JP3897135B2 - 車両診断方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両診断方法および装置に係り、特に、車両に搭載された車載用電子制御装置と通信し、その通信結果に基づいて車両診断を行う車両診断方法および装置に関する。さらに具体的にいえば、車両各部が予定の状態を示すように強制作動信号を供給し、その結果、前記車両各部の実際の状態が前記予定の状態になったか否かに基づいて各診断項目の良否を判定する車両診断方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エンジンの制御機能を向上させるために、自動車(以下、「車両」と表現する)におけるエンジンの点火時期制御、バルブの開閉タイミング制御、あるいは電子燃料噴射装置(EFI)による燃料噴射制御等は、マイクロコンピュータを備えた車載用電子制御装置(ECU)により行われるようになってきている。ECUには、エンジン冷却水の温度を検出する温度センサ、エンジン回転数を検出する回転センサ、車速を検出する車速センサ、排気ガス中の酸素濃度を検出するO2 センサ等の各種センサや、ブレーキペダルが踏まれたことを検出するブレーキスイッチ等の各種スイッチが接続され、ECUは各種センサ等から出力される検出信号に基づいて各種の制御を行う。
【0003】
このようなECUを搭載した車両の生産工程では、車両組み立て後の最終検査工程において各センサ等あるいはECU自体が正常に機能しているか否かを診断する必要があり、例えば特公平3−59372号公報では、マイクロコンピュータを搭載した診断装置によって車両診断プログラムを実行し、所望の診断項目に関する診断を予定のタイミングで行う診断方法が提案されている。また、複数の診断項目を対象とした故障診断では、例えば特公昭61−25091号公報に記載されているように、前記複数の診断項目が予定の順序で診断され、各診断項目に関する合否判定の結果が表示装置上に順次出力されていた。
【0004】
ところで、上記した車両診断項目には、例えばアイドリング時のエンジン回転数Neが規定範囲内に収まっているか否かを判定する『Ne診断』のように、その前提条件としてエンジンが十分に暖まっていること等が要求される診断がある。その一方で、例えばブレーキスイッチの開閉機能を診断する『ブレーキスイッチ診断』のように、前提条件が一切不要であり、かつ診断を瞬時にして終えることの可能な診断もある。
【0005】
また、これら複数の診断項目が用意されている場合、従来の車両診断等では各診断項目の診断順序が予め確定されており、前の診断が終了してその良否が判別されるまで次の診断を行うことができない。したがって『Ne診断』の後に『ブレーキスイッチ診断』を行うように定められていると、作業者はエンジンが十分に暖まって『Ne診断』が終了するまで『ブレーキスイッチ診断』を行うことができない。このため、作業中に無駄な待機時間が生じることになり、結果として作業者の拘束時間すなわち作業時間が長くなってしまうという問題があった。
【0006】
このような問題点を解決する診断方法の一つとして、各診断をその合否とは無関係にごく短い周期で循環的に繰り返し、予定時間の経過後も依然として合格しない診断項目を故障と診断する循環式の診断方法が考えられる。このような循環式診断方法を採用した場合、たとえば作業者がブレーキペダルを踏み込んでいる間に診断の一周期が終了するように診断周期を設定すれば、どのような順序およびタイミングでブレーキペダルを踏み込んでも、その間に必ず『ブレーキスイッチ 診断』が実行されることになるので、診断項目ごとに行うべき各種操作の順序やタイミングに関する制約が少なくなって作業効率が飛躍的に向上する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、たとえば車両走行速度やエンジン回転数等の諸条件に応じてバルブの開閉タイミングを制御する機能の診断や、燃料タンクから蒸発する燃料ガスを捕集し、これを所定の条件が成立するとエンジンヘ供給するエバポレーションシステムの診断は、これらが実際に機能する走行条件等を検査工程の限られた条件下で実現することが困難であるために診断が難しい。そこで、このような項目に関する診断では、強制作動信号をECUから各部位へ供給して上記したエバポレーションシステム等を強制的に作動させ、このときに得られたエバポレーションシステムの実際の状態が、前記強制作動信号から予測される状態にあるか否かに基づいて良否を診断する手法が考えられる。
【0008】
しかしながら、ECUはその機能上、同時に複数の強制作動信号を供給することができず、また強制作動信号の内容および供給先は診断対象によって異なる。したがって、強制作動信号の供給を必要とする診断項目が複数ある場合は、初めに一の項目の診断用に第1の強制作動信号を供給して当該項目を診断し、これが完了したら第1の強制作動信号の送出を停止し、その代わりに他の項目の診断用に第2の強制作動信号を改めて供給して当該他の項目を診断する必要がある。しかしながら、このようにすると一の項目の診断が完了するまでは第2の強制作動信号を供給することができないので、一の項目の診断が最後まで合格しないと他の項目の診断が行えなくなってしまうという問題があった。
【0009】
また、強制作動信号の供給を必要とする診断項目は一つのみで、他の診断項目は強制作動信号の供給を必要としない場合であっても、たとえば上記したエバポレーションシステムを強制作動信号により強制作動させると、混合気の濃度が高くなる事象が発生する場合もあり、他の診断項目として混合気の濃度に影響される診断が含まれていると、これらの診断項目が正しく診断されないという問題もあった。
【0010】
本発明の目的は、上記した従来技術の間題点を解決し、強制作動信号を利用する診断項目を上記した循環式診断方法に適用して診断する場合でも良好な診断が行えるようにした車両診断方法および装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明では、車両各部が予定の状態を示すように強制作動信号を供給し、その結果、前記車両各部の実際の状態が前記予定の状態になったか否かに基づいて各診断項目の良否を判定する車両診断方法および装置において、以下のような手段を講じた点に特徴がある。
(1) 複数の診断項目のいずれかに関連した車両各部が予定の状態を示すように強制作動信号を供給し、強制作動信号が供給されている間に当該強制作動信号に対応した診断が実行されるように各診断を循環的に実行し、良判定の下された診断項目を診断対象から外し、残りの診断項目の診断を引き続き循環的に実行し、前記強制作動信号は、これに対応した診断に良判定が下されたとき、および当該診断に予定期間の経過後も良判定が下されないときに停止するようにした。
(2) 複数の診断項目の中から診断項目を一つづつ連続的かつ循環的に選択する診断項目選択手段と、いずれかの診断項目に関連した診断対象部位へ強制作動信号を供給する強制作動信号供給手段と、選択された診断項目に関連した診断対象部位の現在の状態を検出する状態検出手段と、前記検出された診断対象部位の現在の状態を、これに強制作動信号が供給されたときに予測される状態と比較し、両者が予定の関係にあると当該診断対象部位が良好である旨を判定する診断手段と、前記強制作動信号の供給を停止させる供給停止手段とを設け、前記供給停止手段は、強制作動信号に対応した診断項目に対して良好である旨の判定がなされたとき、および当該診断項目に対して予定期間経過後も良好である旨の判定がなされないときに、当該診断項目の診断用に供給されている強制作動信号を停止させるようにした。
【0012】
上記した構成の車両診断方法および装置によれば、一の診断項目が合格した場合のみならず、当該一の診断項目が所定期間経過後も合格しない場合にも当該一の診断項目に関する当該強制作動信号の供給が停止される。したがって、一の診断項目に関する強制作動信号が供給され続けてしまうことがない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。図1は診断対象車両に搭載されるECU1および当該ECU1に接続されて使用される外部診断装置2の一実施形態の構成を示したブロック図である。図2〜5は図1に示した外部診断装置2に挿入されるROMカード7の記憶内容を模式的に表した図であり、図6は表示部27に表示される診断結果の表示例を表した図である。図7は本発明を適用した車両診断装置の機能ブロック図である。図8は本発明による車両診断の概要を示したフローチャートであり、図9〜12、図14〜19は、当該車両診断を構成する各診断処理の動作を具体的に表したフローチャートである。
【0014】
図1において、ECU1は、CPU10、ROM11、RAM12、ドライバ13、A/D変換器14、および通信インタフェース15により構成されている。このECU1はコネクタ16および17を介して周辺機器と接続され、例えばコネクタ16には各種のアクチュエータ3が接続され、コネクタ17には各種のセンサ4およびスイッチ4が接続される。また、コネクタ18には外部診断装置2の通信ケーブル5がコネクタ34を介して接続される。
【0015】
各センサ等4からECU1に入力される信号はA/D変換器14でデジタル信号に変換されてCPU10に取込まれる。CPU10に取込まれた信号は、ROM11およびRAM12に記憶されている制御用データ、ならびにROM11に書込まれている制御プログラムに従って処理される。ドライバ13にはCPU10の処理結果に応じた指示信号が入力され、ドライバ13は、この指示信号に応答してアクチュエータ3に電力を供給する。なお、ROM11にはプログラムの他、各ECU1に固有の識別コードすなわちECUコードも登録されている。
【0016】
一方、本発明の外部診断装置2は、CPU20、ROM21、RAM22、送信部24、通信インタフェース25および電源部29により構成されている。電源部29は、当該外部診断装置2の電源として、診断対象車両の車載バッテリ19および内蔵バッテリ23のいずれか一方を選択する。このほか、外部診断装置2には、作業者による指示を入力するためのキーボート26、CPU20による処理結果を表示する表示部27と共に、バーコード表示された識別符号を読み取るためのバーコードリーダ31およびバーコードインターフェース32が設けられている。前記表示部27として、本実施形態ではバックライト付の液晶表示パネル(LCD)を採用している。キーボード26には、一般的なテンキー、カーソル移動キー、およびファンクションキーなどが設けられている。
【0017】
通信ケーブル5は信号ライン51および電源ライン52を具備し、ECU1の通信インタフェース15と外部診断装置2の通信インタフェース25とは通信ケーブル5の信号ライン51を介して接続され、CPU10およびCPU20間で双方向デジタル通信ができるように構成されている。通信ケーブル5がECU1に接続されると、電源部29は電源ライン52を介して車載バッテリ19から供給される電力を当該外部診断装置2の電力源として利用すると共に、この電力によって内蔵バッテリ23を充電する。
【0018】
外部診断装置2の起動は、後に詳述するように、作業者がキーボート26に設けられた電源投入用のキースイッチをオン操作をするか、あるいはキースイッチを一切操作することなく、作業者が通信ケーブル5のコネクタ34をECU1のコネクタ18に接続することによって行われ、いずれの方法で起動されたかによって起動後の動作が異なる。
【0019】
ROM21には、当該外部診断装置2の制御に必要な基本プログラムや制御データが格納されており、各診断において用いられる非標準データや車両診断プログラムといった、新型車種の生産等に伴って追加や変更され得る固有の情報はROMカード7に記憶されている。このROMカード7のデータは、ROMカードインタフェース28を介してCPU20に取込まれる。
【0020】
ECU1から取込まれた信号は、ROM21およびRAM22に記憶された基本データ、ならびにROMカード7に記憶されている車両診断プログラムや制御用データに基づいて処理され、処理結果すなわち診断結果はRAM22に一時記憶される。この診断結果は、各車両の診断が終了するごとに表示部27に出力されると共に、数台分の診断結果が作業者の指示に応答して送信部24からホストコンピュータ30等の上位装置へまとめて送信され、ホストコンピュータ30および大型記憶装置33によって集中管理および記憶される。また、外部診断装置2を図示しないパーソナルコンピュータに接続し、このパーソナルコンピュータから当該外部診断装置2に対して、必要な情報、例えば更新(バージョンアップ)された故障診断プログラムを提供することもできる。
【0021】
前記ROMカード7には、図2に示したように、診断項目をECUコードに基づいて選択するための診断項目管理テーブル71と、複数の診断項目に関する車両診断プログラムが記憶された車両診断プログラム記憶領域72と、ECUにかかわらず各車両で共用される標準データの記憶された標準データ記憶領域73と、各ECUに応じて異なる固有の非標準データが記憶された非標準データ記憶領域74とが確保されている。
【0022】
図3は、前記診断項目管理テーブル71の記憶内容の一例を示した図である。本発明の外部診断装置2は多数の項目に関する診断が可能であり、各診断項目に関するアルゴリズムを全て備えているが、全ての車両に対して全ての診断が実行される訳ではなく、車両ごとに実行すべき診断項目は異なる。そのため、当該管理テーブル71には、各診断項目に関してECUコードごとに“1”(選択)または“0”(非選択)が登録されており、例えば、ECUコードとして“○△×□”が登録されている車両に対して選択実行される診断項目は1、2、5、6…となり、その他の診断項目は実行されないことになる。
【0023】
図4は、前記非標準データ記憶領域74の記憶内容の一例を示した図であり、本実施形態ではECU(すなわち、ECUコード)ごとに異なる非標準データとして、例えば固有アイドリング回転数NID-refが各ECUコードと対応付けて登録されている。
【0024】
固有アイドリング回転数NID-refとは、後に詳述するように、ECUコードごとに規定されたアイドリング時の基準回転数であり、アイドリング時のエンジン回転数が正常であるか否かの診断は、検出されたエンジン回転数Ne を、その車両のECUコードに応じて選択される固有アイドリング回転数NID-refと比較することによって行われる。
【0025】
このように、本実施形態ではECUコードに応じて異なる診断内容、すなわち診断項目の組み合わせや非標準データが自動的に決定されるので、作業者は診断項目を選択する作業や非標準データを決定する作業から解放される。したがって、作業者の負担が軽減されるのみならず、診断項目の選択ミスや非標準データの誤認識等がなくなって正確な診断が可能になる。
【0026】
図5は、前記標準データ記憶領域73の記憶内容を表した図であり、診断プログラム中でECUコードにかかわらず各診断において共用される標準データx1 〜x5 が記憶されている。
【0027】
次いで、フローチャートを参照して本実施形態の動作例について詳細に説明する。図8は本発明の外部診断装置による車両診断の概要を示したフローチャートである。本発明の外部診断装置は、生産ライン上での車両診断や修理工場での車両診断等、あらゆる環境下での車両診断において使用可能であるが、ここでは工場の生産ラインにおける『検査工程』等で実施される“車両診断”で使用する場合を例にしてその動作を説明する。
【0028】
ステップS100では『初期処理』が実行される。ステップS200では、診断項目1として登録されている『車速センサ診断』が実行される。ステップS300では、診断項目2として登録されている『EGR診断』が実行される。ステップS400では、診断項目3として登録されている『エバポ診断』が実行される。ステップS500では、診断項目4として登録されている『可変VT(バルブタイミング)診断』が実行される。ステップS600では、診断項目5として登録されている『Ne 診断』が実行される。ステップS700では、診断項目6、7…等として登録されている各スイッチ系の診断が実行される。ステップS800では『終了処理』が実行される。ステップS900では『待機モード処理』が実行される。その後、当該処理はステップS200へ戻り、全ての診断が合格するまで上記各診断が繰り返される。
【0029】
このように、本発明の外部診断装置は、多数の項目に関する診断を自動的、連続的かつ循環的に繰り返し実行するように構成されている。以下、各診断方法および処理方法に関して詳細に説明する。
【0030】
図9は、前記ステップS100として実行される『初期処理』の動作を示したフローチャートである。上記したように、本実施形態の外部診断装置2の起動は、作業者がキーボート26に設けられた電源投入用のキースイッチを操作をするか、あるいは作業者が通信ケーブル5をECU1に接続することのいずれによっても可能であり、当該初期処理では、初めに電源投入がいずれの方法で行われたのか判定される。
【0031】
ステップS101では、外部診断装置2の電源がスイッチのオン操作によって投入されたか否かが判定され、投入されたと判定されると、ステップS104では電源投入手順を表すフラグFstに“0”がセットされる。このとき、外部診断装置2への給電は内蔵バッテリ23によって行われる。また、前記ステップS101でスイッチのオン操作による電源投入が検出されていないと、ステップS102では、通信ケーブル5が車両(ECU1)に接続されたか否かが判定され、接続されたことが検出されると、ステップS103においてフラグFstに“1”がセットされる。このときの給電は車載バッテリ19によって行われる。
【0032】
前記スイッチのオン操作による電源投入またはケーブル接続による電源投入のいずれかが検出されると、ステップS105では表示部27に初期画面が表示され、ステップS106では、自身の異常や故障をチェックするために自己診断が実行される。ステップS107において、この自己診断結果が良好と判定されると当該処理はステップS108へ進み、不良と判定されると、ステップS119において表示部27にエラーメッセージが表示される。
【0033】
ステップS108では、これから実行すべき処理をメニュー画面上で作業者に選択させるのか、あるいは予め定められた特定の処理を自動的に起動するのかを判定するために前記フラグFstがチェックされる。そして、フラグFst=“1”すなわち電源投入がケーブル接続によって行われていると、メニュー画面を表示部27に表示することなく、予め定められた特定の処理として『車両診断』が直ちに起動され、当該処理はステップS109へ進む。ステップS109では、ECU1に登録されているECUコードが読み取られる。ステップS110では、読み取られたECUコードに基づいて、前記図3に関して説明した診断項目管理テーブル71が検索され、実行すべき診断項目が選択される。ステップS111では、選択された診断項目の診断選択フラグFselc××(“××”は診断項目番号)に“1”(選択)がセットされ、選択されなかった診断項目の診断選択フラグFselc××には“0”(非選択)がセットされる。
【0034】
ステップS112では、選択された診断項目を表す診断項目番号が表示部27に一覧表示される。図6(a) は、全ての診断項目が選択された場合の表示部27の表示例を示した図であり、全ての診断項目番号“01”、“02”、“03”…が表示されている。なお、図中“00”表示は、後に詳述するように、診断項目5の『Ne診断』に関する診断開始条件が成立して診断が十分に行われた場合に消去される符号であり、続くステップS113において表示される。なお、当該符号は“00”に限らず、他の診断項目番号と容易に区別できる符号であれば、例えば“X”等のアルファベットや他の記号であっても良い。
【0035】
ステップS114では、各車両に固有の識別情報をバーコードで表した識別符号が前記バーコードリーダ31によって読み取られ、RAM22に一時記憶される。この識別符号は、各車両ごとに予め用意されている診断カルテ上に予め印刷されている。なお、診断カルテ上に印刷する代わりに、バーコードの印刷された札やシールを車両本体の適所に取り付けるようにしても良い。
【0036】
一方、前記ステップS108において、フラグFst=“0”すなわち電源投入が作業者によるスイッチのオン操作によって行われたと判定されると、ステップS115では、作業者に処理内容を選択させるためのメニュー画面が表示部27に表示される。ステップS116では、作業者がメニュー画面上で選択した処理内容が判断され、例えば『車両診断』が選択されると前記ステップS109へ進み、フラグFst=“1”の場合と同様に診断処理が開始される。また、ステップS116において、作業者が『車両診断』以外の処理を選択すると、ステップS117において当該選択された処理が実行される。ステップS118では、前記ステップS116において“終了”が選択されたか否かが判定され、“終了”が選択されていると当該処理を終了する。
【0037】
このように、本実施形態では外部診断装置2の電源がスイッチのオン操作およびケーブル接続のいずれの手順で投入されたかに応じて電源投入後の処理を異ならせ、電源投入がケーブル接続によって行われると、メニュー画面が表示されることなく直ちに診断処理が開始される。したがって、検査ラインの作業者は、次々と搬送される各診断対象車両に当該外部診断装置2のケーブル5を接続するだけで自動的に車両診断を開始させることができるようになり、診断時の操作が簡単になる。また、外部診断装置2の起動が作業者によるスイッチのオン操作によって行われるとメニュー画面が表示されるので、他の処理の選択も容易に行えるようになる。
【0038】
図10は、前記図8のステップS200として実行される診断項目1の『車速センサ診断』の診断方法を示したフローチャートである。『車速センサ診断』とは、車速を検出するセンサが正常に機能しているか否かの診断であり、車速センサにより検出された車速VSと基準値(基準車速VSref )との比較結果に基づいて適宜の手法で診断される。
【0039】
ステップS201では、『車速センサ診断』に関する診断選択フラグFselc1に基づいて、当該車速センサ診断が選択されているか否か判定され、Fselc1=“0”であれば、選択されていないと判定されて次の診断へ進み、Fselc1=“1”であれば、選択されていると判定されてステップS202へ進む。
【0040】
ステップS202では、『車速センサ診断』に関する合格フラグFpass1に基づいて当該診断が既に合格しているか否かが判定される。このフラグ“Fpass××”は診断項目××が合格しているか否かを表し、Fpass1=“1”であれば既に合格していると判定されて次の診断へ進み、Fpass1=“0”であれば、未だ合格していないと判定されてステップS203へ進む。
【0041】
ステップS203では、前記標準データの一つとしてROMカード7の標準データ記憶領域73(図5)に記憶されている基準車速VSref が読み出され、ステップS204では現在の車速VSがECU1を介して検出される。ステップS205では前記基準車速VSref および車速VSに基づいて車速センサ診断が実行される。ステップS206では、前記ステップS205で実行された診断の合否が判定され、不合格であれば図8のフローチャートにしたがって次の診断項目(本実施形態では、診断項目2の『EGR診断』)へ進むので、当該『車速センサ診断』は、次の診断タイミングまで待機することになる。
【0042】
一方、合格していればステップS207において診断合格フラグFpass1に“1”(合格)がセットされ、ステップS208では、表示部27に表示されている診断項目番号“01”が消去される。図6(b) は、当該『車速センサ診断』のみが合格した状態での表示部27の表示例を示した図であり、診断項目番号“01”のみが消去されている。
【0043】
図11は、前記図8のステップS300として実行される診断項目2の『EGR診断』の診断方法を示したフローチャートである。『EGR診断』とは、排気ガスをエンジンの燃焼室に再循環させてNOx を減少させる装置(EGR)が正常に機能しているか否かの診断である。
【0044】
ステップS301、S302では、『EGR診断』に関する診断選択フラグFselc2および診断合格フラグFpass2に基づいて、前記と同様に当該診断項目の選択の有無および診断の合否が判定される。『EGR診断』が選択され(Fselc2=“1”)かつ未だ合格していない(Fpass2=“0”)と、ステップS303ではEGRの診断が適宜の手法によって実行される。ステップS304において診断が合格したと判定されると、ステップS305では診断合格フラグFpass2に“1”がセットされ、ステップS306では、表示部27に表示されている診断項目番号“02”が消去される。また、ステップS304において未だ合格していないと判断されると当該処理は図8のフローチャートにしたがって次の診断項目(本実施形態では、診断項目3の『エバポ診断』)へ進むので、当該『EGR診断』は次の診断タイミングまで待機することになる。
【0045】
図12、14は、それぞれ前記図8のステップS400として実行される『エバポ診断』の診断方法、およびステップS500として実行される『可変VT診断』の診断方法を示したフローチャートであり、共に強制作動信号を利用して実行される本発明に特有の診断である。また、図7は、上記した各車両診断を実現する本発明の機能ブロック図であり、前記と同一の符号は同一または同等部分を表している。なお、各ブロック内に付したステップ番号は前記各フローチャートに付したステップ番号と対応し、各ブロックが実行する処理の内容を明らかにしている。
【0046】
図7において、診断項目選択手段551は、ROMカード7に登録された前記診断項目管理テーブル71および車両診断プログラム72に基づいて、複数の診断項目の中から実行すべき診断項目を一つづつ連続的かつ循環的に選択する。強制作動信号供給手段550は、前記診断項目選択手段551によって選択され得る診断項目のうち、診断に際して強制作動信号を必要とする診断項目のいずれか(本実施形態では、『エバポ診断』または『可変VT診断』)に関連した診断対象部位101へ、ECU1を介して強制作動信号Sx を供給する。車両状態検出手段552は、前記診断項目選択手段551によって選択されている診断項目に関連した診断対象部位101の現在の状態をECU1を介して検出する。
【0047】
診断手段553は、前記車両状態検出手段552によって検出された診断対象部位101の現在の状態を、これに前記強制作動信号Sx が与えられたときに予測される状態と比較し、両者が一致または予定の関係にあると当該診断対象部位101が良好である旨を判定する。判定結果は表示部27に表示される。カウンタ556は、診断手段553による診断回数を各診断項目ごとにカウントする。供給停止手段555は、強制作動信号Sx に応じて強制作動中の診断対象部位101に対して良好である旨の判定がなされたとき、あるいは当該強制作動中の診断対象部位101に対して予定期間経過後も良好である旨の判定がなされず、カウンタ556のカウント値が予定値を越えたとき、強制作動信号供給手段550に対して当該強制作動信号Sx の供給停止を指示する。さらに、前記強制作動信号供給手段550は、供給停止手段555によって一の診断項目のための強制作動信号の供給が停止されると、その代わりに残りのいずれかの診断項目のための他の強制作動信号を供給する。
【0048】
次いで、図12のフローチャートおよび図7の機能ブロック図を参照して、本発明を適用した診断項目3の『エバポ診断』の診断方法を説明する。『エバポ診断』とは、図13にその概要を模式的に示したように、燃料タンク81内の燃料から蒸発してキャニスタ86に捕集された燃料ガスを、車両走行時に予定の条件が成立すると吸入管87を介してエンジンへ供給するエバポレーションシステムに関する診断である。
【0049】
このようなエバポレーションシステムでは、各弁83、84、85がECU1によって開閉制御されることから、『エバポ診断』では各弁が正常に動作しているか否かが判断される。しかしながら、検査工程の限られた条件下ではエバポレーションシステムの各弁を正規に作動させるように車両を走行させることが難しい。そこで、本実施形態ではECU1から各弁に対して前記強制作動信号を送出させて各弁を実際の車両走行状態とは無関係に強制的に開閉作動させる。そして、その際に圧力センサ(PS)82によって検出された圧力と、各弁が前記強制作動信号による指示通りに開閉された場合に予測される圧力とを比較し、両者が一致あるいは予定の関係にあれば各弁を良好と診断するようにしている。
【0050】
前記図7の診断項目選択手段551によってステップS400の『エバポ診断』が選択されると、ステップS401では、診断項目3に関する選択フラグFselc3および合格フラグFpass3に基づいて前記と同様に当該診断項目の選択の有無および診断の合否が判定され、選択されているが未だ合格していないとステップS402へ進み、それ以外であれば次の診断へ進む。ステップS402では診断中止フラグFstop3が参照され、セットされていれば次の診断へ進み、セットされていなければステップS403へ進む。この診断中止フラグFstop3は、当該『エバポ診断』が予定回数以上行われたにもかかかわらず合格しない場合にセットされる。診断中止フラグFstop3がセットされると、それ以後は『エバポ診断』が診断対象から外される。
【0051】
ステップS403では、既に他の診断用の強制作動信号がECU1から診断対象部位101へ送出されているか否かが判断される。ここで判断対象となる強制作動信号は、本実施形態では後述する『可変VT診断』においてソレノイド弁へ供給される強制作動信号である。他の診断項目のための強制作動信号が送出されていないと判断されると、ステップS404では、今度は当該『エバポ診断』用の強制作動信号Sx が既に送出されているか否かが判断される。送出されていないと判断されると、ステップS405では、エバポレーションシステムを構成する前記各弁83〜85へ、これらを強制的に開閉させるための適宜の強制作動信号Sx をECU1から出力させるための指令が、前記図7の強制作動信号供給手段550からECU1へ出力される。ECU1はこれに応答し、各弁83〜85へ強制作動信号Sx を出力する。
【0052】
ステップS406では、圧力センサPS(図13)の検出値が図7の車両状態検出手段552によって読み取られる。ステップS407では、前記診断手段553によって、当該検出値が前記強制作動信号Sx によって開閉された各弁の状態から予測される圧力値と一致するか否か等に基づいて各弁の良否が診断される。良好と判断されない場合は、ステップS411において診断回数カウンタ556がインクリメントされる。ステップS412では、前記診断回数が上限回数を越えたか否かが判断され、未だ上限回数を越えていなければ、当該処理は図8のフローチャートにしたがって次の診断項目(本実施形態では、診断項目4の『可変VT診断』)へ進むので、当該『エバポ診断』は次の診断タイミングまで待機することになる。
【0053】
また、次回以降の診断タイミングにおいて、ステップS407の診断結果が良好になると、ステップS408では診断合格フラグFpass3に“1”がセットされ、ステップS409では、表示部27に表示されている診断項目番号“03”が消去される。ステップS410では、前記供給停止手段555から強制作動信号供給手段550に対して強制作動信号Sx の送出停止が指示され、ECU1から当該診断対象部位101への強制作動信号Sx の供給が中止される。
【0054】
なお、次回以降の診断タイミングにおいてもステップS407の診断結果が良好とならないと、ステップS411では診断回数カウンタ556がその都度インクリメントされる。ステップS412においてカウント値が上限回数を越えていると判断されると、強制作動信号を利用する他の故障診断の妨げにならないように、ステップS413において診断中止フラグFstop3がセットされる。ステップS414では、供給停止手段555から強制作動信号供給手段550に対して、強制作動信号Sx の送出停止が指示され、これによってECU1から当該診断対象部位101への強制作動信号Sx の供給が中止される。
【0055】
なお、ここでは診断回数をカウントして、その回数が上限を越えると強制作動信号Sx の供給を中止するものとして説明したが、診断回数の代わりに診断時間を計時し、診断時間が上限を越えると強制作動信号Sx の供給を中止するようにしても良い。
【0056】
次いで、図14のフローチャートおよび図7の機能ブロック図を参照して、本発明を適用した診断項目4の『可変VT診断』の診断方法を説明する。『可変VT診断』とは、車両走行速度やエンジン回転数などの諸条件に応じてバルブの開閉タイミングやバルブリフト量を高速用および低速用のいずれかに変更する機能の診断である。
【0057】
当該車両のエンジンは、形状がそれぞれ異なる2種類のカムを各気筒ごとに備え、バルブの開閉タイミングやバルブリフト量の変更は、作動させるカムを切り替えることによって行われる。カムの切り替えは、例えばソレノイド弁によって油圧の供給先を切り替えることによって行われ、高速用カムを作動させる場合には高速用油圧系統へ油圧を供給し、低速用カムを作動させる場合には前記高速用油圧系統へ油圧が供給されないようにソレノイド弁を制御することによって行われる。したがって、『可変VT診断』では、ソレノイド弁が指示通りに正しく制御されているか否かが判断され、その具体的な判断は、油圧系統に設けられた油圧スイッチが正しく開閉されたか否かに基づいて下される。
【0058】
しかしながら、前記した『エバポ診断』の場合と同様に、検査工程の限られた条件下ではバルブタイミング等が切り替わるような高速での安定走行は難しい。そこで、本実施形態ではECU1からソレノイド弁へ強制作動信号を送出し、各カムを実際の車両走行状態とは無関係に強制的に切り替える。そして、その際に圧力センサによって検出された圧力に基づいて、当該指示通りのカムが選択されているか否かを判断する。
【0059】
前記図7の診断項目選択手段551によって『可変VT診断』が選択されると、ステップS501では、診断項目4に関する選択フラグFselc4および合格フラグFpass4に基づいて前記と同様に当該診断項目の選択の有無および診断の合否が判定され、選択されているが未だ合格していないとステップS502へ進み、それ以外であれば次の診断へ進む。ステップS502では診断中止フラグFstop4が参照され、セットされていれば次の診断へ進み、セットされていなければステップS503へ進む。この診断中止フラグFstop4も、前記と同様に当該『可変VT診断』が予定回数以上行われたにもかかかわらず合格しない場合に、後述するステップS513でセットされる。
【0060】
ステップS503では、他の診断用として既にECU1から強制作動信号が送出されているか否かが判断され、ECU1が他の診断項目のための強制作動信号を送出していないと判断されると、ステップS504では、高速側診断フラグFhigh4がセットされているか否かが判断される。このフラグFhigh4は、高速用カムに関する診断が終了したときにセットされるもので、初めはセットされていないのでステップS505へ進む。ステップS505では、高速用カムが選択されるようにソレノイド弁を作動させるための強制作動信号Sx が既にECU1から送出されているか否かが判断され、送出されていなければ、ステップS506において、当該強制作動信号Sx をECU1から出力させるための指令が強制作動信号供給手段550からECU1へ送出される。
【0061】
ステップS507では、高速用カムの油圧系統に設けられた圧力スイッチの開閉状態が検出される。この圧力スイッチは、当該系統内に規定値以上の油圧が加わると接点が開く構造なので、開状態が検出されると、ステップS508において診断手段553により良好と診断されてステップS509へ進む。ステップS509では、高速側診断フラグFhigh4がセットされ、ステップS510では、高速用カムが選択されるようにソレノイド弁を強制作動させていた強制作動信号が停止され、今度は、低速用カムが選択されるようにソレノイド弁を強制作動させる強制作動信号が送出される。
【0062】
一方、前記ステップS507において開状態が検出されないと、ステップS508では診断手段553により良好ではないと診断されてステップS511へ進む。ステップS511では当該『可変VT診断』に関する診断回数カウンタ556が前記と同様にインクリメントトされる。ステップS512では、前記診断回数が上限値を越えたか否かが判断され、未だ上限回数を越えていなければ、当該処理は図8のフローチャートにしたがって次の診断項目(本実施形態では、診断項目5の『Ne 診断』)へ進むので、当該『可変VT診断』は次の診断タイミングまで待機することになる。
【0063】
一方、前記ステップS508において高速用カムに関して良好と診断された結果、ステップS509において高速用診断フラグFhigh4がセットされ、かつステップS510において低速用カムを選択させるための強制作動信号が出力されると、次の診断タイミングでは、当該処理はステップS504からS520へ進む。ステップS520では、今度は低速用カムの油圧系統に設けられた圧力スイッチの開閉状態が検出され、ステップS521では、前記と同様にして診断が行われる。ここで、良好と判断されなければ前記ステップS511へ進んで診断回数がカウントされるが、良好と判断されると、ステップS522では診断合格フラグFpass4に“1”がセットされ、ステップS523では、表示部27に表示されている診断項目番号“04”が消去される。ステップS524では、供給停止手段555から強制作動信号供給手段550に対して強制作動信号Sx の送出停止が指示される。
【0064】
なお、次回以降の診断タイミングにおいてもステップS521の診断結果が良好とならないと、ステップS511では診断回数カウンタ556がその都度インクリメントされ、ステップS512においてカウント値が上限回数を越えていると判断されると、ステップS513では前記と同様に診断中止フラグFstop4に1がセットされる。ステップS514では、供給停止手段555から強制作動信号供給手段550に対して強制作動信号Sx の送出停止が指示される。
【0065】
上記したように本実施形態では、一の診断項目が合格した場合のみならず、当該一の診断項目が所定期間経過後も合格しない場合にも当該一の診断項目に関する当該強制作動信号の供給が停止されるので、一の診断項目に関する強制作動信号が供給され続けてしまうことがない。したがって、強制作動信号を利用しなければならない診断項目が複数ある場合、一の診断が所定期間経過後も合格しない場合でも、当該一の診断に関する当該強制作動信号の供給が停止されて他の一の診断用に他の強制作動信号が改めて供給されるので、一の診断項目が不良であっても他の一の診断項目の診断を行えるようになる。
【0066】
さらに、上記した『エバポ診断』や『可変VT診断』の間は混合気の比率や燃焼効率等が常時とは異なるので、強制作動信号を利用しない他の診断にも支障を来す場合がある。しかしながら、本実施形態では上記のようにして強制作動信号Sx の送出が適宜に停止されるので、強制作動信号を利用すると支障のある診断も制約なく行えるようになる。
【0067】
図15、16は、前記図8のステップS600として実行される診断項目5の『Ne 診断』の診断方法を示したフローチャートである。『Ne 診断』とは、アイドリング時のエンジン回転数が正常であるか否かの診断であり、アイドリング時のエンジン回転数Ne と基準値(許容回転数公差NID-TRC)との比較結果に基づいて診断される。
【0068】
ステップS601では、診断項目5に関する選択フラグFselc5および合格フラグFpass5に基づいて前記と同様に当該診断項目の選択の有無および診断の合否が判定され、選択されかつ未だ合格していないとステップS602へ進み、それ以外であれば次の診断へ進む。
【0069】
ステップS602では、電装装置のスイッチがオン状態であったり、あるいはパワーステアリングが操舵中である場合等に生じる負荷の有無が判定される。『Ne 診断』は、検出されたアイドリング回転数Ne と目標値との差が小さければ良好と判断されるが、エンジン負荷や電装負荷等のエンジン回転数に影響を及ぼす負荷が加わっていると、これを補うためにアイドリング回転数を常時よりも高めに設定するエンジン制御が行われるためにアイドリング回転数の正確な診断が難しくなる。そこで、本実施形態では『Ne 診断』に先立って、予めステップS602において負荷の有無を検出し、負荷が検出されると当該診断を行わず、ステップS620へ進んで後述するタイマMID、積算回数Cmesu、積算値ΣNe 等の変数をリセットした後に次の診断へ進み、負荷が検出されなければステップS603へ進む。ステップS603では、アイドリングが安定しているか否かが判断され、安定していなければ前記ステップS620へ進み、安定していればステップS604へ進む。
【0070】
以上のようにアイドリングが安定して診断開始条件が成立すると、ステップS604ではタイマMIDの動作状態が判定され、これがスタートしていなければスタートされる。ステップS605では積算回数Cmesuがインクリメントされる。ステップS606ではECU1からエンジン回転数Ne を受け取り、ステップS607では、今回の『Ne 診断』のタイミングで検出されたエンジン回転数Ne と前回までの積算値ΣNe とが加算される。この加算値は新たな積算値ΣNe として登録される。
【0071】
次いで、図16のステップS608では前記タイマMIDが、前記標準データの一つである基準アイドリング計測時間MID-refと比較される。タイマMIDのカウント値が前記MID-refに達していると、『Ne 診断』に必要な計測期間が既に経過したものと判断してステップS609へ進む。ステップS609では、アイドリング診断回数CIDがその都度インクリメントされ、ステップS610では、診断回数CIDが前記標準データの一つである基準アイドリング診断回数CID-refと比較される。
【0072】
診断回数CIDが基準診断回数CID-refに達していると、診断に十分な回数の計測が終了したと判定され、ステップS611において表示部27上から“00”表示が消去される。ステップS612では、前記エンジン回転数Ne の積算値ΣNe を前記積算回数Cmesuで割って回転数Ne の平均値が算出される。
【0073】
ステップS613では、回転数Ne の平均値と非標準データNID-refとの差の絶対値が、前記標準データの一つであるアイドリング公差NID-TRCと比較され、両者の差の絶対値が公差NID-TRC以下であれば、アイドリングが正常と診断されてステップS614へ進む。また、両者の差の絶対値が公差NID-TRCを越えていれば、アイドリングが異常と診断されて前記ステップS620へ進み、後述するタイマMID、積算回数Cmesu、積算値ΣNe 等の変数をリセットした後に次の診断へ進む。ステップS614では、当該『Ne 診断』に関する診断合格フラグFpass3に“1”がセットされ、ステップS615では、表示部27に表示されている診断項目番号“05”(“00”が残っていれば“00”および“05”)が消去される。
【0074】
このように、本実施形態では『Ne 診断』が繰り返し実行されるごとに検出されるエンジン回転数Neが積算され、この積算値ΣNe に基づいてエンジン回転数の平均値が算出される。そして、この平均値が基準範囲内に収まっているか否かに基づいて診断が下されるので、複数の診断をごく短い周期で循環的に繰り返す診断方法を採用しても『Ne 診断』を効率良く行えるようになる。
【0075】
図17は、前記図8のステップS700として実行される診断項目6、7…等の各スイッチ系の診断に関する診断方法を示したフローチャートであり、ここでは、診断対象となっている各スイッチのオン状態およびオフ状態のいずれもが検知されれば良好と診断される。
【0076】
ステップS701では、前記診断項目6の『ブレーキスイッチ診断』に関する診断選択フラグFselc6および診断合格フラグFpass6に基づいて、前記と同様に当該診断項目の選択の有無および診断の合否が判定される。『ブレーキスイッチ診断』が選択されかつ未だ合格していないとステップS702へ進み、それ以外であればステップS710へ進んで次のスイッチ診断(診断項目7)を実行する。ステップS702では、スイッチオン時およびスイッチオフ時に関する診断が実行される。ステップS703では、上記診断の合否が判定され、オン時およびオフ時のいずれもが合格していれば、ステップS704では当該診断に関する診断合格フラグFpass6に“1”がセットされ、ステップS705では、表示部27に表示されている診断項目番号“06”が消去される。以下同様に、他のスイッチに関しても同様の診断が実行され、合格した診断項目の番号が表示部27上から順次消去される。
【0077】
図18は、前記図8のステップS800として実行される『終了処理』の動作を示したフローチャートである。ステップS501では、現時点での診断結果として、例えば未だに診断が合格していない診断項目の番号が、前記図9のステップS114で読み取られた当該車両の識別符号と対応付けて前記RAM22に記憶される。この診断結果は、当該ステップS501が実行されるごとに、その時点での診断結果に応じて随時書き換えられる。
【0078】
また、図1に示したRAM22には複数台分の診断結果をそれぞれの識別符号と対応付けて記憶することができ、複数台分(例えば、50〜60台分)の診断結果がまとまると、自動的または手動で作業者が前記メニュー画面上の『転送機能』を選択することにより、診断結果が送信部24を介して前記ホストコンピュータ30等の上位装置へ無線通信によりまとめて転送される。ホストコンピュータ30では、複数台分づつ転送される診断結果をまとめて記憶装置33へ記憶し、予定台数分(例えば、数百台分)のデータが蓄積されると、これをICカードやフロッピーディスク等の可搬性記憶媒体に記憶する。
【0079】
このように、各車両の診断結果をまとめて管理するようにすれば、作業者の作業効率が向上するのみならず、診断結果の統計的な処理が容易になり、診断結果の分析や生産工程への素早いフィードバックが可能になる。
【0080】
図18のステップS502では、全ての診断合格フラグFpass××が参照され、全ての診断項目が合格しているか否かが判定される。全ての診断合格フラグFpass××に“1”がセットされていると、ステップS503では、図6(f) に示したように表示部27に“合格”の文字が大きく表示されて作業者に診断の終了を知らせる。ステップS504では、通信ケーブル5がECU1から取り外されたか否かが判定され、取り外されると、ステップS505においてオフ状態となる。また、通信ケーブル5が取り外されていないと、ステップS508では、電源をオフにするためのキー操作が作業者によって行われたか否かが判定され、当該キー操作が行われるとステップS505へ進み、当該キー操作が行われていないとステップS503へ戻る。
【0081】
一方、前記ステップS502において、例えば診断項目2が合格しないと判定されると当該処理はステップS506へ進む。このとき表示部27には、図6(c) に示したように、表示“02”が残っているので、作業者は診断項目2のみが未だに合格していないことを簡単に認識することができる。
【0082】
さらに、図6(d),(e) に示したように、『Ne診断』の診断項目番号“05”が残っている場合には、表示“00”が残っているか否かに応じて診断項目5の診断結果の正当性を判定する。すなわち、前記図16のステップS610、S611に関して説明したように、表示“00”は、診断項目5の前提条件(例えば、エンジンが十分に暖まっており、かつ負荷がない等)が成立してNe 診断が行われた回数(すなわちCID)が所定の回数を上回った(CID>CID-ref)ときに消去される。したがって、同図(d) に示したように、表示“00”も残っている場合には、診断項目5の前提条件が成立しておらず診断自体が未だ開始されていないことになる。したがって、作業者は当該診断項目5を直ぐには不良と判定せず、その後、再度Ne診断を行って表示“00”および“05”が消去されれば良好と判定する。
【0083】
また、表示“00”が消えていれば、診断項目5の前提条件が成立して十分な回数(すなわち、CID)の診断が行われているにもかかわらず合格していないことになるので、作業者は当該診断項目5を直ちに不良と判定する。
【0084】
このように、本実施形態では、診断に先立って前提条件を満足する必要がある診断項目に関しては、この前提条件が成立しているか否かを表す不成立符号“00”が表示されるので、当該診断項目の診断が合格していない場合であっても、これが前提条件の不成立に起因していることを容易に認識することができ、必ずしも不良ではない診断項目を不良と誤判定してしまうことがない。
【0085】
ステップS506では、電源をオフにするためのスイッチ操作が作業者によって行われたか否かが判定され、当該スイッチ操作が行われると、前記ステップS505へ進んでオフ状態となり、当該スイッチ操作が行われていないと、ステップS507では、通信ケーブル5がECU1から取り外されたか否かが判定される。通信ケーブル5が取り外されると、前記ステップS505へ進んでオフ状態となり、取り外されていなければ診断を継続するために次の診断へ進む。
【0086】
図19は、前記図8のステップS900として実行される『待機モード処理』の動作を示したフローチャートである。ステップS901では、待機モード中か否かが判定され、初めは診断モードなのでステップS902へ進む。ステップS902では、前回検出されたエンジン回転数Ne-pre と今回検出されたエンジン回転数Ne とが比較される。ここで、診断作業中すなわちエンジンが回転中であると、たとえアイドリング状態であってもエンジン回転数は微妙に変化しているので、両者は不一致と判定されてステップS903へ進む。ステップS903では、待機モードタイマTssがリセットされ、続くステップS904では、今回検出されたエンジン回転数Ne が前回のエンジン回転数Ne-pre として新たに登録されて次の診断へ進む。
【0087】
その後、例えば休憩時間等に診断作業を中断してエンジンを停止させると、前記ステップS902において、前回エンジン回転数Ne-pre と今回エンジン回転数Ne とが一致していると判定されるので当該処理はステップS905へ進む。ステップS905では、タイマTssがスタート済か否かが判定され、初めはスタート済ではないと判定されるのでステップS906へ進み、ここでタイマTssがスタートする。
【0088】
以上のようにして待機モードタイマTssがスタートすると、その後は前記ステップS905の判定が肯定となるので、当該処理はステップS905からステップS907へ進む。ステップS907では、タイマTssのカウント値が前記標準データの一つである待機モード始動条件Tss-refと比較される。タイマTssのカウント値が始動条件Tss-refを超えると、ステップS908では、当該処理の動作モードが診断モードから待機モードに移行し、表示部27のバックライトおよびその液晶駆動がいずれもオフ状態となる。また、これまでの診断経過はRAM22に一時記憶される。
【0089】
待機モードが始動されると、次回の処理はステップS901からステップS909へ進み、前回エンジン回転数Ne-pre と今回エンジン回転数Ne とが比較される。休憩時間の間、両者は常に一致してステップS909の判定が肯定となるので待機モードは維持されるが、休憩時間が終了してエンジンを再始動させると、ステップS909の判定が否定となってステップS910へ進む。ステップS910では、当該処理の動作モードが待機モードから診断モードへ移行し、表示部27のバックライトおよび液晶駆動がいずれもオン状態となる。これと同時に、待機モードが開始されるまでの診断経過が前記RAM22から読み出され、表示部27には待機モード開始直前の表示内容が再現される。ステップS911では、今回検出されたエンジン回転数Ne が前回のエンジン回転数Ne-pre として新たに登録され、その後、当該処理は図10に関して説明した『車速センサ診断』へ戻り、上記した各診断処理が図8に示したように循環的に繰り返される。
【0090】
このように、本実施形態では診断モードから待機モードへの移行はエンジン回転数の変動が検知されなくなれば自動的に行われ、待機モードから診断モードへの移行はエンジン回転数の変動が検知されれば自動的に行われる。したがって、作業者は休憩時間が始まって診断を中断する場合にエンジンを停止させ、休憩時間が終了して診断を再開する場合にエンジンを再始動するだけで良く、他に特別な操作は要求されない。このため、診断モードから待機モードへの移行、および待機モードから診断モードへの移行にあたって作業者は余計な負担を強いられることがない。
【0091】
なお、本実施形態では作業者が各診断のための一の操作を開始してから終了するまでの間、例えば前記『ブレーキスイッチ診断』であれば、作業者がブレーキペダルを操作する(踏み込む)間に当該『ブレーキスイッチ診断』が実行される必要がある。したがって、各診断項目の診断は、作業者が一の操作を開始してから終了するまでの間に全ての診断項目に関する診断が少なくとも1回は実行されるような速度で循環的に繰り返し実行されることが望ましい。
【0092】
また、上記した実施形態では、始めに診断項目番号の全てを一覧表示し、合格した診断項目の番号を順次消去し、最後まで残った番号の診断項目を不良と判断するものとして説明したが、これとは逆に、合格した診断項目の番号を順次表示し、最後まで表示されない番号の診断項目を不良と判断するようにしても良い。同様に、表示“00”も診断項目5の診断が十分に行われたときに消去されるものとして説明したが、これとは逆に、診断項目5の診断が十分に行われたときに始めて表示されるようにしても良い。
【0093】
さらに、ここでは本発明の車両診断方法および装置を工場の生産ラインにおける『検査工程』等で用いる場合を例にして説明したが、本発明はこれのみに限定されず、修理工場や他の環境下で用いられる車両診断方法および装置にも同様に適用することもできる。
【0094】
【発明の効果】
本発明によれば、一の診断項目が合格した場合のみならず、当該一の診断項目が所定期間経過後も合格しない場合にも当該一の診断項目に関する当該強制作動信号の供給が停止される。したがって、一の診断項目に関する強制作動信号が供給され続けてしまうことがなく、以下のような効果が達成される。
(1) 強制作動信号を利用しなければならない診断項目が複数ある場合、一の診断が所定期間経過後も合格しない場合には当該一の診断に関する当該強制作動信号の供給が停止され、他の一の診断用に他の強制作動信号を改めて供給することができるので、一の診断項目が不良であっても他の一の診断項目の診断を行えるようになる。
(2) 診断に際して強制作動信号の供給を必要とせず、強制作動信号が他の診断用に供給されている間は実施できない診断項目が含まれている場合も、本発明によれば強制作動信号の供給が適宜に停止されるので、強制作動信号の供給中に診断を行うと支障のある診断も制約なく行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 診断対象の車両に搭載されるECU1および本発明の車両診断装置2の構成を示したブロック図である。
【図2】 ROMカード7の記憶内容を模式的に表現した図である。
【図3】 診断項目管理テーブル71の記憶内容を示した図である。
【図4】 非標準データ記憶領域74の記憶内容を示した図である。
【図5】 標準データ記憶領域73の記憶内容を示した図である。
【図6】 表示部27における表示例を示した図である。
【図7】 本発明の車両診断装置の機能ブロック図である。
【図8】 本発明による車両診断の概要を示したフローチャートである。
【図9】 初期処理の動作を示したフローチャートである。
【図10】 車速センサ診断の動作を示したフローチャートである。
【図11】 EGR診断の動作を示したフローチャートである。
【図12】 エバポ診断の動作を示したフローチャートである。
【図13】 エバポレーションシステムのブロック図である。
【図14】 VT診断の動作を示したフローチャートである。
【図15】 Ne 診断の動作を示したフローチャートである。
【図16】 Ne 診断の動作(続き)を示したフローチャートである。
【図17】 各スイッチ診断の動作を示したフローチャートである。
【図18】 終了処理の動作を示したフローチャートである。
【図19】 待機モード処理の動作を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1…ECU、2…車両診断装置、3…アクチュエータ、4…センサ、5…通信ケーブル、7…ROMカード、16、17、18…コネクタ、20…CPU、24…送信部、27…表示部
Claims (4)
- 車両各部が予定の状態を示すように強制作動信号を供給し、その結果、前記車両各部の実際の状態が前記予定の状態になったか否かに基づいて各診断項目の良否を判定する車両診断方法において、
複数の診断項目のいずれかに関連した車両各部が予定の状態を示すように強制作動信号を供給し、
強制作動信号が供給されている間に、当該強制作動信号に対応した診断が実行されるように各診断を循環的に実行し、
良判定の下された診断項目を診断対象から外し、残りの診断項目の診断を引き続き循環的に実行し、
前記強制作動信号は、これに対応した診断に良判定が下されたとき、および当該診断に予定期間の経過後も良判定が下されないときに停止するようにしたことを特徴とする車両診断方法。 - 前記複数の診断項目の少なくとも二つは診断に際して強制作動信号の供給を必要とし、一の診断項目のための強制作動信号が停止されると、その代わりに他の一の診断項目のための他の強制作動信号を供給して診断を継続するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の車両診断方法。
- 車両各部が予定の状態を示すように強制作動信号を供給し、その結果、前記車両各部の実際の状態が前記予定の状態になったか否かに基づいて各診断項目の良否を判定する車両診断装置において、
複数の診断項目の中から診断項目を一つづつ連続的かつ循環的に選択する診断項目選択手段と、
いずれかの診断項目に関連した診断対象部位へ強制作動信号を供給する強制作動信号供給手段と、
前記選択された診断項目に関連した診断対象部位の現在の状態を検出する状態検出手段と、
前記検出された診断対象部位の現在の状態を、これに強制作動信号が供給されたときに予測される状態と比較し、両者が予定の関係にあると当該診断対象部位が良好である旨を判定する診断手段と、
前記強制作動信号の供給を停止させる供給停止手段とを具備し、
前記供給停止手段は、強制作動信号に対応した診断項目に対して良好である旨の判定がなされたとき、および当該診断項目に対して予定期間経過後も良好である旨の判定がなされないときに、当該診断項目の診断用に供給されている強制作動信号を停止させることを特徴とする車両診断装置。 - 前記複数の診断項目の少なくとも二つは診断に際して強制作動信号の供給を必要とし、前記強制作動信号供給手段は、前記供給停止手段によつて一の診断項目のための強制作動信号の供給が停止されると、その代わりに他の一の診断項目のための他の強制作動信号を供給することを特徴とする請求項3に記載の車両診断装置。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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