JP3882265B2 - 原子炉内検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子炉圧力容器内で使用される炉内検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12は原子炉圧力容器内の円筒状のシュラウド1,前記シュラウド1内にほぼ同心状に設置された上部格子板6,前記シュラウド1内壁の周囲を一周して設置されているパイプ状の炉心スプレイスパージャ10及び炉心スプレイスパージャ10を保持するブラケット11の設置状況の部分断面を示す。
【0003】
シュラウド1は多段円筒形状であり、一般に円筒状の上部胴2と中間胴3と図示しない下部胴との3つに区分される。
【0004】
それぞれの胴の境界にはフランジ5が各胴間の接続板として設けてあり、互いに接する部分が溶接されて一体となっている。
【0005】
また、上部格子板6は円筒形状のリム7,その中に格子状に組み合わされた格子板9,リム7の上面及び下面に設けられる上部格子板フランジ8により構成され、リム7と上部格子板フランジ8と格子板9は溶接により一体となっている。特に、原子炉圧力容器内にある上部格子板の溶接線を上部格子板の外周面から検査を行う装置に好適なものである。
【0006】
リム7に超音波探傷検査手段を当ててリム7と上部格子板フランジ8とを接続する周溶接線の検査を品質保証の観点から実施する必要があるが、シュラウド1と上部格子板6の間隔は狭い上にその間隔の上方には炉心スプレイスパージャ 10やそれを保持するブラケット11が存在し、その存在が障害となって検査手段をシュラウド1と上部格子板6の間隔間に進入させることが困難であった。
【0007】
図13に従来のシュラウド上部フランジ4を走行する炉内検査装置の一例を示す。
【0008】
従来の原子炉内検査装置は特開平8−114694 号公報に記載されているように、シュラウド上部フランジ4上を駆動輪16により走行し、該シュラウド上部フランジ上で周方向移動できるように設けられたガイド車輪17を含む走行体15と、走行体30にシュラウド1の下方へ軸方向に伸びるステイ18が取り付けられ、ステイ18に対し直角に、且つ、往復が可能なように支持手段19が取り付けられ、シュラウド1に接近できるように支持手段の先端に検査手段20が取り付けられることにより検査装置を構成する。
【0009】
そして、支持手段19により検査手段20を押し付けながら、走行体30をシュラウド1の周方向に移動することにより上部胴2の外壁面を検査する。
【0010】
この様な検査装置により、ステイ18が複数の屈曲可能な機構を所持することにより上部胴2に加えて中間胴3,フランジ5の溶接線を検査することが可能になる。
【0011】
しかし、シュラウド1と上部格子板6の間の狭い間隔に、その間隔の上方に存在する炉心スプレイスパージャ10やそれを保持するブラケット11との干渉を回避しながら検査手段を進入させることが開示されていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来、走行体15をシュラウド上部フランジ4に設置して、検査手段20をステイ18を介し原子炉圧力容器内壁面とシュラウド外壁面との間に挿入して、原子炉圧力容器やシュラウド溶接線の検査作業を行う。
【0013】
この様な装置でシュラウド1内の上部格子板6の検査を行う場合、シュラウド1の内壁面は炉心スプレイスパージャ10や上部格子板6の様な干渉物が存在し、特に炉心スプレイスパージャ10と上部格子板6上面との間は狭隘になっているので、上部格子板6の外壁面に検査手段を配置させるのは困難である。
【0014】
さらに少なくとも一つ以上の動力源を炉心スプレイスパージャ10と上部格子板6上面との間を通過させなくてはならないが、動力源を含むステイや検査手段を、炉心スプレイスパージャ10と上部格子板6上面との間に通過させるのは困難である。
【0015】
このように、従来、シュラウド1の外側に適用できた検査装置でもシュラウド1の内側での検査には適用できない課題が存在していた。
【0016】
従って、原子炉圧力容器内の狭隘な場所、特に炉心スプレイスパージャと上部格子板上面との間を容易に短時間で通過して上部格子板側壁とシュラウド内壁間での検査を可能とし、炉心スプレイスパージャやそれを支持するブラケットのような干渉物に検査手段が遭遇しても容易に短時間で回避することにより、検査作業の効率向上を図ることのできる原子炉内検査装置を提供することが望まれている。
【0017】
従って、本発明の目的は、原子炉圧力容器内のシュラウドの内側での検査作業の効率向上を図ることのできる原子炉内検査装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的を達成するための第1手段は、原子炉圧力容器内のシュラウドの上部フランジに、該フランジ上を移動自在に搭載されている移動手段と、前記移動手段から支持した検査手段とを備えた原子炉内検査装置において、前記原子炉圧力容器内のシュラウドの内側で前記移動手段に保持アームを上下回転且つ前記原子炉圧力容器の半径方向に移動自在に装備し、前記保持アームに前記検査手段を装備せしめたことを特徴とした原子炉内検査装置であり、原子炉検査装置全体は移動手段が原子炉圧力容器内の構造物に沿って移動することによって移動でき、保持アームは原子炉圧力容器の半径方向へ移動してその移動先にて保持アームは垂直面で回転して保持アームで支持した検査手段を検査位置に対向させ、検査手段は走行体の水平移動と前述の半径方向の水平方向と前述の回転による垂直方向との移動の組み合わせでシュラウド内の狭隘な検査位置に周囲の原子炉内構造物との干渉を避けて到達できる。
【0019】
同じく第2手段は、第1手段において、前記検査手段を検査対象に対して押し付ける手段が装備されていることを特徴とした原子炉内検査装置であり、第1手段による作用効果に加えて、前記押し付ける手段で検査手段が検査対象に押し付けられて検査手段が検査対象に密着して、検査手段が検査対象へ押し付けられていることが必要とする超音波探傷検査手段等の場合での、確実な検査が成せる。同じく第3手段は、第1手段又は第2手段において、検査手段が保持アームにその保持アームの長手方向へ移動自在に装備されていることを特徴とした原子炉内検査装置であり、第1手段又は第2手段による作用効果に加えて、検査手段は保持アームに沿って移動することにより、その検査手段の検査位置が変更できるので、検査手段の走査領域と走査自由度が拡大する。
【0020】
同じく第4手段は、原子炉圧力容器内で上部格子板を囲むように設置された円筒状のシュラウドの上部フランジに、該フランジ上を移動自在に搭載した走行体と、前記走行体から前記シュラウドの円筒状の中心方向へ延長して前記走行体に装備された装置ガイドフレームと、前記装置ガイドフレームから前記ガイドフレームの延長方向へ往復移動自在に支持して前記シュラウドの内側下方に垂らして装備したステイと、前記走行体から前記ステイを前記装置ガイドフレーム沿いに往復駆動する駆動手段と、前記ステイの上下方向の途中部位にピストンロッドを前記シュラウドの内壁面側に向けて水平に取り付けたシリンダと、前記ピストンロッドの突端部に回転自在に装備した倣い車輪と、前記ステイの下部に前記シュラウドの円筒状の半径方向へ向けて水平にして回転自在に装備した中空構造の回転伝達軸と、前記回転伝達軸の中空内部に回転自在に通した往復運動用回転軸と、前記ステイの下部に装備されて前記回転伝達軸と前記往復運動用回転軸を回転駆動する原動機と、前記回転伝達軸に直角に固定装備した保持アームと、前記往復運動用回転軸と前記保持アームの回転端部とに回転自在に装備した各回転輪に掛け渡したベルトと、前記保持アームへ前記保持アームの長手方向へ移動自在に装備されて前記ベルトに連結された検査手段と、を備えている原子炉内検査装置であり、走行体がシュラウドの上部に沿って走行して原子炉内検査装置全体の位置を移動させ、駆動手段で装置ガイドフレームに沿ってステイをシュラウドの内壁面側に移動させるとステイの移動に応じて水平姿勢状態の保持アームも同方向へ移動してシュラウドと上部格子板との間隔の間隙の上方にその上方の原子炉内構造物を避けて位置させられ、しかる後に原動機で回転伝達軸を回転させることによって保持アームを真下方向に回転させ、保持アームで支持した検出手段を上部格子板とシュラウド内壁面との間に位置させ、その後にシリンダのピストンロッドをシュラウド内壁面側へ突き出して突っ張ると、その反力によってステイとそのステイよりも下方の装置部分がシュラウドの円筒中心側に押されて検出手段が上部格子板の側面に押し付けられ、その押し付け状態で原動機により往復運動用回転軸を回転駆動すると、回転輪も回転してベルトが上下方向に駆動され、ベルトに連結された検査手段も保持アームに沿って同時に駆動されて上下方向の走査位置が変動でき、検出手段の水平方向の走査位置を変動させる場合には、走行体の移動によって行い、シュラウドと上部格子間の狭隘な箇所に進入させた検出手段を位置変動させながら上部格子板の側面での検査を行う。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図を用いて説明する。
【0022】
従来通り、原子炉圧力容器内で上部格子板6を同心状に囲むようにシュラウド1が設置されている。
【0023】
そのシュラウド1に設置される本発明の実施例による原子炉内検査装置は以下の通りである。
【0024】
原子炉内検査装置は概略次の主要構成を備えている。
【0025】
シュラウド1のシュラウド上部フランジ4上に脱着自在に設置した走行体30,走行体30にシュラウド1の中心方向に向けて設置された装置ガイドフレーム37、装置ガイドフレーム37によりシュラウド1の軸方向に懸架され、シュラウド1の半径方向に移動自在なステイ50,ステイ50下端に取り付けられた駆動部51,駆動部51の下部に回転自在に取り付けられた回転伝達軸60,回転伝達軸の内部を貫通して駆動部51と回転伝達軸60の両方に対して回転自在な往復運動用回転軸61,回転伝達軸60先端に設けて固定された保持アーム68,保持アーム68に往復自在に取り付けられた検査手段70、等により構成される。
【0026】
さらに具体的に解説すると、次の通りである。
【0027】
図1,図2のように、シュラウド上部フランジ4上に脱着自在に設置される主フレーム31には、図3のように、シュラウド上部フランジの周方向に沿って移動できように,フレーム39を介して、駆動輪32が取り付けられる。主フレーム31の上部にはハンドル38が設けられ、下部にはVベルト35を介して駆動輪32を駆動させるためのモータ34が原動機として設けられている。
【0028】
フレーム39には走行体30の脱落防止のために、シュラウド上部フランジ4の両側面に押し当てられるように少なくとも2個以上のガイド車輪33が取り付けられる。
【0029】
ガイド車輪33のうちのいずれかにエンコーダ36が取り付けられる。
【0030】
また主フレーム31には、シュラウド1の中心に向けて装置ガイドフレーム 37が設けられ、装置ガイドフレーム37にはガイド車輪52を介し、走行体 30に対してシュラウド1の半径方向に移動自在なステイ50が取り付けられている。
【0031】
ステイ50上部にはボールナット53が設けられ、それと噛み合うように主フレーム31にはリードスクリュー40がシュラウド1の半径中心方向へ向けて走行体30に取り付けられ、リードスクリュー40が回転することで、ボールナット53が移動し、ボールナット53と一体のステイ50がリードスクリュー40の回転方向に応じて前述の半径のいずれかの方向へ移動できる。
【0032】
リードスクリュー40のシュラウド1の半径中心方向の先端にはストッパ42が設けられて、ボールナット53とステイ50がリードスクリュー40から脱落することを防止している。
【0033】
ステイ50の上下方向途中高さの中腹部にはエアシリンダ48がシュラウド1の半径方向且つピストンロッドがシュラウド1の内壁面側に向く水平姿勢にして取り付き、そのピストンロッドの突端部には、倣い車輪49が回転自在に設けられている。
【0034】
エアシリンダ48のピストンロッドの倣い車輪49側の端部には倣い車輪49の進行方向の前後に近接センサ69が配置され、その近接センサ69がエアシリンダ48のピストンロッドに支持されており、倣い車輪49が障害物に当たる前に近接センサ69がその障害物に当たって、スイッチング動作を起こして障害物の存在を知らせ、走行体30の停止操作を促す。又は、そのスイッチング動作で、走行体30の走行を司る原動機を停止させる制御回路を備えて、自動停止を行うようにしても良い。
【0035】
ステイ50の下端には駆動部51が取り付けられる。
【0036】
図4に示すように、駆動部51の内部には原動機としてモータ54並びにモータ55が設けられている。
【0037】
モータ54の回転駆動軸にはウォームスクリューa57が取り付けられ、図5のように、ウォームホイールa56はウォームスクリューa57に対し直角に噛み合わせられる。
【0038】
そのウォームホイールa56は内部が中空な回転伝達軸60の駆動部51側の一端に取り付けられている。
【0039】
回転伝達軸60は駆動部51に設けられた軸受け62により、駆動部51に対し回転自在に支持される。
【0040】
保持アーム68は回転伝達軸60の駆動部51と反対側の一端にカラー63を介して一体で構成され、駆動部51に対し回転伝達軸60を中心に回転可能に設けられている。
【0041】
モータ55の軸にはウォームスクリューb59が取り付けられ、これと噛み合うウォームホイールb58はウォームスクリューb59に対し直角に配置され、回転伝達軸60の内部を貫通して回転伝達軸60に対して回転自在に設けられた往復運動用回転軸61の駆動部51側の一端に取り付けられている。
【0042】
往復運動用回転軸61は保持アーム68の内部に設けられた軸受け64により、駆動部ならびに回転伝達軸60に対して回転自在に支持される。
【0043】
往復運動用回転軸61の駆動部51と反対側の一端にはプーリ65が固定して取り付けられ、保持アーム68の往復運動用回転軸61と反対側の一端(回転端)にはプーリ66が回転自在に取り付けられ、各プーリ65,66との間には巻き掛けベルト67が巻き掛けられている。
【0044】
従って、モータ54を駆動すると、回転伝達軸60が回転して保持アーム68が回転伝達軸60を中心軸として上下方向に回転でき、モータ55を駆動すると往復運動用回転軸61が回転して巻きかけベルト67保持アーム沿い方向に駆動される。
【0045】
図7は図4の保持アーム68と検査手段70との取り合いを示したD−D断面図である。
【0046】
検査手段70は超音波探傷検査手段であり、超音波を用いる探触子シュー71,テレビカメラ72及び検査部フレーム73により構成される。
【0047】
超音波探触子74がモールドされている探触子シュー71の一端には検査部フレーム
73が取り付けられ、また探触子シュー71の側面にはフレーム76を介してテレビカメラ72が取り付けられる。
【0048】
検査部フレーム73の中腹部は保持アーム68に保持アーム68の長手方向へ摺動自在にかつ脱落しないように保持され、また検査部フレーム73は巻き掛けベルト67へピン75によって固定され、巻き掛けベルト67が駆動された際には検査手段も巻き掛けベルト67の駆動方向と同方向へ駆動される。
【0049】
次に、上記により構成される炉内検査装置の取り付け方法及び動作について説明する。
【0050】
図8は原子炉内検査装置をシュラウド上部フランジに設置した直後の状態、図9は炉心スプレイスパージャと上部格子板上面間の狭隘部を通過させた直後の状態、図10は図9の状態に続いて検査手段を上部格子板リムの外壁面に向けた状態、を示す。
【0051】
炉内検査装置をシュラウド1に設置する際には、まず図示しない燃料交換台車のホイスト等によりハンドル38に図示しないロープ等で吊り下げ、装置を炉内に吊り込む。
【0052】
この際、検査手段70及び保持アームが上部格子板に干渉しないようにするため、図8に示すように、保持アーム68の長手方向が水平方向になるように回転させておく。
【0053】
炉内検査装置のシュラウド上部フランジ4への吊り込み時に、エアシリンダ 48のピストンロッドをシュラウド上部フランジ4及び炉心スプレイスパージャ10に干渉しないように収縮させておく。
【0054】
そして、ガイド車輪33のうちのシュラウド外面側ガイド車輪は、装置設置を容易にするため、シュラウド上部フランジ4の外面から大きく離しておき、シュラウド上部フランジ4に装置を乗せる。
【0055】
走行体30をシュラウド上部フランジ4に乗せる際の監視は、原子炉内検査装置とは別に用意した図示しない水中TVカメラ等で行う。
【0056】
走行体30がシュラウド1に乗ると、それぞれシュラウド上部フランジ4をはさんで対向する位置に設けられたガイド車輪33のうちのシュラウド外面側ガイド車輪33を、図示しないエアシリンダ等による押し付け手段でシュラウド上部フランジ4の外面に密着させる。
【0057】
このことにより、原子炉内検査装置はシュラウド上部フランジ4の外面及び内面から押さえられることになり、装置がシュラウド1から脱落することはなくなる。
【0058】
原子炉内検査装置はシュラウド1に設置された後に、以下のように動作し、検査部位に接近する。
【0059】
まず、保持アーム68及び検査手段70がブラケット11に干渉しない位置になるように、走行体30により駆動部51ならびに保持アーム68等をシュラウド1の周方向に移動させる。周方向の位置検出は、駆動輪32の滑りを考慮し、駆動系とは別に設けてあるガイド車輪33に接続したエンコーダ36により行う。
【0060】
目的の位置に達したら、図9に示すようにリードスクリュー40で駆動部51ならびに保持アーム68をシュラウド1の半径方向内壁面側へ移動させて、炉心スプレイスパージャ10と上部格子板6上面の間を通過させる。
【0061】
シュラウド1の半径方向の位置検出はリードスクリュー40を回転させるモータに接続した図示しないエンコーダにより行う。
【0062】
検査手段70が炉心スプレイスパージャ10と上部格子板6上面の間を通過した後に、図10に示すように検査手段70を検査対象部位である上部格子板リム7の外壁面に到達させるため、保持アーム68が垂直になるように駆動部51内のモータ54により回転伝達軸60を回転させる。
【0063】
保持アーム68の回転角は、回転伝達軸60を回転させるモータ54に接続した図示しないエンコーダにより行う。
【0064】
検査手段70が検査部位に接近した後に、エアシリンダ48をシュラウド内壁へ押し付け、この押し付け圧により検査手段70を押し付ける。駆動部51内のモータ55を回転させて検査手段70を垂直方向に走査させ、モータ34および駆動輪32の動作により検査手段70を上部格子板6の周方向に走査させて上部格子板リム7の外壁の検査を行う。
【0065】
検査手段70の走査位置は回転伝達軸60の内部にある往復運動用回転軸61を回転させるモータ55に接続した図示しないエンコーダにより行う。
【0066】
保持アーム68がブラケット11に干渉する位置は、図6に示すようにエアシリンダ48の倣い車輪49側の端部に設けた近接センサ69の信号によるブラケット11が接触したかどうかの検知、あるいはあらかじめ入力したブラケット 11の位置データによるシーケンス制御、により認識する。
【0067】
保持アーム68がブラケット11へ到達後、図8に示す状態まで装置を変形させた後に駆動輪32をシュラウド1に対し周方向に回転させて、ブラケット11を通過する。
【0068】
その様に通過した後に図2に示す状態に再度戻して検査を再開する。
【0069】
この手順でシュラウド1を一周し、検査終了後は、設置とは逆の手順で装置を撤去する。
【0070】
したがって、本実施例によれば上部格子板6の外壁面の溶接線の健全性の確認に好適な装置を得る。
【0071】
なお、本実施例では検査手段70にテレビカメラ72及び超音波探触子74を搭載した例を示したが、その他の検査手段として、渦流探傷用プローブ,レーザ測量器,赤外線カメラ、等の使用を妨げるものではない。
【0072】
また、前記往復手段としてプーリ65,プーリ66,卷き掛けベルト67,前記押しつけ手段としてエアシリンダを用いたが、リードスクリュー等による代替を妨げるものではない。
【0073】
図11は本発明の検査手段を反対側に装着した例である。すなわち、図1,図2,図4ならびに図7から図10で示される検査手段70を保持アーム68に対して反対側に取り付け、シュラウド1の上部胴2やフランジ5との溶接部を検査する。
【0074】
検査手段の押し付けは、リードスクリュ−40の回転による駆動部51のシュラウド1内壁方向への移動、あるいは保持アーム68に別に取り付けたエアシリンダ77と該エアシリンダ77の先端に取り付けた倣い車輪78により行う。
【0075】
したがって、本実施例によればシュラウド1の上部胴2やフランジ5の溶接線の健全性の確認に好適な装置を得る。
【0076】
本実施例では、周方向移動手段としての走行体30をシュラウド上部フランジ4に設置し、走行する例を示したが、該走行体30を上部格子板フランジ8上面に設置し走行させてもよい。
【0077】
このように本発明の実施例によれば、原子炉圧力容器内の、例えば炉心スプレイスパージャと上部格子板上面間の、極めて狭隘な箇所でも短時間で検査手段を検査部位に挿入,位置決めが可能となり、さらに検査手段を押し付けて、検査部位の面に沿って確実に走査することが可能である。
【0078】
そして炉心スプレイスパージャを支持するブラケットの様な干渉物に検査手段が遭遇しても容易に短時間で回避することが可能であり、検査作業における作業者が受ける放射線当量の低減と、効率向上が図れる。
【0079】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、検査手段を垂直面での回転移動と水平面での水平移動によって干渉物に検査手段が遭遇しても容易に短時間で回避してシュラウド内の狭隘な検査箇所に到達させることができ、検査作業における作業者が受ける放射線量の低減と、検査作業の効率向上が図れる。
【0080】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明による効果に加えて、検査手段を検査対象物側に押し付けて確実な検査と原子炉内検査装置の原子炉圧力容器内での固定がなせる。
【0081】
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の発明による効果に加えて、検査手段を検査位置にて保持アーム沿いに移動させて検査手段の走査領域を拡大することができる。
【0082】
請求項4の発明によれば、原子炉圧力容器内で検査手段が干渉物に遭遇しても容易に短時間でそれを回避してシュラウドと上部格子板との間の狭隘な検査箇所に到達させることができ、上部格子板に検査手段を押して寄せることによって、確実且つ容易に検査位置に検査手段を導けるから、検査作業における作業者が受ける放射線量の低減と、検査作業の効率向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による原子炉内検査装置を原子炉圧力容器内のシュラウドに設置し、検査作業をする状態を示した正面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1のA−A矢視拡大図である。
【図4】図1のB−B矢視断面図である。
【図5】図4のC−C矢視断面図である。
【図6】図1のD−D矢視断面図である。
【図7】図4のE−E矢視断面図である。
【図8】本発明の実施例による原子炉内検査装置を原子炉圧力容器内のシュラウドに設置した直後の状態を示した側面図である。
【図9】本発明の実施例による原子炉内検査装置の検査手段を炉心スプレイスパージャ,上部格子板上面間の狭隘部を通過させた直後の状態を示した側面図である。
【図10】図9の状態に続いて検査手段を上部格子板リムの外壁面に向けた状態を示した側面図である。
【図11】本発明の他の実施例による原子炉内検査装置をシュラウド上部胴ならびにフランジの溶接線の検査に適用した際の実施例を示す側面図である。
【図12】原子炉圧力容器内に設置されるシュラウドとその内部に設置される炉内構造物の取り合い状況を示した斜視図である。
【図13】原子炉圧力容器内のシュラウド外面をシュラウド上部フランジに設置した走行体と走行体に設置したマストにより検査を行う従来の原子炉内検査装置の構造の斜視図である。
【符号の説明】
1…シュラウド、2…上部胴、3…中間胴、4…シュラウド上部フランジ、5…フランジ、6…上部格子板、7…リム、8…上部格子板フランジ、9…格子板、10…炉心スプレイスパージャ、11…ブラケット、30…走行体、31…主フレーム、32…駆動輪、33…ガイド車輪、34,41,54,55…モータ、35…Vベルト、36…エンコーダ、37…装置ガイドフレーム、38…ハンドル、39,76…フレーム、40…リードスクリュー、42…ストッパ、48,77…エアシリンダ、49,78…倣い車輪、50…ステイ、51…駆動部、52…支持車輪、53…ボールナット、56…ウォームホイールa、57…ウォームスクリューa、58…ウォームホイールb、59…ウォームスクリューb、60…回転伝達軸、61…往復運動用回転軸、62,63,64…軸受け、65,66…プーリ、67…巻き掛けベルト、68…保持アーム、69…近接センサ、70…検査手段、71…探触子シュー、72…テレビカメラ、73…検査部フレーム、74…超音波探触子、75…ピン。
Claims (5)
- 原子炉圧力容器内のシュラウドの上部フランジに、該フランジ上を移動自在に搭載されている移動手段と、前記移動手段から支持した検査手段とを備えた原子炉内検査装置において、前記原子炉圧力容器内のシュラウドの内側で前記移動手段に保持アームを上下回転且つ前記原子炉圧力容器の半径方向に移動自在に装備し、前記保持アームに前記検査手段を装備せしめたことを特徴とした原子炉内検査装置。
- 請求項1において、前記検査手段を検査対象に対して押し付ける手段が装備されていることを特徴とした原子炉内検査装置。
- 請求項1又は請求項2において、検査手段が保持アームにその保持アームの長手方向へ移動自在に装備されていることを特徴とした原子炉内検査装置。
- 原子炉圧力容器内で上部格子板を囲むように設置された円筒状のシュラウドの上部フランジに、該フランジ上を移動自在に搭載した走行体と、前記走行体から前記シュラウドの円筒状の中心方向へ延長して前記走行体に装備された装置ガイドフレームと、前記装置ガイドフレームから前記ガイドフレームの延長方向へ往復移動自在に支持して前記シュラウドの内側下方に垂らして装備したステイと、前記走行体から前記ステイを前記装置ガイドフレーム沿いに往復駆動する駆動手段と、前記ステイの上下方向の途中部位にピストンロッドを前記シュラウドの内壁面側に向けて水平に取り付けたシリンダと、前記ピストンロッドの突端部に回転自在に装備した倣い車輪と、前記ステイの下部に前記シュラウドの円筒状の半径方向へ向けて水平にして回転自在に装備した中空構造の回転伝達軸と、前記回転伝達軸の中空内部に回転自在に通した往復運動用回転軸と、前記ステイの下部に装備されて前記回転伝達軸と前記往復運動用回転軸を回転駆動する原動機と、前記回転伝達軸に直角に固定装備した保持アームと、前記往復運動用回転軸と前記保持アームの回転端部とに回転自在に装備した各回転輪に掛け渡したベルトと、前記保持アームへ前記保持アームの長手方向へ移動自在に装備されて前記ベルトに連結された検査手段と、を備えている原子炉内検査装置。
- 原子炉圧力容器内のシュラウドの上部フランジに、該フランジ上を移動自在に搭載されている移動手段と、前記移動手段から支持した検査手段とを備えた原子炉内検査装置において、前記原子炉圧力容器内のシュラウドの内側で前記移動手段に保持アームを上下回転且つ前記原子炉圧力容器の半径方向に移動自在に装備し、前記保持アームに前記検査手段を前記保持アーム沿いに移動自在に装備せしめ、前記保持アームを上下回転する第1の原動機と前記検査手段を移動させる第2の原動機とを、前記保持アーム以外の場所で前記移動手段に支持させて設け、前記第1の原動機が発する動力を前記保持アームに伝達する第1の動力伝達手段と、第2の原動機が発する動力を前記検査手段に伝達する第2の動力伝達手段とを備えていることを特徴とした原子炉内検査装置。
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