JP4223771B2

JP4223771B2 - 逆嵌合防止コネクタ

Info

Publication number: JP4223771B2
Application number: JP2002256697A
Authority: JP
Inventors: 清新本; 桂治黒田
Original assignee: JST Mfg Co Ltd
Current assignee: JST Mfg Co Ltd
Priority date: 2002-09-02
Filing date: 2002-09-02
Publication date: 2009-02-12
Anticipated expiration: 2022-09-02
Also published as: KR20040023519A; TWI235529B; KR100571903B1; CN1244187C; JP2004095436A; US20040043669A1; US6945825B2; TW200409417A; CN1489246A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に高電圧対応型コネクタの逆嵌合防止に適合した逆嵌合防止コネクタに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の逆嵌合防止コネクタは、嵌合する雌コネクタハウジングと雄コネクタハウジングの嵌合部の輪郭形状を上下非対称に形成して、逆嵌合防止機能を持たせた構造が一般的であって、具体的には雌コネクタハウジングの嵌合凹部の両側部に逆挿入防止用段付き部が設けられ、雄コネクタハウジングの嵌合部の両側部に前記段付き部に係合する段付き部を設けた構造である（例えば、特許文献１参照）。しかし、上記従来の逆嵌合防止コネクタは、全体的に雌・雄両コネクタハウジングが大きくなる。
【０００３】
一方、ノート型パソコンその他の液晶画面のバックライトの電源回路などに使用される高電圧対応型コネクタは、その用途から小型化、薄型化が求められている。しかも、低電圧において使用するコネクタに比べて、不確実な接続が大事故に繋がるおそれがあるので、このような高電圧対応型コネクタには、安全性に万全を期すため逆嵌合防止機能及び嵌合状態の安定性の向上がより一層望まれている。
【０００４】
高電圧対応型コネクタの逆嵌合防止機能として、例えば特許文献２に開示されている高電圧対応型コネクタでは、雌コネクタハウジングに配設される入力側端子（ピンコンタクト）と出力側端子（ピンコンタクト）との間に隔壁を設けて両端子間を離隔し、沿面距離を確保すると共に、前記隔壁を前記雌コネクタハウジングの中心位置より横方向へずらせて設けることにより左右非対称の形状に形成して、逆嵌合防止機能を付与している。
【０００５】
しかし、このような構造では、空間的な制約から前記隔壁をハウジングの中心位置からあまり大きくずらせることができず、しかも隔壁の厚みもあまり大きくとれないので、強引な挿入力によって前記隔壁が変形もしくは破壊して逆嵌合されるおそれがある。
【０００６】
【特許文献１】
実開平５−４１０８０号公報（第６頁〜第７頁、図５、図６）
【特許文献２】
特開２０００−１６５０６２号公報（第３頁〜第４頁、図２）
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、コネクタの小型化、薄型化を図りながら、確実な逆嵌合防止機能を備え、安定性の高い嵌合状態が得られる高電圧対応型に適合した逆嵌合防止コネクタを提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の逆嵌合防止コネクタは、嵌合接続する雌・雄一対のコネクタから成り、雌コネクタハウジングは、雄コネクタハウジングが嵌合する前面が開口した空所部を有し、該空所部には複数のピンコンタクトと、各ピンコンタクト間を離隔する複数の隔壁が嵌合方向に延びて配設され、前記雄コネクタハウジングは、前記ピンコンタクトと嵌合するソケットコンタクトを収容し、かつ、前記隔壁に係合する複数の切欠部を有しており、さらに、前記雄コネクタハウジングの両側面に弾性変形可能なロックアームが設けられ、前記ロックアームに設けた係止突部が、前記雌コネクタハウジングの前記空所部の内壁面に設けた係止部に係合するロック機構を有している電気コネクタであって、前記隔壁（２５）が、一方の側面（３５）は単一の平坦面で、他方の側面（３６）は中間部位に段部（３７）を有する２つの平坦面（３８，３９）により形成されていて、側面（３５）と平坦面（３９）の間が側面（３５）と平坦面（３８）との間より幅広になっている非対称の形状に形成されていると共に、前記切欠部（６）の相対する側面（４５，４６）が、一方の側面（４５）は隔壁（３５）に対応する単一の平坦面に形成されているのに対して、他方の側面（４６）は隔壁（２５）の側面（３６）に対応するように中間部位に段部（４７）を有する２つの平坦面（４８，４９）により形成されていて、側面（４５）と平坦面（４９）との間が側面（４５）と平坦面（４８）との間より幅広になっている非対称の形状に形成されていて、前記雌・雄両コネクタハウジング（２２，２）が上下逆向きの姿勢で嵌合されると、前記切欠部（６）の段部（４７）が、前記隔壁（２５）の幅広部分（側面（３５）と平坦面（３９）の間）の前端面に衝接して逆嵌合を防止するように構成されていることを特徴とする。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【００１０】
図１ないし図３は、本発明による雄コネクタを構成するソケットコネクタ１（図８及び図９参照）のコネクタハウジング、すなわちソケットハウジング（雄コネクタハウジング）２を示している。該ソケットハウジング２は、絶縁性プラスチック材料により輪郭形状が扁平で横長の直方体に成形され、両端部に電線４１の端部に接続したソケットコンタクト４２（図９参照）が個別的に収容されるコンタクト収容室３，３が平行に配設されている。図示のように２つのコンタクト収容室３，３が大きく離隔しているのは、高電圧用コネクタとしてソケットコンタクト４２，４２間の空間距離及び沿面距離を大きくするために講じられた構成である。各収容室３の内側壁にはソケットコンタクト４２のランス４３を係合してソケットコンタクト４２を収容室３内に保持固定する係止突部４が設けられている。また、各収容室３の前壁には本発明による雌コネクタを構成するベースコネクタ２１のピンコンタクト２８を挿入する開口５が設けられている。さらに、コンタクト収容室３，３に隣接してソケットハウジング２の前端面から中央部位まで嵌合方向へ延びる２つの切欠部６，６が設けられている。該切欠部６，６は、後述する相手側のベースコネクタ２１のベースハウジング（雌コネクタハウジング）２２の空所部２３に設けた隔壁２５，２５と係合して逆嵌合防止機能を果たすもので、詳細は後述する。
【００１１】
ソケットハウジング２の両側面８，８には、該ハウジング２の前端部に連設した弾性変形が可能な支持部片９，９を介してハウジング２の前端部から後端部まで斜外方向へ延びる一対のロックアーム１０，１０が配設されている。各ロックアーム１０はハウジング２の高さ（厚み）より小さい幅を有し、中間部位の外側面には、外側方へ突出する２つの係止突部１１，１１が突設されている。また、各ロックアーム１０の後端部には、ロックアーム１０を内側へ変位させるための押圧操作部１２が設けられている。さらに、ソケットハウジング２の両側面８，８には、各ロックアーム１０の後側部位、すなわち係止突部１１，１１が設けられてた箇所より後側の部位においてロックアーム１０を挟むようにして外側方へ突出する一対の防護片１３，１３が突設されている。該防護片１３，１３は、ロックアーム１０に他の電線その他の異物が絡み付いたり、外力が作用するのを防止する機能と、後述する他方のコネクタであるベースコネクタ２１との嵌合接続状態を目視により確認できる機能とを有している。
【００１２】
図４〜図７は、本発明による雌コネクタを構成するベースコネクタ２１を示している。該ベースコネクタ２１のコネクタハウジング、すなわちベースハウジング（雌コネクタハウジング）２２は、前面側が開口した扁平な箱形状に形成され、前述したソケットコネクタ１のソケットハウジング２と両ロックアーム１０，１０の前側部分が嵌合して収容される空所部２３を有している。該空所部２３にはソケットハウジング２の切欠部６に係合する２つの隔壁２５，２５が後壁２４から嵌合方向へ突出して一体に形成されていると共に、空所部２３の両内側壁２６，２６の前端部分に両ロックアーム１０の係止突部１１，１１が係合する係止部２７，２７が設けられている。また、両隔壁２５，２５の外側部位にピンコンタクト２８，２８が後壁２４を貫通して配設されている。両ピンコンタクト２８，２８の接触ピン部２９，２９は空所部２３内にベースハウジング２２の中心線と平行に前端開口部２３ａに向けて嵌合方向へ突出し、一方、後壁２４の後方へ突出するリード部３０，３０は互いに外側横方向へ折曲して延び、さらに下方へＬ字形に折曲して後述するプリント配線板４０（図８及び図９参照）に対するはんだ付け部３０ａ，３０ａが形成されている。さらに、ベースハウジング２２の後壁２４の上下両端から後方へ突出する延長壁３１，３２と、該延長壁３１，３２の間に横方向へ間隔を隔てて連設された複数の隔壁３３により、両ピンコンタクト２８，２８のリード部３０，３０間に十分な沿面距離及び空間距離を確保して耐電圧性が高められ、高電圧による障害を防止できる構成となっている。図中３４は、ベースハウジング２２の前端部両側壁に嵌装した補強金具である。
【００１３】
ベースハウジング（雌コネクタハウジング）２２の隔壁２５は、ソケットハウジング（雄コネクタハウジング）２の切欠部６と協働して逆嵌合防止機能を果たすため、その両側面３５，３６が隔壁２５断面の中心点に対して非対称の形状を有している。具体的には、一方の側面３５が単一の平坦面に形成されているのに対して、他方の側面３６は中間部位に段部３７を有する２つの平坦面３８，３９により形成されていて、側面３５と平坦面３９の間が側面３５と平坦面３８との間より幅広になっている。一方、切欠部６の相対する側面４５，４６は、図１及び図２示すように、一方の側面４５が隔壁２５の側面３５に対応する単一の平坦面に形成されているのに対して、他方の側面４６は隔壁２５の側面３６に対応するように中間部位に段部４７を有する２つの平坦面４８，４９により形成されていて、側面４５と平坦面４９との間が側面４５と平坦面４８の間より幅広になっている。
【００１４】
図８ないし図１０は、上記のような構成を有するソケットコネクタ１とベースコネクタ２１の嵌合状態を示している。ソケットコネクタ１は、電線４１の端部に接続したソケットコンタクト４２をソケットハウジング２のコンタクト収容室３に挿入し、ソケットコンタクト４２のランス４３を係止突部４に係止させて収容室３内に保持固定して構成されている。一方、ベースコネクタ２１は、ピンコンタクト２８，２８のはんだ付け部３０ａ，３０ａと補強金具３４，３４をプリント配線板４０にはんだ付けして表面実装されている。
【００１５】
ソケットコネクタ１のソケットハウジング２及び両ロックアーム１０，１０の前側部分をベースハウジング２２の前端開口部２３ａを通じて空所部２３内に嵌挿すると、図９及び図１０に良く示されているように、ソケットハウジング２の切欠部６の側面４５が隔壁２５の側面３５に沿って案内誘導されると共に、側面４６の段部４７と両平坦面４８，４９が隔壁２５の側面３６の段部３７と両平坦面３８，３９に案内誘導されて、両切欠部６，６が両隔壁２５，２５に係合し、同時に、ピンコンタクト２８，２８の接触ピン部２９，２９が開口５，５から収容室３，３内に進入し、ソケットコンタクト４２，４２に嵌合して電気的に接続される。このとき、両ロックアーム１０，１０は内側、すなわちハウジング２の両側面８，８側へ弾性変形しながら挿入される。そして、ベースハウジング２２と両ロックアーム１０，１０が正しい嵌合接続位置まで嵌挿されると、両ロックアーム１０，１０の係止突部１１，１１が前端開口部２３ａの側縁部分を乗り越えて空所部２３内に進入すると共に、ロックアーム１０，１０の弾性復元力で係止突部１１，１１がベースハウジング２２の係止部２７，２７に係合して、ベースハウジング２２とソケットハウジング２がロックされる。同時にソケットハウジング２の防護片１３，１３がベースハウジング２２の前端面に当接して、両コネクタ１，２１の嵌合接続状態が目視により確認される。このように両コネクタ１，２１が嵌合接続した状態においては、両ロックアーム１０，１０の係止突部１１，１１がベースハウジング２２の空所部２３内で係止部２７，２７と係合しているので、不測に外力が作用して係止突部１１，１１が係止部２７，２７から離脱し、ロックが解除される危険性は非常に少なくなる。また、各ロックアーム１０を挟むように位置している両防護片１３，１３によって、ロックアーム１０に不測の外力が作用するのを有効に防止されている。
【００１６】
次に、ソケットコネクタ１をベースコネクタ２１から抜去するには、両ロックアーム１０，１０の押圧操作部１２，１２を手指で挟んで両側面８，８側へ弾性変形させ、係止突部１１，１１を係止部２７，２７から離脱させてロックを解除した後、両ロックアーム１０，１０を後方へ移動してソケツトハウジング２をベースハウジング２２から引き出す。
【００１７】
一方、誤ってソケットコネクタ１のソケットハウジング２が上下逆向きの姿勢でベースコネクタ２１のベースハウジング２２の空所部２３に嵌挿されると、切欠部６，６の段部４７，４７が隔壁２５，２５の幅広部分（側面３５と平坦面３９との間）の前端面に衝接してソケットハウジング２の進入が阻止され、逆嵌合が確実に防止される。
【００１８】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、雌・雄両コネクタハウジング２２，２が上下逆向きの姿勢で嵌合されると、雄コネクタハウジング２に設けた切欠部６の段部４７が、雌コネクタハウジング２２の空所部２３内に設けた隔壁２５の幅広部分（側面３５と平坦面３９との間）の前端面に衝接して逆嵌合を防止するように構成されているので、強引な挿入力によって隔壁２５が変形したり破壊することなく、逆嵌合を確実に防止することができる。このような逆嵌合防止構造は、コネクタの小型化、薄型化を図るため、コネクタハウジングの壁厚みをできるだけ薄くする場合に適しており、したがって、小型化、薄型化が求められる高電圧対応型コネクタに逆嵌合防止機能を付与するのに好適である。
【００１９】
しかも、雌・雄両ハウジング２２，２のロック機構が前記雌コネクタハウジング２２の前記空所部２３内に設けられているので、省スペース化を図りながら、逆嵌合防止機能と嵌合状態の安定性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による雄コネクタ（ソケットコネクタ）を構成するコネクタハウジングの斜視図である。
【図２】同上の正面図である。
【図３】図２の３−３線に沿う断面図である。
【図４】本発明による雌コネクタ（ベースコネクタ）の平面図である。
【図５】同上の正面図である。
【図６】図５の６−６線に沿う断面図である。
【図７】図４の７−７線に沿う断面図である。
【図８】本発明による雌・雄両コネクタを嵌合接続した状態を示す斜視図である。
【図９】図８の要部横断平面図である。
【図１０】図９の１０−１０線の沿う断面図である。
【符号の説明】
１ソケットコネクタ（雄コネクタ）
２ソケットハウジング（雄コネクタハウジング）
３コンタクト収容室
６切欠部
８両側面
９支持片
１０ロックアーム
１１係止突部
１２押圧操作部
２１ベースコネクタ（雌コネクタ）
２２ベースハウジング（雌コネクタハウジング）
２３空所部
２３ａ開口端部
２４後壁
２６内側壁
２７係止部
２８ピンコンタクト
３５，３６隔壁２５の側面
３７段部
３８，３９平坦面
４０プリント配線板
４２ソケットコンタクト
４５，４６切欠部６の相対する側面
４７段部
４８，４９平坦面

Claims

嵌合接続する雌・雄一対のコネクタから成り、
雌コネクタハウジングは、雄コネクタハウジングが嵌合する前面が開口した空所部を有し、該空所部内には複数のピンコンタクトと、各ピンコンタクト間を離隔する複数の隔壁が嵌合方向に延びて配設され、
前記雄コネクタハウジングは、前記ピンコンタクトと嵌合するソケットコンタクトを収容し、かつ、前記隔壁に係合する複数の切欠部を有しており、さらに、前記雄コネクタハウジングの両側面に弾性変形可能なロックアームが設けられ、前記ロックアームに設けた係止突部が、前記雌コネクタハウジングの前記空所部の内壁面に設けた係止部に係合するロック機構を有している電気コネクタであって、
前記隔壁（２５）が、一方の側面（３５）は単一の平坦面で、他方の側面（３６）は中間部位に段部（３７）を有する２つの平坦面（３８，３９）により形成されていて、側面（３５）と平坦面（３９）の間が側面（３５）と平坦面（３８）との間より幅広になっている非対称の形状に形成されていると共に、前記切欠部（６）の相対する側面（４５，４６）が、一方の側面（４５）は隔壁（３５）に対応する単一の平坦面に形成されているのに対して、他方の側面（４６）は隔壁（２５）の側面（３６）に対応するように中間部位に段部（４７）を有する２つの平坦面（４８，４９）により形成されていて、側面（４５）と平坦面（４９）との間が側面（４５）と平坦面（４８）との間より幅広になっている非対称の形状に形成されていて、
前記雌・雄両コネクタハウジング（２２，２）が上下逆向きの姿勢で嵌合されると、前記切欠部（６）の段部（４７）が、前記隔壁（２５）の幅広部分（側面（３５）と平坦面（３９）の間）の前端面に衝接して逆嵌合を防止するように構成されていることを特徴とする逆嵌合防止コネクタ。