JP3898254B2 - モータ制御装置及びそれを用いた空調機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、交流電源電圧を整流して所望の直流電圧に変換するコンバータ回路と該コンバータ回路から出力される直流電圧を交流電圧に変換してモータを付勢するインバータ回路を組み合わせたモータ制御装置及び該モータ制御装置によって運転制御されるモータを動力源とする空調機に関する。
【0002】
【従来の技術】
交流電源電圧を整流して直流電圧に変換する整流回路を備えた電源回路とモータ駆動回路を組み合わせてモータの運転制御を行うモータ制御装置として特開平6-105563号公報に記載された装置がある。この装置は、電源電流の高調波成分の抑制と直流電圧の制御を行う昇圧チョッパ回路を用いた力率改善形コンバータ回路と、モータを駆動するインバータ回路を備え、低負荷時は直流電圧を力率改善を行える最低電圧値に制御し、インバータ回路によるPWM(Pulse Width Modulation)制御によってモータの速度制御を行い、高負荷時には、インバータ回路の通流率を100%に制御し、コンバータ回路によるPAM(Pulse Amplitude Modulation)制御によって直流電圧の大きさを制御してモータの速度制御を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この従来装置の方式では、モータの速度制御を実現するために、インバータ回路によるPWM制御とコンバータ回路によるPAM制御の2種類の制御をそれぞれ別個に行っていた。そのため、制御回路(マイコン)は、速度偏差から少なくとも2種類の異なった演算を行なうことが必要であり、制御信号を出力する2つの出力ポートが必要であり、従って、出力ポートが1つしか使用できないような制御回路或いは演算速度の遅い制御回路では実施することができなかつた。
【0004】
本発明の1つの目的は、前記した従来技術の欠点をなくし、1つのPWM出力ポートから出力する制御信号によってインバータ回路とコンバータ回路を安定に制御し、モータを円滑に制御することができるモータ制御装置を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、出力ポートの少ない安価な制御回路(マイコンやハイブリッドICなど)を使用して構成したモータ制御装置により運転制御されるモータを使用した空調機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、交流電源電圧を直流電圧に変換する整流回路と前記直流電圧の大きさを制御するチョッパ回路とを備えたコンバータ回路と、前記コンバータ回路から受電した直流電圧を交流電圧に変換してモータに出力するインバータ回路と、前記チョッパ回路のスイッチング動作を制御するコンバータ制御回路と、前記インバータ回路のスイッチング動作を制御しモータを駆動するインバータ制御回路と、前記コンバータ制御回路と前記インバータ制御回路を制御する制御信号を発生する制御回路とを備えたモータ制御装置において、前記制御回路は、前記コンバータ制御回路を制御する制御信号と前記インバータ制御回路を制御する制御信号を出力する1つの出力ポートを備え、前記1つの出力ポートを前記コンバータ制御回路と、インバータ制御回路に選択的に接続して出力ポートから出力される制御信号を振り分ける切り替え回路と、前記出力ポートと切り替え回路の間に介在させた信号レベル規定回路とを設け、前記切り替え回路は、前記制御回路が算出した前記インバータ回路の通流率が100%未満の場合は、前記制御回路を前記インバータ回路のPWM制御に切り替え、前記制御回路が算出した前記インバータ回路の通流率が100%以上の場合には、前記制御回路を前記コンバータ回路のPAM制御に切り替え、前記通流率を100%にしたまま、前記コンバータ回路の出力電圧を制御させるようにして、達成される。
【0007】
また、前記切り替え回路とコンバータ制御回路の間には積分回路を介在させることにより切り替え時の制御信号の変動を軽減して円滑な切り替え制御を実現する。
【0008】
また、このようなモータ制御装置により運転制御されるモータを動力源とする圧縮機や送風機を使用することにより安価で制御性に優れた空調機を実現する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明になるモータ制御装置の一実施形態を図1〜図7を用いて説明する。
【0010】
図1はモータ制御装置の構成を示すもので、整流回路2aと昇圧チョッパ回路2bと平滑コンデンサ2cを用いて交流電源1からの入力電流の波形整形と直流電圧の大きさを制御するコンバータ回路2と、直流電圧を希望するパルス幅の交流電圧に変換してブラシレス直流モータ4に供給するインバータ回路3と、速度指令に応じて前記ブラシレス直流モータ4の制御処理を行う制御回路(ワンチップマイコンまたはハイブリッドIC)5と、この制御回路5のPWM出力ポート505から出力されるPWM信号形態の制御信号をコンバータ制御回路7とインバータ制御回路8に選択的に伝送するための切り替え回路6と、前記制御回路5のPWM出力ポート505から出力されるPWM信号形態の制御信号のレベルが伝送系統及び周辺回路に影響されて変動しないように規定レベルに規制する信号レベル規定回路9と、切り替え回路6の後段に接続されて前記制御信号(ディジタル信号)をアナログ信号形態の制御信号に変換し、且つこのアナログ信号形態の制御信号の急激な変動を抑制して前記コンバータ制御回路7に供給するための積分回路10を備えている。
【0011】
前記コンバータ回路2は、交流電源1から供給される交流電圧を整流回路2aで整流し、リアクトル,ダイオード及びトランジスタにより構成した昇圧チョッパ回路2bによって昇圧する。この昇圧チョッパ回路2bは、トランジスタをオンすることによってリアクトルに電流を流してエネルギーを蓄積した後に該トランジスタをオフすることで入力電流を直流出力側に強制的に流して直流電圧を昇圧するように動作する。平滑用コンデンサ2cは、昇圧チョッパ回路2bから供給される電圧を平滑して安定した直流電圧にする。この昇圧チョパ回路2bは、トランジスタのオンとオフの時間比を正弦波状に制御することにより入力電力の力率を改善すると共に直流電圧を任意の大きさに制御する機能を備える。
【0012】
前記ブラシレス直流モータ4を付勢するインバータ回路3は、前記コンバータ回路2の平滑用コンデンサ2cから供給される任意の大きさの直流電圧をパルス幅変調し、任意の振幅と周波数の交流電圧を前記ブラシレス直流モータ4に供給して該モータ4を運転制御する。
【0013】
前記制御回路5は、条件に応じてコンバータスタート/ストップ信号をコンバータ制御回路7に出力し、コンバータ回路2の運転/停止を制御する。また、PWM出力ポート505からは、インバータ制御回路8に供給するためのインバータ通流率信号と、コンバータ制御回路7に供給するための補正直流電圧制御信号とを運転条件に応じて切り替えて出力し、回転速度が速度指令値と一致するようにブラシレス直流モータ4を速度制御すべくコンバータ制御回路7とインバータ制御回路8を制御する。
【0014】
この制御回路5の詳細については、図2を参照して説明する。
【0015】
図2は、制御回路5の機能ブロックを示している。この制御回路5はワンチップマイコンによって構成され、ブラシレス直流モータ4の回転子の回転位置検出及び回転速度検出を行う速度検出部501と、回転速度検出信号と速度指令値に基づいて速度偏差を算出して速度偏差信号を出力すると共にインバータ回路3の通流率を算出してインバータ通流率信号を出力する速度制御部502と、この速度制御部502から出力されるインバータ通流率信号に基づいて直流電圧指令値を算出し、更に直流電圧と直流電圧指令値から補正直流電圧を算出する直流電圧制御部503と、速度偏差信号とインバータ通流率信号と補正直流電圧値に基づいて、インバータ通流率信号と補正直流電圧値の何れの制御信号をPWM出力ポート505から出力するかを判定する切り替え判定部504と、この切り替え判定部504での判定結果に従って、前記インバータ通流率信号と前記補正直流電圧信号の一方を前記PWM出力ポート505から制御信号として出力させる切り替え部506を備える。
【0016】
前記速度検出部501は、前記ブラシレス直流モータ4の誘起電圧に基づいて回転子の磁極位置を算出し、インバータ制御回路8に供給する位置検出信号を生成する。また、算出した位置検出信号に基づいて速度演算を行い、速度制御部502と切り替え判定部504に供給する速度検出信号を生成する。
【0017】
前記速度制御部502は、前記速度検出部501からの速度検出信号及び外部からの速度指令に基づいて速度偏差を算出し、この速度偏差が零になるようにインバータ通流率指令値を算出し、切り替え判定部504に供給する速度偏差信号と、直流電圧制御部503とインバータ制御回路8に供給するインバータ通流率信号を生成する。
【0018】
前記直流電圧制御部503は、前記速度制御部502から供給されるインバータ通流率信号と、前記コンバータ回路2における平滑用コンデンサ2cの電圧を検出した直流電圧値信号とを入力し、インバータ通流率信号の値から直流電圧指令値を所定の幅だけ増減し、直流電圧値と直流電圧指令値に基づいた補正直流電圧値を算出して切り替え判定部504とコンバータ制御回路7に供給する補正直流電圧値信号を生成する。
【0019】
前記切り替え判定部504は、速度偏差とインバータ通流率と補正直流電圧値に基づいて、インバータ通流率信号と補正直流電圧値信号の何れの信号をPWM出力ポート505から出力するかを判定し、通流率100%未満のときには速度制御部502からのインバータ通流率信号をPWM出力ポート505から出力し、通流率100%以上のときには直流電圧制御部503からの補正直流電圧値信号をPWM出力ポート505から出力するように切り替え部506を制御する。
【0020】
前記切り替え回路6は、制御回路5のPWM出力ポート505から出力された制御信号を切り替え判定部504での判定結果に従ってインバータ制御回路8とコンバータ制御回路7に振り分けるように切り替わる。
【0021】
この切り替え回路6の切り替え処理について説明する。まず、制御回路5で算出されたインバータ通流率が100%未満の場合について説明する。インバータ通流率が100%未満の場合は、制御回路5は、インバータ流通率信号を制御信号としてPWM出力ポート505から出力して信号レベル規定回路9を通して切り替え回路6に供給する。そして、切り替え回路6は、このインバータ通流率信号をインバータ制御回路8に出力し、前記コンバータ回路2における平滑用コンデンサ2cの直流電圧値をコンバータ制御回路7に供給するように切り替わる。
【0022】
インバータ通流率が100%以上の場合は、制御回路5は、補正直流電圧値信号Ed'をPWM出力ポート505から出力して信号レベル規定回路9を通して切り替え回路6に供給する。そして、切り替え回路6は、この補正直流電圧値信号Ed'を積分回路10を通してコンバータ制御回路7へ供給するように切り替わり、インバータ制御回路8に対しては最大通流率(100%)信号を出力するように切り替わる。この結果、インバータ回路3は、通流率を100%に保つことになる。
【0023】
コンバータ制御回路7側に振り分けられたPWM信号形態の制御信号は、切り替え回路6から積分回路10に入力される。この積分回路10は、PWM信号形態の制御信号(ディジタル信号)をアナログ信号形態の制御信号に変換すると共に切り替え直後にコンバータ制御回路7に供給される制御信号の急激な変化を抑制する。
【0024】
前記コンバータ制御回路7は、制御回路5からのコンバータスタート/ストップ信号に従ってコンバータ回路2の動作を運転,停止制御し、切り替え回路6から積分回路10を介して供給される制御信号(指令値)に基づいて該コンバータ回路2内のトランジスタを駆動して該コンバータ回路2の入力電流を正弦波状に制御して交流電源1からの入力の力率改善と共に出力する直流電圧の制御を行う。コンバータスタート/ストップ信号は、制御回路5において電圧,電流の検出値に基づいて算出して生成され、入力電力が所定値(例えば350w)以上であるときにコンバータスタート信号を出力してコンバータ制御を開始させ、所定値(例えば300w)以下ではコンバータストップ信号を出力してコンバータ制御を停止する。このようにヒステリシスを持たせることでコンバータ動作を安定させる。
【0025】
前記インバータ制御回路8は、前記速度検出部501からの位置検出信号及び切り替え回路6から振り分けられたインバータ通流率信号に基づいてドライブ信号を作成し、インバータ回路3のトランジスタを制御してブラシレス直流モータ4の速度制御を行う。
【0026】
前記信号レベル規定回路9は、PWM出力ポート505から出力されるPWM信号形態の制御信号に同期して、規定したハイレベルとローレベルの制御信号を生成する。この信号レベル規定回路9は、直流電圧制御時に制御回路5内で計算に用いた信号レベルとPWM出力ポート505からの信号レベルがずれた場合に、制御回路5内で設定した最大直流電圧にずれが生じることから、周辺回路に影響されることなく直流電圧を良好に制御するための信号安定化回路である。
【0027】
図3は、信号レベル規定回路9の回路構成を例示している。図3(a)は、アナログスイッチを用い、制御回路5のPWM出力ポート505から出力されるPWM信号形態の制御信号に同期したスイッチング動作により2レベルの制御信号を生成する。この方式は、PWM出力ポート505から出力されるPWM信号の電圧レベルがずれた場合でも供給される電圧レベルに規制することができると共に制御信号のハイレベルとローレベルを反転させた反転信号の生成も容易であるという利点がある。
【0028】
図3(b)は、アナログスイッチ等の高価な回路素子を用いることなく抵抗器のみの安価な回路素子で構成する例である。
【0029】
この他、この信号レベル規定回路9は、マイコン内部で計算に使用した信号レベル(例えば、ハイレベル電圧:5V、ローレベル電圧:0V)に規定する回路であればよい。
【0030】
前記積分回路10は、図4に示すように、抵抗器とコンデンサで構成される代表的な積分回路であり、切り替え回路6の後段に設けることによって、PWM出力ポート505から出力されたPWM信号(ディジタル信号)をアナログ信号に変換すると共に切り替え回路6の切り替え時にコンバータ制御回路7に供給する信号レベルが急激に変化するのを抑制するように機能する。
【0031】
図5(a)は、積分回路10を切り替え回路6の前段に設けたときの回路構成の一部と直流電圧波形、図5(b)は、後段に設けたときの回路構成の一部と直流電圧波形を示している。図5(a)の回路構成では切り替え直後に直流電圧波形が大きく変動している。しかしながら、図5(b)に示すように、積分回路10を切り替え回路6の後段に設けた場合には、その回路内部の静電容量が切り替え前後における制御信号の急激な変化を抑制することから、切り替え直後における直流電圧の変動が小さくなり、円滑にPWM制御とPAM制御の切り替えが可能となる。
【0032】
図6は、PAM制御において、図2の制御回路5の内部で実行される速度制御処理の一例を示すフローチャートであり、直流電圧指令値Ed*と補正直流電圧値Ed’の算出手順を示している。制御回路5は、処理511において、外部から与えられた速度指令と速度検出値から速度偏差を算出し、処理512において、前記速度偏差が0になるようにインバータ通流率を算出し、処理513において、該インバータ通流率が100%以上かどうかの判定を行う。100%以上のときには処理514に進み、モータ4を加速中かどうかを判定し、加速中であるときには処理516において直流電圧指令値Ed*を1V増加させて処理519に進んで補正直流電圧値Ed’の算出処理を行う。加速中でない場合には、処理517を経て処理519に進んで直流電圧指令値Ed*をそのまま用いて補正直流電圧値Ed’の算出処理を行う。ここで、加速中とは偏差が正の場合で、減速中とは偏差が負の場合である。
【0033】
一方、PAM制御で、インバータ通流率の算出値が100%未満のときは、処理515でモータ4が減速中かどうかを判定し、減速中のときには処理518で直流電圧指令値Ed*を略1V減少させて処理519に進み、減速中でない場合には、直流電圧指令値Ed*をそのまま用いて処理519で補正処理を行う。処理516,518における1Vは、算出法を表す定数の一例であり、この定数は、現実的には、速度偏差に応じて設定することが制御の応答性を向上する上で好ましい。
【0034】
処理519では、直流電圧指令値Ed*と直流電圧値Edから補正直流電圧値Ed'を算出し、処理520において、この補正直流電圧値Ed'を補正直流電圧値信号としてコンバータ制御回路8へ供給するように出力する。処理519における1.55Vは、この一例で用いた定数であり、制御系に応じて設定する基準電圧値である。
【0035】
ここで、直流電圧値Edの補正を行っているが、この実施形態で使用したコンバータ制御回路7は、直流電圧指令値にあたる基準電圧Vrが固定値であり、直流電圧の設定は検出抵抗の分圧比を変更して行うため、モータ4の回転速度に応じて作成した直流電圧指令値に従って直流電圧を変化させることは困難である。そのため、制御回路5で直流電圧指令値に応じて直流電圧値を補正してからコンバータ制御回路7に出力するようにした。この補正は、直流電圧値が直流電圧指令値に一致したときに、コンバータ制御回路7の内部の基準電圧値Vr(1.55V)に等しい値が出力されるように設定した。これにより、直流電圧指令値に対応して直流電圧を制御できるようになる。
【0036】
このように、直流電圧制御は、インバータ通流率に応じて直流電圧指令値Ed*を所定の幅で増減するという方法で行うために、従来のように常に速度偏差から2種類の独立した演算を行う必要がなく、演算処理工程を低減することができ、簡単に速度制御を行うことができる。なお、直流電圧指令値Ed*には上限値と下限値を設けてあり、最大直流電圧指令値は350Vに、最小直流電圧指令値は150Vに設定してあり、150V以下ではPWM制御を行う。
【0037】
図7を参照してモータ制御動作を説明する。図7は、横軸にモータ回転数(回転速度)、縦軸にコンバータ回路2から出力される直流電圧とインバータ回路3の通流率をとったグラフであり、負荷が一定の場合のモータ回転数に対する直流電圧と通流率を示した図である。
【0038】
モータ4の起動時などのように低回転速度領域では、速度制御部502で算出したインバータ通流率でPWM制御を行ない、最小電圧指令値(直流電圧指令値150V)をコンバータ制御回路7に出力している。ここで、入力電力が350W以上になると、制御回路5は、コンバータ制御回路7にコンバータ運転のスタート信号を出力してコンバータ回路2を動作させる。モータ4の回転速度を上昇させていくと、最小電圧指令値に制御された直流電圧の状態では電圧が低いために、インバータ回路3の通流率が100%に到達し、モータ4の回転速度をそれ以上に上げることができなくなる。このために、切り替え回路6を用いてPAM制御への切り替えを行う。切り替え回路6は、制御回路5からの切り替え信号に制御されて、補正直流電圧値Ed'(制御信号)をコンバータ制御回路7に供給し、インバータ制御回路8へは通流率を100%とする指令信号を供給するように切り替わる。そして、制御回路5は、前述したように、速度偏差から加速中であるか減速中であるかの判定を行い、加速中で、且つ、制御回路5の内部のインバータ通流率が100%以上である場合には、直流電圧指令値Ed*を1V増加させて補正直流電圧値Ed'を算出してPWM出力ポート505から制御信号として出力する。このようにしてPAM制御に切り替えた後は、前述したように図6のフローチャートに従った指令値になるようにモータ4の速度制御を行う。また、モータ制御装置を保護するために、この実施形態では、直流電圧の上限値(350V)を設定した。この上限値は、モータ制御装置の構成に応じて設定することが好ましい。このように、回転速度の増加に応じて直流電圧を変化させることによって、インバータ回路3の通流率を100%に保ちながらモータ4の速度制御を行う。
【0039】
次に、PAM制御時にモータ4を減速する場合について説明する。PAM制御により高速回転状態にあるモータ4の回転速度を減速指令により下げる場合は、制御回路5で算出されるインバータ通流率は減少し、100%未満になる。そして、速度偏差から加速中であるか、減速中であるかの判定を行い、減速中である場合には、直流電圧指令値Ed*を略1V下げて補正直流電圧値Ed'を算出し、切り替え回路6は、略1V下げるような補正直流電圧値Ed'をコンバータ制御回路7に供給し、コンバータ回路2は直流電圧を下げる。このように、直流電圧が145V(ヒシステリシスを5V設けた場合)になるまで図6のフローチャートに従った制御処理を繰り返す。直流電圧が145Vになると、切り替え回路6は、直流電圧下限値をコンバータ制御回路7に供給するように切り替わり、インバータ制御回路8へはインバータ通流率信号を供給してPWM制御を開始する。また、制御回路5は、入力電力が300W以下になると、コンバータストップ信号をコンバータ制御回路7に供給してコンバータ回路2の運転を停止する。切り替え電圧150Vは一例であり、供給する交流電源によって適した値を設定し、その切り替え電圧値にヒシステリシスを設けた方が好ましい。
【0040】
以上のような制御処理を行うことにより、PAM制御において、インバータ回路3の通流率を100%に保ち、コンバータ回路2の出力電圧をモータ4が必要としている大きさの直流電圧に制御することができる。
【0041】
前述した制御法によれば、制御回路5の内部で算出したインバータ通流率に基づいて直流電圧指令値を算出し、切り替え回路6でインバータ通流率信号と補正直流電圧信号を、それぞれ、インバータ制御回路8とコンバータ制御回路7に切り替えて供給することができる。そのため、制御回路5の1つのPWM出力ポート505を使用してインバータ回路3とコンバータ回路2を制御し、ブラシレス直流モータ4の運転を制御することが可能となる。また、制御回路5のPWM出力ポート505からPWM信号形態で出力される信号の出力レベルを規定する信号レベル規定回路9と切り替え回路6の後段に積分回路10を設けたことにより、制御回路5の内部での計算値とコンバータ制御回路7に供給される信号レベルのずれを抑制し、PWM制御及びPAM制御の切り替え時には、コンバータ制御回路7に供給される信号の急激な変化を抑制できることから、2種類の制御の切り替えを円滑に行なうことができるため、良好なモータ速度制御ができる。
【0042】
このようなモータ制御装置により付勢されて運転されるブラシレス直流モータ4を動力源とする圧縮機や送風機を使用して空調機を構成することにより、安価で制御性に優れた空調機を実現することができる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、出力ポートが少ない安価なワンチップマイコンやハイブリッドICのような制御回路の1つの出力ポートから出力する制御信号を切り替え回路によりインバータ制御回路とコンバータ制御回路に振り分けてインバータ回路とコンバータ回路を制御し、その切り替え回路の前段に信号レベル規定回路を設け、切り替え回路の後段に積分回路を設けることによって、2つの制御系に対する制御信号を円滑に切り替えて良好なモータ速度制御を行うことを可能にすることができる。
【0044】
また、このモータ制御装置により制御されるモータを動力源とする圧縮機や送風機を使用して空調機を構成することにより、安価で制御性に優れた空調機を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるモータ制御装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示した本発明になるモータ制御装置における制御回路の機能ブロック図である。
【図3】図1に示した本発明になるモータ制御装置における信号レベル規定回路の回路構成図である。
【図4】図1に示した本発明になるモータ制御装置における積分回路の回路構成図である。
【図5】図1に示した本発明になるモータ制御装置における積分回路の効果を説明するための説明図である。
【図6】図1に示した本発明になるモータ制御装置における制御回路が実施する速度制御処理のフローチャートである。
【図7】図1に示した本発明になるモータ制御装置のモータ制御動作説明図である。
【符号の説明】
1 交流電源
2 コンバータ回路
2a 整流回路
2b 昇圧チョッパ回路
2c 平滑用コンデンサ
3 インバータ回路
4 ブラシレス直流モータ
5 制御回路(ワンチップマイコン)
6 切り替え回路
7 コンバータ制御回路
8 インバータ制御回路
9 信号レベル規定回路
10 積分回路
505 PWM出力ポート
Claims (12)
- 交流電源電圧を直流電圧に変換する整流回路と前記直流電圧の大きさを制御するチョッパ回路とを備えたコンバータ回路と、前記コンバータ回路から受電した直流電圧を交流電圧に変換してモータに出力するインバータ回路と、前記チョッパ回路のスイッチング動作を制御するコンバータ制御回路と、前記インバータ回路のスイッチング動作を制御しモータを駆動するインバータ制御回路と、前記コンバータ制御回路と前記インバータ制御回路を制御する制御信号を発生する制御回路とを備えたモータ制御装置において、
前記制御回路は、前記コンバータ制御回路を制御する制御信号と前記インバータ制御回路を制御する制御信号を出力する1つの出力ポートを備え、
前記1つの出力ポートを前記コンバータ制御回路と、インバータ制御回路に選択的に接続して出力ポートから出力される制御信号を振り分ける切り替え回路と、前記出力ポートと切り替え回路の間に介在させた信号レベル規定回路とを設け、
前記切り替え回路は、前記制御回路が算出した前記インバータ回路の通流率が100%未満の場合は、前記制御回路を前記インバータ回路のPWM制御に切り替え、前記制御回路が算出した前記インバータ回路の通流率が100%以上の場合には、前記制御回路を前記コンバータ回路のPAM制御に切り替え、前記通流率を100%にしたまま、前記コンバータ回路の出力電圧を制御させることを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1において、前記出力ポートはパルス信号を出力可能なポートであることを特徴とするモータ制御装置。
- 請求項1において、前記切り替え回路における切り替え時の前記制御信号の変動を抑制する回路を設けたことを特徴とするモータ制御装置。
- 請求項1において、前記切り替え回路における切り替え時の前記直流電圧の変動を抑制する回路を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
- 請求項1において、前記切り替え回路の後段にディジタル/アナログ変換器を設けたことを特徴とするモータ制御装置。
- 請求項1において、前記制御信号の切り替え回路の後段にコンデンサを備えた積分回路を設けたことを特徴とするモータ制御装置。
- 請求項1において、前記信号レベル規定回路は、前記制御回路の出力ポートから出力される制御信号に応動して所定の電圧を出力するスイッチング素子を備えたことを特徴としたモータ制御装置。
- 請求項1において、前記制御回路は、1つの出力ポートから前記コンバータ制御回路に対する制御信号と前記インバータ制御回路に対する制御信号を選択的に出力するマイコンであることを特徴とするモータ制御装置。
- 請求項1において、前記制御回路は、1つの出力ポートから前記コンバータ制御回路に対する制御信号と前記インバータ制御回路に対する制御信号を選択的に出力するハイブリッドICであることを特徴とするモータ制御装置。
- 請求項1〜9の1項に記載したモータ制御装置によって運転制御されるモータを動力源とする圧縮機を使用して構成したことを特徴とする空調機。
- 請求項1〜9の1項に記載したモータ制御装置によって運転制御されるモータを動力源とする送風機を使用して構成したことを特徴とする空調機。
- 請求項1に記載のモータ制御回路において、
前記コンバータ制御回路を制御する制御信号はディジタル信号であって、前記コンバータ制御回路の前段に、前記ディジタル信号をアナログ信号に変換して前記コンバータ制御回路に入力するディジタル/アナログ変換器を設けたことを特徴とするモータ制御装置。
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