JP3878902B2 - 電気コネクタ - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、嵌合接続する雌・雄一対の電気コネクタ、詳しくは複数の電線を接続したソケットコンタクトを有するソケットコネクタと、プリント配線板に実装され前記ソケットコネクタを挿脱自在に嵌合接続するベースコネクタとから成り、低背型で高電圧対応型に適した電気コネクタに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、この種電気コネクタとして、複数の電線の端部に接続されたソケットコンタクトが、絶縁性の雌側ハウジングに設けたコンタクト収容室に横向きの姿勢で個別的に収容され、かつ、前記ソケットコンタクトの横向きに位置するランスを係止保持するランス係止部が前記コンタクト収容室の内側壁面に突設されて低背化を図った雌側コネクタと、前記ソケットコンタクトと嵌合接続する複数の雄コンタクト（ピンコンタクト）を収容する絶縁性の雄側ハウジングが、前記雌側ハウジングを嵌合する、前面側が開口した空所部を有している雄コネクタとから成るものは知られている（例えば、特許文献１、特許文献２参照）。
【０００３】
【特許文献１】
特開平１０−１２５３８４号公報（段落００１５、図１）
【特許文献２】
特許第３２５４１８８号公報（第２頁４欄、図７）
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の雌コネクタのように、ランスを横向きに位置して係止保持するランス係止部が前記雌側ハウジングのコンタクト収容室の内側壁面に突設されていると、前記ランスが前記ランス係止部に係止されていることを外部から容易に確認できないので、前記ランスの前記ランス係止部による係止保持が不完全な場合には、前記ソケットコンタクトが前記コンタクト収容室から脱抜するおそれがある。
【０００５】
一方、高電圧対応型の電気コネクタにあっては、特に通電時の安全性を確保するため、上記のような前記ソケットコンタクトの不測の脱抜は許されず、前記雌側ハウジングに対する前記ランスの係止保持が確実であることが求められている。
【０００６】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、前記雌側ハウジングのコンタクト収容室に収容された前記ソケットコンタクトのランスの前記ランス係止部に対する係止状態を目視により容易に確認することができ、雌・雄両コネクタの嵌合接続が確実で、小型で高電圧に対応できる信頼性の高い電気コネクタを提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、複数の電線の端部に接続された複数のソケットコンタクトが、絶縁性の雌側ハウジングに横方向に１列に並列して設けた複数のコンタクト収容室に横向きの姿勢で個別的に収容され、かつ、前記ソケットコンタクトの横向きに位置するランスを係止保持するランス係止部が前記コンタクト収容室の内側壁面に突設されている雌コネクタと、前記ソケットコンタクトと嵌合接続する複数の雄コンタクトを収容する絶縁性の雄側ハウジングが、前記雌側ハウジングを嵌合する、前面側が開口した空所部を有している雄コネクタとから成り、前記雌側ハウジングの上壁又は下壁に、前記ランス係止部を露出して、前記複数のソケットコンタクトのランスの前記ランス係止部に対する係止状態を同時に目視できる確認用窓が設けられ、前記雌側ハウジングを前記雄側ハウジングの前記空所部に嵌合したとき、前記確認用窓が前記雄側ハウジングにより覆われるように構成されていることを特徴とする。
【０００８】
前記確認用窓は、前記雌側ハウジングの上下両壁に設けてもよい。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【００１０】
図１ないし図４は、本発明による雌コネクタを構成するソケットコネクタ１（図５及び図６参照）のコネクタハウジング、すなわちソケットハウジング２を示している。該ソケットハウジング２は、絶縁性プラスチック材料により輪郭形状が扁平で横長の直方体に成形され、両側端部に２本の電線４１の端部に接続した２つのソケットコンタクト４２（図６参照）が個別的に収容されるコンタクト収容室３，３が横方向に並列して平行に配設されている。このように２つのコンタクト収容室３，３が大きく離隔しているのは、高電圧用コネクタとしてソケットコンタクト４２，４２間の空間距離及び沿面距離を大きくするために講じられた構成とするためである。各コンタクト収容室３の内側壁にはソケットコンタクト４２のランス４３を係合してソケットコンタクト４２を収容室３内に係止保持するランス係止部４が横向きに突出して設けられている。また、各コンタクト収容室３の前壁には本発明による雄コネクタを構成するベースコネクタ２１のピンコンタクト２８を挿入する開口５が設けられている。さらに、コンタクト収容室３，３に隣接してソケットハウジング２の前端面から中央部位まで延びる２つの欠除部６，６が設けられている。該欠除部６，６は、後述する相手側のベースコネクタ２１のベースハウジング２２に設けた隔壁２５，２５と係合するために設けられているもので、逆嵌合を防止するため下半部分が幅広で段部７を有する形状に形成されている。
【００１１】
ソケットハウジング２の両側面８，８には、該ハウジング２の前端部に連設した弾性変形が可能な支持部片９，９を介してハウジング２の前端部から後端部まで斜外方向へ延びる一対のロックアーム１０，１０が配設されている。各ロックアーム１０はソケットハウジング２の高さ（厚み）より小さい幅を有し、中間部位の外側面には、外側方へ突出する２つの係止突部１１，１１が突設されている。また、各ロックアーム１０の後端部には、ロックアーム１０を内側へ変位させるための押圧操作部１２が設けられている。さらに、ソケットハウジング２の両側面８，８には、各ロックアーム１０の後側部位、すなわち係止突部１１，１１が設けられてた箇所より後側の部位においてロックアーム１０を挟むようにして外側方へ突出する一対の防護片１３，１３が突設されている。該防護片１３，１３は、ロックアーム１０に他の電線その他の異物が絡み付いたり、外力が作用するのを防止する機能と、後述するベースコネクタ２１との嵌合接続状態を目視により確認できる機能とを有している。
【００１２】
また、ソケットハウジング２の上壁１４と下壁１５には、ランス係止部４を露出する確認用窓１６と１７が設けられている（図４参照）。該確認用窓１６，１７はそれぞれ上壁１４の凹部１８と下壁１５の凹部１９に開口して、後述するように電線４１の端部に接続したソケットコンタクト４２を横向きの姿勢でコンタクト収容室３に挿入して収容したとき、横向きに位置するランス４３がランス係止部４に確実に係止保持されているか否かを確認用窓１６又は１７を通じて目視により容易に確認できる。なお、確認用窓１６，１７は上壁１４又は下壁１５のいずれか一方にだけ設けてもよい。凹部１８，１９はソケットハウジング２の成形時に余分な材料を削減するため設けられるものである。
【００１３】
図７ないし図９は、本発明による雄コネクタを構成するベースコネクタ２１を示している。該ベースコネクタ２１のコネクタハウジング、すなわちベースハウジング２２は、前面側が開口した扁平な箱形状に形成され、前述したソケットコネクタ１のソケットハウジング２と両ロックアーム１０，１０の前側部分が嵌合して収容される空所部２３を有している。該空所部２３にはソケットハウジング２の欠除部６に係合する２つの隔壁２５，２５が後壁２４から突出して一体に形成されていると共に、空所部２３の両内側壁２６，２６の前端部分に両ロックアーム１０の係止突部１１，１１が係合する係止段部２７，２７が設けられている。また、両隔壁２５，２５の外側部位にピンコンタクト２８，２８が後壁２４を貫通して配設されている。両ピンコンタクト２８，２８の接触ピン部２９，２９は空所部２３内にベースハウジング２２の中心線と平行に前端開口部２３ａに向けて突出し、後壁２４の後方へ突出するリード部３０，３０は互いに外側横方向へ折曲して延び、さらに下方へＬ字形に折曲して後述するプリント配線板４０（図１０及び図１１参照）に対するはんだ付け部３０ａ，３０ａが形成されている。さらに、ベースハウジング２２の後壁２４の上下両端から後方へ突出する延長壁３１，３２と、該延長壁３１，３２の間に横方向へ間隔を隔てて連設された複数の隔壁３３により、両ピンコンタクト２８，２８のリード部３０，３０間に十分な沿面距離及び空間距離を確保して耐電圧性が高められ、高電圧による障害を防止できる構成となっている。図中３４は、ベースハウジング２２の前端部両側壁に嵌装した補強金具である。
【００１４】
図１０及び図１１は、上記のような構成を有するソケットコネクタ１とベースコネクタ２１の嵌合接続状態を示している。ソケットコネクタ１は、図５及び図６に示すように、各電線４１の端部に接続したソケットコンタクト４２を横向きの姿勢でソケットハウジング２のコンタクト収容室３に挿入し、該ソケットコンタクト４２の横向きに位置しているランス４３をランス係止部４に係止させて収容室３内に保持固定して構成される。このとき、ランス４３がランス係止部４に正しく係止保持されていることを確認用窓１６又は１７を通じて目視により確認する。一方、ベースコネクタ２１は、ピンコンタクト２８，２８のはんだ付け部３０ａ，３０ａと補強金具３４，３４をプリント配線板４０にはんだ付けして表面実装される。
【００１５】
ソケットコネクタ１のソケットハウジング２及び両ロックアーム１０，１０の前側部分をベースハウジング２２の前端開口部２３ａを通じて空所部２３内に嵌挿すると、ソケットハウジング２の欠除部６，６が隔壁２５，２５に係合して案内誘導され、ピンコンタクト２８，２８の接触ピン部２９，２９が開口５，５からコンタクト収容室３，３内に進入し、ソケットコンタクト４２，４２に嵌合して電気的に接続される。このとき、両ロックアーム１０，１０は内側、すなわちハウジング２の両側面８，８側へ弾性変形しながら挿入される。そして、ベースハウジング２２と両ロックアーム１０，１０が正しい嵌合接続位置まで嵌挿されると、両ロックアーム１０，１０の係止突部１１，１１が前端開口部２３ａの側縁部分を乗り越えて空所部２３内に進入すると共に、ロックアーム１０，１０の弾性復元力で係止突部１１，１１がベースハウジング２２の係止部２７，２７に係合して、ベースハウジング２２とソケットハウジング２がロックされる。同時にソケットハウジング２の防護片１３，１３がベースハウジング２２の前端面に当接して、両コネクタ１，２１の嵌合接続状態が目視により確認される。このように両コネクタ１，２１が嵌合接続した状態においては、両ロックアーム１０，１０の係止突部１１，１１がベースハウジング２２の空所部２３内で係止部２７，２７と係合しているので、不測に外力が作用して係止突部１１，１１が係止部２７，２７から離脱し、ロックが解除される危険性は非常に少なくなる。また、各ロックアーム１０を挟むように位置している両防護片１３，１３によって、ロックアーム１０に不測の外力が作用するのを有効に防止している。
【００１６】
次に、ソケットコネクタ１をベースコネクタ２１から抜去するには、両ロックアーム１０，１０の押圧操作部１２，１２を手指で挟んで両側面８，８側へ弾性変形させ、係止突部１１，１１を係止部２７，２７から離脱させてロックを解除した後、両ロックアーム１０，１０を後方へ移動してソケツトハウジング２をベースハウジング２２から引き出す。
【００１７】
なお、誤ってソケットコネクタ１のソケットハウジング２が上下逆向きの姿勢でベースコネクタ２１の空所部２３に嵌挿されると、欠除部６，６の段部７，７が隔壁２５，２５の前端面に衝接してソケットハウジグ２の進入が阻止され、逆嵌合が未然に防止される。
【００１８】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、雌側ハウジングのコンタクト収容室に横向きの姿勢で収容した複数のソケットコンタクトのランスが、前記コンタクト収容室の内側壁面に突設したランス係止部に正しく係止保持されているか否かを前記確認用窓を通じて、前記雌側ハウジングの上壁又は下壁から同時に目視でき、容易に確認することができる。したがって、前記ソケットコンタクトの不測の脱抜を防止して、雌・雄両コネクタの嵌合接続を確実になし、小型で高電圧に対応できる信頼性の高い電気コネクタが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明による雌コネクタ（ソケットコネクタ）を構成するソケットハウジングの斜視図である。
【図２】 同上ソケッハウジングの平面図である。
【図３】 同上ソケッハウジングの横断平面図である。
【図４】 図２の４−４線に沿う断面図である。
【図５】 本発明による雌コネクタの平面図である。
【図６】 同上雌コネクタの横断平面図である。
【図７】 本発明による雄コネクタ（ベースコネクタ）の正面図である。
【図８】 図７の８−８線に沿う断面図である。
【図９】 同上雄コネクタの要部縦断側面図である。
【図１０】 本発明による雌・雄両コネクタを嵌合接続した状態を示す斜視図である。
【図１１】 図１０の要部横断平面図である。
【符号の説明】
１ ソケットコネクタ
２ ソケッハウジング
３ コンタクト収容室
４ ランス係止部
８ 両側面
９ 支持片
１０ ロックアーム
１１ 係止突部
１２ 押圧操作部
１３ 防護片
１４ 上壁
１５ 下壁
１６，１７ 確認用窓
２１ ベースコネクタ
２２ ベースハウジング
２３ 空所部
２３ａ 開口端部
２４ 後壁
２６ 内側壁
２７ 係止段部
２８ ピンコンタクト
４０ プリント配線板
４１ 電線
４２ ソケットコンタクト
４３ ランス
【発明の属する技術分野】
本発明は、嵌合接続する雌・雄一対の電気コネクタ、詳しくは複数の電線を接続したソケットコンタクトを有するソケットコネクタと、プリント配線板に実装され前記ソケットコネクタを挿脱自在に嵌合接続するベースコネクタとから成り、低背型で高電圧対応型に適した電気コネクタに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、この種電気コネクタとして、複数の電線の端部に接続されたソケットコンタクトが、絶縁性の雌側ハウジングに設けたコンタクト収容室に横向きの姿勢で個別的に収容され、かつ、前記ソケットコンタクトの横向きに位置するランスを係止保持するランス係止部が前記コンタクト収容室の内側壁面に突設されて低背化を図った雌側コネクタと、前記ソケットコンタクトと嵌合接続する複数の雄コンタクト（ピンコンタクト）を収容する絶縁性の雄側ハウジングが、前記雌側ハウジングを嵌合する、前面側が開口した空所部を有している雄コネクタとから成るものは知られている（例えば、特許文献１、特許文献２参照）。
【０００３】
【特許文献１】
特開平１０−１２５３８４号公報（段落００１５、図１）
【特許文献２】
特許第３２５４１８８号公報（第２頁４欄、図７）
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の雌コネクタのように、ランスを横向きに位置して係止保持するランス係止部が前記雌側ハウジングのコンタクト収容室の内側壁面に突設されていると、前記ランスが前記ランス係止部に係止されていることを外部から容易に確認できないので、前記ランスの前記ランス係止部による係止保持が不完全な場合には、前記ソケットコンタクトが前記コンタクト収容室から脱抜するおそれがある。
【０００５】
一方、高電圧対応型の電気コネクタにあっては、特に通電時の安全性を確保するため、上記のような前記ソケットコンタクトの不測の脱抜は許されず、前記雌側ハウジングに対する前記ランスの係止保持が確実であることが求められている。
【０００６】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、前記雌側ハウジングのコンタクト収容室に収容された前記ソケットコンタクトのランスの前記ランス係止部に対する係止状態を目視により容易に確認することができ、雌・雄両コネクタの嵌合接続が確実で、小型で高電圧に対応できる信頼性の高い電気コネクタを提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、複数の電線の端部に接続された複数のソケットコンタクトが、絶縁性の雌側ハウジングに横方向に１列に並列して設けた複数のコンタクト収容室に横向きの姿勢で個別的に収容され、かつ、前記ソケットコンタクトの横向きに位置するランスを係止保持するランス係止部が前記コンタクト収容室の内側壁面に突設されている雌コネクタと、前記ソケットコンタクトと嵌合接続する複数の雄コンタクトを収容する絶縁性の雄側ハウジングが、前記雌側ハウジングを嵌合する、前面側が開口した空所部を有している雄コネクタとから成り、前記雌側ハウジングの上壁又は下壁に、前記ランス係止部を露出して、前記複数のソケットコンタクトのランスの前記ランス係止部に対する係止状態を同時に目視できる確認用窓が設けられ、前記雌側ハウジングを前記雄側ハウジングの前記空所部に嵌合したとき、前記確認用窓が前記雄側ハウジングにより覆われるように構成されていることを特徴とする。
【０００８】
前記確認用窓は、前記雌側ハウジングの上下両壁に設けてもよい。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【００１０】
図１ないし図４は、本発明による雌コネクタを構成するソケットコネクタ１（図５及び図６参照）のコネクタハウジング、すなわちソケットハウジング２を示している。該ソケットハウジング２は、絶縁性プラスチック材料により輪郭形状が扁平で横長の直方体に成形され、両側端部に２本の電線４１の端部に接続した２つのソケットコンタクト４２（図６参照）が個別的に収容されるコンタクト収容室３，３が横方向に並列して平行に配設されている。このように２つのコンタクト収容室３，３が大きく離隔しているのは、高電圧用コネクタとしてソケットコンタクト４２，４２間の空間距離及び沿面距離を大きくするために講じられた構成とするためである。各コンタクト収容室３の内側壁にはソケットコンタクト４２のランス４３を係合してソケットコンタクト４２を収容室３内に係止保持するランス係止部４が横向きに突出して設けられている。また、各コンタクト収容室３の前壁には本発明による雄コネクタを構成するベースコネクタ２１のピンコンタクト２８を挿入する開口５が設けられている。さらに、コンタクト収容室３，３に隣接してソケットハウジング２の前端面から中央部位まで延びる２つの欠除部６，６が設けられている。該欠除部６，６は、後述する相手側のベースコネクタ２１のベースハウジング２２に設けた隔壁２５，２５と係合するために設けられているもので、逆嵌合を防止するため下半部分が幅広で段部７を有する形状に形成されている。
【００１１】
ソケットハウジング２の両側面８，８には、該ハウジング２の前端部に連設した弾性変形が可能な支持部片９，９を介してハウジング２の前端部から後端部まで斜外方向へ延びる一対のロックアーム１０，１０が配設されている。各ロックアーム１０はソケットハウジング２の高さ（厚み）より小さい幅を有し、中間部位の外側面には、外側方へ突出する２つの係止突部１１，１１が突設されている。また、各ロックアーム１０の後端部には、ロックアーム１０を内側へ変位させるための押圧操作部１２が設けられている。さらに、ソケットハウジング２の両側面８，８には、各ロックアーム１０の後側部位、すなわち係止突部１１，１１が設けられてた箇所より後側の部位においてロックアーム１０を挟むようにして外側方へ突出する一対の防護片１３，１３が突設されている。該防護片１３，１３は、ロックアーム１０に他の電線その他の異物が絡み付いたり、外力が作用するのを防止する機能と、後述するベースコネクタ２１との嵌合接続状態を目視により確認できる機能とを有している。
【００１２】
また、ソケットハウジング２の上壁１４と下壁１５には、ランス係止部４を露出する確認用窓１６と１７が設けられている（図４参照）。該確認用窓１６，１７はそれぞれ上壁１４の凹部１８と下壁１５の凹部１９に開口して、後述するように電線４１の端部に接続したソケットコンタクト４２を横向きの姿勢でコンタクト収容室３に挿入して収容したとき、横向きに位置するランス４３がランス係止部４に確実に係止保持されているか否かを確認用窓１６又は１７を通じて目視により容易に確認できる。なお、確認用窓１６，１７は上壁１４又は下壁１５のいずれか一方にだけ設けてもよい。凹部１８，１９はソケットハウジング２の成形時に余分な材料を削減するため設けられるものである。
【００１３】
図７ないし図９は、本発明による雄コネクタを構成するベースコネクタ２１を示している。該ベースコネクタ２１のコネクタハウジング、すなわちベースハウジング２２は、前面側が開口した扁平な箱形状に形成され、前述したソケットコネクタ１のソケットハウジング２と両ロックアーム１０，１０の前側部分が嵌合して収容される空所部２３を有している。該空所部２３にはソケットハウジング２の欠除部６に係合する２つの隔壁２５，２５が後壁２４から突出して一体に形成されていると共に、空所部２３の両内側壁２６，２６の前端部分に両ロックアーム１０の係止突部１１，１１が係合する係止段部２７，２７が設けられている。また、両隔壁２５，２５の外側部位にピンコンタクト２８，２８が後壁２４を貫通して配設されている。両ピンコンタクト２８，２８の接触ピン部２９，２９は空所部２３内にベースハウジング２２の中心線と平行に前端開口部２３ａに向けて突出し、後壁２４の後方へ突出するリード部３０，３０は互いに外側横方向へ折曲して延び、さらに下方へＬ字形に折曲して後述するプリント配線板４０（図１０及び図１１参照）に対するはんだ付け部３０ａ，３０ａが形成されている。さらに、ベースハウジング２２の後壁２４の上下両端から後方へ突出する延長壁３１，３２と、該延長壁３１，３２の間に横方向へ間隔を隔てて連設された複数の隔壁３３により、両ピンコンタクト２８，２８のリード部３０，３０間に十分な沿面距離及び空間距離を確保して耐電圧性が高められ、高電圧による障害を防止できる構成となっている。図中３４は、ベースハウジング２２の前端部両側壁に嵌装した補強金具である。
【００１４】
図１０及び図１１は、上記のような構成を有するソケットコネクタ１とベースコネクタ２１の嵌合接続状態を示している。ソケットコネクタ１は、図５及び図６に示すように、各電線４１の端部に接続したソケットコンタクト４２を横向きの姿勢でソケットハウジング２のコンタクト収容室３に挿入し、該ソケットコンタクト４２の横向きに位置しているランス４３をランス係止部４に係止させて収容室３内に保持固定して構成される。このとき、ランス４３がランス係止部４に正しく係止保持されていることを確認用窓１６又は１７を通じて目視により確認する。一方、ベースコネクタ２１は、ピンコンタクト２８，２８のはんだ付け部３０ａ，３０ａと補強金具３４，３４をプリント配線板４０にはんだ付けして表面実装される。
【００１５】
ソケットコネクタ１のソケットハウジング２及び両ロックアーム１０，１０の前側部分をベースハウジング２２の前端開口部２３ａを通じて空所部２３内に嵌挿すると、ソケットハウジング２の欠除部６，６が隔壁２５，２５に係合して案内誘導され、ピンコンタクト２８，２８の接触ピン部２９，２９が開口５，５からコンタクト収容室３，３内に進入し、ソケットコンタクト４２，４２に嵌合して電気的に接続される。このとき、両ロックアーム１０，１０は内側、すなわちハウジング２の両側面８，８側へ弾性変形しながら挿入される。そして、ベースハウジング２２と両ロックアーム１０，１０が正しい嵌合接続位置まで嵌挿されると、両ロックアーム１０，１０の係止突部１１，１１が前端開口部２３ａの側縁部分を乗り越えて空所部２３内に進入すると共に、ロックアーム１０，１０の弾性復元力で係止突部１１，１１がベースハウジング２２の係止部２７，２７に係合して、ベースハウジング２２とソケットハウジング２がロックされる。同時にソケットハウジング２の防護片１３，１３がベースハウジング２２の前端面に当接して、両コネクタ１，２１の嵌合接続状態が目視により確認される。このように両コネクタ１，２１が嵌合接続した状態においては、両ロックアーム１０，１０の係止突部１１，１１がベースハウジング２２の空所部２３内で係止部２７，２７と係合しているので、不測に外力が作用して係止突部１１，１１が係止部２７，２７から離脱し、ロックが解除される危険性は非常に少なくなる。また、各ロックアーム１０を挟むように位置している両防護片１３，１３によって、ロックアーム１０に不測の外力が作用するのを有効に防止している。
【００１６】
次に、ソケットコネクタ１をベースコネクタ２１から抜去するには、両ロックアーム１０，１０の押圧操作部１２，１２を手指で挟んで両側面８，８側へ弾性変形させ、係止突部１１，１１を係止部２７，２７から離脱させてロックを解除した後、両ロックアーム１０，１０を後方へ移動してソケツトハウジング２をベースハウジング２２から引き出す。
【００１７】
なお、誤ってソケットコネクタ１のソケットハウジング２が上下逆向きの姿勢でベースコネクタ２１の空所部２３に嵌挿されると、欠除部６，６の段部７，７が隔壁２５，２５の前端面に衝接してソケットハウジグ２の進入が阻止され、逆嵌合が未然に防止される。
【００１８】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、雌側ハウジングのコンタクト収容室に横向きの姿勢で収容した複数のソケットコンタクトのランスが、前記コンタクト収容室の内側壁面に突設したランス係止部に正しく係止保持されているか否かを前記確認用窓を通じて、前記雌側ハウジングの上壁又は下壁から同時に目視でき、容易に確認することができる。したがって、前記ソケットコンタクトの不測の脱抜を防止して、雌・雄両コネクタの嵌合接続を確実になし、小型で高電圧に対応できる信頼性の高い電気コネクタが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明による雌コネクタ（ソケットコネクタ）を構成するソケットハウジングの斜視図である。
【図２】 同上ソケッハウジングの平面図である。
【図３】 同上ソケッハウジングの横断平面図である。
【図４】 図２の４−４線に沿う断面図である。
【図５】 本発明による雌コネクタの平面図である。
【図６】 同上雌コネクタの横断平面図である。
【図７】 本発明による雄コネクタ（ベースコネクタ）の正面図である。
【図８】 図７の８−８線に沿う断面図である。
【図９】 同上雄コネクタの要部縦断側面図である。
【図１０】 本発明による雌・雄両コネクタを嵌合接続した状態を示す斜視図である。
【図１１】 図１０の要部横断平面図である。
【符号の説明】
１ ソケットコネクタ
２ ソケッハウジング
３ コンタクト収容室
４ ランス係止部
８ 両側面
９ 支持片
１０ ロックアーム
１１ 係止突部
１２ 押圧操作部
１３ 防護片
１４ 上壁
１５ 下壁
１６，１７ 確認用窓
２１ ベースコネクタ
２２ ベースハウジング
２３ 空所部
２３ａ 開口端部
２４ 後壁
２６ 内側壁
２７ 係止段部
２８ ピンコンタクト
４０ プリント配線板
４１ 電線
４２ ソケットコンタクト
４３ ランス
Claims (2)
- 複数の電線の端部に接続された複数のソケットコンタクトが、絶縁性の雌側ハウジングに横方向に１列に並列して設けた複数のコンタクト収容室に横向きの姿勢で個別的に収容され、かつ、前記ソケットコンタクトの横向きに位置するランスを係止保持するランス係止部が前記コンタクト収容室の内側壁面に突設されている雌コネクタと、
前記ソケットコンタクトと嵌合接続する複数の雄コンタクトを収容する絶縁性の雄側ハウジングが、前記雌側ハウジングを嵌合する、前面側が開口した空所部を有している雄コネクタとから成り、
前記雌側ハウジングの上壁又は下壁に、前記ランス係止部を露出して、前記複数のソケットコンタクトのランスの前記ランス係止部に対する係止状態を同時に目視できる確認用窓が設けられ、前記雌側ハウジングを前記雄側ハウジングの前記空所部に嵌合したとき、前記確認用窓が前記雄側ハウジングにより覆われるように構成されていることを特徴とする電気コネクタ。 - 前記雌側ハウジングの上下両壁に、前記ランス係止部を露出する前記確認用窓が設けられている請求項１記載の電気コネクタ。
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