JP3882126B2 - 面状発熱体 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、裸ニクロム線を用いた面状発熱体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から加熱対象物に貼着させてこの加熱対象物の保温等に用いられる面状発熱体としては、以下の2つの方式のものが広く知られている。
【0003】
一方は、浴室の鏡の曇り防止や床保温等に用いられるものであり、導電フィルムまたはカーボン等の発熱体の両端に配設された電極部に導電帯を接続し、その発熱体の表裏全体を合成樹脂フィルム(シート)等で覆った構造の面状発熱体である。他方は、配管の保温,凍結防止、冷凍ショーケースの曇り取り等に用いられるものであり、裸ニクロム線をシリコンゴム等の耐熱材で被覆したコードを2枚のアルミニウム箔で狭んだ構造の面状発熱体である。
【0004】
このうち、導電フィルム等を用いた方式の面状発熱体は、電極部配設の構造により、発熱体の形状が四角・長方形等の角型に制約され、楕円や円形の鏡等の加熱対象物には、その形状に沿って加熱することはできず、従ってこのような形状の鏡に対して全面に亘って曇り防止をする等のニーズに対応することはできない。また、このような面状発熱体においては、導電フィルム等の固有のスクエアオーム(Ω/□)や発熱体と電極部との接触抵抗等による使用電流の制約などから、発熱サイズが制限されるという問題があった。さらにこの方式の面状発熱体においては、その構造上、平面の状態で使用しなければならず、加熱対象物の表面が湾曲しているような場合には使用することができないという問題点があった。
【0005】
これに対して、裸ニクロム線を被覆したコードを用いる方式の面状発熱体は、その形状や発熱サイズを自由に設定することができるとともに、湾曲させた状態などのように三次元的に変化をしている加熱対象物に対しても使用することができるという特徴を具えている。このような方式の面状発熱体の斜視図を図14に示し、その断面図を図15に示す。
【0006】
図14および図15に示したように、この面状発熱体は、裸ニクロム線1をシリコンゴム2で被覆したコードを使用者の所望する形状に配線したものである。そして、この配線されたコードは、互いに張り合わされている上下2枚のアルミ箔3,4によって固定されている。また、図15に示すように、この面状発熱体は、両面粘着テープ,両面粘着フィルム等の粘着剤5によって加熱対象物6に貼着され、この加熱対象物6を加熱する。 ここで、図14および図15に示したような構造の面状発熱体は、裸ニクロム線1を含むコードを使用者の所望する形状に加工し、この成形された崩れ易い形状のコードを、アルミニウム箔4上にテープ等で固定して形状が崩れないようにした状態で、その上からアルミニウム箔3を貼着することによって製造されるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図14および図15に示した面状発熱体においては、シリコンゴム2で裸ニクロム線1を被覆したコードを2枚のアルミニウム箔3,4によって固定するという構造上、断面が円形状のコードの表面にアルミニウム箔3,4を完全に密着させることができず、その結果としてコードの付近に若干の隙間が(空間)が生じ、使用時に水,湿気等が浸入して品質,性能の安定性や製品の耐久性を損なってしまうという問題があった。
【0008】
また、コード先端部の防水,防湿処理が不十分な場合には、このコード先端部の裸ニクロム線1とシリコンゴム2との間から水や湿気が浸入し、毛細管現象により水または湿気が浸透して裸ニクロム線1自体が腐触してしまうという問題があった。
【0009】
さらに、裸ニクロム線固有の問題として電源用の他の電線との接続方法としては、通常、一般に使用されている簡単な半田付けができないことから、圧着端子によるカシメやネジ止め等の機械的接続方法が用いられている。この他の電線との接続部の構造が、シリコンゴム2で被覆されているという構造上からくる太いコードによる厚みの問題と相俟って、薄い面状発熱体のニーズへの対応が難しいという問題もあった。また、他の電線との接続部での接続,防水,防湿等の対応は、通常、面状発熱体の外部の処理で対応せざるを得ないという生産,加工上で面倒な処理が必要であるという問題もあった。以上のような問題点があることにより、従来のこの種の面状発熱体においては、市場でのトラブルの大半が、他の電線との接続部やその近辺で発生しているのが現状である。従って、従来の裸ニクロム線を含むコードを用いる面状発熱体に対しては、従来の接続方式の改善のニーズが高く求められている。
【0010】
本発明の第1の目的は、発熱サイズの大きさや形状を自由に設定することができるとともに、安価で防水性,防湿性,耐久性に優れ、薄型でフレキシブルで且つ三次元的に使用することができる面状発熱体を提供することにある。
【0011】
また本発明の第2の目的は、上述した第1の目的を達成することができる面状発熱体において他の電線との接続が半田付けにより容易に行なうことができる面状発熱体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、第1に、同一の形状を有する2枚の多層複合フィルムが互いに重なるように配設され、当該2枚の多層複合フィルムの間の内部に前記多層複合フィルムの周辺寸法よりも小さい周辺寸法を有する絶縁材料からなる配線固定用粘着層が配設され、当該配線固定用粘着層上に、外部の電源に電線を介して両端部が接続されている裸ニクロム線が配設され、前記2枚の多層複合フィルムの周辺部分がヒートシールされ、前記配線固定用粘着層上には、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とを接続するための導電帯が配設され、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とは前記導電帯上の異なる部分に半田付けされ、且つ前記裸ニクロム線の端部が半田付けされている前記導電帯の接続部分は前記多層複合フィルムの下に位置していることを特徴とする面状発熱体を提供することができる。ここで、前記裸ニクロム線が配設されている面とは反対側の前記配線固定用粘着層の表面と前記多層複合フィルムとの間には、当該多層複合フィルムに基板固定用粘着層によって固定されている合成樹脂からなる前記配線固定用粘着層と同一の周辺寸法を有する基板が配設されていてもよい
【0013】
本発明によれば、第2に、同一の形状を有する2枚の多層複合フィルムが互いに重なるように配設され、当該2枚の多層複合フィルムの間の内部に前記多層複合フィルムの周辺寸法よりも小さい周辺寸法を有する絶縁材料からなる配線固定用粘着層が配設され、当該配線固定用粘着層上に、外部の電源に電線を介して両端部が接続されている裸ニクロム線が配設され、前記2枚の多層複合フィルムの周辺部分がヒートシールされ、前記裸ニクロム線が配設されている面とは反対側の前記配線固定用粘着層の表面と前記多層複合フィルムとの間には、当該多層複合フィルムに基板固定用粘着層によって固定されている合成樹脂からなる前記配線固定用粘着層と同一の周辺寸法を有する基板が配設され、前記基板固定用粘着層が粘着している前記多層複合フィルムと当該基板固定用粘着層との間には、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とを接続するための導電帯が配設され、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とは前記導電帯上の異なる部分に半田付けされ、且つ前記裸ニクロム線の端部が半田付けされている前記導電帯の接続部分は前記多層フィルムの下に位置していることを特徴とする面状発熱体を提供することができる。
【0014】
本発明によれば、第3に、同一の形状を有する2枚の多層複合フィルムが互いに重なるように配設され、当該2枚の多層複合フィルムの間の内部に、両面に基板固定用粘着層を有し且つ前記多層複合フィルムの周辺寸法よりも小さい周辺寸法の合成樹脂からなる基板であって、裸ニクロム線を収納するための溝部または透孔部が形成された基板が配設され、前記基板の溝部または透孔部には、外部の電源に電線を介して両端部が接続されている裸ニクロム線が配設され、前記2枚の多層複合フィルムの周辺部分がヒートシールされ、前記基板固定用粘着層上には、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とを接続するための導電帯が配設され、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とは前記導電帯上の異なる部分に半田付けされ、且つ前記裸ニクロム線の端部が半田付けされている前記導電帯の接続部分は前記多層複合フィルムの下に位置していることを特徴とする面状発熱体を提供することができる。
【0017】
本発明によれば、第4に、多層複合フィルムと、これと同一の形状を有し且つ少なくとも一面側に絶縁材料が配設されている絶縁カバー部材とが、前記絶縁カバー部材の前記絶縁材料が配設されている面が前記多層複合フィルムと対向した状態で重なるように配設され、前記多層複合フィルムと前記絶縁カバー部材との間には前記多層複合フィルムの周辺寸法と同一の周辺寸法を有する絶縁材料からなる配線固定用粘着層が配設され、当該配線固定用粘着層上に、外部の電源に電線を介して両端部が接続されている裸ニクロム線が配設され、前記配線固定用粘着層上には、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とを接続するための導電帯が配設され、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とは前記導電帯上の異なる部分に半田付けされ、且つ前記裸ニクロム線の端部が半田付けされている前記導電帯の接続部分は前記絶縁カバー部材の下に位置していることを特徴とする面状発熱体を提供することができる。
【0018】
本発明によれば、第5に、同一の形状を有する2枚の合成樹脂フィルムまたはシートが互いに重なるように配設され、当該2枚の合成樹脂フィルムまたはシートの間の内部に前記合成樹脂フィルムまたはシートの周辺寸法よりも小さい周辺寸法を有する絶縁材料からなる配線固定用粘着層が配設され、当該配線固定用粘着層上に、外部の電源に電線を介して両端部が接続されている裸ニクロム線が配設され、前記裸ニクロム線が配設されている面とは反対側の前記配線固定用粘着層の表面と該表面に対向する前記合成樹脂フィルムまたはシートとの間には、当該合成樹脂フィルムまたはシートに固定用粘着層によって固定されて且つ前記配線固定用粘着層と同一の形状を有する多層複合フィルムが配設され、前記2枚の合成樹脂フィルムまたはシートの周辺部分がヒートシールされ、前記配線固定用粘着層の前記裸ニクロム線が配設されている表面上には、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とを接続するための導電帯が配設され、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とは前記導電帯上の異なる部分に半田付けされ、且つ前記裸ニクロム線の端部が半田付けされている前記導電帯の接続部分は前記合成樹脂フィルムまたはシートの下に位置していることを特徴とする面状発熱体を提供することができる。
【0019】
本発明によれば、第6に、同一の形状を有する2枚の合成樹脂フィルムまたはシートが互いに重なるように配設され、当該2枚の合成樹脂フィルムまたはシートの間の内部に前記合成樹脂フィルムまたはシートの周辺寸法よりも小さい周辺寸法を有する絶縁材料からなる配線固定用粘着層が配設され、当該配線固定用粘着層上に、外部の電源に電線を介して両端部が接続されている裸ニクロム線が配設され、前記2枚の合成樹脂フィルムまたはシートの周辺部分がヒートシールされ、前記2枚の合成樹脂フィルムまたはシートのいずれか一方の外側の表面上には、金属板(アルミニウム箔を含む)が固定用粘着層によって固定され、前記配線固定用粘着層上には、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とを接続するための導電帯が配設され、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とは前記導電帯上の異なる部分に半田付けされ、且つ前記裸ニクロム線の端部が半田付けされている前記導電帯の接続部分は前記合成樹脂フィルムまたはシートの下に位置していることを特徴とする面状発熱体を提供することができる。
【0020】
本発明によれば、第7に、同一の形状を有する2枚の合成樹脂フィルムまたはシートが互いに重なるように配設され、当該2枚の合成樹脂フィルムまたはシートの間には、当該合成樹脂フィルムまたはシートと同一の形状を有する絶縁材料からなる配線固定用粘着層が配設され、当該配線固定用粘着層上に、外部の電源に電線を介して両端部が接続されている裸ニクロム線が配設され、前記裸ニクロム線が配設されている面とは反対側の前記配線固定用粘着層の表面と該表面に対向する前記合成樹脂フィルムまたはシートとの間には、当該合成樹脂フィルムまたはシートに固定用粘着層によって固定されて且つ前記合成樹脂フィルムまたはシートの周辺寸法よりも小さい周辺寸法を有する多層複合フィルムが配設され、前記配線固定用粘着層の前記裸ニクロム線が配設されている表面上には、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とを接続するための導電帯が配設され、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とは前記導電帯上の異なる部分に半田付けされ、且つ前記裸ニクロム線の端部が半田付けされている前記導電帯の接続部分は前記合成樹脂フィルムまたはシートの下に位置していることを特徴とする面状発熱体を提供することができる
【0021】
以上の本発明に係る面状発熱体においては、これまで面状発熱体に使用することは難しいと考えられていた自由な形状に加工することはできるが、その形状が崩れ易い裸ニクロム線を、熱伝導率の高いアルミニウム箔または金属板上に隣接または近接して配設された絶縁材料からなる配線固定用粘着層上に固定し、この上を覆うように絶縁材料を配設する構成になっているので、裸ニクロム線のΩ/mを定める太さ(φ),裸ニクロム線の接続方法(直列または並列),耐熱性のあるポリエステル等の絶縁材料をそれぞれ選んで組み合わせることにより、サイズ,使用電圧,耐熱性等の性能を極めて自由に設定することができる。
【0022】
また上述した本発明に係る面状発熱体において、当該面状発熱体の内部に前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とを接続するための導電帯を配設し、当該導電帯上の異なる部分に、それぞれの端部を半田付けするように構成すれば、ニクロム線コードを使用する従来の面状発熱体で必要とされていた当該面状発熱体の外部でする面倒な接続作業や、面倒な防水,防湿等の処理を省くことができる。
【0023】
さらに上述した本発明に係る面状発熱体において、面状発熱体の周辺部分に沿うような形状で裸ニクロム線を配設すれば、この周辺部分にも熱が効率的に伝達されるため、この面状発熱体は全面に亘って温度の上昇が平均化する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
(実施形態1)
【0025】
図1は、本発明の実施形態1の構成を示す平面図であり、図2はそのA・A断面図である。
【0026】
図1および図2において、使用者が所望する形状に成形されている裸ニクロム線10は、絶縁材料からなる粘着層20上に配設されている。30,40は、粘着層20の周辺寸法より大きい周辺寸法を有する多層複合フィルムであり、その周辺部分は互いにヒートシールされている。
【0027】
50は導電帯(Cuテープ)、60は一般に使用されている半田である。
【0028】
また、図1に示すように、導電帯50の一部が外部に露出するように、多層複合フィルム30の一部が切除され窓部31が形成されている。
【0029】
なお、本実施形態1の平面構成は、図1に示すように長方形となっているがこの形状は長方形に限られるものではなく、本実施形態1を装着する加熱対象物の形状に合わせて、円形など自由な形状にすることができる。
【0030】
ここで本実施形態1に使用されている多層複合フィルム30,40は、熱伝導率の高いアルミニウム箔の両面に合成樹脂フィルムを層状に配設したり、また合成樹脂フィルムの表面にアルミニウムを蒸着させてアルミニウム層を形成し、このアルミニウム層の上に合成樹脂フィルムを配設したりすることによって、アルミニウム層の両面に絶縁物である合成樹脂フィルムが層状に配設されているフィルムである。この合成樹脂フィルムの材料として、本実施形態1においては、ポリエステル等の耐熱性に優れた材料が選ばれている。
【0031】
また、配線固定用の粘着層20は、耐熱性に優れた絶縁材料であるアクリル系化合物によって構成されている。従って、裸ニクロム線10で発生した熱は、近接しているアルミニウム箔によって効率よく吸収・伝導されるので、裸ニクロム線10付近の温度だけが異常に高くなり、この裸ニクロム線10に接している材料を溶かすようなことはない。
【0032】
さらに、本実施形態1においては、図1に示すように、面状発熱体の周辺部分に沿うような形状で裸ニクロム線10が配設されているので、この周辺部分にも熱が効率的に伝達されるため、この面状発熱体は全面に亘って温度の上昇が平均化する。
【0033】
また、本実施形態1においては、図1および図2に示すように、裸ニクロム線10の両端部と導電帯50とが一般に使用されている半田によって接続されている。
【0034】
一般に溶けている半田は裸ニクロム線に接着しにくく、このため裸ニクロム線と他の導体とを半田付けすることは一般に行なわれていないが、本願発明者は、ある条件下では、裸ニクロム線と他の導体とを容易に半田付けし得ることを発見し、この知見によって本実施形態1の構成を発明するに到ったものである。その条件とは、図3(a)に示したような状態で、すなわち導電帯50上で溶けている半田60の塊の中に裸ニクロム線10が挿入されている場合には、溶けている半田60が冷却して固体化するまで裸ニクロム線10を動かさなければよいという条件である。図3(b)は図3(a)のB・B断面図である。
【0035】
本実施形態1では、粘着層20上に固定されている裸ニクロム線10の先端部が、粘着層20上に固定されている導電帯上に位置するように構成されているので、上述した条件を簡単に満たすことができ、従って本実施形態1においては裸ニクロム線10の両端部を導電帯50に簡単に半田付けすることができる。半田60が冷却固体化後は、当該半田60と裸ニクロム線10とが密着し、通常の半田付と同じように接触抵抗の変化もない。また、従来の圧着端子方式では細い裸ニクロム線については外れ易いという問題があったが、本実施形態1の方法によればその問題も解決でき、太さに関係なく半田付での対応が可能となる。これにより薄い面状発熱体の提供が可能となる。
【0036】
図1に示すように、本実施形態1においては、裸ニクロム線10の両端部が半田付けされている導電帯50の一部が多層複合フィルム30の窓部31から外部に露出している。すなわち、図1に示したように、裸ニクロム線10の端部と導電帯50とが半田付けされている接続部分は多層複合フィルム30の下に位置して外部に露出しておらず、この導電帯50の一部が窓部31を介して外部に露出している。従って、この露出している導電帯50の部分に、電源に接続する電線70を図2に示したように容易に半田付けすることができる。この電源に接続する電線70と導電帯50とを半田付けするときに2つの半田が共に窓部31の縁の部分に接触して多層複合フィルム30のアルミニウム層に接続されてしまうと短絡事故(ショート)が起こってしまう。このような短絡事故(ショート)を防ぐために、本実施形態1においては、導電帯50上の電線70を接続する位置と窓部31の縁の部分との間に半田が接触しないような十分な間隔が存在する図1に示した形状に窓部31の形状が選ばれている。
【0037】
なお、このように電線70を導電帯50に半田付けした後に、多層複合フィルム30の窓部31をエポキシ樹脂71等によりコートしておけば、外部の水分が面状発熱体の内部に浸入することはない。このように構成された本実施形態1に係る面状発熱体は、図4に示すように両面粘着テープ,両面粘着フィルム等の粘着剤5によって加熱対象物6に貼着するものである。
【0038】
以上説明したように、本実施形態1によれば、面状発熱体の周辺部分がヒートシールされているために、外部の水分が内部に浸入するようなことはない。また、先に説明したように本実施形態1においては、外部の電線70を半田付けにより簡単に接続することができるので、図14,図15に示す従来のニクロム線コード使用の面状発熱体における当該面状発熱体の外部での面倒な接続や防水,防湿等の面倒な処理が不要となり、薄型でフレキシブルな面状発熱体にすることが可能となる。
【0039】
ここで本実施形態1においては、図1に示すように裸ニクロム線10が直列接続となっているが、この接続は直列接続に限られるものではなく、図5に示すような並列接続としてもよい。ここで、図5において11は交叉している2本の裸ニクロム線10の間に配設された絶縁部材である。本実施形態1においては、この絶縁部材11として絶縁材料からなる両面粘着テープや両面粘着フィルムを用いている。
【0040】
このように本実施形態1に係る面状発熱体においては、裸ニクロム線のΩ/mを定める太さ(φ),裸ニクロム線の接続方法(直列または並列),耐熱性のあるポリエステル等の絶縁材料をそれぞれ選んで組み合わせることにより、サイズ,使用電圧,耐熱性等の性能を極めて自由に設定することができる。
【0041】
本実施形態1においては、多層複合フィルム40上に粘着層20が配設され、この粘着層20上に裸ニクロム線10が配設されているが、この裸ニクロム線10上にさらに粘着層21を図6に示すように配設し、その上部に多層複合フィルム30を配設する構成とすれば、面状発熱体の内部の密着性をより高めることができる。
【0042】
なお、以上説明した本実施形態1においては、粘着層20上に裸ニクロム線10と導電帯50とが配設されているが、この導電帯50は、粘着層20に関して裸ニクロム線10とは反対側、すなわち粘着層20と多層複合フィルム40との間に配設するようにしてもよい。このようにした場合には、外部の電線70と接続を行なう際に使用する窓部は多層複合フィルム40に形成することとする。
【0043】
さらに、面状発熱体の剛性を高めるために、図7に示すようにポリエステルやポリイミド等の合成樹脂からなる基板80を多層複合フィルム40上に粘着層22によって配設するように構成してもよい。このように構成した場合には、導電帯50は、図7に示すように多層複合フィルム30と粘着層20との間に配設してもよいし、また、粘着層22と多層複合フィルム40との間に配設してもよい。
【0044】
また、図7のように、2枚の多層複合フィルム30,40間に基板80を介在させる構成においては、図8に示すような形状の溝部81を形成しておき、この溝部81に裸ニクロム線10を収納するように構成してもよい。この溝部81は裸ニクロム線10の収納が可能となるように、裸ニクロム線10の太さ以上の幅および深さを有するものであり、この溝部81は同様の寸法を有する透孔としてもよい。このように構成することにより、裸ニクロム線10を配設する場合に生じる表面の凹凸が無い面状発熱体の提供が可能となる。
(実施形態2)
【0045】
図9は、本発明の実施形態2の構成を示す断面図である。
【0046】
図2に示す実施形態1の構成と本実施形態2との差異は、多層複合フィルム40上の粘着層20の周辺寸法が多層複合フィルム40の周辺寸法と同一の周辺寸法となっており、この粘着層20上には、これと同一周辺寸法を有する絶縁カバー部材41が配設されていることである。この絶縁カバー部材41には、図1に示した窓部31と同様の形状のエポキシ樹脂71が充填されている窓部が形成されている。
【0047】
ここで、絶縁カバー部材41は、少なくとも粘着層20に接している面には絶縁材料が配設されているもので構成することができ、具体的には合成樹脂フィルム(またはシート)や多層複合シート等で構成することができる。
【0048】
このように構成された本実施形態2においては、面状発熱体の周辺部分をヒートシールすることなく密着させることができる。
【0049】
また、本実施形態2においても実施形態1と同様に、裸ニクロム線10上にさらに粘着層を配設してもよいし(図6参照)、導電帯50を粘着層20と多層複合フィルム40との間に配設してもよい。さらに、剛性を高めるために基板80を配設してもよいし(図7参照)、この基板80に溝部81を形成して、この溝部81に裸ニクロム線10を収納するように構成してもよい(図8参照)。
【0050】
図9に示すように、本実施形態2においては、裸ニクロム線10の両端部が半田付けされている導電帯50の一部が絶縁カバー部材41の窓部31から外部に露出している。すなわち、図9に示したように、裸ニクロム線10の端部と導電帯50とが半田付けされている接続部分は絶縁カバー部材41の下に位置して外部に露出しておらず、この導電帯50の一部が窓部31を介して外部に露出している。従って、この露出している導電帯50の部分に、電源に接続する電線70を図9に示したように容易に半田付けすることができる。
【0051】
なお、このように電線70を導電帯50に半田付けした後に、絶縁カバー部材41の窓部をエポキシ樹脂71等によりコートしておけば、外部の水分が面状発熱体の内部に浸入することはない。このように構成された本実施形態2に係る面状発熱体は、実施形態1と同様に粘着剤5によって加熱対象物6に貼着するものである(図4参照)。
【0052】
以上説明したように、本実施形態2によれば、面状発熱体の周辺部分が粘着層20によって密着状態となっているために、外部の水分が内部に浸入するようなことはない。また、先に説明したように外部の電線70を半田付けにより簡単に接続することができるので、図14,図15に示す従来のニクロム線コード使用の面状発熱体における当該面状発熱体の外部での面倒な接続や防水,防湿等の面倒な処理が不要となり、薄型でフレキシブルな面状発熱体にすることが可能となる。
【0053】
ここで本実施形態2においては、裸ニクロム線10は直列接続となっているが、この接続は直列接続に限られるものではなく、図5に示すような並列接続としてもよい。ここで、図5において11は交叉している2本の裸ニクロム線10の間に配設された絶縁部材である。このように本実施形態2に係る面状発熱体においては、裸ニクロム線のΩ/mを定める太さ(φ),裸ニクロム線の接続方法(直列または並列),耐熱性のあるポリエステル等の絶縁材料をそれぞれ選んで組み合わせることにより、サイズ,使用電圧,耐熱性等の性能を極めて自由に設定することができる。
(実施形態3)
【0054】
図10は、本発明の実施形態3の構成を示す断面図である。
【0055】
図10において、100はアルミニウム板等の金属板(アルミニウム箔を含む)であり、20,21は金属板(アルミニウム箔を含む)100と同一の周辺寸法を有する粘着層である。裸ニクロム線10および導電帯50はこの粘着層20と粘着層21との間に配設されている。90は、金属板(アルミニウム箔を含む)100と同一の周辺寸法を有するカバー部材である。このカバー部材90には、図1に示した窓部31と同様の形状のエポキシ樹脂71が充填されている窓部が形成されている。
【0056】
本実施形態3においては、金属板(アルミニウム箔を含む)100の上部に位置している裸ニクロム線10が粘着層20および粘着層21によって周囲から電気的に絶縁されているために、このカバー部材90は、多層複合フィルムや合成樹脂フィルム(またはシート)のみならず、ゴム製のシートのような絶縁物からなるシート、または金属板のような熱伝導率のよい導電材料で構成することができる。
【0057】
さらに本実施形態3においては、図8に示すような形態の基板80を粘着層20と粘着層21との間に配設し、この基板80の溝部81に裸ニクロム線10を収納するように構成してもよい。
【0058】
図10に示すように、本実施形態3においては、裸ニクロム線10の両端部が半田付けされている導電帯50の一部がカバー部材90の窓部から外部に露出している。すなわち、図9に示したように、裸ニクロム線10の端部と導電帯50とが半田付けされている接続部分はカバー部材90の下に位置して外部に露出しておらず、この導電帯50の一部が窓部31を介して外部に露出している。従って、この露出している導電帯50の部分に、電源に接続する電線70を図10に示したように容易に半田付けすることができる。
【0059】
なお、このように電線70を導電帯50に半田付けした後に、カバー部材90の窓部をエポキシ樹脂71等によりコートしておけば、外部の水分が面状発熱体の内部に浸入することはない。このように構成された本実施形態3に係る面状発熱体は、実施形態1と同様に粘着剤5によって加熱対象物6に貼着するものである(図4参照)。
【0060】
以上説明したように、本実施形態3によれば、粘着層20,21によって密着状態となっているために、外部の水分が内部に浸入するようなことはない。また、先に説明したように、外部の電線70を半田付けにより簡単に接続することができるので、図14,図15に示す従来のニクロム線コード使用の面状発熱体における当該面状発熱体の外部での面倒な接続や防水,防湿等の面倒な処理が不要となり、薄型でフレキシブルな面状発熱体にすることが可能となる。
【0061】
ここで本実施形態3においては、裸ニクロム線10は直列接続となっているが、この接続は直列接続に限られるものではなく、図5に示すような並列接続としてもよい。ここで、図5において11は交叉している2本の裸ニクロム線10の間に配設された絶縁部材である。このように本実施形態3に係る面状発熱体においては、裸ニクロム線のΩ/mを定める太さ(φ),裸ニクロム線の接続方法(直列または並列),耐熱性のあるポリエステル等の絶縁材料をそれぞれ選んで組み合わせることにより、サイズ,使用電圧,耐熱性等の性能を極めて自由に設定することができる。
(実施形態4)
【0062】
図11は、本発明の実施形態4の構成を示す断面図である。
【0063】
図11において、91,92は、合成樹脂フィルム(またはシート)であり、1
00は、合成樹脂フィルム(またはシート)91,92の周辺寸法より小さい周辺寸法を有する金属板(アルミニウム箔を含む)である。この金属板(アルミニウム箔を含む)100は、合成樹脂フィルム(またはシート)91,92の周辺寸法と同一の周辺寸法を有する粘着層22によって合成樹脂フィルム(またはシート)91上に貼着されている。20は粘着層22と同一の周辺寸法を有する粘着層である。10は裸ニクロム線、50は導電帯、60は半田、70は電線である。ここで、合成樹脂フィルム(またはシート)92には、図1に示した窓部31と同様の形状のエポキシ樹脂71が充填されている窓部が形成されている。
【0064】
本実施形態4においては、粘着層20,22の周辺寸法を、金属板(アルミニウム箔を含む)100の周辺寸法と同一の周辺寸法として、合成樹脂フィルム(またはシート)91,92の周辺部分を互いにヒートシールするように構成してもよい。
【0065】
また 本実施形態4においては、図12に示すように、金属板(アルミニウム箔を含む)100を粘着層22によって合成樹脂フィルム(またはシート)91の外側に貼着するように構成してもよい。なお、この場合も、粘着層20の周辺寸法を合成樹脂フィルム(またはシート)91,92の周辺寸法よりも小さい周辺寸法として、合成樹脂フィルム(またはシート)91,92の周辺部分を互いにヒートシールするように構成してもよい。
【0066】
さらに、本実施形態4においては金属板(アルミニウム箔を含む)100の代わりに、これと同一の周辺寸法を有するアルミニウム箔からなる層を含む多層複合フィルムを配設してもよい。
【0067】
図11に示すように、本実施形態4においては、裸ニクロム線10の両端部が半田付けされている導電帯50の一部が合成樹脂フィルム(またはシート)92の窓部から外部に露出している。すなわち、図9に示したように、裸ニクロム線10の端部と導電帯50とが半田付けされている接続部分は合成樹脂フィルム(またはシート)92の下に位置して外部に露出しておらず、この導電帯50の一部が窓部31を介して外部に露出している。従って、この露出している導電帯50の部分に、電源に接続する電線70を図11に示したように容易に半田付けすることができる。
【0068】
なお、このように電線70を導電帯50に半田付けした後に、合成樹脂フィルム(またはシート)92の窓部をエポキシ樹脂71等によりコートしておけば、外部の水分が面状発熱体の内部に浸入することはない。このように構成された本実施形態4に係る面状発熱体は、実施形態1と同様に粘着剤5によって加熱対象物6に貼着するものである(図4参照)。
【0069】
以上説明したように、本実施形態によれば、面状発熱体の周辺部分がヒートシールまたは粘着層20,22によって密着状態となっているために、外部の水分が内部に浸入するようなことはない。また、先に説明したように外部の電線70を半田付けにより簡単に接続することができるので、図14,図15に示す従来のニクロム線コード使用の面状発熱体における当該面状発熱体の外部での面倒な接続や防水,防湿等の面倒な処理が不要となり、薄型でフレキシブルな面状発熱体にすることが可能となる。
【0070】
ここで本実施形態4においては、裸ニクロム線10は直列接続となっているが、この接続は直列接続に限られるものではなく、図5に示すような並列接続としてもよい。ここで、図5において11は交叉している2本の裸ニクロム線10の間に配設された絶縁部材である。このように本実施形態4に係る面状発熱体においては、裸ニクロム線のΩ/mを定める太さ(φ),裸ニクロム線の接続方法(直列または並列),耐熱性のあるポリエステル等の絶縁材料をそれぞれ選んで組み合わせることにより、サイズ,使用電圧,耐熱性等の性能を極めて自由に設定することができる。
【0071】
なお、以上説明した実施形態1ないし実施形態4においては面状発熱体の外側に、この面状発熱体と同一の周辺寸法を有する発泡スチロール等の保温効果のある断熱材を粘着層により貼着してもよい。
【0072】
さらに、以上説明した実施形態1ないし実施形態4においては、導電帯50を配設する際に、図13に示すような形態の上保護カバー51または/および下保護カバー52を導電帯50に粘着剤を用いて粘着するように構成してもよい。
【0073】
この上保護カバー51および下保護カバー52は共に、耐熱性、低熱伝導性および硬質性を有するポリエステルやポリイミドからなる保護カバーであり、上保護カバー51には、導電帯50に半田付けを行なう位置に窓部51a,51bが形成されている。
【0074】
ここで上保護カバー51を配設する構成にすれば、導電帯50と裸ニクロム線10との半田付けを行なう際、裸ニクロム線10の端部がしっかりと固定されるとともに、溶けた半田が窓部51aの外側に流出しないので裸ニクロム線10と導電帯50との半田付け作業を容易に行なえるという効果を得ることができる。
【0075】
また、下保護カバー52を配設する構成にすれば、導電帯50に半田付けをする作業の際に、導電帯50の下に位置する材料をそのときの熱から保護することができる。
【0076】
なお、以上説明した実施形態1ないし実施形態4においては、外部の電線70を導電帯50に半田付けをした後、この電線の周囲をエポキシ樹脂71等によりコートする構成となっているが、この外部の電線70と面状発熱体との接続部分に、ブチルゴムでエポキシ樹脂71の全面を覆うという従来から知られている構造の端子カバー等を配設すれば、この部分の防水,防湿性をより高めることができる。
【0077】
実施形態1ないし実施形態4における粘着層は、粘着材料のみで構成してもよいし、合成樹脂フィルムの両面に粘着材料が配設されているもので構成してもよい。いずれにしても、この粘着層の機能としては、その表面上に位置しているものが動かないように固定するという機能があれば十分であり、従って、実施形態1ないし実施形態4の説明で記載したこの「粘着層」という用語は、粘着剤からなる粘着層のみではなく、接着剤からなる接着層をも含む広い概念を表わす用語である。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1に、発熱サイズの大きさや形状を自由に設定することができるとともに、安価で防水性,防湿性,耐久性に優れ、薄型でフレキシブルで且つ三次元的に使用することができる面状発熱体を提供することができる。また、本発明によれば、第2に、このような面状発熱体において他の電線との接続が半田付けにより容易に行なうことができる面状発熱体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の構成を示す平面図である。
【図2】本発明の実施形態1の断面図である。
【図3】裸ニクロム線と導電帯との接続部の構成図である。
【図4】本発明の実施形態1の使用例の説明図である。
【図5】本発明の実施形態1の構成の説明図である。
【図6】本発明の実施形態1の構成の説明図である。
【図7】本発明の実施形態1の構成の説明図である。
【図8】本発明の実施形態1の構成の説明図である。
【図9】本発明の実施形態2の構成を示す断面図である。
【図10】本発明の実施形態3の構成を示す断面図である。
【図11】本発明の実施形態4の構成を示す断面図である。
【図12】本発明の実施形態4の構成の説明図である。
【図13】本発明の実施形態1ないし4に使用される上保護カバーおよび下保護カバーの構成を示す斜視図である。
【図14】従来の面状発熱体の構成を示す斜視図である。
【図15】図14に示した面状発熱体の断面図である。
【符号の説明】
1,10 裸ニクロム線
2 シリコンゴム
3,4 アルミニウム箔
5 粘着剤(両面粘着フィルム等)
6 加熱対象物
11 絶縁部材
20,21,22 粘着層
30,40 多層複合フィルム
31 窓部
41 絶縁カバー部材
50 導電帯
51 上保護カバー
51a,51b 窓部
52 下保護カバー
60 半田
70 電線
71 エポキシ樹脂
80 基板
81 溝部(または透孔)
90 カバー部材
91,92 合成樹脂フィルム(またはシート)
100 金属板(アルミニウム箔を含む)

Claims (9)

  1. 同一の形状を有する2枚の多層複合フィルムが互いに重なるように配設され、
    当該2枚の多層複合フィルムの間の内部に前記多層複合フィルムの周辺寸法よりも小さい周辺寸法を有する絶縁材料からなる配線固定用粘着層が配設され、
    当該配線固定用粘着層上に、外部の電源に電線を介して両端部が接続されている裸ニクロム線が配設され、
    前記2枚の多層複合フィルムの周辺部分がヒートシールされ
    前記配線固定用粘着層上には、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とを接続するための導電帯が配設され、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とは前記導電帯上の異なる部分に半田付けされ、且つ前記裸ニクロム線の端部が半田付けされている前記導電帯の接続部分は前記多層複合フィルムの下に位置していることを特徴とする面状発熱体。
  2. 前記裸ニクロム線が配設されている面とは反対側の前記配線固定用粘着層の表面と前記多層複合フィルムとの間には、当該多層複合フィルムに基板固定用粘着層によって固定されている合成樹脂からなる前記配線固定用粘着層と同一の周辺寸法を有する基板が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の面状発熱体。
  3. 同一の形状を有する2枚の多層複合フィルムが互いに重なるように配設され、
    当該2枚の多層複合フィルムの間の内部に前記多層複合フィルムの周辺寸法よりも小さい周辺寸法を有する絶縁材料からなる配線固定用粘着層が配設され、
    当該配線固定用粘着層上に、外部の電源に電線を介して両端部が接続されている裸ニクロム線が配設され、
    前記2枚の多層複合フィルムの周辺部分がヒートシールされ、
    前記裸ニクロム線が配設されている面とは反対側の前記配線固定用粘着層の表面と前記多層複合フィルムとの間には、当該多層複合フィルムに基板固定用粘着層によって固定されている合成樹脂からなる前記配線固定用粘着層と同一の周辺寸法を有する基板が配設され、
    前記基板固定用粘着層が粘着している前記多層複合フィルムと当該基板固定用粘着層との間には、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とを接続するための導電帯が配設され、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とは前記導電帯上の異なる部分に半田付けされ、且つ前記裸ニクロム線の端部が半田付けされている前記導電帯の接続部分は前記多層フィルムの下に位置していることを特徴とする面状発熱体。
  4. 同一の形状を有する2枚の多層複合フィルムが互いに重なるように配設され、
    当該2枚の多層複合フィルムの間の内部に、両面に基板固定用粘着層を有し且つ前記多層複合フィルムの周辺寸法よりも小さい周辺寸法の合成樹脂からなる基板であって、裸ニクロム線を収納するための溝部または透孔部が形成された基板が配設され、
    前記基板の溝部または透孔部には、外部の電源に電線を介して両端部が接続されている裸ニクロム線が配設され、
    前記2枚の多層複合フィルムの周辺部分がヒートシールされ、
    前記基板固定用粘着層上には、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とを接続するための導電帯が配設され、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とは前記導電帯上の異なる部分に半田付けされ、且つ前記裸ニクロム線の端部が半田付けされている前記導電帯の接続部分は前記多層複合フィルムの下に位置していることを特徴とする面状発熱体。
  5. 多層複合フィルムと、これと同一の形状を有し且つ少なくとも一面側に絶縁材料が配設されている絶縁カバー部材とが、前記絶縁カバー部材の前記絶縁材料が配設されている面が前記多層複合フィルムと対向した状態で重なるように配設され、
    前記多層複合フィルムと前記絶縁カバー部材との間には前記多層複合フィルムの周辺寸 法と同一の周辺寸法を有する絶縁材料からなる配線固定用粘着層が配設され、
    当該配線固定用粘着層上に、外部の電源に電線を介して両端部が接続されている裸ニクロム線が配設され、
    前記配線固定用粘着層上には、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とを接続するための導電帯が配設され、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とは前記導電帯上の異なる部分に半田付けされ、且つ前記裸ニクロム線の端部が半田付けされている前記導電帯の接続部分は前記絶縁カバー部材の下に位置していることを特徴とする面状発熱体。
  6. 同一の形状を有する2枚の合成樹脂フィルムまたはシートが互いに重なるように配設され、
    当該2枚の合成樹脂フィルムまたはシートの間の内部に前記合成樹脂フィルムまたはシートの周辺寸法よりも小さい周辺寸法を有する絶縁材料からなる配線固定用粘着層が配設され、
    当該配線固定用粘着層上に、外部の電源に電線を介して両端部が接続されている裸ニクロム線が配設され、
    前記裸ニクロム線が配設されている面とは反対側の前記配線固定用粘着層の表面と該表面に対向する前記合成樹脂フィルムまたはシートとの間には、当該合成樹脂フィルムまたはシートに固定用粘着層によって固定されて且つ前記配線固定用粘着層と同一の形状を有する多層複合フィルムが配設され、
    前記2枚の合成樹脂フィルムまたはシートの周辺部分がヒートシールされ、
    前記配線固定用粘着層の前記裸ニクロム線が配設されている表面上には、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とを接続するための導電帯が配設され、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とは前記導電帯上の異なる部分に半田付けされ、且つ前記裸ニクロム線の端部が半田付けされている前記導電帯の接続部分は前記合成樹脂フィルムまたはシートの下に位置していることを特徴とする面状発熱体。
  7. 同一の形状を有する2枚の合成樹脂フィルムまたはシートが互いに重なるように配設され、
    当該2枚の合成樹脂フィルムまたはシートの間の内部に前記合成樹脂フィルムまたはシートの周辺寸法よりも小さい周辺寸法を有する絶縁材料からなる配線固定用粘着層が配設され、
    当該配線固定用粘着層上に、外部の電源に電線を介して両端部が接続されている裸ニクロム線が配設され、
    前記2枚の合成樹脂フィルムまたはシートの周辺部分がヒートシールされ、
    前記2枚の合成樹脂フィルムまたはシートのいずれか一方の外側の表面上には、金属板(アルミニウム箔を含む)が固定用粘着層によって固定され、
    前記配線固定用粘着層上には、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とを接続するための導電帯が配設され、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とは前記導電帯上の異なる部分に半田付けされ、且つ前記裸ニクロム線の端部が半田付けされている前記導電帯の接続部分は前記合成樹脂フィルムまたはシートの下に位置していることを特徴とする面状発熱体。
  8. 同一の形状を有する2枚の合成樹脂フィルムまたはシートが互いに重なるように配設され、
    当該2枚の合成樹脂フィルムまたはシートの間には、当該合成樹脂フィルムまたはシートと同一の形状を有する絶縁材料からなる配線固定用粘着層が配設され、
    当該配線固定用粘着層上に、外部の電源に電線を介して両端部が接続されている裸ニクロム線が配設され、
    前記裸ニクロム線が配設されている面とは反対側の前記配線固定用粘着層の表面と該表面に対向する前記合成樹脂フィルムまたはシートとの間には、当該合成樹脂フィルムまた はシートに固定用粘着層によって固定されて且つ前記合成樹脂フィルムまたはシートの周辺寸法よりも小さい周辺寸法を有する多層複合フィルムが配設され、
    前記配線固定用粘着層の前記裸ニクロム線が配設されている表面上には、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とを接続するための導電帯が配設され、前記裸ニクロム線の端部と前記電線の端部とは前記導電帯上の異なる部分に半田付けされ、且つ前記裸ニクロム線の端部が半田付けされている前記導電帯の接続部分は前記合成樹脂フィルムまたはシートの下に位置していることを特徴とする面状発熱体。
  9. 前記裸ニクロム線は、前記面状発熱体の周辺部分の形状に沿って配線されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の面状発熱体。
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