JP3893262B2 - 水性光硬化型樹脂組成物、水性インク、インクカートリッジ、記録ユニット及びインクジェット記録装置 - Google Patents
水性光硬化型樹脂組成物、水性インク、インクカートリッジ、記録ユニット及びインクジェット記録装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な水溶性の重合性化合物を含有する水性光硬化型樹脂組成物、水性インク、このインクを用いたインクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット及びインクジェット記録装置に関する。更に詳しくは、今後の樹脂塗料技術における大きな課題の一つである、大量の有機溶剤を使用することのない、環境汚染や人体への影響の少ない水性の塗料やインキへの転換に対応できる有用な水性光硬化型樹脂組成物に関し、例えば、水性インクが用いられるインクジェット装置において好適に使用できる、水性紫外線硬化型インクの材料として有効に利用できる水性光硬化型樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、スクリーンインキ、グラビアインキ、水性塗料に関わる技術の一つとして、紫外線照射によってインキ中の樹脂組成物を硬化させることで樹脂硬化膜を形成し、画像形成を行なう紫外線硬化法において、水性の塗料やインキを使用する技術が知られている。この際に用いられている水性の塗料やインキの材料構成は、紫外線硬化型の樹脂組成物としては非水系のものを用い、これを水系溶媒中にエマルジョン状態にして調製したものである。このように、水性の塗料やインキに使用する紫外線硬化型樹脂組成物自体は水溶性のものではなく、これまで、かかる技術においては、紫外線硬化型の樹脂や触媒自体を水性化することは志向されてこなかったといっても過言ではない。
【0003】
インクジェット印刷法においても、紫外線硬化型のインクは公知である。しかし、この場合も使用する樹脂組成物は非水性であり、その代表的なものとして、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶媒中に顔料を分散した、所謂、油性インクが知られている。また、マーキングの用途では、溶媒を用いず、モノマー、オリゴマー、顔料分散体からなるインクが用いられている。特公平5−64667号公報に記載の発明は、そうした技術の典型である。これらのインクでは、インクの粘度が十分に低くなりにくいので精密印字には不向きであり、精密さが要求されないマーキング等のドット印字の用途に専ら用いられている。
【0004】
上記したようなシステムに用いられているインクは、フルカラーの高画質の印刷に向くようなインク物性を有していない。即ち、油性インクにおいては、環境の観点から注意して使用することが好ましく、また、無溶媒の紫外線硬化型インクの場合は、大ドットの低解像度のプリンタにのみ採用可能である。USP4,978,969号明細書に、特定の重合性モノマーを溶媒のように多量に使用することによって紫外線硬化性の接着剤を溶解し、インクジェット記録用インクとする試みが開示されている。この技術では、サーマルインクジェット装置での適用をも意図しているが、素材の制約が事実上大きく、多量のモノマーを用いる等、汎用性に乏しく、また、高画質画像の形成に適用することもできない。
【0005】
上記の従来技術において、紫外線硬化型インクの利用状況が上記したようであるのは、
1)水に溶解している樹脂からなるインキ或いは塗料は、例え硬化させたとしても、形成される画像が、耐水性が低いか、或いはグロスが低い等の点で不十分なものとなる。
2)水溶性の紫外線硬化性の樹脂や、かかる樹脂の硬化を助ける触媒的な機能を果たす水溶性光重合開始剤(以下、単に触媒とも呼ぶ)が殆ど開発されていない。といったことが主な理由である。
【0006】
一方で、上記したようなエマルジョン状態の樹脂組成物には、一般的に、粘度の調節、流動性の調節の可変範囲が広く、扱い易いという利点がある。更に、水性の紫外線硬化型インクに関し、材料技術自体が進みにくい原因として、3)塗料溶媒として水を使用した場合、水は、有機溶媒と比べ、乾燥のために大量のエネルギーを消費するので、実用的にはマイナス面を持つ。といったことが指摘されている点もある。
【0007】
しかしながら、紫外線硬化技術は、省エネルギー、環境汚染、環境負荷が少ない硬化技術として期待されているのも事実である。更に、紫外線硬化法の利用は、インクジェット印刷において、画像の印刷に留まらず、印刷基材に印刷適性を付与するための前処理、印刷された基材を保護したり、施工のための材料を塗布する後処理等においても有用であるとされている。
【0008】
インクジェット記録用インクへの応用においても、上記した水溶性の紫外線硬化性の樹脂や触媒といった水性材料の準備は極めて少ないのが現状である。ここで、インクジェット方式に応用するためには、高密度ノズルに対応できる、低粘度で流動特性のよい材料が必要となる。例えば、インク中の重合性化合物の添加量を高くでき、実質の乾燥時間を短縮し、しかも、インクを記録材上に塗布した後に硬化させた場合に、硬化させたインク皮膜の物性に優れ、色材との共溶性のよい樹脂材料(触媒、重合性の重合性物質)が求められる。
【0009】
水溶性の紫外線硬化性材料としては、例えば、酸性基と(メタ)アクリロイル基或いはビニル基を共に分子内に有し、且つ、水溶性の重合性化合物であるものとしては、例えば、無水琥珀酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとのエステル、オルソ無水フタル酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとのエステル、ビニルナフタレンスルホン酸等が実用されている。しかしながら、これらは、重合性の官能基の数が1分子中に1個であるため、重合速度が遅く、硬化物の架橋度が著しく低いので、紫外線硬化樹脂組成物の主要材料とはなり得ないものである。
【0010】
これに対し、水に可溶で、1分子中に重合性官能基を2個以上有する工業的に生産されている化合物としては、ポリエチレンオキシド鎖によって親水性を付与した重合性化合物が知られている。このようなものとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。しかしながら、本発明者らの検討によれば、これらの群の化合物は、エチレンオキシド鎖の長さが短いと水溶性がなく、一方、エチレンオキシド鎖の長さが長いと、水溶性は得られるものの、重合或いは硬化した時の固体物性が、硬度や接着性等の、塗料やインキに求められる性能において不足することが多いという課題が生じる。
【0011】
特開平8−165441号公報に、多官能の水溶性重合性化合物が開示されている。ここに開示されている化合物は、水溶性を付与するために、分子中の水酸基の数を増やすことで水溶性を得る手法を用いたものである。
更に、特開2000−117960公報では、グリセリンから誘導される親水性ポリエポキシドの(メタ)アクリル酸エステル等が実用されている。しかし、本発明者らの検討によれば、これらは、確かに紫外線による重合性に優れ、硬化物の物性にも優れるが、水溶液の粘度が、インクジェット用インクに要求される水準に対して、やや高いという問題がある。
【0012】
塩基性の原子団を有する化合物としては、1官能性の第3級アミン、或いは、カチオン性アクリルモノマーとして多数工業化されている。しかしながら、塩基性であって、しかも多官能性化合物で、工業的な水準にあるものは殆ど存在していないのが現状である。多官能の水溶性の重合性化合物に関する提案としては、USP5,612,388号明細書、特開平8−165441号公報、特開2000−117960公報等に、多官能性カチオン性アクリルモノマーの合成と応用に関するものがある。しかしながら、これらのカチオン性の多官能性化合物は、塗料やインキの色材として好適な、カルボキシル基を解離性基として、顔料を水性媒体中に均一に分散させた水性顔料分散体と相互に異なる極性を有するがゆえに、共溶性がなく、着色組成物(塗料やインキ)への応用ができず、特殊な用途にのみ用いることのできる化合物である。
【0013】
インクジェット記録用インクに用いることのできる紫外線硬化型樹脂組成物材料としては、インクの構成材料として用いたときに、インクジェット記録ヘッドからのインク吐出性等に優れ、紫外線照射によって速やかに重合されること、及び、形成された硬化物が、架橋度が高く、硬度や、記録材に対する接着性にも優れるものであることが好ましい。従って、インクジェット記録用インクに用いることのできる紫外線硬化型樹脂組成物材料は、水溶性の化合物であって、且つ低粘度で多官能の化合物であることが望まれる。
【0014】
これに対し、従来から知られている上記のような性能を有する化合物は、水溶液中でイオン化せずに、実際に十分な水溶性を付与するために、数多くの水酸基によって水に対する溶解性が付与されたものであった。このようなものの例は、前記した特開平8−165441号公報に開示されている。しかしながら、非イオン性で水溶性を得た化合物は、その分子サイズ自体が大きくなる傾向があり、架橋して固体にした場合にも、硬度、接着性等にやや不満を残すことが多いという課題を残すものであった。速い重合速度を得るには、複数の重合性の官能基が必要となるが、多数の重合性官能基を有し、且つ、水溶性も高く安定しているというような化合物は、互いに相矛盾する要請を満足しなければならないため、未だ完備した化合物は見出されていないのが現状である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、高性能な水性光硬化型樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、高品位な画像の形成に用いることのできる光硬化性の水性インクを提供することにある。
また本発明は、高品位な画像を形成することができるインクジェット記録装置、並びにそれに用いられる記録ユニット及びインクカートリッジを提供することを更なる目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明によって達成される。本発明の一実施態様によれば、少なくとも、40〜90質量%の水と、1〜30質量%の光によってラジカル重合する重合性物質と、該重合性物質に対して質量基準で1〜10質量%の量の、光の作用によってラジカルを生成する水溶性光重合開始剤と、0.1〜10質量%の色材と、を含有する光硬化型樹脂組成物(但し、組成物の組成比は、総計が100質量%になるように調整される)において、上記重合性物質が、2個以上の重合性官能基と1個或いは2個のアニオン性官能基を有する物質である、一般式群Aに属する下記一般式で表される重合性物質群A1及びA3から選ばれるいずれかの水溶性の重合性化合物であることを特徴とする水性光硬化型樹脂組成物が与えられる。
但し、上記一般式群Aにおいて、A、Rx、Ry、Rz及びRpは、夫々独立して下記の原子団を表す。
また、本発明の別の実施態様によれば、少なくとも、27〜73質量%の水と、10〜70質量%の光によってラジカル重合する重合性物質と、該重合性物質100質量部に対して1〜10質量部の量の、光の作用によってラジカルを生成する水溶性光重合開始剤と、を含有する光硬化型樹脂組成物(但し、組成物の組成比は、総計が100質量%になるように調整される)において、上記重合性物質が、2個以上の重合性官能基と1個或いは2個のアニオン性官能基を有する物質である、一般式群Aに属する上記一般式で表される重合性物質群A1及びA3から選ばれるいずれかの水溶性の重合性化合物であることを特徴とする水性光硬化型樹脂組成物が与えられる。
【0017】
また本発明の他の実施態様によれば、上記の水性光硬化型樹脂組成物を主成分とすることを特徴とする水性インクが提供される。また本発明の他の実施態様によれば、上記の水性光硬化型樹脂組成物を主成分とするインクジェット用インクが提供される。
また本発明の他の実施態様によれば、上記のインクジェット用の水性インクを収容しているインク収容部を具備していることを特徴とするインクカートリッジが提供される。また本発明の他の実施態様によれば、上記のインクジェット用の水性インクを収容しているインク収容部と該インクを吐出するための記録ヘッドとを具備していることを特徴とする記録ユニットが提供される。
【0018】
また本発明の他の実施態様によれば、上記のインクジェット用の水性インクを収容しているインク収容部と、該インクを吐出するための記録ヘッドとを具備していることを特徴とするインクジェット記録装置が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、好ましい実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、上記した従来技術の課題を解決すべく、鋭意検討した結果、2個以上の重合性官能基を有し、且つ、1個或いは2個の、特に好ましくは1個のアニオン性官能基を有する、光、例えば、紫外線によってラジカル重合する重合性化合物を用いれば、該化合物は、高反応性で、しかも、水中で解離し得る基を有するため、他に親水性の基がなく、分子全体としても小さい構造の化合物であるにもかかわらず、目的とする水溶解性を得ることが可能であること、そして、インクジェット記録用インクの材料として有用に用いることができることを見いだして、本発明に至った。
【0021】
即ち、本発明においては、上記した特定の重合性化合物を有する本発明にかかる水性光硬化型樹脂組成物をインクの主成分として利用することによって、水溶性を有し、低粘度で、しかも、種々の分散手法によって顔料が分散されている各種の水性顔料分散体との共溶性がよく、顔料の存在下においても重合反応速度が速く、光、例えば、紫外線の照射によって素早く硬化することで、乾燥性が高く、しかも硬化した後における印刷基材への接着性に優れ、耐水性に優れた画像の印刷(インクジェットプリントを含む)を達成する。
【0022】
以下に、本発明にかかる水性光硬化型樹脂組成物の主たる応用例である水性インクジェット印刷における作用・効果について説明する。尚、以降、光については、特に好適に用いられる紫外線によってラジカル重合し、硬化する紫外線硬化型樹脂組成物を代表例に挙げて説明を進めるが、本発明において硬化に用いる光は、紫外線に限定されるものではない。
【0023】
水性インクジェット記録方法を用いる画像記録用の水性インクに、本発明にかかる紫外線硬化型樹脂組成物を用いる主な目的は、例えば、下記に挙げる点にある。
1)インクの乾燥性を上げて印刷速度の向上への対応を可能とする。
2)樹脂組成物を色材のバインダーとして作用させ、色材を記録素材に付着させることで、擦過性に優れた画像を多様な用紙に対して形成することを実現できるようにする。
3)顔料粒子からの散乱を低減し、透明なインク層の形成を可能とする。
4)その結果、プロセスカラーの色再現範囲を拡げ、濃度が高く、彩度、明度にも優れた画像形成能をインクに与える。
5)更に、活性な光、空気中のガス成分、水分等から色材を保護することを可能とする。
【0024】
本発明にかかる紫外線硬化型樹脂組成物のインクへの利用は、とりわけ、普通紙のような、インク吸収性はあるが、顔料の色彩を向上させたり、擦過性をよくすることが難しい被印刷材料(記録材)において、それを改善させる顕著な効果を発揮する。更に、本発明にかかる紫外線硬化型樹脂組成物のインクへの利用は、非吸収性の印刷基材に対する水性インクによる印刷をも可能とする。
【0025】
紫外線硬化法は、強制乾燥法の一つであると考えられ、用紙等の記録材上に付与されたインクが、用紙中に完全に浸透しきる前の自由表面を形成している時間内に、その状態を凍結する方法であるといえる。かかる作用によって、本発明にかかる水性紫外線硬化型樹脂組成物を主成分として含有する水性インクによれば、以下に挙げることが達成される。
(1)インク中の顔料粒子は、その分散状態にて固体インク層に内包される。
(2)樹脂の一部は、用紙内、用紙表面、用紙上の各位置にあり、夫々の位置で、顔料粒子を固定させ、且つ用紙に付着させる。
(3)上記した位置に孤立して存在する夫々の顔料は、相互に光散乱を誘発し、この結果、画像濃度の低下、彩度の低下、及び色相のシフトが、最低限度に抑制される。
(4)樹脂によって形成される平滑な表面は、散乱の少ない光沢のあるインク層を与える。
【0026】
本発明にかかる水性紫外線硬化型樹脂組成物を主成分とする水性インクにおいて、水等の溶媒成分の浸透、蒸発は、固体化したインク層から徐々にゆっくり進行することになるが、上記したように、見かけの乾燥は素早く起こるので、用紙搬送、積載等が可能という意味での定着時間は短くなったとして扱うことができる。しかし、水系溶媒を用いている以上、有機溶媒を用いたインクよりも、真の乾燥が遅くなるのはやむをえない。しかし、本発明のインクを用いる場合に、用途によっては、最終の強制熱乾燥機を備えることも許される。
【0027】
本発明にかかるインクのように、水分が存在している中で、紫外線等の光によってラジカル重合する重合性物質の光硬化がいかにして進行するかは、純粋に、ラジカル反応速度の問題として重要である。本発明者らの検討によれば、顔料が存在しない無色のインクでは、水の中での重合が、無溶媒系の場合と比べて特別に反応が遅いということは観察されていない。勿論、重合したものが水を含んでいるので、固体物性としては、無溶媒系の場合のものとは異なるものである。
【0028】
次に、上記したような優れた作用・効果を有する本発明にかかる水性光硬化型樹脂組成物の代表例として、水性紫外線硬化型樹脂組成物、及びこれを主成分とする水性インクを例にとって、各構成材料について説明する。本発明にかかる水性紫外線硬化型樹脂組成物は、少なくとも、水と、紫外線によってラジカル重合する重合性物質と、紫外線の作用によってラジカルを生成する水溶性光重合開始剤とを含有する紫外線硬化型樹脂組成物において、上記重合性物質が、2個以上の重合性官能基と1個或いは2個のアニオン性官能基を有する物質であることを特徴とする。
【0029】
(紫外線によってラジカル重合する重合性物質)
先ず、本発明で使用する紫外線によってラジカル重合する重合性物質について説明する。かかる重合性物質としては、以下に例示するような親水性の多官能の重合性化合物が挙げられる。これらの化合物は、親水性が高く、水溶性であり、重合性を有し、且つ重合速度が速く、しかも、それ自身低粘度であると共に、水溶液とした場合の粘度は、従来から知られている化合物と比較して格段に低粘度となる。
【0030】
紫外線によってラジカル重合する重合性物質としては、例えば、下記一般式において、Rがポリオールの残基である一般式群A、或いは、Rがポリオールのエポキシエステルの残基である一般式群Bから選ばれる水溶性の重合性化合物が挙げられる。一般式群A及びBについては、後述する。尚、本発明においては、これらの中でも、実施例に示したように、後述する一般式群Aに属する、重合性物質群A1または重合性物質群A3のいずれかの群に属する重合性化合物を使用する。
【0031】
【0032】
上記一般式をより明確に表現すると、下記一般式のようになる。
【0033】
更に、一般式群Aの物質としては、以下に例示するものを使用することが好ましい。ここで、下記一般式で示される重合性物質群A1〜A11におけるA、X、Rx、Ry、Rz及びRpは、夫々独立して下記の原子団を表している。
【0034】
尚、Rpの構造の1つを示す上記式(4)中のX2のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、またはシュウ素原子等が挙げられ、また、アルコキシル基としては、炭素数1〜3のアルコキシル基等が挙げられる。
【0035】
先ず、下記に示す一般式からなる重合性物質群A1に含まれる重合化合物が挙げられるが、具体的には、下記式で表される重合化合物A1−1及びA1−2を使用することができる。
【0036】
【0037】
また、下記に示す一般式からなる重合性物質群A2に含まれる重合化合物が挙げられるが、具体的には、下記式で表される重合化合物A2−1を使用することができる。
【0038】
【0039】
また、下記に示す一般式からなる重合性物質群A3に含まれる重合化合物が挙げられるが、具体的には、下記式で表される重合化合物A3−1〜A3−4を使用することができる。
【0040】
【0041】
また、下記に示す一般式からなる重合性物質群A4に含まれる重合化合物が挙げられるが、具体的には、下記式で表される重合化合物A4−1を使用することができる。
【0042】
【0043】
また、下記に示す一般式からなる重合性物質群A5に含まれる重合化合物が挙げられるが、具体的には、下記式で表される重合化合物A5−1を使用することができる。
【0044】
【0045】
更に、下記に示す一般式からなる重合性物質群A6〜A11に含まれる各重合化合物が挙げられる。
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
先に例示した重合性化合物A10−1やA10−2等は、アクリル酸のビニル基に、カルボキシル基を有するアミン、即ち、広儀のアミン酸を付加させることによって製造することができる。即ち、一般的には、下記式で表される。
ここで、Rは、重合性化合物A10−1の場合はメチレン基、A10−2の場合はフェニレン基である。この方法に用いられるカルボキシル基を有するアミンとしては、例えば、パラアミノ安息香酸、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、を挙げることができる。また、グルタミン酸、アスパラギン酸等の2個のカルボキシル基を有するアミノ酸からも、同等性能の物質を誘導することができる。
【0052】
一方、一般式群Bに属する重合化合物としては、具体例には下記一般式で表される重合性物質群B1〜B4が挙げられる。尚、重合性物質群B1〜B4の一般式中においてA及びRpは、下記の原子団を表す。
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
上記に挙げた多数の群の化合物の中でも、重合速度、硬化物の硬度、耐水摩擦性において特に優れているのは、分子中に、3個の重合性官能基を有する化合物である。そのような傾向となる大きな理由は、3個以上の反応基を持つ化合物を重合させた場合は架橋密度が高く、重合することによって親水性を大きく減少させる効果を持つことによると考えられる。
【0057】
(光の作用によってラジカルを生成する水溶性光重合開始剤)
本発明にかかる水性の光硬化型樹脂組成物を構成する水溶性光重合開始剤について説明する。一例としては、例えば、波長400nm前後までの触媒が挙げられる。このような触媒としては、例えば、長波長領域に官能性、即ち、紫外線を受けてラジカルを生成する感受性を持つ物質である下記一般式で表される光重合開始剤(以下、TX系と略称する)が挙げられ、本発明においては、これらの中から適宜に選択して使用することが特に好ましい。
【0058】
【0059】
上記一般式TX−1〜TX−3中、R2は−(CH2)x−(x=0または1)、−O−(CH2)y−(y=1または2)、置換若しくは未置換のフェニレン基を表わす。またR2がフェニレン基の場合には、ベンゼン環中の水素原子の少なくとも1つが、例えば、カルボキシル基若しくはその塩、スルホン酸若しくはその塩、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)、炭素数1〜4のアルコキシル基、フェノキシ基等のアリールオキシ基等から選ばれる1つまたは2つ以上の基や原子で置換されていてもよい。Mは、水素原子若しくはアルカリ金属(例えば、Li、Na、K等)を表わす。更に、R3及びR4は各々独立に、水素原子、または置換若しくは未置換のアルキル基を表わす。ここでアルキル基の例としては、例えば、炭素数1〜10程度、特には、炭素数1〜3程度の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。また、これらのアルキル基の置換基の例としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、シュウ素原子等)、水酸基、アルコキシル基(炭素数1〜3程度)等が挙げられる。また、mは1〜10の整数を表わす。
【0060】
これらの親水性原子団で置換されたチオキサントンは、水溶性、アニオン系水性顔料分散体との共溶性があり、有機顔料自身の吸収の影響が少ないので、顔料系組成物において感度の高い触媒として作用する。
【0061】
更に、本発明にかかる水性光硬化型樹脂組成物を構成する水溶性光重合開始剤としては、下記一般式からなる光重合開始剤 Irgacure2959(商品名:Ciba Specialty Chemicals製)の水溶性の誘導体(以下、IC系と略称する)を使用することもできる。具体的には、下記式からなるIC−1〜IC−3を使用することができる。
【0062】
【0063】
上記したIC−1〜IC−3は、ノニオン性であるが、紫外線に対して感受し得る波長領域が、先に挙げたTX−1〜TX−3として示した光重合開始剤よりも短波長域にある。また、IC−1〜IC−3も、前記したTX−1〜TX−3と同様、水溶性であるので、本発明の水性光硬化型樹脂組成物の構成成分として有用である。更に、既存の紫外線重合システム用の触媒物質(光重合開始剤)から水性の誘導体を製造し、本発明の水性光硬化型樹脂組成物を構成する光重合開始剤として利用することも可能と考えられる。
【0064】
(水性顔料分散体)
本発明にかかる水性光硬化型樹脂組成物は、インクの主成分として利用することができるが、色材である顔料を含有させることで、紫外線等の照射によって硬化する着色された光硬化型インク、或いは光硬化型塗料として利用することができる。この際、色材として顔料を水性媒体中に均一に分散させた水性顔料分散体を使用し、本発明にかかる水性光硬化型樹脂組成物と混合させることが好ましい。水性顔料分散体としては、特に、アニオン性官能基によって水中に顔料が安定に分散されている水性顔料分散体を使用することが好ましい。例えば、ノニオン系或いはアニオン系において安定な、水性グラビアインキ、水性の筆記具用の顔料分散液や、従来公知のインクジェットインク用の顔料分散体等を、そのまま応用することが可能である。
【0065】
アニオン性解離基を持ち、アルカリ可溶性の水溶性高分子を用いて分散された顔料分散体としては、例えば、特開平5−247392号公報、特開平8−143802号公報に開示されている。また、アニオン性解離基を持つ界面活性剤によって分散された顔料分散体としては、特開平8−209048号公報に開示されている。また、高分子によってカプセル化されその表面にアニオン性解離基を付与することによって分散された顔料分散体としては、特開平10−140065号公報、特開平9−316353号公報、特開平9−151342号公報、特開平9−104834号公報、特開平9−031360号公報に開示されている。更に、顔料表面に化学反応によってアニオン性解離基を結合することで顔料を分散させた顔料分散体としては、USP5,837,045号及びUSP5,851,280明細書に開示されるような分散体がある。本発明のインクにおいては、上記した種々の顔料分散体をいずれもインクの色材として使用することが可能である。
【0066】
本発明にかかる水性光硬化型樹脂組成物をインクに利用する場合には、上記したような顔料に限らず、色材として染料を用い、水溶性染料を溶解状態で含有する態様のインクとすることも、紫外線照射による退色が実用上問題にならない範囲であれば可能である。また、分散染料、油溶性染料等を分散状態で含有させた色材分散体も、上記した顔料分散体と同様に適用可能である。これらは、用途に従って適宜に選択される。
【0067】
本発明にかかるインクの色材として顔料を使用する場合には、顔料が、その媒体中に微粒子状態で分散されている顔料分散体を用いることが必要である。特に、インクジェット記録用インクに好適に使用することのできる顔料分散体の基本的な要素としては、顔料が水性媒体に分散され、分散体としての粒度分布が平均粒子径で25nm〜350nmの範囲にあり、最終インクの粘度が吐出に影響を与えない範囲に調節可能であること、更には、インクを紫外線硬化性とするために必須な、前述した本発明の水性紫外線硬化型樹脂組成物の構成成分との相溶性が満足されることが必要となる。以下に、本発明において好適な顔料分散体に使用し得る各構成材料について説明する。
【0068】
<顔料>
カラーインクに使用されるプロセスカラーとしての色相を有する有機顔料としては、下記に挙げるものを適宜に使用することができる。
イエロー顔料としては、例えば、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー2、ピグメントイエロー3、ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー16、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー55、ピグメントイエロー73、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー75、ピグメントイエロー83、ピグメントイエロー93、ピグメントイエロー95、ピグメントイエロー97、ピグメントイエロー98、ピグメントイエロー109、ピグメントイエロー110、ピグメントイエロー114、ピグメントイエロー128、ピグメントイエロー138、ピグメントイエロー139、ピグメントイエロー150、ピグメントイエロー151、ピグメントイエロー154、ピグメントイエロー155及びピグメントイエロー180等が挙げられる。
【0069】
マゼンタ顔料としては、例えば、ピグメントレッド5、ピグメントレッド7、ピグメントレッド12、ピグメントレッド48(Ca)、ピグメントレッド48(Mn)、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド57(Sr)、ピグメントレッド57:2、ピグメントレッド122、ピグメントレッド123、ピグメントレッド168、ピグメントレッド184、ピグメントレッド202及びピグメントレッド238等が挙げられる。
【0070】
シアン顔料としては、例えば、ピグメントブルー1、ピグメントブルー2、ピグメントブルー3、ピグメントブルー16、ピグメントブルー22、ピグメントブルー60、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:3、バットブルー4及びバットブルー60等が挙げられる。
【0071】
<インク中の顔料の粒子径>
顔料粒子の平均粒子径は、25nm〜200nm程度の範囲である。この範囲は印刷物の用途にも依存するが、可視光線の波長よりも十分に小さいので、散乱が少なければ十分に透明と言える印刷物が与えられる。
【0072】
<カラー用染料>
例えば、本発明にかかる水性紫外線硬化型樹脂組成物を含有させたインクの場合、当該インクを被記録媒体(記録紙等)に付着させた後、紫外線によって当該インク中の紫外線硬化型樹脂(重合性物質)を重合させて硬化させることが好ましい。前記したように、色材として染料を用いた場合は、上記の顔料を用いた場合と異なり、紫外線照射による退色がまったく無い状態で使用することはできず、多少は退色を伴う。この理由から、インクの色材として染料を適用する場合には、金属イオンで錯体を形成しているところの、所謂、アゾ含金染料を用いることが光による退色が少ないので好ましい。しかし、退色の水準を問題にしなければ、一般の水溶性染料であっても、少なくともインク組成物としては成り立つ。これを前提に、プロセスカラーの色彩を有するという意味で適用可能な染料種は、以下のような化合物である。
【0073】
イエロー染料としては、例えば、アシッドイエロー11、アシッドイエロー17、アシッドイエロー23、アシッドイエロー25、アシッドイエロー29、アシッドイエロー42、アシッドイエロー49、アシッドイエロー61、アシッドイエロー71、ダイレクトイエロー12、ダイレクトイエロー24、ダイレクトイエロー26、ダイレクトイエロー44、ダイレクトイエロー86、ダイレクトイエロー87、ダイレクトイエロー98、ダイレクトイエロー100、ダイレクトイエロー130、ダイレクトイエロー132及びダイレクトイエロー142等、が挙げられる。
【0074】
マゼンタ・レッド染料としては、例えば、アシッドレッド1、アシッドレッド6、アシッドレッド8、アシッドレッド32、アシッドレッド35、アシッドレッド37、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド80、アシッドレッド85、アシッドレッド87、アシッドレッド92、アシッドレッド94、アシッドレッド115、アシッドレッド180、アシッドレッド254、アシッドレッド256、アシッドレッド289、アシッドレッド315、アシッドレッド317、ダイレクトレッド1、ダイレクトレッド4、ダイレクトレッド13、ダイレクトレッド17、ダイレクトレッド23、ダイレクトレッド28、ダイレクトレッド31、ダイレクトレッド62、ダイレクトレッド79、ダイレクトレッド81、ダイレクトレッド83、ダイレクトレッド89、ダイレクトレッド227、ダイレクトレッド240、ダイレクトレッド242及びダイレクトレッド243等、が挙げられる。
【0075】
シアン染料としては、例えば、アシッドブルー9、アシッドブルー22、アシッドブルー40、アシッドブルー59、アシッドブルー93、アシッドブルー102、アシッドブルー104、アシッドブルー113、アシッドブルー117、アシッドブルー120、アシッドブルー167、アシッドブルー229、アシッドブルー234、アシッドブルー254、ダイレクトブルー6、ダイレクトブルー22、ダイレクトブルー25、ダイレクトブルー71、ダイレクトブルー78、ダイレクトブルー86、ダイレクトブルー90、ダイレクトブルー106及びダイレクトブルー199等、が挙げられる。
染料のインク中の好ましい濃度は、0.1〜10質量%の範囲である。濃度が低い場合には、例えば、所謂、濃度変調インクの淡色インクに好適に適用される。
【0076】
<クリアインクとする場合の処方>
本発明にかかる水性光硬化型樹脂組成物は、上記したような色材を含有させることなく、透明な水性インクの形態とすることで、クリアインクとすることができる。特に、インクジェット記録特性を有するように調製すれば、水性光硬化型のインクジェット記録用のクリアインクが得られる。かかるインクを用いれば、色材を含有していないので、クリアな皮膜を得ることができる。色材を含有しないクリアインクの用途としては、画像印刷への適性を被記録材に付与するためのアンダーコート用としたり、或いは、通常のインクで形成した画像の表面保護、更なる装飾や光沢付与等を目的としたオーバーコート用としての用途等が挙げられる。クリアインクには、これらの用途に応じて、着色を目的としない無色の顔料や微粒子等を分散して含有させることもできる。これらを添加することによって、アンダーコート、オーバーコートいずれにおいても、印刷物の画質、堅牢性、施工性(ハンドリング性)等の諸特性を向上させることができる。
【0077】
そのようなクリアなインクに適用する場合の処方条件としては、インクの主成分とする本発明の水性光硬化型樹脂組成物として、重合性物質が10〜70%、光重合開始剤(例えば、紫外線重合触媒)を、上記重合性化合物100質量部に対して1〜10質量部含有され、同時に、インク100部に対して光重合開始剤が最低0.5部が含有されているように調製することが好ましい。
【0078】
クリアインクの処方としては、前記したような重合性物質及び光重合開始剤を使用した以下の表1に示した処方例を挙げることができる。
【0079】
【0080】
尚、上記表1中、TX−1’及びTX−2’の具体的な構造は下記に示した通りである。下記の構造式中、R2は、−(CH2)x−(x=0または1)、−O−(CH2)y−(y=1または2)、または置換若しくは未置換のフェニレン基を表わし、Mは、水素原子またはアルカリ金属(Li、Na等)を表わし、R3及びR4は、各々独立に、炭素数1〜3程度の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表わす。
【0081】
【0082】
<反応性の希釈剤成分>
上記に示したように、本発明にかかる水性紫外線硬化型樹脂組成物をクリアインクに利用する場合には、水性で重合反応性の低粘度モノマーを溶媒として含有させることができる。通常の溶媒ではなく、こうした物質を用いる利点は、これらの物質は、紫外線で硬化させた反応後の固体中に可塑剤として残留することがないので、固体物性への影響が低減されることにある。このような目的で選択される反応性の希釈剤成分としては、例えば、上記に列挙した例で使用したアクリロイルモルフォリンや、その他、N−ビニルビロリドン、アクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、単糖類のモノアクリレート、オリゴエチレンオキシドのモノアクリル酸エステル、及び2塩基酸のモノアクリル酸エステル等の化合物が挙げられる。
【0083】
<溶媒成分>
更に、本発明にかかる水性光硬化型樹脂組成物をクリアインクに利用する場合には、特に、従来から水性インクジェット用インクに使用されているような、保湿性を与える溶剤を使用しないことが好ましい。それは、クリアインクの場合には、顔料等の固体の成分が含有されていないので、増粘は少なく、且つ、仮に若干の増粘があっても容易に回復することができるからである。勿論、後述するような、より保湿性の高い溶媒類を必要最低限度に添加することは許容される。これらは、従来より水性インクジェットに汎用されている多数の化合物から選ぶことができる。
【0084】
本発明にかかる水性光硬化型樹脂組成物をインクに利用する場合には、インク中に溶媒成分を添加することもできる。溶媒成分は、インクに不揮発性を与え、粘度を低下させ、且つ、印刷基材への濡れ性を与えるため等の目的で添加される。非吸収性基材への印刷の場合には、溶媒成分をインクに含ませずに、水だけを含有させて、重合性物質成分の全てが硬化して固体化するように構成することが望ましい。
【0085】
溶媒成分をインク中に10%以上添加させたような場合には、最終的に得られるインク皮膜の強度という意味において、画像を形成する被印刷体(記録材)に一定の吸収性があることが必要となる。即ち、水性グラビアインキによる印刷の場合には、一定の濡れと浸透性を付与した記録材を用い、且つ、強制乾燥が行われている。これと同様に、本発明にかかるインクにおいても、溶媒成分をインク中に10%以上添加させたような場合には、被印刷体に水性インクの受理性を付与するための前処理を施し、且つ、インクを紫外線硬化させた後に、自然或いは強制の乾燥処置を施すことが望ましい。本発明で開示する各種の重合性物質は、それ自身で一定の保湿性(水の蒸発抑制、水の吸湿)を有するため、溶媒をまったく排除したインクの構成も可能である。この場合には、実用レベルでの、プリントの信頼性の確保のために、キャッピング、印字開始時のフレッシュインクの吸引、空吐出等の対策を用いてもよい。
【0086】
以下に、本発明の水性インクに用いることのできる比較的容易に蒸発乾燥する水溶性有機溶媒を列挙する。本発明のインクにおいては、これらの有機溶媒の中から、任意に選択した溶媒を添加させることができる。例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコーリモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、そして1価アルコール類等が挙げられる。
【0087】
<色材含有インクにおける材料構成>
本発明にかかる水性光硬化型樹脂組成物を色材を含有するインクに利用する場合には、含有させた色材の吸収特性に合わせて、インク中における触媒と重合性物質の濃度を調節することが好ましい。前記したように、配合量としては、水或いは溶剤の量を、質量基準で、40%〜90%の範囲、好ましくは60%〜75%の範囲とする。更に、インク中における紫外線重合性化合物の含有量は、インク全量に対して、質量基準で1%〜30%の範囲、好ましくは、5%〜20%の範囲とする。重合触媒は、紫外線重合性化合物の含有量に依存するが、概ね、インク全量に対して、質量基準で0.1〜7%、好ましくは、0.3〜5%の範囲である。
【0088】
インクの色材として顔料が使用される場合には、インク中における純顔料分の濃度は、概ね、インク全量に対して0.3質量%〜10質量%の範囲である。顔料の着色力は顔料粒子の分散状態に依存するが、約0.3〜1%の範囲であると、淡色のインクとして利用される範囲となる。また、それ以上であると、一般のカラー着色用に用いられる濃度を与える。顔料分散体の濃度は、印刷装置が要求する粘度、流動特性にも依存する。オンデマンドインクジェット装置の場合には、粘度が広い範囲で非線形性がなく、15mN/mが上限である。インクドットが、微細な高密度高駆動周波数ノズルの場合には、その上限は、10mN/mとなる。
【0089】
<インクの作成方法>
本発明にかかる水性光硬化型樹脂組成物に含有されている前記に挙げた各種の重合性物質は、いずれも酸性の官能基を有するため、水に溶解するには、塩基による中和と解離の状態とすることが望ましい。従って、通常は、アルカリ金属、アルコールアミン、アンモニア、モルフォリン、ピぺリジン等によって中性から塩基性に調節され、その後に、水に溶解される。この際、1級、2級のアミノ基を有する化合物を使用することは、水溶液中においても重合性物質の二重結合への付加(マイケル付加)が起こる可能性があるので、避けた方がよい。この反応は、極性基によって阻害を受けるので、水が多量に存在するうちは、反応は極めて僅かしか進むことはない。従って、どの程度、1級、2級のアミノ基を有する化合物の使用を避けるべきかは、組成物の保存保証期間に依存する。
【0090】
インクは、使用する原材料をいかなる順序で混合してもよいが、混合時の安定性を確保するために、すべての材料が中性から塩基性であるように、予め調節しておくことが好ましい。混合時には、不均一な状態を長く保持することないように、速やかに撹拌を行うことが好ましい。色材として、顔料分散体を使用する場合には、均一性を損なわないように、混合した後、更によく攪拌を行うことが好ましい。
【0091】
本発明にかかる水性光硬化型樹脂組成物に色材を含ませた組成物、特に、インクジェット記録用のインクとする場合の各構成材料の濃度の目安は、以下の通りである。顔料は、インク全量に対して、質量基準で0.3〜10%、重合性物質は5.0〜30%、触媒は、重合性物質に対して質量基準で1〜10%の範囲で使用し、且つ、インク中で最低1%は含有するようにすることが好ましい。
【0092】
<プリンタシステム>
本発明にかかるインクにおいては、前記したように、任意成分として水溶性有機溶媒を用いることができるが、それを用いる場合には、インク全量に対して、質量基準で5〜20%とすることが好ましい。更に、インクの濡れや浸透を制御するための界面活性剤、防腐剤、熱的な暗反応を抑制する安定剤を添加することもできる。インクの主成分とする水性光硬化型樹脂組成物を構成する重合性物質にこれらの添加剤が添加されていれば添加する必要はないが、添加されていない場合には、用途によっては添加することが必要となる。
【0093】
上記した本発明にかかるインクを用いて記録を行うのに好適な方法及び装置としては、例えば、記録ヘッドの室内のインクに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該熱エネルギーにより液滴を発生させる方法及び装置が挙げられる。
【0094】
先ず、その装置の主要部であるヘッド構成例を、図4、図5及び図6に示す。図4は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図5は、図4のA−B線での断面図である。ヘッド13は、インクを通す溝14を有する、ガラス、セラミックまたはプラスチック板等と、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15(図では薄膜ヘッドが示されているが、これに限定されるものではない。)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は、酸化シリコン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17−1及び17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層19、及びアルミナ等の放熱性のよい基板20より成っている。
【0095】
インク21は、吐出オリフィス(微細孔)22まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成している。今、アルミニウム電極17−1及び17−2に電気信号情報が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出しインク小滴24となり、吐出オリフィス22より被記録媒体25に向って飛翔する。
【0096】
図6には、図4に示すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドは、マルチ溝26を有するガラス板27と、図4で説明したものと同様の発熱ヘッド28を密着して作製されている。尚、図4はインク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図5は図1のA−B線の切断面である。
【0097】
図7に、上記ヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示す。尚、光照射手段については後述する。図7において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65による記録領域に隣接した位置に配置され、また、本例の場合、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。62は記録ヘッド65の吐出口面のキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に、63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。
【0098】
上記ブレード61、キャップ62及びインク吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及びインク吸収体63によってインク吐出口面の水分、塵挨等の除去が行われる。65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載してその移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
【0099】
51は被記録媒体を挿入するための給紙部、52は不図示のモーターにより駆動する紙送りローラーである。これらの構成によって記録ヘッド65の吐出口面と対向する位置へ被記録媒体が給紙され、記録が進行するにつれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙される。
上記構成において記録ヘッド65が記録終了等でホームポジションに戻る際、吐出回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。
【0100】
記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は、上述したワイピング時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。上述の記録ヘッド65のホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッド65が記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0101】
図8は、ヘッドにインク供給部材、例えば、チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジ45の一例を示す図である。ここで、40は供給用インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。44は廃インクを受容するインク吸収体である。インク収容部としては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているものが本発明にとって好ましい。
【0102】
本発明にかかるインクジェット記録装置には、上記の如きヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図9に示す如きそれらが一体になったものにも好適に用いられる。図9において、70は記録ユニットであって、この中にはインクを収容したインク収容部、例えば、インク保持体が収納されており、かかるインク保持体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。
【0103】
本発明にかかる水性紫外線硬化型樹脂組成物等を主成分とする、クリアインク或いは着色インクをインクジェット記録に使用して、アンダーコートやオーバーコート用としたり、画像を形成する場合のプリントシステムにおいては、インクジェットプリンタ100に紫外線照射装置を具備していることが好ましい。この場合、紫外線照射装置は、典型的に、図1〜図3に例示されるような位置に配置される。
【0104】
図1は、UVランプ101がプリントヘッド(記録ヘッド)103の走査と共に左右に往復運動(図1中の矢印A方向)する形態を表している。記録媒体(記録紙)は、図1中の矢印B方向に搬送される。図2は、記録媒体(不図示)は例えば矢印C方向に回転可能な回転ドラム201に巻き付けられた状態にあり、UVランプ101は、この回転する記録紙の既印刷領域に紫外線ランプが照射しつつ前進できるように構成したタイプである。図3では、印刷用紙幅のUVランプ101を設置し、印刷よりはやや遅れたタイミングであるが、強い照度にて露光がなされる。この場合、露光は、プリントステーションを出た記録媒体(不図示)に、上部或いは下部、或いは、上下両方から照射される。図3(b)に示すように、インクジェットプリンタ100のプリントヘッド(不図示)から照射エリアへの時間間隔は、インクが完全に記録媒体301に浸透してしまう前の、インク成分が均一にある状態を保っている時間域で行なわれるのが最良である。
【0105】
<光照射ランプ>
以下、本発明で特に好適な水性紫外線硬化型樹脂組成物の硬化に使用する紫外線照射ランプについて説明する。紫外線照射ランプは、水銀の蒸気圧が点灯中で1〜10Paであるような、所謂、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、蛍光体が塗布された水銀灯等が好ましい。これらの水銀ランプの紫外線領域の発光スペクトルは、184nm〜450nmの範囲であり、黒色或いは、着色されたインク中の重合性の物質を効率的に反応させるのに適している。また、電源をプリンタに搭載する上でも、小型の電源を使用できるので、その意味でも適している。水銀ランプには、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、クセノンフラッシュランプ、デイープUVランプ、マイクロ波を用い外部から無電極で水銀灯を励起するランプ、UVレーザー等が実用されており、発光波長領域としては上記範囲を含むので、電源サイズ、入力強度、ランプ形状等が許されれば、基本的には適用可能である。光源は、用いる触媒の感度にも合わせて選択する。
【0106】
必要な紫外線積算強度は、紫外部のエネルギー総量が、500〜5,000mJ/cm2の程度が重合速度の意味から望ましい。積算照射量が不足していると、固着したインクの記録紙への付着力が十分に発揮されない。更に、カラー記録では、耐水性が十分に出ない等の、本発明の目的である、印刷されたインク層の堅牢性において不足が生じることとなる。
【0107】
本発明にかかるインクを使用すれば、記録材にインクを付与した後に、紫外線でインク中の重合性物質を重合させて硬化させることで固着させることによって、光沢のあるインク層と画像、顔料を使用しても透明感のあるインク層と画像、良好な乾燥速度、優れた画像の摩擦耐久性、染料画像の耐オゾン性や耐水性等が得られる。同時に、用紙自体のカール、コックル等の変形が抑制され、これらの取り扱い、保存にとっても好ましいものとなる。
【0108】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
[インクセット例1(高分子分散剤を含む顔料分散体を含有するインク)]
色材として、ピグメントイエロー155の分散体、ピグメントレッド122の分散体、ピグメントブルー15:3の分散体、ピグメントブラック7の分散体の4種を使用して、下記の表2に示した組成のインクセット1を作製した。かかる組成では、前記した本発明の水性紫外線硬化型樹脂組成物を構成する重合性物質群A3に属する、先に構造を示した重合性化合物A3−1と、下記に示した構造の水溶性光重合開始剤TX−2(1)とを使用した。また、インクセット1を構成する各インクの作製にあたり、重合性化合物及び水溶性光重合開始剤(触媒)は、夫々、予めトリエタノールアミンにてpHを8.0に調整した水溶液を配合した。そして、更に、全ての成分を配合後、最終的にインクのpHが8.5となるようにした。
【0109】
【0110】
【0111】
(印刷実施例1)
以上のようにして得られた4色のインクからなるインクセット1を用いて以下の試験を実施した。
<プリンタ及びUVランプ>
図1(A−1)の構成であるところの、バブルジェットプリンタBJF−850の用紙排出位置に3本の紫外線ランプを配設した装置を作成し、以下の印刷試験を実施した。ランプの中心発光波長は365nm、照射位置での強度は12mW/cm2である。印刷された記録紙が紫外線の照射を受けている時間は約30sec.である。
【0112】
<記録紙>
記録紙として、水性インクジェット用の光沢フィルムであるHG−201と、光沢紙であるGP−301(いずれもキヤノン製)を使用して、YMCBk(イエロー、マゼンタ、シアン及びブラック)及びRGB(レッド、グリーン、ブルー)の各色を配したパターンの印刷を行った。
【0113】
(印刷比較例1)
下記の4種のインクを用いる以外は、印刷実施例1と同様にして比較用の印刷サンプルを作成した。印刷比較例1には、比較顔料インクY及び顔料インクMとして、前記表2中のY Ink 1及びM Ink 1に用いた顔料分散体を使用し、紫外線硬化系でない通常の溶媒系のみからなるインクを用いた。かかるインクの処方は、顔料分4%、水溶性有機溶媒(具体的には、1,3−プロパンジオール)15%、その他は水からなる。また、比較染料インクY及び比較染料インクMとして、BJF−850に付属する純正インク製品を使用した。かかるインクも、紫外線硬化系でない、通常の溶媒系のみからなるインクである。
【0114】
[評価]
上記したような条件にて作成した印刷実施例1及び印刷比較例1の印刷サンプルに対して、(1)光沢度、(2)付着性、(3)耐光性、及び(4)同じ印刷原稿を使用した50枚の連続印刷試験を下記のようにして行ない、夫々評価を行なった。これらの結果を表3にまとめて示した。尚、評価(1)、(2)及び(3)は、印刷後1日経過した印刷サンプルを用いて実施した。
【0115】
(1)光沢度
各印刷サンプルについて、光沢度変角光沢度計にて60度光沢の値を測定し、表3に結果を示した。かかる値によって、形成された画像の光沢は、下記のように評価できる。
80度:高すぎる光沢。
80度未満〜60度以上:銀塩写真並みの光沢。
60度未満〜40度以上:アート紙へのオフセット印刷の光沢。
40度未満〜20度以上:度乾式電子写真の光沢。
20度未満:普通紙の光沢。
【0116】
(2)付着性
各印刷サンプルに対して、乾燥及び湿潤の2通りの条件下で、下記のようにして、記録紙に対する付着性を評価した。
(i)乾燥状態:乾いたゴムのイレイザーにて5回擦り、その部分を目視で観察し、下記の基準で評価した。
A:変化を受けない。
B:擦られた跡がつくが、濃度の低下は少ない。
C:インク層が削られて剥げる。
【0117】
(ii)湿潤状態:水を含んだ紙で1回擦り、その部分を目視で観察し、下記の基準で評価した。
A:変化を受けない。
B:湿潤するがインクの滲みは生じない。
C:擦った箇所のインク層が削られ、別の箇所に滲んで広がる。
【0118】
(3)耐光性
各印刷サンプルに対して、アトラスキセノンフェードメーターで100時間の照射を行ない、照射前後の画像の色差ΔEを求め、下記の基準で評価した。
A:ΔE<5:優れた耐光性。
B:5≦ΔE≦10:実用的に良好な耐光性。
C:10<ΔE:短期の用途向けの保存品質。
【0119】
(4)連続印刷試験
50枚の連続画像印刷を行い、得られた一連の画像の品質を官能比較し、印刷の終期段階で得られた画像について下記の基準で評価した。
A:初期画像と濃度、鮮明性において有意差なし。
B:濃度、鮮明さに若干の低下があるが、実用上問題ない。
C:濃度の低下、或いは、ドットの乱れがある。
【0120】
【0121】
上記した表3から以下のことがわかった。比較顔料インクにみられるように、顔料インクは、そもそも、染料インクの場合と比較して堅牢性に優れ、得られる画像は耐光性に優れたものとなるが、比較染料インクと比べた場合に、付着性に劣り、且つ、画像の光沢度に劣る。これに対し、本発明にかかる水性紫外線硬化型樹脂組成物を含む顔料インクは、比較顔料インクと比べて、(1)インクの光沢度及び付着力に優れている。更に、顔料インクでありながら、(2)水性で多官能重合性化合物を有するため、優れたインクジェットインク適性を示すことがわかった。
【0122】
(透明性評価実施例1及び透明性評価比較例1)
前記表2に示した組成の本発明にかかるインクセット1を構成する各インクを用いて画像を形成し、顔料インク層の透明性を測定した。この測定では、印刷から硬化へのタイミング間隔を短くするために、高発光強度の得られる紫外線照射装置としてフュージョンシステムジャパン製F300D(商品名)を用いた。ランプタイプはDバルブを用いた。このランプの焦点を、インクが付着した記録紙を乗せるコンベアの表面位置に設定し、その表面位置における光の強度を測定したところ、以下の表4の通りであった。
【0123】
【0124】
前記表2に示した組成を有するインクセット1を構成するY Ink 1、M Ink 1、BL Ink 1の3種類のインク(インクセット1の構成インク;本発明にかかるインク)と、これらの3種類のインクに用いた各顔料分散体を使用し、紫外線硬化系とせずに、通常の溶媒系のみで調製した3種類の顔料インクを比較顔料インクとした。そして、これらの顔料インクを用い、1.1mmの厚さの7059硼珪酸ガラス板に、ギャップ18μmのドクターブレードにて各インクを塗布した。そして、塗布後、即座に、上記表4に示したような強度を有する紫外線コンベア下を4.0m/min.で通過させた。更に、紫外線硬化後に、摂氏80℃にて10分乾燥し、水分を蒸発させた。このようにして作成した着色ガラス板の透過スペクトルを、同じガラス板をブランク標準として可視域にて測定し、透過度を測定した。その結果を表5に示した。
【0125】
【0126】
上記表5の結果は、本発明にかかる水性紫外線硬化型樹脂組成物を含有する顔料インク層は散乱が少ないので、比較用の顔料インクと比べ、透過領域と吸収領域の差が大きく、透明性が高いことを示している。尚、散乱の大きさがバインダーを含むインクの透明性の指標となる。
【0127】
(硬化度評価実施例1)
表2に組成を示したインクセット1を構成する各インクを、1.1mmの厚さの7059硼珪酸ガラス板に、ギャップ18μmのドクターブレードにて塗布し、塗布後、即座に、先に挙げた紫外線コンベア下を、4.0m/min.、8.0m/min.、12.0m/min.、及び19.0m/min.の夫々の速度で通過させた。更に、紫外線硬化後に、摂氏80℃にて10分間乾燥し、水分を蒸発させた。このサンプルを用いて重量法にて硬化度を測定した。ここで、硬化度とは、下記の手順によって得られる測定値から下記式によって求められる値である。表6に、測定して得られた各インクの硬化度を示した。
【0128】
硬化度を求める手順としては、下記の通りである。
(1)基材と紫外線硬化させた塗布膜の全体の重量を測定する。
(2)基材を水に軽く振蕩させつつ3分間溶出処理を行い、未重合の成分を溶解除去し、その後、基材と塗布膜の全体の重量の測定をする。
(3)塗膜全体を基材から剥離し、基材のみの重量を測定する。
(4)上記の測定結果を用いて下記式により硬化度を求める。
【0129】
【0130】
実施例2
[インクセット例2(分散剤を用いない顔料分散体を含有するインク)]
下記表7に示した組成を有する、Yインク2、Mインク2、BLインク2及びBkインク2から構成されるインクセット例2を調製した。インクセット例2を構成する各インクでは、色材として、USP5,837,045号(Cabot Corporation)に開示される技術によって製造された、表面に化学反応によってアニオン性解離基を結合させた顔料を、分散剤、及び、撹拌/磨砕/吸着等の工程を伴う分散処理を用いることなく水性媒体に分散させて得られる顔料分散体を用いた。これらのインクは、顔料と、それの対イオンと水を含む。使用した顔料は、すべてスルホン化処理されたものである。この組成では、前記した本発明にかかる水性紫外線硬化型樹脂組成物を構成する重合性物質群A3に属する、先に構造式を示したした重合性化合物A3−2と、下記に示す構造の水溶性光重合開始剤TX−1(1)とを使用した。
【0131】
【0132】
また、インクセット例2を構成する各インクの作製にあたり、重合性化合物及び水溶性光重合開始剤(触媒)は、夫々、予め、トリエタノールアミンにてpHを8.0に調整した水溶液を配合した。そして、更に、全ての成分を配合後、最終的にインクのpHが8.0となるようにした。得られたインクセット例2を構成する各インクを用いて、実施例1と同様の方法で、印刷試験と評価を行った。表8に、その結果を示した。
【0133】
【0134】
【0135】
これらの結果から、インクセット例2は、表3に示したインクセット例1を構成する各インクの場合と比べ、付着力においては、インクセット例1の場合に対してやや及ばないものの、連続印刷試験においては、優っていることがわかった。また、得られる画像の光沢度、耐光性においては、概ねインクセット例1を構成する各インクと同等とみなすことができる。
【0136】
実施例3
[インクセット例3(カプセル型顔料分散体を含有するインク)]
下記表9に示した組成を有する、Yインク3、Mインク3、BLインク3及びBkインク3から構成されるインクセット例3を調製した。インクセット例3では、色材として、顔料表面に樹脂をカプセル状態で被覆し水性媒体に分散させた構造の顔料分散体を用いた。かかる分散体セットは、大日本インキ化学工業(株)から提供されたものであり、これらの濃縮体は、樹脂被覆顔料と樹脂の対イオン、及び水を含む。この組成では、前記した本発明にかかる水性紫外線硬化型樹脂組成物を構成する重合性物質群A1に属する、先に構造式を示した重合性化合物A1−1、及び水溶性光重合開始剤IC−1とを使用した。インクセット例3を構成する各インクの作製にあたり、重合性化合物及び水溶性光重合開始剤(触媒)は、夫々、予め、トリエタノールアミンにてpHを8.0に調整した水溶液を配合した。そして、更に、全ての成分を配合後、配合物のpHが8.0よりも低い場合には、トリエタノールアミンにて最終的にインクのpHが8.0となるように調整した。
【0137】
【0138】
上記で得られたインクセット例3を構成する各インクを用いて、実施例1と同様の方法で、印刷試験と評価を行った。表10に、その結果を示した。また、比較顔料インクY、M、Cとして、インクセット例3で用いたMCY、MCM、MCCの各顔料分散体を使用し、紫外線硬化系とせずに、通常の溶媒系のみで調製したものを用いた。
【0139】
【0140】
これらの結果は、インクセット例3を用いれば、優れた画質と堅牢性と印刷性が得られることを示している。特に紫外線硬化系でない比較顔料インクの場合と比べると、光沢度が向上し、画質が改良されることがわかった。また、連続印刷試験においても、改善することが認められた。
【0141】
実施例4
[インクセット例4(顔料分散体を含有するインク)]
下記表11に示した組成を有する、Yインク4、Mインク4、BLインク4及びBkインク4から構成されるインクセット例4を調製した。インクセット例4では、色材として、顔料を特定界面活性剤で物理化学的な作用で吸着被覆し、水性媒体に分散させた構造の顔料分散体No.1〜4を用いた。この分散体セットは、富士色素(株)から提供される。これらは、顔料と界面活性剤、保湿剤、アミン、防腐剤及び水を含む。この組成では、前記した本発明の水性紫外線硬化型樹脂組成物を構成する重合性物質群A1に属する重合性化合物A1−1と、水溶性光重合開始剤IC−1とを使用した。インクセット例4を構成する各インクの作製にあたり、重合性化合物及び水溶性光重合開始剤(触媒)は、夫々、予め、トリエタノールアミンにてpHを8.0に調整した水溶液を配合した。そして、更に、全ての成分を配合後、配合物のpHが8.0よりも低い場合には、トリエタノールアミンにて最終的にインクのpHが8.0となるように調整した。得られた各インクを用いて、実施例1と同様の方法で、印刷試験と評価を行った。表12に、その結果を示した。
【0142】
【0143】
また、比較顔料インクY、M、Cとして、インクセット例4で用いたNo.1〜3の各顔料分散体を使用し、紫外線硬化系とせずに、通常の溶媒系のみで調製したものを用いた。
【0144】
【0145】
これらの結果から、インクセット例4を構成するインクは、優れた画質と堅牢性の高い画像が得られる印刷特性を示すことがわかった。特に、紫外線硬化系でない比較顔料インクの場合と比べて、光沢度が向上し、画質が改良された。また、連続印刷試験においても、改善が認められた。
【0146】
実施例5
[インクセット例5(顔料分散体を含有するインク)]
下記表13に示した組成を有する、Yインク5、Mインク5、BLインク5及びBkインク5から構成されるインクセット例5を調製した。インクセット例5では、色材として、分散剤としてアルカリ可溶型水溶性高分子を使用して顔料を分散させた顔料分散体を用いた。かかる顔料分散体は、大日精化工業(株)でインクジェット用として試作されたものである。これらの分散体は、その平均粒子径と分布においてサイズが小さいという特徴を有する。この組成では、前記した本発明の水性紫外線硬化型樹脂組成物を構成する重合性物質群A3に属する、先に構造を示した重合性化合物A3−1と、実施例1で用いたと同様の水溶性光重合開始剤TX−2(1)とを使用した。インクセット例5を構成する各インクの作製にあたり、重合性化合物及び水溶性光重合開始剤(触媒)は、夫々、予め、トリエタノールアミンにてpHを8.0に調整した水溶液を配合した。そして、更に、全ての成分を配合後、最終的にインクのpHが8.5となるように調整した。得られた各インクを用いて、実施例1と同様の方法で、印刷試験と評価を行った。表14に、その結果を示した。
【0147】
【0148】
【0149】
表14からわかるように、このインクセット例5を構成するインクは、特に優れた光沢度を示した。他の実施例との比較において特に優れた光沢度を与えた理由は、紫外線硬化系の持つバインダー機能と、分散体の微粒子水準が優れている、即ち、顔料の平均粒子径が小さく、且つ、その粒度分布が狭いことにあると考えられる。
【0150】
<乾燥速度の試験、及び一般コピー用紙への印刷試験>
インクセット例5で色材として用いた顔料分散体を使用し、下記表15に示す組成のインクからなる比較用のインクセット例5を作製した。
【0151】
【0152】
先に調製したインクセット5と、上記で得られた比較インクセット5を構成する各顔料インクを夫々用いて、実質の乾燥速度の試験を行った。ここでは、電子写真複写用紙であるゼロックス4024紙を用い、20cm×20cmのサイズで、上記した各インクを用いて単色のベタパターンのみを印刷し、5枚/分で排出するモードにて印刷を行った。装置には、プリンタの前面にランプを配置する図3の形態とした。得られたプリント物について、(1)擦れによる画像の滲み、(2)排出されて来る用紙を重ね合わせて行った時の裏うつり、(3)用紙のカール、(4)画像反射濃度、(5)インクの裏ぬけの5項目について評価した。その際、下記の基準で評価した。得られた結果を表16に示した。
【0153】
[評価]
評価基準
(1)擦れによる画像の滲み
A:鮮明。
B:やや掠れる。
C:掠れがある。
【0154】
(2)排出されて来る用紙を重ね合わせて行った時の裏うつり
A:裏移りはない。
B:かすかに裏移りがある。
C:明らかに裏に転写。
【0155】
(3)用紙のカール
平滑の面においた時に両端が浮く高さを測定し、下記の基準で評価した。
A:1cm以下。
B:1cmよりも大きく2cmよりも小さい。
C:2cm以上。
【0156】
(4)画像反射濃度
紫外線照射を行なった場合と、行なわなかった場合の画像濃度を対比して示した。
【0157】
(5)インクの裏ぬけ
用紙の裏面の反射濃度dを反射濃度計で測定し、下記の基準で評価した。
A:d<0.3
B:0.3≦d<0.6
C:d≧0.6
【0158】
【0159】
実施例6
先に構造を示した重合性化合物A3−1、A8−1及びA9−1、光重合開始剤IC−3、TX−1(1)、TX−2(1)、及び下記に構造を示すTX−3(1)を夫々用いた紫外線硬化樹脂組成物を主成分とする、下記表17に示した処方及び物性を有するシアンインクであるC Ink 61〜65を夫々準備した。
【0160】
【0161】
【0162】
<上記顔料分散体C2の製法>
カルボキシル酸価130、スルホン酸酸価50、(いずれも定法のKOHを用いた測定法による値)を有する親水性ポリエステル樹脂を用いて、銅フタロシアニン顔料の水性分散体を調製した。アミノ親水化処理されたβ型銅フタロシアニン顔料50gに、上記ポリエステル樹脂の20%水溶液、150mlを加え、ホモジナイザーを用いてプレミキシングを行った。次に、この分散液をバッチ式サンドミルにて6時間分散処理を行った。分散処理後、遠心分離処理を行って粗大粒子を除去し、pH調製を行って、固形分濃度10.5%、pH値が8.2、表面張力が47mN/m、体積平均粒径が120±25nm、粘度4.5mPa・S の顔料分散体を得た。
【0163】
[評価]
(1)保存安定性試験
表17の各インクを耐熱ガラス瓶に50ml入れたものをそれぞれ2ヶ準備した。これを、暗所常温にて3ヶ月、60℃のオーブン中で1週間保存した。測定結果を表18に示した。各試験条件下において試験した結果、表18に示すように、保存安定性は良好であることが確認できた。
【0164】
【0165】
(2)光重合速度測定
500W入力の高圧水銀灯を用い、各照射エネルギーに対応するゲル分率を測定する方法で光重合速度を測定した。測定用の基材はガラス、照射面における紫外線光強度は、254nm近傍で、20mW/cm2、365nm近傍で、40mW/cm2であった。
【0166】
【0167】
[評価のまとめ]
以上に挙げた色材として構成の異なる5種類の顔料分散体を用いて得られたインクセット例1〜5を使用した試験の結果、下記のことがわかった。
(1)本発明の紫外線硬化水性樹脂組成物を加えた状態で、優れた特性を有するインクを安定して調製することが可能である。
(2)本発明の紫外線硬化水性樹脂組成物をインクジェット用インクの構成成分としての適用した場合には、顔料分散体の種類にかかわらず、共通して、優れた印刷適性と、得られる画像の堅牢性及び高画質の達成が可能となる。
【0168】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、本発明にかかる水性の光硬化型樹脂組成物材料をインクの主成分に用いることによって、水性でありながら、従来のインクと比較してインク中の重合性材料の含有率の高いインクを得ることができる。これによって、インクジェット装置上での安定した持続性連続印字ができ、パターン濃度変化連続印字において、優れた文字品位の画像が得られる。また、本発明にかかる水性の光硬化型樹脂組成物材料をインクの構成成分に用いることによって、顔料を色材として用いた場合においても、付着性が格段に向上した耐水性に優れた画像が得られる。
【0169】
更に、本発明にかかる水性の光硬化型樹脂組成物材料を、色材を含まないクリアインクの構成成分に用いることによって、優れた表面光沢を備え、且つ、消しゴムで擦っても殆ど変化を生じないという程度にまで耐擦過性が向上した被膜を被記録媒体上に形成することができる。また、クリアインクを施し、硬化させた部分は耐汚染性にも優れている。即ち、当該硬化膜表面に種々の汚染が付着した場合おいても、当該汚染を容易に拭き取ることができる。
更に、かかるクリアインクをアンダーコート材料として用いた場合には、ラフ紙であっても、その上に、良好な彩度の高い濃度の画像を得ることができるようになる。
【0170】
以上のように、本発明にかかる水性の光硬化型樹脂組成物材料をインクの構成成分に用いることによって、例えば、インクジェット印刷における印刷物の種々の特性を、通常の印刷物並み、若しくはそれ以上に向上させることができるという実用上の効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 インクジェットプリンタの記録ヘッドと、紫外線照射装置の紫外線ランプの位置を示す図である。
【図2】 インクジェットプリンタの記録ヘッドと、紫外線照射装置の紫外線ランプの位置を示す別の形態の図である。
【図3】 インクジェットプリンタの記録ヘッドと、紫外線照射装置の紫外線ランプの位置を示す別の形態の図である。
【図4】 インクジェット記録装置のヘッドの一実施態様を示す断面図である。
【図5】 図1のAB線断面図である。
【図6】 マルチヘッドの概略説明図である。
【図7】 インクジェット記録装置の一実施態様を示す概略斜視図である。
【図8】 インクカートリッジの一実施態様を示す断面図である。
【図9】 記録ユニットの位置実施態様を示す斜視図である。
【符号の説明】
13:ヘッド
14:溝
15:発熱ヘッド
16:保護膜
17−1、17−2:アルミニウム電極
18:発熱抵抗体層
19:蓄熱層
20:基板
21:インク
22:吐出オリフィス
23:メニスカス
24:インク小滴
25:被記録媒体
26:マルチ溝
27:ガラス板
28:発熱ヘッド
40:インク収容部
42:栓
44:インク吸収体
45:インクカートリッジ
51:給紙部
52:紙送りローラー
53:排紙ローラー
61:ブレード
62:キャップ
63:インク吸収体
64:吐出回復部
65:記録ヘッド
66:キャリッジ
67:ガイド軸
68:モーター
69:ベルト
70:記録ユニット
71:ヘッド部
100:インクジェットプリンタ
101:UVランプ
103:プリントヘッド
201:回転ドラム
301:記録媒体(記録紙)
A:プリントヘッドの動き
B:記録紙の方向
Claims (11)
- 少なくとも、40〜90質量%の水と、1〜30質量%の光によってラジカル重合する重合性物質と、該重合性物質に対して質量基準で1〜10質量%の量の、光の作用によってラジカルを生成する水溶性光重合開始剤と、0.1〜10質量%の色材と、を含有する光硬化型樹脂組成物(但し、組成物の組成比は、総計が100質量%になるように調整される)において、上記重合性物質が、2個以上の重合性官能基と1個或いは2個のアニオン性官能基を有する物質である、一般式群Aに属する下記一般式で表される重合性物質群A1及びA3から選ばれるいずれかの水溶性の重合性化合物であることを特徴とする水性光硬化型樹脂組成物。
但し、上記一般式群Aにおいて、A、Rx、Ry、Rz及びRpは、夫々独立して下記の原子団を表す。
- 少なくとも、27〜73質量%の水と、10〜70質量%の光によってラジカル重合する重合性物質と、該重合性物質100質量部に対して1〜10質量部の量の、光の作用によってラジカルを生成する水溶性光重合開始剤と、を含有する光硬化型樹脂組成物(但し、組成物の組成比は、総計が100質量%になるように調整される)において、上記重合性物質が、2個以上の重合性官能基と1個或いは2個のアニオン性官能基を有する物質である、一般式群Aに属する下記一般式で表される重合性物質群A1及びA3から選ばれるいずれかの水溶性の重合性化合物であることを特徴とする水性光硬化型樹脂組成物。
但し、上記一般式群Aにおいて、A、Rx、Ry、Rz及びRpは、夫々独立して下記の原子団を表す。
- 前記水溶性光重合開始剤が、1個のアニオン性官能基を有する物質である請求項1または2に記載の水性光硬化型樹脂組成物。
- 前記重合性物質が、重合性官能基を3個有する重合性化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性光硬化型樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の水性光硬化型樹脂組成物を主成分とすることを特徴とする水性インク。
- 更に色材が含有され、該色材として、アニオン性官能基によって水中に顔料が安定に分散された水性顔料分散体が用いられている請求項6に記載の水性インク。
- 前記水性インクが、インクジェット記録用である請求項6または7に記載の水性インク。
- 請求項6〜8のいずれか1項に記載の水性インクを収容しているインク収容部を具備していることを特徴とするインクカートリッジ。
- 請求項8に記載の水性インクを収容しているインク収容部と該インクを吐出するための記録ヘッドとを具備していることを特徴とする記録ユニット。
- 請求項8に記載の水性インクを収容しているインク収容部と該インクを吐出するための記録ヘッドとを具備していることを特徴とするインクジェット記録装置。
Priority Applications (9)
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