JP2003191672A - スクラッチ隠蔽層付情報媒体 - Google Patents

スクラッチ隠蔽層付情報媒体

Info

Publication number
JP2003191672A
JP2003191672A JP2001398434A JP2001398434A JP2003191672A JP 2003191672 A JP2003191672 A JP 2003191672A JP 2001398434 A JP2001398434 A JP 2001398434A JP 2001398434 A JP2001398434 A JP 2001398434A JP 2003191672 A JP2003191672 A JP 2003191672A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
scratch
information data
information medium
scratching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001398434A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Ono
朗 小野
Koji Atsumi
浩司 渥美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2001398434A priority Critical patent/JP2003191672A/ja
Publication of JP2003191672A publication Critical patent/JP2003191672A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Credit Cards Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】反対面(裏面)からは機密情報データの陰影が
視認できないスクラッチ隠蔽層付情報媒体で、製造コス
トが嵩まず、最表面のスクラッチ隠蔽層の画像にシャー
プ性があり、スクラッチ隠蔽層の形成にオフセット印刷
機でのインライン加工が可能で、デザインに自由度があ
り、スクラッチ隠蔽層付情報媒体を提供することが望ま
れていた。 【解決手段】基材上に順に、裏面隠蔽層、機密情報デー
タの画像でなる非剥離層と非剥離層を非画像部とする易
剥離層が相補的に形成された情報層、スクラッチ隠蔽層
からなることを特徴とするスクラッチ隠蔽層付情報媒体
を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抽選券やゲームカ
ード等の如く機密情報データをスクラッチ隠蔽層で隠蔽
してあるスクラッチ隠蔽層付情報媒体に関するものであ
り、さらに詳しくは、スクラッチ隠蔽層をコイン等でス
クラッチオフ(引っ掻き落とし)して機密情報データを
認識するスクラッチ隠蔽層付情報媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、インスタント抽選券やゲ
ーム用のカードなどにおいて、「当たり」、「外れ」あ
るいはそれに該当する絵柄などでなる機密情報データを
隠蔽するために、隠蔽性とスクラッチ性(引っ掻き易さ
性)を有し、凝集破壊性のあるゴム系のインキによりそ
の機密情報データを隠蔽し、購入した顧客がその使用に
際し、コイン等でスクラッチオフして機密情報データを
視認するスクラッチ印刷物が知られ、種々の分野で利用
されている。
【0003】上記のスクラッチ隠蔽層が施された印刷物
として、例えば図6の積層断面で表した模式図に示すよ
うに、用紙などでなる基材(10)の上に絵柄、文字、
数字などの機密情報データ(12)が印刷されていて、
その機密情報データ(12)を覆うように透明な剥離ニ
スなどによる易剥離層(14)が形成され、その易剥離
層(14)の上にスクラッチ隠蔽層(20)が施されて
いるものである。
【0004】このスクラッチ印刷物を購入した顧客がコ
インや爪等でスクラッチ隠蔽層(20)をスクラッチオ
フ(引っ掻き落とすこと)して、「当たり」、「外れ」
など、あるいはそれに該当する絵柄などの機密情報デー
タ(12)を目視で認識できるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
基材(10)が比較的薄い用紙の場合などでは、この印
刷物に強い光を当てて、その反対面から透かして見る
と、機密情報データ(12)の陰影が透けて見えて機密
情報データとならず、セキュリティに欠けるという問題
点があった。
【0006】この問題を解決する方法として、例えば図
7の積層断面で表した模式図に示すように、基材(1
0)の裏面にグレー系のインキによる印刷等で透かし防
止層(24)を設ける方法があるが、裏面の情報量が限
られることと、デザイン的にも見栄えがせず自由度がな
い等の問題がある。
【0007】また、スクラッチ隠蔽層(20)を2度刷
り等で厚くするなどの方法で補ったり、あるいは基材
(10)が高価で、印刷やその加工等がし難い(生産効
率が悪くなる)ことを承知のうえで厚い紙を使用してこ
の透けて見える問題を解決していた。
【0008】このように強い光を当てても機密情報デー
タ(12)の陰影が透けて見えないようにするための上
記いずれの対策においても、基材(10)、インキ等の
材料や印刷等の工程が増えるという問題、いわゆる製造
コストが嵩むという問題点があった。
【0009】また、最表面のスクラッチ隠蔽層(20)
は、機密情報データ(12)を隠蔽する役目であるた
め、シルバーあるいはグレイ系統の不透明な全ベタ(印
刷用語で、印刷面に濃淡の差や白く抜けた部分がなく、
印刷インキで完全に覆われている部分)で形成せざるを
えないものである。
【0010】従って、このスクラッチ隠蔽層(20)の
デザインに対する自由度がなく、かつデザイン的には見
栄えがしないという問題点のあるスクラッチ印刷物であ
った。
【0011】さらにまた、最表面のスクラッチ隠蔽層
(20)の形成に、厚さ4〜10μm程度に形成するス
クリーン印刷法が用いられるのが一般的で、そのインキ
として、例えばアルミニウム粉15〜25重量部、アル
ミナ白等体質顔料を含めた着色顔料15〜25重量部、
凝集破壊(団塊)性のあるSBR、NBR等合成ゴム系
樹脂15〜25重量部、さらにこれらにトルエンやキシ
レン、メチルイソブチルケトン等芳香族炭化水素系溶剤
35〜45重量部と消泡剤等助剤5〜15重量部を加え
てスクリーン印刷用インキとするものである。
【0012】このように凝集破壊(団塊)性のあるゴム
系の(ばさばさした)インキで厚さが4〜10μm程度
と厚くするため、画像にシャープ性がなく、かつ遅乾性
のスクリーン用のスクラッチインキでは、ラインスピー
ドが遅いのでスクラッチ隠蔽層(20)の印刷後、乾燥
までの間にインキのレベリングが進み、機密情報データ
(12)の凹凸がスクラッチ隠蔽層(20)の表面に現
れるので、機密とはならないという問題があった。
【0013】さらに遅乾性なので生産性に劣り、特に他
の画像などを印刷するオフセット印刷機でのインライン
加工としては不適なもので、別ラインで形成せざるを得
なかった。
【0014】本願発明は、かかる従来技術の問題点を解
決するものであり、その課題とするところは、強い光を
与えてもその表面はもちろんの事、反対面(裏面)から
は機密情報データの陰影が視認できないスクラッチ隠蔽
層付情報媒体で、従来の様に透かし防止層を施して裏面
のデザインに自由度が無くなったり、見栄えがしないと
いう問題がなく、スクラッチ隠蔽層を2度刷りしたり、
あるいは高価で印刷や加工等がし難い厚い紙を用いたり
して製造コストが嵩むという問題点がなく、さらにまた
最表面のスクラッチ隠蔽層の画像にシャープ性があり、
かつそのスクラッチ隠蔽層の形成にオフセット印刷機で
のインライン加工を可能にし、デザインに自由度があ
り、かつ見栄えのするスクラッチ隠蔽層で構成されると
いうスクラッチ隠蔽層付情報媒体を提供することにあ
る。
【0015】但し、一部の効果が材質等の関係上望めな
い構成においても、その他の効果が望める構成であり、
その効果により従来の構成と比べて効果を発揮するもの
であれば、本願発明を適用できることは当然である。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に於いて上記課題
を達成するために、まず請求項1の発明では、基材上に
順に、裏面隠蔽層、機密情報データの画像の相補画像を
なす非画像部を形成する易剥離層、表面が平滑なスクラ
ッチ隠蔽層からなることを特徴とするスクラッチ隠蔽層
付情報媒体としたものである。
【0017】上記請求項1の発明によれば、スクラッチ
オフで掻き落とされないで残っている易剥離層の非画線
部に付着しているスクラッチ隠蔽層そのものが機密情報
データとし、この部分とスクラッチオフされる部分のス
クラッチ隠蔽層が一体となっているので、スクラッチ前
は、強い光を与えて透かして見ても、機密情報データと
して視認し難いセキュリティ面で信頼性のあるもので、
従来のように裏面に透かし防止層を施したり、厚い紙等
を必要とせず、裏面へのデザインに自由度を与え、かつ
コストが嵩まないスクラッチ隠蔽層付情報媒体とするこ
とができる。
【0018】この易剥離層とスクラッチ隠蔽層の彩色に
若干の違い、例えば一方が黄色で一方が無色である場合
であっても、裏面からは裏面隠蔽層を通して視認するこ
ととなり、透視が困難である。
【0019】また、例え透視が困難であるとしても、易
剥離層とスクラッチ隠蔽層の材質の違いにより基材へ直
接形成した場合には、その基材への染み込みの度合いの
違いが生じる場合があり、これにより間接的に視認され
る場合が考えられるが、本願発明では裏面隠蔽層の存在
により基材への染み込みが発生しなくなり、染み込みの
度合いの違いがあっても視認されることがなくなったも
のである。
【0020】また、その結果として従来のスクラッチ隠
蔽層付情報媒体のように基材の裏面に透かし防止層を施
す必要がないので、裏面のデザインに自由度が増し、ま
たスクラッチ隠蔽層の2度刷りや厚紙を必要としないの
で製造コストの低減ともなる。
【0021】さらに、スクラッチ隠蔽層が基材上に直接
形成されていないために、基材の凹凸が直接スルラッチ
の品質に影響を与えるのを防止する効果がある。これ
は、特に基材がマット系用紙の様に表面が平滑でない場
合に特に効果が高い。
【0022】加えて、この様な基材の凹凸がスクラッチ
隠蔽層表面の形状に影響を与える場合があり、この様な
基材の凹凸に基づくスクラッチ隠蔽層表面の凹凸により
機密情報データを認識される現象を防止することも可能
になる。
【0023】また、請求項2の発明では、スクラッチ隠
蔽層がベタパターンもしくは機密情報データと無関係な
パターンであることを特徴とする請求項1記載のスクラ
ッチ隠蔽層付情報媒体としたものである。
【0024】上記請求項2の発明によれば、スクラッチ
隠蔽層をベタパターンとした場合は、易剥離層上のスク
ラッチ隠蔽層が機密情報データとして視認される構成な
ので、スクラッチ隠蔽層を従来のように厚く盛って、か
つ隠蔽性を高くする必要がないので、スクラッチ隠蔽層
を形成するインキも印刷適性を悪くするアルミニウム粉
等を多くせずに有色のインキでよく、この印刷方法もス
クリーン印刷のほか、生産効率のよいグラビア方式、樹
脂凸版を用いたロールコート方式あるいはフレキソ方式
などが適用できるようになる。
【0025】また、スクラッチ隠蔽層を機密情報データ
と無関係なパターンとした場合、例えば規則的な万線や
網点等あるいは不規則的な地紋、細紋、さらには線画絵
柄等でなる線画紋様で形成することによって、最表面の
スクラッチ隠蔽層のデザインに自由度を与え、デザイン
的に見栄えのするスクラッチ隠蔽層付情報媒体を提供で
きる。
【0026】また、請求項3の発明では裏面隠蔽層がベ
タパターンであることを特徴とする請求項1または2記
載のスクラッチ隠蔽層付情報媒体としたものである。
【0027】上記請求項3の発明によれば、裏面隠蔽層
をベタパターンとした場合は、易剥離層上のスクラッチ
隠蔽層が機密情報データとして視認される構成なので、
裏面隠蔽層を厚く盛って、かつ隠蔽性を高くする必要が
ないので、裏面隠蔽層を形成するインキも印刷適性を悪
くするアルミニウム粉等を多くせずに有色のインキでよ
く、この印刷方法もスクリーン印刷のほか、生産効率の
よいグラビア方式、樹脂凸版を用いたロールコート方式
あるいはフレキソ方式などが適用できるようになる。
【0028】また、スクラッチオフ前は、裏面から強い
光を与えて透かしてみても、裏面隠蔽層により機密情報
データとして視認し難いスクラッチ隠蔽層付情報媒体と
なり、その結果として従来のスクラッチ隠蔽層付情報媒
体のように基材の裏面側に透かし防止層を施す必要がな
く、基材のスクラッチ隠蔽層側に裏面隠蔽層を設けるの
で十分なので、裏面のデザインに自由度が増す。
【0029】また、このため裏面隠蔽層も従来のように
厚く盛って、かつ隠蔽性を高くする必要がないので、ス
クラッチ隠蔽層を形成するインキも印刷適性を悪くする
アルミニウム粉等を多くせずに有色のインキでよく、こ
の印刷方法もスクリーン印刷のほか、生産効率のよいグ
ラビア方式、樹脂凸版を用いたロールコート方式あるい
はフレキソ方式などが適用できるようになる。
【0030】また、請求項4の発明では、前記スクラッ
チ隠蔽層は、スチレンアクリル系樹脂および/またはウ
レタン系樹脂をバインダーとするスクラッチ用印刷イン
キでなることを特徴とする請求項1、2または3記載の
スクラッチ隠蔽層付情報媒体としたものである。
【0031】上記請求項4の発明によれば、スクラッチ
隠蔽層を、スチレンアクリル系樹脂および/またはウレ
タン系樹脂をバインダーとした密着性に優れる印刷イン
キで形成することによって、このスクラッチ隠蔽層に対
する易剥離層とスクラッチ隠蔽層に対する裏面隠蔽層と
の密着性に大差をもたせられ、その結果として使用に際
しスクラッチオフすると、易剥離層では容易にスクラッ
チオフされる。
【0032】他方、その画像部上ではスクラッチオフさ
れずに残り、この残った部分が機密情報データとして認
識されるようになる。
【0033】しかも、かつこのスクラッチ隠蔽層用の印
刷インキは、従来のSBR、NBR等合成ゴム系樹脂を
バインダーとした遅乾性のインキに比べ、速乾性なので
規則的もしくは不規則的線画紋様、例えば万線、網点、
細紋あるいは線画絵柄等がレベリングして流れたりせ
ず、よってシャープ性等に優れている。
【0034】このため、最表面のスクラッチ隠蔽層のデ
ザインに見栄えのするスクラッチ隠蔽層付情報媒体を提
供できるものである。
【0035】さらには、このスクラッチ隠蔽層用インキ
は、速乾性なのでレベリングせずに皮膜となり、易剥離
層の境界の段差が表面で秘密情報データとして視認され
ることがなく、かつオフセット印刷機でのインライン化
を可能にするスクラッチ隠蔽層付情報媒体とすることが
できる。
【0036】上記請求項1でいう全面ベタとは、印刷用
語で、印刷面に濃淡の差や白く抜けた部分がなく、印刷
インキで完全に覆われている部分をいう。
【0037】また、相補的とは、ある領域が複数のパタ
ーンからなり、パターンが重複する部分領域がなく、か
つ、どのパターンもない部分領域が存在しない場合、そ
の複数のパターンは互いに相補的という。
【0038】さらに、請求項1で示した情報媒体に印刷
物が含まれることは当然であるが、本情報媒体はいわゆ
る印刷物以外でも、カード、シート、各種切符等の有価
証券等でも構わないものである。
【0039】
【発明の実施の形態】以下隠蔽層付情報媒体が隠蔽層付
印刷物である本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に
説明する。
【0040】本発明のスクラッチ隠蔽層付情報媒体は、
図1(a)の側断面図に示すように、例えば基材(1
0)上に順に、裏面隠蔽層(22)、非画像部(16)
および易剥離層(14)上部に連続して形成されたスク
ラッチ隠蔽層(20)からなるスクラッチ隠蔽層付印刷
物(1)である。
【0041】非画像部(16)と易剥離層(14)が相
補的パターンであるので、非画像部(16)と易剥離層
(14)がともに存在する部分領域や、どちらかが存在
しない部分領域はない。
【0042】そこで本発明では、図1(b)の平面図お
よびそのB−B面断面を表す図1(c)の側断面図に示
すように、例えばこのスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)
のスクラッチ隠蔽層(20)をコイン等でスクラッチオ
フ(掻き落とす)すると、易剥離層(14)上のスクラ
ッチ隠蔽層(20)は剥離されて図1(b)および
(c)の右半分に示すようなスクラッチオフで掻き落と
されずに非画線部(16)上に付着して残ったスクラッ
チ隠蔽層(20)が、「O」の字を形成しこの「O」の
字が機密情報データ(12)となるようにしたスクラッ
チ隠蔽層付情報媒体(1)である。
【0043】このように、スクラッチオフで掻き落とさ
れないで残っているスクラッチ隠蔽層(20)そのもの
が機密情報データ(12)となり、この部分とスクラッ
チオフされる部分のスクラッチ隠蔽層(20)が一体と
なっているので、スクラッチオフ前は、強い光を与えて
透かして見ても、機密情報データ(12)として視認し
難いセキュリティ面で信頼性のあるスクラッチ隠蔽層付
情報媒体(1)とすることができ、裏面へのデザインに
自由度を与えることができる。
【0044】また、機密情報データ(12)であるスク
ラッチ隠蔽層(20)とすることによって、例えば図4
の模式図に示すように、大きな面積の非画線部(16)
では、易剥離層(14)の段差(14a)がスクラッチ
隠蔽層(20)の表面で陰影となって現れ、セキュリテ
ィ面で不具合が生ずるという問題を解決することのでき
るスクラッチ隠蔽層付情報媒体である。
【0045】上記事例では機密情報データ(12)とな
る易剥離層の非画線部をベタのスクラッチ隠蔽層(2
0)としたが、図2の様に網点状の規則的な線画紋様
(20a)や、この他に例えば、図3に示すように、万
線状のスクラッチ隠蔽層(20b)とすることもでき、
さらに格子状、斜め格子状などが挙げられる。
【0046】また不規則的な線画紋様としては、例えば
地紋、細紋、あるいは図4に示すように、迷彩パターン
(20c)とすることもでき、さらには画線でなる絵
柄、粗い(60線/インチ以下の)網点でなる絵柄など
が挙げられ、これら線画紋様によってデザイン的により
見栄えのするスクラッチ隠蔽層(20)として適宜選定
することができる。
【0047】上記易剥離層(14)としては、スクラッ
チ隠蔽層(20)がスクラッチオフされ易いインキでな
り、例えばポリウレタンアクリル樹脂、ポリアミド樹
脂、ニトロセルロース樹脂に添加剤としてシリコンやワ
ックス(ポリエチレンワックス等)を5重量%以下添加
したインキをスクリーン印刷法、グラビア印刷法あるい
はアニロックスローラを介して印刷するフレキソ印刷法
等で印刷されて得られる。
【0048】さらに、例えばオフセットインキのビヒク
ル(印刷インキの着色顔料と添加剤を除いた成分)に滑
材(シリコンやポリエチレンワックス等)を5重量%程
度添加した剥離ニスが用いられる。
【0049】具体的には、例えば樹脂として20〜30
重量%のロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂
等、植物油として10〜20重量%の大豆油、亜麻仁
油、桐油等、溶剤として25〜35重量%の鉱物油、ナ
フテン、パラフィン等でなるオフセット油性枚葉インキ
のビヒクルに、上記シリコンやポリエチレンワックス等
を添加し、さらに添加剤として5〜10重量%のナフテ
ン酸コバルト等でなるドライヤー、酸化抑制剤、裏移り
防止剤などで構成されるオフセット油性タイプの剥離ニ
スが挙げられる。
【0050】また、例えば光重合性素材として30〜9
0重量%のポリオール、ポリエステル、ウレタン、エポ
キシの各アクリル酸エステル、改質用樹脂として10〜
40重量%のケトン樹脂、石油樹脂、アルキッド樹脂等
でなる紫外線硬化型オフセット枚葉インキのビヒクル
に、上記シリコンやポリエチレンワックス等を添加し、
さらに添加剤として5〜10重量%のベンゾフェノン、
ベンジル、ジメチルアミンベンゾフェノン等でなる光重
合開始剤、さらにハイドロキノン等熱重合禁止剤等添加
剤などで構成される紫外線硬化型のオフセット用の剥離
ニスが挙げられる。
【0051】これは、乾燥が速い等の点からこのスクラ
ッチ隠蔽層付印刷物の製造には好適な易剥離層用のイン
キ(ニス)であり、オフセット印刷法にて形成すること
ができる。
【0052】また、本発明では、図1(a)に示すよう
に、スクラッチ隠蔽層(20)の形成に、スチレンアク
リル系樹脂および/またはウレタン系樹脂をバインダー
とする印刷インキを用いてスクラッチ隠蔽層付印刷物
(1)とするものである。
【0053】上記のスクラッチ隠蔽層(20)を形成す
るスクラッチ用の印刷インキの組成は、例えば有色で、
ある程度の隠蔽性とスクラッチ性を付与するためのアル
ミニウムペースト(アルミニウム微粉末を脂肪酸等で表
面処理し、沸点の高いミネラルスピリットなどでペース
ト状としたもの)と着色顔料が20〜45重量部、バイ
ンダーとしてのポリウレタン系合成樹脂あるいはスチレ
ン/アクリル系共重合樹脂、またはポリウレタン系合成
樹脂とスチレン/アクリル系共重合樹脂の混合体25〜
50重量部、消泡剤等助剤1〜10重量部を、10〜3
5重量部の水と5重量部未満のイソプロピルアルコール
等低級アルコールに分散させたものが挙げられ、非画線
部(16)即ち後述の裏面隠蔽層(22)への密着性
(接着性)と速乾性を備えたスクラッチ用印刷インキと
することができる。
【0054】また、従来のゴム系のスクラッチ用印刷イ
ンキは、溶剤としてトルエンやキシレン等を使用してい
て、消防法や有機溶剤中毒予防規則(労働安全衛生法)
の遵守の面から多くのコスト的負荷があることなどか
ら、オフセット印刷機でのインライン化としては不適で
あった。
【0055】しかし、本発明のスクラッチ隠蔽層付印刷
物で使用するスチレンアクリル系樹脂および/またはウ
レタン系樹脂をバインダーとし、水と少量のイソプロピ
ルアルコールに分散させてエマルジョンとしたスクラッ
チ用印刷インキは、この消防法や有機則の遵守の面から
もオフセット印刷機でのインライン化を可能にする好適
なものである。
【0056】また、本発明のスクラッチ隠蔽層付情報媒
体の一種であるスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)を構成
する基材(10)としては、例えばインスタント抽選券
やゲームカードなどでは、アート紙、コート紙、あるい
は上質紙などの洋紙やコートボール、コートマニラ、両
面カードなどの板紙、あるいは特殊証券用紙などが挙げ
られ、また有価証券としてのスクラッチカードなどで
は、白色PET(ポリエチレンテレフタレート)、白色
PVC(ポリ塩化ビニル)シートなどが挙げられ、適宜
用途等に応じて選定されるものである。
【0057】さらに、上記の裏面隠蔽層(22)を形成
するスクラッチ用の印刷インキの組成は、例えば黒色
で、ある程度の隠蔽性とスクラッチ性を付与すると同時
にスクラッチにより易剥離層(14)が上に設けられて
いる部分についても易剥離層(14)との間の剥離が起
きないため各種材料が挙げられ、易剥離層(14)への
密着性(接着性)と速乾性を備えた裏面隠蔽層用印刷イ
ンキとすることができる。
【0058】
【発明の効果】本発明は以上の構成であるから、下記に
示す如き効果がある。
【0059】即ち、基材上に順に、裏面隠蔽層、機密情
報データの画像の相補画像をなす非画像部を形成する易
剥離層、表面が平滑なスクラッチ隠蔽層からなることを
特徴とするスクラッチ隠蔽層付情報媒体としたものであ
る。
【0060】これにより、この機密情報データの部分で
は、スクラッチオフ前は、易剥離層とスクラッチ隠蔽層
とが一体となっているので、表裏面どちらから強い光を
与えて透かしてみても、機密情報データとして視認し難
いものとなり、その結果として従来のスクラッチ隠蔽層
付情報媒体のように基材の裏面に透かし防止層を施す必
要がないので、裏面のデザインに自由度が増し、またス
クラッチ隠蔽層の2度刷りや厚紙を必要としないので製
造コストの低減ともなる効果がある。
【0061】例え易剥離層とスクラッチ隠蔽層の彩色に
若干の違い、例えば一方が黄色で一方が無色である場合
であっても、裏面からは裏面隠蔽層を通して視認するこ
ととなり、透視が困難になる効果がある。
【0062】また上記のように易剥離層上のスクラッチ
隠蔽層が機密情報データとして視認される構成でもある
ので、スクラッチ隠蔽層を従来のように厚く盛って、か
つ隠蔽性を高くする必要がなく、スクラッチ隠蔽層を形
成するインキも印刷適性を悪くするアルミニウム粉等を
多くせずに有色のインキでよい。
【0063】また、スクラッチ隠蔽層がベタパターンも
しくは機密情報データと無関係なパターンとすることに
よって、ベタで十分なので印刷方法もスクリーン印刷の
ほか、例えば生産効率のよいグラビア方式、樹脂凸版を
用いたロールコート方式あるいはフレキソ方式などが適
用できるようになる。
【0064】また、機密情報データと無関係なパターン
とすることによって最表面のスクラッチ隠蔽層のデザイ
ンに自由度を与え、デザイン的に見栄えのするスクラッ
チ隠蔽層付情報媒体を提供できる。
【0065】また、このスクラッチ隠蔽層用の印刷イン
キは、従来のSBR、NBR等合成ゴム系樹脂をバイン
ダーとした遅乾性のインキに比べ、速乾性なので規則的
もしくは不規則的線画紋様、例えば万線、網点、細紋あ
るいは線画絵柄等がレベリングして流れたりせず、よっ
てシャープ性等に優れ、最表面のスクラッチ隠蔽層のデ
ザインに見栄えのするスクラッチ隠蔽層付情報媒体を提
供できる。
【0066】従って本発明は、インスタント抽選券やゲ
ームカード等の如く機密情報データをスクラッチ隠蔽層
で隠蔽してあるスクラッチ隠蔽層付情報媒体として、優
れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物の一実施の
形態を説明するもので、(a)は、その側断面図であ
り、(b)は、その右半分がスクラッチオフされた平面
図であり、(c)は、(b)のB−B面断面図である。
【図2】本発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物を構成する
非画線部のスクラッチ隠蔽層の一事例を平面で表した説
明図である。
【図3】本発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物を構成する
スクラッチ隠蔽層の一事例を平面で表した説明図であ
る。
【図4】本発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物を構成する
スクラッチ隠蔽層の一事例を平面で表した別の説明図で
ある。
【図5】本発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物を構成する
スクラッチ隠蔽層の他の一事例を平面で表した説明図で
ある。
【図6】従来のスクラッチ隠蔽層付印刷物の一事例を側
断面で表した説明図である。
【図7】従来のスクラッチ隠蔽層付印刷物の他の一事例
を側断面で表した説明図である。
【符号の説明】
1‥‥スクラッチ隠蔽層付印刷物 10‥‥基材 12‥‥機密情報データ 14‥‥易剥離層 14a‥易剥離層の段差 16‥‥易剥離層の非画線部 20‥‥スクラッチ隠蔽層 20a‥‥網点状のパターンでなるスクラッチ隠蔽層 20b‥‥万線状のパターンでなるスクラッチ隠蔽層 20c‥‥迷彩パターン 22‥‥裏面隠蔽層 24‥‥透かし防止層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に順に、裏面隠蔽層、機密情報デー
    タの画像の相補画像をなす非画像部を形成する易剥離
    層、表面が平滑なスクラッチ隠蔽層からなることを特徴
    とするスクラッチ隠蔽層付情報媒体。
  2. 【請求項2】スクラッチ隠蔽層がベタパターンもしくは
    機密情報データと無関係なパターンであることを特徴と
    する請求項1記載のスクラッチ隠蔽層付情報媒体。
  3. 【請求項3】裏面隠蔽層がベタパターンであることを特
    徴とする請求項1または2記載のスクラッチ隠蔽層付情
    報媒体。
  4. 【請求項4】前記スクラッチ隠蔽層は、スチレンアクリ
    ル系樹脂および/またはウレタン系樹脂をバインダーと
    するスクラッチ用印刷インキでなることを特徴とする請
    求項1、2または3記載のスクラッチ隠蔽層付情報媒
    体。
JP2001398434A 2001-12-27 2001-12-27 スクラッチ隠蔽層付情報媒体 Pending JP2003191672A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001398434A JP2003191672A (ja) 2001-12-27 2001-12-27 スクラッチ隠蔽層付情報媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001398434A JP2003191672A (ja) 2001-12-27 2001-12-27 スクラッチ隠蔽層付情報媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003191672A true JP2003191672A (ja) 2003-07-09

Family

ID=27603854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001398434A Pending JP2003191672A (ja) 2001-12-27 2001-12-27 スクラッチ隠蔽層付情報媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003191672A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012035548A (ja) * 2010-08-09 2012-02-23 Dainippon Printing Co Ltd 発光媒体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012035548A (ja) * 2010-08-09 2012-02-23 Dainippon Printing Co Ltd 発光媒体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2011138942A1 (ja) スクラッチ印刷物及びその製造方法
JP3931743B2 (ja) スクラッチ印刷物
JP2003191672A (ja) スクラッチ隠蔽層付情報媒体
JP6372051B2 (ja) スクラッチ印刷物、及び、スクラッチ印刷方法
JP5487838B2 (ja) ダブルインスタントくじおよびその製造方法
JP2003191671A (ja) スクラッチ隠蔽層付情報媒体
JP2003266980A (ja) 剥離性隠蔽層付印刷物
JP3900884B2 (ja) スクラッチ隠蔽層付情報媒体の製造方法
JP2004034384A (ja) 特殊印刷物
JP2003145969A (ja) スクラッチ隠蔽層付印刷物
JP2003145967A (ja) スクラッチ隠蔽層付印刷物
JP3952674B2 (ja) 情報隠蔽印刷物
JP4250888B2 (ja) スクラッチ隠蔽層付印刷物
JP3952812B2 (ja) 剥離性隠蔽層付印刷物
JP3900879B2 (ja) スクラッチ隠蔽層付情報媒体
JP3941412B2 (ja) スクラッチ隠蔽層付情報媒体
JP4140223B2 (ja) スクラッチ隠蔽層付情報媒体
JP3979028B2 (ja) スクラッチ印刷物とその管理方法
JP2003145968A (ja) スクラッチ隠蔽層付印刷物
JP2004025698A (ja) 情報カード
JP3900828B2 (ja) スクラッチ隠蔽層付情報媒体
JP2004255687A (ja) 可変情報を施した籤類
JP2003266977A (ja) スクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法
JP2006150787A (ja) スクラッチ隠蔽層付印刷物およびその製造方法
JP2007296687A (ja) スクラッチ隠蔽層付可変情報印刷物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040916

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060808

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061003

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061212