JP3900884B2 - スクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法 - Google Patents

スクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3900884B2
JP3900884B2 JP2001314848A JP2001314848A JP3900884B2 JP 3900884 B2 JP3900884 B2 JP 3900884B2 JP 2001314848 A JP2001314848 A JP 2001314848A JP 2001314848 A JP2001314848 A JP 2001314848A JP 3900884 B2 JP3900884 B2 JP 3900884B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scratch
layer
concealment layer
scratch concealment
information medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001314848A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003118278A (ja
Inventor
朗 小野
浩司 渥美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2001314848A priority Critical patent/JP3900884B2/ja
Publication of JP2003118278A publication Critical patent/JP2003118278A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3900884B2 publication Critical patent/JP3900884B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Credit Cards Or The Like (AREA)
  • Printing Methods (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抽選券やゲームカード等の如く機密情報データをスクラッチ隠蔽層で隠蔽してあるスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、スクラッチ隠蔽層をコイン等でスクラッチオフ(引っ掻き落とし)して機密情報データを認識できるようにしたスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、インスタント抽選券やゲーム用のカードなどにおいて、「当たり」、「外れ」あるいはそれに該当する絵柄などの機密情報データを隠蔽するために、隠蔽性とスクラッチ性(引っ掻き易さ性)を有するインキ層でその機密情報データを隠蔽し、例えば購入した顧客がその使用に際し、コイン等でスクラッチオフして上記のような機密情報データを視認でるようにしてあるスクラッチ印刷物が知られ、種々の分野で広く利用されている。
【0003】
上記のようなスクラッチ隠蔽層が施された印刷物として、例えば図5の積層断面で表した模式図に示すように、用紙などでなる基材(10)の上に絵柄、文字、数字などの機密情報データ(12)が印刷されていて、その機密情報データ(12)を覆うように透明な剥離ニスなどでなる易剥離層(14)が形成され、その易剥離層(14)の上にスクラッチ隠蔽層(20)が施されているものであり、このスクラッチ印刷物を購入した顧客がコインや爪等でスクラッチ隠蔽層(20)をスクラッチオフ(引っ掻き落とすこと)して、「当たり」、「外れ」など、あるいはそれに該当する絵柄などの機密情報データ(12)を目視で認識できるようになっている。
【0004】
しかしながら、例えば基材(10)が比較的薄い用紙の場合などでは、この印刷物に強い光を当てて、その反対面から透かして見ると、機密情報データ(12)の陰影が透けて見えて機密情報データとならず、セキュリティに欠けるという問題点があった。
【0005】
この問題を解決する方法として、例えば図6の模式的積層断面図に示すように、基材(10)の裏面にグレー系のインキによる印刷等で透かし防止層(24)を設けたり、あるいはスクラッチ隠蔽層(20)を2度刷り等で厚くするなどの方法で補っていた。あるいは基材(10)が高価になったり、印刷やその加工等がし難い(生産効率が悪くなる)ことを承知のうえで厚い紙を使用してこの透けて見える問題を解決していた。
【0006】
このように強い光を当てても機密情報データ(12)の陰影が透けて見えないようにするための上記いずれの対策においても、基材(10)、インキ等の材料や印刷等の工程が増えるという問題、いわゆる製造コストが嵩むという問題点があった。
【0007】
また、最表面のスクラッチ隠蔽層(20)は、機密情報データ(12)を隠蔽する役目であるため、シルバーあるいはグレイ系統の不透明な全ベタ(印刷用語で、印刷面に濃淡の差や白く抜けた部分がなく、印刷インキで完全に覆われている部分)で、厚さ4〜10μm程度に形成し、その形成にスクリーン印刷法が用いられるのが一般的で、そのインキとして、例えばアルミニウム粉15〜25重量部、アルミナ白等体質顔料を含めた着色顔料15〜25重量部、凝集破壊(団塊)性のあるSBR、NBR等合成ゴム系樹脂15〜25重量部、さらにこれらにトルエンやキシレン、メチルイソブチルケトン等芳香族炭化水素系溶剤35〜45重量部と消泡剤等助剤5〜15重量部を加えてスクリーン印刷用インキとするものである。このように厚さが4〜10μm程度と厚く、かつ遅乾性のスクリーン用のスクラッチインキでは、生産性に劣り、特に他の画像等をを印刷するオフセット印刷機でのインライン加工としては不適なもので、別ラインで形成せざるを得なかった。
【0008】
さらにまた、易剥離層(14)は、例えばポリウレタンアクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂に添加剤としてシリコンやワックス(ポリエチレンワックス等)を5重量%以下添加したインキを用いてスクリーン印刷法、グラビア印刷法あるいはアニロックスローラを介して印刷するフレキソ印刷法等で印刷されて得られているが、上記スクラッチ隠蔽層(20)の場合と同様に乾燥性の面から生産性に劣り、特にオフセット印刷機でのインライン加工、願わくはオフセット印刷機の1ユニットを使用して生産性を上げたいという要望を満たすことは困難なものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の問題点と要望点を解決するものであり、その課題とするところは、強い光を与えてもその反対面からは機密情報データの陰影が視認し得なく、セキュリティ面に優れるスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法で、従来のように透かし防止層を施したり、スクラッチ隠蔽層を2度刷りなどをしたり、あるいは高価で印刷や加工等がし難い厚い紙を用いたりして製造コストが嵩むという問題点がなく、さらにまた最表面のスクラッチ隠蔽層と易剥離層の形成をオフセット印刷機でのインライン加工を容易にするスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、基材上の機密情報データをスクラッチ隠蔽層で隠蔽するスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法であって、前記基材上に画線部と非画線部でなる易剥離層を形成し、該画線部上と非画線部に相当する基材上にスクラッチ隠蔽層を施し、スクラッチオフで掻き落とされない前記基材上のスクラッチ隠蔽層を機密情報データとし、前記スクラッチ隠蔽層の形成は、少なくともスチレンアクリル系樹脂および/またはウレタン系樹脂を、隠蔽性とスクラッチ性を付与するためのアルミニウムペーストと着色顔料のバインダーとし、これらを水と低級アルコールに分散させた印刷インキを用いて、グラビア印刷方式、樹脂凸版の凸部のインキを転移するロールコート方式もしくはアニロックスロールを介して印刷するフレキソ印刷方式で成されることを特徴とするスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法としたものである。
【0011】
上記請求項1の発明によれば、前記機密情報データを、易剥離層の非画線部に相当する基材上に形成し、最表面のスクラッチ隠蔽層と一体としたので、この機密情報データの部分は、強い光を与えて反対面から透かしてみても、機密情報データとして視認し難いものとなり、かつ隠蔽のためのスクラッチ隠蔽層を従来ほど厚くする必要がなく、その結果として従来の裏面への透かし防止層の形成やスクラッチ隠蔽層の2度刷り等でなるスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法に比べ、コストの低減となる。さらに、前記スクラッチ隠層の形成を、少なくともスチレンアクリル系樹脂および/またはウレタン系樹脂を、隠蔽性とスクラッチ性を付与するためのアルミニウムペーストと着色顔料のバインダーとし、これらを水と低級アルコールに分散させた印刷インキを用いて、グラビア印刷方式、樹脂凸版の凸部のインキを転移するロールコート方式もしくはアニロックスロールを介して印刷するフレキソ印刷方式で得られることによって、比較的薄く、乾燥の速いスクラッチ隠蔽層とするので、オフセット印刷機でのインライン化を可能にするスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法である。
【0014】
また、従来のSBR、NBR等合成ゴム系樹脂をバインダーとした遅乾性のスクラッチインキを上記発明のスクラッチ隠蔽層付情報媒体を構成するスクラッチ隠蔽層として使用すると、例えば図7(a)の平面図およびそのB−B面断面を表した図7(b)の左半分の模式図に示すように、易剥離層(14)の非画線部(14b)上のスクラッチ印刷インキは、乾燥が遅いため乾燥前にレベリングして沈み、易剥離層(14)とその非画線部(14b)との境界が段差(20b)となって現れ、それが機密情報データ(12)として認識されるようになるのでセキュリティ面から好ましくないものとなり、さらに図7(a)および図7(b)の右半分に示すように、コイン等でこのスクラッチ隠蔽層(20)をスクラッチオフすると、易剥離層(14)の非画線部(14b)での基材(10)上のスクラッチ隠蔽層(20a)が密着性(接着性)に欠けるのでこの部分が掻き落とされ易くなり(図面ではその一部が掻き落とされている)、機密情報データ(12)として認識できなくなり、機密情報データ(12)の正確さに欠けるようになるので好ましくないものとなる。
【0015】
以上のように上記密着(接着性)と速乾性のあるスクラッチ印刷インキを用いて印刷するスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法とすることによって、オフセット印刷機でのインライン化を可能にし、かつセキュリティ面に優れ、スクラッチオフで正確な機密情報データが得られるものとなる。
【0016】
さらにまた、請求項の発明では、前記易剥離層の形成は、オフセットインキのビヒクルに滑剤を添加した剥離ニスを用いて、オフセット印刷方式で成されることを特徴とする請求項1記載のスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法としたものである。
【0017】
上記請求項の発明によれば、易剥離層の形成を、オフセット用の剥離ニスで行うことによって、他の情報を印刷するオフセット印刷機でのインライン加工、さらにはオフセット印刷機の1ユニットを使用して生産性を上げることを可能にするスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法とすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を用いながら説明する。
本発明は、図1(a)の積層断面で表した模式図に示すように、機密情報データ(12)をスクラッチ隠蔽層(20)で隠蔽してあるスクラッチ隠蔽層付情報媒体(1)の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、例えば図1(b)の平面図および図1(c)の側断面図(図1(b)のB−B面断面図)に示すように、このスクラッチ隠蔽層付情報媒体(1)を購入した顧客がコイン等でこのスクラッチ隠蔽層(20)をスクラッチオフ(掻き落とし)して機密情報データ(12)を認識するようになっているスクラッチ隠蔽層付情報媒体(1)の製造方法に関するものである。
【0019】
上記本発明のスクラッチ隠蔽層付情報媒体(1)の製造方法は、まず図1(a)の積層断面模式図に示すように、例えば紙などでなる基材(10)の表面に、非画線部(14b)を有する易剥離層(14)を形成し、その上即ち易剥離層(14)の上とその非画線部(14b)に相当する基材(10)の上にスクラッチ隠蔽層(20)を形成せしめる方法である。
【0020】
また、本発明では、上記図1(a)に示すスクラッチ隠蔽層(20)の形成に、スチレンアクリル系樹脂および/またはウレタン系樹脂をバインダーとするスクラッチ印刷インキを用いて、例えば図2の側面概略図に示すように、インキパン(30)中のスクラッチ印刷インキ(50)をファンテンローラ(31)を介して版胴(32)に巻着された樹脂凸版の凸部(40)に転移し、さらにこの樹脂凸版の凸部(40)に転移されたスクラッチ印刷インキを、版胴(32)と圧胴(33)の間を走行する紙などでなる基材(10)に転写するロールコーター(100)を用いてスクラッチ隠蔽層付情報媒体とするその製造方法とするものである。この樹脂凸版の凸部(40)表面に、線密度300線/インチで、網点面積20%程度のセルを刻設してこのスクラッチ印刷インキを多く転写させスクラッチ隠蔽層(20)の厚さを調整(厚く)することもできる。
【0021】
上記スクラッチ隠蔽層(20)の形成に、グラビア印刷方式あるいは図4の側面概略図に示すように、例えばチャンバー(35)内のスクラッチ印刷インキ(50)がアニロックスロール(34)を介して版胴(32)に巻着されているフレキソ版(42)に転移され、さらに走行する基材(10)に転写されるようになっているチャンバードクター方式フレキソ印刷機(200)による方法とすることもできる。
【0022】
さらにまた、本発明では、上記図1(a)に示す易剥離層(14)の形成に、例えば紫外線硬化型オフセットインキのビヒクルにシリコンを数%添加した剥離ニスを用いて、図3の側面概略図に示すように、例えば5つのユニット(51、52、53、54、55)でなるオフセット枚葉5色印刷機(300)の第5ユニット(55)で易剥離層を形成し、次の紫外線照射装置(56)で乾燥、硬化せしめるスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法とするものである。
【0023】
以上のようにスクラッチ隠蔽層(20)と易剥離層(14)の形成材料と形成方法によれば、図3に示すように、例えばオフセット枚葉5色印刷機(300)の第1ユニット(51)から第4ユニット(54)までで基材(10)上に4色の絵柄や文字等が印刷され、第5ユニット(55)で易剥離層を形成し、次の紫外線照射装置(56)でこれを乾燥、硬化させ、続いてこの易剥離層とこの非画線部にロールコーター(100)でスクラッチ隠蔽層を形成し、これを熱風乾燥装置(110)で乾燥させてスクラッチ隠蔽層付情報媒体とするもので、オフセット印刷機でのインライン加工を可能にしたスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法とすることができる。
【0024】
以上のようにして得られたスクラッチ隠蔽層付情報媒体(1)を、例えば購入した顧客が、その使用に際し、図1(b)およびこのB−B断面を表す図1(c)の断面図に示すように、例えばその右半分をコインでスクラッチオフすると、易剥離層(14)上のスクラッチ隠蔽層(20)が掻き落とされ、非画線部(14b)に相当する基材(10)上のスクラッチ隠蔽層(20a)はしっかり密着しているので掻き落とされずに残って、「O」の字を形成し、この部分が機密情報データ(12)として認識されるようになっているスクラッチ隠蔽層付情報媒体(1)である。
【0025】
上記のように、本発明のスクラッチ隠蔽層付情報媒体(1)の製造方法によれば、図1(b)の左半分に示すように、例えば機密情報データ(12)を、易剥離層(14)の非画線部(14b)に形成し、最表面のスクラッチ隠蔽層(20)と一体となっているスクラッチ隠蔽層のパターン(Tの字)としたので、このパターン(Tの字)の部分は、薄い基材の場合でも強い光を与えて透かしてみても、機密情報データ(12)として不正に視認し難いものとなり、その結果として従来のスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造に比べ、コスト低減となるものである。
【0026】
以下に本発明のスクラッチ隠蔽層付情報媒体(1)の製造方法に係わる各層の材料等について具体的に説明する。
まず基材(1)としては、例えばインスタント抽選券やゲームカードなどでは、アート紙、コート紙あるいは上質紙などの洋紙やコートボール、コートマニラ、両面カードなどの板紙、あるいは特殊証券用紙などが挙げられ、また有価証券としてのスクラッチカードなどでは、白色PET(ポリエチレンテレフタレート)、白色塩ビ(ポリ塩化ビニル)シートなどが挙げられ、適宜用途等に応じて選定される。
【0027】
また、スクラッチ隠蔽層付情報媒体(1)を構成する易剥離層(14)としては、オフセットインキのビヒクル(印刷インキの着色顔料と添加剤を除いた成分)に滑材(シリコンやポリエチレンワックス等)を5重量%程度添加した剥離ニスが用いられ、さらに具体的には、例えば樹脂として20〜30重量%のロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂等、植物油として10〜20重量%の大豆油、亜麻仁油、桐油等、溶剤として25〜35重量%の鉱物油、ナフテン、パラフィン等でなるオフセット油性枚葉インキのビヒクルに、上記シリコンやポリエチレンワックス等を添加し、さらに添加剤として5〜10重量%のナフテン酸コバルト等でなるドライヤー、酸化抑制剤、裏移り防止剤などで構成されるオフセット油性タイプの剥離ニスが挙げられ、また、上記事例のように、例えば光重合性素材として30〜90重量%のポリオール、ポリエステル、ウレタン、エポキシの各アクリル酸エステル、改質用樹脂として10〜40重量%のケトン樹脂、石油樹脂、アルキッド樹脂等でなる紫外線硬化型オフセット枚葉インキのビヒクルに、上記シリコンやポリエチレンワックス等を添加し、さらに添加剤として5〜10重量%のベンゾフェノン、ベンジル、ジメチルアミンベンゾフェノン等でなる光重合開始剤、さらにハイドロキノン等熱重合禁止剤等添加剤などで構成される紫外線硬化型のオフセット用の剥離ニスが挙げられ、乾燥が速い等の点からこのスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造には好適な易剥離層用のインキ(ニス)である。
【0028】
また、上記スクラッチ隠蔽層付情報媒体(1)を構成するスクラッチ隠蔽層(20)のスクラッチ印刷インキとしては、スチレンアクリル系樹脂および/またはウレタン系樹脂をバインダーとする下記組成のスクラッチ用印刷インキが挙げられ、易剥離層(14)上とその非画線部(14a)即ち基材(10)上に厚さ4〜10μm程度に形成される。
【0029】
上記のスクラッチ印刷インキの組成は、例えば隠蔽性とスクラッチ性を付与するためのアルミニウムペースト(アルミニウム微粉末を脂肪酸等で表面処理し、沸点の高いミネラルスピリットなどでペースト状としたもの)と着色顔料が20〜45重量部、バインダーとしてのポリウレタン系合成樹脂あるいはスチレン/アクリル系共重合樹脂、またはポリウレタン系合成樹脂とスチレン/アクリル系共重合樹脂の混合体25〜50重量部、消泡剤等助剤1〜10重量部を、10〜35重量部の水と5重量部未満のイソプロピルアルコール等低級アルコールに分散させたものが挙げられ、基材(10)への密着性(接着性)を充分に備えたスクラッチ用印刷インキとすることができる。
【0030】
これに対し、従来のスクラッチ用印刷インキの組成は、例えば隠蔽性を付与するためのアルミニウム粉15〜25重量部、アルミナ白等体質顔料を含めた着色顔料15〜25重量部、凝集破壊(団塊)性のあるSBR、NBR等合成ゴム系樹脂15〜25重量部、さらにこれらにトルエンやキシレン、メチルイソブチルケトン等芳香族炭化水素系溶剤35〜45重量部と消泡剤等助剤5〜15重量部を加えてスクリーン印刷用インキやグラビア印刷用インキあるいはフレキソ印刷用インキとし、隠蔽性と凝集破壊性を備えたスクラッチ用印刷インキとするもので、このインキを図1(a)に示すスクラッチ隠蔽層付情報媒体(1)のスクラッチ隠蔽層(20)として用いると、易剥離層(14)の非画線部(14b)である基材(10)面での密着性(接着性)に欠け、例えば図7(a)の正面図およびそのB−B面断面を表す図7(b)の右半分に示すように、コイン等でスクラッチオフすると基材(10)面からスクラッチ隠蔽層(20a)の一部が掻きとられ、一部が欠けた状態の「O」の字となり、機密情報データ(12)として認識できないものとなる危惧のあるものであった。
【0031】
また、上記従来のスクラッチ用印刷インキは、前述の組成のように、溶剤としてトルエンやキシレン等を使用していて、消防法や有機溶剤中毒予防規則(労働安全衛生法)の遵守の面から多くのコスト的負荷があるので、オフセット印刷機でのインライン化としては不適であり、本発明のスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法で使用するスチレンアクリル系樹脂および/またはウレタン系樹脂をバインダーとし、水と少量のイソプロピルアルコールに分散させてエマルジョンとしたスクラッチ用印刷インキは、この消防法や有機則の遵守の面からも好適なものである。
【0032】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、基材上の機密情報データをスクラッチ隠蔽層で隠蔽するスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法において、前記基材上に画線部と非画線部でなる易剥離層を形成し、該画線部上と非画線部に相当する基材上にスクラッチ隠蔽層を施し、スクラッチオフで掻き落とされない前記基材上のスクラッチ隠蔽層を機密情報データとするスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法としたもので、このように、前記機密情報データを、易剥離層の非画線部に相当する基材上に形成し、最表面のスクラッチ隠蔽層と一体としたので、この機密情報データの部分は、強い光を与えて反対面から透かしてみても、機密情報データとして視認し難いものとなり、その結果として従来の裏面への透かし防止層の形成やスクラッチ隠蔽層の2度刷り等でなるスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法に比べ、コストの低減となる効果がある。
【0033】
また、前記スクラッチ隠蔽層の形成を、スチレンアクリル系樹脂および/またはウレタン系樹脂をバインダーとして密着性と速乾性のあるスクラッチ印刷インキを用いて、グラビア印刷方式、樹脂凸版を用いたロールコート方式もしくはフレキソ印刷方式で得ることによって、比較的薄く、乾燥の速いスクラッチ隠蔽層とするので、オフセット印刷機でのインライン化を可能にするスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法とすることができる。
【0034】
さらにまた、前記易剥離層の形成を、オフセット用の剥離ニスで行うことによって、他の情報を印刷するオフセット印刷機でのインライン加工、さらにはオフセット印刷機の1ユニットを使用して生産性を上げることを可能にするスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法とすることができる。
【0035】
従って本発明は、抽選券やゲームカード等の如く機密情報データをスクラッチ隠蔽層で隠蔽してあるスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法であって、特に、セキュリティ面と生産性の向上の面で有効なスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法として、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法の一実施の形態を説明するもので、
(a)は、その製造方法で得られるスクラッチ隠蔽層付情報媒体の積層断面で表した模式図であり、
(b)は、その右半分がスクラッチオフされた平面図であり、
(c)は、(b)のB−B面断面図である。
【図2】本発明のスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法のうちのスクラッチ隠蔽層の形成の一事例を側面で表した説明図である。
【図3】本発明のスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法の一事例を側面で表した概略図である。
【図4】本発明のスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法のうちのスクラッチ隠蔽層の形成の他の一事例を側面で表した説明図である。
【図5】従来のスクラッチ隠蔽層付情報媒体の一事例の形態を側断面で表した説明図である。
【図6】従来のスクラッチ隠蔽層付情報媒体の他の一事例の形態を側断面で表した説明図である。
【図7】本発明に係わるスクラッチ隠蔽層付情報媒体に従来のスクラッチ隠蔽層を用いた場合の一事例を説明するもので、
(a)は、その右半分がスクラッチオフされた平面図であり、
(b)は、(a)のB−B面の断面図である。
【符号の説明】
1‥‥スクラッチ隠蔽層付情報媒体
10‥‥基材
12‥‥機密情報データ
14‥‥易剥離層
14b‥‥易剥離層の非画線部
20‥‥万線状のスクラッチ隠蔽層
20a‥‥易剥離層の非画線部に入り込んだスクラッチ隠蔽層
20b‥‥スクラッチ隠蔽層の段差
24‥‥透かし防止層
30‥‥インキパン
31‥‥ファンテンローラ
32‥‥版胴
33‥‥圧胴
35‥‥チャンバー
36‥‥ドクター
40‥‥樹脂凸版の凸部
42‥‥フレキソ版
50‥‥スクラッチ用印刷インキ
51‥‥第1ユニット
52‥‥第2ユニット
53‥‥第3ユニット
54‥‥第4ユニット
55‥‥第5ユニット
56‥‥紫外線照射装置
100‥‥ロールコーター
110‥‥熱風乾燥装置
200‥‥チャンバードクター方式フレキソ印刷機
300‥‥オフセット枚葉5色印刷機

Claims (2)

  1. 基材上の機密情報データをスクラッチ隠蔽層で隠蔽するスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法であって、前記基材上に画線部と非画線部でなる易剥離層を形成し、該画線部上と非画線部に相当する基材上にスクラッチ隠蔽層を施し、スクラッチオフで掻き落とされない前記基材上のスクラッチ隠蔽層を機密情報データとし、前記スクラッチ隠蔽層の形成は、少なくともスチレンアクリル系樹脂および/またはウレタン系樹脂を、隠蔽性とスクラッチ性を付与するためのアルミニウムペーストと着色顔料のバインダーとし、これらを水と低級アルコールに分散させた印刷インキを用いて、グラビア印刷方式、樹脂凸版の凸部のインキを転移するロールコート方式もしくはアニロックスロールを介して印刷するフレキソ印刷方式で成されることを特徴とするスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法。
  2. 前記易剥離層の形成は、オフセットインキのビヒクルに滑材を添加した剥離ニスを用いて、オフセット印刷方式で成されことを特徴とする請求項1記載のスクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法。
JP2001314848A 2001-10-12 2001-10-12 スクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法 Expired - Fee Related JP3900884B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001314848A JP3900884B2 (ja) 2001-10-12 2001-10-12 スクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001314848A JP3900884B2 (ja) 2001-10-12 2001-10-12 スクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003118278A JP2003118278A (ja) 2003-04-23
JP3900884B2 true JP3900884B2 (ja) 2007-04-04

Family

ID=19133098

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001314848A Expired - Fee Related JP3900884B2 (ja) 2001-10-12 2001-10-12 スクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3900884B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003118278A (ja) 2003-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20070164559A1 (en) Instant lottery ticket and method
RU2008143348A (ru) Способ изготовления защищенных от подделки бумаг, печатная машина металлографской печати для осуществления упомянутого способа и защищенная от подделки бумага, изготавливаемая согласно упомянутому способу
US20110111118A1 (en) Process for the screened application of fluids to substrates
JP3900884B2 (ja) スクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法
US5656331A (en) Printed substrate having a metallic finish and method for producing same
JP3931743B2 (ja) スクラッチ印刷物
JP5487838B2 (ja) ダブルインスタントくじおよびその製造方法
JP3900879B2 (ja) スクラッチ隠蔽層付情報媒体
JP4250888B2 (ja) スクラッチ隠蔽層付印刷物
JP6372051B2 (ja) スクラッチ印刷物、及び、スクラッチ印刷方法
JP4140223B2 (ja) スクラッチ隠蔽層付情報媒体
JP3941412B2 (ja) スクラッチ隠蔽層付情報媒体
JP2003145967A (ja) スクラッチ隠蔽層付印刷物
JP2003266980A (ja) 剥離性隠蔽層付印刷物
JP2003191671A (ja) スクラッチ隠蔽層付情報媒体
WO1997043126A1 (en) Improved process for the production of scratch-off cards
JP3952812B2 (ja) 剥離性隠蔽層付印刷物
JP3617720B2 (ja) 偽造防止及びデザイン効果を有したスクラッチシート
JP2003145969A (ja) スクラッチ隠蔽層付印刷物
JP2004034384A (ja) 特殊印刷物
JP2003191672A (ja) スクラッチ隠蔽層付情報媒体
JP3900828B2 (ja) スクラッチ隠蔽層付情報媒体
JP3952674B2 (ja) 情報隠蔽印刷物
JP4826328B2 (ja) スクラッチ隠蔽層付可変情報印刷物
JP2003145968A (ja) スクラッチ隠蔽層付印刷物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040916

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060801

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060928

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100112

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110112

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120112

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130112

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130112

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140112

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees