JP2004034384A - 特殊印刷物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】紙基材10上に、酸化チタンが20〜30重量%分散している白色印刷インキによる白色ベタ印刷層11が施され、該白色ベタ印刷層11上に機密情報データを抜きパターン20とするオーバープリント層14が施されている特殊印刷物1で、このオーバープリント層14は、透明オーバープリントニスに7〜15重量%の酸化チタンが分散されている白色オーバープリントニスで形成されている特殊印刷物とするものである。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種くじ類やゲームカード等に好適に用いられる印刷物に関するものであり、さらに詳しくは、コイン(硬貨)等の摩擦によって「当たり」、「外れ」等の機密情報データが現れる特殊印刷物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、インスタント抽選券やゲーム用のカードなどにおいて、「当たり」、「外れ」あるいはそれに該当する絵柄などでなる機密情報データを隠蔽するために、隠蔽性とスクラッチ性(引っ掻き易さ性)を有し、凝集破壊性のあるゴム系のインキによりその機密情報データを隠蔽し、購入した顧客がその使用に際し、コイン等でスクラッチオフして機密情報データを視認するスクラッチ印刷物が知られ、種々の分野で利用されている。
【0003】
上記のスクラッチ隠蔽層が施された印刷物として、例えば図4の積層断面で表した模式図に示すように、用紙などでなる紙基材(10)の上に絵柄、文字、数字などの機密情報データ(32)が印刷されていて、その機密情報データ(32)を覆うように透明な剥離ニスなどによる易剥離層(34)が形成され、その易剥離層(34)の上にスクラッチ隠蔽層(30)が施されているものであり、このスクラッチ印刷物を購入した顧客がコインや爪等でスクラッチ隠蔽層(30)をスクラッチオフ(引っ掻き落とすこと)して、「当たり」、「外れ」など、あるいはそれに該当する絵柄などの機密情報データ(32)を目視で認識できるようになっている。
【0004】
しかし、上記スクラッチ式の印刷物では、例えば紙基材(10)が薄い場合などでは、この印刷物に強い光をかざして、その反対側から見ると、機密情報データ(32)の陰影が透けて見えて機密情報とならず、セキュリティに欠けるという問題があり、さらにスクラッチオフされたスクラッチ隠蔽層(30)がゴミ滓となって周辺を汚したりする危惧があり、かつこのスクラッチ隠蔽層(30)や易剥離層(34)の形成にスクリーン印刷を必要とし、他の印刷即ち他のオフセット印刷やグラビア印刷とインラインで形成できず、別ラインで形成しなければならないので製造コストが嵩むという問題点があった。
【0005】
上記問題点等の解決策として、例えば印刷基材上に硬貨の金属よりも硬度の大きい材料を含むインキ組成物で機密情報データとなる文字や絵柄の画像を印刷したもの、即ちその印刷部分を硬貨で擦ると硬貨の金属が削りとられ、削りとられた金属によって着色し、機密情報データがより明確に現れ、視認できるものが知られている(特開昭62−297196号公報参照)。
【0006】
しかしながら、上記硬貨で擦る方式の印刷物では、強い光をかざして、その反対側から見ても機密情報データは視認し難く、かつスクラッチ滓の問題や製造コストが嵩む問題は解決されるが、上方から反射で見た場合、機密情報データとなる文字や絵柄の画像が硬貨で擦らなくとも視認され易いという欠点があった。
また、印刷部分を硬貨などで擦ると、特に基材の表面がプラスチックの場合等では印刷部分そのものが削り取られ、着色しないという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、強い光をかざして、その反対側から見ても機密情報データは視認し難く、スクラッチ滓の発生や製造コストが嵩むという問題がなく、また硬貨で擦る前の状態で上方からみても機密情報データが視認し難く、かつ硬貨で擦ると忠実に機密情報データが確認される特殊印刷物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、基材上の所定の領域に、白色印刷インキによる白色ベタ印刷層が施され、該白色ベタ印刷層上に機密情報データを抜きパターンもくはパターンとするオーバープリント層が施されている特殊印刷物であって、前記オーバープリント層は、透明オーバープリントニスに7〜15重量%の白色顔料が分散されている白色オーバープリントニスで形成されていることを特徴とする特殊印刷物としたものである。
【0009】
上記請求項1の発明によれば、基材上の所定の領域に、白色顔料を含む白色印刷インキによる白色ベタ印刷層が施され、この白色ベタ印刷層上に機密情報データを抜きパターンもしくはパターンとするオーバープリント層が施されている構成としているので、この白色ベタ印刷層やオーバープリント層を、他の印刷や加工等とインラインで形成することができ、よって従来のようにスクリーン印刷等を別ラインで行う必要がないので製造コストが嵩まない特殊印刷物とすることができる。
【0010】
また上記オーバープリント層が、透明オーバープリントニスに7〜15重量%の白色顔料が分散されている白色オーバープリントニスで形成されているので、硬貨で擦る前は上面から反射で見ても前記オーバープリント層の抜きパターンもしくはパターンでなる機密情報データが、下層にある白色ベタ印刷層と区別がつかないので視認し難くなり、また光をかざして反対面から見ても視認し難く、かつ硬貨で擦るとこのオーバープリント層では硬貨の金属は削りとられないが、白色ベタ印刷層上の抜きパターン部分もしくはパターン部以外の部分のみでは削りとられて着色される特殊印刷物とすることができる。上記オーバープリント層の形成に使用する白色オーバープリントニスの白色顔料が7重量%に満たないと、オーバープリント層が光沢を発し、白色ベタ印刷層との光沢に差ができ、よって硬貨で擦る前に反射で機密情報データが視認し易くなり、逆に15重量%を越えると、消費者が硬貨で擦った際にその金属が削りとられて、白色ベタ印刷層上と同様に着色し易くなり、よって機密情報データが確認し難くなるので好ましくない。
【0011】
また、請求項2の発明では、上記白色印刷インキは、20〜30重量%の白色顔料が分散していることを特徴とする請求項1記載の特殊印刷物としたものである。
【0012】
上記請求項2の発明によれば、白色ベタ印刷層を白色顔料が20〜30重量%分散している白色印刷インキで形成することによって、硬貨でこの上から擦ると、硬貨の金属がこの白色ベタ印刷層で削り取られて、オーバープリント層の抜きパターンもしくはパターン以外の部分のみが着色する特殊印刷物とすることができる。白色顔料が20重量%に満たない白色印刷インキで形成された白色ベタ印刷層では、白色顔料が少なすぎるので硬貨の金属が削り取られ難くなり、よって着色され難くなり、逆に白色顔料が30重量%を越えたと白色印刷インキでは、特にプラスチックシートあるいはプラスチックフィルムがラミネートされた基材等では、基材との密着性がなくなるので、硬貨で擦った際にこの白色ベタ印刷層まで削り取られ、機密情報データが視認されなくなり、さらにこの白色ベタ印刷層上に施されているオーバープリント層との白色コントラストがつき過ぎ、硬貨等で擦る前に機密情報データが視認されてしまうので好ましくない。
【0013】
さらにまた、請求項3の発明では、上記白色顔料は、酸化チタンであることを特徴とする請求項1または2記載の特殊印刷物としたものである。
【0014】
上記請求項3の発明によれば、上記白色顔料を、酸化チタンとしたので、白色性に富み、かつ硬貨の金属よりも硬度が大きいので、硬貨で擦るとこの金属が削りとられ易くなり、またそれで着色された色が目立つような特殊印刷物とすることができる。
【0015】
上記請求項1でいう「ベタ」とは、印刷面に濃淡の差や白く抜けた部分がなく、印刷インキで完全に覆われている部分をいう(日本印刷学会編 印刷事典より)。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を用いながら詳細に説明する。
【0017】
図1(a)、(b)は、上記請求項1に係る発明の一実施の形態を説明する平面図およびその一部断面図であり、図2(a)、(b)は、上記請求項1に係る発明の他の一実施の形態を説明する平面図およびその一部断面図である。
【0018】
上記請求項1に係る発明の特殊印刷物の一事例として、図1(a)の平面図およびそのB−B面を表す図(b)の側断面図に示すように、例えば、紙基材(10)上の所定の位置に、白色顔料(酸化チタン)が20〜30重量%含む白色印刷インキによる白色ベタ印刷層(11)が施されていて、この白色ベタ印刷層(11)上に機密情報データ(図面では、「T」「O」の文字)を抜きパターン(20)とするオーバープリント層(14)が施されている特殊印刷物(1)とするものである。
【0019】
また、上記請求項1に係る発明の特殊印刷物の他の一事例として、図2(a)の平面図およびそのB−B面を表す図(b)の側断面図に示すように、例えば、紙基材(10)上の所定の位置に、白色顔料(酸化チタン)が20〜30重量%含む白色印刷インキによる白色ベタ印刷層(11)が施されていて、この白色ベタ印刷層(11)上に機密情報データ(図面では、「T」「O」の文字)をパターン(22)とするオーバープリント層(14)が施されている特殊印刷物(1)とすることもできる。
【0020】
上記オーバープリント層(14)は、例えばグラビア印刷あるいはオフセット印刷用の透明オーバープリントニスに7〜15重量%の白色顔料が分散されている白色オーバープリントニスで形成され、上記請求項3に係る発明では、この白色オーバープリントニスを構成する白色顔料を酸化チタンとしたものである。
【0021】
上記白色オーバープリントニスについてさらに詳しく説明すると、例えば樹脂として硝化綿、ポリアミド等15重量%程度、溶剤としてトルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール等60〜70重量%に、白色顔料としての酸化チタン(ルチル型)が7〜15重量%の範囲で分散しているグラビア用オーバープリントニス、あるいはバインダーとしてのポリウレタン系合成樹脂あるいはスチレン/アクリル系共重合樹脂、またはポリウレタン系合成樹脂とスチレン/アクリル系共重合樹脂の混合体25〜50重量%、消泡剤等助剤1〜10重量%、10〜35重量%の水と5重量%未満のイソプロピルアルコール等低級アルコールに、白色顔料としての酸化チタン(ルチル型)が7〜15重量%の範囲で分散しているエマルジョンタイプのグラビア用オーバープリントニス等が挙げられる。
【0022】
また、例えばオフセットインキのビヒクル(印刷インキの着色顔料と添加剤を除いた成分)に白色顔料としての酸化チタン(ルチル型)を7〜15重量%の範囲で添加したオフセット用オーバープリントニスが用いられ、さらに具体的には、例えば樹脂として20〜30重量%のロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂等、植物油として10〜20重量%の大豆油、亜麻仁油、桐油等、溶剤として25〜35重量%の鉱物油、ナフテン、パラフィン等でなるオフセット油性枚葉インキのビヒクルに、上記酸化チタン(ルチル型)を7〜15重量%の範囲で分散させ、さらに添加剤として5〜10重量%のナフテン酸コバルト等でなるドライヤー、酸化抑制剤、裏移り防止剤などで構成されるオフセット油性タイプの白色オーバープリントニスが挙げられ、また、例えば光重合性素材として30〜90重量%のポリオール、ポリエステル、ウレタン、エポキシの各アクリル酸エステル、改質用樹脂として10〜40重量%のケトン樹脂、石油樹脂、アルキッド樹脂等でなる紫外線硬化型オフセット枚葉インキのビヒクルに、上記白色顔料としての酸化チタン(ルチル型)を7〜15重量%の範囲で分散させ、さらに添加剤として5〜10重量%のベンゾフェノン、ベンジル、ジメチルアミンベンゾフェノン等でなる光重合開始剤、さらにハイドロキノン等熱重合禁止剤等添加剤などで構成される紫外線硬化型のオフセット用白色オーバープリントニスが挙げられ、乾燥が速い等の点からこの特殊印刷物の製造には好適なニスである。
【0023】
また、上記白色ベタ印刷層(11)は、例えばグラビア印刷あるいはオフセット印刷用の溶剤を含むバインダーあるいはビヒクルに20〜30重量%程度の白色顔料が分散されている白色印刷インキで形成され、上記請求項3に係る発明では、この白色印刷インキを構成する白色顔料を、粒径**μm程度の酸化チタンとしたものである。
【0024】
上記白色ベタ印刷層(11)を形成する白色印刷インキについてさらに詳しく説明すると、例えば樹脂として硝化綿、ポリアミド等10重量%程度、溶剤としてトルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール等60〜70重量%に、白色顔料としての酸化チタン(ルチル型)が20〜30重量%の範囲で分散しているグラビア用白色印刷インキ、あるいはバインダーとしてのポリウレタン系合成樹脂あるいはスチレン/アクリル系共重合樹脂、またはポリウレタン系合成樹脂とスチレン/アクリル系共重合樹脂の混合体20〜45重量%、消泡剤等助剤1〜10重量%、10〜35重量%の水と5重量%未満のイソプロピルアルコール等低級アルコールに、白色顔料としての酸化チタン(ルチル型)が20〜30重量%の範囲で分散しているエマルジョンタイプのグラビア用白色印刷インキ等が挙げられる。
【0025】
また、例えばオフセットインキのビヒクル(印刷インキの着色顔料と添加剤を除いた成分)に白色顔料としての酸化チタン(ルチル型)を20〜30重量%の範囲で添加したオフセット用白色印刷インキが用いられ、さらに具体的には、例えば樹脂として20〜30重量%のロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂等、植物油として10〜20重量%の大豆油、亜麻仁油、桐油等、溶剤として25〜35重量%の鉱物油、ナフテン、パラフィン等でなるオフセット油性枚葉インキのビヒクルに、上記酸化チタン(ルチル型)を20〜30重量%の範囲で分散させ、さらに添加剤として5〜10重量%のナフテン酸コバルト等でなるドライヤー、酸化抑制剤、裏移り防止剤などで構成されるオフセット油性タイプの白色印刷インキが挙げられ、また、例えば光重合性素材として30〜90重量%のポリオール、ポリエステル、ウレタン、エポキシの各アクリル酸エステル、改質用樹脂として10〜40重量%のケトン樹脂、石油樹脂、アルキッド樹脂等でなる紫外線硬化型オフセット枚葉インキのビヒクルに、上記白色顔料としての酸化チタン(ルチル型)を20〜30重量%の範囲で分散させ、さらに添加剤として5〜10重量%のベンゾフェノン、ベンジル、ジメチルアミンベンゾフェノン等でなる光重合開始剤、さらにハイドロキノン等熱重合禁止剤等添加剤などで構成される紫外線硬化型のオフセット用白色印刷インキが挙げられ、乾燥が速い等の点からこの特殊印刷物の製造には好適なインキである。
【0026】
また、本発明の特殊印刷物を構成する基材としては、例えばインスタント抽選券やゲームカードなどでは、アート紙、コート紙あるいは上質紙などの洋紙やコートボール、コートマニラ、両面カードなどの板紙、あるいは特殊証券用紙などが挙げられ、またスクラッチカード等表面がプラスチックの場合の製品では、白色PET(ポリエチレンテレフタレート)、白色塩ビ(ポリ塩化ビニル)シート、あるいはアート紙等にポリエチレンやポリプロピレンフィルムをラミネートしたものなどが挙げられ、適宜用途等に応じて選定される。
【0027】
以上のようにして得られた例えば、図1(a)および(b)に示すような特殊印刷物(1)の上面を、10円硬貨で擦ると、白色ベタ印刷層(11)が削られて剥離することがなく、10円硬貨が白色ベタ印刷層(11)に削りとられ、オーバープリント層(14)の抜きパターン(20)に応じた「T、O」の文字が着色されて機密情報データとして視認することができる。この際オーバープリント層(14)の部分は、10円硬貨で擦っても、白色顔料が少ないので滑って着色されず、また10円硬貨で擦る前は、白色顔料が分散しているので抜きパターン(20)としては視認されないセキュリティの面で信用のある特殊印刷物(1)である。
【0028】
【実施例】
次に実施例により、本発明を具体的に説明する。
〈実施例1〉
図3(a)および(b)に示すように坪量79.1g/m2 の片アート紙を紙基材(10)とし、このアートコート面に、ドライラミネーション用接着剤を介して厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム層(10a)をラミネートで形成し、この二軸延伸ポリプロピレンフィルム層(10a)上に表面白色インキ;酸化チタン65白40重量%を含むNEWMAX65白に添加剤#300を3%添加したインキ(東洋インキ製造社製)を用いて、175線/インチ、35μmの版深のグラビア版で白色印刷層(12)を形成し、この上に白色印刷インキ;酸化チタンUP63白25重量%を含むNEWMAXUP63白に添加剤#300を3%添加したインキ(東洋インキ製造社製)を用いて上記と同様のグラビア版で白色ベタ印刷層(11)をグラビア印刷法で形成した。
【0029】
続いて上記白色ベタ印刷層(11)上に、白色オーバープリントニス;酸化チタン65白10重量%を含むNEWMAXmdに添加剤#300を3%添加したインキ(東洋インキ製造社製)で図1(a)に示すような抜きパターン(20)「T、O」を有するオーバープリント層(14)を形成し特殊印刷物(1)とした。
【0030】
上記で得られた特殊印刷物は、強い光をかざして、その反対側から見ても機密情報データである「T、O」の文字は視認し難く、また硬貨で擦る前の状態で上方からみても機密情報データである「T、O」の文字は視認し難く、かつ10円硬貨で擦ると機密情報データである「T、O」の文字が硬貨の金属である茶色に着色され忠実に確認されるものであった。
【0031】
〈比較例1〉
坪量79.1g/m2 の片アート紙のアートコート面に、ドライラミネーション用接着剤を介して厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムをラミネートして基材とし、この基材の二軸延伸ポリプロピレンフィルム上に白色印刷インキ;酸化チタン65白40重量%を含むNEWMAX65白に添加剤#300を3%添加したインキ(東洋インキ製造社製)を用いて、175線/インチ、35μmの版深のグラビア版で白色印刷層(12)を形成した。
【0032】
続いて上記白色ベタ印刷層上に、透明オーバープリントニス;NEWMAXmdに添加剤#300を3%添加したインキ(東洋インキ製造社製)で図1(a)に示すような抜きパターン「T、O」を有するオーバープリント層を形成し特殊印刷物とした。
【0033】
上記で得られた特殊印刷物は、強い光をかざして、その反対側から見ても機密情報データである「T、O」の文字は視認し難くいが、硬貨で擦る前の状態で上方からみると機密情報データである「T、O」の文字の部分は、周囲のオーバープリント層の光沢と白色度に大差ができるので視認され易くなり、かつ10円硬貨で擦ると白色ベタ印刷層自体が削り取られ、機密情報データである「T、O」の文字が確認されないものであった。
【0034】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、上記請求項1に係る発明においては、基材上の所定の領域に、白色印刷インキによる白色ベタ印刷層が施され、該白色ベタ印刷層上に機密情報データを抜きパターンもくはパターンとするオーバープリント層が施されている構成の特殊印刷物としているので、この白色ベタ印刷層やオーバープリント層を他の印刷等とインラインで形成することができ、よって従来のようにスクリーン印刷等を別ラインで行う必要がないので製造コストが嵩まないという効果のある特殊印刷物とすることができる。
【0035】
また上記オーバープリント層が、透明オーバープリントニスに7〜15重量%の白色顔料が分散されている白色オーバープリントニスで形成されているので、硬貨で擦る前は上面から反射で見ても前記オーバープリント層の抜きパターンもしくはパターンでなる機密情報データが、下層にある白色ベタ印刷層と区別がつかないので視認し難くなり、また光をかざして反対面から見ても視認し難く、かつ硬貨で擦るとこのオーバープリント層では硬貨の金属は削りとられないが、白色ベタ印刷層上の抜きパターン部分もしくはパターン部以外の部分のみでは削りとられて着色される特殊印刷物とすることができる。
【0036】
また、上記請求項2に係る発明においては、上記白色ベタ印刷層を白色顔料が20〜30重量%分散している白色印刷インキで形成することによって、硬貨でこの上から擦ると、硬貨の金属がこの白色ベタ印刷層で程よく削り取られて、オーバープリント層の抜きパターンもしくはパターン以外の部分のみが忠実に着色する特殊印刷物とすることができ、この白色顔料が30重量%を越えた白色印刷インキでは、特にプラスチックシートあるいはプラスチックフィルムがラミネートされた基材等では、基材との密着性がなくなるので、硬貨で擦った際にこの白色ベタ印刷層まで削り取られ、機密情報データが視認されなくなるので好ましくない。さらに硬貨等で擦る前では、オーバープリント層とのコントラストがつき過ぎ、機密情報データが視認され易くなるので好ましくない。
【0037】
さらにまた、上記請求項3に係る発明においては、上記白色顔料を、酸化チタンとしたので、白色性に富み、それに着色された色が目立つような特殊印刷物とし、かつ硬貨の金属よりも硬度が大きいので、硬貨で擦るとこの金属が削りとられ易くなり、よってこの着色が機密情報データとしてより忠実に確認できる特殊印刷物とする効果がある。
【0038】
従って本発明は、各種くじ類やゲームカード等に好適に用いられる特殊印刷物であり、特にコイン(硬貨)等の摩擦によって「当たり」、「外れ」等の機密情報データが現れる特殊印刷物の如き用途において、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の特殊印刷物の一実施の形態を示すもので、
(a)は、その正面図であり、
(b)は、(a)のB−B面を表す断面図である。
【図2】本発明の特殊印刷物の他の一実施の形態を示すもので、
(a)は、その正面図であり、
(b)は、(a)のB−B面を表す断面図である。
【図3】本発明の特殊印刷物の一実施例を説明するもので、
(a)は、その正面図であり、
(b)は、(a)のB−B面を表す断面図である。
【図4】従来のスクラッチ印刷物の一事例を側断面で表す説明図である。
【符号の説明】
1‥‥特殊印刷物
2‥‥スクラッチ印刷物
10‥‥紙基材
10a‥‥二軸延伸ポリプロピレンフィルム層
11‥‥白色ベタ印刷層
12‥‥白色印刷層
14‥‥オーバープリント層
20‥‥抜きパターン
22‥‥パターン
30‥‥スクラッチ隠蔽層
32‥‥機密情報データ
34‥‥易剥離層
Claims (3)
- 基材上の所定の領域に、白色印刷インキによる白色ベタ印刷層が施され、該白色ベタ印刷層上に機密情報データを抜きパターンもしくはパターンとするオーバープリント層が施されている特殊印刷物であって、前記オーバープリント層は、透明オーバープリントニスに7〜15重量%の白色顔料が分散されている白色オーバープリントニスで形成されていることを特徴とする特殊印刷物。
- 上記白色印刷インキは、20〜30重量%の白色顔料が分散していることを特徴とする請求項1記載の特殊印刷物。
- 上記白色顔料は、酸化チタンであることを特徴とする請求項1または2記載の特殊印刷物。
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