面の車幅方向内側に別体成形した補強部材を接合して、横方向断面寸法を車幅方向内側に拡大して構成したことを特徴とする請求項16に記載の自動車の車体フロア構造。
- サイドシル補強部のフロアパネル側部を接合する車幅方向内側の側面を、その下端側がフロア中央側に張り出す傾斜面として形成したことを特徴とする請求項16〜18の何れかに記載の自動車の車体フロア構造。
- サイドシル補強部の横方向断面寸法を、前端側よりもセカンドクロスメンバとの結合部側を大きくしたことを特徴とする請求項16〜19の何れかに記載の自動車の車体フロア構造。
- サイドシル補強部の横方向断面寸法を、前端側からセカンドクロスメンバとの結合部側に向かい連続的に拡大したことを特徴とする請求項20に記載の自動車の車体フロア構造。
- エクステンションサイドメンバ補強部、サイドシル補強部、連結補強部、およびセカンドクロスメンバで形成される補強エリアの上方に座席を配置したことを特徴とする請求項1〜21の何れかに記載の自動車の車体フロア構造。
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