JP3900541B2 - シロキサン系共重合体の製造方法、およびその製造方法により得られるシロキサン系共重合体を含有する樹脂組成物 - Google Patents
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Description
本発明は、シロキサン系重合体の新規な製造方法に関する。さらに本発明は、上記製造方法により得られるシロキサン系共重合体を含有する樹脂組成物に関する。
背景技術
熱可塑性樹脂は、プラスチック容器、フィルム、繊維、接着剤、押出シートなどに用いられる工業的に有用な成形材料である。このような熱可塑性樹脂(例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:ビスフェノールA)を主単位とするポリカーボネート樹脂)は、機械特性、電気特性、耐熱性、寸法安定性、透明性および成形加工性に優れている。しかし、このような熱可塑性樹脂は、燃焼性が高く、しかも燃焼時に有害なガスを生じる等の欠点を有している。
通常の熱可塑性樹脂は、燃焼性が高いため、難燃性が要求される用途では、ハロゲン系およびリン系化合物に代表される難燃剤を添加することにより、難燃化させるのが一般的である。しかし、このような難燃剤は、燃焼時に熱可塑性樹脂よりも有害なガスを生じるため環境問題上好ましくない。さらに、このような難燃剤は添加量に応じて熱可塑性樹脂の機械的特性、電気特性、耐熱性、耐候性のような物性を低下させる等の問題点を有している。
熱可塑性樹脂の難燃性および成形加工性を向上させる手段の1つとして、熱可塑性樹脂にシロキサン化合物を添加する方法が提案された。しかし、この方法では、シロキサン化合物と熱可塑性樹脂との相溶性が低い場合には、難燃性および成形性が十分に向上しなかったり、シロキサン化合物が熱可塑性樹脂の成形品の表面にブリードする等の問題点があった。
上記問題点を解決する手段として、シロキサン系共重合体の製造方法に関する技術が提案されている。例えば、特開平2−196823号公報、特開平3−106937号公報、および特開平7−2999号公報では、ビスフェノール誘導体、ジカルボン酸ジクロライド、ホスゲン、およびフェノール末端ジメチルポリシロキサンを用いる界面重縮合法によるポリエステルカーボネート−シロキサン系共重合体の製造方法が提案されている。さらに、特開平5−222173号公報においては、フェノール末端ジメチルポリシロキサンを用いる界面重縮合法によるポリエステルカーボネート−シロキサン系共重合体の製造方法が提案されている。しかし、界面重縮合法においては、原料であるホスゲンおよび酸クロライドの入手が困難であり、そして塩化メチレン等のハロゲン化合物を用いるため環境上好ましくないという問題点を有する。
界面重縮合法における問題点を解決する手段の1つとして、特開平4−91125号公報には、ジカルボン酸ジエステル、ジオール、およびフェノール末端ジメチルポリシロキサンを用いる溶融重縮合法によるポリエステル−シロキサンブロック共重合体の製造方法が提案されている。しかし、この方法においては、高価で特殊なケイ素化合物を用いるために、製造コストが高く、しかもブロック共重合体中のシロキサンユニットの導入量を増加させると、相分離による物性(例えば、機械的強度)の低下が起こる等の問題点がある。
一方、Curryらは、ジオールおよびビス(アニリノ)ジフェニルシランから得られるシロキサン系共重合体の製造方法を報告している(J. Appl. Polym. Sci., vol.9, pp.295(1965))。この方法においては、生成するポリマーが交互共重合体となるため、シロキサンの導入量を増加させることが可能である。しかし、この方法においては、高価で特殊なケイ素化合物を用いるために、製造コストが高く、しかも反応に長時間を要するという問題点がある。また、得られるシロキサン系重合体の耐熱性が低いという問題点がある。
本発明の目的は、上記従来のシロキサン系共重合体の製造方法の問題点を克服し、優れた機械的特性(例えば、強度、破断伸び、耐衝撃性)、耐熱性、難燃性および成形加工性(例えば、離型性、表面滑性)を共に有し、かつ優れた透明性を有するシロキサン系共重合体をより簡便で、かつ安価に(すなわち、工業的および商業的に有利に)得ることができる製造方法を提供することにある。さらに本発明の他の目的は、このような製造方法により得られるシロキサン系共重合体を含有する樹脂組成物を提供することにある。
発明の開示
本発明は、エステル化またはエステル交換触媒の存在下で、少なくとも1種のジオールと、少なくとも1種のジカーボネートと、ケイ素化合物とを反応させるシロキサン系共重合体の製造方法であって、該ケイ素化合物が、以下の一般式(I)で表される化合物および一般式(II)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、方法である:
ここで、R1、R2、R3、R4、XおよびYは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基または置換あるいは非置換の有機基であり;aは、0から5000の整数を示し;そしてbは、3から20の整数を示す。
好適な実施態様においては、上記ジオールは、以下の一般式(III)で表される:
ここでR5は、非置換の、または水素原子の少なくとも一部が、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基およびフェノキシ基から選択される少なくとも1種の基で置換された、1個から20個の炭素原子を有する2価の炭化水素基;あるいは、-R6−A−R7-であり、ここで、R6およびR7は、それぞれ独立して、6個から20個の炭素原子を有する2価の芳香族炭化水素基であり;そしてAは単結合、-O-、-S-、-SO-、-SO2-、-CO-、および1個から20個の炭素原子を有する2価の炭化水素基からなる群から選択される。
好適な実施態様においては、少なくとも1種のジカルボン酸のジエステルをさらに反応させる。該ジカルボン酸のジエステルは、以下の一般式(IV)で表される:
ここで、R8は、非置換の、または水素原子の少なくとも一部が、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基およびフェノキシ基でなる群から選択される少なくとも1種の基で置換された、1個から20個の炭素原子を有する2価の炭化水素基;あるいは、-R10−D−R11-であり、そしてR9は、1個から20個の炭素原子を有する炭化水素基であり、ここで、R10およびR11は、それぞれ独立して、6個から20個の炭素原子を有する2価の芳香族炭化水素基であり;そしてDは単結合、-O-、-S-、-SO-、-SO2-、-CO-、および1個から20個の炭素原子を有する2価の炭化水素基からなる群から選択される。
好適な実施態様においては、上記ジカーボネートは、以下の一般式(V)で表される:
ここでR12は、1個から20個の炭素原子を有する炭化水素基を示す。
好適な実施態様においては、上記ケイ素化合物は、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、およびオクタフェニルシクロテトラシロキサンからなる群から選択される少なくとも一種である。
好適な実施態様においては、上記ジオールは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロへキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンからなる群から選択される少なくとも一種である。
好適な実施態様においては、上記ジカルボン酸のジエステルは、ジフェニルテレフタレート、ジフェニルイソフタレート、ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレートからなる群から選択される少なくとも一種である。
好適な実施態様においては、上記ジカーボネートは、ジフェニルカーボネートである。
好適な実施態様においては、上記エステル化またはエステル交換触媒は、スズ系化合物である。
好適な実施態様においては、上記エステル化またはエステル交換触媒は、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、カドミウム、チタン、ジルコニウム、アンチモン、鉛、マンガン、およびコバルトからなる群から選択される金属の、酢酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、酸化物、水酸化物、水素化物、アルコラート、およびフェノラートからなる群から選択される少なくとも1種である。
好適な実施態様においては、上記エステル化またはエステル交換触媒は、得られるシロキサン系共重合体100重量部に対して、0.0001重量部から1.0重量部の範囲で使用される。
さらに、本発明は、上記製造方法により得られるシロキサン系共重合体を含有する、難燃性樹脂組成物に関する。
さらに、本発明は、上記製造方法により得られるシロキサン系共重合体を含有する、成形用樹脂組成物に関する。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例1により得られたポリエステル−シロキサン系共重合体のIRスペクトル図である。
図2は、実施例5により得られたポリエステルカーボネート−シロキサン系共重合体のIRスペクトル図である。
図3は、実施例7により得られたポリカーボネート−シロキサン系共重合体のIRスペクトル図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のシロキサン系共重合体の製造方法は、エステル化またはエステル交換触媒の存在下、少なくとも1種のジオールと、少なくとも1種のジカーボネートと、少なくとも1種の特定のケイ素化合物とを反応させる方法である。
本発明に用いられるケイ素化合物は、上記一般式(I)で表される化合物および上記一般式(II)で表される化合物から選択される少なくとも1種である。一般式(I)および(II)において、R1、R2、R3、R4、XおよびYは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、あるいは置換または非置換の有機基である。aは、0から5000の整数、好ましくは0から100の整数、さらに好ましくは0から50の整数であり;そしてbは、3から20の整数、好ましくは3から10の整数、さらに好ましくは3から4の整数である。ここで、置換または非置換の有機基の具体例としては、炭化水素基、アルコキシ基、フェノキシ基、アンモニウム塩含有基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、エステル基、ポリエーテル基、エポキシ基、ビニルエーテル基、ビニルエステル基、アクリル基、メタクリル基、メルカプト基、およびイソシアナト基が挙げられる。炭化水素基の具体例としては、1〜20個、好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状アルキル基、および直鎖状または分岐状アルケニル基、6〜20個、好ましくは6〜14個、さらに好ましくは6〜10個の炭素原子を有するアルキルアリー基、ならびにシクロアルキル基が挙げられる。本発明の利点を損なわない限り、炭化水素基の水素原子の少なくとも一部は、任意の置換基で置換され得る。置換基の具体例としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基、フェノキシ基、アミノ基、アンモニウム塩含有基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、エステル基、ポリエーテル基、エポキシ基、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルエステル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、メルカプト基、イソシアナト基が挙げられる。以下、特に明示しない限り、「炭化水素基」は上記の置換または非置換の炭化水素基を包含する。
好ましくは、置換または非置換の有機基は、炭化水素基、アルコキシ基、またはフェノキシ基である。さらに好ましくは、メチル基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基、またはフェノキシ基である。とりわけ好ましくは、メチル基、メトキシ基である。なぜなら、このような置換基を有するケイ素化合物は、入手が容易であるため、シロキサン系共重合体の簡便な製造方法が達成され得るからである。
上記ケイ素化合物の具体例としては、以下に示すものが挙げられる:ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、5−ヘキセニルトリメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランのようなアルコキシシラン類;ジフェニルシラン、ジフェニルシランジオールのようなフェニルシラン類;ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンのような環状シロキサン類;ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン、オクタデカメチルオクタシロキサン、エイコサメチルエニアシロキサン、ドコサメチルデカシロキサン、3,3−ジフェニルヘキサメチルトリシロキサン、シロキサンオリゴマー類、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、クロロアルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルコール変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン、カルボキシ変性ポリシロキサン、およびメルカプト変性ポリシロキサンのようなポリシロキサン。これらのケイ素化合物は単独で用いても良く、また混合して用いても良い。
これらのケイ素化合物の中では、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、およびオクタフェニルシクロテトラシロキサンが、原料が入手し易いという点で好ましく、ポリジメチルシロキサン、ジメトキシジメチルシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサンが特に好ましい。
本発明の製造方法に用いられるジオールは、好ましくは上記一般式(III)で表される。
一般式(III)において、R5は、非置換の、または、水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基およびフェノキシ基でなる群から選択される少なくとも1種の置換基で置換された、1個から20個の炭素原子を有する2価の炭化水素基;あるいは−R6−A−R7−である。R6およびR7は、それぞれ独立して、6個から20個、好ましくは6個から14個、さらに好ましくは6個から10個の炭素原子を有する2価の芳香族炭化水素基であり;そして、Aは、単結合、-O-、-S-、-SO-、-SO2-、-CO-、および1個から20個の炭素原子を有する2価の炭化水素基からなる群から選択される。好ましくは、Aは、単結合、−O−、−SO2−、または1個から20個の炭素原子を有する2価の炭化水素基であり、さらに好ましくは、−SO2−、または1個から14個の炭素原子を有する2価の炭化水素基である。
上記ジオールの具体例としては、以下に示すものが挙げられる:2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)、4,4’−ジヒドロキシフェニルエーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)スルホン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、テトラブロモビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニル、ハイドロキノン、レゾルシノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシアントラセン、フェノールフタレイン、フルオレセイン、2,2’−ジヒドロキシ−1,1−ジナフチルメタン、4,4’−ジヒドロキシジナフチル、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンのような芳香族ジオール、またはエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、および1,10−デカンジオールのような脂肪族ジオールが挙げられる。これらのジオールは、単独で用いても良く、または混合して用いても良い。
これらのジオールの中では、得られる共重合体の特性(例えば、耐熱性、機械的特性、難燃性)に優れるという点、および原料が入手し易いという点でビスフェノールA、ビスフェノールTMC、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、および9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが好ましく、ビスフェノールAが特に好ましい。ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンまたは9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを用いると特に難燃性に優れた共重合体が得られる。
本発明の製造方法は、好ましくは、少なくとも1種のジカルボン酸のジエステルを共重合成分としてさらに反応させ得る。このジカルボン酸のジエステルは、好ましくは上記一般式(IV)で表される。一般式(IV)において、R8は、非置換の、または、水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基およびフェノキシ基でなる群から選択される少なくとも1種の置換基で置換された、1個から20個の炭素原子を有する2価の炭化水素基、あるいは-R10−D−R11-であり;そしてR9は、1個から20個、好ましくは1個から10個、さらに好ましくは1個から6個の炭素原子を有する炭化水素基である。R10およびR11は、それぞれ独立して、6個から20個、好ましくは6個から14個、さらに好ましくは6個から10個の炭素原子を有する2価の芳香族炭化水素基であり;そしてDは、単結合、-O-、-S-、-SO-、-SO2-、-CO-、および1個から20個の炭素原子を有する2価の炭化水素基からなる群から選択される。。好ましくは、Dは、単結合、−O−、−SO2−、または1個から20個の炭素原子を有する2価の炭化水素基であり、さらに好ましくは、−SO2−、または1個から14個の炭素原子を有する2価の炭化水素基である。
上記ジカルボン酸のジエステルの具体例としては、以下に示すものが挙げられる。例えば、テレフタル酸、メトキシテレフタル酸、エトキシテレフタル酸、フルオロテレフタル酸、クロロテレフタル酸、メチルテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、メトキシイソフタル酸、メチルイソフタル酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−3,3’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、3−メチルアゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,7−デカヒドロナフタレンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸などの、ジメチル、ジエチル、ジプロピル、ジブチル、ジシクロヘキシル、ジフェニルエステルなどが挙げられる。これらのジカルボン酸のジエステルは、単独で用いても良く、また混合して使用しても良い。
これらのジカルボン酸のジエステルの中では、得られる共重合体の特性(例えば、耐熱性、機械的特性、難燃性)に優れるという点、反応性に優れるという点、および原料が入手し易いという点でジフェニルテレフタレート、ジフェニルイソフタレート、ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレートが好ましく、ジフェニルテレフタレート、ジフェニルイソフタレートが特に好ましい。
本発明の製造方法に用いられるジカーボネートは、好ましくは上記一般式(V)で表される。一般式(V)において、R12は、1個から20個、好ましくは1個から10個、さらに好ましくは1個から6個の炭素原子を有する炭化水素基である。
ジカーボネートの具体例としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネートおよびジフェニルカーボネートが挙げられる。
上記ジカーボネートの中では、ジフェニルカーボネートが、反応性に優れ、かつ入手し易いという点で特に好ましい。
本発明の製造方法に用いられる上記各出発原料の組み合わせの例としては、ジオール/ケイ素化合物/ジカーボネートの組み合わせが挙げられる。このような組み合わせのモル比の範囲は、1/0.4〜2/0.4〜2が好ましく、1/0.5〜1/0.5〜1がより好ましい。特に好ましいものの一例としては、1/0.5/1または1/0.5/0.5が挙げられる。このような組み合わせの場合は、ポリカーボネート−シロキサン共重合体が生成する。
具体的には、次のような組み合わせが挙げられる:
ビスフェノールAとジメトキシメチルシランとジフェニルカーボネート(モル比:1/0.5/1あるいは1/0.5/0.5);
ビスフェノールAとポリジメチルシロキサンとジフェニルカーボネート(モル比:1/0.5/1あるいは1/0.5/0.5);
ビスフェノールAとオクタメチルシクロテトラシロキサンとジフェニルカーボネート(モル比:1/0.5/1あるいは1/0.5/0.5);
ビスフェノールTMCとジメトキシメチルシランとジフェニルカーボネート(モル比:1/0.5/1あるいは1/0.5/0.5);
ビスフェノールTMCとポリジメチルシロキサンとジフェニルカーボネート(モル比1/0.5/1あるいは1/0.5/0.5);および
ビスフェノールTMCとオクタメチルシクロテトラシロキサンとジフェニルカーボネート(モル比:1/0.5/1あるいは1/0.5/0.5)。
とりわけ、入手容易性、反応性、得られる共重合体の特性(例えば、耐熱性、機械的特性、難燃性)に特に優れるという点で、ビスフェノールAとジメトキシメチルシランとジフェニルカーボネート(モル比:1/0.5/1あるいは1/0.5/0.5)、ビスフェノールAとポリジメチルシロキサンとジフェニルカーボネート(モル比:1/0.5/1または1/0.5/0.5)の組み合わせが好ましく、ビスフェノールAとジメトキシメチルシランとジフェニルカーボネート(モル比:1/0.5/1または1/0.5/0.5)の組み合わせが特に好ましい。
さらに、本発明の製造方法において、必要に応じてジカルボン酸のジエステルをさらに出発原料として用いる場合には、以下のような出発原料の組み合わせの例が挙げられる:
ジオール/ジカルボン酸ジエステル/ケイ素化合物/ジカーボネート。このような組み合わせのモル比の範囲は、1/0.5〜2/0.5〜2/0.1〜2が好ましく、1/0.5〜1/0.5〜1/0.5〜1がより好ましい。特に好ましいものの一例としては、1/1/1/1または1/0.5/0.5/0.5が挙げられる。このような組み合わせの場合は、ポリエステル−シロキサン共重合体が生成する。
ジオール/ジカルボン酸ジエステル/ケイ素化合物/ジカーボネートこのような組み合わせのモル比の範囲は、1/0.1〜0.45/0.1〜0.45/1が好ましく、1/0.2〜0.45/0.2〜0.45/0.5〜1がより好ましい。特に好ましいものの一例としては、1/0.4/0.4/1または1/0.4/0.4/0.5が挙げられる。このような組み合わせの場合は、ポリエステルカーボネート−シロキサン共重合体が生成する。
具体的には、次のような組み合わせが挙げられる。
ビスフェノールAとジフェニルテレフタレートとジフェニルイソフタレートとジメトキシジメチルシランとジフェニルカーボネート(モル比:1/0.5/0.5/1/1、1/0.25/0.25/0.5/0.5、1/0.2/0.2/0.4/1、あるいは1/0.2/0.2/0.4/0.5);
ビスフェノールAとジフェニルイソフタレートとジメトキシジメチルシランとジフェニルカーボネート(モル比:1/1/1/1、1/0.5/0.5/0.5、1/0.4/0.4/1あるいは1/0.4/0.4/0.5);
ビスフェノールAとジフェニルテレフタレートとジメトキシジメチルシランとジフェニルカーボネート(モル比:1/1/1/1、1/0.5/0.5/0.5、1/0.4/0.4/1あるいは1/0.4/0.4/0.5);
ビスフェノールAとジフェニルテレフタレートとジフェニルイソフタレートとポリジメチルシロキサンとジフェニルカーボネート(モル比:1/0.5/0.5/1/1、1/0.25/0.25/0.5/0.5、1/0.2/0.2/0.4/1あるいは1/0.2/0.2/0.4/0.5);
ビスフェノールAとジフェニルイソフタレートとポリジメチルシロキサンとジフェニルカーボネート(モル比:1/1/1/1、1/0.5/0.5/0.5、1/0.4/0.4/1あるいは1/0.4/0.4/0.5);
ビスフェノールAとジフェニルテレフタレートとポリジメチルシロキサンとジフェニルカーボネート(モル比:1/1/1/1、1/0.5/0.5/0.5、1/0.4/0.4/1あるいは1/0.4/0.4/0.5);
ビスフェノールAとジフェニルテレフタレートとジフェニルイソフタレートとオクタメチルシクロテトラシロキサンとジフェニルカーボネート(モル比:1/0.5/0.5/1/1、1/0.25/0.25/0.5/0.5、1/0.2/0.2/0.4/1あるいは1/0.2/0.2/0.4/0.5);
ビスフェノールAとジフェニルイソフタレートとオクタメチルシクロテトラシロキサンとジフェニルカーボネート(モル比:1/1/1/1、1/0.5/0.5/0.5、1/0.4/0.4/1あるいは1/0.4/0.4/0.5);
ビスフェノールAとジフェニルテレフタレートとオクタメチルシクロテトラシロキサンとジフェニルカーボネート(モル比:1/1/1/1、1/0.5/0.5/0.5、1/0.4/0.4/1あるいは1/0.4/0.4/0.5);
ビスフェノールTMCとジフェニルテレフタレートとジフェニルイソフタレートとジメトキシジメチルシランとジフェニルカーボネート(モル比:1/0.5/0.5/1/1、1/0.25/0.25/0.5/0.5、1/0.2/0.2/0.4/1あるいは1/0.2/0.2/0.4/0.5);
ビスフェノールTMCとジフェニルイソフタレートとジメトキシジメチルシランとジフェニルカーボネート(モル比:1/1/1/1、1/0.5/0.5/0.5、1/0.4/0.4/1あるいは1/0.4/0.4/0.5);
ビスフェノールTMCとジフェニルテレフタレートとジメトキシジメチルシランとジフェニルカーボネート(モル比:1/1/1/1、1/0.5/0.5/0.5、1/0.4/0.4/1あるいは1/0.4/0.4/0.5);
ビスフェノールTMCとジフェニルテレフタレートとジフェニルイソフタレートとポリジメチルシロキサンとジフェニルカーボネート(モル比:1/0.5/0.5/1/1、1/0.25/0.25/0.5/0.5、1/0.2/0.2/0.4/1あるいは1/0.2/0.2/0.4/0.5);
ビスフェノールTMCとジフェニルイソフタレートとポリジメチルシロキサンとジフェニルカーボネート(モル比:1/1/1/1、1/0.5/0.5/0.5、1/0.4/0.4/1あるいは1/0.4/0.4/0.5);
ビスフェノールTMCとジフェニルテレフタレートとポリジメチルシロキサンとジフェニルカーボネート(モル比:1/1/1/1、1/0.5/0.5/0.5、1/0.4/0.4/1あるいは1/0.4/0.4/0.5);
ビスフェノールTMCとジフェニルテレフタレートとジフェニルイソフタレートとオクタメチルシクロテトラシロキサンとジフェニルカーボネート(モル比:1/0.5/0.5/1/1、1/0.25/0.25/0.5/0.5、1/0.2/0.2/0.4/1あるいは1/0.2/0.2/0.4/0.5);
ビスフェノールTMCとジフェニルイソフタレートとオクタメチルシクロテトラシロキサンとジフェニルカーボネート(モル比:1/1/1/1、1/0.5/0.5/0.5、1/0.4/0.4/1あるいは1/0.4/0.4/0.5);および
ビスフェノールTMCとジフェニルテレフタレートとオクタメチルシクロテトラシロキサンとジフェニルカーボネート(モル比:1/1/1/1、1/0.5/0.5/0.5、1/0.4/0.4/1あるいは1/0.4/0.4/0.5)。
上記の組み合わせは、入手容易性、反応性、得られる共重合体の特性(例えば、耐熱性、機械的特性、難燃性)に特に優れる。とりわけ、ビスフェノールAとジフェニルテレフタレートとジフェニルイソフタレートとジメトキシジメチルシランとジフェニルカーボネート(モル比:1/0.5/0.5/1/1、1/0.25/0.25/0.5/0.5、1/0.2/0.2/0.4/1あるいは1/0.2/0.2/0.4/0.5);ビスフェノールAとジフェニルイソフタレートとジメトキシジメチルシランとジフェニルカーボネート(モル比:1/1/1/1、1/0.5/0.5/0.5、1/0.4/0.4/1あるいは1/0.4/0.4/0.5);ビスフェノールAとジフェニルテレフタレートとジメトキシジメチルシランとジフェニルカーボネート(モル比:1/1/1/1、1/0.5/0.5/0.5、1/0.4/0.4/1あるいは1/0.4/0.4/0.5)の組み合わせが好ましい。ビスフェノールAとジフェニルテレフタレートとジメトキシジメチルシランとジフェニルカーボネート(モル比;1/1/1/1、1/0.5/0.5/0.5、1/0.4/0.4/1、あるいは1/0.4/0.4/0.5)、ビスフェノールAとジフェニルテレフタレートとジフェニルイソフタレートとジメトキシジメチルシランとジフェニルカーボネート(モル比:1/0.5/0.5/1/1、1/0.2/0.2/0.4/1、1/0.25/0.25/0.5/0.5または1/0.2/0.2/0.4/0.5)の組み合わせが特に好ましい。
本発明に用いられる触媒としては、公知のエステル化またはエステル交換触媒が使用され得る。これらの触媒の具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウムのようなアルカリ土類金属、亜鉛、カドミウム、チタン、ジルコニウム、スズ、アンチモン、鉛、マンガン、コバルトのような遷移金属の、酢酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、酸化物、水酸化物、水素化物、アルコラートおよびフェノラートが挙げられる。これらのエステル化またはエステル交換触媒は、単独で用いても良く、または混合して用いても良い。
これらの触媒の中では、上記エステル化またはエステル交換反応の反応性と得られる共重合体の物性(例えば、耐熱性、機械的特性、色相)とのバランスを考慮すると、スズ系化合物が特に好ましい。スズ系化合物の具体例としては、アシル第一スズ、テトラアシル第二スズ、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズラウレート、ジメチルスズマレエート、スズジオクタノエート、スズテトラアセテート、塩化第一スズ、塩化第二スズ、酢酸第一スズ、トリクロロブチルスズ、ジクロロジブチルスズ、酸化第一スズ、および酸化第二スズが挙げられる。
これらの触媒の使用量は、特に制限されないが、得られるシロキサン系共重合体100重量部に対して、好ましくは0.0001重量部から1.0重量部の範囲で、より好ましくは0.0005重量部から0.1重量部の範囲が使用される。触媒の使用量が、0.0001重量部未満では、反応が十分に進行せず、そして1.0重量部より多ければ、生成するポリマーの着色が激しくなり、しかも耐加水分解性のような特性が不十分になる。
本発明の製造方法においては、異なる温度の2段階の工程を包含することが好ましい。第1工程では、常圧下、好ましくは80℃から250℃、より好ましくは120℃から230℃で加熱して反応を行う。それに続く第2工程では、減圧下(好ましくは6Paから133Pa、より好ましくは6Paから66Pa)、好ましくは200℃から400℃、より好ましくは230℃から320℃で反応系を加熱して反応を行う。このような異なる温度の2段階の工程を包含する反応により、所望の分子量のシロキサン系共重合体が高収率で得られ得る。第1段階の反応を常圧下で行うことにより、未反応モノマーの留去が防止され得るからである。しかし本発明は、上記2段階工程を有する反応に限定されるものではなく、多段階の温度および圧力条件下にて反応を行っても良いし、あるいは同一の温度および圧力条件下にて反応を行っても良い。
本発明の製造方法において2段階の工程を包含する場合、第1工程で、ジオール、ジカーボネート、およびケイ素化合物(あるいはケイ素化合物およびジカルボン酸のジエステル)とのエステル交換反応が生起し、シロキサン系オリゴマーが得られる。次いで第2工程で、反応系を減圧下にすることにより、さらなるエステル交換反応が進行し、高分子量のシロキサン系共重合体が得られる。
本発明の製造方法においては、各反応成分の使用量および反応条件を適宜調節することによって、種々のシロキサン系共重合体を製造し得る。本発明の製造方法において、ジカルボン酸のジエステルをさらなる出発原料として用いる場合には、ジオールの1モルに対して、ジカルボン酸のジエステルおよびケイ素化合物を合計で1モル以上の割合で使用すると、ジオールとジカーボネートとの反応で生成すると考えられるカーボネート部分は重合時に完全に反応し、その結果カーボネート部分は消失する。この結果、ポリエステル−シロキサン系共重合体が得られる。これに対して、ジオールの1モルに対して、ジカルボン酸のジエステルおよびケイ素化合物を合計で1モル未満の割合で使用すると、カーボネート部分は重合時に完全には反応せず、その結果カーボネート部分が残存するために、ポリエステルカーボネート−シロキサン系共重合体が得られる。さらに、ジカルボン酸のジエステルを使用しない場合には、ポリカーボネート−シロキサン系共重合体が得られる。
本発明において、ジフェニルエーテル、ビフェニル、置換されたシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼンのような適切な補助溶媒、または生成するポリマーと相溶化しない非溶剤(例えば、ポリ(フッ化アルキレンオキシド))を用いても良い。本発明の製造方法では、ランダム共重合体が得られる。
本発明の製造方法により得られるシロキサン系共重合体は、好ましくはペレット化(チップ化)してから成形しても良く、または押出機等を用いて所望の形状に直接形成しても良い。
本発明の製造方法により得られるシロキサン系共重合体は公知の他の樹脂とブレンドしても良いし、かつ必要に応じて添加剤を加えても良い。
上記公知の他の樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホンのような熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、およびイソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリルゴムのようなエラストマーが挙げられる。上記添加剤の具体例としては、安定剤、顔料、染料、蛍光増白剤、核剤、重合促進剤、充填剤、および補強材(例えば、ガラス繊維、炭素繊維)が挙げられる。他の樹脂および/または添加剤と組み合わせて用いることにより、目的に応じて所望の特性(例えば、透明性、機械的特性、電気的特性、耐熱性、耐候性)を有する成形品を提供し得る樹脂組成物が得られ得る。
本発明の製造方法により得られるシロキサン系共重合体は、難燃性樹脂組成物の主成分として、あるいは公知の他の樹脂の難燃性を向上させるための難燃剤として(例えば、成形用樹脂組成物の難燃剤として)用いられ得る。ここで本明細書中で用いられる、用語「主成分」とは、組成物中の主要含有成分を意味する。
本発明の製造方法により得られるシロキサン系共重合体が難燃性樹脂組成物の主成分として用いられる場合(本発明のシロキサン系共重合体を少なくとも30重量%以上、好ましくは少なくとも50重量%以上含有する場合)には、その重量平均分子量は、好ましくは10,000から300,000であり、より好ましくは20,000から100,000であり、最も好ましくは40,000から80,000である。重量平均分子量が10,000未満の場合には、得られる成形品の機械的特性が不十分である場合が多く、300,000を超える場合には、組成物の成形加工性が不十分である場合が多い。一方、本発明の製造方法により得られるシロキサン系共重合体が難燃剤として用いられる場合(本発明のシロキサン系共重合体が組成物中に1.0重量%から30重量%未満まで、好ましくは、10重量%から20重量%未満まで含有される場合)には、その重量平均分子量は、好ましくは2,000から100,000であり、より好ましくは2,000から60,000であり、最も好ましくは5,000から40,000である。重量平均分子量が2,000未満の場合には、得られる成形品の機械的特性が不十分となり、100,000を超える場合には、組成物の成形加工性が不十分となる場合がある。
本発明の製造方法により得られるシロキサン系共重合体の分子量は、触媒の添加量の調節のような当業者に公知の方法により調節され得る。
本発明の製造方法により得られるシロキサン系共重合体は、優れた難燃性、透明性、および成形加工性(例えば、離型性、表面滑性)を有する。すなわち、本発明の製造方法により得られるシロキサン系共重合体は、従来のシロキサン系共重合体の利点を維持し、かつ従来のシロキサン系共重合体よりも優れた難燃性を有する。
本発明の製造方法により得られるシロキサン系共重合体は、成形品、繊維、フィラメント、フィルム等の製造のために広範に使用され得る。さらに、本発明の製造方法により得られるシロキサン系共重合体は、共重合体自身が有する優れた難燃性、透明性および成形加工性(例えば、離型性および表面滑性)を有するので、この共重合体と所望の特性を有する他の任意の樹脂とをブレンドすることにより、目的に応じた所望の特性と、優れた難燃性、透明性および成形加工性(例えば、離型性および表面滑性)とを同時に有する成形用樹脂組成物が得られる。このような成形用樹脂組成物は、高い耐熱性、強靭性、耐加水分解性、耐クリープ性等が要求される物品(例えば、家電分野、照明分野、および自動車分野における物品)に特に好適に使用され得る。
以下、作用について説明する。
本発明のシロキサン系共重合体の製造方法は、エステル化またはエステル交換触媒の存在下、少なくとも1種のジオールと、必要に応じてジカルボン酸のジエステルと、少なくとも1種のジカーボネートと、特定のケイ素化合物とを反応させる方法である。このような特定の出発原料を組み合わせることにより、優れた難燃性、透明性および成形加工性(例えば、離型性および表面滑性)を有するシロキサン系共重合体が得られる。しかも、これらの出発原料は、入手がきわめて容易であり、かつ、反応性に優れる。従って、このような特定の出発原料を組み合わせることにより、上記のような優れた特性を有するシロキサン系共重合体を簡便かつ安価に製造することが可能となる。以上のように、本発明の製造方法は、工業的および商業的にきわめて優れた利点を有する。
実施例
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において、適宜変更実施可能なものである。
なお、ポリマーの特性は以下に示す方法に従って測定した。
(1)ポリマーの重量平均分子量(Mw)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した。Waters社製510型GPCシステムを用いて、クロロホルムを移動相とし、ポリマー濃度2mg/mlでカラム温度35℃にて測定した。ポリスチレンを標準試料として用いて、重量平均分子量を算出した。
(2)ポリマーのガラス転移温度(Tg/℃)
Perkin-Elmer社製DSC−7を用いて、窒素気流下、昇温速度20℃/分の条件にて示差走査熱量測定を行った。
(3)ポリマーのケイ素(Si/重量%)原子含有量
ポリマーを硫酸で加熱処理後、炭酸ナトリウムおよび炭酸カルシウムを加え、そして電気炉で加熱処理した後、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析法により定量した。
(4)ポリマーの溶融粘度(Mv/ポイズ)
東洋精機製作所(株)製キャピログラフPD−Cを用いて、300℃、剪断速度1216sec-1の条件にて測定した。
(5)ポリマーの難燃性
ペレット化したポリマーを、120℃で15時間減圧乾燥した後、射出成形により1/8インチの試験片を作製し、UL−94V規格に従って評価した。
(6)ポリマーの透明性(T/%)
日本電色工業(株)製NDH−Σ80を用いて、射出成形により作成した1/8インチ厚の試験片の全光線透過率を測定した。
(実施例1)
撹拌翼、窒素導入口、冷却管、および留出口を備えた内容積14Lの反応容器に、1140g(5.0モル)のビスフェノールA(新日鐵化学(株)製)、1590g(5.0モル)のジフェニルテレフタレート、1070g(5.0モル)のジフェニルカーボネート(東京化成工業(株)製)、600g(5.0モル)のジメトキシジメチルシラン(東京化成工業(株)製)、585mg(1.7ミリモル)のジブチルスズジアセテートを仕込み、超高純度窒素にて脱気(60Pa)および窒素パージを3回繰り返し行った後、高純度窒素雰囲気下で、加熱を開始した。常圧下、内温180℃で30分間撹拌後、内温を210℃まで上昇させ、30分間撹拌した。次いで、内温を270℃まで60分間かけて上昇させ、反応容器の留出口より副生する留出物を60分間かけて除去した。反応系の圧力を133Paまで30分間かけて減少させ、次いで2時間保持した。撹拌停止後、窒素により反応系の圧力を大気圧まで戻し、得られたポリマーを反応容器から取り出した。次いで、このポリマーを塩化メチレンに溶解し、大量のヘキサン中に投入してポリマーを再沈させることにより精製した。
得られたポリマーのIRスペクトルを図1に示す。図1から分かるように、得られたポリマーにおいては、1740cm-1にエステル結合のカルボニル(C=O)の伸縮振動に由来する吸収が確認できた。さらに、得られたポリマーにおいては、910cm-1から940-1にSi−O−R(芳香族)結合のSi−O伸縮振動に由来する吸収が確認できた。また、得られたポリマーをアルカリ溶融したものをICP発光分光分析法により分析すると、ケイ素原子含有量は4.0重量%であった。以上の事実により、得られたポリマーが、ポリエステル−シロキサン系共重合体であることを確認した。
得られた共重合体を上記(1)〜(6)の評価に供した。評価結果を表1に示す。
(実施例2)
ジメトキシジメチルシランの代わりに、370g(繰り返し単位5.0モル)のポリジメチルシロキサン(信越化学工業(株)製シリコーンオイルKF968)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポリマーを得た。
実施例1と同様の分析により、得られたポリマーが、ポリエステル−シロキサン系共重合体であることを確認した。
得られた共重合体を上記(1)〜(6)の評価に供した。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
ジメトキシジメチルシランの代わりに、109g(繰り返し単位5.0モル)のポリメチルフェニルシロキサン(信越化学工業(株)製シリコーンオイルKF54)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポリマーを得た。
実施例1と同様の分析により、得られたポリマーが、ポリエステル−シロキサン系共重合体であることを確認した。
得られた共重合体を上記(1)〜(6)の評価に供した。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
ジフェニルテレフタレートの代わりに、795g(2.5モル)のジフェニルテレフタレートおよび795g(2.5モル)のジフェニルイソフタレートを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポリマーを得た。
実施例1と同様の分析により、得られたポリマーが、ポリエステル−シロキサン系共重合体であることを確認した。
得られた共重合体を上記(1)〜(6)の評価に供した。評価結果を表1に示す。
(実施例5)
ジフェニルテレフタレートの使用量を636g(2.0モル)とし、ジメトキシジメチルシランの使用量を240g(2.0モル)としたこと以外は、実施例1と同様にしてポリマーを得た。
得られたポリマーのIRスペクトルを図2に示す。図2から分かるように、得られたポリマーにおいては、1740cm-1にエステル結合のカルボニル(C=O)の伸縮振動、1775cm-1にカーボネート結合のカルボニル(C=O)の伸縮振動に由来する吸収が確認できた。さらに、得られたポリマーにおいては、910cm-1から940cm-1にSi−O−R(芳香族)結合のSi−O伸縮振動に由来する吸収が確認できた。得られたポリマーをアルカリ溶融したものをICP発光分光分析法により分析すると、ケイ素原子含有量は2.2重量%であった。以上の事実により、得られたポリマーが、ポリエステルカーボネート−シロキサン系共重合体であることを確認した。
得られた共重合体を上記(1)〜(6)の評価に供した。評価結果を表1に示す。
(実施例6)
ビスフェノールAの代わりに、1750g(5.0モル)の9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(新日鐵化学(株)製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポリマーを得た。
実施例1と同様の分析により、得られたポリマーが、ポリエステル−シロキサン系共重合体であることを確認した。
得られた共重合体を上記(1)、(3)、(5)および(6)の評価に供した。評価結果を表1に示す。
(実施例7)
ジフェニルテレフタレートを使用せず、ジメトキシジメチルシランの使用量を120g(1.0モル)としたこと以外は、実施例1と同様にしてポリマーを得た。
得られたポリマーのIRスペクトルを図3に示す。図3から分かるように、得られたポリマーにおいては、1775cm-1にカーボネート結合のカルボニル(C=O)の伸縮振動に由来する吸収が確認できた。さらに、得られたポリマーにおいては、910cm-1から940cm-1にSi−O−R(芳香族)結合のSi−O伸縮振動に由来する吸収が確認できた。得られたポリマーをアルカリ溶融したものをICP発光分光分析法により分析すると、ケイ素原子含有量は2.0重量%であった。以上の事実により、得られたポリマーが、ポリカーボネート−シロキサン系共重合体であることを確認した。
得られた共重合体を上記(1)〜(6)の評価に供した。評価結果を表1に示す。
(実施例8)
ジメトキシジメチルシランの代わりに、74g(繰り返し単位1.0モル)のポリジメチルシロキサン(信越化学工業(株)シリコーンオイルKF968)を用いたこと以外は、実施例7と同様にしてポリマーを得た。
実施例1と同様の分析により、得られたポリマーが、ポリカーボネート−シロキサン系共重合体であることを確認した。
得られた共重合体を上記(1)〜(6)の評価に供した。評価結果を表1に示す。
(実施例9)
ジメトキシジメチルシランの代わりに、109g(繰り返し単位1.0モル)のポリメチルフェニルシロキサン(信越化学工業(株)シリコーンオイルKF54)を用いたこと以外は、実施例7と同様にしてポリマーを得た。
実施例1と同様の分析により、得られたポリマーが、ポリカーボネート−シロキサン系共重合体であることを確認した。
得られた共重合体を上記(1)〜(6)の評価に供した。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
市販のポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製パンライトL−1250)を上記(1)、(2)、(4)〜(6)の評価に供した。評価結果を表1に示す。
表1から分かるように、本発明の製造方法により得られるシロキサン系共重合体は、上記ポリカーボネート樹脂と同等のまたはより優れた透明性、成形加工性(例えば、離型性および表面滑性)を有している。しかも本発明の製造方法により得られるシロキサン系重合体は、上記ポリカーボネート樹脂と比較して、難燃性が顕著に向上していることがわかる。
(実施例10)
実施例1および7で得られたポリマーを、市販のポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製パンライトL−1250)100重量部に対して30重量部添加し、そして二軸押出機(日本製鋼所(株)製LABOTEX)を用いて溶融混練して、それぞれペレット状の樹脂組成物を得た。これらの樹脂組成物を射出成形することにより1/8インチの試験片を作製し、そしてその難燃性をそれぞれ評価した。ポリカーボネート樹脂単独(上記比較例1)では、UL−94V規格に従った難燃性の評価はV−2であった。これに対して、実施例1および実施例7で得られたシロキサン系重合体を含有する樹脂組成物の評価は共にV−0であった。このように、本発明の製造方法により得られるシロキサン系共重合体は、公知の熱可塑性樹脂に難燃性を付与する難燃剤としても優れた機能を有していることが確認された。
本発明によれば、従来法により得られるシロキサン系共重合体と比較して、より優れた難燃性、透明性、成形加工性(例えば、離型性および表面滑性)を有するシロキサン系共重合体の製造方法であって、より簡便および安価に実施され得るシロキサン系共重合体の製造方法が提供される。さらに、本発明によれば、このような製造方法により得られるシロキサン系共重合体を含有する、難燃性および成形加工性に優れた樹脂組成物が提供される。
産業上の利用の可能性
本発明の製造方法により得られるシロキサン系共重合体は、難燃性、透明性、成形加工性(例えば、離型性および表面活性)に優れており、さらに他の優れた特性を維持しつつ難燃性に特に優れる。従って、本発明の製造方法により得られるシロキサン系共重合体は、耐熱性が要求される物品に特に有効である。本発明の製造方法により得られるシロキサン系共重合体はまた、難燃性樹脂組成物または成形性樹脂組成物の主成分として有用であり、そして他の樹脂の難燃性を向上させるための難燃剤としても有用である。
従って、本発明の製造方法により得られるシロキサン系共重合体、およびそれを含有する難燃性樹脂組成物、ならびに成形用組成物は、例えば、電気分野、照明分野、および自動車分野における物品における物品に特に好適である。
Claims (11)
- 少なくとも1種のジカルボン酸のジエステルを、共重合成分としてさらに反応させる、請求項1に記載の製造方法であって、該ジカルボン酸のジエステルが、以下の一般式(IV)で表される、製造方法:
ここで、R8は、非置換の、または水素原子の少なくとも一部が、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基およびフェノキシ基から選択される少なくとも1種の基で置換された、1個から20個の炭素原子を有する2価の炭化水素基;あるいは、-R10−D−R11-であり、そしてR9は、1個から20個の炭素原子を有する炭化水素基であり、
ここで、R10およびR11は、それぞれ独立して、6個から20個の炭素原子を有する2価の芳香族炭化水素基であり;そしてDは単結合、-O-、-S-、-SO-、-SO2-、-CO-、および1個から20個の炭素原子を有する2価の炭化水素基からなる群から選択される。 - 前記ケイ素化合物が、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、およびオクタフェニルシクロテトラシロキサンからなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記ジオールが、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロへキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンからなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記ジカルボン酸のジエステルが、ジフェニルテレフタレート、ジフェニルイソフタレート、ジメチルテレフタレート、およびジメチルイソフタレートからなる群から選択される少なくとも一種である、請求項3に記載の製造方法。
- 前記ジカーボネートが、ジフェニルカーボネートである、請求項1に記載の製造方法。
- 前記エステル化またはエステル交換触媒が、スズ系化合物である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記エステル化またはエステル交換触媒が、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、カドミウム、チタン、ジルコニウム、アンチモン、鉛、マンガン、およびコバルトからなる群から選択される金属の、酢酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、酸化物、水酸化物、水素化物、アルコラート、およびフェノラートからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記エステル化またはエステル交換触媒が、得られるシロキサン系共重合体100重量部に対して、0.0001重量部から1.0重量部の範囲で使用される、請求項1に記載の製造方法。
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