JP3871753B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法 - Google Patents
静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3871753B2 JP3871753B2 JP318297A JP318297A JP3871753B2 JP 3871753 B2 JP3871753 B2 JP 3871753B2 JP 318297 A JP318297 A JP 318297A JP 318297 A JP318297 A JP 318297A JP 3871753 B2 JP3871753 B2 JP 3871753B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- particles
- toner
- image
- developing
- electrostatic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03G—ELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
- G03G9/00—Developers
- G03G9/08—Developers with toner particles
- G03G9/0802—Preparation methods
- G03G9/0804—Preparation methods whereby the components are brought together in a liquid dispersing medium
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Developing Agents For Electrophotography (AREA)
- Dry Development In Electrophotography (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電性をはじめとする諸特性に優れ、電子写真法等による画像形成の際に好適に用いられる静電荷像現像用トナーを効率的に製造する方法、該方法により製造される静電荷像現像用トナー、該静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤、及び該静電荷像現像用トナーを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法等のように、静電荷像を経て画像情報を可視化する方法は、現在各種の分野で広く利用されている。前記電子写真法においては、帯電工程、露光工程等を経て感光体上に静電荷像を形成し、トナー粒子を含有する現像剤を用いて前記静電荷像を現像し、転写工程、定着工程等を経て前記静電荷像が可視化される。
【0003】
前記現像剤には、トナー粒子及びキャリア粒子を含有してなる二成分系現像剤と、磁性トナー粒子又は非磁性トナー粒子を含有してなる一成分系現像剤とが知られている。前記現像剤におけるトナー粒子は、通常、混練粉砕法により製造される。この混練粉砕法は、熱可塑性樹脂等を顔料、帯電制御剤、ワックスなどの離型剤等と共に溶融混練し、冷却後にこの溶融混練物を微粉砕し、これを分級して所望のトナー粒子を製造する方法である。なお、前記混練粉砕法により製造されたトナー粒子には、流動性やクリーニング性等を改善する目的で、さらに必要に応じてその表面にさらに無機及び/又は有機の微粒子が添加されたりする。
【0004】
前記混練粉砕製法により製造されるトナー粒子の場合、通常、その形状は不定型であり、その表面組成は均一でない。使用材料の粉砕性や粉砕工程の条件により、トナー粒子の形状や表面組成は微妙に変化するものの、意図的にこれらを所望の程度に制御することは困難である。また、特に粉砕性の高い材料を用いて前記混練粉砕法により製造されたトナー粒子の場合、現像機内での種々の剪断力等の機械力等により、さらに微粉化されたり、その形状が変化されたりすることがしばしば起こる。その結果、前記二成分系現像剤においては、微粉化されたトナー粒子がキャリア表面へ固着して前記現像剤の帯電劣化が加速されたり、前記一成分系現像剤においては、粒度分布が拡大し、微粉化されたトナー粒子が飛散したり、トナー形状の変化に伴い現像性が低下し、画質の劣化が生じたりするという問題が生ずる。
【0005】
トナー粒子の形状が不定型である場合、流動性助剤を添加しても流動性が十分でなく、使用中に剪断力等の機械力により、前記流動性助剤の微粒子がトナー粒子における凹部へ移動してその内部への埋没し、経時的に流動性が低下したり、現像性、転写性、クリーニング性等が悪化したりするという問題がある。また、このようなトナーをクリーニング処理により回収して再び現像機に戻して再利用すると、画質の劣化が生じ易いという問題がある。これらの問題を防ぐため、さらに流動性助剤の量を増加することも考えられるが、この場合、感光体上への黒点の発生や流動性助剤の粒子飛散を招くという問題が生ずる。
【0006】
一方、ワックスなどの離型剤を内添してなるトナーの場合、熱可塑性樹脂との組み合せによっては、トナー粒子の表面に前記離型剤が露出することがある。特に高分子量成分により弾性が付与されたやや粉砕されにくい樹脂と、ポリエチレンのような脆いワックスとを組み合せてなるトナーの場合、トナー粒子の表面にポリエチレンの露出が多く見られる。このようなトナーは、定着時の離型性や感光体上からの未転写トナーのクリーニングには有利であるものの、トナー粒子の表面のポリエチレンが、現像機内での剪断力等の機械力により、トナー粒子から脱離し容易に現像ロールや感光体やキャリア等に移行するため、これらの汚染が生じ易くなり、現像剤としての信頼性が低下するという問題がある。
【0007】
このような事情の下、近年、粒子の形状及び表面組成を意図的に制御したトナーを製造する手段として、特開昭63−282752号公報や特開平6−250439号公報において、乳化重合凝集法が提案されている。前記乳化重合凝集法は、乳化重合により樹脂分散液を作成し、一方、溶媒に着色剤を分散させた着色剤分散液を作成し、これらを混合する混合工程と、トナー粒径に相当する凝集粒子を形成する凝集工程と、該凝集粒子を加熱することによって融合する融合工程とを含む方法である。この乳化重合凝集法によると、加熱温度条件を選択することにより、トナー形状を不定形から球形まで任意に制御することができる。
しかし、この乳化重合凝集法の場合、混練粉砕製法の場合と比べてトナー粒子中の顔料の分散度が低く分布がまばらであり、かつ分散径も大きいため、得られるトナー粒子の着色度が低く、特にカラートナーを得る場合には、色再現性、OHP透過性等に問題があった。
【0008】
従来の乳化重合凝集法においては、一般に、例えばイオン性界面活性剤を含む樹脂粒子分散液と、反対極性のイオン性界面活性剤を含む顔料分散液とを混合して、ヘテロ凝集を生じさせることによりトナー径の凝集粒子を形成した後、該凝集粒子を、該樹脂粒子の樹脂のガラス転移点以上に加熱することにより融合してトナー粒子を得ている。
しかし、この場合、前記樹脂粒子分散液と顔料分散液とを混合した時点で粒子の電荷が中和されヘテロ凝集が生じてしまうため、前記両分散液を混合してからその混合液が均一になるまでに時間が掛かり、電荷が中和された顔料同士も同時に凝集してしまい、トナー中の顔料の分散度が悪化してしまう。その結果、得られるトナーの発色性が不十分になってしまうという問題がある。
【0009】
一方、電子写真プロセスにおいて、様々な機械的ストレス下でトナーの性能を安定に維持・発揮させるには、トナー粒子表面に離型剤が露出するのを抑制したり、トナー粒子の表面硬度を高めたり、トナー粒子表面の平滑性をより高めたりすることが必要となる。なお、前記離型剤は、トナー粒子表面に露出すると種々の問題を招き得るが、定着時におけるトナーの性能を考慮すると、トナー粒子の表面近傍に存在することが望ましい。
【0010】
近年、高画質化への要求が高まり、特にカラー画像形成では、高精細な画像を実現するため、トナーの小径化傾向が顕著である。しかし、従来のトナーの粒度分布のままでは、単に小径化を図っても、前記粒度分布における微粉側のトナーの存在により、キャリアや感光体の汚染やトナー飛散の問題が著しくなり、高画質と高信頼性とを同時に実現することは困難である。高画質と高信頼性とを同時に実現するためには、トナーの粒度分布をシャープ化し、かつ小粒径化することが必要になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、発色性、帯電性、現像性、転写性、定着性等の諸特性、特に帯電性及び発色性に優れた信頼性の高い静電荷像現像用トナー及び該静電荷像現像用トナーを含有する静電荷像現像剤を提供することを目的とする。また、本発明は、該静電荷像現像用トナーを容易にかつ簡便に製造し得る静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することを目的とする。更に、本発明は、高画質で信頼性の高い画像を容易にかつ簡便に形成し得る画像形成方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の発明者らが前記乳化重合凝集法における前記混合工程及び前記凝集工程における条件を鋭意検討した結果、該混合工程において、樹脂分散液と、該樹脂分散液中の分散剤の極性と同極性の分散剤を含む顔料分散液とを混合することにより両者を完全に均一に混合でき、また、その後の前記凝集工程において、混合液中にこれらの分散剤の極性と逆極性の凝集剤を徐々に添加することにより顔料同士を凝集させずに分散分布させ得ることを見い出した。本発明は、かかる本発明の発明者等による知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段は以下の通りである。即ち、
【0013】
【課題を解決するための手段】
<1> 極性を有する分散剤中に樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液と、極性を有する分散剤中に着色剤粒子を分散させてなる着色剤粒子分散液とを少なくとも混合して混合液を調製する混合液調製工程、前記混合液中において凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する凝集粒子形成工程、及び、前記凝集粒子を加熱して融合する融合工程を含み、前記混合液中に含まれる分散剤の極性が同極性であり、
前記凝集粒子形成工程が、前記混合液中に含まれる分散剤の極性と逆極性の凝集剤を前記混合液中に添加することにより該混合液中において凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する工程であり、
かつ、前記凝集粒子形成工程の後であって前記融合工程の前に、極性を有する分散剤中に微粒子を分散させてなる微粒子分散液を前記凝集粒子分散液中に添加混合して前記凝集粒子に前記微粒子を付着させて付着粒子を形成する付着粒子形成工程を更に含み、前記融合工程における凝集粒子が前記付着粒子であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法である。
<2> 前記微粒子の平均粒径が1μm以下である前記<1>に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
<3> 前記樹脂粒子の平均粒径が1μm以下である前記<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
<4> 前記凝集粒子が離型剤粒子を含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
<5> 前記着色剤粒子の平均粒径が、0.5μm以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
<6> 前記着色剤粒子が、最大粒径が1μm以下のものを99%以上含む着色剤粒子である前記<1>から<5>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
<7> 前記着色剤粒子がカーボンブラック顔料であり、前記着色剤分散液が、極性を有する分散剤中に該カーボンブラック粒子を、発振周波数60kHz以下の超音波を用いて分散させてなる前記<1>から<6>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
<8> 前記着色剤粒子分散液に含まれる分散剤が、アルキルベンゼンスルホン酸塩又はアルキル硫酸エステル塩である前記<1>から<7>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
【0014】
<9> 前記<1>から<8>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法により製造されることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
【0015】
<10> 電子写真用キャリアと静電荷像現像用トナーとを含有する静電荷像現像剤において、前記静電荷像現像用トナーが前記<9>に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする静電荷像現像剤である。
【0016】
<11> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程、現像剤担持体上の現像剤層により前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程、及び前記トナー画像を転写体上に転写する転写工程を含む画像形成方法において、前記現像剤層が、前記<9>に記載の静電荷像現像用トナーを含有することを特徴とする画像形成方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
<静電荷像現像用トナーの製造方法>
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、混合液調製工程と凝集粒子形成工程と融合工程と、前記凝集粒子形成工程と前記融合工程との間に付着粒子形成工程とを少なくとも含む。本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、さらに必要に応じて適宜その他の工程を含むことができる。
【0018】
前記混合液調製工程は、極性を有する分散剤中に樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液と、極性を有する分散剤中に着色剤粒子を分散させてなる着色剤粒子分散液とを少なくとも混合して混合液を調製する工程である。前記凝集粒子形成工程は、前記混合液中において凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する工程である。前記融合工程は、前記凝集粒子を加熱して融合する工程である。前記付着粒子形成工程は、極性を有する分散剤中に微粒子を分散させてなる微粒子分散液を前記凝集粒子分散液中に添加混合して前記凝集粒子に前記微粒子を付着させて付着粒子を形成する工程である。
【0019】
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記混合液調製工程では、樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液等による混合液中に樹脂粒子、着色剤粒子等が均一に分散され、混合される。このとき、前記混合液に含まれる分散剤の極性は総て同極性であるので、該混合液中に含まれる粒子同士が凝集を起こすことがない。このため、前記混合液中において樹脂粒子、着色剤粒子等は均一に分散している。
前記凝集粒子形成工程では、前記混合液中に均一に分散する樹脂粒子、着色剤粒子等が凝集し、凝集粒子が形成される。前記凝集粒子はヘテロ凝集により形成される。即ち、前記混合液中に含まれる分散剤の極性と逆極性の凝集剤を該凝集粒子形成工程において添加することにより、添加される側(前記混合液)と添加する側(前記凝集剤)との間の極性のバランスのズレが補填され、その際にヘテロ凝集が生ずる。
前記融合工程では、前記凝集粒子中の樹脂が溶融し、融合し、静電荷像現像用トナー粒子が形成される。
なお、前記付着粒子形成工程では、前記凝集粒子を母粒子として、その表面に、前記凝集粒子が分散する凝集粒子分散液中に添加混合した微粒子分散液に含まれていた微粒子が付着し、付着粒子が形成される。前記付着粒子形成工程は前記融合工程の前に含まれ、前記融合工程では、前記付着粒子中の樹脂が溶融し、融合し、静電荷像現像用トナー粒子が形成される。
【0020】
前記凝集粒子中における前記着色剤粒子の分布は、最終的にトナー粒子中における着色剤粒子の分布となるため、該着色剤粒子の分散が小さく均一である程、得られるトナー粒子の発色性が向上する。本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法においては、前記凝集粒子形成工程において、前記凝集粒子中に前記着色剤粒子が均一に分散しているので、得られる静電荷像現像用トナー粒子の発色性が極めて良好である。この発色性は、特にカラートナーの場合に色再現性やOHP透過性に直接影響するため重要であるが、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法により得られる静電荷像現像用トナーは、色再現性やOHP透過性等の点でも有利である。更に、該静電荷像現像用トナー粒子は、洗浄が容易である上、帯電性に優れ、環境条件によってその特性、特に帯電性が容易に変動しない点で有利である。
【0021】
以下に、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法における各工程について説明する。
【0022】
(混合液調製工程)
混合液調製工程は、極性を有する分散剤中に樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液と、極性を有する分散剤中に着色剤粒子を分散させてなる着色剤粒子分散液とを少なくとも混合して混合液を調製する工程である。
【0023】
前記樹脂粒子分散液は、少なくとも樹脂粒子を、極性を有する分散剤中に分散させてなるものである。
前記樹脂としては、例えば熱可塑性結着樹脂などが挙げられ、具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類の単独重合体又は共重合体(スチレン系樹脂);アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類の単独重合体又は共重合体(オレフィン系樹脂);エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等の非ビニル縮合系樹脂、及びこれらの非ビニル縮合系樹脂とビニル系モノマーとのグラフト重合体などが挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0024】
これらの樹脂の中でもビニル系樹脂が特に好ましい。ビニル系樹脂の場合、イオン性界面活性剤などを用いて乳化重合やシード重合により樹脂粒子分散液を容易に調製することができる点で有利である。
前記ビニル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸、ビニルスルフォン酸、エチレンイミン、ビニルピリジン、ビニルアミンなどのビニル系高分子酸やビニル系高分子塩基の原料となるモノマーが挙げられる。本発明においては、前記樹脂粒子が、前記ビニル系モノマーをモノマー成分として含有するのが好ましい。本発明においては、これらのビニル系モノマーの中でも、ビニル系樹脂の形成反応の容易性等の点でビニル系高分子酸がより好ましく、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸などのカルボキシル基を解離基として有する解離性ビニル系モノマーが、重合度やガラス転移点の制御の点で特に好ましい。
【0025】
前記樹脂粒子の平均粒径としては、通常1μm以下であり、0.01〜1μmであるのが好ましい。前記平均粒径が1μmを越えると、最終的に得られる静電荷像現像用トナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易い。一方、前記平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。なお、前記平均粒径は、例えばコールターカウンターなどを用いて測定することができる。
【0026】
前記着色剤粒子分散液は、少なくとも着色剤粒子を、極性を有する分散剤中に分散させてなるものである。
前記着色剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、磁性粉、キナクリドン系顔料などが挙げられる。
これらの具体例としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、 ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレレートなどの種々の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料;などが挙げられる。これらの着色剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0027】
前記着色剤粒子の平均粒径としては、0.5μm以下が好ましく、0.02μm以下がより好ましい。前記平均粒径が0.5μmを越えると、可視光の乱反射を防ぐことができず、また、粗大粒子が存在した場合、着色力、色再現性、OHP透過性に悪影響し、後述の凝集粒子形成工程において前記樹脂粒子と該着色剤粒子とが凝集しないか、あるいは凝集しても融合時に脱離してしまうことがあり、得られる静電荷像現像用トナーの品質が劣化することがある点で好ましくない。一方、前記平均粒径が前記範囲内にあると、前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。なお、前記平均粒径は、例えばコールターカウンターなどを用いて測定することができる。
また、前記着色剤粒子としては、最大粒径が1μm以下、好ましくは0.7μm以下のものを99%以上含む着色剤粒子であるのが好ましい。このような着色剤粒子を用いると、遊離粒子の発生を抑制することができる点で有利である。
【0028】
前記着色剤粒子と前記樹脂粒子との組み合わせとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜自由に選択することができる。
【0029】
前記混合液調製工程においては、前記樹脂粒子分散液及び前記着色剤粒子分散液の外、極性を有する分散剤中に適宜選択した粒子を分散させてなる粒子分散液更に混合してもよい。
【0030】
前記粒子分散液に含まれる粒子としては、特に制限はなく目的に応じ適宜選択することができ、例えば、離型剤粒子、内添剤粒子、帯電制御剤粒子、無機粒子、滑剤粒子、研磨材粒子などが挙げられる。なお、本発明において、これらの粒子は、前記樹脂粒子分散液中や前記着色剤粒子分散液中に分散させてもよい。
【0031】
前記離型剤粒子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;及びそれらの変性物などの粒子が挙げられる。
【0032】
なお、上述のワックス類は、水中に、イオン性界面活性剤、高分子酸、高分子塩基等の高分子電解質と共に分散し、融点以上に加熱し、強い剪断力を印加可能なホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて処理すると、容易に1μm以下の粒子化され得る。
【0033】
前記内添剤粒子としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、又はこれら金属を含む化合物などの磁性体などの粒子が挙げられる。
【0034】
前記帯電制御剤粒子としては、例えば、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料、トリフェニルメタン系顔料などの粒子が挙げられる。なお、本発明における帯電制御剤粒子としては、凝集時や融合時の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染減少の点で、水に溶解しにくい素材のものが好ましい。
【0035】
前記無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化セリウム等の通常トナー表面の外添剤として使用される総ての粒子が挙げられる。
【0036】
前記滑剤粒子としては、例えば、エチレンビスステアラミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩の粒子が挙げられる。
【0037】
前記研磨材粒子としては、例えば、前述のシリカ、アルミナ、酸化セリウムなどの粒子が挙げられる。
【0038】
上述の各粒子の平均粒径としては、通常1μm以下であり、0.01〜1μmであるのが好ましい。前記平均粒径が1μmを越えると、最終的に得られる静電荷像現像用トナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易い。一方、前記平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。なお、前期平均粒径は、例えばコールターカウンターなどを用いて測定することができる。
【0039】
前記樹脂粒子分散液、前記着色剤粒子分散液、前記粒子分散液等に含まれる、極性を有する分散剤としては、例えば、極性界面活性剤を含有する水系媒体などが挙げられる。
前記水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記極性を有する分散剤における前記極性界面活性剤の含有量としては、一概に規定することはできず、目的に応じて適宜選択することができる。
【0040】
前記極性界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤などが挙げられる。
前記アニオン界面活性剤の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記カチオン界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0041】
なお、本発明においては、これらの極性界面活性剤と、非極性界面活性剤とを併用することできる。前記非極性界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。
【0042】
前記樹脂粒子分散液における前記樹脂粒子の含有量としては、通常5〜60重量%であり、好ましくは10〜40重量%である。また、凝集粒子が形成された際の凝集粒子分散液中における前記樹脂粒子の含有量としては、50重量%以下であればよく、2〜40重量%程度であるのが好ましい。
【0043】
さらに、前記混合液に前記離型剤粒子等をも分散させる場合、前記粒子分散液における前記離型剤粒子等の各粒子の含有量としては、本発明の目的を阻害しない程度であればよく、一般的には極く少量であり、前記凝集粒子が形成された際の凝集粒子分散液中において、0.01〜5重量%程度であり、0.5〜2重量%程度が好ましい。前記含有量が前記範囲外であると、前記離型剤粒子等を分散させたことの効果が十分でなかったり、粒度分布が広がり、特性が悪化する場合がある。
【0044】
前記樹脂粒子分散液は、例えば、以下のようにして調製される。即ち、
前記樹脂粒子における樹脂が、前記ビニル基を有するエステル類、前記ビニルニトリル類、前記ビニルエーテル類、前記ビニルケトン類等のビニル系単量体の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂)である場合には、前記ビニル系単量体をイオン性界面活性剤中で乳化重合やシード重合等することにより、ビニル系単量体の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂)製の樹脂粒子をイオン性界面活性剤に分散させてなる分散液が調製される。
前記樹脂粒子における樹脂が、前記ビニル系単量体の単独重合体又は共重合体以外の樹脂である場合には、該樹脂が、水への溶解度が比較的低い油性溶剤に溶解するのであれば、該樹脂を該油性溶剤に溶解させ、この溶液を、ホモジナイザー等の分散機を用いてイオン性界面活性剤や高分子電解質と共に水中に微粒子分散し、その後、加熱又は減圧して該油性溶剤を蒸散させることにより、ビニル系樹脂以外の樹脂製の樹脂粒子をイオン性界面活性剤に分散させてなる分散液が調製される。
【0045】
前記分散の手段としては、特に制限はないが、例えば、回転剪断型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどのそれ自体公知の分散装置が挙げられる。
【0046】
前記着色剤粒子分散液、前記粒子分散液等は、例えば、前記着色剤粒子等の粒子を前記極性を有する分散剤中に添加し、前記分散の手段を用いて分散させることにより調製される。
【0047】
前記混合液調製工程においては、混合液中に含まれる分散剤の極性、即ち混合液を構成する前記樹脂粒子分散液、前記着色剤粒子分散液、前記粒子分散液等に含まれる極性を有する分散剤の極性が、総て同極性であることが必要である。したがって、本発明においては、この点を考慮して前記極性を有する分散剤を選択する必要がある。
【0048】
(凝集粒子形成工程)
前記凝集粒子形成工程は、前記混合液中において凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する工程である。
前記凝集粒子は、前記混合液中に含まれる極性の分散剤と逆(反対)極性の極性を有する凝集剤を該混合液中に添加し混合することにより該混合液中に形成することができる。
【0049】
前記極性を有する凝集剤としては、上述の極性を有する分散剤として例示したもの、即ち、前記極性を有する凝集剤としては、前記極性界面活性剤そのもの又はそれを含有する水系媒体などが挙げられる。例えば、前記極性を有する分散剤に含まれる極性界面活性剤がアニオン性の場合には、前記極性を有する凝集剤に含まれる極性界面活性剤としてカチオン性のものを選択することができる。このように凝集剤の極性を選択し、該凝集剤を前記混合液中に添加すると、添加される側(前記混合液)と添加する側(前記凝集剤)との間の極性のバランスのズレが補填され、その際にヘテロ凝集が生じ、凝集粒子が形成される。
【0050】
前記凝集剤の添加・混合は、前記混合液中に含まれる樹脂のガラス転移点以下の温度で行うのが好ましい。この温度条件下で前記混合を行うと、凝集が安定した状態で進行する。
前記混合は、例えばそれ自体公知の混合装置、ホモジナイザー、ミキサー等を用いて行うことができる。
【0051】
ここで形成される凝集粒子の平均粒径としては、特に制限はないが、通常、得ようとする静電荷像現像用トナーの平均粒径と同じ程度になるように制御される。前記制御は、例えば、温度と前記攪拌混合の条件とを適宜設定・変更することにより容易に行うことができる。
以上の凝集粒子形成工程により、静電荷像現像用トナーの平均粒径とほぼ同じ平均粒径を有する凝集粒子が形成され、該凝集粒子を分散させてなる凝集粒子分散液が調製される。なお、本発明において、前記凝集粒子は「母粒子」と称されることがある。
【0052】
(付着粒子形成工程)
前記付着粒子形成工程は、極性を有する分散剤中に微粒子を分散させてなる微粒子分散液を前記凝集粒子分散液中に添加混合して前記凝集粒子に前記微粒子を付着させて付着粒子を形成する工程である。
【0053】
前記極性を有する分散剤は、上述の通りである。
前記微粒子としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、上述した樹脂粒子と同じである樹脂微粒子、着色剤粒子と同じである着色剤微粒子、離型剤粒子等の各粒子と同じである微粒子などが挙げられる。これらの中でも、本発明においては、樹脂微粒子が好適に挙げられる。なお、前記微粒子は、前記凝集粒子から見て新たに追加される粒子に該当するので、本発明においては「追加粒子」と称されることがある。
前記微粒子分散液の調製の手法としては、前記樹脂粒子分散液、前記着色剤粒子分散液、前記粒子分散液等と同様である。
【0054】
前記微粒子の平均粒径としては、通常1μm以下であり、0.01〜1μmであるのが好ましい。前記平均粒径が1μmを越えると、最終的に得られる静電荷像現像用トナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易い。一方、前記平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、樹脂微粒子による層構造を形成する点で有利である。なお、前記平均粒径は、例えばコールターカウンターなどを用いて測定することができる。
【0055】
前記微粒子の体積としては、得られる静電荷像現像用トナーの体積分率に依存し、得られる静電荷像現像用トナーの体積の50%以下であるのが好ましい。前記微粒子の体積が得られる静電荷像現像用トナーの体積の50%を越えると、前記微粒子が前記凝集粒子に付着・凝集せず、前記微粒子による新たな凝集粒子が形成されてしまい、得られる静電荷像現像用トナーの組成分布や粒度分布の変動が著しくなり、所望の性能が得られなくなることがある。
【0056】
前記微粒子分散液は、上述の微粒子を1種単独で分散させてなる微粒子分散液であってもよいし、2種以上の微粒子を併用して分散させてなる微粒子分散液であってもよい。後者の場合、併用する微粒子の組み合わせとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0057】
前記微粒子分散液における前記微粒子の含有量としては、通常5〜60重量%であり、好ましくは10〜40重量%である。前記含有量が前記範囲外であると、静電荷像現像用トナーの内部から表面にかけての構造及び組成の制御が十分でないことがある。また、凝集粒子が形成された際における、凝集粒子分散液中の凝集粒子の含有量は、通常40重量%以下である。
【0058】
前記微粒子分散液を前記凝集粒子分散液中に添加・混合する方法としては、特に制限はなく、例えば、徐々に連続的に行ってもよいし、複数回に分割して段階的に行ってもよい。このようにして、前記微粒子(追加粒子)を添加・混合することにより、微小な粒子の発生を抑制し、得られる静電荷像現像用トナーの粒度分布をシャープにすることができる。
なお、複数回に分割して段階的に添加混合を行うと、前記凝集粒子の表面に段階的に前記微粒子による層が積層され、静電荷像現像用トナーの粒子の内部から外部にかけて構造変化や組成勾配をもたせることができ、粒子の表面硬度を向上させることができ、しかも、後述の融合工程における融合時において、粒度分布を維持し、その変動を抑制することができると共に、融合時の安定性を高めるための界面活性剤や塩基又は酸等の安定剤の添加を不要にしたり、それらの添加量を最少限度に抑制することができ、コストの削減や品質の改善が可能となる点で有利である。
【0059】
前記凝集粒子に前記微粒子を付着させる条件としては、例えば以下の通りである。
即ち、温度としては、前記凝集粒子中に含まれる樹脂粒子の樹脂のガラス転移点以下の温度であり、室温程度であるのが好ましい。ガラス転移点以下の温度で加熱すると、前記凝集粒子と前記微粒子とが付着し易くなり、その結果、形成される付着粒子が安定し易くなる。
処理時間としては、前記温度に依存するので一概に規定することはできないが、通常5分〜2時間程度である。
なお、前記付着の際、前記微粒子分散液が添加・混合された前記凝集粒子分散液は、静置されていてもよいし、ミキサー等により穏やかに攪拌されていてもよい。後者の場合の方が、均一な付着粒子が形成され易い点で有利である。
【0060】
本発明において、この付着粒子形成工程が行われる回数としては、1回であってもよいし、複数回であってもよい。前者の場合、前記凝集粒子の表面に前記微粒子(追加粒子)による層が1層のみ形成されるのに対し、後者の場合、前記微粒子分散液として2種以上用意しておけば、前記凝集粒子の表面にこれらの微粒子分散液に含まれる微粒子(追加粒子)による層が積層形成される。後者の場合、複雑かつ精密な階層構造を有する静電荷像現像用トナーを得ることができ、静電荷像現像用トナーに所望の機能を付与し得る点で有利である。
【0061】
付着粒子形成工程が複数回行われる場合、前記凝集粒子に対し、最初に付着させる微粒子と、次以降に付着させる微粒子とは、いかなる組み合わせであってもよく、静電荷像現像用トナーの用途等に応じて適宜選択することができる。
【0062】
付着粒子形成工程が複数回行われる場合、前記微粒子を添加混合する毎に、前記微粒子と前記凝集粒子とを含有する分散液を、第1工程における凝集粒子中の樹脂のガラス転移点以下の温度で加熱する態様が好ましく、この加熱の温度が段階的に上昇される態様がより好ましい。このようにすると、遊離粒子の発生を抑制することができる点で有利である。
【0063】
以上の付着粒子形成工程により、前記凝集粒子形成工程で調製された凝集粒子に前記微粒子を付着させてなる付着粒子が形成される。なお、付着粒子形成工程を複数回行った場合には、前記凝集粒子形成工程で調製された凝集粒子に、前記微粒子が複数回付着させてなる付着粒子が形成される。したがって、付着粒子形成工程において、前記凝集粒子に、適宜選択した微粒子を付着させることにより、所望の特性を有する静電荷像現像用トナーを自由に設計し、製造することができる。
【0064】
(融合工程)
前記融合工程は、前記付着粒子を加熱して融合する工程である。
【0065】
前記加熱の温度としては、前記凝集粒子又は前記付着粒子に含まれる樹脂のガラス転移点温度〜該樹脂の分解温度であればよい。したがって、前記加熱の温度は、前記樹脂粒子及び前記樹脂微粒子の樹脂の種類に応じて異なり、一概に規定することはできないが、一般的には前記凝集粒子又は前記付着粒子に含まれる樹脂のガラス転移点温度〜180℃である。
なお、前記加熱は、それ自体公知の加熱装置・器具を用いて行うことができる。
【0066】
前記融合の時間としては、前記加熱の温度が高ければ短い時間で足り、前記加熱の温度が低ければ長い時間が必要である。即ち、前記融合の時間は、前記加熱の温度に依存するので一概に規定することはできないが、一般的には30分〜10時間である。
【0067】
本発明においては、融合工程の終了後に得られた静電荷像現像用トナーを、適宜の条件で洗浄、乾燥等することができる。なお、得られた静電荷像現像用トナーの表面に、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム等の無機粒体や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子を、乾燥状態で剪断力を印加して添加してもよい。これらの無機粒体や樹脂粒子は、流動性助剤やクリーニング助剤等の外添剤として機能する。
【0068】
以上の融合工程により、前記凝集粒子(母粒子)の表面に前記微粒子(追加粒子)が付着したままの状態で、前記付着粒子が融合され、その結果、静電荷像現像用トナーが製造される。
【0069】
<静電荷像現像用トナー>
本発明の静電荷像現像用トナーは、前記本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法により製造される。
前記静電荷像現像用トナーは、前記凝集粒子を母粒子とし、該母粒子の表面に前記微粒子による被覆層が形成されてなる構造を有する。前記微粒子の層は、1層であってもよく、2層以上であってもよく、一般にその数は前記本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法における付着粒子形成工程を行った回数と同じである。
【0070】
前記静電荷像現像用トナーは、その内部から表面にかけての組成、物性等が連続的又は不連続的に変化している構造を有しており、また、着色剤粒子が均一に存在しているので、帯電性、発色性、現像性、転写性、定着性、クリーニング性等の諸特性、特に帯電性、発色性に優れる。また、環境条件に影響を受けず前記諸性能、特に帯電性を安定に発揮・維持するので、信頼性が高い。
前記静電荷像現像用トナーは、前記本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法により製造されるので、混練粉砕法等により製造される場合と異なり、その平均粒径が小さく、しかもその粒度分布がシャープである。
【0071】
前記静電荷像現像用トナーの平均粒径としては、2〜9μmが好ましく、3〜8μmがより好ましい。前記平均粒径が、2μm未満であると、帯電性が不十分になり易く、現像性が低下する場合があり、9μmを越えると、画像の解像性が低下する場合がある。
【0072】
前記静電荷像現像用トナーの粒度分布としては、その指標として、累積分布のD16%、D84%を用いて、体積GSD(体積GSD=(体積D84/体積D16)0.5 )、又は、数GSD(数GSD=(数D84/数D16)0.5 )を簡易的に用いることができる。前記体積GSDとしては、1.30以下が好ましく、1.27以下がより好ましい。
前記体積GSDが、1.30を越えると、選択現像などにより、現像性が経時的に悪化する場合がある。
【0073】
前記静電荷像現像用トナーの帯電量としては、10〜40μC/gが好ましく、15〜35μC/gがより好ましい。前記帯電量が、10μC/g未満であると、背景部汚れが発生し易くなり、40μC/gを越えると、画像濃度の低下が発生し易くなる。
前記静電荷像現像用トナーの夏場における帯電量と冬場における帯電量との比率としては、0.5〜1.5が好ましく、0.7〜1.3が好ましい。前記比率が、前記好ましい範囲外であると、トナーの環境依存性が強く、帯電性の安定性に欠け、実用上好ましくないことがある。
【0074】
<静電荷像現像剤>
前記本発明の静電荷像現像用トナーを、キャリアと組み合わせることにより、静電荷像現像剤を得ることができる。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、それ自体公知のキャリアが挙げられ、例えば、特開昭62−39879号公報、特開昭56−11461号公報等に記載されたキャリアを使用することができる。
前記静電荷像現像剤における、前記本発明の静電荷像現像用トナーと、キャリアとの混合比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0075】
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程、トナー画像形成工程、及び転写工程を含む。前記各工程は、それ自体一般的な工程であり、例えば、特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されている。なお、本発明の画像形成方法は、それ自体公知のコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。
【0076】
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担体上に静電潜像を形成する工程である。前記トナー画像形成工程は、現像剤担体上の現像剤層により前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程である。前記現像剤層としては、前記本発明の静電荷像現像用トナーを含有する現像剤を含んでいれば特に制限はない。前記転写工程は、前記トナー画像を転写体上に転写する工程である。
【0077】
本発明の画像形成方法においては、さらにクリーニング工程を含む態様が好ましく、さらにはリサイクル工程をも含む態様が好ましい。
前記クリーニング工程は、トナー画像を形成する際の余分な静電荷像現像用トナーを回収する工程である。前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程において回収した静電荷像現像用トナーを現像剤層に移す工程である。
クリーニング工程とリサイクル工程とを含む態様の画像形成方法は、トナーリサイクルシステムタイプのコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。また、クリーニング工程を省略し、現像と同時にトナーを回収する態様のリサイクルシステムにも適用することができる。
【0078】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0079】
−−樹脂粒子分散液1の調製−−
スチレン・・・・・・・・・・・・・・・370g
nブチルアクリレート・・・・・・・・・ 30g
アクリル酸・・・・・・・・・・・・・・ 6g
ドデカンチオール・・・・・・・・・・・ 24g
四臭化炭素・・・・・・・・・・・・・・ 4g
以上を混合し、溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)6g及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)10gをイオン交換水550gに溶解したものに、フラスコ中で分散し、乳化し、10分間ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50gを投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。
こうして、平均粒径が155nm、ガラス転移点が59℃、重量平均分子量(Mw)が12,000である樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液(アニオン性)1を調製した。
【0080】
−−樹脂粒子分散液2の調製−−
スチレン・・・・・・・・・・・・・・・280g
nブチルアクリレート・・・・・・・・・120g
アクリル酸・・・・・・・・・・・・・・ 8g
以上を混合し、溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)6g及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)12gをイオン交換水550gに溶解したものに、フラスコ中で分散し、乳化し、10分間ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム3gを溶解したイオン交換水50gを投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、平均粒径が105nm、ガラス転移点が53℃、重量平均分子量(Mw)が550,000である樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液(アニオン性)2を調製した。
【0081】
−−離型剤粒子分散液1の調製−−
パラフィンワックス・・・・・・・・・・ 50g
(日本精蝋(株)製:HNP0190、融点85℃)
アニオン性界面活性剤・・・・・・・・・ 5g
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・200g
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が550nmである離型剤を分散させてなる離型剤粒子分散液(アニオン性)1を調製した。
【0082】
−−着色剤粒子分散液1の調製−−
カーボンブラック・・・・・・・・・・・ 20g
(キャボット社製:モーガルL)
アニオン性界面活性剤・・・・・・・・・ 2g
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・ 78g
以上を混合し、超音波洗浄機(本田電子社製、W−113)を用いて発振周波数28kHzで10分間分散を行って着色剤粒子分散液(アニオン性)1を調製した。この着色剤粒子分散液(アニオン性)1における粒度分布を、粒度測定装置(堀場製作所製、LA−700)を用いて測定したところ、含まれる着色剤粒子の平均粒径は180nmであり、また1μmを越える粗大粒子は観察されなかった。この着色剤粒子分散液1において、最大粒径が1μm以下の着色剤粒子の割合は100%である。
【0083】
−−着色剤粒子分散液2の調製−−
カーボンブラック・・・・・・・・・・・ 20g
(キャボット社製:モーガルL)
アニオン性界面活性剤・・・・・・・・・ 2g
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・ 78g
以上を混合し、IKA製ウルトラタラックスT50を用いて10分間分散を行い、着色剤粒子分散液(アニオン製)2を調製した。この着色剤粒子分散液(アニオン性)1における粒度分布を、粒度測定装置(堀場製作所製、LA−700)を用いて測定したところ、含まれる着色剤粒子の平均粒径は836nmであり、また1μmを越える粗大粒子が存在していた。この着色剤粒子分散液2において、最大粒径が1μm以下の着色剤粒子の割合は60%である。
【0084】
−−着色剤粒子分散液3の調製−−
カーボンブラック・・・・・・・・・・・ 20g
(キャボット社製:モーガルL)
カチオン性界面活性剤・・・・・・・・・ 4g
(花王(株)製:サニゾールB50)
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・ 76g
以上を混合し、超音波洗浄機(本田電子社製、W−113)を用いて発振周波数28kHzで10分間分散を行って着色剤粒子分散液(カチオン性)3を調製した。この着色剤粒子分散液(カチオン性)3における粒度分布を、粒度測定装置(堀場製作所製、LA−700)を用いて測定したところ、含まれる着色剤粒子の平均粒径は200nmであり、また1μmを越える粗大粒子は観察されなかった。この着色剤粒子分散液3において、最大粒径が1μm以下の着色剤粒子の割合は100%である。
【0085】
(参考例1)
<混合液調製工程>
樹脂粒子分散液(アニオン性)1・・・180g
樹脂粒子分散液(アニオン性)2・・・ 80g
着色剤分散液(アニオン性)1・・・・ 30g
離型剤分散液(アニオン性)1・・・・ 50g
以上を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて混合し、分散して混合液を調製した。この混合液においては、粒子が均一に分散していた。
【0086】
<凝集粒子形成工程>
この混合液に凝集剤としてのカチオン性界面活性剤(花王(株)製、サニゾールB50)を1.5g添加し、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら50℃まで加熱した。50℃で1時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が約5.9μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
【0087】
<融合工程>
その後、ここにアニオン製界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)3gを追加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら105℃まで加熱し、3時間保持した。
そして、冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、乾燥させることにより、静電荷像現像用トナーを得た。
【0088】
<評価>
得られた静電荷像現像用トナーにつき、コールターカウンターを用いてその平均粒径を測定してみると、6.0μmであった。また、体積粒度分布の指標である体積GSDを測定したところ、1.22であった。更に、透過型電子顕微鏡を用いて得られた静電荷像現像用トナーの断面を観察したところ、着色剤(カーボンブラック)の分散度は良好で構造的な凝集物は観察されなかった。走査型電子顕微鏡を用いてその表面状態を観察すると、静電荷像現像用トナーの表面への着色剤(カーボンブラック)及びワックス状物の露出は観察されたが、遊離しているものは観られなかった。
【0089】
次に、この静電荷像現像用トナーを、ポリメチルメタクリレート(総研化学社製)を1%コートした平均粒径が50μmであるフェライトキャリアに対しトナー濃度が5重量%となるようにガラス瓶に秤量し、ボールミル上で5分間混合して静電荷像現像剤を作製した。なお、前記混合する際の環境条件を、夏場環境(30℃、相対湿度85%)と、冬場環境(5℃、相対湿度10%)とし、前記混合後に、東芝製ブローオフ帯電量測定機を用いて帯電量の測定を行った。その結果、静電荷像現像用トナーは、夏場環境では28μC/g、冬場環境では35μC/gの帯電量を示し、両者の比率は0.8という高い値を示した。したがって、得られた静電荷像現像用トナーは、帯電性に優れ、かつその環境安定性にも優れていた。
前記静電荷像現像剤につき、富士ゼロックス(株)製V500改造機で堅牢性試験機でウエス摺擦により定着評価を行ったところ、130℃のヒートロール温度で十分な定着性を示し、オフセットは220℃までその発生は観られなかった。
前記静電荷像現像剤を用いて連続走行試験を行ったところ、1万枚後も安定した画像を持続し、感光体へのフィルミング等の発生も観られなかった。
【0090】
(比較例1)
参考例1において、着色剤粒子分散液(アニオン性)1を着色剤粒子分散液(カチオン性)3に代えた外は参考例1と同様にして行った。得られたトナーの平均粒径は6.2μmであり、体積GSDは1.21であった。更に、透過型電子顕微鏡を用いて得られたトナーの断面を観察したところ、着色剤(カーボンブラック)の分散構造にムラが観察され、着色剤が直線上に並んだ構造と、着色剤が存在していない部分とが観察された。また、走査型電子顕微鏡を用いて得られたトナーの表面状態を観察したところ、トナー表面への着色剤及びワックス状物の露出が観られ、遊離しているものも観察された。
【0091】
(実施例1)
<混合液調製工程>
樹脂粒子分散液(アニオン性)1・・・120g
樹脂粒子分散液(アニオン性)2・・・ 80g
着色剤分散液(アニオン性)1・・・・ 30g
離型剤分散液(アニオン性)1・・・・ 40g
以上を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて混合し、分散して混合液を調製した。この混合液においては、粒子が均一に分散していた。
【0092】
<凝集粒子形成工程>
この混合液に凝集剤としてのカチオン性界面活性剤(花王(株)製、サニゾールB50)を1.5g添加し、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で30分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が約5μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
【0093】
<付着粒子形成工程>
ここで樹脂粒子分散液1を緩やかに60g追加し、さらに加熱用オイルバスの温度を上げて50℃で1時間保持した。なお、ここで前記凝集粒子分散液中に添加する樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の体積は、得られるトナー粒子の体積の23%に相当していた。得られた付着粒子について光学顕微鏡を用いて観察してみると、その平均粒径が約5.7μmである付着粒子が形成されていることが観察された。
【0094】
<融合工程>
その後、ここにアニオン製界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)3gを追加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら105℃まで加熱し、3時間保持した。
そして、冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、乾燥させることにより、静電荷像現像用トナーを得た。
【0095】
<評価>
得られた静電荷像現像用トナーにつき、コールターカウンターを用いてその平均粒径を測定してみると、5.8μmであった。また、体積粒度分布の指標である体積GSDを測定したところ、1.24であった。更に、透過型電子顕微鏡を用いて得られた静電荷像現像用トナーの断面を観察したところ、着色剤(カーボンブラック)の分散度は良好で構造的な凝集物は観察されなかった。走査型電子顕微鏡を用いてその表面状態を観察すると、静電荷像現像用トナーの表面には、着色剤(カーボンブラック)及びワックス状物の露出は観察されなかった。
【0096】
次に、この静電荷像現像用トナーを、ポリメチルメタクリレート(総研化学社製)を1%コートした平均粒径が50μmであるフェライトキャリアに対しトナー濃度が5重量%となるようにガラス瓶に秤量し、ボールミル上で5分間混合して静電荷像現像剤を作製した。なお、前記混合する際の環境条件を、夏場環境(30℃、相対湿度85%)と、冬場環境(5℃、相対湿度10%)とし、前記混合後に、東芝製ブローオフ帯電量測定機を用いて帯電量の測定を行った。その結果、静電荷像現像用トナーは、夏場環境では28μC/g、冬場環境では35μC/gの帯電量を示し、両者の比率は0.8という高い値を示した。したがって、得られた静電荷像現像用トナーは、帯電性に優れ、かつその環境安定性にも優れていた。
前記静電荷像現像剤につき、富士ゼロックス(株)製V500改造機で堅牢性試験機でウエス摺擦により定着評価を行ったところ、130℃のヒートロール温度で十分な定着性を示し、オフセットは220℃までその発生は観られなかった。
前記静電荷像現像剤を用いて連続走行試験を行ったところ、1万枚後も安定した画像を持続し、感光体へのフィルミング等の発生も観られなかった。
【0097】
(比較例2)
実施例1において、着色剤粒子分散液(アニオン性)1を着色剤粒子分散液(カチオン性)3に代えた外は実施例1と同様にして行った。得られたトナーの平均粒径は6.3μmであり、体積GSDは1.22であった。更に、透過型電子顕微鏡を用いて得られたトナーの断面を観察したところ、着色剤(カーボンブラック)の分散構造にムラが観察され、着色剤が直線上に並んだ構造と、着色剤が存在していない部分とが観察された。また、走査型電子顕微鏡を用いて得られたトナーの表面状態を観察したところ、トナー表面への着色剤及びワックス状物の露出は僅かに観察され、遊離しているものも多少観察された。
【0098】
(実施例2)
実施例1において、着色剤粒子分散液(アニオン性)1を着色剤粒子分散液(アニオン性)2に代えた外は実施例1と同様にして行った。得られたトナーの平均粒径は5.8μmであり、体積GSDは1.22であったが、小粒径の粒子が多数存在し、数GSDは1.35と悪かった。
更に、透過型電子顕微鏡を用いて得られたトナー断面を観察したところ、着色剤(カーボンブラック)があまり存在せず、該トナー中に十分に取り込まれていないことが観察された。また、この時得られるトナーの着色度は低く灰色をしていた。また、走査型電子顕微鏡を用いて得られたトナーの表面状態を観察したところ、トナー表面への着色剤(カーボンブラック)及びワックス状物の露出は僅かであるが、遊離しているものが多少観察された。ただし、このトナーは、実用性能上問題はない。
【0099】
(参考例2)
参考例1において、着色剤粒子分散液(アニオン性)1における着色剤粒子(カーボンブラック)を銅フタロシアニン(BASF社製、PV FAST BLUE)に代えた外は参考例1と同様にして行った。該銅フタロシアニンの平均粒径は150nmであり、1μm以上の粗大粒子は観察されなかった。得られたトナーの体積GSDは1.20であった。更に、透過型電子顕微鏡を用いて得られたトナーの断面を観察したところ、着色剤(銅フタロシアニン)の分散度は良好で構造的な凝集体は観察されなかった。また、走査型電子顕微鏡を用いて得られたトナーの表面状態を観察したところ、トナー表面へのワックス状物の露出は僅かであり、遊離しているものは観られなかった。
【0100】
(参考例3)
参考例1において、着色剤粒子分散液(アニオン性)1における着色剤粒子(カーボンブラック)をキナクリドン顔料(大日精化社製、ECR183)に代えた外は参考例1と同様にして行った。該キナクリドン顔料の平均粒径は241nmであり、1μm以上の粗大粒子は観察されなかった。得られたトナーの体積GSDは1.24であった。更に、透過型電子顕微鏡を用いて得られたトナーの断面を観察したところ、着色剤(キナクリドン顔料)の分散度は良好で構造的な凝集体は観察されなかった。また、走査型電子顕微鏡を用いて得られたトナーの表面状態を観察したところ、トナー表面へのワックス状物の露出は僅かであり、遊離しているものは観られなかった。
【0101】
(参考例4)
参考例1において、着色剤粒子分散液(アニオン性)1における着色剤粒子(カーボンブラック)をモノアゾ系顔料(大日精化社製、IO−NO28)に代えた外は参考例1と同様にして行った。該モノアゾ系顔料の平均粒径は316nmであり、1μm以上の粗大粒子は観察されなかった。得られたトナーの体積GSDは1.23であった。更に、透過型電子顕微鏡を用いて得られたトナーの断面を観察したところ、着色剤(モノアゾ系顔料)の分散度は良好で構造的な凝集体は観察されなかった。また、走査型電子顕微鏡を用いて得られたトナーの表面状態を観察したところ、トナー表面へのワックス状物の露出は僅かであり、遊離しているものは観られなかった。
【0102】
【発明の効果】
本発明によると、前記従来における様々な問題を解決することができる。また、本発明によると、発色性、帯電性、現像性、転写性、定着性等の諸特性、特に帯電性及び発色性に優れた信頼性の高い静電荷像現像用トナー及び該静電荷像現像用トナーを含有する静電荷像現像剤を提供することができる。また、本発明によると、該静電荷像現像用トナーを容易にかつ簡便に製造し得る静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することができる。更に、本発明によると、高画質で信頼性の高い画像を容易にかつ簡便に形成し得る画像形成方法を提供することができる。
Claims (11)
- 極性を有する分散剤中に樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液と、極性を有する分散剤中に着色剤粒子を分散させてなる着色剤粒子分散液とを少なくとも混合して混合液を調製する混合液調製工程、前記混合液中において凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する凝集粒子形成工程、及び、前記凝集粒子を加熱して融合する融合工程を含み、前記混合液中に含まれる分散剤の極性が同極性であり、
前記凝集粒子形成工程が、前記混合液中に含まれる分散剤の極性と逆極性の凝集剤を前記混合液中に添加することにより該混合液中において凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する工程であり、
かつ、前記凝集粒子形成工程の後であって前記融合工程の前に、極性を有する分散剤中に微粒子を分散させてなる微粒子分散液を前記凝集粒子分散液中に添加混合して前記凝集粒子に前記微粒子を付着させて付着粒子を形成する付着粒子形成工程を更に含み、前記融合工程における凝集粒子が前記付着粒子であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 前記微粒子の平均粒径が1μm以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記樹脂粒子の平均粒径が1μm以下である請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記凝集粒子が離型剤粒子を含有する請求項1から3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記着色剤粒子の平均粒径が、0.5μm以下である請求項1から4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記着色剤粒子が、最大粒径が1μm以下のものを99%以上含む着色剤粒子である請求項1から5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記着色剤粒子がカーボンブラック顔料であり、前記着色剤分散液が、極性を有する分散剤中に該カーボンブラック粒子を、発振周波数60kHz以下の超音波を用いて分散させてなる請求項1から6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記着色剤粒子分散液に含まれる分散剤が、アルキルベンゼンスルホン酸塩又はアルキル硫酸エステル塩である請求項1から7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 請求項1から8のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法により製造されることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 電子写真用キャリアと静電荷像現像用トナーとを含有する静電荷像現像剤において、前記静電荷像現像用トナーが請求項9に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする静電荷像現像剤。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程、現像剤担持体上の現像剤層により前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程、及び前記トナー画像を転写体上に転写する転写工程を含む画像形成方法において、前記現像剤層が、請求項9に記載の静電荷像現像用トナーを含有することを特徴とする画像形成方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP318297A JP3871753B2 (ja) | 1997-01-10 | 1997-01-10 | 静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法 |
US09/004,343 US5998078A (en) | 1997-01-10 | 1998-01-08 | Method of preparing toner for electrostatic charge image development, toner for electrostatic charge image development, electrostatic charge image developer, and image forming method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP318297A JP3871753B2 (ja) | 1997-01-10 | 1997-01-10 | 静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10198070A JPH10198070A (ja) | 1998-07-31 |
JP3871753B2 true JP3871753B2 (ja) | 2007-01-24 |
Family
ID=11550254
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP318297A Expired - Fee Related JP3871753B2 (ja) | 1997-01-10 | 1997-01-10 | 静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5998078A (ja) |
JP (1) | JP3871753B2 (ja) |
Families Citing this family (21)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3505993B2 (ja) * | 1998-03-03 | 2004-03-15 | 株式会社村田製作所 | 回路形成用荷電性粉末及びそれを用いた多層配線基板 |
JP3196754B2 (ja) * | 1999-02-17 | 2001-08-06 | 富士ゼロックス株式会社 | 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法 |
JP2001175024A (ja) * | 1999-12-21 | 2001-06-29 | Mitsubishi Chemicals Corp | 静電荷像現像用トナー |
JP4284005B2 (ja) * | 2001-04-02 | 2009-06-24 | 株式会社リコー | 電子写真トナーおよびその製造方法 |
WO2004055600A1 (ja) * | 2002-10-30 | 2004-07-01 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | 二成分現像剤及びこれを用いた画像形成方法 |
CN100365511C (zh) | 2003-01-17 | 2008-01-30 | 松下电器产业株式会社 | 制备调色剂的方法 |
US20060263711A1 (en) * | 2003-07-09 | 2006-11-23 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Toner, process for producing toner, two-component developing agent and image forming apparatus |
US7459254B2 (en) | 2003-11-20 | 2008-12-02 | Panasonic Corporation | Toner and two-component developer |
US20050196694A1 (en) * | 2004-03-04 | 2005-09-08 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Toner, method for producing toner, two component developer, and image forming apparatus |
JPWO2005116779A1 (ja) | 2004-05-27 | 2008-04-03 | 松下電器産業株式会社 | トナー及びトナーの製造方法 |
US7645550B2 (en) | 2004-12-17 | 2010-01-12 | Panasonic Corporation | Toner, process for producing toner, and two-component developing agent |
JP4633786B2 (ja) * | 2005-02-17 | 2011-02-16 | パナソニック株式会社 | トナー、トナーの製造方法及び二成分現像剤 |
JPWO2006100845A1 (ja) * | 2005-03-18 | 2008-08-28 | 松下電器産業株式会社 | トナー及びトナーの製造方法 |
US20070037086A1 (en) * | 2005-08-11 | 2007-02-15 | Xerox Corporation | Toner composition |
US20100167197A1 (en) * | 2005-09-21 | 2010-07-01 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Toner and process for producing the same |
US20090035682A1 (en) * | 2006-01-24 | 2009-02-05 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Toner and process for producing the same |
JPWO2007088667A1 (ja) * | 2006-02-03 | 2009-06-25 | パナソニック株式会社 | トナー及びその製造方法 |
JP2007264315A (ja) * | 2006-03-28 | 2007-10-11 | Mitsubishi Chemicals Corp | 着色剤分散体、着色剤分散体の製造方法及び静電荷像現像用トナーの製造方法 |
JP4404919B2 (ja) * | 2007-07-02 | 2010-01-27 | シャープ株式会社 | トナーの製造方法 |
JP2009031823A (ja) * | 2008-11-14 | 2009-02-12 | Mitsubishi Chemicals Corp | 静電荷像現像用トナー |
JP6273908B2 (ja) * | 2014-03-05 | 2018-02-07 | コニカミノルタ株式会社 | 電子写真用トナーの製造方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2547016B2 (ja) * | 1987-05-15 | 1996-10-23 | 日本カーバイド工業株式会社 | 静電荷像現像用トナ− |
EP0584795B1 (en) * | 1992-08-24 | 1999-03-10 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Electrophotographic developing agent and method of manufacturing the same |
US5346797A (en) * | 1993-02-25 | 1994-09-13 | Xerox Corporation | Toner processes |
JP3456324B2 (ja) * | 1995-10-12 | 2003-10-14 | 日本ゼオン株式会社 | 重合トナーの製造方法 |
US5622806A (en) * | 1995-12-21 | 1997-04-22 | Xerox Corporation | Toner aggregation processes |
-
1997
- 1997-01-10 JP JP318297A patent/JP3871753B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1998
- 1998-01-08 US US09/004,343 patent/US5998078A/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5998078A (en) | 1999-12-07 |
JPH10198070A (ja) | 1998-07-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3141783B2 (ja) | 静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法 | |
JP3871766B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像剤及び画像形成方法 | |
JP3871753B2 (ja) | 静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法 | |
JP4141078B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用現像剤、並びに画像形成方法 | |
JPH10301332A (ja) | 静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法 | |
JPH11327201A (ja) | 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法 | |
JP2007093669A (ja) | 静電荷像現像用トナーの製造方法 | |
JP3685905B2 (ja) | 静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法 | |
JP3141795B2 (ja) | 静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法 | |
JP2958416B2 (ja) | 静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用トナー及び画像形成方法 | |
JP4179074B2 (ja) | 静電荷像現像用マゼンタトナー、その製造法、現像剤及び画像形成方法 | |
JP2000267331A (ja) | 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法 | |
JP2003330220A (ja) | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用現像剤及び画像形成方法 | |
JPH10301333A (ja) | 着色剤分散液、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法 | |
KR100390084B1 (ko) | 정전하 현상용 토너 및 그 제조 방법, 정전하상 현상용현상제 및 화상 형성방법 | |
JP3752877B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー、及びその製造方法、静電荷像現像剤、並びに、画像形成方法 | |
JP3849323B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法 | |
JP3826540B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤、並びに画像形成方法 | |
JP3405036B2 (ja) | 静電荷現像用トナーおよびその製造方法 | |
JPH10207125A (ja) | 電子写真用トナーおよびその製造方法 | |
JP2001125315A (ja) | 画像形成方法 | |
JP2000131876A (ja) | 静電荷現像用トナー及びその製造方法及び静電荷現像剤 | |
JP2008268489A (ja) | 静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像用キャリアの製造方法、静電荷像現像用現像剤及び画像形成装置 | |
JP2007121463A (ja) | 静電荷像現像用トナーの製造方法 | |
JP3680661B2 (ja) | 画像形成方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040810 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041007 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20041108 |
|
A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20041126 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061018 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101027 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111027 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111027 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121027 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121027 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131027 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |