JP3896663B2 - X線診断装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、被検体(患者)にX線を照射するX線管と透過X線を検出する透過X線検出器とがC字状アームに保持されているX線診断装置に係り、特に、反対方向からのX線撮影が簡単に行えるようにするための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、病院等で用いられているC型アームタイプのX線診断装置では、図13(a)に示すように、天板60に載置された患者MにX線を照射するX線管61と、患者Mからの透過X線を検出するイメージインテンシファイア62とがC字状アーム(C型アーム)63の両端部に患者Mを挟んで対向するかたちで取り付け保持されており、図示の如く、装置全体を台車64で移動させられる構成となっている場合も多い。
【0003】
X線撮影を実行する場合、X線管61から患者MにX線を照射して、患者Mの透過X線像をイメージインテンシファイア62で検出し、イメージインテンシファイア62で検出された透過X線像をイメージインテンシファイア62の後端に設置されたTVカメラ65で撮像して、最終的にモニタ(図示省略)の画面にX線透視画像として映し出す。
【0004】
上記のようにして、患者Mの患部をX線透視するのであるが、X線撮影対象の部位や病変状況によっては、反対方向からもX線撮影する必要のある場合がある。反対方向からX線撮影を行う場合には、図13(b)に示すように、X線管61とイメージインテンシファイア62の位置を入れ替えて、先の場合と同様にX線撮影を実行することになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来のX線診断装置の場合、反対方向からX線撮影を行うことが簡単ではないという問題がある。
反対方向からのX線撮影を行う場合、図13(a)の状態から、C字状アーム63をX軸を回転軸として180°回転させることにより、図13(b)の状態に移行させるわけであるが、この時、天板60をいったん後退させるか、X線診断装置の方を天板60から外れた位置へ移動させなければ、C字状アーム63を180°回転させることは出来ない。勿論、C字状アーム63を180°回転させた後、天板60あるいはX線診断装置を元の位置に復帰させる必要もある。このように、従来のX線診断装置の場合、反対方向からのX線撮影を行う場合には非常に手間がかかり、簡単ではないのである。
【0006】
この発明は、上記の事情に鑑み、反対方向からのX線撮影が簡単に行えるX線診断装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、この発明のX線診断装置は、被検体にX線を照射するX線管と、被検体からの透過X線を検出する透過X線検出器とがC字状アーム(C型アーム)に保持されているX線診断装置において、C字形状アームの両端部に被検体を挟んで相対するようにして取り付けられている第1および第2の2個のX線管と、被検体と第2X線管の間において被検体を挟んで第1X線管と対向する位置に配置されるとともにX線検出素子が縦横に配列されている透過X線検出器としての第1X線面センサと、被検体と第1X線管の間において被検体を挟んで第2X線管と対向する位置に配置されるとともにX線検出素子が縦横に配列されている透過X線検出器としての第2X線面センサとを備えているとともに、第1X線管によるX線照射が行われる時には第2X線面センサを第1X線管からの照射X線を遮らない位置へ退避させられるとともに、第2X線管によるX線照射が行われる時には第1X線面センサを第2X線管からの照射X線を遮らない位置へ退避させられるよう構成されている。
【0008】
〔作用〕
次に、この発明のX線診断装置によるX線撮影実行の際の作用について説明する。
この発明のX線診断装置の場合、X線管が2個あり、第1X線管によるX線撮影と第2X線管によるX線撮影のいずれかを行うのであるが、先ず、第1X線管および第2X線管が被検体の撮影対象部位を互いに逆方向から臨む位置へセットするとともに、第1および第2のX線管のうちの一方を使用X線管として選択する。今は第1X線管が選択されたものとする。そして、透過X線検出用の第1X線面センサを、被検体と第2X線管の間において被検体を挟んで第1X線管と対向する位置にセットするとともに、第2X線面センサの方は第1X線管からの照射X線を遮らない位置へ退避させておいてから、第1X線管から被検体にX線を照射する。そうすると、被検体へのX線照射に伴って、第1X線面センサからX線検出データが出力されるとともに、このX線検出データに基づき被検体のX線透視画像が得られる。
【0009】
また、第2X線管が選択された場合には、透過X線検出用の第2X線面センサの方を、被検体と第1X線管の間において被検体を挟んで第2X線管と対向する位置にセットするとともに、逆に第1X線面センサの方は第2X線管からの照射X線を遮らない位置へ退避させておいてから、第2X線管から被検体にX線を照射すればよい。
【0010】
第1X線管と第2X線管は相対していて、X線照射方向が逆向きになるので、第1X線面センサで得られるX線透視画像と、第2X線面センサで得られるX線透視画像とは撮影方向が反対となる関係にある。つまり、この発明のX線診断装置では、反対方向からのX線撮影を実行する場合に移動させるのは、第1,第2の両X線面センサだけであり、C字状アームについては全く移動させる必要がない。第1,第2の両X線面センサは薄型・軽量であるので、2個のX線管と2個のX線面センサを一つのC字状アームに装備することが可能なのであるが、従来のように透過X線検出器としてイメージインテンシファイアを使う場合は、イメージインテンシファイアが大型の重量物であるため、2個のX線管と2個のイメージインテンシファイアを一つのC字状アームに装備して、この発明の同様の構成をとるようなことは出来ない。
【0011】
【発明の実施の形態】
続いて、この発明の一実施例を図面を参照しながら説明する。図1は実施例に係るX線診断装置の全体構成を示すブロック図である。
図1のX線診断装置は、被検体Mを載置する天板1を備えているとともに、患者(被検体)MにX線を照射する第1X線管2および第2X線管3と、X線検出素子が縦横に配列されている透過X線検出用の第1フラットパネル型X線センサ(以下、「第1X線センサ」と略記)4およびX線検出素子が縦横に配列されている透過X線検出用の第2フラットパネル型X線センサ(以下、「第2X線センサ」と略記)5とをC字状アーム6に保持された形で備えている。
なお、天板1は患者Mの体軸Z方向に往復移動可能に構成されている。
【0012】
第1X線管2および第2X線管3は、C字状アーム6の両端部に患者Mを挟んで相対するようにして取り付けられて保持され、第1X線センサ4および第2X線センサ5は、C字状アーム6の内側に設けられたネジ棒(螺軸)7,8に取り付けられて保持されている。そして、C字状アーム6は患者Mの体軸Zの周りを、矢印W1で示すように円弧状に往復移動可能な形でアーム支持部9に支持されているとともに、アーム支持部9そのものが、水平軸Xを回転軸として、矢印W2で示す方向に正逆回転可能に、台車11の上に設けられた基台10に取り付けられていて、アーム支持部9の回転に応じて両X線管2,X線管3の傾きが変化しX線照射方向が変わるよう構成されている。なお、台車11が移動するのに連れて、両X線管2,3や両X線センサ4,5およびC字状アーム6など基台10に装備されている全てのものが、一緒に移動することは言うまでもない。
【0013】
また、両X線センサ4,5の後段には、両X線センサ4,5から出力されるX線検出データを収集し、センサ選択スイッチ14を介して画像処理部15へ送り出す第1信号収集部12および第2信号収集部13が設置されている。これら信号収集部12,13の後段の画像処理部15は、X線検出データをディジタル信号に変換するAD変換部16,ディジタル化されたX線検出データを記憶する検出データメモリ17、検出データメモリ17に記憶されたX線検出データにエッジ強調やフィルタリングなどの必要な画像処理を施すことによりX線画像を作成するデータ処理部18、および、得られたX線画像を記憶するX線画像メモリ19を具備している。勿論、X線透視撮影中、X線画像メモリ19に格納されたX線画像は次々と更新され続けることになる。
【0014】
また、各X線管2,3は、高電圧発生器などを含む照射制御部20のコントロールにより、管電圧・管電流等の設定照射条件に従ってX線を患者Mに照射するよう構成されている。照射制御部20によるコントロールは、キーボード21やマウス22からの設定操作に伴って撮影制御部23から送出される指令信号に従って行われる。また、天板1の移動は、天板制御部24のコントロールにより行われるよう構成されている。天板制御部24によるコントロールも、キーボード21やマウス22からの設定操作に伴って撮影制御部23から送出される指令信号に従って行われる。
【0015】
一方、天板1の横には、画像表示モニタ25が設置されており、X線画像メモリ19に記憶されたX線画像を表示するよう構成されている他、X線画像メモリ19に記憶されるX線画像をフィルムに焼き付けて画像写真として出力する画像焼付け記録部(レザー式イメージャー)26も設けられている。そして、キーボード21やマウス22からの操作入力により撮影制御部23から送出される指令信号に従って、X線画像メモリ19に記憶されたX線画像が画像表示モニタ25へ出力されて表示されたり、画像焼付け記録部26から画像写真として送り出される構成となっている。
【0016】
さらに、C字状アーム6の矢印W1で示す方向の往復移動や、アーム支持部9の矢印W2で示す方向の正逆回転は、アーム制御部27のコントロールにより行われるよう構成されており、アーム制御部27によるコントロールも、やはりキーボード21やマウス22からの設定操作に伴って撮影制御部23から送出される指令信号に従って行われる。
【0017】
続いて、X線検出データを出力するX線センサ4,5の構成を具体的に説明しておく。X線センサ4,5におけるX線検出素子の配列としては、例えば横(x)方向1024,縦(y)方向1024の正方形マトリックス構成が挙げられる。また、X線センサ4,5の平面寸法としては、例えば縦横約30cmが挙げられる。このX線センサ4,5は、矩形の平面形状を有することから、胸部や腹部など大きな部位を撮影するのに適した方形の検出面が可能である他、画像周辺の像歪みが殆どなく解像度も高い上、また薄型・軽量であるなど多くの利点を有する。
【0018】
X線センサ4,5は、図2に示すように、入射X線を電荷あるいは光に変換するX線変換層30と、X線変換層30で生じた電荷あるいは光を検出する素子が縦横にマトリックス状に配置形成されている検出アレイ層31との積層構造となっており、図3(a)に示す直接変換タイプのセンサと、図3(b)に示す間接変換タイプのセンサとがある。
【0019】
前者の直接変換タイプの場合、X線変換層30が入射X線を直に電荷に変換するセレン層やCdZnTe層などからなり、検出アレイ層31の表面に電荷検出素子32として表面電極33に対向形成された電荷収集電極でもって電荷の検出を行いコンデンサC1に蓄電する構成となっていて、各電荷検出素子32とその上のX線変換層30の一部分およびコンデンサC1とで1個のX線検出素子XDが形成される。
【0020】
後者の間接変換タイプの場合、X線変換層30が入射X線を光に変換するシンチレータ層からなり、検出アレイ層31の表面に光検出素子34として形成されたフォトダイオードでもって光の検出を行いコンデンサC1に蓄電する構成となっていて、各光検出素子34とその上のX線変換層30の一部分およびコンデンサC1とで1個のX線検出素子XDが形成される。
【0021】
そして、X線センサ4,5では、図4に示すように、各X線検出素子XD,…,XDがそれぞれTFT(Thin Film Transister:薄膜トランジスタ) 35を介して縦横に走る読出し配線36,37に接続されているとともに、読出し配線36,37は、それぞれ横読出し駆動部38あるいは縦読出し駆動部39に接続されており、横・縦読出し駆動部38,39へ読出し用の走査信号が送り込まれることになる。X線センサ4,5の各X線検出素子XDの特定は横方向・縦方向の配列に沿って各X線検出素子XDへ順番に割り付けられている0〜1023のアドレスに基づいて行われるので、読出し用の走査信号は、それぞれ横方向アドレスまたは縦方向アドレスを指定する信号となる。
【0022】
横・縦の走査信号に従って横読出し駆動部38あるいは縦読出し駆動部39から読出し配線36,37に対して読出し用の電圧が印加されるのに伴い、各検出素子XD,…,XDより順番にX線検出信号がTFT35から読出し配線37を通り、さらに透視用X線検出データとして信号収集部12,13の各プリアンプ40およびマルチプレクサ41を経て収集されることになる。
【0023】
上記のことから、X線センサ4,5からの検出信号の読出し方式は、概ね通常のTVカメラなどの映像検出器に準ずる構成である。
第1実施例では、信号収集部12,13を構成する両読出し駆動部38,39や、プリアンプ40およびマルチプレクサ41も、X線センサ4,5の検出アレイ層31の表面周縁に設置されていて、一段と集積化が図られた構成となっている。
【0024】
また、X線センサ4,5から得られたX線検出データを記憶する検出データメモリ17やX線画像を記憶するX線画像メモリ19は、X線センサ4,5でのX線検出素子XDの縦横マトリック構成に対応するマトリックス構成を持つフレームメモリ方式の記憶デバイスが使われている。
【0025】
そして、実施例のX線診断装置では、特徴的なこととして、第1X線管2によるX線撮影と、第2X線管3によるX線撮影との切替えが可能な構成となっている。
第1X線管2によるX線撮影の場合、第1X線センサ4を、患者Mと第2X線管3の間において患者Mを挟んで第1X線管2と対向する位置にセットするとともに、第2X線センサ5の方は第1X線管2からの照射X線を遮らない位置へ退避させて、X線撮影が行われる。
【0026】
逆に、第2X線管3によるX線撮影の場合、第2X線センサ5を、患者Mと第1X線管2の間において患者Mを挟んで第2X線管3と対向する位置にセットするとともに、第1X線センサ4の方は第2X線管3からの照射X線を遮らない位置へ退避させて、X線撮影が行われる。
第1X線管2によるX線撮影と、第2X線管3によるX線撮影との切替えは、撮影選択部28のコントロールにより行われるよう構成されており、撮影選択部28によるコントロールも、やはりキーボード21やマウス22からの設定操作に伴って撮影制御部23から送出される指令信号に従って行われる。
【0027】
次に、X線撮影の切替えに伴って必要となる両X線センサ4,5の移動機構について具体的に説明する。
図5に示すように、各X線センサ4,5が取り付けられているネジ棒7,8は円筒ケース7a,8aに納められた状態で、電動モータ42,43により、それぞれ独立して回転できるようにして、円筒ケース7a,8aの端面同士が接した直列配列の形でC字状アーム6に渡されている。一方、各ネジ棒7,8には、ネジ棒7,8の正逆回転に応じて上または下に進む移動ブロック44,45がネジ結合しているとともに、円筒ケース7a,8aの側面に長手方向に沿って続く窓7b,8bが開けられており、この移動ブロック44,45のそれぞれとX線センサ4,5とが窓7b,8bを通して接続バー46,47により結合された状態になっている。
【0028】
この結果、電動モータ42が回転した場合、移動ブロック44が移動するのに連れて、接続バー46が窓7bに沿って移動すると同時にX線センサ4も上下する。また、電動モータ43が回転した場合、移動ブロック45が移動するのに連れて、接続バー47が窓8b沿って移動すると同時にX線センサ5も上下することになる。
【0029】
さらに、窓7b,8bは、図6に示すように、上端側および下端側では横方向へ曲がっており、下降して来たX線センサ4は、一点鎖線で示すように、右側へ旋回して照射X線を遮らない位置へ退避し、上昇して来たX線センサ5も、一点鎖線で示すように、右側へ旋回して照射X線を遮らない位置へ退避する構成となっている。したがって、X線センサ4,5は、窓7b,8bの直線域にある時は、照射X線を遮る位置、つまり透過X線を検出する位置にあることになる。
【0030】
続いて、上述した構成を有する実施例のX線診断装置によりX線撮影を実行する時の動作を図9のフローチャートを参照して説明する。以下では、先ず第1X線管2によるX線撮影を行った後、第2X線管3によるX線撮影を行う。
〔ステップS1〕天板1の上に患者Mを載せてから天板1を移動させて患者Mを透視撮影位置へセットする。
【0031】
〔ステップS2〕キーボード21またはマウス22からの入力操作により第1X線管2によるX線撮影を選択指定する。
【0032】
〔ステップS3〕ネジ棒8が回転して、図7に示すように、第2X線センサ5が退避位置へ移動するとともに、第1X線センサ4は透過X線を検出できる位置に留まる。同時に、センサ選択スイッチ14が第1X線センサ4の側にセットされる。
【0033】
〔ステップS4〕キーボード21またはマウス22からの入力操作により撮影を開始させると、第1X線管2から患者MにX線が照射される。
【0034】
〔ステップS5〕X線照射に伴ってX線センサ4から出力されるデータが検出データメモリ17に格納されるとともに、データ処理部18により画像データ処理が行われ、X線透視画像がモニタ25の画面に映し出されて表示される。
【0035】
〔ステップS6〕第1X線管2によるX線撮影が終われば、直ちにキーボード21またはマウス22からの入力操作により第2X線管3によるX線撮影を選択指定する。
【0036】
〔ステップS7〕ネジ棒7が回転して、図8に示すように、第1X線センサ4が退避位置へ移動するとともに、ネジ棒8が回転して、第2X線センサ5が透過X線を検出できる位置に移動する。同時に、センサ選択スイッチ14が第2X線センサ5の側にセットされる。
【0037】
〔ステップS8〕キーボード21またはマウス22からの入力操作により撮影を開始させると、第2X線管3から患者MにX線が照射される。
【0038】
〔ステップS9〕X線照射に伴ってX線センサ5から出力されるデータが検出データメモリ17に格納されるとともに、データ処理部18により画像データ処理が行われ、X線透視画像がモニタ25の画面に映し出されて表示される。
【0039】
実施例のX線診断装置の場合、第1X線管2と第2X線管3とは相対しており、X線照射方向が逆になるので、第1X線センサ4で得られるX線透視画像と、第2X線センサ5で得られるX線透視画像とは撮影方向が反対となる。つまり、この発明のX線診断装置では、反対方向からのX線撮影を実行する場合に移動させるのは、第1,第2の両X線センサ4,5だけであり、C字状アーム6については移動させる必要がないのである。また、C字状アーム6の両端部の重量負荷がバランスしており、C字状アーム6の動きもスムーズとなる。
【0040】
続いて、この発明の他の実施例を図面を参照しながら説明する。図10は他の実施例に係るX線診断装置の要部構成を示すブロック図である。他の実施例においては、X線センサ4,5が、支持バー51,52を介して電動モータ53,54の回転により撮影位置と退避位置の間を移動可能に構成されている他は、先の実施例と全く同一の構成であるので、構成の異なる部分のみを説明し、他の部分の説明は省略する。
【0041】
他の実施例の装置では、第1X線管2によるX線撮影の場合、図11(a)に示すように、第1X線センサ4を、患者Mと第2X線管3の間において患者Mを挟んで第1X線管2と対向する位置にセットするとともに、第2X線センサ5の方を電動モータ54で横方向に回動させて第1X線管2からの照射X線を遮らない位置へ退避させて、X線撮影が行われることになる。
【0042】
逆に、第2X線管3によるX線撮影の場合、図11(b)に示すように、第2X線センサ5を、患者Mと第2X線センサ5を電動モータ54で、患者Mと第1X線管2の間において患者Mを挟んで第2X線管3と対向する位置に移動させるとともに、第1X線センサ4の方は、電動モータ53で横方向に回動させて第2X線管3からの照射X線を遮らない位置へ退避させて、X線撮影が行われる。
図10に示す他の実施例のX線診断装置の場合も、C字状アーム6の両端部の重量負荷がバランスしており、C字状アーム6の動きはスムーズである。
【0043】
この発明は上記実施の形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上の両実施例装置では、X線管2,3が同一構成のものであったが、X線管2,3の種類が異なるようであってもよい。
X線管2が焦点サイズの小さな高画質の画像が得られるステレオX線管であって、X線管3が、長時間の連続運転可能な出力容量の大きなX線管であり、1台の装置でもって、ステレオ撮影や長時間の透視撮影の両方が可能となる構成の装置が、変形例として挙げられる。
【0044】
また、X線管2とX線管3が照射するX線のエネルギーが異なる構成の装置が変形例として挙げられる。X線管2とX線管3の前面に異なるフィルターを装着してX線のエネルギーを異ならせることができる。あるいは、X線管2とX線管3のターゲーットの材質を異ならせることにより、X線のエネルギーを異ならせることができる。
【0045】
X線管2とX線管3が照射するX線のエネルギーが異なる場合、骨部組織を捉え易い高エネルギーX線による画像と、軟部組織を捉え易い低エネルギーX線による画像との間で、適当な重み付けを与えたサブトラクション処理を行うことにより、骨部組織だけの画像、あるいは、軟部組織だけの画像を得ることが可能となる。
【0046】
(2)また、実施例装置の場合、頭部DSA撮影にも用いた場合には鮮明な画像が簡単に得られる。図12(a)に示すように、X線センサ4を撮影位置にセットし、X線センサ5を退避位置にセットしておいて、選択的に造影した頭部左側の撮影部位Maを、X線管2とX線センサ4により撮影した後、次に、図12(b)に示すように、X線センサ4を退避位置にセットし、X線センサ5を撮影位置にセットしておいて、選択的に造影した頭部右側の撮影部位MbをX線管3とX線センサ5により撮影する。X線センサ4,5の位置だけを移動させることにより、X線センサ4,5が撮影部位Ma,Mbに近くなって、鮮明な画像が得られる。
【0047】
(3)この発明のX線診断装置は、天板1やモニタ25を備えていない構成であってもよいし、C字状アームが台車ではなく、天井を走行移動可能な吊設支持部に設置されている構成であってもよい。
【0048】
(4)両実施例では、X線センサ4,5を電動モータの駆動力を利用して移動させる構成であったが、X線センサ4,5を手動で移動させる構成のものが変形例として挙げられる。
【0049】
【発明の効果】
この発明のX線診断装置によれば、C字状アームに被検体を挟んで2個のX線管と2個のX線面センサが設けられていて、X線面センサを撮影位置と退避位置との間を移動させるだけで、X線照射方向を逆転させてX線撮影することができる構成を備えていることから、反対方向からのX線撮影を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のX線診断装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】フラットパネル型X線センサの大略構成を示す斜視図である。
【図3】フラットパネル型X線センサの層構造を示す断面図である。
【図4】フラットパネル型X線センサまわりの回路構成を示すブロック図である。
【図5】実施例装置のX線センサの取り付け構造を示す断面図である。
【図6】実施例装置のX線センサの取り付け構造を示す斜視図である。
【図7】実施例の第1X線管によるX線撮影時の様子を示す模式図である。
【図8】実施例の第2X線管によるX線撮影時の様子を示す模式図である。
【図9】実施例装置によるX線撮影動作の一連の流れを示すフローチャートである。
【図10】他の実施例装置の要部構成を示すブロック図である。
【図11】他の実施例装置によるX線撮影時の様子を示す模式図である。
【図12】実施例装置による頭部DSA撮影時の様子を示す模式図である。
【図13】従来装置の要部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 …天板
2 …第1X線管
3 …第2X線管
4 …第1X線センサ
5 …第2X線センサ
6 …C字状アーム
M …患者
XD …X線検出素子
【発明の属する技術分野】
この発明は、被検体(患者)にX線を照射するX線管と透過X線を検出する透過X線検出器とがC字状アームに保持されているX線診断装置に係り、特に、反対方向からのX線撮影が簡単に行えるようにするための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、病院等で用いられているC型アームタイプのX線診断装置では、図13(a)に示すように、天板60に載置された患者MにX線を照射するX線管61と、患者Mからの透過X線を検出するイメージインテンシファイア62とがC字状アーム(C型アーム)63の両端部に患者Mを挟んで対向するかたちで取り付け保持されており、図示の如く、装置全体を台車64で移動させられる構成となっている場合も多い。
【0003】
X線撮影を実行する場合、X線管61から患者MにX線を照射して、患者Mの透過X線像をイメージインテンシファイア62で検出し、イメージインテンシファイア62で検出された透過X線像をイメージインテンシファイア62の後端に設置されたTVカメラ65で撮像して、最終的にモニタ(図示省略)の画面にX線透視画像として映し出す。
【0004】
上記のようにして、患者Mの患部をX線透視するのであるが、X線撮影対象の部位や病変状況によっては、反対方向からもX線撮影する必要のある場合がある。反対方向からX線撮影を行う場合には、図13(b)に示すように、X線管61とイメージインテンシファイア62の位置を入れ替えて、先の場合と同様にX線撮影を実行することになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来のX線診断装置の場合、反対方向からX線撮影を行うことが簡単ではないという問題がある。
反対方向からのX線撮影を行う場合、図13(a)の状態から、C字状アーム63をX軸を回転軸として180°回転させることにより、図13(b)の状態に移行させるわけであるが、この時、天板60をいったん後退させるか、X線診断装置の方を天板60から外れた位置へ移動させなければ、C字状アーム63を180°回転させることは出来ない。勿論、C字状アーム63を180°回転させた後、天板60あるいはX線診断装置を元の位置に復帰させる必要もある。このように、従来のX線診断装置の場合、反対方向からのX線撮影を行う場合には非常に手間がかかり、簡単ではないのである。
【0006】
この発明は、上記の事情に鑑み、反対方向からのX線撮影が簡単に行えるX線診断装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、この発明のX線診断装置は、被検体にX線を照射するX線管と、被検体からの透過X線を検出する透過X線検出器とがC字状アーム(C型アーム)に保持されているX線診断装置において、C字形状アームの両端部に被検体を挟んで相対するようにして取り付けられている第1および第2の2個のX線管と、被検体と第2X線管の間において被検体を挟んで第1X線管と対向する位置に配置されるとともにX線検出素子が縦横に配列されている透過X線検出器としての第1X線面センサと、被検体と第1X線管の間において被検体を挟んで第2X線管と対向する位置に配置されるとともにX線検出素子が縦横に配列されている透過X線検出器としての第2X線面センサとを備えているとともに、第1X線管によるX線照射が行われる時には第2X線面センサを第1X線管からの照射X線を遮らない位置へ退避させられるとともに、第2X線管によるX線照射が行われる時には第1X線面センサを第2X線管からの照射X線を遮らない位置へ退避させられるよう構成されている。
【0008】
〔作用〕
次に、この発明のX線診断装置によるX線撮影実行の際の作用について説明する。
この発明のX線診断装置の場合、X線管が2個あり、第1X線管によるX線撮影と第2X線管によるX線撮影のいずれかを行うのであるが、先ず、第1X線管および第2X線管が被検体の撮影対象部位を互いに逆方向から臨む位置へセットするとともに、第1および第2のX線管のうちの一方を使用X線管として選択する。今は第1X線管が選択されたものとする。そして、透過X線検出用の第1X線面センサを、被検体と第2X線管の間において被検体を挟んで第1X線管と対向する位置にセットするとともに、第2X線面センサの方は第1X線管からの照射X線を遮らない位置へ退避させておいてから、第1X線管から被検体にX線を照射する。そうすると、被検体へのX線照射に伴って、第1X線面センサからX線検出データが出力されるとともに、このX線検出データに基づき被検体のX線透視画像が得られる。
【0009】
また、第2X線管が選択された場合には、透過X線検出用の第2X線面センサの方を、被検体と第1X線管の間において被検体を挟んで第2X線管と対向する位置にセットするとともに、逆に第1X線面センサの方は第2X線管からの照射X線を遮らない位置へ退避させておいてから、第2X線管から被検体にX線を照射すればよい。
【0010】
第1X線管と第2X線管は相対していて、X線照射方向が逆向きになるので、第1X線面センサで得られるX線透視画像と、第2X線面センサで得られるX線透視画像とは撮影方向が反対となる関係にある。つまり、この発明のX線診断装置では、反対方向からのX線撮影を実行する場合に移動させるのは、第1,第2の両X線面センサだけであり、C字状アームについては全く移動させる必要がない。第1,第2の両X線面センサは薄型・軽量であるので、2個のX線管と2個のX線面センサを一つのC字状アームに装備することが可能なのであるが、従来のように透過X線検出器としてイメージインテンシファイアを使う場合は、イメージインテンシファイアが大型の重量物であるため、2個のX線管と2個のイメージインテンシファイアを一つのC字状アームに装備して、この発明の同様の構成をとるようなことは出来ない。
【0011】
【発明の実施の形態】
続いて、この発明の一実施例を図面を参照しながら説明する。図1は実施例に係るX線診断装置の全体構成を示すブロック図である。
図1のX線診断装置は、被検体Mを載置する天板1を備えているとともに、患者(被検体)MにX線を照射する第1X線管2および第2X線管3と、X線検出素子が縦横に配列されている透過X線検出用の第1フラットパネル型X線センサ(以下、「第1X線センサ」と略記)4およびX線検出素子が縦横に配列されている透過X線検出用の第2フラットパネル型X線センサ(以下、「第2X線センサ」と略記)5とをC字状アーム6に保持された形で備えている。
なお、天板1は患者Mの体軸Z方向に往復移動可能に構成されている。
【0012】
第1X線管2および第2X線管3は、C字状アーム6の両端部に患者Mを挟んで相対するようにして取り付けられて保持され、第1X線センサ4および第2X線センサ5は、C字状アーム6の内側に設けられたネジ棒(螺軸)7,8に取り付けられて保持されている。そして、C字状アーム6は患者Mの体軸Zの周りを、矢印W1で示すように円弧状に往復移動可能な形でアーム支持部9に支持されているとともに、アーム支持部9そのものが、水平軸Xを回転軸として、矢印W2で示す方向に正逆回転可能に、台車11の上に設けられた基台10に取り付けられていて、アーム支持部9の回転に応じて両X線管2,X線管3の傾きが変化しX線照射方向が変わるよう構成されている。なお、台車11が移動するのに連れて、両X線管2,3や両X線センサ4,5およびC字状アーム6など基台10に装備されている全てのものが、一緒に移動することは言うまでもない。
【0013】
また、両X線センサ4,5の後段には、両X線センサ4,5から出力されるX線検出データを収集し、センサ選択スイッチ14を介して画像処理部15へ送り出す第1信号収集部12および第2信号収集部13が設置されている。これら信号収集部12,13の後段の画像処理部15は、X線検出データをディジタル信号に変換するAD変換部16,ディジタル化されたX線検出データを記憶する検出データメモリ17、検出データメモリ17に記憶されたX線検出データにエッジ強調やフィルタリングなどの必要な画像処理を施すことによりX線画像を作成するデータ処理部18、および、得られたX線画像を記憶するX線画像メモリ19を具備している。勿論、X線透視撮影中、X線画像メモリ19に格納されたX線画像は次々と更新され続けることになる。
【0014】
また、各X線管2,3は、高電圧発生器などを含む照射制御部20のコントロールにより、管電圧・管電流等の設定照射条件に従ってX線を患者Mに照射するよう構成されている。照射制御部20によるコントロールは、キーボード21やマウス22からの設定操作に伴って撮影制御部23から送出される指令信号に従って行われる。また、天板1の移動は、天板制御部24のコントロールにより行われるよう構成されている。天板制御部24によるコントロールも、キーボード21やマウス22からの設定操作に伴って撮影制御部23から送出される指令信号に従って行われる。
【0015】
一方、天板1の横には、画像表示モニタ25が設置されており、X線画像メモリ19に記憶されたX線画像を表示するよう構成されている他、X線画像メモリ19に記憶されるX線画像をフィルムに焼き付けて画像写真として出力する画像焼付け記録部(レザー式イメージャー)26も設けられている。そして、キーボード21やマウス22からの操作入力により撮影制御部23から送出される指令信号に従って、X線画像メモリ19に記憶されたX線画像が画像表示モニタ25へ出力されて表示されたり、画像焼付け記録部26から画像写真として送り出される構成となっている。
【0016】
さらに、C字状アーム6の矢印W1で示す方向の往復移動や、アーム支持部9の矢印W2で示す方向の正逆回転は、アーム制御部27のコントロールにより行われるよう構成されており、アーム制御部27によるコントロールも、やはりキーボード21やマウス22からの設定操作に伴って撮影制御部23から送出される指令信号に従って行われる。
【0017】
続いて、X線検出データを出力するX線センサ4,5の構成を具体的に説明しておく。X線センサ4,5におけるX線検出素子の配列としては、例えば横(x)方向1024,縦(y)方向1024の正方形マトリックス構成が挙げられる。また、X線センサ4,5の平面寸法としては、例えば縦横約30cmが挙げられる。このX線センサ4,5は、矩形の平面形状を有することから、胸部や腹部など大きな部位を撮影するのに適した方形の検出面が可能である他、画像周辺の像歪みが殆どなく解像度も高い上、また薄型・軽量であるなど多くの利点を有する。
【0018】
X線センサ4,5は、図2に示すように、入射X線を電荷あるいは光に変換するX線変換層30と、X線変換層30で生じた電荷あるいは光を検出する素子が縦横にマトリックス状に配置形成されている検出アレイ層31との積層構造となっており、図3(a)に示す直接変換タイプのセンサと、図3(b)に示す間接変換タイプのセンサとがある。
【0019】
前者の直接変換タイプの場合、X線変換層30が入射X線を直に電荷に変換するセレン層やCdZnTe層などからなり、検出アレイ層31の表面に電荷検出素子32として表面電極33に対向形成された電荷収集電極でもって電荷の検出を行いコンデンサC1に蓄電する構成となっていて、各電荷検出素子32とその上のX線変換層30の一部分およびコンデンサC1とで1個のX線検出素子XDが形成される。
【0020】
後者の間接変換タイプの場合、X線変換層30が入射X線を光に変換するシンチレータ層からなり、検出アレイ層31の表面に光検出素子34として形成されたフォトダイオードでもって光の検出を行いコンデンサC1に蓄電する構成となっていて、各光検出素子34とその上のX線変換層30の一部分およびコンデンサC1とで1個のX線検出素子XDが形成される。
【0021】
そして、X線センサ4,5では、図4に示すように、各X線検出素子XD,…,XDがそれぞれTFT(Thin Film Transister:薄膜トランジスタ) 35を介して縦横に走る読出し配線36,37に接続されているとともに、読出し配線36,37は、それぞれ横読出し駆動部38あるいは縦読出し駆動部39に接続されており、横・縦読出し駆動部38,39へ読出し用の走査信号が送り込まれることになる。X線センサ4,5の各X線検出素子XDの特定は横方向・縦方向の配列に沿って各X線検出素子XDへ順番に割り付けられている0〜1023のアドレスに基づいて行われるので、読出し用の走査信号は、それぞれ横方向アドレスまたは縦方向アドレスを指定する信号となる。
【0022】
横・縦の走査信号に従って横読出し駆動部38あるいは縦読出し駆動部39から読出し配線36,37に対して読出し用の電圧が印加されるのに伴い、各検出素子XD,…,XDより順番にX線検出信号がTFT35から読出し配線37を通り、さらに透視用X線検出データとして信号収集部12,13の各プリアンプ40およびマルチプレクサ41を経て収集されることになる。
【0023】
上記のことから、X線センサ4,5からの検出信号の読出し方式は、概ね通常のTVカメラなどの映像検出器に準ずる構成である。
第1実施例では、信号収集部12,13を構成する両読出し駆動部38,39や、プリアンプ40およびマルチプレクサ41も、X線センサ4,5の検出アレイ層31の表面周縁に設置されていて、一段と集積化が図られた構成となっている。
【0024】
また、X線センサ4,5から得られたX線検出データを記憶する検出データメモリ17やX線画像を記憶するX線画像メモリ19は、X線センサ4,5でのX線検出素子XDの縦横マトリック構成に対応するマトリックス構成を持つフレームメモリ方式の記憶デバイスが使われている。
【0025】
そして、実施例のX線診断装置では、特徴的なこととして、第1X線管2によるX線撮影と、第2X線管3によるX線撮影との切替えが可能な構成となっている。
第1X線管2によるX線撮影の場合、第1X線センサ4を、患者Mと第2X線管3の間において患者Mを挟んで第1X線管2と対向する位置にセットするとともに、第2X線センサ5の方は第1X線管2からの照射X線を遮らない位置へ退避させて、X線撮影が行われる。
【0026】
逆に、第2X線管3によるX線撮影の場合、第2X線センサ5を、患者Mと第1X線管2の間において患者Mを挟んで第2X線管3と対向する位置にセットするとともに、第1X線センサ4の方は第2X線管3からの照射X線を遮らない位置へ退避させて、X線撮影が行われる。
第1X線管2によるX線撮影と、第2X線管3によるX線撮影との切替えは、撮影選択部28のコントロールにより行われるよう構成されており、撮影選択部28によるコントロールも、やはりキーボード21やマウス22からの設定操作に伴って撮影制御部23から送出される指令信号に従って行われる。
【0027】
次に、X線撮影の切替えに伴って必要となる両X線センサ4,5の移動機構について具体的に説明する。
図5に示すように、各X線センサ4,5が取り付けられているネジ棒7,8は円筒ケース7a,8aに納められた状態で、電動モータ42,43により、それぞれ独立して回転できるようにして、円筒ケース7a,8aの端面同士が接した直列配列の形でC字状アーム6に渡されている。一方、各ネジ棒7,8には、ネジ棒7,8の正逆回転に応じて上または下に進む移動ブロック44,45がネジ結合しているとともに、円筒ケース7a,8aの側面に長手方向に沿って続く窓7b,8bが開けられており、この移動ブロック44,45のそれぞれとX線センサ4,5とが窓7b,8bを通して接続バー46,47により結合された状態になっている。
【0028】
この結果、電動モータ42が回転した場合、移動ブロック44が移動するのに連れて、接続バー46が窓7bに沿って移動すると同時にX線センサ4も上下する。また、電動モータ43が回転した場合、移動ブロック45が移動するのに連れて、接続バー47が窓8b沿って移動すると同時にX線センサ5も上下することになる。
【0029】
さらに、窓7b,8bは、図6に示すように、上端側および下端側では横方向へ曲がっており、下降して来たX線センサ4は、一点鎖線で示すように、右側へ旋回して照射X線を遮らない位置へ退避し、上昇して来たX線センサ5も、一点鎖線で示すように、右側へ旋回して照射X線を遮らない位置へ退避する構成となっている。したがって、X線センサ4,5は、窓7b,8bの直線域にある時は、照射X線を遮る位置、つまり透過X線を検出する位置にあることになる。
【0030】
続いて、上述した構成を有する実施例のX線診断装置によりX線撮影を実行する時の動作を図9のフローチャートを参照して説明する。以下では、先ず第1X線管2によるX線撮影を行った後、第2X線管3によるX線撮影を行う。
〔ステップS1〕天板1の上に患者Mを載せてから天板1を移動させて患者Mを透視撮影位置へセットする。
【0031】
〔ステップS2〕キーボード21またはマウス22からの入力操作により第1X線管2によるX線撮影を選択指定する。
【0032】
〔ステップS3〕ネジ棒8が回転して、図7に示すように、第2X線センサ5が退避位置へ移動するとともに、第1X線センサ4は透過X線を検出できる位置に留まる。同時に、センサ選択スイッチ14が第1X線センサ4の側にセットされる。
【0033】
〔ステップS4〕キーボード21またはマウス22からの入力操作により撮影を開始させると、第1X線管2から患者MにX線が照射される。
【0034】
〔ステップS5〕X線照射に伴ってX線センサ4から出力されるデータが検出データメモリ17に格納されるとともに、データ処理部18により画像データ処理が行われ、X線透視画像がモニタ25の画面に映し出されて表示される。
【0035】
〔ステップS6〕第1X線管2によるX線撮影が終われば、直ちにキーボード21またはマウス22からの入力操作により第2X線管3によるX線撮影を選択指定する。
【0036】
〔ステップS7〕ネジ棒7が回転して、図8に示すように、第1X線センサ4が退避位置へ移動するとともに、ネジ棒8が回転して、第2X線センサ5が透過X線を検出できる位置に移動する。同時に、センサ選択スイッチ14が第2X線センサ5の側にセットされる。
【0037】
〔ステップS8〕キーボード21またはマウス22からの入力操作により撮影を開始させると、第2X線管3から患者MにX線が照射される。
【0038】
〔ステップS9〕X線照射に伴ってX線センサ5から出力されるデータが検出データメモリ17に格納されるとともに、データ処理部18により画像データ処理が行われ、X線透視画像がモニタ25の画面に映し出されて表示される。
【0039】
実施例のX線診断装置の場合、第1X線管2と第2X線管3とは相対しており、X線照射方向が逆になるので、第1X線センサ4で得られるX線透視画像と、第2X線センサ5で得られるX線透視画像とは撮影方向が反対となる。つまり、この発明のX線診断装置では、反対方向からのX線撮影を実行する場合に移動させるのは、第1,第2の両X線センサ4,5だけであり、C字状アーム6については移動させる必要がないのである。また、C字状アーム6の両端部の重量負荷がバランスしており、C字状アーム6の動きもスムーズとなる。
【0040】
続いて、この発明の他の実施例を図面を参照しながら説明する。図10は他の実施例に係るX線診断装置の要部構成を示すブロック図である。他の実施例においては、X線センサ4,5が、支持バー51,52を介して電動モータ53,54の回転により撮影位置と退避位置の間を移動可能に構成されている他は、先の実施例と全く同一の構成であるので、構成の異なる部分のみを説明し、他の部分の説明は省略する。
【0041】
他の実施例の装置では、第1X線管2によるX線撮影の場合、図11(a)に示すように、第1X線センサ4を、患者Mと第2X線管3の間において患者Mを挟んで第1X線管2と対向する位置にセットするとともに、第2X線センサ5の方を電動モータ54で横方向に回動させて第1X線管2からの照射X線を遮らない位置へ退避させて、X線撮影が行われることになる。
【0042】
逆に、第2X線管3によるX線撮影の場合、図11(b)に示すように、第2X線センサ5を、患者Mと第2X線センサ5を電動モータ54で、患者Mと第1X線管2の間において患者Mを挟んで第2X線管3と対向する位置に移動させるとともに、第1X線センサ4の方は、電動モータ53で横方向に回動させて第2X線管3からの照射X線を遮らない位置へ退避させて、X線撮影が行われる。
図10に示す他の実施例のX線診断装置の場合も、C字状アーム6の両端部の重量負荷がバランスしており、C字状アーム6の動きはスムーズである。
【0043】
この発明は上記実施の形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上の両実施例装置では、X線管2,3が同一構成のものであったが、X線管2,3の種類が異なるようであってもよい。
X線管2が焦点サイズの小さな高画質の画像が得られるステレオX線管であって、X線管3が、長時間の連続運転可能な出力容量の大きなX線管であり、1台の装置でもって、ステレオ撮影や長時間の透視撮影の両方が可能となる構成の装置が、変形例として挙げられる。
【0044】
また、X線管2とX線管3が照射するX線のエネルギーが異なる構成の装置が変形例として挙げられる。X線管2とX線管3の前面に異なるフィルターを装着してX線のエネルギーを異ならせることができる。あるいは、X線管2とX線管3のターゲーットの材質を異ならせることにより、X線のエネルギーを異ならせることができる。
【0045】
X線管2とX線管3が照射するX線のエネルギーが異なる場合、骨部組織を捉え易い高エネルギーX線による画像と、軟部組織を捉え易い低エネルギーX線による画像との間で、適当な重み付けを与えたサブトラクション処理を行うことにより、骨部組織だけの画像、あるいは、軟部組織だけの画像を得ることが可能となる。
【0046】
(2)また、実施例装置の場合、頭部DSA撮影にも用いた場合には鮮明な画像が簡単に得られる。図12(a)に示すように、X線センサ4を撮影位置にセットし、X線センサ5を退避位置にセットしておいて、選択的に造影した頭部左側の撮影部位Maを、X線管2とX線センサ4により撮影した後、次に、図12(b)に示すように、X線センサ4を退避位置にセットし、X線センサ5を撮影位置にセットしておいて、選択的に造影した頭部右側の撮影部位MbをX線管3とX線センサ5により撮影する。X線センサ4,5の位置だけを移動させることにより、X線センサ4,5が撮影部位Ma,Mbに近くなって、鮮明な画像が得られる。
【0047】
(3)この発明のX線診断装置は、天板1やモニタ25を備えていない構成であってもよいし、C字状アームが台車ではなく、天井を走行移動可能な吊設支持部に設置されている構成であってもよい。
【0048】
(4)両実施例では、X線センサ4,5を電動モータの駆動力を利用して移動させる構成であったが、X線センサ4,5を手動で移動させる構成のものが変形例として挙げられる。
【0049】
【発明の効果】
この発明のX線診断装置によれば、C字状アームに被検体を挟んで2個のX線管と2個のX線面センサが設けられていて、X線面センサを撮影位置と退避位置との間を移動させるだけで、X線照射方向を逆転させてX線撮影することができる構成を備えていることから、反対方向からのX線撮影を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のX線診断装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】フラットパネル型X線センサの大略構成を示す斜視図である。
【図3】フラットパネル型X線センサの層構造を示す断面図である。
【図4】フラットパネル型X線センサまわりの回路構成を示すブロック図である。
【図5】実施例装置のX線センサの取り付け構造を示す断面図である。
【図6】実施例装置のX線センサの取り付け構造を示す斜視図である。
【図7】実施例の第1X線管によるX線撮影時の様子を示す模式図である。
【図8】実施例の第2X線管によるX線撮影時の様子を示す模式図である。
【図9】実施例装置によるX線撮影動作の一連の流れを示すフローチャートである。
【図10】他の実施例装置の要部構成を示すブロック図である。
【図11】他の実施例装置によるX線撮影時の様子を示す模式図である。
【図12】実施例装置による頭部DSA撮影時の様子を示す模式図である。
【図13】従来装置の要部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 …天板
2 …第1X線管
3 …第2X線管
4 …第1X線センサ
5 …第2X線センサ
6 …C字状アーム
M …患者
XD …X線検出素子
Claims (1)
- 被検体にX線を照射するX線管と、被検体からの透過X線を検出する透過X線検出器とが、C字状アーム(C型アーム)に保持されているX線診断装置において、C字形状アームの両端部に被検体を挟んで相対するようにして取り付けられている第1および第2の2個のX線管と、被検体と第2X線管の間において被検体を挟んで第1X線管と対向する位置に配置されるとともにX線検出素子が縦横に配列されている透過X線検出器としての第1X線面センサと、被検体と第1X線管の間において被検体を挟んで第2X線管と対向する位置に配置されるとともにX線検出素子が縦横に配列されている透過X線検出器としての第2X線面センサとを備えているとともに、第1X線管によるX線照射が行われる時には第2X線面センサを第1X線管からの照射X線を遮らない位置へ退避させられるとともに、第2X線管によるX線照射が行われる時には第1X線面センサを第2X線管からの照射X線を遮らない位置へ退避させられるよう構成されていることを特徴とするX線診断装置。
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