JP3898291B2 - エアゾール製品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエアゾール製品に関する。さらに詳しくは内筒がガス透過性を有する二重容器からなるエアゾール製品であって、内筒内部に透過した圧縮ガスが気体の状態では噴射されにくいエアゾール製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エアゾール製品の内容物を細かい霧状の粒にして噴霧したり、または発泡状態で吐出するために、噴射剤として、あらかじめエアゾール容器内に炭酸ガス(CO2)などの圧縮ガスを充填し、内容物に溶解させている。
【0003】
従来の一重缶を用いたエアゾール製品では、内容物を噴霧するにしたがって、容器内部の圧力が減少していく。それにより、圧縮ガスの溶解量が減少し、内容物の霧の粒を細かくする作用を維持することが困難になる。しかも、内容物から抜けてきた圧縮ガスは、噴射したときに出ていくため、圧力降下が大きい。したがって、圧縮ガスの初期圧を高くしたり、ガスの充填率を高くしておく必要がある。
【0004】
また、誤操作したばあい(たとえば、正立仕様にもかかわらず倒立で使用したばあい)、ガスのみが噴射され、製品圧力が著しく降下してしまう。従来この問題を解決する手段としては、バルブに備わっているチューブの先端に重りの付いた製品があるが、重りが充分に作動しないなどの原因によって、確実ではない。
【0005】
そこで、かかる問題を解決すべく、噴霧回数が増えていっても圧縮ガスの溶解量の減少を抑えることができるように、内筒および外筒からなる二重容器を用いたエアゾール製品が提案されている(特開平8−253408号)。
【0006】
この二重容器を用いたエアゾール製品では、内容物が内筒内部に充填され、当該内容物に圧縮ガスが溶解され、内筒と外筒とのあいだの空間部には、液化石油ガス(LPG)、チッ素などの圧縮ガスが充填されている。内筒はアルミニウムまたは合成樹脂などからなる可撓性を有する袋体からなるため、使用するに従って、内筒中の内容物が減少しても前記圧縮ガスからの圧力によって内筒が収縮するため、内容物中の圧縮ガスの溶解量の減少を防止することができる。
【0007】
さらに、バルブの底部に設けられた排出口と内容物(原液)は常に接触しているので、いかなる方向でも使用が可能であり、誤使用によるガス抜けの心配がない。
【0008】
しかしながら、前記従来の二重容器を用いたエアゾール製品では、内筒がガスを透過しないため、内容物に溶解される圧縮ガスとは別に内筒を収縮させるための圧縮ガスを充填する必要があり、製造の手間がかかる。
【0009】
そこで、本発明者らは、鋭意研究の末、前記一重缶および二重容器のかかえる問題を両方解消すべく、圧縮ガスの初期圧を低くすることができ、しかも製造が容易な図11に示される二重エアゾール容器を発明した(特願平9−51500号)。
【0010】
図11に示されるエアゾール容器は、ガス透過性を有する内筒21内部の内容物Aが内筒21と外筒22とのあいだの空間部27内部の圧縮ガスBにより押し出される二重容器であり、前記内筒21を収納する外筒22上には噴射バルブ23を支持するマウンテンカップ24が液密に嵌着されている。前記噴射バルブ23は、上から順にバルブステム26、バルブハウジング25、ガス抜き治具29および排出導管30が垂直配置されたものである。なお、28は、ガス抜き治具29を構成する、先端28aが尖った先鋭突起である。また、ボタン34は、ボタン本体34aの前面に設けられたノズル34bの裏面(具体的には、ノズル34bとセンターポストチップ34cとのあいだ)に、内容物が通る溝34dを設け、この溝34dにより、内容物が旋回し、細かい粒子となって噴射される機構(一般にメカニカルブレークアップ機構とよばれるもの)を備えている。
【0011】
圧縮ガスBは、空間部27内部に充填され、その一部が前記ガス透過性を有する内筒21を通過して内容物Aに溶解している。圧縮ガスBの充填は、一重缶と同じ従来公知の方法を用いることができる。たとえば、内容物A(原液)を内筒21に充填し、噴射バルブ23を外筒22上に載せ、ついで内筒21と外筒22とのすき間から後述の混合した圧縮ガスを充填し、そののち、噴射バルブ23(具体的には、マウンテンカップ24)をクリンプすればよい。この充填方法によって、容易にエアゾール製品を製造することができる。しかも、他の二重容器と同様に圧縮ガスの初期圧を一重缶のばあいより低くすることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図11のようなエアゾール製品のばあい、噴射により、内筒21内部の内容物Aの一部が減少すれば、図12のごとく内筒21が横方向につぶれ(このとき、内筒21の上下2箇所に液だまりができる)、そののち、図13のように、内筒21内部の圧力および空間部27の圧力が平衡圧になる(すなわち、内筒21内外の圧力が平衡圧になる)まで、前記内筒21の内部の残りの内容物Aに溶解された圧縮ガスの一部が発泡することにより、内筒21の上部にガスだまりCができる。なお、図13の状態では、バルブハウジング25の内部に内容物が残っている。
【0013】
ここで、ガスだまりCの発生についてさらに詳しく説明する。空間部27における噴射直前の圧力をP1、噴射直後の圧力をP2とすると、内容物Aを噴射することにより、噴射された内容物Aの容積だけ空間部27の容積が大きくなるため、ボイルの法則より、それに反比例してP2はP1よりも小さくなる。
【0014】
一方、気体の液体に対する溶解度は、圧力に比例するため、圧力P2における溶解度は、P1における溶解度よりも小さくなるため、内容物Aに溶解していた圧縮ガス(炭酸ガスなど)の一部が発泡(気化)してガスだまりCができる。このとき、内筒21内部の圧縮ガス(炭酸ガス)が気化した容積分だけ、空間部27の容積は小さくなるため、圧力P2は若干大きくなる(このときの圧力をP3とすると、P1>P3>P2の関係になる)。圧縮ガスの気化が止まり、P3が安定したときが平衡状態であり、このときの内筒内外の圧力が平衡圧になる。
【0015】
ガスだまりCができれば、次回エアゾール容器を正立状態(噴射バルブ23が容器の上に位置する状態)のまま噴射するとバルブ底部に設けられた排出口と内容物A(原液)は接触していないので、原液とガスの通路抵抗の差により、原液が飛び散る。さらに噴射し続けると内容物Aが出ずにガスのみを噴射(いわゆる、ガスぬけ)するのでガスのロスとなる。しかも、ガスぬけによって内筒21内部の圧力低下が早くなるため、内容物が噴射されずに内筒21内部に残留するという問題がある。そのため、ガスぬけしないようにエアゾール容器を倒立状態(噴射バルブ23が容器の下に位置する状態)で使用せざるをえず、エアゾール容器の使用状態が制限される。
【0016】
また、図12のように内筒21が横方向につぶれても上下の液だまりのあいだで連通できるように、図14のように、内筒21の内部に連通用の通路を確保するために、横孔32が形成されたダミーチューブ31を収容することが考えられる。
【0017】
しかし、図14のダミーチューブ31を設けたばあいも、図11のチューブなしのばあいと同様に、内容物Aを噴射すれば、図13のように内筒上部ガスだまりCができるとともに次回に前記正立状態のまま噴射すればガスぬけする。したがって、図14のダミーチューブありのばあいも、ガスぬけしないように前記倒立状態での使用に制限される。
【0018】
また、図11のエアゾール容器に対してさらに下端開口33aが内筒21の底部に位置するチューブ33を排出導管30に接続することも考えられる。このエアゾール容器のばあい、正立状態で使用すれば、ガスぬけしないが、倒立状態ではガスぬけするため、正立状態の使用に制限される。
【0019】
本発明はかかる問題を解消するためになされたものであり、内筒がガス透過性を有する二重容器からなるエアゾール製品であって、内筒内部に透過した圧縮ガスが気体の状態では噴射されにくいエアゾール製品を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のエアゾール製品は、内筒を収容する外筒上に噴射バルブが嵌着されてなるエアゾール容器の内筒内部に内容物が充填され、外筒と内筒とのあいだの空間部に圧縮ガスが充填され、
前記内筒がガス透過性であり、前記圧縮ガスの一部が前記内筒を透過して内容物に溶解され、
しかも、前記内筒内部の内容物の一部が前記エアゾール容器外部へ噴射されたのちに内筒内部の残りの内容物に溶解された圧縮ガスの一部が発泡することにより、前記内筒内部の圧力および前記空間部内部の圧力が平衡圧に保たれてなるエアゾール製品であって、
前記内筒内部において、前記噴射バルブの底部に設けられた排出口にはチューブがその上端開口において連結され、
該チューブの下端開口が、前記内筒の軸方向におけるほぼ中間位置に配置されることにより、前記内筒内部に透過した圧縮ガスが内容物に溶解された状態で噴射され、一方、気体の状態では噴射されにくいことを特徴としている。
【0021】
請求項2記載のエアゾール製品は、内筒を収容する外筒上に噴射バルブが嵌着されてなるエアゾール容器の内筒内部に内容物が充填され、外筒と内筒とのあいだの空間部に圧縮ガスが充填され、
前記内筒がガス透過性であり、前記圧縮ガスの一部が前記内筒を透過して内容物に溶解され、
しかも、前記内筒内部の内容物の一部が前記エアゾール容器外部へ噴射されたのちに内筒内部の残りの内容物に溶解された圧縮ガスの一部が発泡することにより、前記内筒内部の圧力および前記空間部内部の圧力が平衡圧に保たれてなるエアゾール製品であって、
前記内筒内部において、前記噴射バルブの底部に設けられた排出口にはチューブがその上端開口において連結され、
該チューブの下端開口が前記内筒の下半分内部に位置しており、
前記チューブの側面であって、前記内筒の軸方向におけるほぼ中間位置には、内容物を導入するための内容物導入孔が形成されることにより、前記内筒内部に透過した圧縮ガスが内容物に溶解された状態で噴射され、一方、気体の状態では噴射されにくいことを特徴としている。
【0022】
前記内容物導入孔の直径が0.5〜5mm程度であるのが好ましい。
【0023】
前記チューブの側面であって、前記内容物導入孔より下方に位置には、内容物の通路を確保するための少なくとも1個の孔が形成されてなるのが好ましい。
【0024】
前記内筒がオレフィン系樹脂からなるのが好ましい。
【0025】
前記内筒がポリエチレンまたはポリプロピレンからなるのが好ましい。
【0026】
本発明によれば、噴射バルブ底部の内筒内部の排出口にチューブが連結され、かつ当該チューブの下端開口、またはチューブ側面に形成された内容物導入孔が内筒の軸方向におけるほぼ中間位置に位置している。したがって、内容物の噴射後において、内筒上部にガスだまりが発生しても、前記下端開口または内容物導入孔は、エアゾール容器が正立状態または倒立状態のいずれのばあいでも、内容物中に位置している。そのため、内筒内部に透過した圧縮ガスが内容物に溶解された状態で確実に噴射され、一方、気体の状態では噴射されにくくなる。したがって、噴射状態(正立状態または倒立状態)に関係なく(いわゆるポジションフリーで)内容物を全量噴射することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
つぎに、図面を参照しながら、本発明のエアゾール製品を詳細に説明する。図1は本発明のエアゾール製品の一実施例を示す断面説明図、図2は図1のエアゾール製品の噴射後の正立状態を示す断面説明図、図3は図1のエアゾール製品の噴射後の倒立状態を示す断面説明図、図4は本発明のエアゾール製品の他の実施例を示す断面説明図、図5は図4のエアゾール製品の噴射後の正立状態を示す断面説明図および図6は図4のエアゾール製品の噴射後の倒立状態を示す断面説明図である。
【0028】
図1に示されるエアゾール容器は、ガス透過性を有する内筒1内部の内容物Aが内筒1と外筒2とのあいだの空間部7内部の圧縮ガスBにより押し出される、いわゆる二重圧力容器であり、前記内筒1を収納する外筒2上には噴射バルブ3を支持するマウンテンカップ4が液密に嵌着されている。
【0029】
前記内筒1内部において、前記噴射バルブ3の底部には、噴射バルブ3内に導入するための排出導管10が設けられている。排出導管10には、チューブ11がその上端開口11bにおいて連結されている。
【0030】
図1のチューブ11は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの材料から作製され、下端開口11aが前記内筒1の軸方向におけるほぼ中間位置に位置している。
【0031】
したがって、図2に示されるように、内容物Aの噴射後において、内筒1上部にガスだまりCが発生しても、前記下端開口11aは、エアゾール容器が正立状態(図2参照)または倒立状態(図3参照)のいずれのばあいでも、内容物A中に位置している。そのため、噴射状態に関係なく、ガスぬけすることなく内容物を全量噴射することができる。
【0032】
なお、図2〜3において、噴射により内容物Aが減少しても、それに対応して内筒1がつぶれていくため、内容物Aの液面は下端開口11aより常に上にある。その結果、ガスぬけの心配はない。
【0033】
また、図1に示されるエアゾール容器には、内筒1内の内容物Aが所定量以上減少したときに内筒1を突き刺して空間部7内部の圧縮ガスBを噴射バルブ3のバルブステム6を通して容器外へ確実に排出させることができるように、ガス抜き治具9が前記バルブハウジング5の下部に取り付けられている。ガス抜き治具9は、外周部位に前記内筒1の内壁に向けて傾斜し、先端8aが尖っている三角錐状の先鋭突起8から構成されている。先鋭突起8の底部には、前記排出導管10が支持されている。
【0034】
バルブステム6の上端には、ボタン13が嵌合されている。本発明では、ボタン13についてとくに限定しないが、たとえば、図1〜6に示されるように、ボタン本体13aの前面に設けられたノズル13bの裏面(具体的には、ノズル13bとセンターポストチップ13cとのあいだ)に、内容物が通る溝13dを設け、この溝13dにより内容物が旋回し、細かい粒子となって噴射される機構(一般にメカニカルブレークアップとよばれるもの)を備えたボタンを採用するのが好ましい。
【0035】
また、図8に示されるように、ノズル13bの先端が略円錐形状または三角錘形状を呈するボタン13を採用してもよく、このばあい、内容物が勢いよく噴射される。さらに、ボタン13の代わりに図9に示される正立用スパウト14または図10に示される倒立用スパウト15を採用してもよい。
【0036】
内筒1は、ガス透過性を有する材料によって作製されている。内筒1は、酸やアルカリに対する耐薬品性とガス透過性に優れたオレフィン系樹脂のうち、とくに安価なポリプロピレン(PP)またはポリエチレン(PE)などによって作製されるのが好ましい。
【0037】
圧縮ガスBは、空間部7内部に充填され、その一部が前記ガス透過性を有する内筒1を通過して内容物Aに溶解している。圧縮ガスBの充填は、一重缶と同じ従来公知の方法を用いることができる。たとえば、内容物A(原液)を内筒1に充填し、噴射バルブ3を外筒2上に載せ、ついで内筒1と外筒2とのすき間から後述の混合した圧縮ガスを充填し、そののち、噴射バルブ3(具体的には、マウンテンカップ4)をクリンプすればよい。この充填方法は、二重容器では今までにない簡便な充填方法である。しかも、従来の二重容器と同様に、圧縮ガスの初期圧を一重缶のばあいより、低くすることができる。
【0038】
圧縮ガスBは、2つの機能、すなわち、内容物Aに溶解して内容物Aを細かい霧状の粒にして噴霧したりまたは発泡状態で吐出する機能、および内筒1を収縮させる機能を奏する少なくとも1種のガスによって組成され、たとえば、従来から用いられる炭酸ガス(CO2)、チッ素(N2)、酸素(O2)、亜酸化チッ素(N2O)または空気などから選定される。ただし、前記液化石油ガスなどの液化ガスと比較して、他の炭酸ガス、チッ素、酸素、亜酸化チッ素を用いたばあい、低温時に製品圧力が低くならないので内筒1が裂ける心配がない。
【0039】
そのうち、とくに前記内容物Aに対するオストワルド係数が20〜25℃において0.5以上である第1圧縮ガスおよび0.3以下である第2圧縮ガスの混合ガスからなるのが好ましい。この混合ガスを用いることにより、第1圧縮ガスを主として前記内筒1に透過させて内容物Aに溶解させ、一方、内容物Aに溶けにくい第2圧縮ガスを主とした残りのガス(図1における圧縮ガスB)を用いて前記内筒Aを収縮させることができる。このばあい、第1圧縮ガスのみの圧縮ガスのばあい(たとえば、後述する炭酸ガスのみのばあい)と比較して内筒内部の圧力降下が小さくなるため、内容物の充填量を外筒の内容積に対して70%程度まで確保することができ、しかもガスだまりCの発生を抑制することができる。
【0040】
なお、第1圧縮ガスのオストワルド係数は、圧縮ガスとしての性能を発揮したり、または発泡剤として作用するために溶解度の大きいものが好ましく、0.5以上であることが好ましい。一方、第2圧縮ガスのオストワルド係数は、加圧剤として作用するために溶解度の小さなものが好ましく、0.3以下であることが好ましい。
【0041】
また、図1の短いチューブ11を用いる代わりに図4に示されるチューブ12を用いてもよい。なお、図4において、図1中の符号と同一の符号を付したものについては、図1中の構成要素と共通しているものとする。
【0042】
図4において、排出導管10には、チューブ12がその上端開口12bにおいて連結されている。
【0043】
図4のチューブ12は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの材料から作製され、下端開口12aが前記内筒1の下半分内部(とくに好ましくは底部付近)に位置している。しかも、前記チューブ12の側面であって、前記内筒1の軸方向におけるほぼ中間位置には、内容物Aを導入するための内容物導入孔12cが形成されている。
【0044】
前記内容物導入孔12cの直径は、とくに限定されるものではないが、図4のように内筒1が横方向につぶれかかったときでも円滑に内容物Aを導入できるように、0.5〜5mm程度に設定されるのが好ましい。
【0045】
しかも、前記チューブ12の側面であって、前記内容物Aの通路を確保するための複数個の孔12dが形成されている。そのため、図5のように内筒1が横方向にへこんでも、孔12dによって、内筒1の下半分にある内容物Aのための通路が確保され、その結果、内容物Aを円滑に導入することができる。
【0046】
なお、図4のチューブ12には、孔12dが複数個形成されているが、本発明では個数および位置についてとくに限定されるものではなく、適宜の位置に孔12dを少なくとも1個形成すればよい。また孔12dがなくても下端開口12aから内筒1の下半分の内容物Aを導入することができる。
【0047】
以上のごとく構成された図4のエアゾール製品は、内容物Aの噴射後において、内筒1上部にガスだまりCが発生しても、前記内容物導入孔12cは、エアゾール容器が正立状態(図5参照)または倒立状態(図6参照)のいずれのばあいでも、内容物A中に位置している。そのため、噴射状態に関係なく、ガスぬけすることなく内容物を全量噴射することができる。
【0048】
なお、図5〜6において、噴射により内容物Aが減少しても、それに対応して内筒1がつぶれていくため、内容物Aの液面は内容物導入孔12cより常に上にある。その結果、ガスぬけの心配はない。
【0049】
また、図6の倒立状態において、下端開口12aおよび横穴12dがガスだまりCに露出しているが、噴射バルブ3に最も近い内容物導入孔12cが内容物A中にあるのでガスぬけしない。
【0050】
実施例1
つぎに本発明の実施例であるエアゾール製品(以下、発明品という)と従来の技術を適用したエアゾール製品1〜2(以下、比較品1〜2という)とを比較しながら、累積される噴射時間に対する製品圧力(初期圧または噴射後の平衡圧力)の変化を以下の方法により調べた。
【0051】
Figure 0003898291
【0052】
比較品1では倒立で、比較品2では正立で噴射するとガスぬけが起こり、発明品と比較して製品圧力の大幅な低下がみられた(表1およびそれに対応する図7のグラフ参照)。
【0053】
【表1】
Figure 0003898291
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、内筒内部に透過した圧縮ガスが内容物に溶解された状態で確実に噴射され、一方、気体の状態では噴射されにくくなる。したがって、エアゾール容器が正立状態または倒立状態のいずれのばあいでも内容物の全量の噴射が可能である。その結果、本発明のエアゾール製品は、内容物の残量が少なくなってもポジションフリーで使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアゾール製品の一実施例を示す断面説明図である。
【図2】図1のエアゾール製品の噴射後の正立状態を示す断面説明図である。
【図3】図1のエアゾール製品の噴射後の倒立状態を示す断面説明図である。
【図4】本発明のエアゾール製品の他の実施例を示す断面説明図である。
【図5】図4のエアゾール製品の噴射後の状態を示す断面説明図である。
【図6】図4のエアゾール製品の倒立状態を示す断面説明図である。
【図7】エアゾール製品の噴射時間に対する製品圧力の変化を示したグラフである。
【図8】図1のエアゾール製品に採用されうるボタンの他の例を示す断面説明図である。
【図9】図1のエアゾール製品に採用されうる正立用スパウトの断面説明図である。
【図10】図1のエアゾール製品に採用されうる倒立用スパウトの断面説明図である。
【図11】従来のガス透過性の内筒を有する二重容器からなるエアゾール製品の断面図である。
【図12】図11のエアゾール製品の噴射後の状態を示す断面説明図である。
【図13】図11のエアゾール製品の噴射後に放置された状態を示す断面図である。
【図14】従来のダミーチューブを有するエアゾール製品の断面図である。
【符号の説明】
1 内筒
2 外筒
3 噴射バルブ
11、12 チューブ
11a 下端開口
12c 内容物導入孔

Claims (6)

  1. 内筒を収容する外筒上に噴射バルブが嵌着されてなるエアゾール容器の内筒内部に内容物が充填され、外筒と内筒とのあいだの空間部に圧縮ガスが充填され、
    前記内筒がガス透過性であり、前記圧縮ガスの一部が前記内筒を透過して内容物に溶解され、
    しかも、前記内筒内部の内容物の一部が前記エアゾール容器外部へ噴射されたのちに内筒内部の残りの内容物に溶解された圧縮ガスの一部が発泡することにより、前記内筒内部の圧力および前記空間部内部の圧力が平衡圧に保たれてなるエアゾール製品であって、
    前記内筒内部において、前記噴射バルブの底部に設けられた排出口にはチューブがその上端開口において連結され、
    該チューブの下端開口が、前記内筒の軸方向におけるほぼ中間位置に配置されることにより、前記内筒内部に透過した圧縮ガスが内容物に溶解された状態で噴射され、一方、気体の状態では噴射されにくいエアゾール製品。
  2. 内筒を収容する外筒上に噴射バルブが嵌着されてなるエアゾール容器の内筒内部に内容物が充填され、外筒と内筒とのあいだの空間部に圧縮ガスが充填され、
    前記内筒がガス透過性であり、前記圧縮ガスの一部が前記内筒を透過して内容物に溶解され、
    しかも、前記内筒内部の内容物の一部が前記エアゾール容器外部へ噴射されたのちに内筒内部の残りの内容物に溶解された圧縮ガスの一部が発泡することにより、前記内筒内部の圧力および前記空間部内部の圧力が平衡圧に保たれてなるエアゾール製品であって、
    前記内筒内部において、前記噴射バルブの底部に設けられた排出口にはチューブがその上端開口において連結され、
    該チューブの下端開口が前記内筒の下半分内部に位置しており、
    前記チューブの側面であって、前記内筒の軸方向におけるほぼ中間位置には、内容物を導入するための内容物導入孔が形成されることにより、前記内筒内部に透過した圧縮ガスが内容物に溶解された状態で噴射され、一方、気体の状態では噴射されにくいエアゾール製品。
  3. 前記内容物導入孔の直径が0.5〜5mm程度である請求項2記載のエアゾール製品。
  4. 前記チューブの側面であって、前記内容物導入孔より下方に位置には、内容物の通路を確保するための少なくとも1個の孔が形成されてなる請求項2または3記載のエアゾール製品。
  5. 前記内筒がオレフィン系樹脂からなる請求項1、2、3または4記載のエアゾール製品。
  6. 前記内筒がポリエチレンまたはポリプロピレンからなる請求項5記載のエアゾール製品。
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