JP3911855B2 - 直噴火花点火式エンジンの制御装置 - Google Patents

直噴火花点火式エンジンの制御装置 Download PDF

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの運転条件に基づいてトルク補正を行う直噴火花点火式エンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば自動変速機の変速時等に所望の目標トルクを実現する際に、エンジントルクが目標トルクに収束するように吸入空気量をフィードバック制御する一方、そのときのエンジントルクと目標トルクとの偏差に応じて点火時期を補正することにより、すなわち、吸入空気量制御の応答性より速いトルク制御(トルク補正)は点火時期補正で行うことにより、目標トルクを達成するようにしたものがある(特開平5−163996号公報参照)。
【0003】
一方、近年、直噴火花点火式エンジンが注目されており、このものでは、エンジンの運転条件に応じて、燃焼方式を切換制御、すなわち、吸気行程にて燃料を噴射することにより、燃焼室内に燃料を拡散させ均質の混合気を形成して行う均質燃焼と、圧縮行程にて燃料を噴射することにより、点火栓回りに集中的に層状の混合気を形成して行う成層燃焼とに切換制御するのが一般的である(特開昭59−37236号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような直噴火花点火式エンジンにおいて、成層燃焼時に点火時期を用いてトルク補正を行おうとすると、成層燃焼時は混合気が点火栓近傍に来たタイミングで点火しなければならず、点火時期の操作代が少ないため、十分なトルク補正が困難で、強行すると、燃焼の悪化、更にひどい場合には失火を生じてしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑み、均質燃焼と成層燃焼とを切換可能な場合に最適なトルク補正を行うことのできる直噴火花点火式エンジンの制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に係る発明では、図1(A)に示すように、吸気行程にて燃料を噴射して行う均質燃焼と圧縮行程にて燃料を噴射して行う成層燃焼とを切換可能な燃焼方式切換手段を備える直噴火花点火式エンジンであって、エンジンの運転条件に基づいてトルク補正要求を発生するトルク補正要求手段を備えるものにおいて、同一の燃焼方式における前記トルク補正要求に対し、均質燃焼時には、点火時期と空燃比とのうち、少なくとも点火時期を補正してトルク補正を行う均質燃焼時トルク補正手段と、成層燃焼時には、点火時期と空燃比とのうち、空燃比のみを補正してトルク補正を行う成層燃焼時トルク補正手段とを各別に設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明では、図1(B)に示すように、吸気行程にて燃料を噴射して行う均質燃焼と圧縮行程にて燃料を噴射して行う成層燃焼とを切換可能な燃焼方式切換手段を備える直噴火花点火式エンジンであって、エンジンの運転条件に基づいてトルク補正要求を発生するトルク補正要求手段を備えるものにおいて、同一の燃焼方式における前記トルク補正要求に対し、エンジンの吸入空気量を制御してトルク制御を行うトルク制御手段を設ける一方、吸入空気量制御の遅れに対する高応答のトルク補正を行うように、均質燃焼時には少なくとも点火時期を補正してトルク補正を行う均質燃焼時トルク補正手段と、成層燃焼時には少なくとも空燃比を補正してトルク補正を行う成層燃焼時トルク補正手段とを各別に設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明では、同じく図1(B)に示すように、吸気行程にて燃料を噴射して行う均質燃焼と圧縮行程にて燃料を噴射して行う成層燃焼とを切換可能な燃焼方式切換手段を備える直噴火花点火式エンジンであって、少なくともアクセル開度に基づくと共に、同一の燃焼方式におけるトルク補正要求を含んでエンジンの目標トルクを算出する目標トルク算出手段を備えるものにおいて、前記目標トルクを達成するように、エンジンの吸入空気量を制御してトルク制御を行うトルク制御手段を設ける一方、吸入空気量制御の遅れに対する高応答のトルク補正を行うように、均質燃焼時には少なくとも点火時期を補正してトルク補正を行う均質燃焼時トルク補正手段と、成層燃焼時には少なくとも空燃比を補正してトルク補正を行う成層燃焼時トルク補正手段とを各別に設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明では、前記トルク制御手段は、目標トルクを実現するように必要基本燃料量を算出する必要基本燃料量算出手段と、必要基本燃料量と目標空燃比とから目標吸入空気量を算出する目標吸入空気量算出手段と、目標吸入空気量に基づいて目標スロットル開度を算出する目標スロットル開度算出手段と、目標スロットル開度になるようにスロットル弁を駆動するスロットル弁駆動制御手段とを含んで構成されることを特徴とする(図7参照)。
【0010】
請求項5に係る発明では、前記均質燃焼時トルク補正手段は、トルク補正量を点火時期補正分と空燃比補正分とに分け、点火時期と空燃比とを補正してトルク補正を行うものであり、前記成層燃焼時トルク補正手段は、トルク補正量を空燃比補正分のみとし、空燃比を補正してトルク補正を行うものであることを特徴とする。
【0011】
請求項6に係る発明では、前記均質燃焼時トルク補正手段及び成層燃焼時トルク補正手段において、トルク補正量はエンジン回転同期で演算し、トルク補正量の燃料噴射量への反映は時間同期で演算することを特徴とする。
請求項7に係る発明では、前記均質燃焼時トルク補正手段及び成層燃焼時トルク補正手段において、トルク補正量の演算及びそのトルク補正量の燃料噴射量への反映はエンジン回転同期で演算することを特徴とする。
請求項8に係る発明では、前記トルク補正要求は、変速、エアコンON、燃料カットリカバーに起因するものであることを特徴とする。
【0012】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、均質燃焼時には少なくとも点火時期を操作し、成層燃焼時には空燃比を操作してトルク補正を行うことにより、燃焼方式にかかわらず、所望のトルク補正を行うことができる。
請求項2に係る発明によれば、トルク補正要求に対し、吸入空気量制御では追従できない高速のトルク補正を、燃焼方式にかかわらず、実現することができて、トルク補正要求に応えることができる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、目標トルクへのトルク制御に際し、吸入空気量制御では追従できない高速のトルク補正を、燃焼方式にかかわらず、実現することができて、目標トルクを達成できる。
請求項4に係る発明によれば、いわゆるトルクデマンド制御(図7のような制御をトルクデマンド制御という)によりスロットル開度を制御している際に、これによる吸入空気量制御では追従できない高速のトルク補正を、燃焼方式にかかわらず、実現することができて、目標トルクを達成できる。
【0014】
請求項5に係る発明によれば、均質燃焼時のトルク制御の可能な範囲(ダイナミックレンジ)を広げることができる。
請求項6に係る発明によれば、高回転時に演算負荷を増加させることなく、成層燃焼の場合でも均質燃焼の場合と同様に良好な応答性を実現できる。
請求項7に係る発明によれば、成層燃焼の場合も均質燃焼の場合も、全ての回転数において全く同等の応答性を実現できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図2は実施の一形態を示す直噴火花点火式エンジンのシステム図である。先ず、これについて説明する。
車両に搭載されるエンジン1の各気筒の燃焼室には、エアクリーナ2から吸気通路3により、電制スロットル弁4の制御を受けて、空気が吸入される。
【0016】
電制スロットル弁4は、コントロールユニット20からの信号により作動するステップモータ等により開度制御される。
そして、燃焼室内に燃料(ガソリン)を直接噴射するように、電磁式の燃料噴射弁(インジェクタ)5が設けられている。
燃料噴射弁5は、コントロールユニット20からエンジン回転に同期して吸気行程又は圧縮行程にて出力される噴射パルス信号によりソレノイドに通電されて開弁し、所定圧力に調圧された燃料を噴射するようになっている。そして、噴射された燃料は、吸気行程噴射の場合は燃焼室内に拡散して均質な混合気を形成し、また圧縮行程噴射の場合は点火栓6回りに集中的に層状の混合気を形成し、コントロールユニット20からの点火信号に基づき、点火栓6により点火されて、燃焼(均質燃焼又は成層燃焼)する。尚、燃焼方式は、空燃比制御との組合わせで、均質ストイキ燃焼、均質リーン燃焼(空燃比20〜30)、成層リーン燃焼(空燃比40程度)に分けられる。
【0017】
エンジン1からの排気は排気通路7より排出され、排気通路7には排気浄化用の触媒8が介装されている。
コントロールユニット20は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インターフェイス等を含んで構成されるマイクロコンピュータを備え、各種のセンサから信号が入力されている。
【0018】
前記各種のセンサとしては、エンジン1のクランク軸又はカム軸回転を検出するクランク角センサ21,22が設けられている。これらのクランク角センサ21,22は、気筒数をnとすると、クランク角720°/n毎に、予め定めたクランク角位置(各気筒の圧縮上死点前の所定クランク角位置)で基準パルス信号REFを出力すると共に、1〜2°毎に単位パルス信号POSを出力するもので、基準パルス信号REFの周期などからエンジン回転数Neを算出可能である。
【0019】
この他、吸気通路3のスロットル弁4上流で吸入空気流量Qaを検出するエアフローメータ23、アクセル開度(アクセルペダルの踏込み量)ACCを検出するアクセルセンサ24、スロットル弁4の開度TVOを検出するスロットルセンサ25(スロットル弁4の全閉位置でONとなるアイドルスイッチを含む)、エンジン1の冷却水温Twを検出する水温センサ26、排気通路7にて排気空燃比のリッチ・リーンに応じた信号を出力するO2 センサ27、車速VSPを検出する車速センサ28などが設けられている。
【0020】
ここにおいて、コントロールユニット20は、前記各種のセンサからの信号を入力しつつ、内蔵のマイクロコンピュータにより、所定の演算処理を行って、電制スロットル弁4によるスロットル開度、燃料噴射弁5による燃料噴射量、及び、点火栓6による点火時期を制御する。
これら制御のうち、トルク制御(トルク補正)に関連する制御について、第1〜第5の実施例を、フローチャートにより説明する。
【0021】
〔第1の実施例〕
第1の実施例のフローチャートは図3〜図5に示される。
図3はトルク補正量演算ルーチンであり、基準パルス信号REFに同期して実行される(REF−JOB)。
S1では、変速、エアコンON、燃料カットリカバーなどに起因するトルク補正要求(増減要求)を読込む。すなわち、トルク補正要求手段としての別ルーチンにより、変速時はトルク低減要求、エアコンON時はトルク増加要求、燃料カットリカバー時はトルク低減要求が発生されるので、これを読込む。尚、図19〜図21にトルク補正要求(トルク補正要求分演算)ルーチンのフローチャートを示しており、最後に説明する。
【0022】
S2では、トルク補正要求に対応させて、トルク補正量PIPER(100±α%)を演算する。具体的には、トルク補正要求分を除いた基本目標トルク(ドライバ要求トルク)をtTe0(別ルーチンで演算する)とし、トルク補正要求分をΔtTeとすると、PIPER=〔(tTe0+ΔtTe)/tTe0〕×100(%)により演算する。ここでは、PIPER=100%が補正なし、PIPER>100%がトルク増加要求、PIPER<100%がトルク低減要求となる。
【0023】
S3では、燃焼方式を読込む。
ここで、燃焼方式は、燃焼方式切換手段としての別ルーチンにより、エンジン運転条件に基づいて、燃焼方式切換マップを参照することにより、切換えられる。すなわち、エンジン回転数Neと目標トルクtTe(=tTe0+ΔtTe)とをパラメータとして燃焼方式(及び基本当量比tφ)を定めたマップを、水温Tw、始動後時間などの条件別に複数備えていて、これらの条件から選択されたマップより、実際のエンジン運転状態のパラメータに従って、均質ストイキ燃焼、均質リーン燃焼又は成層リーン燃焼のいずれかに燃焼方式(及び基本当量比tφ)が設定される。よって、これを読込む。尚、図22に燃焼方式切換(及び基本当量比tφ設定)ルーチンのフローチャートを示しており、最後に説明する。
【0024】
S4では、均質燃焼(均質ストイキ燃焼又は均質リーン燃焼)か成層燃焼(成層リーン燃焼)かを判定し、その結果に従って分岐する。
均質燃焼の場合は、S5へ進み、図24に示すようなテーブルを用いて、トルク補正量PIPERを点火時期補正量TQRETに変換する。点火時期補正量TQRETは、進角補正の場合に正の値、遅角補正の場合に負の値となる。そして、S6でトルク補正量PIPERを100%(補正なし)に戻して、本ルーチンを終了する。
【0025】
成層燃焼の場合は、S7へ進み、点火時期補正量TQRET=0にして、本ルーチンを終了する。この場合、トルク補正量PIPERはS2での演算値に維持される。
図4は点火時期演算ルーチンであり、基準パルス信号REFに同期して実行される(REF−JOB)。
【0026】
S11では、別ルーチンにより演算されている基本点火時期ADVmapを読込む。尚、均質燃焼(均質ストイキ燃焼及び均質リーン燃焼)用の基本点火時期ADVmapは、MBT制御に従って演算するか、図26(a)に示すようにエンジン回転数Neと目標トルクtTe(又は燃料噴射量Ti)とに応じて基本点火時期ADVmapを定めたマップより演算する。成層燃焼用の基本点火時期ADVmapは、図26(b)に示すようにエンジン回転数Neと目標トルクtTe(又は燃料噴射量Ti)とに応じて基本点火時期ADVmapを定めたマップより演算する。
【0027】
S12では、点火時期補正量TQRETを読込む。
S13では、次式のごとく、基本点火時期ADVmapに点火時期補正量TQRETを加算して、最終的な点火時期ADVを演算する。
ADV=ADVmap+TQRET
ここで、均質燃焼時はトルク補正量PIPERが点火時期補正量TQRETに変換されているので、これが点火時期ADVに反映されて、点火時期によるトルク補正がなされるが、成層燃焼時は点火時期補正量TQRET=0であるので、点火時期によるトルク補正はなされない。
【0028】
S14では、点火時期ADVを所定のレジスタにセットして、その点火時期ADVにて点火を行わせる。
図5は燃料噴射量演算ルーチンであり、所定時間毎、具体的には10ms毎に実行される(10ms−JOB)。
S21では、別ルーチンにより設定されている空燃比制御のための基本当量比tφを読込む。基本当量比tφは燃焼方式に応じて設定される。尚、ここでいう当量比は、燃空比補正係数ともいい、空燃比をAFRとすると、14.6/AFRで表される。
【0029】
S22では、トルク補正量PIPERを読込む。
S23では、図25に示すようなテーブルを用いて、トルク補正量PIPERを当量比補正量(係数)Δφに変換する。ここで、均質燃焼時はトルク補正量PIPER=100%であるので、当量比補正量Δφ=1となり、成層燃焼時はトルク補正量PIPER=100±α%であるので、当量比補正量Δφ=1±βとなる。
【0030】
S24では、次式のごとく、基本当量比tφに当量比補正量Δφを乗じて、目標当量比tφdを演算する。
tφd=tφ×Δφ
S25では、次式のごとく、基本燃料噴射量Tpを目標当量比tφd等により補正して、最終的な燃料噴射量Tiを演算する。
【0031】
Ti=Tp×tφd×Kα+Ts
ここで、Tpはストイキ空燃比相当の基本燃料噴射量であり、Tp=K×Qa/Ne(Kは定数)により求める。
KαはO2 センサ信号に基づく空燃比フィードバック補正係数であり、リーン燃焼時はKα=1にクランプされる。
【0032】
Tsはバッテリ電圧に依存する無効噴射時間補正分である。
このようにして演算された燃料噴射量Tiは所定のレジスタにセットされ、均質燃焼の場合は各気筒の吸気行程にて、また成層燃焼の場合は各気筒の圧縮行程にて、このTiに相当するパルス幅の噴射パルス信号が各燃料噴射弁5に出力されて、燃料噴射がなされる。
【0033】
ここで、S1〜S4,S5,S6,S12,S13の部分が均質燃焼時トルク補正手段に相当し、S1〜S4,S7,S22〜S25の部分が成層燃焼時トルク補正手段に相当する。
図12は第1の実施例の応答波形例を示している。
例えば、変速に起因して、トルク補正(トルクダウン)要求がなされると、均質燃焼の場合は、点火時期の補正によりトルク補正がなされ、成層燃焼の場合は、点火時期を補正することなく、当量比(空燃比)の補正により、トルク補正がなされる。
【0034】
尚、本実施例では、電制スロットル弁4は、アクセル開度ACCに対応して制御される。
〔第2の実施例〕
第2の実施例では、トルク補正量演算は図6により、点火時期演算及び燃料噴射量演算は図4及び図5(説明済み)により行う。
【0035】
図6はトルク補正量演算ルーチンであり、基準パルス信号REFに同期して実行される(REF−JOB)。
S31では、トルクデマンド制御上の目標トルク(変速、エアコンON、燃料カットリカバーなどに起因するトルク補正要求を含む)を読込む。
S32では、トルク制御手段として、目標トルクに対する空気補正量を演算して、これにより電制スロットル弁4の開度を制御する。
【0036】
S33では、空気補正時の出力トルクを推定する。
S34では、トルクデマンド制御上のトルク補正要求に基づく目標トルクから推定トルクを減算して、不足トルク分を演算する。
S35では、不足トルク分に対応させて、トルク補正量PIPER(100±α%)を演算する。ここでは、PIPER=100%が補正なし、PIPER>100%がトルク増加要求、PIPER<100%がトルク低減要求となる。
【0037】
S36では、燃焼方式を読込む。
S37では、均質燃焼(均質ストイキ燃焼又は均質リーン燃焼)か成層燃焼(成層リーン燃焼)かを判定し、その結果に従って分岐する。
均質燃焼の場合は、S38へ進み、トルク補正量PIPERを点火時期補正量TQRETに変換する。点火時期補正量TQRETは、進角補正の場合に正の値、遅角補正の場合に負の値となる。そして、S39でトルク補正量PIPERを100%(補正なし)に戻して、本ルーチンを終了する。
【0038】
成層燃焼の場合は、S40へ進み、点火時期補正量TQRET=0にして、本ルーチンを終了する。この場合、トルク補正量PIPERはS35での演算値に維持される。
その後の点火時期演算ルーチンは図4により、燃料噴射量演算ルーチンは図5によりなされる。
【0039】
ここで、S33〜S37,S38,S39,S12,S13の部分が均質燃焼時トルク補正手段に相当し、S33〜S37,S40,S22〜S25の部分が成層燃焼時トルク補正手段に相当する。
トルクデマンド制御を行う場合の制御ブロック図を図7に示す。
目標トルク算出手段101は、アクセル開度ACCとエンジン回転数Neとを入力し、これらに応じて基本目標トルク(ドライバ要求トルク)tTe0を予め定めたマップを参照して、基本目標トルクtTe0を設定し、これに、変速、エアコンON、燃料カットリカバー等に起因するトルク補正要求分ΔtTeを加算して、目標トルクtTe=tTe0+ΔtTeを算出する。
【0040】
必要基本燃料量算出手段102は、目標トルクtTeとエンジン回転数Neとを入力し、これらに応じて必要基本燃料量tQfを予め定めたマップを参照して、必要基本燃料量tQfを出力する。
効率補正手段103は、均質燃焼と成層燃焼など、空燃比が大きく変わる場合、燃焼効率が異なることから、これらに応じて、必要基本燃料量tQfを補正する。具体的には、空燃比がリーンになるに従って、必要基本燃料量tQfを小さく補正する。リーンになるに従って、ポンピングロスが小さくなり、効率が高くなるからである。
【0041】
目標空燃比算出手段104は、目標トルクtTeとエンジン回転数Neとを入力し、これらに応じて目標空燃比tAFRを予め定めたマップを参照して、目標空燃比tAFRを出力する。
目標吸入空気量算出手段105は、乗算器からなり、必要基本燃料量tQfに目標空燃比tAFRを乗算して、目標吸入空気量tQcyl =tQf×tAFRを算出する。
【0042】
目標スロットル開度算出手段106は、目標吸入空気量tQcyl とエンジン回転数Neとを入力し、これら(tQcyl ×Ne)に応じて目標スロットル開度tTVOを予め定めたマップを参照して、目標スロットル開度tTVOを出力する。
スロットル弁駆動制御手段107は、目標スロットル開度tTVOに応じた指令信号によりステップモータをステップ駆動して、目標スロットル開度tTVOになるようにスロットル弁4を制御する。
【0043】
図13は第2の実施例の応答波形例を示している。
例えば、エアコンONに起因して、トルク補正(トルクアップ)要求がなされると、空気量増量がなされるが、空気量制御の遅れによりトルク不足を生じる。そこで、トルク不足分を補正すべく、均質燃焼の場合は、点火時期の補正によりトルク補正がなされ、成層燃焼の場合は、点火時期を補正することなく、当量比(空燃比)の補正により、トルク補正がなされる。
【0044】
〔第3の実施例〕
第3の実施例では、トルク補正量演算は図8により、点火時期演算は図4(説明済み)により、燃料噴射量演算は図9により行う。
図8はトルク補正量演算ルーチンであり、基準パルス信号REFに同期して実行される(REF−JOB)。尚、図8は図3とS1’,S2’,S5’,S6’の部分が異なる。
【0045】
S1’では、変速、エアコンON、燃料カットリカバーなどに起因するトルク補正要求(増減要求)を点火時期補正要求分(点火分)と空燃比補正要求分(当量比分)とに分けて別々に読込む。
S2’では、トルク補正要求に対応させてトルク補正量を演算するが、点火時期補正要求分(点火分)と空燃比補正要求分(当量比分)とに基づいて、トルク補正量点火分PIPERADとトルク補正量当量比分PIPERMRとをそれぞれ演算する。具体的には、点火時期補正要求分をΔtTeAD、空燃比補正要求分をΔtTeMRとすると、PIPERAD=〔(tTe0+ΔtTeAD)/tTe0〕×100(%)、PIPERMR=〔(tTe0+ΔtTeMR)/tTe0〕×100(%)により演算する。ここでは、100%が補正なし、100%以上がトルク増加要求、100%以下がトルク低減要求となる。
【0046】
S3では、燃焼方式を読込む。
S4では、均質燃焼(均質ストイキ燃焼又は均質リーン燃焼)か成層燃焼(成層リーン燃焼)かを判定し、その結果に従って分岐する。
均質燃焼の場合は、S5’へ進み、トルク補正量点火分PIPERADを点火時期補正量TQRETに変換する。点火時期補正量TQRETは、進角補正の場合に正の値、遅角補正の場合に負の値となる。そして、S6’でトルク補正量点火分PIPERADを100%(補正なし)に戻して、本ルーチンを終了する。
【0047】
成層燃焼の場合は、S7へ進み、点火時期補正量TQRET=0にして、本ルーチンを終了する。この場合、トルク補正量点火分PIPERADはS2’での演算値に維持される。
その後の点火時期演算ルーチンは図4によりなされる。
図9は燃料噴射量演算ルーチンであり、所定時間毎、具体的には10ms毎に実行される(10ms−JOB)。尚、図9は図5とS22’の部分が異なる。
【0048】
S21では、別ルーチンにより設定されている空燃比制御のための基本当量比tφを読込む。
S22’では、トルク補正量点火分PIPERADと当量比分PIPERMRとを読込み、次式のごとく加算して、合計のトルク補正量PIPERを求める。
PIPER=PIPERAD+PIPERMR−100(%)
ここで、均質燃焼時は点火時期によるトルク補正がなされてトルク補正量点火分PIPERAD=100%であるので、PIPER=PIPERMRとなる。
【0049】
S23では、トルク補正量PIPERを当量比補正量(係数)Δφに変換する。
S24では、次式のごとく、基本当量比tφに当量比補正量Δφを乗じて、目標当量比tφdを演算する。
tφd=tφ×Δφ
S25では、次式のごとく、基本燃料噴射量Tpを目標当量比tφd等により補正して、最終的な燃料噴射量Tiを演算する。
【0050】
Ti=Tp×tφd×Kα+Ts
このようにして演算された燃料噴射量Tiは所定のレジスタにセットされ、均質燃焼の場合は各気筒の吸気行程にて、また成層燃焼の場合は各気筒の圧縮行程にて、このTiに相当するパルス幅の噴射パルス信号が各燃料噴射弁5に出力されて、燃料噴射がなされる。
【0051】
図14は第3の実施例の応答波形例を示している。
例えば、燃料カットリカバーに起因して、トルク補正(トルクダウン)要求がなされると、均質燃焼の場合は、点火時期の補正と当量比(空燃比)の補正とによりトルク補正がなされ、成層燃焼の場合は、点火時期を補正することなく、当量比(空燃比)の大きな補正により、トルク補正がなされる。
【0052】
〔第4の実施例〕
第4の実施例では、トルク補正量演算は図10により、点火時期演算は図4(説明済み)により、燃料噴射量演算は図9(説明済み)により行う。
図10はトルク補正量演算ルーチンであり、基準パルス信号REFに同期して実行される(REF−JOB)。尚、図10は図6とS35’,S38’,S39’の部分が異なる。
【0053】
S31では、トルクデマンド制御上の目標トルク(変速、エアコンON、燃料カットリカバーなどに起因するトルク補正要求を含む)を読込む。
S32では、目標トルクに対する空気補正量を演算して、これにより電制スロットル弁4の開度を制御する。
S33では、空気補正時の出力トルクを推定する。
【0054】
S34では、トルクデマンド制御上のトルク補正要求に基づく目標トルクから推定トルクを減算して、不足トルク分を演算する。
S35’では、不足トルク分に対応させてトルク補正量を演算するが、トルク補正量を点火時期補正分(点火分)と空燃比補正分(当量比分)とに分けて、トルク補正量点火分PIPERADとトルク補正量当量比分PIPERMRとを演算する。具体的には、不足トルク分を所定の比率(成層燃焼時は0:1、均質燃焼時はx:1−x ;xは予め定められた固定値、又は運転条件で切換えるテーブル値)で振り分けて、トルク補正量点火分PIPERADとトルク補正量当量比分PIPERMRとを演算する。ここでは、100%が補正なし、100%以上がトルク増加要求、100%以下がトルク低減要求となる。
【0055】
S36では、燃焼方式を読込む。
S37では、均質燃焼(均質ストイキ燃焼又は均質リーン燃焼)か成層燃焼(成層リーン燃焼)かを判定し、その結果に従って分岐する。
均質燃焼の場合は、S38’へ進み、トルク補正量点火分PIPERADを点火時期補正量TQRETに変換する。点火時期補正量TQRETは、進角補正の場合に正の値、遅角補正の場合に負の値となる。そして、S39’でトルク補正量点火分PIPERADを100%(補正なし)に戻して、本ルーチンを終了する。
【0056】
成層燃焼の場合は、S40へ進み、点火時期補正量TQRET=0にして、本ルーチンを終了する。この場合、トルク補正量点火分PIPERADはS35’での演算値に維持される。
その後の点火時期演算ルーチンは図4により、燃料噴射量演算ルーチンは図9によりなされる。
【0057】
図15は第4の実施例の応答波形例を示している。
例えば、変速に起因して、トルク補正(トルクダウン)要求がなされると、空気量減量がなされるが、空気量制御の遅れによりトルクの過剰を生じる。そこで、これを補正すべく、点火時期の補正と当量比(空燃比)の補正とによりトルク補正がなされ、成層燃焼の場合は、点火時期を補正することなく、当量比(空燃比)の大きな補正により、トルク補正がなされる。
【0058】
〔第5の実施例〕
第5の実施例では、トルク補正量演算及び燃料噴射量演算は図11により、点火時期演算は図4(説明済み)により行う。
S1では、変速、エアコンON、燃料カットリカバーなどに起因するトルク補正要求(増減要求)を読込む。
【0059】
S2では、トルク補正要求に対応させて、トルク補正量PIPER(100±α%)を演算する。ここでは、PIPER=100%が補正なし、PIPER>100%がトルク増加要求、PIPER<100%がトルク低減要求となる。
S3では、燃焼方式を読込む。
S4では、均質燃焼(均質ストイキ燃焼又は均質リーン燃焼)か成層燃焼(成層リーン燃焼)かを判定し、その結果に従って分岐する。
【0060】
均質燃焼の場合は、S41へ進み、トルク補正量PIPERを点火時期補正量TQRETに変換する。点火時期補正量TQRETは、進角補正の場合に正の値、遅角補正の場合に負の値となる。そして、S42で当量比補正量Δφ=1(補正なし)にして、S45〜S47へ進む。
成層燃焼の場合は、S43へ進み、トルク補正量PIPERを当量比補正量Δφに変換する。そして、S44で点火時期補正量TQRET=0にして、S45〜S47へ進む。
【0061】
S45では、別ルーチンにより設定されている空燃比制御のための基本当量比tφを読込む。
S46では、次式のごとく、基本当量比tφに当量比補正量Δφを乗じて、目標当量比tφdを演算する。
tφd=tφ×Δφ
S47では、次式のごとく、基本燃料噴射量Tpを目標当量比tφd等により補正して、最終的な燃料噴射量Tiを演算する。
【0062】
Ti=Tp×tφd×Kα+Ts
このようにして演算された燃料噴射量Tiは所定のレジスタにセットされ、均質燃焼の場合は各気筒の吸気行程にて、また成層燃焼の場合は各気筒の圧縮行程にて、このTiに相当するパルス幅の噴射パルス信号が各燃料噴射弁5に出力されて、燃料噴射がなされる。
【0063】
その後の点火時期演算ルーチンは図4によりなされる。
この第5の実施例は、第1の実施例に対し、燃料噴射量の演算をトルク補正量の演算と同様に回転同期(REF−JOB)で行うようにしたもので、第2〜第4の実施例に対しても、燃料噴射量の演算をトルク補正量の演算と同様に回転同期で行うようにすることができる。
【0064】
次に、第1〜第4の実施例のように燃料噴射量の演算を時間同期(10ms−JOB)で行う場合と、第5の実施例のように燃料噴射量の演算を回転同期(REF−JOB)で行う場合との、相違について述べる。
回転同期(REF−JOB)の演算では、例えば4気筒の場合、クランク角180°毎の基準パルス信号REFの周期は、エンジン回転数毎に、次のようになる。
【0065】
1000rpm・・・30ms
3000rpm・・・10ms
5000rpm・・・ 6ms
6000rpm・・・ 5ms
従って、3000rpm以上では、10ms−JOBと比較して、演算負荷が重くなり、6000rpmでは、10ms−JOBの2倍の演算負荷となり、6気筒、8気筒では更に顕著となる。
【0066】
このため、第1〜第4の実施例では、演算負荷の低減のため、燃料噴射量の演算を時間同期(10ms−JOB)で行うようにしている。
時間同期の演算でも成層燃焼時の応答性が損なわれない理由は、次の通りである。
成層燃焼の低負荷(1200rpm以下程度)では、回転同期(REF−JOB)でトルク補正量を演算してから、燃料噴射までの間に10ms−JOBが入るため、均質燃焼時の点火時期と同等の応答性が実現できる。
【0067】
上記の回転数以上の場合でも、時間同期(10ms−JOB)でトルク補正量の燃料噴射量への反映を行うため、10ms毎の制御は実現でき、通常、時間スケールで要求が出されるトルク補正要求に対しては、十分な制御が行われる。
更に図16及び図17を用いて説明する。
図16を参照し、低回転領域、例えばアイドル回転数領域では、補正量の反映が1燃焼遅れるか否かで性能が大きく影響を受ける。ここで、補正量(TQRET,PIPER)の演算はREF−JOBで、燃料噴射量への反映は10ms−JOBで行った場合、均質燃焼時は、REFで補正量(TQRET)を演算し、そのREFでセットされる点火時期に即反映させるため、補正量をREF直後の燃焼に反映させることができる。成層燃焼時は、REFで補正量(PIPER)を演算するが、この回転領域ではREFから燃料噴射パルスまでの間に1度は10ms−JOBが入るので、結局、均質燃焼時と同様に、REF直後の燃焼に補正量を反映させることができる。
【0068】
よって、アイドル回転数領域等の低回転領域では、成層、均質いずれの場合でも、同等のレスポンスでトルク補正を実現することができる。
図17を参照し、非アイドル回転数領域(高回転数領域)において、補正量(TQRET,PIPER)の演算はREF−JOBで、燃料噴射量への反映は10ms−JOBで行った場合、均質燃焼時は、REFで補正量(TQRET)を演算し、そのREFでセットされる点火時期に即反映させるため、補正量をREF直後の燃焼に反映させることができる。
【0069】
成層燃焼時は、REFで補正量(PIPER)を演算するが、この回転領域ではREFから燃料噴射パルスまでの間に1度も10ms−JOBが入らない場合があり、この場合には補正量演算後2回目の燃焼に反映されることになる。
よって、成層燃焼時は、均質燃焼時の場合と比較して、補正値の反映されるタイミングが遅れる場合があることになるが、この演算方法によれば、REF−JOBでの演算負荷を低減でき、回転数上昇時の回転同期演算負荷の増大を防止できる。
【0070】
また、非アイドル回転数領域での補正要求値は時間同期で対応できれば十分なものが多く、反映タイミングの要求はアイドル回転数領域と比較してそれほどシビアではないため、10ms毎に補正値が反映されれば性能低下の問題はない。よって、非アイドル回転数領域では、回転同期の演算負荷の増大を防止しつつ、均質、成層いずれの場合でも十分なレスポンスでトルク補正を実現することができる。
【0071】
これに対し、第5の実施例の場合の効果を図18により説明する。
演算手段の能力が十分に高い場合には、補正量TQRET、燃料噴射量TiともREFで演算を行う。
成層燃焼時の燃料量の補正は、均質燃焼時の点火時期補正値と同様に常にREF直後の燃焼に反映させることができる。
【0072】
よって、全ての回転数領域で、均質、成層いずれの場合でも十分なレスポンスでトルク補正を実現することができる。
最後に、トルク補正要求ルーチン、燃焼方式切換ルーチンについて説明する。図19は変速によるトルク補正要求(トルク補正要求分演算)ルーチンのフローチャートである。
【0073】
S201で変速中か否かを判定し、変速中の場合は、S202で変速パターンを読込む。そして、S203でトルク補正要求有りか否かを判定し、有りの場合に、S204でトルク補正要求後経過時間を演算し、これに基づいてS205でトルク補正要求分を演算する。
図20はエアコンONによるトルク補正要求(トルク補正要求分演算)ルーチンのフローチャートである。
【0074】
S211でエアコンONか否かを判定し、エアコンONの場合は、S212でON後経過時間を演算し、これに基づいてS215でトルク補正要求分を演算する。また、エアコンOFFの場合は、S213でOFF後経過時間を演算し、S214でOFF後所定時間内か否かを判定し、OFF後所定時間内の場合は、OFF後所定時間に基づいてS215でトルク補正要求分を演算する。
【0075】
図21は燃料カットリカバーによるトルク補正要求(トルク補正要求分演算)ルーチンのフローチャートである。
S221で燃料カットリカバー時か否かを判定し、リカバー時の場合にS222でリカバー後経過時間を演算する。そして、S223でリカバー後所定時間内か否かを判定し、所定時間内の場合は、リカバー後経過時間に基づいてS224でトルク補正要求分を演算する。
【0076】
図22は燃焼方式切換(及び基本当量比tφ設定)ルーチンのフローチャートである。
S301では、マップ切換条件として、水温、始動後時間、運転条件(エンジン回転数、目標トルク)などを読込む。
S302では、マップ切換条件に従って、均質ストイキ燃焼、均質リーン燃焼、成層リーン燃焼を判別し、マップ切換フラグ(FMAPCH)の演算を行う。
【0077】
S303では、FMAPCH=0か否かを判定し、YESの場合に、S304で、均質ストイキ用マップを参照して、エンジン回転数Ne(rpm) 及び目標トルクtTe(kgm) より、基本当量比tφを設定する。
FMAPCH≠0の場合は、S305で、FMAPCH=1か否かを判定し、YESの場合に、S306で、均質リーン用マップを参照して、エンジン回転数Ne(rpm) 及び目標トルクtTe(kgm) より、基本当量比tφを設定する。
【0078】
FMAPCH≠1の場合は、S307で、成層リーン用マップを参照して、エンジン回転数Ne(rpm) 及び目標トルクtTe(kgm) より、基本当量比tφを設定する。
尚、図23には全体制御のジェネラルフローチャートの一例を示している。
ステップaで、10ms−JOBの予約の有無を判定し、予約有りの場合にステップb〜fを実行する。すなわち、ステップbで燃焼方式の切換えを行い、ステップcでトルク補正要求を検出し、ステップdで基本点火時期ADVmapを演算し、ステップeで基本当量比tφを設定し、ステップdで燃料噴射量Tiを演算する。
【0079】
一方、10ms−JOBの予約無しの場合は、ステップgで、REF−JOBの予約の有無を判定し、予約有りの場合にステップh,iを実行する。すなわち、ステップhでトルク補正量PIPERを演算し、ステップiで点火時期ADVを演算する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を示す機能ブロック図
【図2】 本発明の実施の一形態を示すエンジンのシステム図
【図3】 第1の実施例のトルク補正量演算ルーチンのフローチャート
【図4】 第1の実施例の点火時期演算ルーチンのフローチャート
【図5】 第1の実施例の燃料噴射量演算ルーチンのフローチャート
【図6】 第2の実施例のトルク補正量演算ルーチンのフローチャート
【図7】 第2の実施例のトルクデマンド制御のブロック図
【図8】 第3の実施例のトルク補正量演算ルーチンのフローチャート
【図9】 第3の実施例の燃料噴射量演算ルーチンのフローチャート
【図10】 第4の実施例のトルク補正量演算ルーチンのフローチャート
【図11】 第5の実施例のトルク補正量演算ルーチンのフローチャート
【図12】 第1の実施例の応答波形例を示す図
【図13】 第2の実施例の応答波形例を示す図
【図14】 第3の実施例の応答波形例を示す図
【図15】 第4の実施例の応答波形例を示す図
【図16】 燃料噴射量時間同期演算の作用を示す図
【図17】 燃料噴射量時間同期演算の作用を示す図
【図18】 燃料噴射量回転同期演算(第5の実施例)の作用を示す図
【図19】 変速によるトルク補正要求ルーチンのフローチャート
【図20】 エアコンONによるトルク補正要求ルーチンのフローチャート
【図21】 燃料カットリカバーによるトルク補正要求ルーチンのフローチャート
【図22】 燃焼方式切換ルーチンのフローチャート
【図23】 制御全体のジェネラルフローチャート
【図24】 トルク補正量→点火時期補正量変換テーブルを示す図
【図25】 トルク補正量→当量比補正量変換テーブルを示す図
【図26】 基本点火時期マップを示す図
【符号の説明】
1 エンジン
4 電制スロットル弁
5 燃料噴射弁
6 点火栓
20 コントロールユニット

Claims (8)

  1. 吸気行程にて燃料を噴射して行う均質燃焼と圧縮行程にて燃料を噴射して行う成層燃焼とを切換可能な燃焼方式切換手段を備える直噴火花点火式エンジンであって、エンジンの運転条件に基づいてトルク補正要求を発生するトルク補正要求手段を備えるものにおいて、
    同一の燃焼方式における前記トルク補正要求に対し、均質燃焼時には、点火時期と空燃比とのうち、少なくとも点火時期を補正してトルク補正を行う均質燃焼時トルク補正手段と、成層燃焼時には、点火時期と空燃比とのうち、空燃比のみを補正してトルク補正を行う成層燃焼時トルク補正手段とを各別に設けたことを特徴とする直噴火花点火式エンジンの制御装置。
  2. 吸気行程にて燃料を噴射して行う均質燃焼と圧縮行程にて燃料を噴射して行う成層燃焼とを切換可能な燃焼方式切換手段を備える直噴火花点火式エンジンであって、エンジンの運転条件に基づいてトルク補正要求を発生するトルク補正要求手段を備えるものにおいて、
    同一の燃焼方式における前記トルク補正要求に対し、エンジンの吸入空気量を制御してトルク制御を行うトルク制御手段を設ける一方、
    吸入空気量制御の遅れに対する高応答のトルク補正を行うように、均質燃焼時には少なくとも点火時期を補正してトルク補正を行う均質燃焼時トルク補正手段と、成層燃焼時には少なくとも空燃比を補正してトルク補正を行う成層燃焼時トルク補正手段とを各別に設けたことを特徴とする直噴火花点火式エンジンの制御装置。
  3. 吸気行程にて燃料を噴射して行う均質燃焼と圧縮行程にて燃料を噴射して行う成層燃焼とを切換可能な燃焼方式切換手段を備える直噴火花点火式エンジンであって、少なくともアクセル開度に基づくと共に、同一の燃焼方式におけるトルク補正要求を含んでエンジンの目標トルクを算出する目標トルク算出手段を備えるものにおいて、
    前記目標トルクを達成するように、エンジンの吸入空気量を制御してトルク制御を行うトルク制御手段を設ける一方、
    吸入空気量制御の遅れに対する高応答のトルク補正を行うように、均質燃焼時には少なくとも点火時期を補正してトルク補正を行う均質燃焼時トルク補正手段と、成層燃焼時には少なくとも空燃比を補正してトルク補正を行う成層燃焼時トルク補正手段とを各別に設けたことを特徴とする直噴火花点火式エンジンの制御装置。
  4. 前記トルク制御手段は、目標トルクを実現するように必要基本燃料量を算出する必要基本燃料量算出手段と、必要基本燃料量と目標空燃比とから目標吸入空気量を算出する目標吸入空気量算出手段と、目標吸入空気量に基づいて目標スロットル開度を算出する目標スロットル開度算出手段と、目標スロットル開度になるようにスロットル弁を駆動するスロットル弁駆動制御手段とを含んで構成されることを特徴とする請求項3記載の直噴火花点火式エンジンの制御装置。
  5. 前記均質燃焼時トルク補正手段は、トルク補正量を点火時期補正分と空燃比補正分とに分け、点火時期と空燃比とを補正してトルク補正を行うものであり、前記成層燃焼時トルク補正手段は、トルク補正量を空燃比補正分のみとし、空燃比を補正してトルク補正を行うものであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の直噴火花点火式エンジンの制御装置。
  6. 前記均質燃焼時トルク補正手段及び成層燃焼時トルク補正手段において、トルク補正量はエンジン回転同期で演算し、トルク補正量の燃料噴射量への反映は時間同期で演算することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の直噴火花点火式エンジンの制御装置。
  7. 前記均質燃焼時トルク補正手段及び成層燃焼時トルク補正手段において、トルク補正量の演算及びそのトルク補正量の燃料噴射量への反映はエンジン回転同期で演算することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の直噴火花点火式エンジンの制御装置。
  8. 前記トルク補正要求は、変速、エアコンON、燃料カットリカバーに起因するものであることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の直噴火花点火式エンジンの制御装置。
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