JP3902663B2 - 新規な脂質キナーゼ - Google Patents
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Description
酵素のPI3キナーゼファミリーに関する概説は、同時係属中の我々の特許出願WO93/21328に記載されている。略述すると、この酵素のクラスは、ホスホイノシチド(phosphoinositide)(以下、PIという)3―キナーゼ活性を示す。細胞のシグナル伝達および細胞の2次メッセンジャーシステムに関して我々が知る偉大な進歩の結果、PI3キナーゼ類は細胞の機能の調節に関して果たす大きな役割を有することが知られている。事実、PI3キナーゼ類は、リガンドによる刺激または細胞の形質転換の結果として活性化されたプロテイン−チロシンキナーゼと会合する、多数の潜在的なシグナル伝送系蛋白質の一員であることが知られている。このように会合した場合、それらは細胞のシグナル伝送経路に重要な複合体を提供し、所期の結果に向かって直接的な作用を指示する。
PI3キナーゼは、イノシトール脂質のイノシトール環の3’―OH位への燐酸の付加により、ホスファチジルイノシトールモノ燐酸、ホスファチジルイノシトールジ燐酸およびホスファチジルイノシトールトリ燐酸の生成を触媒する(ホワイトマンら、1988年;スチーブンら、1989年および1991年)。現在、一群のPI3キナーゼ酵素が、植物、変形菌類(slime molds)、酵母、ミバエ類および哺乳類のようなさまざまな生物において確認されている(ツベレビルら、1996年)。
種々のPI3キナーゼ類が、インビボにおいて種々の3’―燐酸化イノシトール脂質の生成に関与していることが考えられる。インビトロにおける脂質の基質特異性に基づいて、3種類のPI3キナーゼを区別することができる。第1類の酵素は、広範な基質特異性を有し、PtdIns、PtdIns(4)PおよびPtdIns(4,5)P2を燐酸化する。クラスIのPI3キナーゼは、哺乳類のp110α、p110βおよびp110γを含む(ヒルスら、1192年;フーら、1993年、スチーブンら、1994年;ストヤノフら、1995年)。
p110αおよびp110βは、p85アダプター蛋白質およびGTP−結合Rasと相互作用するPI3キナーゼに関連している。
2種の85kDaサブユニット、すなわちp85αおよびp85βがクローニングされた(オーツら、1992年)。これらの分子は、N末端srcホモロジー3(SH3)ドメイン、2個のプロリンリッチ領域が隣接する(flanked)ブレイクポイントクラスター(bcr)ホモロジー領域および2個のsrcホモロジー2(SH2)ドメインを含む。p85α遺伝子からのオルターナティブスプライシングにより生成するかまたはp85α/βのものと異なる遺伝子によりコード化される短縮されたp85蛋白質は、すべてSH3ドメインとbcr領域を欠失し、これらは単一の短いN末端により置き換えられたと思われる(ポンスら、1995年;イヌカイら、1996年;アントネッティら、1996年)。すべてのp85分子中に存在するSH2ドメインは、種々のレセプターおよびその他の細胞蛋白質上の燐酸化チロシン残基と相互作用する能力をもつヘテロダイマーのp85/p110PI3K類をもたらす。p110αおよびβと対照的に、p110γはp85と相互作用しないが、その代わりp101アダプター蛋白質と会合する(スチーブンら、1996年)。p110γ活性は、G蛋白質サブユニットにより刺激される。
第2類のPI3K類は、少なくともインビトロにおいて、PtdInsおよびPtdIns(4)Pを燐酸化するが、PtdIns(4,5)P2はしない酵素を含む(マクドゥガルら、1995年;バーバシウスら、1996年;モルツら、1996年)。これらのPI3K類はすべてC末端にC2ドメインを含む。これらのクラスIIのPI3K類のインビボにおける役割は未知である。
第3類のPI3K類は、PtdInsに限定された基質特異性を有する。これらのPI3K類は、酵母におけるゴルジ体から液胞への新生蛋白質の移行、これは哺乳類におけるリソソームの均等物である、に関与する酵母のVps34と相同性がある(スタックら、1995年)。酵母および哺乳類のVps34pは、共に、150kDaの蛋白質のセリン/スレオニンキナーゼであるVps15pとの複合体の形で存在する(スタックら、1995年;ボリニアら、1995年;パナレトウら、投稿中)。
PtdIns(3)Pは細胞中に全般的に存在し、その濃度は細胞外刺激により大きく変化しない。対照的に、PtdIns(3,4)P2およびPtdIns(3,4,5)P3は静止期の細胞中にほとんど存在せず種々の成長因子による刺激で急速に産生されるが、これは第2メッセンジャー(second messengers)としての類似機能を示唆する(スチーブンら、1993年)。PI3K類およびその燐酸化脂質の細胞生理学における役割は、理解され始めたばかりである。これらの脂質は2重の役割を果たすことができる:すなわち、脂質2重層の彎曲上における物理的を電荷依存性作用の発揮とは別に、それらはまた特異的結合蛋白質と相互作用しその局在化および/または活性を調節する能力を有する。これらの脂質の潜在的標的の中には、プロテインキナーゼCアイソフォーム類、プロテインキナーゼN/Rho活性化キナーゼ類およびAkt/RAC/プロテインキナーゼBのようなプロテインキナーゼ類がある(トカーら、1994年;パルマーら、1995年;ベーゲリングおよびコッファー、1995年;フランケら、1995年;ジェームスら、1996年;クリッペルら、1996年)。Akt/RAC/プロテインキナーゼBは、p70S6キナーゼおよびグリコーゲンシンターゼキナーゼ3のような標的の上流にあるようである(チャンら、1994年;クロスら、1995年)。またPI3K類は、おそらくヌクレオチド交換の調節により、RacおよびRab5のような低分子GTP結合蛋白質の活性に影響を与える(ホーキンスら、1995年;リーら、1996年)。最後に、これらの作用の組み合わせにより、細胞骨格の再配列、DNA合成/***誘発、細胞生存および分化をもたらすことができる(バンヘーゼブレックら、1996年)。
我々は、ここに、我々がP110δと命名した哺乳類の新規なクラスIのPI3キナーゼを報告する。この新規なPI3キナーゼは、それがp85α、p85βおよびp85γに結合するという点で、クラスIのPI3キナーゼファミリーの典型をあらわす。さらに、それはまたGTP−rasにも結合するが、p110αと同様、rhoおよびracに対する結合を示さない。それはまた、p110αおよびp110βと同一のGTP−ブロードホスホイノシチド脂質に対する基質特異性を共有し、またプロテインキナーゼ活性を示し、p110αと同様な薬物感受性を有する。
しかしながら、それは、その選択的組織分布により特徴づけられている。遍在的に発現されているように見えるp110αおよびp110βと対照的に、p110δの発現は白血球集団すなわち脾臓、胸腺および特に末梢血白血球において特に高い。この観察に加えて、我々はまた、p110δがほとんどの黒色腫で発現されるが、黒色腫に対応する正常細胞であるメラニン細胞では発現されないことを見出した。運動性または侵潤を示すことが知られる組織中におけるp110δの自然分布およびがん細胞中におけるp110αの発現が前提になるならば、我々は、p110δが細胞の運動性または侵潤に果たす役割を有し、したがってがん細胞におけるこのリピドキナーゼの発現ががん細胞の転移行動を説明できると考える。
p110δの別の新規な特徴は、Mn2+依存性におけるその自己燐酸化能力である。事実、我々は、自己燐酸化がこの蛋白質のリピドキナーゼ活性を妨げる傾向があることを示した。さらに、p110δはプロリンリッチ領域を含む明確な潜在的な蛋白質−蛋白質相互作用モデュラス(図1、アミノ酸20個中8個がプロリンである292―311位参照、)および塩基性領域であるロイシンジッパー(bZIP)様のドメイン(イングら、1994年およびヒライら、1996年)を含む。p85結合性PI3キナーゼ間のこのような生化学的および構造的差異は、それらが別個の機能的役割を果たしうることおよび/またはインビボにおいて区別して調節されうることを示す。
我々は、ここに、ヒトに起源をもつ核酸分子(配列表の配列番号2)、およびp110δに関する対応するアミノ酸配列(配列表の配列番号1)データを開示する。この情報を使用すると、組織の運動性または侵潤を診断する目的で、種々の組織型におけるp110δの発現を測定し、特にがん細胞におけるその発現を測定し、したがって生成しつつある2次腫瘍の可能性を予測することが可能である。その上、p110δの発現を弱めるかまたはその機能を妨害する薬剤を提供することも可能であろう。例えば、ここに提示する配列データを考慮すると、p110δの発現を予防するアンチセンス材料を提供することが可能である。
上記のように、本発明は、PI3Kδ蛋白質をコードする核酸分子に選択的に結合してPI3Kδ遺伝子の転写および/または翻訳を減少させるアンチセンスオリゴヌクレオチドを包含する。これは、PI3Kδ遺伝子の発現に帰せられる腫瘍細胞の表現型のあらゆる特性の減少を含めて、PI3Kδ遺伝子産物の発現の減少が望まれる実際上すべての医療状況で望ましいことである。このようにして、アンチセンス分子は、このような腫瘍細胞の表現型の特性を減速させまたは抑制するために使用することができる。
ここに使用する「アンチセンスオリゴヌクレオチド」または「アンチセンス」の語は、生理学的条件下において特定の遺伝子を含むDNAまたはその遺伝子のmRNA転写物にハイブリダイズし、それによりその遺伝子の転写および/またはそのmRNAの翻訳を阻害する、オリゴリボヌクレオチド、オリゴデオキシリボヌクレオチド、修飾オリゴリボヌクレオチド、または修飾オリゴデオキシリボヌクレオチドなどであるオリゴヌクレオチドを表現するものである。アンチセンス分子は、標的遺伝子とハイブリダイズしたとき標的遺伝子の転写または翻訳を妨害するようにデザインされる。当業者は、アンチセンスオリゴヌクレオチドの正確な長さと標的分子に対する相補性の程度が、標的の配列およびその配列を含む特定の塩基類を含めて、選択した具体的標的に依存していることを認識するであろう。アンチセンスオリゴヌクレオチドを、生理学的条件下で標的と選択的に結合、すなわち生理学的条件下で標的細胞中の他の任意の配列よりも標的配列に実質的によくハイブリダイズするように、構築または配置するのが好ましい。図9に示すDNA配列またはそのアレル変異もしくは相同的なゲノムおよび/またはDNA配列に基づき、当業者は本発明により使用するための数々の適当なアンチセンス分子のうち任意のものを、容易に選択し合成することができる。阻害が十分選択的で強力であるために、このようなアンチセンスオリゴヌクレオチドは、少なくとも7個(ワグナーら、ネーチャーバイオテクノロジー14巻840−844ページ、1996年)、より好ましくは、少なくとも15個の、標的に相補的な連続的な塩基を含む必要がある。最も好ましくは、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、20―30塩基の相補的配列を含む。遺伝子またはmRNA転写物の任意の領域にアンチセンス的なオリゴヌクレオチドを選択することができるが、好ましい態様では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、翻訳開始部位、転写開始部位またはプロモーター部位のようなN末端または5’上流部位に対応する。さらに、3’非翻訳領域も標的にすることができる。mRNAスプライシング部位の標的化も当技術で使用されているが、別のmRNAスプライシングが生じるならば好ましくない。さらに、好ましくは、アンチセンスは、mRNAの2次構造が予期されず(例えば、サイニオら、セルラー・アンド・モレキュラー・ニューロバイオロジー14巻(5号)439―457ページ、1994年参照)蛋白質の結合が期待されない部位を標的化することができる。最後に、図9はcDNA配列を開示するが、通常の当業者は、図9のcDNAに対応するゲノムDNAを容易に誘導することができる。すなわち、本発明はまた、図9に対応するゲノムDNAに相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドをも提供する。同様に、必要以上の実験なしに、そのアレル体または相同的なDNA類およびゲノムDNA類に対するアンチセンスも可能である。
一連の実施態様において、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、「天然」デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、またはそれらの任意の組み合わせから構成される。すなわち、一つの天然ヌクレオチドの5’末端および別の天然ヌクレオチドの3’末端を、天然系におけると同様に、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を介して共有結合させることができる。これらのオリゴヌクレオチドは、手作業または自動合成機により当業界の通常の方法により調製できる。またそれらは、ベクターにより組換え法で生産できる。
しかし、好ましい実施態様において、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、「修飾」オリゴヌクレオチドを含むこともできる。すなわち、オリゴヌクレオチドは、標的に対するハイブリダイズを防止されないが安定性または標的性を増強しまたはその他の方法で治療効果を増強する数々の方法で修飾することができる。
ここに使用する「修飾オリゴヌクレオチド」の語は、(1)そのヌクレオチドの少なくとも2個が合成ヌクレオシド間結合(すなわち、一つのヌクレオチドの5’末端と別のヌクレオチドの3’末端間のホスホジエステル結合以外の結合)を介して共有結合し、および/または(2)通常核酸に会合しない化学基がオリゴヌクレオチドに共有結合した、オリゴヌクレオチドを表現するものである。好ましい合成ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート、アルキルホスホネート、ホスホロジチオエート、ホスフェートエステル、アルキルホスホノチオエート、ホスホロアミデート、カルバメート、ホスフェートトリエステル、アセトアミデート、ペプチド、およびカルボキシメチルエステルである。
また「修飾オリゴヌクレオチド」の語は、共有結合で修飾された塩基および/または糖を持ったオリゴヌクレオチドを包含する。例えば、修飾オリゴヌクレオチドは、3’位でヒドロキシル基以外および5’位でホスフェート基以外の低分子量有機基に共有結合した糖骨格をもつオリゴヌクレオチドを含む。すなわち、修飾オリゴヌクレオチドは、2’―O―アルキル化リボース基を含みうる。さらに、修飾オリゴヌクレオチドは、リボースの代わりにアラビノースのような糖を含みうる。また修飾オリゴヌクレオチドはC―5プロピン修飾塩基(C-5 propyne modified dases)のような塩基性類似体を含むことができる(ワグナーら、ネーチャーバイオテクノロジー14巻840−844ページ、1996年)。すなわち、本発明は、PI3Kδ蛋白質をコードする核酸に相補的であり生理学的条件下でこれとハイブリダイズする修飾アンチセンス分子を、医薬的に許容される担体と共に含む医薬組成物を意図する。
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、医薬組成物の一部として投与されうる。このような医薬組成物は、アンチセンスオリゴヌクレオチドを、当業界で知られた任意の標準的な生理学的および/または医薬的に許容される担体と組み合わせて含みうる。組成物は、無菌であり、治療的有効量のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、患者に投与するに適した重量または容量の単位中に含むべきである。「医薬的に許容される」の語は、有効成分の生物活性の有効性を妨害しない非毒性材料を意味する。「生理学的に許容される」の語は、細胞、細胞培養物、組織または生物のような生物学系の相容性をもつ非毒性材料を意味する。担体の特性は、投与経路に依存する。生理学的および医薬的に許容される担体としては、希釈剤、充填剤、塩類、緩衝剤、安定剤、可溶化剤、およびその他の当業界で周知の他の材料などを含む。
したがって、本発明の目的は、新規なPI3キナーゼを同定し可能性がある細胞の運動性または侵潤を予測する手段を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、p110δの発現を増加させ、減少させ、または防止する剤、および/または、細胞の運動性または侵潤をそれぞれ増強し、または障害し、または予防する目的で、p110δの機能を妨害する剤を提供することである。
本発明の最初の特徴によると、PI3キナーゼ活性を有する単離された自己燐酸化ポリペプチドが提供される。
理想的には、上記ポリペプチドは、白血球から誘導され、典型的には黒色腫で発現されるものであり、さらに理想的には、上記ポリペプチドはヒト起源のものである。
その上、ポリペプチドは、哺乳類PI3キナーゼのp85サブユニットと会合して、理想的には活性複合体を産生する能力をもつ。
さらに好ましくは、ポリペプチドは、図1Aに示すアミノ酸配列(配列表の配列番号1)、または特にプロリンリッチドメインにより特徴づけられ、それに相同的な配列を有する。
ここで相同的の語の引用は、同様の性質の、または共通の系統の、またはここに記載するように、緊縮条件下のような状況で、図9に示す核酸分子にハイブリダイズし得る核酸分子に対応する蛋白質または材料として特徴づけられるものを包含することを意図するものである。典型的なハイブリダイゼーション条件は、温度60℃における50%ホルムアミド、5 X SSPE、5 X デンハート溶液、0.2%SDS、200μg/ml変性音波処理したにしん***DNAおよび200μg/ml酵母RNA(公開特許明細書WO63/21328記載の条件)を含む。
理想的には、ポリペプチドは、組換え体技術を使用して生産され、代表的にはヒト起源である。
本発明の別の特徴によると、本発明のポリペプチドの少なくとも一部に対する抗体であって、その抗体はポリクローナルまたはモノクローナルであるものが提供される。
本発明の別の特徴によると、図9に示す核酸分子の全部または一部分であって、その分子がPI3キナーゼ活性を有する自己燐酸化ポリペプチドをコードするものが提供される。上記分子の一部分が提供される場合、部分はその目的を考慮して選択され、例えばその後の使用に役立つキナーゼ活性を有する部分または抗体生産に最適な他の部分を選択するのが望まれうる。
本発明の別の特徴によると、本発明の核酸分子の全部またはその一部分を含む核酸分子構築物であって、後者の核酸分子が制御配列の制御下で適当な読み取り枠内にあり対応する蛋白質の発現を確実にするものが提供される。
本発明のさらに別の特徴によると、理想的には本発明の構築物を使用して、対応するポリペプチドの全部または重要部分の発現を可能にするために図9に示す核酸分子の全部または一部分を含むように形質転換された宿主細胞が提供される。
理想的には、これらの宿主細胞は、真核細胞、例えばバキュロウイルスの発現系を使用したスポドプテラ・フルギペルダ種(spodoptera frugiperda)の細胞のような昆虫細胞である。この発現系は、翻訳後修飾が必要な場合に有利である。このような修飾が必要でないならば、原核細胞を使用しうる。
本発明の別の特徴によると、本発明のポリペプチドの発現に関して上記細胞の試料を試験することを含む、細胞の運動性診断法が提供される。
理想的には、例えばPCR技術またはノザーンブロット分析により、本発明のポリペプチドに対応するmRNAが上記細胞中に発現されたか否かを確認するための検査が行われる。別の方法として、上記発現を確認するために任意の他の従来技術を使用しうる。
本発明のさらに別の特徴によると、本発明のポリペプチドまたはその断片を使用して後記活性に関して候補分子をスクリーニングすることを含む、本発明のポリペプチドの活性のブロックに有効な拮抗薬の同定法が提供される。
理想的には、スクリーニングは、コンピューター補助技術または従来の実験室技術のような人工的技術を包含しうる。
理想的には、上記の方法は、天然にまたはウイルスにより形質転換された本発明のポリペプチドを発現することが知られた細胞を、適当な拮抗薬にさらし、ついでその運動性を観察することにより実施される。
別の方法として、本発明の方法は、本発明のポリペプチドに選択的にかつ理想的には不可逆的に結合する薬剤を確認するための、競合的結合アッセイを含みうる。
本発明のさらに別の特徴によると、医薬または獣医薬用に製剤され、所望により希釈剤、担体または賦形剤をも含みおよび/または単位用量形態にされた、本発明のポリペプチドの活性または発現の増強またはブロックに有効な薬剤を含む、医薬または獣医薬組成物が提供される。
本発明のさらに別の特徴によると、細胞の集団を作用薬または拮抗薬または本発明のポリペプチドまたはここに記載するアンチセンス材料にさらすことを含む、細胞の運動性制御法が提供される。
別の方法として、上述した方法において、上記細胞を、上記ポリペプチドの効果的な濃度を増加し細胞の運動性を増強する目的で、代わりとしてまたは追加として、本発明のポリペプチドにさらしうる。
上述の方法は、インビボでもインビトロでも実施しうる。
本発明のさらに別の特徴によると、細胞の運動性制御のための、本発明のポリペプチドの活性ブロックに有効な薬剤の使用が提供される。
本発明のさらに別の特徴によると、細胞の運動性増強のための、本発明のポリペプチドの使用が提供される。
本発明のさらに別の特徴によると、本発明の核酸にハイブリダイズするための、理想的にはここに記載のように修飾したアンチセンスオリゴヌクレオチドが提供される。
本発明の実施態様を、単なる例示の目的で下記の図面、材料および方法を参照して示す。そのうち:
図1(A)は、ヒトp110δのcDNAの翻訳アミノ酸配列を示す。プロリンリッチ領域およびbZIP様ドメインはそれぞれ枠囲いおよび斜線囲みで示す。(B)は、p110δの全長アミノ酸配列とp110αおよびp110βのそれとのドットプロット対比を示す。非保存配列のモチーフを下線で示す。ドットプロット対比は、COMPAREプログラム(UWGCGパッケージ:ドベルーら、1984年)を用いて実施した。(C)は、p110δアミノ酸配列のフランキングHR3とp110αおよびp110βのそれぞれのホモローガス領域の比較を示す。アミノ酸番号はp110δのものである。プロリンリッチ領域:p110δの左巻きポリプロリンII型へリックス形成を可能にする決定的プロリンをアスタリスクで示す。bZIP領域:ロイシンジッパー領域の保存L/V/I残基を矢頭で示す。
図2は、p110δとp85およびRasの相互作用を示す。(A)は、昆虫細胞を、GST―p110δをコードする組換え体バキュロウイルス単独またはp85α、βもしくはγをコードするウイルスとの組み合わせに感染させ、2日後、グルタチオン−セファロースを用いて細胞溶解物からGST―p110δを精製し、洗浄し、SDS―PAGEおよびクーマシー染色で分析した。(B)は、p110δを500μgのヒト好中球細胞質ゾルから免疫沈降させ、ウェスタンブロッティングにより種々のp85アイソフォームの存否についてプローブ分析した。recは、Sf9細胞から精製した組換え体p85。(C)は、GST―p110α/85αおよびGST―p110δ/85α(0.25μg)を指示量(μg)のGTP−またはGDP−付着(loaded)V12Rasとインキュベートし、洗浄し、報告された(ロドリゲ−ビシアナら、1994年、1996年)ウェスタンブロッティングによりRasの存否についてプローブ分析した。
図3の(A)は、p110δのインビトロでの脂質の基質特異性を示す。GST―p110δ/p85αを、Mg2+の存在下に指示した基質を用いてリピドキナーゼアッセイにかけた。同じcpmを原点にスポットした。(B)は、GST―p110δ/p85αにより生成したPtdIns燐酸化産物のHPLC分析を示す。p110δ脱アシル産物(実線)ならびにグリセロホスホイノシトール−3Pおよびグリセロホスホイノシトール−4Pの標準品(点線)の溶離時間を示す。AMPおよびADP対称の位置を矢印で示す。
図4は、p110δのプロテインキナーゼ活性を示す。(A)は、指示したp85サブユニットと複合したGST−p110αまたはGST−p110δをMn2+の存在下にインビトロプロテインキナーゼ反応に付し、さらにSDS―PAGE、クーマシー染色、オートラジオグラフィーで分析したものである。(B)及び(C)は、PDGF―レセプターホスホペプチドビーズ上のp85αまたはβと複合した非タッグ化p110αおよびp110β[野生型(WT)またはキナーゼ欠損突然変異(p110α−R916Pおよびp110δ−R894P)]をインビトロキナーゼ反応に付し、さらに(A)で記載したように分析した。白色および黒色の矢頭はp110およびp85蛋白質をそれぞれ示す。
(B)の右パネルは、p85αおよびp110δのホスホアミノ酸分析を示す。
図5は、薬物に対するp110δのリピドキナーゼ活性の感受性を示す。p110δ/p85α(黒四角)およびp110α/p85α(白丸)阻害を薬物であるウォルトマンニン不存在下の活性を基準に示した。これらのデータ点は、3回の実験の平均値(±標準誤差)である。
図6は、p110α、p110βおよびp110δの発現のノザーンブロット分析を示す。
図7は、p110αおよびp110δ蛋白質の発現の分析を示す。レーン当たり総細胞溶解物100μgを付着した。材料および方法の項に記載した溶解緩衝液または2―メルカプトエタノール含有レムリゲル付着緩衝液中で細胞溶解した。PMBCは抹消血単核細胞;PBLは末梢血リンパ球を示す。
図8は、サイトカインシグナル伝達におけるp110αおよびp110δの関与を示す。Ba/F3(A)およびMC/9(B)細胞系を指示したサイトカインで刺激した。対照である非処理細胞からの試料は標識化Conである。総細胞溶解物ならびにp110αおよびp110δIPをSDS―PAGEで分離して2連のブロットを作成したが、その対照はp110δ/85α(パネルa、bおよびd)またはp110α/p85α(パネルcおよびe)である。原ブロットのイムノブロッティングは4G10(抗PTyr、パネルa)および抗p110α(パネルc)で実施した。ついでブロットをストリップし抗SHP2(A、パネルb)、抗kit(B、パネルb)、抗p110δ(パネルd)および抗p85抗体(パネルe)で再プローブ分析した。矢頭はp170(IRS―2)、p100およびp70(SHP2)(A、パネルa)、ならびにp150(c―kit)およびp100(B、パネルb)の位置を示す。
図9は、p110δのヒトの全cDNA配列を示す。なお、配列は配列表の配列番号2にも示す。
図10は、p110δに対するアフィニティ精製した抗体をマイクロインジェクションしたネズミマクロファージの免疫蛍光反応像を示す。マクロファージの細胞骨格はファロイジン抱合ローダミンで画像化した。
材料および方法
p110δのクローニング
ウシp110αおよびS.セレビシアエVps34p間のホモローガス領域に基づくRT―PCRによりクローンした部分的PI3キナーゼcDNAクローンの同定の詳細が報告されている(ボリニアら、1995年;マクドウガルら、1996年)。この方法により、MOLT4のT細胞系から部分的p110δcDNA断片が得られ、次いでこれがオリゴ(dT)プライムU937cDNAライブラリーのスクリーニングに使用された(ボリニアら、1995年)。相補的DNAを、EcoRI―XhoI(ストラタジーン)で消化したラムダZAPIIベクターにクローニングした。スクリーニングした4百万個のクローンから6個の1次陽性プラークが見つかり、そのうち3個がさらに2回のスクリーニングでも陽性であった。pBluescript中のcDNA挿入物は製造元(ストラタジーン)の指示に従いインビボ切断により作成した。3個の代表的なpBluescriptクローン(05.1、09.1および011.1)を制限地図作成およびPCRで特性確認し、4.4kb(011.1)ないし5.0kb(05.1、09.1)にわたる大きさの挿入物を含有することが判明した。09.1クローンを詳細な特性確認に使用した。その挿入物の制限地図作成により、内部XhoI部位の不存在および、それぞれEcoRIのcDNA挿入部位から233および3862ヌクレオチド3’(ヌクレオチド1=図9の下線ヌクレオチド)にある2個の内部EcoRI部位の存在が明らかになった。したがって、EcoRIおよびXhoIの組み合わせによる消化が09.1挿入物を3個の断片に分割し、さらにEcoRI断片I(ヌクレオチド1−222)、EcoRI断片II(ヌクレオチド223―3861)およびEcoRI―XhoI断片III(ヌクレオチド3862―約5000)を明らかにした。断片IおよびIIの両鎖を、Taqダイデオキシターミネータ−サイクル配列決定システム(ABI)を用いて配列決定に付し、その全長cDNA配列を図9に示す。09.1挿入物のヌクレオチド195から3330がオープンリーディングフレームであった。枠内停止コドンは潜在的開始コドンに先行し、翻訳開始に好ましい部分にあった(コザック、1991年)。この結果から、5’非翻訳領域(UT)の196ヌクレオチドおよび約2.2kbの3’UTがもたらされた。05.1、09.1および011.1クローンの配列決定した5’末端において、2個の異なるが関連性を有する5’非翻訳領域が認められたが、これは少なくとも2個のわずかに異なるメッセンジャーRNAの存在を意味する。
p110δの発現ベクターの構築
使用した昆虫細胞移送ベクターはpVL1393(非タッグ化p110δ用;インビトロゲン)およびpAcG3X(GST―p110δ用;デービスら、1993年)であった。p110δのコーティング領域を2段階でこれらのベクターにサブクローンした。まず、マルチクローニング部位へのリンカー挿入により発現ベクターを操作して、開始コドン(ヌクレオチド197;上記参照)から第2EcoRI部位(ヌクレオチド223;上記参照)に広がるp110δEcoRI断片I配列の一部を含ませた。後者のEcoRI部位に、p110δのEcoRI断片IIをサブクローニングし、ついで正しい方向の挿入物をもつクローンを選択した。昆虫細胞ベクターに関する第1段はBamHI―EcoRI切断であり、ついで下記リンカー(リンカーI)を挿入した。
GATCCCCACCATGCCCCCTGGGGTGGACTGCCCCATGG(センス:5’―3’)
(アンチセンス:5’―3’)AATTCCATGGGGCAGTCCACCCCAGGGGGCATGGTGGG
このリンカーは、最適のKozakコンセンサス配列(コザック、1991年)と共にATGを含む。p110δの別の誘導体を、VentDNAポリメラーゼ(ニュー・イングランド・バイオラブス)を用いてPCRで作成した。pBluescript−SK(またpBluescript−p110δ−EcoIIとも示す)にサブクローニングしたp110δのEcoRI断片IIを、ここで鋳型として使用した。これらのPCR反応において、EcoRI断片II挿入物の3’非翻訳領域は除去された。変異R894Pの作成に使用したオリゴヌクレオチドは次の通りである:センス変異オリゴヌクレオチド=プライマー1(変異残基を下線で示す)=
5’−GTGTGGCCACATATGTGCTGGGCATTGGCGATCCGCACAGCGACAACATCATGATCCG
アンチセンス=プライマー2=
5’−GGCCCGGTGCTCGAGAATTCTACTGCCTGTTGTCTTTGGACACGTTGTGGGCC
パラレルPCRをプライマー2およびセンスプライマー(プライマー3=5’−GTGTGGCCACATATGTGCTGGGCATTGGCG)を使用し野生型p110δを無傷で残して実施した。すべてのPCR産物を、NdeIおよびXhoIで切断し、NdeI―XhoIオープンpBluescript―p110δ−EcoIIにサブクローニングし、配列決定した。ついで正しいクローンをEcoERIカセットとしてリンカーI含有EcoRIオープンpVL1393に移行させ、ついで正しい方向の挿入物をもつクローンを選択した。
昆虫し細胞中におけるp110δの発現
プラスミドDNAを、リポフェクチン試薬(ギブコ)を用いてBaculoGoldDNA(ファルミンゲン、カリフォルニア州サンディエゴ)と同時移入した。組換え体プラークを、通常の方法(サマーズおよびスミス、1987年)により単離し確認した。
細胞培養
細胞は、10%ウシ胎児血清、20μM2―メルカプトエタノール、100単位/mlペニシリン/ストレプトマイシンおよび2mMグルタミンを補足したRPMI1640培地中、加湿5%CO2インキュベター中で培養した。Ba/F3はマウスIL3依存性プレB細胞系(パラシオスおよびスタインメッツ、1985年)であり、MC/9はマウスIL3依存性マスト細胞系(ナベルら、1981年)である。Ba/F3およびMC/9の両者を、マウスIL3源としてWEHI3B由来の10%(v/v)条件培地中で維持した。FDMAC11/4.6(FD−6)骨髄前駆細胞は、IL4ならびにIL3、GM―CSFおよびCSF―1に反応して成長するFDMAC11の在来変異である(ウエルハムら、1994年a)。これらの細胞を、AgX63/OMIL4細胞由来の3%(v/v)IL4条件培地中で維持した(カラスヤマおよびメルチャーズ、1988年)。
リピドキナーゼアッセイ
リピドキナーゼ活性は、基本的にワイマンら(1985年)が報告した方法により測定した。リピドキナーゼアッセイ緩衝液は、20mMトリスHClpH7.4、100mMNaClおよび0.5mMEGTAとした。脂質はシグマから購入した。このアッセイにおけるATPおよびMg2+の最終濃度は常にそれぞれ0.5および3.5mMとしたが、脂質は0.2―0.4mM濃度で使用した。特に示さない限り、キナーゼ反応は37℃で10分間行った。反応産物のTLC分離用溶媒は、プロパン−1―オール/2M酢酸/5MH3PO4(65:35:1)とした。キナーゼに対する薬物効果のアッセイは40μMATP(最終濃度)の存在下にPtdInsを基質とし、25℃で10分間行った;すべての管に1%DMSOを含有させた。活性は、TLC分離脂質産物のホスホルイメージャー(phosphorimager)(モレキュラー・ダイナミックス)分析により定量した。
HPLC分析
組換え体p110αを用いてPtdInsを燐酸化することにより製造した[32P]―PtdIns3PおよびPtdInsを0.5%NP−40の存在下にA431膜で変換することにより生成させた[32P]―PtdIns4Pを標準品として使用した。脂質をメチルアミンで脱アシル化して生成させたグリセロホスホイノシトール(クラークおよびドーソン、1981年)をPartisphereSAXカラム(ワットマン・インターナショナル)上で1M(NH4)2HPO4―水の直線勾配(0―25%B;60分)を使用して1ml/分でアニオン交換HPLCにより分離した。放射能ピークは、オンライン検出器(リーブ・アナリティカル、グラスゴー)により検出した。実験間の均一性のために内部標準として加えたADPおよびATPヌクレオチド標準品は、254nmにおける吸収により検出した。
インビトロ蛋白質燐酸化アッセイおよびリピドキナーゼ活性に対する効果
沈降した蛋白質を、プロテインキナーゼアッセイ緩衝液(20mMトリスHCl(pH7.4)、100mMNaCl、0.5mMEGTA、50μMATPおよび1mMNaCl2・4H2O、5−10μCi[γ−32P]ATP/ml)中、37℃で30分間インキュベートした。反応は、SDS―PAGE試料緩衝液を添加して停止させ、反応産物はSDS―PAGEおよびオートラジオグラフィーで分析した。ホスホアミノ酸分析は、既報(ジェリネックおよびウエバー、1993年)のようにHunter薄層電気泳動システム(CBSサイエンティフィック・カンパニー、カリフォルニア州デルマー)上で実施した。
低分子GTP結合蛋白質とPI―3Kのインビトロにおける相互作用
GST―PI3Kに対するras、racおよびrhoの結合を既報(ロドリンゲ−ビシアンスら、1995年、1996年)に従って実施した。
抗体、免疫沈降およびイムノブロッティング
ウシp85αに対するモノクローナル抗体(U1、U13)およびp85β(T15)は報告されている(エンドら、レイフら、1993年)。ウシp85γに対するモノクローナル抗体(I2)は我々の研究室で開発した。GST―ヒトp85α(AA5―321)に対するウサギポリクローナル抗血清は、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのシェファード博士の好意により提供された。ウサギポリクローナル抗血清は、p110δ(C)KVNWLAHNVSKDNRQ1044のC末端ペプチドに対しておよびヒトp110δ(CGG)SVTQEAEEREEFFDETRR88のN末端ペプチドに対して作成した。p110δ燐酸化型に対する抗体を作成するため、ペプチド配列1044をペプチド合成中にセリン残基を燐酸化した。ヒトp110αのC末端(KMDWIFHTIKQHALN)に対する抗血清は、ロヤ・フーシュマンド−ラド(ルードビッヒ・インスティチュート・フォー・カンサー・リサーチ、スゥェーデン国ウプサラ)博士の好意により提供された。抗体は、アクチゲル(ステロジーン・バイオセパレーションズ、カリフォルニア州アーカディア)またはAF―アミノトヨパールTSKゲル(トーショー・カンパニー、日本国)に結合したペプチド上でアフィニティ精製した。抗体はそれらが指向するPI3Kに特異的であることが認められた(Sf9細胞中で発現した下記PI3Kパネルに対して試験:ウシp110α、ヒトp110β(C.パナレトゥおよびR.S.:未発表結果)ヒトp110γ(ストヤノフら、1995年)、p110δ、PI特異性3キナーゼ(ボリニアら、1995年))。末梢血管細胞は、フィコール(fieoll)勾配上で精製した(リンホプレプ;ナイコムド、ノルウェー国オスロ)。好中球の細胞溶解物は、既報のように音波処理により製造した(ビエンチエスら、1993年)。溶解緩衝液は、1%トリトン−X100、150mMNaCl、1mMEDTA、1mMNaF、1mMNaVO3、1mMDTT、1mMPMSF、0.27TIU/mlアプロチニンおよび10μMロイペプチンとした。いくつかの実験では、1mMジイソプロピルフルオロフォスフェートおよび27mMNa−p−トシル−L−リジン・クロロメチルケトン(塩酸塩)を添加した。サイトカイン実験に使用した溶解緩衝液は,50mMトリスHCl、pH7.5、10%(v/v)グリセリン、1%(v/v)NP−40、150mMNaCl,100μMモリブデン酸ナトリウム、500μMフッ化ナトリウム、100μMオルトバナジウム酸ナトリウム、1mMEDTA、40μg/mlPMSF、10μg/mlアプロチニン、0.7μg/mlペプアスタチン、1mMDIFP、1mMTLCKとした。サイトカイン刺激細胞は、ペレット化し、溶解液を次の分析前にマイクロ遠心機中4℃で5分間清澄化したほかは、既報(ウエルハムおよびシュラダー、1992年)のように、2×107細胞/mlで溶解した。免疫沈降は、既報(ウエルハムら、1994年a)のように実施し、PDGFレセプターペプチド(YpVPMLG)は、製造元の指示にしたがってアクチゲルに結合した。p110δに対するC末端抗血清は、免疫沈降およびイムノブロッティングの両者に使用した。p110αに関しては、CおよびN末端抗血清を免疫沈降およびウエスターンブロット分析にそれぞれ使用した。
SDS−PAGEおよびイムノブロッティングは、既報(レムリ、1970年;ウエルハムおよびシュラダー、1992年;ウエルハムら、1994年a)のように実施した。抗体は、イムノブロッティングの際下記の濃度で使用した:4G10、抗ホスホチロシンモノクローナル抗体では0.1μg/ml;抗p110αおよびp110δでは0.25μg/ml;抗p85では1:4000;抗c−kit(サンタ・クルス・バイオテクノロジー、sc―168)では0.4μg/ml;抗SHP(サンタ・クルス・バイオテクノロジー、sc―280)では0.1μg/ml;および抗IRS―2(M.ホワイト博士、ジョスリン・ディアベテス・センター、マサチューセッツ州ボストンの贈与)では1:1000。
ヤギ抗マウスおよびヤギ抗ウサギ西洋わさびペルオキシダーゼ結合抗体(ダコ、デンマーク国)の両者は、0.05μg/mlの濃度で使用した。イムノブロットは、ECLシステム(アマーシャム)を用いて展開した。ブロットはストリップし既報(ウエルハムら、1994年a)のように再プローブ分析した。
p110δおよびp110αに対する抗体のCSF―1刺激マウスマクロファージ注入
マウスマクロファージ細胞系BAC1を、抗体マイクロインジェクション実験に使用した。p110δに対するペプチド性ポリクローナル抗体は、C末端ペプチド1044(17ページの材料および方法に記載)またはペプチド配列(C)R222KKATVFRQPLVEQPED238を指向するものであった。ポリクローナル血清は、マイクロインジェクション前にアフィニティー精製し、0.5―5mg/mlの濃度で使用した。対照のヒトp110αに対するペプチド性ポリクローナル抗血清は材料および方法の17ページに記載したものである。マイクロインジェクション前に、Bacl細胞をコロニー刺激因子1(CSF1)から24時間枯渇させた。ついで抗体をCSF1枯渇細胞に注入し、10―15分間CSF1にさらし、マイクロインジェクション細胞の細胞骨格をファロイジン抱合ローダミンで発色させた(細胞の調製および発色はアレンら1997年の報告のように行う)。
細胞刺激
種々の成長因子による細胞の刺激は、刺激前に細胞を血清欠乏RPMIに2×107/mlに再懸濁した以外は、既報(ウエルハムおよびシュラダー、1992年)のように行った。化学合成したマウスIL3およびIL4は、イアン・クラーク−ルイス博士(ユニバーシティ・オフ・ブリティッシュ・コロンビア、バンクーバー)の好意により提供された。組換マウスSCFはR&Dシステムヨーロッパ(アビングドン、オックスフォード)から購入した。成長因子の濃度および刺激期間(SCFでは2分間;IL3およびIL4では10分間)はレセプターおよび細胞基質のチロシン燐酸化レベルが最高になるようにあらかじめ最適化した。これらは次の通りであった:IL3では10μg/ml(ウエルハムおよびシュラダー、1992年);IL4では10μg/ml(ウエルハムおよびシュラダー、1994年a)およびSCFでは50ng/ml(M.J.W.未発表の観察結果)。
ノザーンブロット分析
ヒトポリA+RNA(クローンテク)のノザーンブロットをpBluescriptクローン09.1のランダムプライムラベルEcoRI断片IIとハイブリダイズさせた。ついで、下記のプローブを用いてストリッピングおよび再プローブ分析を実施した。ヒトp110αから得た内部EcoRI−XhoII2.1kb断片(ボリニアら、1994年)およびヒトp110βのEcoRI−XhoI5kbcDNA(C.パナレトゥ、未発表の結果)。
上記の材料および方法を使用して、我々は、新規なリピドキナーゼ、特に我々がp110δと命名したPI3キナーゼを報告するデータを明確化することができた。このキナーゼに関するデータを、p110δをPI3キナーゼ群の他の構成員と比較してそれぞれの特性を対比し対照する目的で、次に記載する。
結果
p110δのクローニング
ウシp110αのキナーゼドメインおよびS.セレビシアエVps34p中の保存されたアミノ酸配列(GDDLRQDおよびFHI/ADFG)に基づく縮重プライマー(degenerate primers)を、ヒトMOLT4T白血球細胞のmRNAと共にRT―PCRに使用した。相同性はあるが他の既知ヒトPI3Kと異なる部分的cDNAが得られた。このPCR断片を、U937単球ライブラリーのスクリーニングおよび対応全長クローンの単離用プローブとして使用した(詳細は、材料および方法ならびに図9参照)。配列分析の結果、枠内停止コドンに先行するオープンリーディングフレームが明らかになった。開始コドンもまた翻訳開始に好ましい形で存在することがわかった(コザック、1991年)。この3135ヌクレオチドのオープンリーディングフレームは、計算上、分子量119,471ダルトンをもつアミノ酸1044個の蛋白質である(図1A)。他のPI3Kとのアミノ酸の比較は、この蛋白質がヒトp110βに最も関連性が大きく(相同性58%、フーら、1993年)、ヒトp110α(相同性41%、ボリニアら、1994年)、ヒトG蛋白質調節p110γ(相同性35%、ストヤノフら、1995年)およびヒトvps34p類似体(相同性28%、ボリニアら、1995年)には近くないことを示した。ここに記載する新規PI3Kはp110δ命名された。
高緊縮度(high stringency)のドットプロットによる対比(図1B)は、p110α、βおよびδがp85領域(p110αのAA20―140:ダンドら、1994年)ならびにPIキナーゼ(PIK)ドメイン(HR2)のC末端および触媒性コア−(p110αのAA529―終点、ズベレビルら、1995年)で相同性が高いことを示す。p110δのAA370―470に広がる別の高配列ホモロジー領域が、p85結合部位とHR2の間に見られた。この領域は、すべてのp85結合PI3K類およびp110γで保存されているいわゆるHR3サイン(WxxxLxxxIxIxDLPR/KxAxL)を含んでいる。p110αとp110β/γ間の配列が最も異なるN末端側の領域は、Rasへの結合に十分としてp110αにおいて定義された領域と重なる(p110αのAA133―314:ロドリゲ−ビシアナら、1996年)。別の2個の構造的モチーフがp110δ中に同定された。第1のものは、分子モデリングがSH3ドメインと相互作用する潜在性をもつ左巻きポリプロリンII型ヘリックスを形成しうる(データは記載せず)ことを示す、プロリンリッチ領域(図1B、C)である。この対応する領域で、p110αとp110βには類似の屈曲を許容する決定的なプロリンがない。第2のモチーフは、HR3のC末端に続く塩基性領域であるロイシンジッパー(bZIP)様ドメインである(図1B、C)。bZIP領域は、p110αおよびp110βの両者(またドロソフィアp110(リーバーズら、1997年))に存在するが、他方このドメインの塩基性成分はp110αでは顕著でない(図1C)。p110δZIP領域のモデリングは、そのL/V/I残基の配置がコイル対コイル(coiled-coil)2量体蛋白質ジッパー複合体を形成しうるヘリックス構造に容易に適応することを示す(データは記載せず)。
p110δはp85アダプターおよびRas蛋白質に結合する
p110δがp85サブユニットに結合し得るという、アミノ酸配列比較からの予測を証明するために、p110δを、p85α、p85βまたはp85γ(最後のはp55FIK、p55αおよびp85/AS53と相同的な55kDaウシp85アイソフォームである(ポンスら、1995年;イヌカイら、1996年;アントネッティら、1996年))をコードする組換え体バキュロウイルスと一緒にグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)―融合蛋白質として昆虫細胞で発現させた。図2Aから明らかなとおり、p85アダプターサブタイプはすべて、GST−p110δとともに、同時感染細胞から効率的に同時精製された。
異なるクラスIp110触媒サブユニット類がインビボで異なるp85アダプター蛋白質に対して結合の優先性を示すか否かという問題は、これまでに取り上げられたことがない。p110δに特異的な抗血清を用いることにより、我々はp85αおよびp85βの両者が種々の白血球からのp110δ免疫沈降物中に存在することを見出した(図2Bはヒト好中球に関するデータを示す。p85γは白血球では発現されないないことに注意)。p110αの場合にも同様の結果が得られた(データは記載せず)。これらの免疫複合体では、p85α抗体との反応性を示す45kDa蛋白質も観察された(図2B)。この蛋白質の性質は現時点では不明であるが、様々な組織からのp85およびp110IP類に存在することが以前に報告されている45kDa蛋白質に類似したものであるかも知れない(ポンスら、1995年)。
p110αおよびp110βは、Ras−GTPと相互作用することが示されている(コダキら、1995年;ロドリゲス−ビシアナら、1994年および1996年)。この相互作用に必要とされる領域は、これらのPI3K類のAA133および314間に存在する(ロドリゲス−ビシアナら、1996年)。この領域におけるp110αおよびp110βとの配列保存性が比較的低いにもかかわらず(図1C)、p110δはインビトロにおいてGTP−依存的にRasと相互作用しないのであるから、ある種の一見重大なアミノ酸が保存されている(図2C)。
p110δはrasに結合するが、racまたはrhoにはしない
GST−p110δ/p85αのインキュベーションにより、GTP−結合野生型rasまたは発癌性V12−rasは保持されることが見出された(図2C)。これは、GDP−付着rasまたは機能的に死んだras突然変異体であるA38−rasの場合には当てはまらない。p110αの場合と同様、rhoおよびracの結合は全く立証され得なかった(データは記載せず)。
p110δのリピドキナーゼ活性
Mg2+の存在下で試験すること、p110δは、PtdIns、PtdIns4PおよびPtdIns(4,5)P2を燐酸化することが見出された(図3A)。HPLC分析により、これらの脂質はD3位が燐酸化されることが確認された(図3B)。インビトロでの基質優先順位は、PtdIns>PtdIns4P>PtdIns(4,5)P2であった(データは記載せず)。Mg2+の存在下よりもMn2+の存在下の方がリピドキナーゼ活性は低かった(0.25〜16ミリモルの濃度範囲にわたって試験した;データは記載せず)。Sf9細胞から単離したp110δの比活性は、p110αの場合よりも係数2−5の率で低かった(データは記載せず)。考え合わせると、これらのデータは、純粋なクラスIPI3Kとしてのp110δを確立するものである。
p110δは、p85を燐酸化しないが、自己燐酸化する
p85サブユニットは、p110α触媒サブユニットによるMn2+依存的燐酸化に関する基質であることが報告されている(カーペンターら、1993年;ダーンドら、1994年)。対照的に、GST−p110δは、様々なインビトロ条件下で同時発現されたp85α、p85βまたはp85γを燐酸化しなかった(図4Aに示された部分データ;Mg2+またはMn2+のいずれの存在下でも活性は全く見られなかった)。p85γはSH3ドメインを欠いており、p110δによるこの分子の燐酸化が存在しないということは、p85α/βSH3ドメインとp110δプロリンリッチ領域との分子間相互作用によってp85分子がロックされることにより、p110δによる効果的な燐酸化が行われ得るという可能性に対する反証となる。p110δが昆虫細胞におけるインビボ共発現中にp85を既に完全に燐酸化してしまう余地を与えないようにするために、外来性精製p85αを固定化GST−p110δに加えた。過剰のp85を洗浄除去後、結合p85は、この場合もp110δによってではなくp110αによって、効果的に燐酸化されていることが見出された(データは記載せず)。85αまたはp85βとの複合体を形成している非標識p110δをMn2+の存在下でインビトロキナーゼアッセイにかけると、p110δは自己燐酸化した(図4B。この活性が固定化GST−p110δに大部分存在しないことに注意(図4B))。このような燐酸化はP110α/p85複合体には見られず、そこではまたもやp85が燐酸化されていることが見出された(図4B)。ホスホアミノ酸分析は、p110δ上の燐酸化がセリンで行われることを示した(図4B)。p110αによるp85の燐酸化およびp110δの自己燐酸化は両方とも、主としてMn2+依存的であり、Mg2+の存在下での燐酸化は非常に弱いものに過ぎないことが観察された(データは記載せず)。p110δの自己燐酸化は、リピドキナーゼ活性の低下をもたらした。
観察されたp110δの燐酸化が同時沈降したプロテインキナーゼによるものであるという可能性を排除するため、キナーゼ欠損p110δ突然変異体を生成させた。これは、p110δ中のアルギニン894をプロリンに変換することにより行われ、p110δ−R894Pが生成した。突然変異したアルギニン残基は、プロテインキナーゼの場合と同様触媒ループの一部であると思われる、キナーゼドメインの保存されたDRX3NX12-13DFGモチーフに位置する(テイラーら、1992年;ツヴェレビルら、1996年)。ウシp110α(R916P)における類似した突然変異は、触媒活性を完全に破壊することが知られている(ダーンドら、1994年)。図4Cから明らかなように、昆虫細胞で発現されたp110δ−R894Pはもはやp110δの沈降物では燐酸化されず、このことは、後者が実際に自己燐酸化能力を有することを示す。同様に、リピドキナーゼ活性は、p110δ−R894Pにより失われることが見出された(データは記載せず)。
我々は、p110δの燐酸化形態に対するポリクローナル抗血清を製造した。C−末端ペプチド配列1044を、セリン残基1033で燐酸化し、ウサギの免疫化に使用した。燐酸化ペプチドに対する抗血清は、我々が、p110δがインビボで燐酸化され、サイトカイン刺激時にこの燐酸化が強化されることを確立するのを可能にした(結果は記載せず)。
p110δ触媒活性の薬剤感受性
p110αおよびδリピドキナーゼ活性は、ウォルトマンニン(wortmannin)およびLY294002による阻害に対して類似した感受性を呈し(図5)、IC50は5nM(ウォルトマンマニンの場合)および0.5μM(LY294002の場合)であった。同様に、p110δの自己燐酸化活性はまた、ナノモル範囲でウォルトマンマニンにより阻害された(データは記載せず)。
p110δの組織分布
ヒト組織のポリA+RNAのノザーンブロット分析によりp110δの発現パターンを調べ、p110αおよびp110βの場合と比較した。約6kbの単一メッセンジャーmRNA種は、白血球集団、すなわち脾臓、胸腺および特に末梢血白血球(最後のは白血球を全て含み、赤血球の大多数のみが除去されている)で特に高度に発現されることが見出された(図6)。若干のノザーンブロット実験の中には、p110δに関する別の−5kbメッセンジャーが観察される場合もあった(データは記載せず)。低レベルのp110δメッセンジャーRNAの発現は検査された殆どの他の組織からも見出されたが、血液細胞汚染がこのp110δ mRNAシグナルに関与しているという可能性を排除するのは困難である。p110αおよびp110βもまた、検査されたほとんどの組織で発現されることが見出された(図6)。
次いで、p110αおよびδに特異的な抗体を用いて、蛋白質レベルでのこれらのPI3Kの発現を検定した。異なるラット組織を試験すると、p110δ抗体との反応性を示す110kDa蛋白質が脾臓および胸腺からは見出されたが、試験した他の組織のいずれからも見出されなかった(図7)。このパターンは上記ノザーンブロット分析のデータを大いに確認するものである。p110δはまた、1次および形質転換白血球の両方においてそれらの分化段階とは無関係に存在することが見出された(図7)。1次血液細胞では、リンパ系および脊髄細胞集団はp110δに関して陽性であり、血小板の場合はそうではなかった(図7)。T(例えば、ジャーカット、HPB A11)およびB(例えば、ラージ、HFB1)細胞系両方ともp110δを発現していた(図7)。110kDaのp110δは、ラット−1、NIH3T3およびスイス3T3線維芽細胞、LS174TおよびCOLO320HSR結腸腺癌、A431類表皮癌、ECC−1子宮内膜癌腫およびHEp−2喉頭癌腫(図7)からもCHO(チャイニーズハムスター卵巣)、POC小細胞肺癌細胞系、ブタおよびウシ大動脈内皮細胞、MDA−MB−468胸部腺癌、および1次ヒト筋肉および線維芽細胞からも見出されなかった(データは記載せず)。結論として、p110δは白血球細胞において選択的に発現されると思われる。
p110δとは対照的に、p110αは、白血球を含め、調査された組織および細胞系のほとんどで見出された(図7)。
CSF−1刺激マウスマクロファージへの抗p110δポリクローナル抗体のマイクロインジェクション
マウスマクロファージ細胞系、Baclに対するp110δおよびp110αに対する抗血清の一連のマイクロインジェクション実験により、さらにp110δが有する機能を調べた。マイクインジェクション前に、Bacl細胞に24時間CSF1を枯渇させた。CSF1枯渇は、細胞の***を開始させ、それに続いてCSF1に暴露されると運動性にする。アフィニティー精製抗p110δポリクローナル抗体を、CSF1枯渇Bacl細胞へマイクインジェクションした後、10−15分間CFS1に暴露した。
マイクインジェクションされたBacl細胞は、細胞形態の著しい変化を示す。正常な細胞膜波うち運動は消失し、細胞質収縮が起こる。マイクインジェクションBacl細胞の細胞骨格はファロイジン−ローダミンコンジュゲートを用いて可視化したが、図10は、無秩序な細胞骨格配置を示すこのような細胞の代表的試料を示す。抗p110αを注入しても、均等な効果は生じない。
興味深いことに、優性−陰性(dominant-negative)小GTP−結合蛋白質racであるN17RACの発現により類似の表現型が示される。これは、p110δが、細胞骨格組織化および細胞運動性に関与し得る同一のシグナル伝達カスケードの一部であり得ることを示唆している。
p110δはサイトカインシグナル伝達に関与している
白血球では、p85−結合性PI3Kは、サイトカインおよび補体レセプター類、インテグリン類、Fcレセプター類、BおよびT細胞抗原レセプター類および例えばCD28のようなそれらの付属分子を介したシグナル伝達を含む多様なシグナル伝達事象に関与している(スティブンズらにより概説、1993年;フライ、1994年)。従って、多数のシグナル伝達プロセスがp110δに結びつく可能性があるのは明らかである。種々のp110が同じp85アイソフォームと複合体を形成しているように見えた観察を前提にすると(図2B)、上述のシグナル伝達/レセプター複合体へのp110δの選択的カップリングが他のクラスIPI3Kをも含む細胞で起こるか否かは重大な疑問である。我々は、様々なタイプの白血球で機能的に作用している、サイトカインシグナル伝達の状況におけるこの重要な疑問を取り上げることにした。
種々のファミリーのサイトカインが、共通のgp130、βまたはγ鎖を共有する別々の種類のレセプター、または固有チロシンキナーゼ活性を伴うレセプターを介してシグナルを伝達する(タガおよびキシモトにおいて概説、1995年)。gp130を介するサイトカインシグナル伝達によるPI3K活性化については報告されていないが、共通のβ鎖(例えば、IL3)、共通のγ鎖(例えば、IL4)またはチロシンキナーゼレセプター(幹細胞因子(SCF)と結合するc−kitのような)を介するサイトカインシグナル伝達に応答したp85−結合性PI3Kの活性化については立証されている(ワングら、1992年;ゴールドら、1994年)。我々は、サイトカイン依存性白血球細胞系において、IL3、IL4およびSCFがp110δおよびp110αにカップリングする能力について調べた。刺激に使用されるサイトカインに特異的な同一パターンのホスホチロシン含有蛋白質が、p110αおよびp110δ抗体と同時沈降することが見出された(図8、パネルa)。IL−3およびIL−4応答性Ba/F3プレBおよび骨髄前駆FD−6細胞系(図8A;FD−6に関するデータは記載されていない)では、IL3−処置により、100kDaの未知蛋白質および70kDa蛋白質チロシンホスファターゼであるSHP2のp110α/δIPにおける出現が誘導された(図8A、パネルb)。IL4刺激時に同時沈降した170kDa蛋白質(図8A、パネルa)は、イムノブロッティングによりIRS−2、すなわちこれらの細胞におけるIL4誘導燐酸化の主たる基質であることが示された(データは記載せず)。図8Bは、MC/9マスト細胞における同様の分析の結果を示す。SCF刺激後、p110αおよびp110δIPは両方とも、未同定の100kDaチロシン−燐酸化蛋白質およびc−kitとして同定された150kDa蛋白質のSCFレセプターを含んでいた(図8B、パネルaおよびb)。まとめて考えると、これらのデータは、p110αおよびp110δが様々な活性化サイトカインレセプター複合体へのリクルートにおいて見かけ上の差異は全く示さないことを示している。さらに、p85−結合性PI3K類の少なくとも2構成員がサイトカインシグナル伝達に係わるということは、これらのサイトカインレセプターの下流のシグナル伝達経路が以前には認識されていなかった複雑さを有することを示している。
マウスおよびヒト黒色腫細胞系におけるPI3キナーゼp110サブユニットの発現
p110δの発現をさらに様々なマウスおよびヒト黒色腫細胞系で調べた。黒色腫特有の特徴は、この癌に伴う転移の攻撃的な性質である。マウスおよびヒト細胞系の領域におけるp110δ蛋白質の相対存在量を分析することにより、p110δが転移に関与する可能性を調べた。p110αおよびβならびにp110δのレベルの評価にウェスターンブロットを使用した。マウス細胞系J774を、マウスウエスタンブロットの陽性対照として用いた。新生児メラニン細胞をヒトウエスタンブロットに関する対照として使用した。表1は、p110αおよびβがマウスおよびヒトの両起源の対照および黒色腫細胞系の両方で構成的に発現されることを示している。興味深いことに、マウス対照細胞系J744は、マウス黒色腫細胞系と比べてp110δの著しいレベル低下を示す。
しかしながら、検出可能レベルのp110δは、ヒト新生児メラニン細胞から見出される。これは、これらのヒト対照細胞の性質により説明され得る。これらの対照細胞におけるp110δの発現は、ヒトの皮膚におけるこれらの細胞の比較的最近の遊走により説明され得るため、p110δの残余レベルがこれらの細胞に存在し得る。成人のメラニン細胞は皮膚における長い滞留性を有し、p110δのレベルはそれらの終末分化と相応した検出不可能なレベルに低減化され得る。
我々は、PI3キナーゼファミリーの一部である新規なヒトp110サブユニット、p110δについて記載してきた。p110δは制限された発現パターンを示し、白血球集団および特に末梢血白血球においてのみ顕著なレベルに蓄積している。これらの細胞の運動性により、我々は、PI3キナーゼファミリーのこの構成員が細胞骨格再組織化を介して細胞運動性の調節に関与しうることを提案するに至った。マウスおよびヒト黒色腫細胞系に関するデータは興味深いが、ヒト黒色腫については確定的ではない。これは正常ヒトメラニン細胞およびヒト黒色腫の組織生検を用いることにより、解決されるであろう。
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Claims (18)
- 配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、又は配列番号1に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるPI3キナーゼ活性を有するポリペプチド。
- ポリペプチドが少なくとも1個の哺乳類p85アダプターポリペプチドと会合する能力をもつ請求項1に記載のポリペプチド。
- ポリペプチドが35〜45%のプロリン含量をもつプロリンリッチドメインで特徴づけられている請求項1又は2に記載のポリペプチド。
- プロリンリッチドメインが配列番号1に示されるアミノ酸残基の292〜311位にある、請求項3に記載のポリペプチド。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリペプチドをコードする核酸。
- 配列番号2で示される塩基配列、又は配列番号2に示される塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつPI3キナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列からなる、請求項5に記載の核酸。
- 核酸がcDNAである請求項5又は請求項6に記載の核酸。
- 請求項5〜7のいずれかに記載の核酸を含む組換え体ベクター。
- 請求項5〜7のいずれかに記載の核酸若しくは請求項8に記載の組換え体ベクターによって形質転換された宿主細胞。
- 宿主細胞が昆虫細胞である請求項9に記載の宿主細胞。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリペプチドに対する抗体。
- モノクローナル抗体である、請求項11に記載の抗体
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリペプチド、それをコードするmRNA、及びcDNAの少なくとも一つ以上の存在を検出・測定することからなる、請求項1〜4のいずれかに記載のポリペプチドの組織特異的な発現の同定方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリペプチドをコードする核酸にハイブリダイズする少なくとも2種の核酸分子プライマーを用いる、請求項13に記載の方法。
- ELISA、ウエスタンブロット、免疫沈降または免疫蛍光を含む方法により、前記ポリペプチドを検出するために請求項11又は12に記載の抗体を使用する、請求項13に記載の方法。
- ポリペプチドをインビトロまたはインビボで調節作用をもつ可能性のある被検物にさらし、次いで該ポリペプチドのキナーゼ活性を観察することからなる請求項1〜4のいずれかに記載のポリペプチドのキナーゼ活性の調節に有効な剤の同定方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリペプチドを発現する細胞を被検物にさらし、該細胞の運動性をモニターすることからなる請求項16に記載の方法。
- 請求項5〜7のいずれかに記載の核酸にハイブリダイズするアンチセンスオリゴヌクレオチド。
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