JP3910022B2 - 環状樹脂成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インサート成形により形成される環状樹脂成形品、特に金属インサートにより剛性を大きくしながらも寸法精度の優れた樹脂製歯車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、金属代替品として汎用されているエンジニアリングプラスチックにより射出成形される合成樹脂歯車、プーリー等の環状樹脂成形品は、外周面や内周面の真円度に厳しい精度が要求されている一方、相手側の歯車やラック等と噛み合って動力伝達する際に受ける機械的力に耐える剛性を大きくしたものが要求されている。
【0003】
そこで、樹脂成形部特にウェブ内に金属インサートを埋設した樹脂歯車等の環状樹脂成形品をインサート成形することが提案されている。そして、この種の成形品では、従来、周方向に連続した円盤状の金属インサートを成形用金型内に配し、金型内に溶融樹脂を注入固化せしめて、金属インサートとボス、ウェブ、リムならびに歯等からなる樹脂成形部とを一体形成するが、樹脂の成形収縮を周方向に亘りできる限り均一化するため、ウェブの表面に同心円上に略等間隔に設けられた複数のゲートから樹脂を注入し射出成形している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ゲートから注入した樹脂は、金属インサートの表面上に沿って樹脂成形部の片面のウェブ、ボス、リム等を充填してから、金属インサートの裏面側に廻り込んで他面の樹脂成形部を充填成形していくため、樹脂の流れが不均一で偏ったものとなり、また樹脂の注入開始から終了まで成形に要する時間や樹脂の流動距離が長くなり、歯部をはじめとする樹脂成形部への充填不均一を招き、良好な寸法精度が得られないという問題があった。また、金型内の樹脂成形部の樹脂流動路が狭い場合には流動抵抗が大きくなり、成形性が悪化して成形品の精密成形に対する大きな障害となっている。本発明の目的は、良好な寸法精度を維持しつつ剛性を向上した成形品であって、インサート部材と樹脂部材とをインサート成形により一体化した環状樹脂成形品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の環状樹脂成形品は、つぎの手段を備えるものである。
(1)樹脂成形部が、ウェブ、ウェブの内周部に形成されるボスおよびウェブの外周部に形成されるリムとからなり、ウェブ表面に同心円上に略等間隔に設けられた複数のゲートから射出成形される成形品であって、少なくとも前記ウェブ内に前記ゲートに対向する部位に貫通孔を穿設したインサート部材を埋設し、前記インサート部材の周囲に前記樹脂成形部を一体的に形成した環状樹脂成形品。
(2)上記(1)において、インサート部材の貫通孔の放射方向外方に対応するウェブ面を厚肉部に形成してある環状樹脂成形品。
(3)上記(2)において、インサート部材の表面と裏面において、ウェブ面の厚肉部の数および/または形状を異ならせた記載の環状樹脂成形品。
【0006】
【作用】
上記(1)の環状樹脂成形品では、ゲートより注入した樹脂が直ちにゲートに対向するよう配置されたインサート部材の貫通孔を樹脂通路として通り、インサート部材の表裏両面上をほぼ同時に流動して樹脂成形部を充填成形するので、樹脂の流動距離を短縮することができる。その結果、インサート部材とその周囲に形成される樹脂成形部の一体化が強化されるほか、樹脂成形部のリムやボスへの樹脂充填が時間差なく周方向においてほぼ均等に行われ、成形収縮が均一になるので優れた寸法精度を保持することができる。上記(2)の環状樹脂成形品では、特にゲートに対向する貫通孔の放射方向外方に対応するウェブ面に厚肉部を形成つまりゲートから外周方向に向かう部位の樹脂流通路を拡大したので、歯部が存在する外周方向への樹脂流動を円滑に行わせて均一な樹脂充填をより確実にすることができる。また、上記(3)の環状樹脂成形品では、前記厚肉部の数や形状を表面側と裏面側で変化させているので、樹脂の充填速度が両面側で不均一になってもこれをを調整し外周部への樹脂到達をほぼ同時に行わせることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の環状樹脂成形品の実施形態としては外歯歯車や円盤状成形品が挙げられるが、以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【0008】
【実施例】
本発明による環状樹脂成形品を外歯歯車に応用した一実施例について、その表面側の平面形状を示す図1およびそのX−X矢視断面構造を示す図2を参照して説明する。
【0009】
本実施例における合成樹脂歯車11は、樹脂成形部として、図示しない回転軸がその軸孔に一体的に嵌着される円筒状のボス12と、このボス12の外周からその半径方向に延びる肉抜きされた円環状のウェブ13と、このウェブ13の外周から半径方向に広がる円環状のリム14とからなり、リム14の外周には所定ピッチの歯部15が形成されている。そして、インサート部材として、図3に示すドーナツ状の金属インサートプレート21が上記樹脂成形部の射出成形時に、ウェブ13の内部にインサートされている。
【0010】
上記合成樹脂歯車11は、射出成形時にウェブ13表面に同心円上に略等間隔に設けられた6点のゲート31から図示しない成形金型のキャビティ内に注入され、各ゲート31を中心にして放射状に広がる溶融樹脂により形成されるが、金属インサートプレート21の周方向に沿って各ゲート31に対向して穿設された複数の貫通孔22を直ちに通過して裏面側のキャビティにも樹脂が速やかに充填される。従って、金属インサートプレート21の表裏両面側において、各ゲート31から流入する樹脂のリム14外周の歯部15に到達する時間差が均一化され樹脂冷却の熱履歴に差が生じないほか、金属インサートプレート21と樹脂成形部12〜15との一体化も強固である。
【0011】
さらに上記実施例においては、金属インサートプレート21の貫通孔22から放射方向外方に対応するウェブ13に略扇形状の厚肉部16,16’が形成され、この厚肉部16,16’において樹脂通路が拡大されているので、外周部方向への樹脂充填が円滑にできる。また、本実施例ではその裏面側の平面形状を示す図4のとおり、裏面側の厚肉部16’の形状、面積を小さくして樹脂流動状況に応じて調整できるようにしてある。なお、表面側および裏面側における厚肉部16,16’の数を増加減少させて調整することができる。上記実施例に限らず、表裏両面側に貫通孔22に対応した同数および同形状同肉厚の厚肉部を形成してもよい。
【0012】
以上、図示実施例につき説明したが、本発明は上記実施例の態様のみに限定されるものでなく、環状樹脂成形品として歯車のほか、円周カム、プーリー、ウォーム等であってもよく、また、歯車も平歯車形態に限られず傘歯車、はすば歯車等の形態であってもよい。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、ウェブ肉厚内に金属インサートを埋設した環状樹脂成形品であっても、インサート部材と樹脂部材を強固に一体成形できるほか、金属インサートの表裏両面での樹脂の流れを確実に制御してほぼ均等に成形収縮させることができ、外周部の寸法精度や真円度を良好に維持して、剛性が高いにもかかわらず高精度な環状樹脂成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による環状樹脂成形品を外歯歯車に応用した一実施例の外観を示す平面図である。
【図2】図1中のX−X矢視断面図である。
【図3】金属インサートプレートの概略図である。
【図4】図1の裏面側の平面図である。
【符号の説明】
11 合成樹脂歯車
12 ボス
13 ウェブ
14 リム
15 歯部
16,16’ 厚肉部
21 金属インサートプレート
22 貫通孔
31 ゲート
Claims (3)
- 樹脂成形部が、ウェブ、ウェブの内周部に形成されるボスおよびウェブの外周部に形成されるリムとからなり、ウェブ表面に同心円上に略等間隔に設けられた複数のゲートから射出成形される成形品であって、少なくとも前記ウェブ内に前記ゲートに対向する部位に貫通孔を穿設したインサート部材を埋設し、前記インサート部材の周囲に前記樹脂成形部を一体的に形成したことを特徴とする環状樹脂成形品。
- インサート部材の貫通孔の放射方向外方に対応するウェブ面を厚肉部に形成した請求項1に記載の環状樹脂成形品。
- インサート部材の表面側と裏面側において、ウェブ面の厚肉部の数および/または形状を異ならせた請求項2に記載の環状樹脂成形品。
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