JP2000517165A - 新規な脂質キナーゼ - Google Patents

新規な脂質キナーゼ

Info

Publication number
JP2000517165A
JP2000517165A JP10500305A JP50030598A JP2000517165A JP 2000517165 A JP2000517165 A JP 2000517165A JP 10500305 A JP10500305 A JP 10500305A JP 50030598 A JP50030598 A JP 50030598A JP 2000517165 A JP2000517165 A JP 2000517165A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polypeptide
kinase
cell
nucleic acid
cells
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10500305A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3902663B2 (ja
Inventor
バート・ヴァンハーゼブローク
マイケル・デレク・ウォーターフィールド
Original Assignee
ルートヴィヒ インスティテュート フォー キャンサー・リサーチ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ルートヴィヒ インスティテュート フォー キャンサー・リサーチ filed Critical ルートヴィヒ インスティテュート フォー キャンサー・リサーチ
Publication of JP2000517165A publication Critical patent/JP2000517165A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3902663B2 publication Critical patent/JP3902663B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/10Transferases (2.)
    • C12N9/12Transferases (2.) transferring phosphorus containing groups, e.g. kinases (2.7)
    • C12N9/1205Phosphotransferases with an alcohol group as acceptor (2.7.1), e.g. protein kinases
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide

Abstract

(57)【要約】 本発明は、PI3キナーゼファミリーの一部である新規なリピドキナーゼに関する。PI3キナーゼはイノシトールに対する燐酸の付加によるイノシトールモノ、ジおよびトリ燐酸の生成を触媒する。イノシトール燐酸は、他の事象の中でも、細胞骨格の再モデリングと細胞運動性の調節をもたらしうる遺伝子発現の交代を発生させる細胞間シグナル伝達カスケードの調節に関係する。さらに具体的には、本発明は、p85と相互作用し、広範なホスホイノシチド特異性を有し、PI3キナーゼp110αと同一のキナーゼ阻害剤に感受性をもつ、新規なヒトPI3キナーゼであるp110δに関するものである。しかしながら、遍在性発現パターンを示す先に同定されたPI3キナーゼと対照的に、p110δは白血球で選択的に発現される。重要なことには、p110δは試験したほとんどの黒色腫で発現増加を示し,それゆえ黒色腫が示す転移性の調節に決定的な役割を果たす可能性がある。したがって、p110δ活性を増加させまたは減少させる剤の同定は、がんの転移を予防する可能性がある。

Description

【発明の詳細な説明】 新規な脂質キナーゼ 本発明は、PI3キナーゼ(PI3K)ファミリーの一部である新規なリピド キナーゼに関するものであり、さらに詳細には、本発明は、新規なリピドキナー ゼ及びその種々の応用に関し、例えば、がん細胞の転移のような細胞の運動性ま たは侵潤の診断または予測に関する、上記キナーゼの発現の検証に関し;また、 本発明は、選択された細胞の移動をそれぞれ増強または制限することにより、上 記運動性または侵潤を増加させ、減少させまたは防止させるための上記キナーゼ の発現又は阻害を制御する剤に関する。 酵素のPI3キナーゼファミリーに関する概説は、同時係属中の我々の特許出 願WO93/21328に記載されている。略述すると、この酵素のクラスは、 ホスホイノシチド(PhosPhoinositide)(以下、PIという)3−キナーゼ活性 を示す。細胞のシグナル伝達および細胞の2次メッセンジャーシステムに関して 我々が知る偉大な進歩の結果、PI3キナーゼ類は細胞の機能の調節に関して果 たす大きな役割を有することが知られている。事実、PI3キナーゼ類は、リガ ンドによる刺激または細胞の形質転換の結果として活性化されたプロテイン−チ ロシンキナーゼと会合する、多数の潜在的なシグナル送達系蛋白質の一員である ことが知られている。このように会合した場合、それらは細胞のシグナル送達経 路に重要な複合体を提供し、所期の結果に向かって直接的な作用を指示する。 PI3キナーゼは、イノシトール脂質のイノシトール環の3’―OH位への燐 酸の付加により、ホスファチジルイノシトールモノ燐酸、ホスファチジルイノシ トールジ燐酸およびホスファチジルイノシトールトリ燐酸の生成を触媒する(ホ ワイトマンら、1988年;スチーブンら、1989年および1991年)。現 在、一群のPI3キナーゼ酵素が、植物、変形菌類(slime molds)、酵母、ミ バエ類および哺乳類のようなさまざまな生物において確認されている(ツベレビ ルら、1996年)。 種々のPI3キナーゼ類が、インビボにおいて種々の3’―燐酸化イノシトー ル脂質の生成に関与していることが考えられる。インビトロにおける脂質の基質 特異性に基づいて、3種類のPI3キナーゼを区別することができる。第1類の 酵素は、広範な基質特異性を有し、PtdIns、PtdIns(4)Pおよび PtdIns(4,5)P2を燐酸化する。クラスIのPI3キナーゼは、哺乳 類のp110α、p110βおよびp110γを含む(ヒルスら、1192年; フーら、1993年;スチーブンら、1994年;ストヤノフら、1995年) 。 p110αおよびp110βは、p85アダプター蛋白質およびGTP−結合 Rasと相互作用するPI3キナーゼに関連している。 2種の85kDaサブユニット、すなわちp85αおよびp85βがクローニ ングされた(オーツら、1992年)。これらの分子は、N末端srcホモロジ ー3(SH3)ドメイン、2個のプロリンリッチ領域が隣接する(flanked)ブ レイクポイントクラスター(bcr)ホモロジー領域および2個のsrcホモロ ジー2(SH2)ドメインを含む。p85α遺伝子からのオルターナティブスプ ライシングにより生成するかまたはp85α/βのものと異なる遺伝子によりコ ード化される短縮されたp85蛋白質は、すべてSH3ドメインとbcr領域を 欠失し、これらは単一の短いN末端により置き換えられたと思われる(ポンスら 、1995年;イヌカイら、1996年;アントネッティら、1996年)。す べてのp85分子中に存在するSH2ドメインは、種々のレセプターおよびその 他の細胞蛋白質上の燐酸化チロシン残基と相互作用する能力をもつヘテロダイマ ーのp85/p110PI3K類をもたらす。p110αおよびβと対照的に、 p110γはp85と相互作用しないが、その代わりp101アダブター蛋白質 と会合する(スチーブンら、1996年)。p110γ活性は、G蛋白質サブユ ニットにより刺激される。 第2類のPI3K類は、少なくともインビトロにおいて、PtdInsおよび PtdIns(4)Pを燐酸化するが、PtdIns(4,5)P2はしない酵 素を含む(マクドゥガルら、1995年;バーバシウスら、1996年;モルツ ら、1996年)。これらのPI3K類はすべてC末端にC2ドメインを含む。 これらのクラスIIのPI3K類のインビボにおける役割は未知である。 第3類のPI3K類は、PtdInsに限定された基質特異性を有する。これ らのPI3K類は、酵母におけるゴルジ体から液胞への新生蛋白質の移行、これ は哺乳類におけるリソソームの均等物である、に関与する酵母のVps34と相 同性がある(スタックら、1995年)。酵母および哺乳類のVps34pは、 共に、150kDaの蛋白質のセリン/スレオニンキナーゼであるVps15p との複合体の形で存在する(スタックら、1995年;ボリニアら、1995年 ;パナレトウら、投稿中)。 PtdIns(3)Pは細胞中に全般的に存在し、その濃度は細胞外刺激によ り大きく変化しない。対照的に、PtdIns(3,4)P2およびPtdIn s(3,4,5)P3は静止期の細胞中にほとんど存在せず種々の成長因子によ る刺激で急速に産生されるが、これは第2メッセンジャー(second messengers )としての類似機能を示唆する(スチーブンスら、1993年)。PI3K類お よびその燐酸化脂質の細胞生理学における役割は、理解され始めたばかりである 。これらの脂質は2重の役割を果たすことができる:すなわち、脂質2重層の彎 曲上における物理的を電荷依存性作用の発揮とは別に、それらはまた特異的結合 蛋白質と相互作用しその局在化および/または活性を調節する能力を有する。こ れらの脂質の潜在的標的の中には、プロテインキナーゼCアイソフォーム類、プ ロテインキナーゼN/Rho活性化キナーゼ類およびAkt/RAC/プロテイ ンキナーゼBのようなプロテインキナーゼ類がある(トカーら、1994年;パ ルマーら、1995年;バーゲリングおよびコッファー、1995年;フランケ ら、1995年;ジェームスら、1996年;クリッペルら、1996年)。A kt/RAC/プロテインキナーゼBは、p70S6キナーゼおよびグリコーゲ ンシンターゼキナーゼ3のような標的の上流にあるようである(チャンら、19 94年;クロスら、1995年)。またPI3K類は、おそらくヌクレオチド交 換の調節により、RacおよびRab5のような低分子GTP結合蛋白質の活性 に影響を与える(ホーキンスら、1995年;リーら、1996年)。最後に、 これらの作用の組み合わせにより、細胞骨格の再配列、DNA合成/***誘発、 細胞生存および分化をもたらすことができる(バンヘーゼブレックら、1996 年)。 我々は、ここに、我々がP110δと命名した哺乳類の新規なクラスIのPI 3キナーゼを報告する。この新規なPI3キナーゼは、それがp85α、p85 βおよびp85γに結合するという点で、クラスIのPI3キナーゼファミリー の典型をあらわす。さらに、それはまたGTP−rasにも結合するが、p11 0αと同様、rhoおよびracに対する結合を示さない。それはまた、p11 0αおよびp110βと同一のGTP−ブロードホスホイノシチド脂質に対する 基質特異性を共有し、またプロテインキナーゼ活性を示し、p110αと同様な 薬物感受性を有する。 しかしながら、それは、その選択的組織分布により特徴づけられている。遍在 的に発現されているように見えるp110αおよびp110βと対照的に、p1 10δの発現は白血球集団すなわち脾臓、胸腺および特に末梢血白血球において 特に高い。この観察に加えて、我々はまた、p110δがほとんどの黒色腫で発 現されるが、黒色腫に対応する正常細胞であるメラニン細胞では発現されないこ とを見出した。運動性または侵潤を示すことが知られる組織中におけるp110 δの自然分布およびがん細胞中におけるp110αの発現が前提になるならば、 我々は、p110δが細胞の運動性または侵潤に果たす役割を有し、したがって がん細胞におけるこのリピドキナーゼの発現ががん細胞の転移行動を説明できる と考える。 p110δの別の新規な特徴は、Mn2+依存性におけるその自己燐酸化能力で ある。事実、我々は、自己燐酸化がこの蛋白質のリピドキナーゼ活性を妨げる傾 向があることを示した。さらに、p110δはプロリンリッチ領域を含む明確な 潜在的な蛋白質−蛋白質相互作用モデュラス(図1、アミノ酸20個中8個がプ ロリンである292−311位参照、)および塩基性領域であるロイシンジッパ ー(bZIP)様のドメイン(イングら、1994年およびヒライら、1996 年)を含む。p85結合性PI3キナーゼ間のこのような生化学的および構造的 差異は、それらが別個の機能的役割を果たしうることおよび/またはインビボに おいて区別して調節されうることを示す。 我々は、ここに、ヒトに起源をもつ核酸分子(配列表の配列番号2)、および p110δに関する対応するアミノ酸配列(配列表の配列番号1)データを開示 する。この情報を使用すると、組織の運動性または侵潤を診断する目的で、種々 の組織型におけるp110δの発現を測定し、特にがん組織におけるその発現を 測定し、したがって生成しつつある2次腫瘍の可能性を予測することが可能であ る。その上、p110δの発現を弱めるかまたはその機能を妨害する薬剤を提供 することも可能であろう。例えば、ここに提示する配列データを考慮すると、p 110δの発現を予防するアンチセンス材料を提供することが可能である。 上記のように、本発明は、PI3Kδ蛋白質をコードする核酸分子に選択的に 結合してPI3Kδ遺伝子の転写および/または翻訳を減少させるアンチセンス オリゴヌクレオチドを包含する。これは、PI3Kδ遺伝子の発現に帰せられる 腫瘍細胞の表現型のあらゆる特性の減少を含めて、PI3Kδ遺伝子産物の発現 の減少が望まれる実際上すべての医療状況で望ましいことである。このようにし て、アンチセンス分子は、このような腫瘍細胞の表現型の特性を減速させまたは 抑制するために使用することができる。 ここに使用する「アンチセンスオリゴヌクレオチド」または「アンチセンス」 の語は、生理学的条件下において特定の遺伝子を含むDNAまたはその遺伝子の mRNA転写物にハイブリダイズし、それによりその遺伝子の転写および/また はそのmRNAの翻訳を阻害する、オリゴリボヌクレオチド、オリゴデオキシリ ボヌクレオチド、修飾オリゴリボヌクレオチド、または修飾オリゴデオキシリボ ヌクレオチドなどであるオリゴヌクレオチドを表現するものである。アンチセン ス分子は、標的遺伝子とハイブリダイズしたとき標的遺伝子の転写または翻訳を 妨害するようにデザインされる。当業者は、アンチセンスオリゴヌクレオチドの 正確な長さと標的分子に対する相補性の程度が、標的の配列およびその配列を含 む特定の塩基類を含めて、選択した具体的標的に依存していることを認識するで あろう。アンチセンスオリゴヌクレオチドを、生理学的条件下で標的と選択的に 結合、すなわち生理学的条件下で標的細胞中の他の任意の配列よりも標的配列に 実質的によくハイブリダイズするように、構築または配置するのが好ましい。図 9に示すDNA配列またはそのアレル変異もしくは相同的なゲノムおよび/また はDNA配列に基づき、当業者は本発明により使用するための数々の適当なアン チセンス分子のうち任意のものを、容易に選択し合成することができる。阻害が 十分選択的で強力であるために、このようなアンチセンスオリゴヌクレオチドは 、 少なくとも7個(ワグナーら、ネーチャーバイオテクノロジー14巻840−8 44ページ、1996年)、より好ましくは、少なくとも15個の、標的に相補 的な連続的な塩基を含む必要がある。最も好ましくは、アンチセンスオリゴヌク レオチドは、20−30塩基の相補的配列を含む。遺伝子またはmRNA転写物 の任意の領域にアンチセンス的なオリゴヌクレオチドを選択することができるが 、好ましい態様では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、翻訳開始部位、転写 開始部位またはプロモーター部位のようなN末端または5’上流部位に対応する 。さらに、3’非翻訳領域も標的にすることができる。mRNAスプライシング 部位の標的化も当技術で使用されているが、別のmRNAスプライシングが生じ るならば好ましくない。さらに、好ましくは、アンチセンスは、mRNAの2次 構造が予期されず(例えば、サイニオら、セルラー・アンド・モレキュラー・ニ ューロバイオロジー14巻(5号)439―457ページ、1994年参照)蛋 白質の結合が期待されない部位を標的化することができる。最後に、図9はcD NA配列を開示するが、通常の当業者は、図9のcDNAに対応するゲノムDN Aを容易に誘導することができる。すなわち、本発明はまた、図9に対応するゲ ノムDNAに相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドをも提供する。同様に、 必要以上の実験なしに、そのアレル体または相同的なDNA類およびゲノムDN A類に対するアンチセンスも可能である。 一連の実施態様において、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、「天 然」デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、またはそれらの任意の組み 合わせから構成される。すなわち、一つの天然ヌクレオチドの5’末端および別 の天然ヌクレオチドの3’末端を、天然系におけると同様に、ホスホジエステル ヌクレオシド間結合を介して共有結合させることができる。これらのオリゴヌク レオチドは、手作業または自動合成機により当業界の通常の方法により調製でき る。またそれらは、ベクターにより組換え法で生産できる。 しかし、好ましい実施態様において、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチ ドは、「修飾」オリゴヌクレオチドを含むこともできる。すなわち、オリゴヌク レオチドは、標的に対するハイブリダイズを防止されないが安定性または標的性 を増強しまたはその他の方法で治療効果を増強する数々の方法で修飾することが できる。 ここに使用する「修飾オリゴヌクレオチド」の語は、(1)そのヌクレオチド の少なくとも2個が合成ヌクレオシド間結合(すなわち、一つのヌクレオチドの 5’末端と別のヌクレオチドの3’末端間のホスホジエステル結合以外の結合) を介して共有結合し、および/または(2)通常核酸に会合しない化学基がオリ ゴヌクレオチドに共有結合した、オリゴヌクレオチドを表現するものである。好 ましい合成ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート、アルキルホスホネート 、ホスホロジチオエート、ホスフェートエステル、アルキルホスホノチオエート 、ホスホロアミデート、カルバメート、ホスフェートトリエステル、アセトアミ デート、ペプチド、およびカルボキシメチルエステルである。 また「修飾オリゴヌクレオチド」の語は、共有結合で修飾された塩基および/ または糖を持ったオリゴヌクレオチドを包含する。例えば、修飾オリゴヌクレオ チドは、3’位でヒドロキシル基以外および5’位でホスフェート基以外の低分 子量有機基に共有結合した糖骨格をもつオリゴヌクレオチドを含む。すなわち、 修飾オリゴヌクレオチドは、2’−O−アルキル化リボース基を含みうる。さら に、修飾オリゴヌクレオチドは、リボースの代わりにアラビノースのような糖を 含みうる。また修飾オリゴヌクレオチドはC−5プロピン修飾塩基(C-5 propyn e modified dases)のような塩基性類似体を含むことができる(ワグナーら、ネ ーチャーバイオテクノロジー14巻840−844ページ、1996年)。すな わち、本発明は、PI3Kδ蛋白質をコードする核酸に相補的であり生理学的条 件下でこれとハイブリダイズする修飾アンチセンス分子を、医薬的に許容される 担体と共に含む医薬組成物を意図する。 アンチセンスオリゴヌクレオチドは、医薬組成物の一部として投与されうる。 このような医薬組成物は、アンチセンスオリゴヌクレオチドを、当業界で知られ た任意の標準的な生理学的および/または医薬的に許容される担体と組み合わせ て含みうる。組成物は、無菌であり、治療的有効量のアンチセンスオリゴヌクレ オチドを、患者に投与するに適した重量または容量の単位中に含むべきである。 「医薬的に許容される」の語は、有効成分の生物活性の有効性を妨害しない非毒 性材料を意味する。「生理学的に許容される」の語は、細胞、細胞培養物、組織 または生物のような生物学系と相容性をもつ非毒性材料を意味する。担体の特性 は、投与経路に依存する。生理学的および医薬的に許容される担体としては、希 釈剤、充填剤、塩類、緩衝剤、安定剤、可溶化剤、およびその他の当業界で周知 の他の材料などを含む。 したがって、本発明の目的は、新規なPI3キナーゼを同定し可能性がある細 胞の運動性または侵潤を予測する手段を提供することである。 本発明のさらに別の目的は、p110δの発現を増加させ、減少させ、または 防止する剤、および/または、細胞の運動性または侵潤をそれぞれ増強し、また は障害し、または予防する目的で、p110δの機能を妨害する剤を提供するこ とである。 本発明の最初の特徴によると、PI3キナーゼ活性を有する単離された自己燐 酸化ポリペプチドが提供される。 理想的には、上記ポリペプチドは、白血球から誘導され、典型的には黒色腫で 発現されるものであり、さらに理想的には、上記ポリペプチドはヒト起源のもの である。 その上、ポリペプチドは、哺乳類PI3キナーゼのp85サブユニットと会合 して、理想的には活性複合体を産生する能力をもつ。 さらに好ましくは、ポリペプチドは、図1Aに示すアミノ酸配列(配列表の配 列番号1)、または特にプロリンリッチドメインにより特徴づけられ、それに相 同的な配列を有する。 ここで相同的の語の引用は、同様の性質の、または共通の系統の、またはここ に記載するように、緊縮条件下のような状況で、図9に示す核酸分子にハイブリ ダイズし得る核酸分子に対応する蛋白質または材料として特徴づけられるものを 包含することを意図するものである。典型的なハイブリダイゼーション条件は、 温度60℃における50%ホルムアミド、5 X SSPE、5 X デンハート溶 液、0.2%SDS、200μg/ml変性音波処理したにしん***DNAおよ び200μg/ml酵母RNA(公開特許明細書WO93/21328記載の条 件)を含む。 理想的には、ポリペプチドは、組換え体技術を使用して生産され、代表的には ヒト起源である。 本発明の別の特徴によると、本発明のポリペプチドの少なくとも一部に対する 抗体であって、その抗体はポリクローナルまたはモノクローナルであるものが提 供される。 本発明の別の特徴によると、図9に示す核酸分子の全部または一部分であって 、その分子がPI3キナーゼ活性を有する自己燐酸化ポリペプチドをコードする ものが提供される。上記分子の一部分が提供される場合、部分はその目的を考慮 して選択され、例えばその後の使用に役立つキナーゼ活性を有する部分または抗 体生産に最適な他の部分を選択するのが望まれうる。 本発明の別の特徴によると、本発明の核酸分子の全部またはその一部分を含む 核酸分子構築物であって、後者の核酸分子が制御配列の制御下で適当な読み取り 枠内にあり対応する蛋白質の発現を確実にするものが提供される。 本発明のさらに別の特徴によると、理想的には本発明の構築物を使用して、対 応するポリペプチドの全部または重要部分の発現を可能にするために図9に示す 核酸分子の全部または一部分を含むように形質転換された宿主細胞が提供される 。 理想的には、これらの宿主細胞は、真核細胞、例えばバキュロウイルスの発現 系を使用したスポドプテラ・フルギペルダ種(spodoptera frugiperda)の細胞 のような昆虫細胞である。この発現系は、翻訳後修飾が必要な場合に有利である 。このような修飾が必要でないならば、原核細胞を使用しうる。 本発明の別の特徴によると、本発明のポリペプチドの発現に関して上記細胞の 試料を試験することを含む、細胞の運動性診断法が提供される。 理想的には、例えばPCR技術またはノザーンブロット分析により、本発明の ポリペプチドに対応するmRNAが上記細胞中に発現されたか否かを確認するた めの検査が行われる。別の方法として、上記発現を確認するために任意の他の従 来技術を使用しうる。 本発明のさらに別の特徴によると、本発明のポリペプチドまたはその断片を使 用して後記活性に関して候補分子をスクリーニングすることを含む、本発明のポ リペプチドの活性のブロックに有効な拮抗薬の同定法が提供される。 理想的には、スクリーニングは、コンピューター補助技術または従来の実験室 技術のような人工的技術を包含しうる。 理想的には、上記の方法は、天然にまたはウイルスにより形質転換された本発 明のポリペプチドを発現することが知られた細胞を、適当な拮抗薬にさらし、つ いでその運動性を観察することにより実施される。 別の方法として、本発明の方法は、本発明のポリペプチドに選択的にかつ理想 的には不可逆的に結合する薬剤を確認するための、競合的結合アッセイを含みう る。 本発明のさらに別の特徴によると、医薬または獣医薬用に製剤され、所望によ り希釈剤、担体または賦形剤をも含みおよび/または単位用量形態にされた、本 発明のポリペプチドの活性または発現の増強またはブロックに有効な薬剤を含む 、医薬または獣医薬組成物が提供される。 本発明のさらに別の特徴によると、細胞の集団を作用薬または拮抗薬または本 発明のポリペプチドまたはここに記載するアンチセンス材料にさらすことを含む 、細胞の運動性制御法が提供される。 別の方法として、上述した方法において、上記細胞を、上記ポリペプチドの効 果的な濃度を増加し細胞の運動性を増強する目的で、代わりとしてまたは追加と して、本発明のポリペプチドにさらしうる。 上述の方法は、インビボでもインビトロでも実施しうる。 本発明のさらに別の特徴によると、細胞の運動性制御のための、本発明のポリ ペプチドの活性ブロックに有効な薬剤の使用が提供される。 本発明のさらに別の特徴によると、細胞の運動性増強のための、本発明のポリ ペプチドの使用が提供される。 本発明のさらに別の特徴によると、本発明の核酸にハイブリダイズするための 、理想的にはここに記載のように修飾したアンチセンスオリゴヌクレオチドが提 供される。 本発明の実施態様を、単なる例示の目的で下記の図面、材料および方法を参照 して示す。そのうち: 図1(A)は、ヒトp110δのcDNAの翻訳アミノ酸配列を示す。プロリ ンリッチ領域およびbZIP様ドメインはそれぞれ枠囲いおよび斜線囲みで示す 。 (B)は、p110δの全長アミノ酸配列とp110αおよびp110βのそれ とのドットプロット対比を示す。非保存配列のモチーフを下線で示す。ドットプ ロット対比は、COMPAREプログラム(UWGCGパッケージ:ドベルーら 、1984年)を用いて実施した。(C)は、p110δアミノ酸配列のフラン キングHR3とp110αおよびp110βのそれぞれのホモローガス領域の比 較を示す。アミノ酸番号はp110δのものである。プロリンリッチ領域:p1 10δの左巻きポリプロリンII型ヘリックス形成を可能にする決定的プロリン をアスタリスクで示す。bZIP領域:ロイシンジッパー領域の保存L/V/I 残基を矢頭で示す。 図2は、p110δとp85およびRasの相互作用を示す。(A)は、昆虫 細胞を、GST―p110δをコードする組換え体バキュロウイルス単独または p85α、βもしくはγをコードするウイルスとの組み合わせに感染させ、2日 後、グルタチオン−セファロースを用いて細胞溶解物からGST−p110δを 精製し、洗浄し、SDS―PAGEおよびクーマシー染色で分析した。(B)は 、p1106を500μgのヒト好中球細胞質ゾルから免疫沈降させ、ウェスタ ンブロッティングにより種々のp85アイソフォームの存否についてプローブ分 析した。recは、Sf9細胞から精製した組換え体p85。(C)は、GST ―p110α/85αおよびGST―p110δ/85α(0.25μg)を指 示量(μg)のGTP−またはGDP−付着(loaded)V12Rasとインキュ ベートし、洗浄し、報告された(ロドリゲ−ビシアナら、1994年、1996 年)ウェスタンブロッティングによりRasの存否についてプローブ分析した。 図3の(A)は、p110δのインビトロでの脂質の基質特異性を示す。GS T−p110δ/p85αを、Mg2+の存在下に指示した基質を用いてリピドキ ナーゼアッセイにかけた。同じcpmを原点にスポットした。(B)は、GST ―p110δ/p85αにより生成したPtdIns燐酸化産物のHPLC分析 を示す。p110δ脱アシル産物(実線)ならびにグリセロホスホイノシトール −3Pおよびグリセロホスホイノシトール−4Pの標準品(点線)の溶離時間を 示す。AMPおよびADP対称の位置を矢印で示す。 図4は、p110δのプロテインキナーゼ活性を示す。(A)は、指示したp 85サブユニットと複合したGST−p110αまたはGST−p110δをM n2+の存在下にインビトロプロテインキナーゼ反応に付し、さらにSDS―PA GE、クーマシー染色、オートラジオグラフィーで分析したものである。(B) 及び(C)は、PDGF−レセプターホスホペプチドビーズ上のp85αまたは βと複合した非タッグ化p110αおよびp110δ[野生型(WT)またはキ ナーゼ欠損突然変異(p110α−R916Pおよびp110δ−R894P) ]をインビトロキナーゼ反応に付し、さらに(A)で記載したように分析した。 白色および黒色の矢頭はp110およびp85蛋白質をそれぞれ示す。 (B)の右パネルは、p85αおよびp110δのホスホアミノ酸分析を示す。 図5は、薬物に対するp110δのリピドキナーゼ活性の感受性を示す。p1 10δ/p85α(黒四角)およびp110α/p85α(白丸)阻害を薬物で あるウォルトマンニン不存在下の活性を基準に示した。これらのデータ点は、3 回の実験の平均値(±標準誤差)である。 図6は、p110α、p110βおよびp110δの発現のノザーンブロット 分析を示す。 図7は、p110αおよびp110δ蛋白質の発現の分析を示す。レーン当た り総細胞溶解物100μgを付着した。材料および方法の項に記載した溶解緩衝 液または2−メルカプトエタノール含有レムリゲル付着緩衝液中で細胞溶解した 。PMBCは抹消血単核細胞;PBLは末梢血リンパ球を示す。 図8は、サイトカインシグナル伝達におけるp110αおよびp110δの関 与を示す。Ba/F3(A)およびMC/9(B)細胞系を指示したサイトカイ ンで刺激した。対照である非処理細胞からの試料は標識化Conである。総細胞 溶解物ならびにp110αおよびp110δIPをSDS―PAGEで分離して 2連のブロットを作成したが、その対照はp110δ/85α(パネルa、bお よびd)またはp110α/p85α(パネルcおよびe)である。原ブロット のイムノブロッティングは4G10(抗PTyr、パネルa)および抗p110 α(パネルc)で実施した。ついでブロットをストリップし抗SHP2(A、パ ネルb)、抗kit(B、パネルb)、抗p1106(パネルd)および抗p8 5抗体(パネルe)で再プローブ分析した。矢頭はp170(IRS―2)、p 100およびp70(SHP2)(A、パネルa)、ならびにp150(c―k it)およびp100(B、パネルb)の位置を示す。 図9は、p110δのヒトの全cDNA配列を示す。なお、配列は配列表の配 列番号2にも示す。 図10は、p110δに対するアフィニティ精製した抗体をマイクロインジェ クションしたネズミマクロファージの免疫蛍光反応像を示す。マクロファージの 細胞骨格はファロイジン抱合ローダミンで画像化した。 材料および方法 p110δのクローニング ウシp110αおよびS.セレビシアエVps34p間のホモローガス領域に 基づくRT―PCRによりクローンした部分的PI3キナーゼcDNAクローン の同定の詳細が報告されている(ボリニアら、1995年;マクドウガルら、1 996年)。この方法により、MOLT4のT細胞系から部分的p110δcD NA断片が得られ、次いでこれがオリゴ(dT)プライムU937cDNAライ ブラリーのスクリーニングに使用された(ボリニアら、1995年)。相補的D NAを、EcoRI−XhoI(ストラタジーン)で消化したラムダZAPII ベクターにクローニングした。スクリーニングした4百万個のクローンから6個 の1次陽性プラークが見つかり、そのうち3個がさらに2回のスクリーニングで も陽性であった。pBluescript中のcDNA挿入物は製造元(ストラ タジーン)の指示に従いインビボ切断により作成した。3個の代表的なpBlu escriptクローン(05.1、09.1および011.1)を制限地図作成およびP CRで特性確認し、4.4kb(011.1)ないし5.0kb(05.1、09.1) にわたる大きさの挿入物を含有することが判明した。09.1クローンを詳細な特 性確認に使用した。その挿入物の制限地図作成により、内部XhoI部位の不存 在および、それぞれEcoRIのcDNA挿入部位から233および3862ヌ クレオチド3’(ヌクレオチド1=図9の下線ヌクレオチド)にある2個の内部 EcoRI部位の存在が明らかになった。したがって、EcoRIおよびXho Iの組み合わせによる消化が09.1挿入物を3個の断片に分割し、さらにEco RI断片I(ヌクレオチド1−222)、EcoRI断片II(ヌクレオチド2 23― 3861)およびEcoRI−XhoI断片III(ヌクレオチド3862―約 5000)を明らかにした。断片IおよびIIの両鎖を、Taqダイデオキシタ ーミネーターサイクル配列決定システム(ABI)を用いて配列決定に付し、そ の全長cDNA配列を図9に示す。09.1挿入物のヌクレオチド195から33 30がオープンリーディングフレームであった。枠内停止コドンは潜在的開始コ ドンに先行し、翻訳開始に好ましい部分にあった(コザック、1991年)。こ の結果から、5’非翻訳領域(UT)の196ヌクレオチドおよび約2.2kb の3’UTがもたらされた。05.1、09.1および011.1クローンの配列決定した 5’末端において、2個の異なるが関連性を有する5’非翻訳領域が認められた が、これは少なくとも2個のわずかに異なるメッセンジャーRNAの存在を意味 する。 p110δの発現ベクターの構築 使用した昆虫細胞移送ベクターはpVL1393(非タッグ化p110δ用; インビトロゲン)およびpAcG3X(GST―p110δ用;デービスら、1 993年)であった。p110δのコーディング領域を2段階でこれらのベクタ ーにサブクローンした。まず、マルチクローニング部位へのリンカー挿入により 発現ベクターを操作して、開始コドン(ヌクレオチド197;上記参照)から第 2EcoRI部位(ヌクレオチド223;上記参照)に広がるp110δEco RI断片I配列の一部を含ませた。後者のEcoRI部位に、p110δのEc oRI断片IIをサブクローニングし、ついで正しい方向の挿入物をもつクロー ンを選択した。昆虫細胞ベクターに関する第1段はBamHI―EcoRI切断 であり、ついで下記リンカー(リンカーI)を挿入した。 GATCCCCACCATGCCCCCTGGGGTGGACTGCCCCAT GG(センス:5’―3’) (アンチセンス:5’―3’)AATTCCATGGGGCAGTCCACCC CAGGGGGCATGGTGGG このリンカーは、最適のKozakコンセンサス配列(コザック、1991年 )と共にATGを含む。p110δの別の誘導体を、VentDNAポリメラー ゼ(ニュー・イングランド・バイオラブス)を用いてPCRで作成した。pBl uescript−SK(またpBluescript−p110δ−Eco IIとも示す)にサブクローニングしたp110δのEcoRI断片IIを、こ こで鋳型として使用した。これらのPCR反応において、EcoRI断片II挿 入物の3’非翻訳領域は除去された。変異R894Pの作成に使用したオリゴヌ クレオチドは次の通りである:センス変異オリゴヌクレオチド=プライマー1( 変異残基を下線で示す)= 5’−GTGTGGCCACATATGTGCTGGGCATTGGCGATC CGCACAGCGACAACATCATGATCCG アンチセンス=プライマー2= 5’−GGCCCGGTGCTCGAGAATTCTACTGCCTGTTGT CTTTGGACACGTTGTGGGCC パラレルPCRをプライマー2およびセンスプライマー(プライマー3=5’ −GTGTGGCCACATATGTGCTGGGCATTGGCG)を使用し 野生型p110δを無傷で残して実施した。すべてのPCR産物を、NdeIお よびXhoIで切断し、NdeI―XhoIオープンpBluescript― p110δ−EcoIIにサブクローニングし、配列決定した。ついで正しいク ローンをEcoERIカセットとしてリンカーI含有EcoRIオープンpVL 1393に移行させ、ついで正しい方向の挿入物をもつクローンを選択した。 昆虫細胞中におけるp110δの発現 プラスミドDNAを、リポフェクチン試薬(ギブコ)を用いてBaculoG oldDNA(ファルミンゲン、カリフォルニア州サンディエゴ)と同時移入し た。組換え体プラークを、通常の方法(サマーズおよびスミス、1987年)に より単離し確認した。 細胞培養 細胞は、10%ウシ胎児血清、20μM2―メルカプトエタノール、100単 位/mlペニシリン/ストレプトマイシンおよび2mMグルタミンを補足したR PMI1640培地中、加湿5%CO2インキュベター中で培養した。Ba/F 3はマウスIL3依存性プレB細胞系(パラシオスおよびスタインメッツ、19 85年)であり、MC/9はマウスIL3依存性マスト細胞系(ナベルら、19 81年)である。Ba/F3およびMC/9の両者を、マウスIL3源としてW E HI3B由来の10%(v/v)条件培地中で維持した。FDMAC11/4. 6(FD−6)骨髄前駆細胞は、IL4ならびにIL3、GM―CSFおよびC SF―1に反応して成長するFDMAC11の在来変異である(ウエルハムら、 1994年a)。これらの細胞を、AgX63/OMIL4細胞由来の3%(v /v)IL4条件培地中で維持した(カラスヤマおよびメルチャーズ、1988 年)。 リピドキナーゼアッセイ リピドキナーゼ活性は、基本的にワイマンら(1985年)が報告した方法に より測定した。リピドキナーゼアッセイ緩衝液は、20mMトリスHClpH7 .4、100mMNaClおよび0.5mMEGTAとした。脂質はシグマから 購入した。このアッセイにおけるATPおよびMg2+の最終濃度は常にそれぞれ 0.5および3.5mMとしたが、脂質は0.2―0.4mM濃度で使用した。 特に示さない限り、キナーゼ反応は37℃で10分間行った。反応産物のTLC 分離用溶媒は、プロパン−1―オール/2M酢酸/5MH3PO4(65:35: 1)とした。キナーゼに対する薬物効果のアッセイは40μMATP(最終濃度 )の存在下にPtdInsを基質とし、25℃で10分間行った;すべての管に 1%DMSOを含有させた。活性は、TLC分離脂質産物のホスホルイメージャ ー(phosphorimager)(モレキュラー・ダイナミックス)分析により定量した。 HPLC分析 組換え体p110αを用いてPtdInsを燐酸化することにより製造した[32 P]―PtdIns3PおよびPtdInsを0.5%NP−40の存在下に A431膜で変換することにより生成させた[32P]―PtdIns4Pを標準 品として使用した。脂質をメチルアミンで脱アシル化して生成させたグリセロホ スホイノシトール(クラークおよびドーソン、1981年)をPartisph ereSAXカラム(ワットマン・インターナショナル)上で1M(NH42H PO4―水の直線勾配(0―25%B;60分)を使用して1ml/分でアニオ ン交換HPLCにより分離した。放射能ピークは、オンライン検出器(リーブ・ アナリティカル、グラスゴー)により検出した。実験間の均一性のために内部標 準として加えたADPおよびATPヌクレオチド標準品は、254nmにおける 吸収により検出した。 インビトロ蛋白質燐酸化アッセイおよびリピドキナーゼ活性に対する効果 沈降した蛋白質を、プロテインキナーゼアッセイ緩衝液(20mMトリスHC l(pH7.4)、100mMNaCl、0.5mMEGTA、50μMATP および1mMMnCl2・4H2O、5−10μCi[γ−32P]ATP/ml) 中、37℃で30分間インキュベートした。反応は、SDS―PAGE試料緩衝 液を添加して停止させ、反応産物はSDS―PAGEおよびオートラジオグラフ ィーで分析した。ホスホアミノ酸分析は、既報(ジェリネックおよびウエバー、 1993年)のようにHunter薄層電気泳動システム(CBSサイエンティ フィック・カンパニー、カリフォルニア州デルマー)上で実施した。 低分子GTP結合蛋白質とPI―3Kのインビトロにおける相互作用 GST―PI3Kに対するras、racおよびrhoの結合を既報(ロドリ ンゲ−ビシアンスら、1995年、1996年)に従って実施した。 抗体、免疫沈降およびイムノブロッティング ウシp85αに対するモノクローナル抗体(U1、U13)およびp85β(T 15)は報告されている(エンドら、レイフら、1993年)。ウシp85γに対 するモノクローナル抗体(I2)は我々の研究室で開発した。GST―ヒトp85 α(AA5―321)に対するウサギポリクローナル抗血清は、ユニバーシティ・ カレッジ・ロンドンのシェファード博士の好意により提供された。ウサギポリク ローナル抗血清は、p110δ(C)KVNWLAHNVSKDNRQ1044のC 末端ペプチドに対しておよびヒトp110α(CGG)SVTQEAEEREEF FDETRR88のN末端ペプチドに対して作成した。p110δ燐酸化型に対す る抗体を作成するため、ペプチド配列1044をペプチド合成中にセリン残基を 燐酸化した。ヒトp110αのC末端(KMDWIFHTIKQHALN)に対 する抗血清は、ロヤ・フーシュマンド−ラド(ルードビッヒ・インスティチュー ト・フォー・カンサー・リサーチ、スウェーデン国ウプサラ)博士の好意により 提供された。抗体は、アクチゲル(ステロジーン・バイオセパレーションズ、カ リフォルニア州アーカディア)またはAF―アミノトヨパールTSKゲル(トー ショー・カンパニー、日本国)に結合したペプチド上でアフィニティ精製した。 抗体はそ れらが指向するPI3Kに特異的であることが認められた(Sf9細胞中で発現 した下記PI3Kパネルに対して試験:ウシp110α、ヒトp110β(C. パナレトゥおよびR.S.:未発表結果)ヒトp110γ(ストヤノフら、19 95年)、p110δ、PI特異性3キナーゼ(ボリニアら、1995年))。 末梢血管細胞は、フィコール(fieoll)勾配上で精製した(リンホプレプ;ナイ コムド、ノルウェー国オスロ)。好中球の細胞溶解物は、既報のように音波処理 により製造した(ビエンチエスら、1993年)。溶解緩衝液は、1%トリトン −X100、150mMNaCl、1mMEDTA、1mMNaF、1mMNa VO3、1mMDTT、1mMPMSF、0.27TIU/mlアプロチニンお よび10μMロイペプチンとした。いくつかの実験では,1mMジイソプロピル フルオロフォスフェートおよび27mMNa−p−トシル−L−リジン・クロロ メチルケトン(塩酸塩)を添加した。サイトカイン実験に使用した溶解緩衝液は ,50mMトリスHCl、pH7.5、10%(v/v)グリセリン、1%(v /v)NP−40、150mMNaCl,100μMモリブデン酸ナトリウム、 500μMフッ化ナトリウム、100μMオルトバナジウム酸ナトリウム、1m MEDTA、40μg/mlPMSF、10μg/mlアプロチニン、0.7μ g/mlペプアスタチン、1mMDIFP、1mMTLCKとした。サイトカイ ン刺激細胞は、ペレット化し、溶解液を次の分析前にマイクロ遠心機中4℃で5 分間清澄化したほかは、既報(ウエルハムおよびシュラダー、1992年)のよ うに、2×107細胞/mlで溶解した。免疫沈降は、既報(ウエルハムら、1 994年a)のように実施し、PDGFレセプターペプチド(YpVPMLG) は、製造元の指示にしたがってアクチゲルに結合した。p110δに対するC末 端抗血清は、免疫沈降およびイムノブロッティングの両者に使用した。p110 αに関しては、CおよびN末端抗血清を免疫沈降およびウエスターンブロット分 析にそれぞれ使用した。 SDS−PAGEおよびイムノブロッティングは、既報(レムリ、1970年 ;ウエルハムおよびシュラダー、1992年;ウエルハムら、1994年a)の ように実施した。抗体は、イムノブロッティングの際下記の濃度で使用した:4 G10、抗ホスホチロシンモノクローナル抗体では0.1μg/ml;抗p11 0αおよびp110δでは0.25μg/ml;抗p85では1:4000;抗 c−kit(サンタ・クルス・バイオテクノロジー、sc―168)では0.4 μg/ml;抗SHP(サンタ・クルス・バイオテクノロジー、sc―280) では0.1μg/ml;および抗IRS―2(M.ホワイト博士、ジョスリン・ ディアベテス・センター、マサチューセッツ州ボストンの贈与)では1:100 0。 ヤギ抗マウスおよびヤギ抗ウサギ西洋わさびペルオキシダーゼ結合抗体(ダコ 、デンマーク国)の両者は、0.05μg/mlの濃度で使用した。イムノブロ ットは、ECLシステム(アマーシャム)を用いて展開した。ブロットはストリ ップし既報(ウエルハムら、1994年a)のように再プローブ分析した。 p110δおよびp110αに対する抗体のCSF―1刺激マウスマクロファ ージ注入 マウスマクロファージ細胞系BAC1を、抗体マイクロインジェクション実験 に使用した。p110δに対するペプチド性ポリクローナル抗体は、C末端ペプ チド1044(17ページの材料および方法に記載)またはペプチド配列(C) R222KKATVFRQPLVEQPED238を指向するものであった。ポリ クローナル血清は、マイクロインジェクション前にアフィニティー精製し、0. 5―5mg/mlの濃度で使用した。対照のヒトp110αに対するペプチド性 ポリクローナル抗血清は材料および方法の17ページに記載したものである。マ イクロインジェクション前に、Bac1細胞をコロニー刺激因子1(CSF1) から24時間枯渇させた。ついで抗体をCSF1枯渇細胞に注入し、10―15 分間CSF1にさらし、マイクロインジェクション細胞の細胞骨格をファロイジ ン抱合ローダミンで発色させた(細胞の調製および発色はアレンら1997年の 報告のように行う)。 細胞刺激 種々の成長因子による細胞の刺激は、刺激前に細胞を血清欠乏RPMIに2× 107/mlに再懸濁した以外は、既報(ウエルハムおよびシュラダー、199 2年)のように行った。化学合成したマウスIL3およびIL4は、イアン・ク ラーク−ルイス博士(ユニバーシティ・オブ・ブリティッシュ・コロンビア、バ ン クーバー)の好意により提供された。組換マウスSCFはR&Dシステムヨーロ ッパ(アビングドン、オックスフォード)から購入した。成長因子の濃度および 刺激期間(SCFでは2分間;IL3およびIL4では10分間)はレセプター および細胞基質のチロシン燐酸化レベルが最高になるようにあらかじめ最適化し た。これらは次の通りであった:IL3では10μg/ml(ウエルハムおよび シュラダー、1992年);IL4では10μg/ml(ウエルハムおよびシュ ラダー、1994年a)およびSCFでは50ng/ml(M.J.W.未発表 の観察結果)。 ノザーンブロット分析 ヒトポリA+RNA(クローンテク)のノザーンブロットをpBluescr iptクローン09.1のランダムプライムラベルEcoRI断片IIとハイブリ ダイズさせた。ついで、下記のプローブを用いてストリッピングおよび再プロー ブ分析を実施した:ヒトp110αから得た内部EcoRI−XhoII2.1 kb断片(ボリニアら、1994年)およびヒトp110βのEcoRI−Xh oI5kbcDNA(C.パナレトゥ、未発表の結果)。 上記の材料および方法を使用して、我々は、新規なリピドキナーゼ、特に我々 がp110δと命名したPI3キナーゼを報告するデータを明確化することがで きた。このキナーゼに関するデータを、p110δをPI3キナーゼ群の他の構 成員と比較してそれぞれの特性を対比し対照する目的で、次に記載する。 結果 p110δのクローニング ウシp110αのキナーゼドメインおよびS.セレビシアエVps34p中の 保存されたアミノ酸配列(GDDLRQDおよびFHI/ADFG)に基づく縮 重プライマー(degenerate primers)を、ヒトMOLT4T白血病細胞のmRN Aと共にRT―PCRに使用した。相同性はあるが他の既知ヒトPI3Kと異な る部分的cDNAが得られた。このPCR断片を、U937単球ライブラリーの スクリーニングおよび対応全長クローンの単離用プローブとして使用した(詳細 は、材料および方法ならびに図9参照)。配列分析の結果、枠内停止コドンに先 行するオープンリーディングフレームが明らかになった。開始コドンもまた翻訳 開始に好ましい形で存在することがわかった(コザック、1991年)。この3 135ヌクレオチドのオープンリーディングフレームは、計算上、分子量119 ,471ダルトンをもつアミノ酸1044個の蛋白質である(図1A)。他のP I3Kとのアミノ酸の比較は、この蛋白質がヒトp110βに最も関連性が大き く(相同性58%、フーら、1993年)、ヒトp110α(相同性41%、ボ リニアら、1994年)、ヒトG蛋白質調節p110γ(相同性35%、ストヤ ノフら、1995年)およびヒトvps34p類似体(相同性28%、ボリニア ら、1995年)には近くないことを示した。ここに記載する新規PI3Kはp 110δ命名された。 高緊縮度(high stringency)のドットプロットによる対比(図1B)は、p 110α、βおよびδがp85領域(p110αのAA20―140:ダンドら 、1994年)ならびにPIキナーゼ(PIK)ドメイン(HR2)のC末端お よび触媒性コアー(p110αのAA529―終点、ズベレビルら、1995年 )で相同性が高いことを示す。p110δのAA370―470に広がる別の高 配列ホモロジー領域が、p85結合部位とHR2の間に見られた。この領域は、 すべてのp85結合PI3K類およびp110γで保存されているいわゆるHR 3サイン(WxxxLxxxIxIxDLPR/KxAxL)を含んでいる。p 110αとp110β/γ間の配列が最も異なるN末端側の領域は、Rasへの 結合に十分としてp110αにおいて定義された領域と重なる(p110αのA A133―314:ロドリゲ−ビシアナら、1996年)。別の2個の構造的モ チーフがp110δ中に同定された。第1のものは、分子モデリングがSH3ド メインと相互作用する潜在性をもつ左巻きポリプロリンII型ヘリックスを形成 しうる(データは記載せず)ことを示す、プロリンリッチ領域(図1B、C)で ある。この対応する領域で、p110αとp110βには類似の屈曲を許容する 決定的なプロリンがない。第2のモチーフは、HR3のC末端に続く塩基性領域 であるロイシンジッパー(bZIP)様ドメインである(図1B、C)。bZI P領域は、p110αおよびp110βの両者(またドロソフィアp110(リ ーバーズら、1997年))に存在するが、他方このドメインの塩基性成分はp 110αでは顕著でない(図1C)。p110δZIP領域のモデリングは、そ の L/V/I残基の配置がコイル対コイル(coiled-coil)2量体蛋白質ジッパー 複合体を形成しうるヘリックス構造に容易に適応することを示す(データは記載 せず)。 p110δはp85アダプターおよびRas蛋白質に結合する p110δがp85サブユニットに結合し得るという、アミノ酸配列比較から の予測を証明するために、p110δを、p85α、p85βまたはp85γ( 最後のはp55FIK、p55αおよびp85/AS53と相同的な55kDa ウシp85アイソフォームである(ポンスら、1995年;イヌカイら、199 6年;アントネッティら、1996年))をコードする組換え体バキュロウイル スと一緒にグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)―融合蛋白質とし て昆虫細胞で発現させた。図2Aから明らかなとおり、p85アダプターサブタ イプはすべて、GST−p110δとともに、同時感染細胞から効率的に同時精 製された。 異なるクラスIp110触媒サブユニット類がインビボで異なるp85アダプ ター蛋白質に対して結合の優先性を示すか否かという問題は、これまでに取り上 げられたことがない。p110δに特異的な抗血清を用いることにより、我々は p85αおよびp85βの両者が種々の白血球からのp110δ免疫沈降物中に 存在することを見出した(図2Bはヒト好中球に関するデータを示す。p85γ は白血球では発現されないないことに注意)。p110αの場合にも同様の結果 が得られた(データは記載せず)。これらの免疫複合体では、p85α抗体との 反応性を示す45kDa蛋白質も観察された(図2B)。この蛋白質の性質は現 時点では不明であるが、様々な組織からのp85およびp110IP類に存在す ることが以前に報告されている45kDa蛋白質に類似したものであるかも知れ ない(ポンスら、1995年)。 p110αおよびp110βは、Ras−GTPと相互作用することが示され ている(コダキら、1995年;ロドリゲス−ビシアナら、1994年および1 996年)。この相互作用に必要とされる領域は、これらのPI3K類のAA1 33および314間に存在する(ロドリゲス−ビシアナら、1996年)。この 領域におけるp110αおよびp110βとの配列保存性が比較的低いにもかか わらず(図1C)、p110δはインビトロにおいてGTP−依存的にRasと 相互作用しないのであるから、ある種の一見重大なアミノ酸が保存されている( 図2C)。 p1106はrasに結合するが、racまたはrhoにはしない GST−p110δ/p85αのインキュベーションにより、GTP−結合野 生型rasまたは発癌性V12−rasは保持されることが見出された(図2C )。これは、GDP−付着rasまたは機能的に死んだras突然変異体である A38−rasの場合には当てはまらない。p110αの場合と同様、rhoお よびracの結合は全く立証され得なかった(データは記載せず)。 p110δのリピドキナーゼ活性 Mg2+の存在下で試験すると、p110δは、PtdIns,PtdIns4 PおよびPtdIns(4,5)P2を燐酸化することが見出された(図3A) 。HPLC分析により、これらの脂質はD3位が燐酸化されることが確認された (図3B)。インビトロでの基質優先順位は、PtdIns>PtdIns4P >PtdIns(4,5)P2であった(データは記載せず)。Mg2+の存在下 よりもMn2+の存在下の方がリピドキナーゼ活性は低かった(0.25〜16ミ リモルの濃度範囲にわたって試験した;データは記載せず)。Sf9細胞から単 離したp110δの比活性は、p110αの場合よりも係数2−5の率で低かっ た(データは記載せず)。考え合わせると、これらのデータは、純粋なクラスI PI3Kとしてのp110δを確立するものである。 p110δは、p85を燐酸化しないが、自己燐酸化する p85サブユニットは、p110α触媒サブユニットによるMn2+依存的燐酸 化に関する基質であることが報告されている(カーペンターら、1993年;ダ ーンドら、1994年)。対照的に、GST−p110δは、様々なインビトロ 条件下で同時発現されたp85α、p85βまたはp85γを燐酸化しなかった (図4Aに示された部分データ;Mg2+またはMn2+のいずれの存在下でも活性 は全く見られなかった)。p85γはSH3ドメインを欠いており、p110δ によるこの分子の燐酸化が存在しないということは、p85α/βSH3ドメイ ンとp110δプロリンリッチ領域との分子間相互作用によってp85分子がロ ックされることにより、p110δによる効果的な燐酸化が行われ得るという可 能性に対する反証となる。p110δが昆虫細胞におけるインビボ共発現中にp 85を既に完全に燐酸化してしまう余地を与えないようにするために、外来性精 製p85αを固定化GST−p110δに加えた。過剰のp85を洗浄除去後、 結合p85は、この場合もp110δによってではなくp110αによって、効 果的に燐酸化されていることが見出された(データは記載せず)。85αまたは p85βとの複合体を形成している非標識p110δをMn2+の存在下でインビ トロキナーゼアッセイにかけると、p110δは自己燐酸化した(図4B。この 活性が固定化GST−p110δに大部分存在しないことに注意(図4B))。 このような燐酸化はP110α/p85複合体には見られず、そこではまたもや p85が燐酸化されていることが見出された(図4B)。ホスホアミノ酸分析は 、p110δ上の燐酸化がセリンで行われることを示した(図4B)。p110 αによるp85の燐酸化およびp110δの自己燐酸化は両方とも、主としてM n2+依存的であり、Mg2+の存在下での燐酸化は非常に弱いものに過ぎないこと が観察された(データは記載せず)。p110δの自己燐酸化は、リピドキナー ゼ活性の低化をもたらした。 観察されたp110δの燐酸化が同時沈降したプロテインキナーゼによるもの であるという可能性を排除するため、キナーゼ欠損p110δ突然変異体を生成 させた。これは、p110δ中のアルギニン894をプロリンに変換することに より行われ、p110δ−R894Pが生成した。突然変異したアルギニン残基 は、プロテインキナーゼの場合と同様触媒ループの一部であると思われる、キナ ーゼドメインの保存されたD3NX12-13DFGモチーフに位置する(テイラ ーら、1992年;ツヴェレビルら、1996年)。ウシp110α(R916 P)における類似した突然変異は、触媒活性を完全に破壊することが知られてい る(ダーンドら、1994年)。図4Cから明らかなように、昆虫細胞で発現さ れたp110δ−R894Pはもはやp110δの沈降物では燐酸化されず、こ のことは、後者が実際に自己燐酸化能力を有することを示す。同様に、リピドキ ナーゼ活性は、p1106−R894Pにより失われることが見出された(デー タは記載せず)。 我々は、p110δの燐酸化形態に対するポリクローナル抗血清を製造した。 C−末端ペプチド配列1044を、セリン残基1033で燐酸化し、ウサギの免 疫化に使用した。燐酸化ペプチドに対する抗血清は、我々が、p110δがイン ビボで燐酸化され、サイトカイン刺激時にこの燐酸化が強化されることを確立す るのを可能にした(結果は記載せず)。 p110δ触媒活性の薬剤感受性 p110αおよびδリピドキナーゼ活性は、ウォルトマンニン(wortmannin) およびLY294002による阻害に対して類似した感受性を呈し(図5)、I C50は5nM(ウォルトマンマニンの場合)および0.5μM(LY29400 2の場合)であった。同様に、p110δの自己燐酸化活性はまた、ナノモル範 囲でウォルトマンマニンにより阻害された(データは記載せず)。 p110δの組織分布 ヒト組織のポリA+RNAのノザーンブロット分析によりp110δの発現パ ターンを調べ、p110αおよびp110βの場合と比較した。約6kbの単一 メッセンジャーmRNA種は、白血球集団、すなわち脾臓、胸腺および特に末梢 血白血球(最後のは白血球を全て含み、赤血球の大多数のみが除去されている) で特に高度に発現されることが見出された(図6)。若干のノザーンブロット実 験の中には、p110δに関する別の−5kbメッセンジャーが観察される場合 もあった(データは記載せず)。低レベルのp110δメッセンジャーRNAの 発現は検査された殆どの他の組織からも見出されたが、血液細胞汚染がこのp1 10δmRNAシグナルに関与しているという可能性を排除するのは困難である 。p110αおよびp110βもまた、検査されたほとんどの組織で発現される ことが見出された(図6)。 次いで、p110αおよびδに特異的な抗体を用いて、蛋白質レベルでのこれ らのPI3Kの発現を検定した。異なるラット組織を試験すると、p110δ抗 体との反応性を示す110kDa蛋白質が脾臓および胸腺からは見出されたが、 試験した他の組織のいずれからも見出されなかった(図7)。このパターンは上 記ノザーンブロット分析のデータを大いに確認するものである。p1106はま た、1次および形質転換白血球の両方においてそれらの分化段階とは無関係に存 在することが見出された(図7)。1次血液細胞では、リンパ系および脊髄細胞 集団はp1106に関して陽性であり、血小板の場合はそうではなかった(図7 )。T(例えば、ジャーカット、HPBA11)およびB(例えば、ラージ、H FB1)細胞系両方ともp110δを発現していた(図7)。110kDaのp 110δは、ラット−1、NIH3T3およびスイス3T3線維芽細胞、LS1 74TおよびCOLO320HSR結腸腺癌、A431類表皮癌、ECC−1子 宮内膜癌腫およびHEp−2喉頭癌腫(図7)からもCHO(チャイニーズハム スター卵巣)、POC小細胞肺癌細胞系、ブタおよびウシ大動脈内皮細胞、MD A−MB−468胸部腺癌、および1次ヒト筋肉および線維芽細胞からも見出さ れなかった(データは記載せず)。結論として、p110δは白血球細胞におい て選択的に発現されると思われる。 p110δとは対照的に、p110αは、白血球を含め、調査された組織およ び細胞系のほとんどで見出された(図7)。 CSF−1刺激マウスマクロファージへの抗p110δポリクローナル抗体の マイクロインジェクション マウスマクロファージ細胞系、Baclに対するp110δおよびp110α に対する抗血清の一連のマイクロインジェクション実験により、さらにp110 δが有する機能を調べた。マイクインジェクション前に、Bacl細胞に24時 間CSF1を枯渇させた。CSF1枯渇は、細胞の***を開始させ、それに続い てCSF1に暴露されると運動性にする。アフィニティー精製抗p110δポリ クローナル抗体を、CSF1枯渇Bacl細胞へマイクインジェクションした後 、10−15分間CSF1に暴露した。 マイクインジェクションされたBacl細胞は、細胞形態の著しい変化を示す 。正常な細胞膜波うち運動は消失し、細胞質収縮が起こる。マイクインジェクシ ョンBacl細胞の細胞骨格はファロイジン−ローダミンコンジュゲートを用い て可視化したが、図10は、無秩序な細胞骨格配置を示すこのような細胞の代表 的試料を示す。抗p110αを注入しても、均等な効果は生じない。 興味深いことに、優性−陰性(dominant-negative)小GTP−結合蛋白質r acであるN17RACの発現により類似の表現型が示される。これは、p11 0 δが、細胞骨格組織化および細胞運動性に関与し得る同一のシグナル伝達カスケ ードの一部であり得ることを示唆している。 p110δはサイトカインシグナル伝達に関与している 白血球では、p85−結合性PI3Kは、サイトカインおよび補体レセプター 類、インテグリン類、Fcレセプター類、BおよびT細胞抗原レセプター類およ び例えばCD28のようなそれらの付属分子を介したシグナル伝達を含む多様な シグナル伝達事象に関与している(スティブンズらにより概説、1993年;フ ライ、1994年)。従って、多数のシグナル伝達プロセスがp110δに結び つく可能性があるのは明らかである。種々のp110が同じp85アイソフォー ムと複合体を形成しているように見えた観察を前提にすると(図2B)、上述の シグナル伝達/レセプター複合体へのp110δの選択的カップリングが他のク ラスIPI3Kをも含む細胞で起こるか否かは重大な疑問である。我々は、様々 なタイプの白血球で機能的に作用している、サイトカインシグナル伝達の状況に おけるこの重要な疑問を取り上げることにした。 種々のファミリーのサイトカインが、共通のgp130、βまたはγ鎖を共有 する別々の種類のレセプター、または固有チロシンキナーゼ活性を伴うレセプタ ーを介してシグナルを伝達する(タガおよびキシモトにおいて概説、1995年 )。gp130を介するサイトカインシグナル伝達によるPI3K活性化につい ては報告されていないが、共通のβ鎖(例えば、IL3)、共通のγ鎖(例えば 、IL4)またはチロシンキナーゼレセプター(幹細胞因子(SCF)と結合す るc−kitのような)を介するサイトカインシグナル伝達に応答したp85− 結合性PI3Kの活性化については立証されている(ワングら、1992年;ゴ ールドら、1994年)。我々は、サイトカイン依存性白血球細胞系において、 IL3、IL4およびSCFがp110δおよびp110αにカップリングする 能力について調べた。刺激に使用されるサイトカインに特異的な同一パターンの ホスホチロシン含有蛋白質が、p110αおよびp110δ抗体と同時沈降する ことが見出された(図8、パネルa)。IL−3およびIL−4応答性Ba/F 3プレBおよび骨髄前駆FD−6細胞系(図8A;FD−6に関するデータは記 載されていない)では、IL3−処置により、100kDaの未知蛋白質および 70kDa蛋白質チロシンホスファターゼであるSHP2のp110α/δIP における出現が誘導された(図8A、パネルb)。IL4刺激時に同時沈降した 170kDa蛋白質(図8A、パネルa)は、イムノブロッティングによりIR S−2、すなわちこれらの細胞におけるIL4誘導燐酸化の主たる基質であるこ とが示された(データは記載せず)。図8Bは、MC/9マスト細胞における同 様の分析の結果を示す。SCF刺激後、p110αおよびp110δIPは両方 とも、未同定の100kDaチロシン−燐酸化蛋白質およびc−kitとして同 定された150kDa蛋白質のSCFレセプターを含んでいた(図8B、パネル aおよびb)。まとめて考えると、これらのデータは、p110αおよびp11 0δが様々な活性化サイトカインレセプター複合体へのリクルートにおいて見か け上の差異は全く示さないことを示している。さらに、p85−結合性PI3K 類の少なくとも2構成員がサイトカインシグナル伝達に係わるということは、こ れらのサイトカインレセブターの下流のシグナル伝達経路が以前には認識されて いなかった複雑さを有することを示している。 マウスおよびヒト黒色腫細胞系におけるPI3キナーゼp110サブユニット の発現 p110δの発現をさらに様々なマウスおよびヒト黒色腫細胞系で調べた。黒 色腫特有の特徴は、この癌に伴う転移の攻撃的な性質である。マウスおよびヒト 細胞系の領域におけるp110δ蛋白質の相対存在量を分析することにより、p 110δが転移に関与する可能性を調べた。p110αおよびβならびにp11 0δのレベルの評価にウェスターンブロットを使用した。マウス細胞系J774 を、マウスウエスタンブロットの陽性対照として用いた。新生児メラニン細胞を ヒトウエスタンブロットに関する対照として使用した。表1は、p110αおよ びβがマウスおよびヒトの両起源の対照および黒色腫細胞系の両方で構成的に発 現されることを示している。興味深いことに、マウス対照細胞系J744は、マ ウス黒色腫細胞系と比べてp110δの著しいレベル低下を示す。 しかしながら、検出可能レベルのp110δは、ヒト新生児メラニン細胞から 見出される。これは、これらのヒト対照細胞の性質により説明され得る。これら の対照細胞におけるp110δの発現は、ヒトの皮膚におけるこれらの細胞の比 較的最近の遊走により説明され得るため、p110δの残余レベルがこれらの細 胞に存在し得る。成人のメラニン細胞は皮膚における長い滞留性を有し、p11 0δのレベルはそれらの終末分化と相応した検出不可能なレベルに低減化され得 る。 我々は、PI3キナーゼファミリーの一部である新規なヒトp110サブユニッ ト、p110δについて記載してきた。p110δは制限された発現パターンを 示し、白血球集団および特に末梢血白血球においてのみ顕著なレベルに蓄積して いる。これらの細胞の運動性により、我々は、PI3キナーゼファミリーのこの 構成員が細胞骨格再組織化を介して細胞運動性の調節に関与しうることを提案す るに至った。マウスおよびヒト黒色腫細胞系に関するデータは興味深いが、ヒト 黒色腫については確定的ではない。これは正常ヒトメラニン細胞およびヒト黒色 腫の組織生検を用いることにより、解決されるであろう。 表1 マウス黒色腫におけるp110サブユニットの発現表1の続き ヒト黒色腫におけるp110サブユニットの発現 参考文献 アントネッティ、D.A.、アルゲンステッド、P.およびカーン、C.R. (1996)「インスリンレセプター基質Iは、筋肉および脳においてホスファ チジルイノシトール3−キナーゼの調節サブユニットの2種の新規スプライス変 異体に結合する。」モレキュラー・アンド・セルラー・バイオロジー、16、2 195−2203。 バーガリング、B.M.T.およびコファー、P.J.(1995)「ホスフ ァチジルイノシトール−3−OHキナーゼシグナル伝達におけるブロテインキナ ーゼB(c−Akt)」、ネイチャー、376、599−602。 カーペンター、C.C.、オーガー、K.R.、ダックワース、B.C.、ホ ウ、W.−M.、シャフハウゼン、B.およびカントリー、L.C.(1993 )「堅固に会合したセリン/スレオニンブロテインキナーゼは、ホスホイノシチ ド3−キナーゼ活性を調節する」、モレキュラー・アンド・セルラー・バイオロ ジー、13、1657−1665。 チュング、J.K.、グラマー、T.C.、レモン、K.P.、カズラウスカ ス、A.およびブレニス、J.(1994)「ホスファチジルイノシトール−3 −OH−キナーゼにより伝達されるPDGF−およびインスリン依存的pp70 SK6活性化」、ネイチャー、370、71−75。 クラーク、N.G.およびドーソン、R.M.C.(1981)「アルカリ性 O−>N−アシル基転移。燐脂質定量的脱アシル化の新規方法」、バイオケミカ ル・ジャーナル、195、301−306。 クロス、D.A.E.、アレッシ、D.R.、コーエン、P.、アンジェルコ ビッチ、M.およびヘミングス、B.A.、(1995)「プロテインキナーゼ Bにより伝達されるインスリンによるグリコーゲンシンターゼキナーゼ−3の阻 害」、ネイチャー、378、785−789。 デーヴィス、A.H.、ジョウェット、J.B.M.およびジョーンズ、I. A.(1993)「グルタチオン−S−トランスフェラーゼ融合蛋白質を発現す る組換え体バキュロウイルスベクター」、バイオテクノロジー、11、933− 936。 デカミリ、P.、エミ、S.D.、マクファーソン、P.S.およびノヴィッ ク、P.(1996)「膜移動における調節剤としてのホスホイノシチド」、サ イエンス、271、1533−1539。 デヴェリュー、J.、ハエベルリ、P.およびスミシーズ、O.(1984) 「VAX用の配列分析ブログラムの包括的セット」、ヌクレイック・アシッズ・ リサーチ、12、3897−395。 ダーンド、R.、ハイルズ、I.、パナヨトウ、G.、ロチェ、S.、フライ 、M.J.、トティイ、N.F.、トウルオング、O.、ヴィセンド、P.、ヨ ネザワ、K.、カスガ、M.M.、コーメイッジ、S.およびウォーターフィー ルド、M.D.(1994)「PI3キナーゼは、2重特異性酵素である:固有 蛋白質−セリンキナーゼ活性による自己調節」EMBOジャーナル、13、52 2−533。 ディヴェチャ、N.およびアーヴィン、R.F.(1995)「燐脂質シグナ ル伝達」、セル、80、269−278。 ドーリーら、(1988)オンコジーン、3、531頁。 イースティーら、(1995)。インターナショナル・ジャーナル・オブ・キ ャンサー、60、129−136。 エンド、P.、ゴウト、I.、フライ、M.J.、パナヨトウ、G.、ダーン ド、R.、ヨネザワ、K.、カスガ、M.およびウォーターフィールド、M.D .(1993)。「ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ複合体のp85α サブユニットの構造および機能をブローブするためのバイオセンサー方法」、ジ ャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー、268、10066−100 75。 フィドラー、I.(1975)。キャンサー・リサーチ、35、218−22 4。 フランケ、T.F.、ヤング、S.I.、チャン、T.O.、ダッタ、K.、 カズラウスカス、A.、モリソン、D.K.、カプラン、D.R.およびツィチ リス、P.N.(1995)。「Akiプロト−オンコジーンによりコード化さ れるプロテインキナーゼは、PDGF−活性化ホスファチジルイノシトール3− キナーゼの標的である」、セル、8L727−736。 フライ、M.(1994)「ホスホイノシチド3−キナーゼの構造、調節およ び機能」、ビオキミカ・エト・ビオフィシカ・アクタ、1226、237−26 8。 ゴールド、M.R.、デウロニオ、V.、サクセナ、S.P.、シャラーデ、 J.W.およびアエベルソルド、R.(1994)「多数のサイトカインは、造 血細胞においてホスファチジルイノシトール3−キナーゼを活性化する。酵素と 様々なチロシン−燐酸化蛋白質の会合」、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ ケミストリー、269、5403−5412。 ゴウト、I.、ダーンド、R.、ハイルズ、I.D.、フライ、M.J.、パ ナヨトウ、G.、ダス、P.、トウルオング、O.、トティイ、N.F.、フス アン、J.、ブーカー、G.W.、キャンベル、I.D.およびウォーターフィ ールド、M.D.(1993)「GTPアーゼダイナミンは、SH3ドメインの サブセットに結合し、活性化される」、セル、75、1−20。 ハートリー、D.、メイスナー、H.およびコーべラ、S.(1995)「プ ロト−オンコジーンc−cblとホスファチジルイノシトール−3キナーゼのp 85サブユニットのβアイソフォームの特異的会合」、ジャーナル・オブ・バイ オロジカル・ケミストリー、270、18260−18263。 ホーキンズ、P.T.、エギノア、A.、ギウ、R.−G.、ストコエ、D. 、クーケ、F.T.、ウォルターズ、R.、ベンストローム、S.、クラエッソ ンーベルシュ、L.、エバンス、T.、サイモンズ、M.およびステファンズ、 L.(1995)「PDGFは、ホスホイノシチド3−キナーゼの活性化により GTP−Racにおける増加を刺激する」、カレント・バイオロジー、5、39 3−403。 ハイルズ、I.D.、オーツ、M.、ヴォリニア、S.、フライ、M.J.、 ゴウト、I.、ダーンド、R.、パナヨトウ、G.、ルイス−ラレア。 F.トンプソン、A.、トティイ、N.F.、フスアン、J.J.、コートネ イッジ、S.A.、パーカー、P.J.およびウォーターフィールド、M.(1 992)「ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ:100kd触媒サブユニ ットの構造および発現」、セル、419−429。 ヒライ、S.、イザワ、M.、オサダ、S.、スピロウ、G.およびオオノ、 S.(1996)「関連性の遠いプロテインキナーゼ、MEKKおよびMUKに よるJNK経路の活性化」、オンコジーン、12、641−650。 フー、P.、モンジーノ、A.、スコイニック、E.Y.およびシュレシンガ ー、J.(1993)「新規な遍在的発現ホスファチジルイノシトール3−キナ ーゼのクローニングおよびp85におけるその結合部位の同定」、モレキュラー ・アンド・セルラー・バイオロジー、13、7677−7688。 ハンター、T.(1995)「リピドキナーゼがリピドキナーゼでないのはい つか?それがブロテインキナーゼであるとき。」、セル、83、1−4。 イング、Y.L.、レウング、I.W.、ヘング、H.H.、ツジ、L.−C およびラッサム、N.J.(1994)「MLK−3:SH3ドメインおよびロ イシンジッパー基本領域ドメインをもつ広く発現されたプロテインキナーゼの同 定」、オンコジーン、9、1745−1750。 イヌカイ、K.、アナイ、M.、バン・ブレダ、E.、ホサカ、R.、カタギ リ、H.、フナイ、M.、フクシマ、Y.、オギハラ、T.、ヤザキ、Y.、キ クチ、M.、オカ、Y.およびアサノ、Y.(1996)「p55PIKに構造 的に類似したホスファチジルイノシトール3−キナーゼに関する新規55−kD a調節サブユニットは、p85α遺伝子のオルターナティブスプライシングによ り生成される」、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー、271、 5317−5320。 ジェームス、S.R.、ダウネス、C.P.、ギッグ、R.、グローブ、S. J.A.、ホルム、A.B.およびアレッシ、D.(1996)「後続の活性化 を伴わないホスファチジルイノシトール3,4,5−トリホスフェートへのAk i−1プロテインキナーゼの特異的結合」バイオケミカル・ジャーナル、315 、709−713。 ジェリンケ、T.およびウェバー、M.J.(1993)「1次元薄層電気泳 動によるホスホアミノ酸の分離の最適化」バイオテクニクス、15、628−6 30。 カペラー、R.およびカントリー、L.C.(1994)「ホスファチジルイ ノシトール3−キナーゼ」、バイオ・エッセイズ、8、565−576。 カラスヤマ、H.およびメルチャーズ、F.(1988)「修飾cDNA発現 ベクターを用いることによる、大量のインターロイキン2,3,4または5を構 成的に分泌するマウス細胞系の樹立」、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・イム ノロジー、18、97−104。 クリッペル、A.、レインハルト、C.、カヴァナウフ、W.M.、アペル、 G.、エスコベド、M.A.およびウィリアムズ、L.T.(1996)「ホス ファチジルイノシトール3−キナーゼの膜局在性は多重シグナル伝達キナーゼ経 路の活性化に十分である」、モレキュラー・アンド・セルラー・バイオロジー、 16、4117−4127。 コアディキ、T.、ウォショルスキ、R.、ホールバーグ、B.、ロドリゲス −ビシアナ、R.、ダウンワード、J.およびパーカー、P.J.(1994) 。「Rasによるホスファチジルイノシトール3−キナーゼの活性化」、カレン ト・バイオロジー、4、798−806。 コザック、M.(1991)「翻訳開始を変調する真核生物mRNAにおける 構造的特徴」、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー、266、1 9867−19870。 レムリ、U.K.(197)「バクテリオファージTのヘッドの組み立て中に おける構造蛋白質の開裂」、ネイチャー、227、680−685。 ラム、K.、カーペンター、C.L.、ルーダーマン、N.B.、フリエル、 J.C.およびケリー、K.L.(1994)「ホスファチジルイノシトール3 ーキナーゼセリンキナーゼはIRS−1を燐酸化する」、ジャーナル・オブ・バ イオロジカル・ケミストリー、269、24648−20652。 リーバース、S.J.、ウェインコーブ、D.、マクドウガル、L.K.、ハ ーフェン、E.およびウォーターフィールド、M.D.(1997)「ドロソフ ィラ・ホスホイノシチド3−キナーゼDp110は、細胞の成長を促す」、EM BOジャーナル、投稿中。 リー、G.、ドソウザーショリー、C.、バルビエリ、M.A.、ロバーツ、 R.L.、クリッペル、A.、ウィリアムズ、L.T.およびスタール、P.D .(1995)「RabS活性化によるエンドサイトーシス調節剤としてのホス フアチジルイノシトール3−キナーゼに関する証拠」、プロシーディング・オブ ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・ユナイテッド・ステ ーツ・オブ・アメリカ、92、10207−12211。 マクドウガル、L.K.、ドミン、J.およびウォーターフィールド、M.D .(1996)「ドロソフィラにおけるホスホイノシチド3−キナーゼのファミ リーにより、シグナル伝達の新規伝達物質が同定される」、カレント・バイオロ ジー、5、1404−1415。 モルツ、L.、チェン、Y.−W.、ヒラノ、M.およびウィリアムズ、L. T.(1996)「Cpkは、C2ドメインを含むドロソフィラPtdIns3 ーキナーゼの新種である」、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー 、271、13892−13899。 ナーベル、G.、ガリ、S.J.、ドヴォラック、A.M.、ドヴォラック、 H.F.およびカンター、H.(1981)「誘導物質Tリンパ球は、クローン マスト細胞の増殖を刺激する因子を合成する」、ネイチャー、291、332− 334。 オーメロッドら(1986)、キャンサー・リサーチ、46、884−890 。 オーツ、M.、ハイルズ、I.、ゴウト、I.、フライ、M.J.、ルイス− ラレア、F.、パナヨトウ、G.、トンプソン、A.、ダーンド、R.、フスア ン、J.、トティイ、N.、スミス、A.D.、モルガン、S.、クーメイッジ 、S.、パーカー、P.J.およびウォーターフィールド、M.D.(1991 )「レセプターチロシンキナーゼ、ミドルT/pp60???複合体およびPI 3キナーゼと会合する2種の85kd蛋白質の特性確認」、セル、65、91− 104。 パラシオス、R.およびステインメッツ、M.(1985)「B−220表面 抗原を発現し、生殖系列立体配置でIg遺伝子を含み、インビボでBリンパ球を 産生するIL−3−依存的マウスクローン」、セル、41、727−734。 パルマー、R.H.、デッカー、L.V.、ウォショルスキ、R.、ル・グッ ド、A.、ギッグ、R.およびパーカー、P.J.(1995)「ホスファチジ ルイノシトール4,5−ビスホスフェートおよびホスファチジルイノシトール3 ,4,5−トリホスフェートによるPRKIの活性化」、ジャーナル・オブ・バ イオロジカル・ケミストリー、270、22412−22416。 ポンス、S.、アサノ、T.、グラシーン、E.、ミラルペイ、M.、ツァン グ、Y.、フィッシャー、T.C.、メイヤーズ・ジュニア、M.G.、サン、 X.J.およびホワイト、M.W.(1995)「p55PIKの構造および機 能は、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼに関する新たな調節サブユニッ トを表わす」、モレキュラー・アンド・セルラー・バイオロジー、15、445 3−4465。 レイフ、K.、ゴウト、I.、ウォーターフィールド、M.D.およびカント レル、D.A.(1993)「T細胞活性化時のホスファチジルイノシトール3 ーキナーゼP85アルファおよびP85ベータアイソフォームの分岐調節」、ジ ャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー、268、10780−107 88。 ロドリゲス−ビシアナ、P.、ワーナー、P.H.、ダーンド、R.、バンヘ ーゼブレック、B.、ゴウト、I.、フライ、M.J.、ウォーターフィールド 、M.D.およびダウンワード、J.(1994)「Rasの直接的標的として のホスファチジルイノシトール−3−OHキナーゼ類」、ネイチャー、370、 527−532。 ロドリゲス−ビシアナ、P.、ワルネ、R.、バンヘーゼブレック、ウォータ ーフイールド、M.D.およびダウンワード、J.(1996)「Rasとの相 互作用および点突然変異によるホスホイノシチド3−キナーゼの活性化」、EM BOジャーナル、15、2442−2451。 ザックマン、E.(1994)「小胞−および細胞−形状および形状−トラン ジションの膜屈曲エネルギー概念」、FEBSレターズ、346、3−16。 サイニオら(1994)、セルラー・アンド・モレキュラー・ニューロバイオ ロジー、14(5)、439−457。 シェファード、P.、リーヴェス、B.およびデヴィッドソン、H.W.(1 996)「ホスホイノシチド3−キナーゼおよび膜トラフィック」、トレンズ・ セル・バイオル、6、52−57。 スプリンガー、T.A.(1994)「リンパ球再循環および白血球移動に関 するトラフィックシグナル:多段階パラダイム」、セル、76、301−314 。 ストック、J.H.、ホラズドブスキ、B.およびエマー、S.D.(199 5)「酵母における液胞へのレセプター伝達蛋白質分類:プロテインキナーゼ、 リピドキナーゼおよびGTP−結合性蛋白質に関する役割」、アニュアル・レビ ュー・オブ・セル・デブ・バイオル、11、1−33。 スティーブンス、L.R.、ホーキンズ、P.T.およびダウナーズ、C.P .(1989)「細胞における第3種のポリホソイノシチドの存在に関する代謝 および構造的証拠:D−ホスファチジル−ミオイノシトール3−ホスフェート」 、バイオケミカル・ジャーナル、259、267−276。 スティーブンス、L.R.、フーゲス、K.T.およびアーヴィン、R.F. (1991)「活性化好中球におけるホスファチジルイノシトール(3,4,5 )−トリホスフェート合成の経路」ネイチャー、351、33−39。 スティーブンス、L.R.、ジャクソン、T.R.およびホーキンズ、P.T .(1993)「ホスファチジルイノシトール(3,4,5)−トリホスフェー トのアゴニスト刺激合成:新たな細胞内シグナル伝達系?」、ビオキミカ・エト ・ビオフィシカ・アクタ、1179、27−75。 スティーブンス、L.、スミッカ、A.、クーケ、F.T.、ジャクソン、T .R.、スターンバイス、P.C.およびホーキンズ、P.T.(1994)「 脊髄誘導細胞における新規ホスホイノシチド3キナーゼ活性は、Gプロテインβ γサブユニットにより活性化される」、セル、77、83−93。 スティーブンス、L.、ホーキンズ、P.T.、エギノア、A.およびクーケ 、F.(1996)「PI3KのヘテロトリマーGTPアーゼ調節イソフォーム およびその潜在的エフェクターの調節」、フィロソフィカル・トランザクション ズ・オブ・ロイヤル・ソサイアティ・オブ・ロンドン、351,211−215 。 ストヤノフ、B.、ボリニア、S.、ハンク、T.、ルビオ、I.、ロウブチ ェンコフ、M.、マイエック、D.、ストヤノヴァ、S.、ヴァンヘーゼブレッ ク、B.、ダーンド、R.、ヌルンベルグ、B.、ギアシック、P.、ジードル フ、K.、フスアン、J.J.、ウォーターフィールド、M.D.およびウェッ ツカー、R.(1995)「Gブロテイン活性化ヒトホスホイノシチド3−キナ ーゼのクローニングおよび特性検定」、サイエンス、269、690−693。 サマーズ、M.D.およびスミス、H.E.(1987)「バキュロウイルス ベクターに関する方法および昆虫細胞の培養方法のマニュアル」、テキサス・ア グリ・エクスプ・ステーション・ブル、ナンバー1555。 タガ、T.およびキシモト、T.(1995)「シグナル伝達レセプター成分 を共有するサイトカインレセプターを通したシグナル伝達機構」、カレント・オ ピニオン・イン・イムノロジー、7、17−23。 タンチ、J.−F.、グレモー、T.、バン・オッバーゲーヘン、E.および ル・マーチャンド‐ブルステイ、Y.(1994)「インスリンレセプター基質 1は、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼのセリンキナーゼ活性により燐 酸化される」、バイオケミカル・ジャーナル、304、17−21。 テイラー、S.S.、ナイトン、D.R.、ツェング、J.、テン・アイク、 L.F.およびソワズキ、J.M.(1992)「プロテインキナーゼファミリ ーに関する構造的フレームワーク」、アニュアル・レビュー・セル・バイオル、 8、429−462。 トーカー、A.、メイヤー、M.、レディ、K.K.、ファルック、J.R. 、アネジャ、R.、アネジャ、S.、パラ、A.、バーンズ、D.J.、バラス 、L.M.およびカントリー、L.C.(1994)「新規ポリホスホイノシチ ドPtdIns−3,4−P2およびPtdIns−3,4,5−P3によるプ ロテインキナーゼCファミリー構成員の活性化」、ジャーナル・オブ・バイオロ ジカル・ケミストリー、269、32358−32367。 バンヘーゼブレック、B.、ステイン、R.およびウォーターフィールド、M .D.(1996)「ホスホイノシチド3−キナーゼ類およびそれらの潜在的機 能の試験」、キャンサー・サーべイズ、27、投稿中。 ビルバシウス、J.V.、ギルヘルメ、A.およびチェッチ、M.P.(19 96)「マウスp170は、C2ドメインを含む新規ホスファチジルイノシトー ル3−キナーゼである」ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー、2 71、13304−13307。 ボリニア、S.、ハイルズ、I.、オーモンドロイド、E.、ニゼチック、D .、アントナッチ、R.、ロッチ、M.およびウォーターフィールド、M.(1 994)「ヒトホスファチジルイノシトール3−キナーゼp110α(PIK3 CA)遺伝子の分子クローニング、cDNA配列および染色体局在性」ゲノミク ス、24、472−477。 ボリニア、S.、ダーンド、R.、バンヘーゼブレック、B.、マクドウガル 、L.K.、ステイン、R.、ツヴェレビル、M.J.、ドミン、J.、パナテ トウ、C.およびウォーターフィールド、M.D.(1995)「酵母Vps3 4p−Vps15p蛋白質分類システムに関連したヒトホスファチジルイノシト ール3−キナーゼ複合体」、EMBOジャーナル、14、3339−3348。 ワグナーら(1996)、ネイチャー・バイオテクノロジー、14、840− 844。 ワング、L−M.、キーガン、A.D.、パウル、W.E.、ヘイダラン、M .A.、ガーキンド、J.S.およびピアス、J.H.(1992)「IL−4 は、因子依存的骨髄細胞におけるIL−3からの遠隔シグナル伝達カスケードを 活性化する」、EMBOジャーナル、11、4899−4908。 ウェルハム、M.J.およびシュレイダー、J.W.(1992)「ネズミマ スト細胞におけるスチール因子誘導チロシン燐酸化。IL−3誘導シグナル伝達 経路を伴う共通成分」ジャーナル・オブ・イムノロジー、149、2772−2 783。 ウエルハム、M.J.、デウロニオ、V.およびシュレーダー、J.W.(1 994a)「インターロイキン−4−依存的増殖により、細胞生長からのp44 crk−1、p42crk−2およびp21ras活性化が分離される」、ジャ ーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー、269、5865−5873。 ウェルハム、M.J.、デチャート、U.、レスリー、K.B.、ジリック、 F.およびシュレイダー、J.W.(1994b)「インターロイキン(IL) −3および顆粒球/マクロフェーズコロニー刺激因子は(ただしIL−4ではな い)、チロシン燐酸化、活性化およびGrb2およびホスファチジルイノシトー ル3−キナーゼとSHPTP2の会合を誘導する」、ジャーナル・オブ・バイオ ロジカル・ケミストリー、269、23764−23768。 ホワイトマン、M.、ダウナーズ、C.P.、ケラー、M.、ケラー、T.お よびカントリー、L.(1988)「I型ホスファチジルイノシトールキナーゼ により、新規イノシトール燐脂質、ホスファチジルイノシトール−3−ホスフェ ートが生成される」、ネイチャー、332、644−646。 ウィエントジェス、F.B.、フスアン、J.J.、トティ、N.F.および セガール、A.W.(1993)「p40phax.srcホモロジー3ドメイ ンを含ませるためのNADPHオキシダーゼの活性化複合体の第3細胞質ゾル成 分」、バイオケミカル・ジャーナル、296、557−561。 ウィルソンら、(1989)、キャンサー・リサーチ、49、711頁。 ツァング、J.、ツァング、J.、シャッティ、S.J.、クニンガム、M. C.およびリッテンハウス、S.E.(1996)「血小板におけるホスホイノ シチド3−キナーゼγおよびp85/ホスホイノシチド3−キナーゼ。トロンビ ンレセプターまたはβ−ホルボールミリステートアセテートによる相対的活性化 およびαIIb8IIIインテグリンのリガンド結合機能促進における役割」、 ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー、271、6265−627 2。 ツヴェレビル、M.J.、マクドウガル、L.、リーバーズ、S.、ボリニア 、S.、ヴァンヘーゼブレック、B.、ゴウト、I.、パナヨトウ、G.、ドミ ン、J.、ステイン、R.、コガ、H.、サリム、K.、リナクレ、J.、ダス 、P.、パナレトウ、C.、ウェツカー、R.およびウォーターフィールド、M .D.(1996)「ホスホイノシチド3−キナーゼの構造的および機能的多様 性」、フィロソフィカル・トランザクションズ・オブ・ロイヤル・ソサイアティ ・オブ・ロンドン、351、217−233。
【手続補正書】 【提出日】平成11年2月3日(1999.2.3) 【補正内容】 請求の範囲 1.図1に示すアミノ酸配列又はその相同体若しくはその類似体で示され、所 望により少なくとも1個のアミノ酸残基が欠失、置換又は付加により修飾されて もよいPI3キナーゼ活性を有する自己燐酸化ポリペプチドで、かつ、白血球お よび/または黒色腫中で選択的に発現されることを特徴とする自己燐酸化ポリペ プチド、又は、その断片。 2.ポリペプチドが少なくとも1個の哺乳類p85アダプターポリペブチドと 会合する能力をもつ請求の範囲第1項記載のポリペブチド。 3.ポリペプチドが35〜45%のプロリン含量をもつドメインで特徴づけら れている請求の範囲第1又は2項に記載のポリペプチド。 4.プロリンリッチドメインが理想的には図1に示すプロテインの配列データ の292311位にあるか、均等なPI3キナーゼ中の相同的/類似の部位で あってもよい請求の範囲第3項に記載のポリペプチド。 5.ポリペプチドが哺乳類由来のものであり、好ましくはヒト由来のものであ る請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載のポリペプチド。 6.請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載のポリペプチドをコードする核酸 。 7.核酸の配列がcDNAまたはゲノムDNAによるものである請求の範囲第 6項記載の核酸。 8.核酸がクローン化した組換え体ベクター中にある請求の範囲第6又は7項 に記載の核酸。 9.核酸またはその一部が、請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載のポリペ プチドの組換えによる発現に適しているものである請求の範囲第6〜8項のいず れかに記載の核酸。 10.請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載のポリペプチドの全部またはそ の一部を組換えにより合成するための請求の範囲第8または9項記載の発明の構 築物を用いてトランスフェクションあるいは形質転換した宿主細胞。 11.宿主細胞のセルラインが昆虫細胞系である請求の範囲第8項記載の宿主 細胞系。 12.p110αに対する抗体産生のための、請求の範囲第8又は9項に記載 の組換え体から発現したポリペプチドまたは請求の範囲第1〜5項のいずれかに 記載のポリペプチドの使用。 13.該抗体がモノクローナルである、請求の範囲第12項記載の抗体または その一部。 14.関連するポリペプチド並びに/またはそれをコードするmRNAおよび /若しくはcDNAのいずれかまたは両者の存在を検出・測定することからなる 請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載のポリペプチドの組織特異的な発現の同 定方法。 15.cDNAが本発明の核酸の少なくとも1個の選択された部分にハイブリ ダイズするに適した少なくとも2種の核酸分子プライマーを結合することからな る請求の範囲第14項に記載の方法。 16.前記のプライマーを使用して、請求の範囲第6〜11項のいずれかに記 載の核酸の少なくとも一部を増幅または精製するための条件を提供することから なる請求の範囲第14または15項に記載の方法。 17.ELISA、ウエスタンブロット、免疫沈降または免疫蛍光を含む方法 により、前記ポリペプチドを検出するために請求の範囲第12または13項に記 載の抗体を使用することからなる請求の範囲第14に記載の方法。 18.ポリペプチドをインビトロまたはインビボで調節作用をもつ可能性のあ る被検物にさらし、次いで該ポリペプチドのキナーゼ活性を観察することからな る請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載のポリペプチドのキナーゼ活性の調節 に有効な剤の同定方法。 19.潜在的拮抗剤をコンピューター化モデリングまたは従来の実験室的手法 を使用してスクリーニングすることからなる請求の範囲第18項に記載の方法。 20.請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載のポリペプチドを発現する細胞 において、潜在的拮抗剤にさらし、該細胞の運動性をモニターすることからなる 請求の範囲第18または19項に記載の方法。 21.本発明のポリペプチドの活性の調節に有効な剤を含有してなる医薬また は獣医薬組成物。 22.所望により希釈剤、担体または賦形剤を含有し、および/または単位用 量形態である請求の範囲第21項に記載の医薬または獣医薬組成物。 23.細胞の集団を請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載のポリペプチドま たはその拮抗薬もしくはその作用薬にさらすことからなる細胞の運動性の制御方 法。 24.細胞の運動性が、細胞を本発明のポリペプチドにさらすことにより増強 される請求の範囲第23項に記載の方法。 25.細胞の運動性の制御のための、請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載 のポリペプチドの活性のブロックに有効な剤の使用。 26.細胞の運動性増強のための、請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載の ポリペプチドの使用。 27.請求の範囲第6〜9項のいずれかに記載の核酸にハイブリダイズするに 適したアンチセンスオリゴヌクレオチド。 28.該オリゴヌクレオチドが本明細書に記載のように修飾されている請求の 範囲第27項に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。 29.請求の範囲第27または28項に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチ ドを含有してなる医薬/獣医薬組成物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 A61K 48/00 48/00 A61P 35/00 A61P 35/00 C07K 16/40 C07K 16/40 C12N 9/12 C12N 5/10 C12Q 1/68 A 9/12 G01N 33/15 Z C12Q 1/68 33/50 Z G01N 33/15 33/53 D 33/50 C12P 21/08 33/53 C12N 5/00 B // C12P 21/08 A61K 37/02 (72)発明者 マイケル・デレク・ウォーターフィールド 英国 ロンドン,W1P 8BT,ライデ ィング・ハウス・ストリート,91番,コー トール・ビル,ルートヴィヒ・キャンサ ー・リサーチ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.図1に示すアミノ酸配列又はその相同体若しくはその類似体で示され、所 望により少なくとも1個のアミノ酸残基が欠失、置換又は付加により修飾されて もよいPI3キナーゼ活性を有し、かつ、白血球および/または黒色腫中で選択 的に発現性を示す自己燐酸化ポリペプチド、又は、その断片。 2.ポリペプチドが少なくとも1個の哺乳類p85アダプターポリペプチドと 会合する能力をもつ請求の範囲第1項記載のポリペプチド。 3.ポリペプチドが35〜45%のプロリン含量をもつドメインで特徴づけら れている請求の範囲第1又は2項に記載のポリペプチド。 4.プロリンリッチドメインが理想的には図1に示すプロテインの配列データ の292−311位にあるか、均等なPI3キナーゼ中の相同的/類似の部位で あってもよい請求の範囲第3項に記載のポリペプチド。 5.ポリペプチドが哺乳類由来のものであり、好ましくはヒト由来のものであ る請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載のポリペプチド。 6.請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載のポリペプチドをコードする核酸 。 7.核酸の配列がcDNAまたはゲノムDNAによるものである請求の範囲第 6項記載の核酸。 8.核酸がクローン化した組換え体ベクター中にある請求の範囲第6又は7項 に記載の核酸。 9.核酸またはその一部が、請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載のポリペ プチドの組換えによる発現に適しているものである請求の範囲第6〜8項のいず れかに記載の核酸。 10.請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載のポリペプチドの全部またはそ の一部を組換えにより合成するための請求の範囲第8または9項記載の発明の構 築物を用いてトランスフェクションあるいは形質転換した宿主細胞。 11.宿主細胞のセルラインが昆虫細胞系である請求の範囲第8項記載の宿主 細胞系。 12.p110δに対する抗体産生のための、請求の範囲第8又は9項に記載 の組換え体から発現したポリペプチドまたは請求の範囲第1〜5項のいずれかに 記載のポリペプチドの使用。 13.該抗体がモノクローナルである、請求の範囲第12項記載の抗体または その一部。 14.関連するポリペプチド並びに/またはそれをコードするmRNAおよび /若しくはcDNAのいずれかまたは両者の存在を検出・測定することからなる 請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載のポリペプチドの組織特異的な発現の同 定方法。 15.cDNAが本発明の核酸の少なくとも1個の選択された部分にハイブリ ダイズするに適した少なくとも2種の核酸分子プライマーを結合することからな る請求の範囲第14項に記載の方法。 16.前記のプライマーを使用して、請求の範囲第6〜11項のいずれかに記 載の核酸の少なくとも一部を増幅または精製するための条件を提供することから なる請求の範囲第14または15項に記載の方法。 17.ELISA、ウエスタンブロット、免疫沈降または免疫蛍光を含む方法 により、前記ポリペプチドを検出するために請求の範囲第12または13項に記 載の抗体を使用することからなる請求の範囲第14に記載の方法。 18.ポリペプチドをインビトロまたはインビボで調節作用をもつ可能性のあ る被検物にさらし、次いで該ポリペプチドのキナーゼ活性を観察することからな る請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載のポリペプチドのキナーゼ活性の調節 に有効な剤の同定方法。 19.潜在的拮抗剤をコンピューター化モデリングまたは従来の実験室的手法 を使用してスクリーニングすることからなる請求の範囲第18項に記載の方法。 20.請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載のポリペプチドを発現する細胞 において、潜在的拮抗剤にさらし,該細胞の運動性をモニターすることからなる 請求の範囲第18または19項に記載の方法。 21.本発明のポリペプチドの活性の調節に有効な剤を含有してなる医薬また は獣医薬組成物。 22.所望により希釈剤、担体または賦形剤を含有し、および/または単位用 量形態である請求の範囲第21項に記載の医薬または獣医薬組成物。 23.細胞の集団を請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載のポリペプチドま たはその拮抗薬もしくはその作用薬にさらすことからなる細胞の運動性の制御方 法。 24.細胞の運動性が、細胞を本発明のポリペプチドにさらすことにより増強 される請求の範囲第23項に記載の方法。 25.細胞の運動性の制御のための、請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載 のポリペプチドの活性のブロックに有効な剤の使用。 26.細胞の運動性増強のための、請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載の ポリペプチドの使用。 27.請求の範囲第6〜9項のいずれかに記載の核酸にハイブリダイズするに 適したアンチセンスオリゴヌクレオチド。 28.該オリゴヌクレオチドが本明細書に記載のように修飾されている請求の 範囲第27項に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。 29.請求の範囲第27または28項に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチ ドを含有してなる医薬/獣医薬組成物。
JP50030598A 1996-06-01 1997-05-30 新規な脂質キナーゼ Expired - Fee Related JP3902663B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB9611460.8 1996-06-01
GBGB9611460.8A GB9611460D0 (en) 1996-06-01 1996-06-01 Novel lipid kinase
PCT/GB1997/001471 WO1997046688A1 (en) 1996-06-01 1997-05-30 Lipid kinase

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000517165A true JP2000517165A (ja) 2000-12-26
JP3902663B2 JP3902663B2 (ja) 2007-04-11

Family

ID=10794609

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50030598A Expired - Fee Related JP3902663B2 (ja) 1996-06-01 1997-05-30 新規な脂質キナーゼ

Country Status (14)

Country Link
US (4) US6482623B1 (ja)
EP (1) EP0914448B1 (ja)
JP (1) JP3902663B2 (ja)
CN (1) CN1260360C (ja)
AT (1) ATE342364T1 (ja)
AU (1) AU719354B2 (ja)
CA (1) CA2256483C (ja)
DE (1) DE69736807T2 (ja)
DK (1) DK0914448T3 (ja)
ES (1) ES2274543T3 (ja)
GB (1) GB9611460D0 (ja)
HK (1) HK1020751A1 (ja)
NZ (1) NZ332634A (ja)
WO (1) WO1997046688A1 (ja)

Families Citing this family (89)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB9611460D0 (en) * 1996-06-01 1996-08-07 Ludwig Inst Cancer Res Novel lipid kinase
AU2005201060B2 (en) * 1996-11-25 2007-06-21 Icos Corporation Phosphatidylinositol 3-kinase P110 Delta Catalytic Subunit
AU781078B2 (en) * 1996-11-25 2005-05-05 Icos Corporation Phosphatidylinositol 3-kinase P110 delta catalytic subunit
US5858753A (en) * 1996-11-25 1999-01-12 Icos Corporation Lipid kinase
DE19860833C1 (de) 1998-12-30 2000-09-07 Albrecht E Sippel Methode zur zellulären High-Throughput(Hochdurchsatz)-Detektion von Rezeptor-Liganden-Interaktionen
US6046049A (en) * 1999-07-19 2000-04-04 Isis Pharmaceuticals Inc. Antisense modulation of PI3 kinase p110 delta expression
AU3007001A (en) * 1999-12-06 2001-06-12 Axxima Pharmaceuticals Ag Method for identification and quantification of kinase inhibitors
CN1314480A (zh) * 2000-03-22 2001-09-26 上海博德基因开发有限公司 一种新的多肽——人磷脂酰肌醇3激酶14和编码这种多肽的多核苷酸
EP1939203B1 (en) 2000-04-25 2014-11-19 ICOS Corporation Inhibitors of human phosphatidyl-inositol 3-kinase delta isoform
SI2223922T1 (sl) 2000-04-25 2016-04-29 Icos Corporation Inhibitorji humane fosfatidil-inositol 3-kinazne delta izoforme
US6667300B2 (en) 2000-04-25 2003-12-23 Icos Corporation Inhibitors of human phosphatidylinositol 3-kinase delta
AU2001265231B2 (en) * 2000-05-31 2006-07-06 Promega Corporation Assay for kinases and phosphatases
US7067269B2 (en) * 2001-11-26 2006-06-27 Echelon Biosciences, Inc. Assaying apparatus, kit, and method for lipids and associated enzymes
US20050009124A1 (en) * 2001-11-26 2005-01-13 Echelon Biosciences Incorporated Assays for detection of phosphoinositide kinase and phosphatase activity
DE10232723A1 (de) * 2002-07-16 2004-02-05 MedInnova Gesellschaft für medizinische Innovationen aus akademischer Forschung mbH Testsystem zur Auffindung von Inhibitoren von Inositolphosphatkinasen und Verwendungen dieser Inhibitoren für die Prophylaxe oder Therapie von proliferativen Erkrankungen
US7429596B2 (en) * 2003-06-20 2008-09-30 The Regents Of The University Of California 1H-pyrrolo [2,3-D] pyrimidine derivatives and methods of use thereof
US20050043239A1 (en) * 2003-08-14 2005-02-24 Jason Douangpanya Methods of inhibiting immune responses stimulated by an endogenous factor
DK1761540T3 (en) 2004-05-13 2016-11-21 Icos Corp Quinazolinones as inhibitors of human phosphatidylinositol 3-kinase DELTA
EP1755609A1 (en) * 2004-05-25 2007-02-28 Icos Corporation Methods for treating and/or preventing aberrant proliferation of hematopoietic cells
JP2008520744A (ja) 2004-11-19 2008-06-19 ザ・レジェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・カリフォルニア 抗炎症性ピラゾロピリミジン
WO2006089106A2 (en) * 2005-02-17 2006-08-24 Icos Corporation Phosphoinositide 3-kinase inhibitors for inhibiting leukocyte accumulation
CA2647391C (en) * 2006-04-04 2015-12-29 The Regents Of The University Of California Kinase antagonists
US7547760B2 (en) * 2006-07-03 2009-06-16 West Virginia University Peptides and chemical compound for inhibition of SHP2 function
CN101605797A (zh) 2006-11-13 2009-12-16 伊莱利利公司 治疗炎症疾病和癌症的噻吩并嘧啶酮
PT2137186E (pt) 2007-03-23 2016-03-30 Amgen Inc Compostos heterocíclicos e suas utilizações
WO2009046448A1 (en) * 2007-10-04 2009-04-09 Intellikine, Inc. Chemical entities and therapeutic uses thereof
US8703777B2 (en) 2008-01-04 2014-04-22 Intellikine Llc Certain chemical entities, compositions and methods
US8193182B2 (en) 2008-01-04 2012-06-05 Intellikine, Inc. Substituted isoquinolin-1(2H)-ones, and methods of use thereof
US8637542B2 (en) 2008-03-14 2014-01-28 Intellikine, Inc. Kinase inhibitors and methods of use
US8993580B2 (en) 2008-03-14 2015-03-31 Intellikine Llc Benzothiazole kinase inhibitors and methods of use
WO2010006086A2 (en) 2008-07-08 2010-01-14 Intellikine, Inc. Kinase inhibitors and methods of use
WO2010006072A2 (en) 2008-07-08 2010-01-14 The Regents Of The University Of California Mtor modulators and uses thereof
CA2738429C (en) 2008-09-26 2016-10-25 Intellikine, Inc. Heterocyclic kinase inhibitors
EP2358720B1 (en) 2008-10-16 2016-03-02 The Regents of The University of California Fused ring heteroaryl kinase inhibitors
US8476431B2 (en) * 2008-11-03 2013-07-02 Itellikine LLC Benzoxazole kinase inhibitors and methods of use
PT2355828T (pt) 2008-11-13 2018-07-02 Gilead Calistoga Llc Terapias para malignidades hematológicas
US9492449B2 (en) 2008-11-13 2016-11-15 Gilead Calistoga Llc Therapies for hematologic malignancies
US20120039905A1 (en) * 2009-01-13 2012-02-16 The Babraham Institute The Role of p110 delta Signaling in Morbidity and Lung Pathology Induced by Influenza Virus Infection
BRPI1012333A2 (pt) 2009-03-24 2016-03-29 Gilead Calistoga Llc atropisômeros de derivados de 2-purinil-3-tolil-quinazolinonas e métodos de uso
ES2548253T3 (es) * 2009-04-20 2015-10-15 Gilead Calistoga Llc Métodos para el tratamiento de tumores sólidos
JP5789252B2 (ja) 2009-05-07 2015-10-07 インテリカイン, エルエルシー 複素環式化合物およびその使用
EA201270051A1 (ru) 2009-06-25 2012-05-30 Амген Инк. Гетероциклические соединения и их применения
TW201111362A (en) 2009-06-25 2011-04-01 Amgen Inc Heterocyclic compounds and their uses
JP2012531435A (ja) 2009-06-25 2012-12-10 アムジエン・インコーポレーテツド PI3K阻害剤としての4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン誘導体
EP2445902A2 (en) 2009-06-25 2012-05-02 Amgen, Inc Heterocyclic compounds and their uses as inhibitors of pi3k activity
WO2011011550A1 (en) 2009-07-21 2011-01-27 Calistoga Pharmaceuticals Inc. Treatment of liver disorders with pi3k inhibitors
US8980899B2 (en) 2009-10-16 2015-03-17 The Regents Of The University Of California Methods of inhibiting Ire1
AU2010330875B2 (en) 2009-12-18 2013-08-01 Amgen Inc. Heterocyclic compounds and their uses
UY33304A (es) 2010-04-02 2011-10-31 Amgen Inc Compuestos heterocíclicos y sus usos
JP5951600B2 (ja) 2010-05-21 2016-07-13 インフィニティー ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド キナーゼ調節のための、化合物、組成物および方法
JP2013530239A (ja) 2010-06-30 2013-07-25 アムジエン・インコーポレーテツド Pi3k阻害剤としてのキノリン
EP2588471A1 (en) 2010-06-30 2013-05-08 Amgen Inc. Heterocyclic compounds and their use as inhibitors of pi3k activity
JP2013533883A (ja) 2010-06-30 2013-08-29 アムジエン・インコーポレーテツド PI3Kδ阻害剤としての含窒素複素環化合物
WO2012003262A1 (en) 2010-07-01 2012-01-05 Amgen Inc. Heterocyclic compounds and their use as inhibitors of pi3k activity
US20130085131A1 (en) 2010-07-01 2013-04-04 Amgen Inc. Heterocyclic compounds and their uses
MX2012015134A (es) 2010-07-02 2013-05-06 Amgen Inc Compuestos heterociclicos y su uso como inhibidores de actividad de pi3k.
AU2011323243A1 (en) 2010-11-04 2013-05-23 Amgen Inc. Heterocyclic compounds and their uses
CA2817577A1 (en) 2010-11-10 2012-05-18 Infinity Pharmaceuticals, Inc. Heterocyclic compounds and uses thereof
CA2816144A1 (en) 2010-11-17 2012-05-24 Amgen Inc. Quinoline derivatives as pik3 inhibitors
US20130267526A1 (en) 2010-12-23 2013-10-10 Amgen, Inc. Heterocyclic compounds and their uses
US8809349B2 (en) 2011-01-10 2014-08-19 Infinity Pharmaceuticals, Inc. Processes for preparing isoquinolinones and solid forms of isoquinolinones
TWI592411B (zh) 2011-02-23 2017-07-21 英特爾立秦有限責任公司 激酶抑制劑之組合及其用途
AR088218A1 (es) 2011-07-19 2014-05-21 Infinity Pharmaceuticals Inc Compuestos heterociclicos utiles como inhibidores de pi3k
AU2012284088B2 (en) 2011-07-19 2015-10-08 Infinity Pharmaceuticals Inc. Heterocyclic compounds and uses thereof
EP2751093A1 (en) 2011-08-29 2014-07-09 Infinity Pharmaceuticals, Inc. Heterocyclic compounds and uses thereof
JP6342805B2 (ja) 2011-09-02 2018-06-13 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア 置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンおよびその用途
KR20140133590A (ko) 2012-03-05 2014-11-19 길리아드 칼리스토가 엘엘씨 (s)-2-(1-(9h-퓨린-6-일아미노)프로필)-5-플루오로-3-페닐퀴나졸린-4(3h)-온의 다형체 형태
MA37472A1 (fr) 2012-04-04 2016-09-30 Amgen Inc Composés hétérocycliques et leurs utilisations
US8940742B2 (en) 2012-04-10 2015-01-27 Infinity Pharmaceuticals, Inc. Heterocyclic compounds and uses thereof
US8828998B2 (en) 2012-06-25 2014-09-09 Infinity Pharmaceuticals, Inc. Treatment of lupus, fibrotic conditions, and inflammatory myopathies and other disorders using PI3 kinase inhibitors
BR112015006828A8 (pt) 2012-09-26 2019-09-17 Univ California composto, ou um sal farmaceuticamente aceitável do mesmo; composição farmacêutica; uso do composto; e método para modular a atividade de uma proteína ire1
AU2013364068B2 (en) 2012-12-21 2016-10-20 Gilead Calistoga Llc Substituted pyrimidine aminoalkyl-quinazolones as phosphatidylinositol 3-kinase inhibitors
EP2935246B1 (en) 2012-12-21 2018-07-25 Gilead Calistoga LLC Isoquinolinone or quinazolinone phosphatidylinositol 3-kinase inhibitors
US9481667B2 (en) 2013-03-15 2016-11-01 Infinity Pharmaceuticals, Inc. Salts and solid forms of isoquinolinones and composition comprising and methods of using the same
AR096621A1 (es) 2013-06-14 2016-01-20 Gilead Sciences Inc Inhibidores de isómeros de la fosfatidilinositol 3-quinasa (pi3k)
PE20160685A1 (es) 2013-10-04 2016-07-23 Infinity Pharmaceuticals Inc Compuestos heterociclicos y usos de los mismos
US9751888B2 (en) 2013-10-04 2017-09-05 Infinity Pharmaceuticals, Inc. Heterocyclic compounds and uses thereof
AU2014364414A1 (en) 2013-12-20 2016-06-30 Gilead Calistoga Llc Polymorphic forms of a hydrochloride salt of (S) -2-(1-(9H-purin-6-ylamino) propyl) -5-fluoro-3-phenylquinazolin-4 (3H) -one
NZ736970A (en) 2013-12-20 2018-11-30 Gilead Calistoga Llc Process methods for phosphatidylinositol 3-kinase inhibitors
SG10201808053XA (en) 2014-03-19 2018-10-30 Infinity Pharmaceuticals Inc Heterocyclic compounds for use in the treatment of pi3k-gamma mediated disorders
WO2015160975A2 (en) 2014-04-16 2015-10-22 Infinity Pharmaceuticals, Inc. Combination therapies
CN106459005A (zh) 2014-06-13 2017-02-22 吉利德科学公司 磷脂酰肌醇3‑激酶抑制剂
CN104155440B (zh) * 2014-07-16 2016-02-10 广东药学院 p110δ及其抗体在特异性标记滋养层巨细胞(pTGC)中的应用
US9708348B2 (en) 2014-10-03 2017-07-18 Infinity Pharmaceuticals, Inc. Trisubstituted bicyclic heterocyclic compounds with kinase activities and uses thereof
WO2017048702A1 (en) 2015-09-14 2017-03-23 Infinity Pharmaceuticals, Inc. Solid forms of isoquinolinone derivatives, process of making, compositions comprising, and methods of using the same
WO2017161116A1 (en) 2016-03-17 2017-09-21 Infinity Pharmaceuticals, Inc. Isotopologues of isoquinolinone and quinazolinone compounds and uses thereof as pi3k kinase inhibitors
WO2017214269A1 (en) 2016-06-08 2017-12-14 Infinity Pharmaceuticals, Inc. Heterocyclic compounds and uses thereof
CN109640999A (zh) 2016-06-24 2019-04-16 无限药品股份有限公司 组合疗法
WO2022076932A1 (en) * 2020-10-09 2022-04-14 Virginia Tech Intellectual Properties, Inc. Compositions and methods of treating a pi3k mediated disease

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3992788A (en) * 1975-07-14 1976-11-23 Orien William P Insole and outsole construction for athletic (tennis) shoes, and the like
US4603698A (en) * 1984-05-09 1986-08-05 Jaime Guttmann Cherniak System of podiatric appliances independently adjustably securable on inner sole-like base plate
GB8609998D0 (en) * 1986-04-24 1986-05-29 Andrews A C Insoles for footwear
US4841648A (en) * 1988-02-29 1989-06-27 Shaffer David E Personalized insole kit
GB9208135D0 (en) * 1992-04-13 1992-05-27 Ludwig Inst Cancer Res Polypeptides having kinase activity,their preparation and use
GB9611460D0 (en) * 1996-06-01 1996-08-07 Ludwig Inst Cancer Res Novel lipid kinase
KR0173096B1 (ko) * 1996-11-11 1999-01-15 박인식 발 교정용 안창
US5858753A (en) * 1996-11-25 1999-01-12 Icos Corporation Lipid kinase
US6393736B1 (en) * 2000-05-25 2002-05-28 Greer Reed Biomedical, Llc Adjustable brace orthotic and method of treating plantar fasciitis and related foot disorders
US6854199B2 (en) * 2001-09-28 2005-02-15 Joseph Paul Polifroni Layered arch support
US6557273B2 (en) * 2001-09-28 2003-05-06 Joseph Paul Polifroni Layered arch support and method of manufacture
US7124520B2 (en) * 2002-01-18 2006-10-24 Pittsburgh Plastics Manufacturing, Inc. Footwear insoles
JP2004031574A (ja) * 2002-06-25 2004-01-29 Fuji Photo Film Co Ltd プラスチックファイバーを用いた伝送装置
US20040194344A1 (en) * 2003-04-05 2004-10-07 Tadin Anthony G. User-customizable insoles for footwear and method of customizing insoles
US7210250B2 (en) * 2005-06-07 2007-05-01 Gallegos Alvaro Z Multipiece footwear insole
US20070043582A1 (en) * 2005-08-22 2007-02-22 Fila Luxembourg S.A.R.L. Method and system for providing customized footwear to a retail consumer
US7900380B2 (en) * 2005-10-13 2011-03-08 Masterfit Enterprises Inc. User moldable adjustable insert

Also Published As

Publication number Publication date
CA2256483C (en) 2010-06-22
HK1020751A1 (en) 2000-05-19
EP0914448B1 (en) 2006-10-11
US20050064572A1 (en) 2005-03-24
GB9611460D0 (en) 1996-08-07
DK0914448T3 (da) 2007-02-12
US6482623B1 (en) 2002-11-19
CN1220701A (zh) 1999-06-23
CN1260360C (zh) 2006-06-21
DE69736807D1 (en) 2006-11-23
EP0914448A1 (en) 1999-05-12
DE69736807T2 (de) 2007-08-16
AU2970597A (en) 1998-01-05
US7422886B2 (en) 2008-09-09
JP3902663B2 (ja) 2007-04-11
US6849420B2 (en) 2005-02-01
WO1997046688A1 (en) 1997-12-11
CA2256483A1 (en) 1997-12-11
NZ332634A (en) 2000-09-29
ES2274543T3 (es) 2007-05-16
ATE342364T1 (de) 2006-11-15
US20060018893A1 (en) 2006-01-26
AU719354B2 (en) 2000-05-04
US20030099627A1 (en) 2003-05-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000517165A (ja) 新規な脂質キナーゼ
Domin et al. Cloning of a human phosphoinositide 3-kinase with a C2 domain that displays reduced sensitivity to the inhibitor wortmannin
US5858701A (en) DNA encoding an insulin receptor substrate
AU2001263952B2 (en) Tumour suppressor and uses thereof
WO1997021820A2 (en) A novel protein kinase required for ras signal transduction
US20050271668A1 (en) Janus family kinases and identification of immune modulators
JP2001523456A (ja) 転写的に調節されたgタンパク質−共役受容体
Tanaka et al. Interaction of EphB2-tyrosine kinase receptor and its ligand conveys dorsalization signal in Xenopus laevis development
JPH07506969A (ja) レセプタ型チロシンキナーゼ類似の分子
EP1100929B1 (en) Identification and functional characterization of a novel ribosomal s6 protein kinase
US6770467B2 (en) Screening method for ligands with class II P13 kinase modulating activity
WO1996037610A2 (en) Cck-4, a receptor tyrosine kinase, and methods for diagnosis and treatment of cck-4 signal transduction disorders
US6830909B1 (en) Identification and functional characterization of a novel ribosomal S6 protein kinase
US20170145391A1 (en) TRUNCATED VARIANT OF THE MAMMALIAN TARGET FOR RAPAMYCIN (mTOR) PROTEIN
AU664752B2 (en) Receptor-type tyrosine kinase-like molecules
Chu et al. Identification and characterization of DBK, a novel putative serine/threonine protein kinase from human endothelial cells
JP2001503994A (ja) チロシンリン酸化切断溝関連タンパク質(pstpip)
Astoul et al. Evidence That SHIP-1 Contributes to
Marin-Hincapie Biochemical and functional characterization of the Drosophila insulin receptor

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060620

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060914

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070104

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110112

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120112

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees