JP2000131876A - 静電荷現像用トナー及びその製造方法及び静電荷現像剤 - Google Patents

静電荷現像用トナー及びその製造方法及び静電荷現像剤

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JP2000131876A
JP2000131876A JP30525198A JP30525198A JP2000131876A JP 2000131876 A JP2000131876 A JP 2000131876A JP 30525198 A JP30525198 A JP 30525198A JP 30525198 A JP30525198 A JP 30525198A JP 2000131876 A JP2000131876 A JP 2000131876A
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Hisae Ishikawa
久江 石川
Yasuo Sumikura
康夫 角倉
Shuji Sato
修二 佐藤
Masaaki Suwabe
正明 諏訪部
Hideo Maehata
英雄 前畑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】帯電安定性および誘電損率性に優れた静電荷現
像用トナー及び静電荷現像剤、およびそのトナーの製造
方法を提供する。 【解決手段】樹脂中に着色剤を含有するトナー粒子より
なる静電荷現像用トナーであって、トナー粒子の含水率
が0.5重量%以下、形状係数SFが100ないし13
7、平均体積粒度分布GSDvが1.28以下、誘電損
率が50以下である。このトナーは、樹脂微粒子分散液
と着色剤分散液とを混合し、樹脂微粒子と着色剤粒子と
を凝集させて凝集体粒子分散液を形成する工程、該凝集
体粒子分散液を樹脂微粒子のガラス転移温度以上に加熱
して、凝集体粒子を融合・合一させる工程を経ることに
よって製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法または
静電記録法等により形成される静電潜像を現像する際に
用いられる静電荷現像用トナー及びその製造方法、及び
静電荷現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法等の静電荷像を経て画像情報
を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されてい
る。電子写真法においては、帯電、露光工程により感光
体上に静電荷像を形成し、トナーを含む現像剤で静電潜
像を現像し、転写、定着工程を経て可視化される。ここ
で用いられる現像剤には、トナーとキャリアからなる2
成分現像剤と、磁性トナーまたは非磁性トナーを単独で
用いる1成分現像剤とが知られているが、そのトナー製
造のためには、通常、熱可塑性樹脂を顔料、帯電制御
剤、ワックス等の離型剤とともに溶融混練し、冷却した
後、微粉砕・分級する混練粉砕製法が利用されている。
また、流動性またはクリーニング性を改善するために、
必要に応じて無機または有機の微粒子がトナー粒子表面
に添加される。これらの方法により、かなり優れた品質
のトナーを製造することができるが、以下に記載する如
きいくつかの問題点がある。
【0003】上記した通常の混練粉砕製法では、トナー
粒子の形状及びトナー粒子の表面構造が不定型であり、
使用材料の粉砕性や粉砕工程の条件により微妙に変化す
るものの、トナー粒子の形状及び表面構造を意図的に制
御することは困難である。また、混練粉砕法では材料選
択の範囲に制限がある。具体的には、形成される樹脂着
色剤分散体が十分に脆くて、経済的に実用可能な製造装
置によって容易に微粉砕されうるものでなければならな
い。ところがこのような要求を満たすべく、形成される
樹脂着色剤分散体が脆くなるような材料を使用すると、
現像機中において与えられる機械的せん断力等により、
トナー粒子からさらに微粉が発生したり、トナー粒子の
形状に変化が生じる。その結果、2成分現像剤において
は、微粉のキャリア表面への固着により、現像剤の帯電
劣化が加速されたり、1成分現像剤においては、粒度分
布の拡大によりトナー飛散が生じたり、トナー粒子の形
状の変化による現像性の低下により画質の劣化が生じや
すくなる。また、ワックス等の離型剤を多量に内添して
トナー化する場合、熱可塑性樹脂との組み合せによって
は離型剤がトナー粒子表面に露出することが多くなる。
特に高分子量成分により弾性が増したやや粉砕されにく
い樹脂とポリエチレンのような脆いワックスとの組み合
せの場合は、ポリエチレンがトナー粒子表面に露出して
くる。この現象は、定着時の離型性や感光体上からの未
転写トナーのクリーニングには有利であるけれども、ト
ナー粒子表層のポリエチレンが機械力により、現像ロー
ル、感光体、キャリア等に容易に移行するために、現像
ロール、感光体及びキャリアの汚染が生じやすくなり、
信頼性の低下につながる。
【0004】更にトナー粒子の形状が不定型であるため
に、流動性助剤の添加によっても流動性が十分でないこ
とがあり、また、使用中の機械的せん断力によりトナー
粒子表面の流動性助剤の微粒子がトナー粒子表面の凹部
に移動して、経時的に流動性が低下したり、流動性助剤
のトナー内部への埋没が起こることにより、現像性、転
写性、クリーニング性が悪化するという問題が生じる。
またクリーニングにより回収されたトナーを再び現像機
に戻して使用すると、さらに画質の低下を生じやすいと
いう問題がある。これらの問題を防ぐために、さらに流
動性助剤を増加すると、感光体上への黒点の発生や助剤
粒子の飛散が生じることになる。
【0005】近年、トナー粒子の形状及び表面構造を意
図的に制御するものとして、例えば、特開昭63−28
2752号公報および特開平6−250439号公報に
記載のように、乳化重合凝集法によるトナーの製造方法
が提案されている。これらは、一般に乳化重合等により
樹脂分散液を作製し、一方、溶媒に着色剤を分散した着
色剤分散液を作製した後、これらを混合し、トナー粒径
に相当する凝集体を形成し、加熱することによって融合
・合一させトナーとする製造方法である。このような湿
式製造法には、大きく分けて、トナー粒子の形状制御が
可能な湿式球形化法、トナー粒子の表面組成制御が可能
な懸濁造粒法、トナー粒子の内部組成まで制御可能な懸
濁重合法、乳化重合凝集法等があり、種々検討されてい
る。
【0006】近年、このように盛んになっている湿式製
造法によるトナーの持つ大きな問題点は、トナー粒子径
を制御あるいは維持するために、多少の程度差はあれ、
界面活性剤または分散剤(以下、「安定剤」とも称
す。)を添加していることである。トナー粒子の製造時
に、前記の安定剤を添加すると、反応終了時にはこれら
の安定剤がトナー粒子中に残存し、また、それに伴い水
分もトナー粒子中に残存する。
【0007】トナー粒子中に安定剤が残存すると、トナ
ーの低帯電、低抵抗への影響があり、特に高温高湿下で
の悪影響が大きく、安定したトナーの現像性、転写性が
達成されない。したがって、トナー粒子中に安定剤が残
存すると、湿式製造法によるトナーの大きな狙いの一つ
であるトナー粒子の粒度分布をシャープ化でき、かつト
ナー粒子の小粒径化による高精細な画像を実現できると
いう利点を損なうことになる。またトナー粒子表面の汚
染により流動性、保存性等が低下し、信頼性の低下にも
つながる。また、水分を含みやすい。そのため、特に湿
式製造法によりトナー粒子を形成した後は、安定剤をト
ナー粒子から除去するための洗浄工程が必要になってい
る。
【0008】従来実施されているトナー粒子から安定剤
を除去するための方法は、多くがトナー粒子を水で洗浄
する方法であるが、それによりトナー粒子表面に付着し
ている安定剤を完全に除去することは不可能であり、な
るべく安定剤の量を減少させようとすると、洗浄水量が
莫大なものとなってしまう。また、溶液中に浮遊してい
る大量の安定剤についても分離しがたいという問題があ
る。さらに、乳化重合凝集法によるトナー等では、トナ
ー内部に残存している安定剤に関しては、理論的に除去
できない。
【0009】そこで、一度洗浄したものについて、さら
にトナー粒子を構成する樹脂のガラス転移点温度(T
g)以上に加熱して攪拌する洗浄方法も知られているが
(特願平09―129040号公報)、この方法はかな
りの手間を要し、また、トナー粒子径をさらに増大させ
るという問題もある。
【0010】上記した安定剤に関する問題は、特願平1
0−47780号明細書に記載のように、無機金属塩を
凝集剤として用いる場合においても、原料の分散液中に
界面活性剤が存在しているので、同様である。そしてそ
の場合、トナー粒子の形状係数SFを100から137
の範囲になるほどに合一度をあげると、粒子内に空隙部
が多く存在することになり、この粒子内部の空隙部に残
る界面活性剤や水分は、洗浄、乾燥による通常の方法で
は除去することができない。このように、粒子内部に多
くの水分を含有するトナーは、安定した帯電性を示さ
ず、誘電損率の悪化から良好な転写性を示すものではな
い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のトナ
ーにおける上述のごとき問題点を解決することを目的と
するものである。すなわち、本発明の目的は、帯電安定
性および誘電損率性に優れた静電荷現像用トナー及び静
電荷現像剤を提供することにある。本発明の他の目的
は、帯電安定性および誘電損率性に優れた静電荷現像用
トナーを容易に得ることが可能なトナーの製造方法を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
の結果、詳細な理由は必ずしも明らかではないが、トナ
ー中の残留安定剤をある一定範囲内に低減させ、かつト
ナー粒子の誘電特性を一定値以下に保持した静電荷現像
用トナーとすることにより良好な帯電特性、転写特性、
高画質が得られることを見出し本発明を完成するに至っ
た。
【0013】すなわち、本発明の静電荷現像用トナー
は、樹脂中に着色剤を含有するトナー粒子よりなるもの
であって、そのトナー粒子の含水率が0.5重量%以
下、形状係数(SF)が100ないし137、平均体積
粒度分布(GSDv)が1.28以下、誘電損率が50
以下であることを特徴とする。
【0014】本発明の静電荷現像剤は、トナー粒子とキ
ャリアとからなるものであって、そのトナー粒子の含水
率が0.5重量%以下、形状係数(SF)が100ない
し137、平均体積粒度分布(GSDv)が1.28以
下、誘電損率が50以下であることを特徴とする。
【0015】本発明の上記静電荷現像用トナーは、樹脂
微粒子分散液と着色剤分散液とを混合し、樹脂微粒子と
着色剤粒子とを凝集させて凝集体粒子分散液を形成する
工程、該凝集体粒子分散液を樹脂微粒子のガラス転移温
度以上に加熱して、凝集体粒子を融合・合一させる工程
を経て製造することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳記する。本発明の静電荷現像用トナーは、含水率が
0.5重量%以下、形状係数(SF)が100ないし1
37、平均体積粒度分布(GSDv)が1.28以下、
誘電損率が50以下のトナー粒子よりなる。
【0017】本発明の静電荷現像用トナーは、誘電特性
のなかで、特に誘電損率(比誘電損率ともいう)を50
以下に抑えることが必要であり、30以下のものが好ま
しい。誘電損率は、交流電場下に置かれた誘電体の抵抗
(電流損失)を表し、その値が大きいほど抵抗は低下す
ることが知られている。誘電損率が50を越えると、ト
ナーの抵抗が低下し、特に転写特性に悪影響を与え、特
にクリーニングにて回収されたトナーを再利用するシス
テム、及びクリーナーレスを達成するシステムにおい
て、長期にわたるコピー操作に際して信頼性が劣るもの
となる。
【0018】誘電損率の測定は、例えばトナー粉体を錠
剤に成型し、誘電体測定用電極に設置し、100KHz
までの交流電場をかけて測定される。乾燥後のトナーの
誘電損率の具体的な測定方法は、次の通りである。すな
わち、トナー5gをペレット成型し、電極〔SE−71
型固体用電極、安藤電気(株)製〕間にセットし、LC
Rメーター(4274A型、横川ヒューレットパッカー
ド製)にて5Vで電導度を測定し、下記の式(1)によ
って求められる。 誘電損率=〔14.39/(W×D2 )〕×GX ×TX ×1012・・・(1) (ここで、W=2πf(f:測定周波数100KH
z)、D:電極直径(cm)、GX :試料の電導度
(S)、TX :試料厚み(cm)を表す。)
【0019】また、トナーは、含水率が0.5重量%以
下であることが必要である。含水率が0.5重量%より
も高くなると、誘電損率も高くなり、現像性および転写
性が劣るものになる。なお、含水率の測定は、次のよう
にして行う。すなわち、トナー1gを正確に秤量し(W
1 )、110℃で1 時間乾燥し、乾燥減量(W2 )を測
定する。これらの測定値から、下記式(2)によって含
水率(%)を算出する。 含水率=(W2 /W1 )×100・・・・・(2) また、本発明の静電荷現像用トナーにおいて、トナー粒
子の形状係数SFは、100〜137であることが必要
である。形状係数が137よりも大きくなると、転写性
が悪くなる。なお、形状係数SFは、画像解析によるト
ナー形状係数平均値であって、例えば、以下のようにし
て算出することができる。すなわち、スライドガラス上
に散布したトナーの光学顕微鏡による像をビデオカメラ
を通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100
個以上のトナー粒子の、周囲長MLと投影面積Aを求
め、式(ML2 /A)×(1/4π)×100の値を計
算し、その平均値を求めることにより得られる。一般に
は、形状が球形(真球)に近い形状である程、帯電性へ
の悪影響があり、画像濃度の低下等、実使用上好ましく
ないことがあるが、本発明の静電荷現像用トナーは、形
状が球形でも安定した帯電特性を達成することが可能で
ある。
【0020】また、本発明の静電荷現像用トナーにおい
ては、その平均体積粒度分布GSDvが1.28以下で
あることが必要である。平均体積粒度分布が1.28よ
りも大きくなると、高精細な画像の形成が困難になる。
なお、平均体積粒度分布(GSDv)とは、(体積D8
4%/体積D16%)0.5 で表される。
【0021】本発明の静電荷現像用トナーは、次のよう
にして製造することができる。すなわち、樹脂微粒子分
散液と着色剤分散液とを混合し、樹脂微粒子と着色剤粒
子とを凝集させて凝集体粒子分散液を形成する工程、お
よび得られた凝集体粒子分散液を樹脂微粒子のガラス転
移温度以上に加熱して、凝集体粒子を融合・合一させる
工程を経ることによって作製される。その場合、樹脂粒
子と着色剤の他に、必要に応じて、無機金属塩微粒子、
離型剤微粒子、帯電制御剤微粒子等を添加することがで
きる。これらの微粒子分散液を複数回に分けて添加混合
することが望ましい。
【0022】より具体的に説明すると、まず、少なくと
も1μm以下の粒径の樹脂微粒子を分散した樹脂微粒子
分散液、着色剤分散液、および所望によって添加される
離型剤等を分散した分散液を混合し、樹脂微粒子と着色
剤の凝集体粒子分散液を形成する。次いで、得られた凝
集体粒子分散液を、樹脂微粒子のガラス転移温度(T
g)以上、好ましくはTgないしTg+10℃の温度範
囲に昇温して、例えば、2時間以上かけて目的とするト
ナー粒子径になるまで凝集体粒子を成長させた後、凝集
を停止してさらに同温度に加熱し、10時間以内に凝集
体粒子の表面を融合・合一させて、形状係数:100〜
137の範囲のトナー粒子を形成させる。それによって
乾燥後のトナー粒子の含水率を0.5%以下にすること
ができる。乾燥は、例えば凍結乾燥した後、真空乾燥す
る方法等によって行うのが好ましいが、特にそれに限定
されるものではない。
【0023】上記の樹脂微粒子分散液に使用される樹脂
としては、熱可塑性結着樹脂が好ましく使用される。熱
可塑性結着樹脂となるビニル系重合体の例としては、ス
チレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等の
スチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル
酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸
ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル
基を有するエステル類、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル等のビニルニトリル類、ビニルメチルエーテ
ル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソ
プロペニルケトン等のビニルケトン類、エチレン、プロ
ピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類等のビニル
系単量体の単独重合体またはこれらを2種以上組み合せ
て得られる共重合体、またはこれらの混合物、さらには
エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、
ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂
等、非ビニル縮合系樹脂、およびこれらの樹脂と前記ビ
ニル系重合体との混合物、これら樹脂の共存下でビニル
系単量体を重合することによって得られるグラフト重合
体等をあげることができる。
【0024】樹脂微粒子分散液は、上記の樹脂を水中に
2〜40重量%の濃度になるように分散させて形成され
るが、分散する樹脂微粒子の平均粒径は1μm以下であ
るのが望ましく、より望ましくは0.01〜1μmの範
囲である。樹脂微粒子の平均粒径が1μmを越えると、
最終的に得られる静電荷現像用トナーの粒径分布が広く
なったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下
につながる。一方、樹脂微粒子の平均粒径が前記範囲内
にあると、前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少
し、トナー中での分散が良好となり、性能や信頼性のバ
ラツキが小さくなる点が有利である。なお、樹脂微粒子
の平均粒径は、例えば、コールターカウンター等を用い
て測定することができる。
【0025】なお、ビニル系単量体の場合は、イオン性
界面活性剤などを用いて乳化重合やシード重合を実施し
て樹脂微粒子分散液を作製することができ、その他の樹
脂の場合は、油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶
解するものであれば樹脂をそれらの溶剤に溶解して、水
中にイオン性の界面活性剤または高分子電解質とともに
ホモジナイザー等の分散機により水中に微粒子分散し、
その後加熱または減圧して溶剤を蒸散することにより、
樹脂微粒子分散液を作製することができる。その場合、
樹脂微粒子中の含有量は3重量%以下であることが好ま
しい。
【0026】また、樹脂微粒子中には、凝集剤として、
無機金属塩が含まれていてもよい。無機金属塩として
は、水酸化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸亜鉛などが
あげられ、その含有量は1重量%以下であるのが好まし
い。
【0027】一方、着色剤の例としては、カーボンブラ
ック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイ
エロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネ
ントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオ
レンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、
ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6
B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソー
ルレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ロー
ズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、
カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタ
ロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイ
トグリーンオキサレート等の種々の顔料、アクリジン
系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン
系、アントラキノン系、チオインジゴ系、ジオキサジン
系、チアジン系、アゾメチン系、インジゴ系、フタロシ
アニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフ
ェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系等
の各種染料等があげられ、これらの着色剤は1種または
複数種類を併せて使用することができる。
【0028】着色剤分散液は、上記の着色剤を水中に2
〜40重量%の濃度になるように添加し、使用する樹脂
とは逆極性のイオン性界面活性剤を用い、回転剪断型ホ
モジナイザーやボールミル、サンドミル、ダイノミル等
の公知の分散装置によって作製することができる。着色
剤の平均粒径は、散乱式の測定機(HORIBA製LA
700)等によって測定され、0.05〜0.50μm
の範囲にあることが好ましい。
【0029】本発明において、上記樹脂微粒子分散液と
上記着色剤分散液とを混合する際に、内添剤を添加して
もよい。内添剤として、フェライト、マグネタイト、還
元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、
又はこれら金属を含む化合物等の磁性体を使用すること
ができる。また、帯電制御剤として、4級アンモニウム
塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミニウム、鉄、ク
ロム等の錯体からなる染料およびトリフェニルメタン系
顔料等、通常使用される種々の帯電制御剤を使用するこ
とができるが、凝集や会合時の安定性に影響するイオン
強度の制御と廃水汚染減少の点から水に溶解しにくい材
料が好適に使用される。
【0030】また、上記樹脂粒子分散液と上記着色剤分
散液とを混合する際に、離型剤微粒子分散液を添加する
のが好ましい。離型剤の例としては、軟化点120℃以
下の低軟化点物質が好ましい。具体的には、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレ
フィン類、加熱により軟化するシリコーン類、オレイン
酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステ
アリン酸アミド等の脂肪酸アミド類、カルナウバワック
ス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、
ホホバ油等の植物系ワックス、ミツロウ等の動物系ワッ
クス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パ
ラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フ
ィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワック
ス、及びそれらの変性物が使用できる。
【0031】これらの離型剤は、水中にイオン性界面活
性剤、高分子酸または高分子塩基等の高分子電解質とと
もに分散させ、融点以上に加熱するとともに強い剪断を
かけられるホモジナイザーまたは圧力吐出型分散機によ
り微粒子化し、1μm以下の粒径の粒子の分散液として
添加することができる。離型剤分散液を添加する場合、
離型剤の添加量は、1〜20%の範囲が好ましい。
【0032】上記樹脂粒子分散液と上記着色剤分散液と
は、着色剤の添加量が1%〜20%の範囲になる割合で
混合するのが好ましい。樹脂微粒子分散液、着色剤分散
液、及び所望により添加される離型剤分酸液の混合は、
室温〜樹脂のガラス転移温度+10度以内の範囲おいて
2時間以上加熱することにより樹脂粒子と着色剤を凝集
させ、所望の大きさの凝集体粒子を形成させる。その場
合の凝集体微粒子の平均粒径は、2〜9μmの範囲にあ
ることが好ましい。次いで、凝集体粒子が分散された混
合液を樹脂のガラス転移点以上の温度、一般には70〜
120℃で10時間以内で加熱処理する。それによっ
て、凝集体粒子が融合して形状係数SF100〜137
のトナー粒子を含有するトナー粒子含有液(トナー粒子
分散液)が得られる。
【0033】なお、乳化重合、シード重合、顔料分散、
樹脂粒子、離型剤分散、凝集、またはその安定化等に用
いる界面活性剤の例としては、硫酸エステル塩系、スル
ホン酸塩系、リン酸エステル系、石けん系等のアニオン
界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカ
チオン系界面活性剤、またポリエチレングリコール系、
アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価
アルコール系等の非イオン性界面活性剤を併用すること
も効果的であり、分散のため手段としては、回転せん断
型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サン
ドミル、ダイノミル等の一般的なものが使用可能であ
る。
【0034】次いで、得られたトナー粒子含有液は、遠
心分離または吸引濾過によりトナー粒子を分離して、p
H10のアルカリ溶液にて1〜3回洗浄する。その後イ
オン交換水にて1〜3回洗浄し、乾燥することによっ
て、本発明の静電荷現像用トナーを得ることができる。
乾燥は−40℃で凍結後0.5torr以下、40℃で
6時間以上乾燥し、その後真空乾燥機で、0.1tor
r以下、40℃で24時間以上乾燥するのが好ましい。
それにより、水分が充分に除去され、含水率が0.5%
以下であり、誘電損率が約50以下の誘電特性において
優れたトナーが得られる。
【0035】本発明の静電荷現像用トナーの他の好まし
い製造方法として、少なくとも樹脂微粒子および着色剤
を分散させた分散液中で凝集体粒子を形成し凝集体粒子
分散液を形成する第1の工程と、前記凝集体粒子分散液
中に、微粒子を分散させた微粒子分散液を添加混合して
前記凝集体粒子に微粒子を付着させて付着粒子を形成す
る第2の工程と、この付着粒子を加熱して融合・合一さ
せる第3の工程を有する製造方法をあげることができ
る。前記第2の工程は、複数回行なってもよい。また、
この第2の工程において添加される微粒子としては、離
型剤等の低軟化点物質の微粒子、樹脂微粒子、着色剤微
粒子、無機微粒子等があげられる。これらは組合わせて
添加することもできる。前記第2の工程について、具体
的には、例えば次の場合をあげることができる。
【0036】すなわち、前記第2の工程は、凝集体粒子
分散液中に、離型剤微粒子を分散させた離型剤微粒子分
散液を添加混合して、凝集体粒子に離型剤微粒子が付着
した付着粒子を形成した後、樹脂微粒子を分散させた樹
脂微粒子分散液を添加混合して、前記付着粒子に樹脂微
粒子をさらに付着させて付着粒子を形成する工程であっ
てもよい。
【0037】また、前記第2の工程は、樹脂微粒子の凝
集体粒子分散液中に、着色剤微粒子を分散させた着色剤
微粒子分散液を添加混合して、凝集体粒子に着色剤微粒
子が付着した付着粒子を形成した後、樹脂微粒子を分散
させた樹脂微粒子分散液を添加混合して、前記付着粒子
に樹脂微粒子がさらに付着した付着粒子を形成する工程
であってもよい。
【0038】さらに、前記第2の工程は、凝集体粒子分
散液中に、樹脂微粒子を分散させた樹脂含有微粒子分散
液を添加混合して、凝集体粒子に樹脂微粒子が付着した
付着粒子を形成した後、無機微粒子を分散させた無機微
粒子分散液を添加混合して、前記付着粒子に無機微粒子
がさらに付着した付着粒子を形成する工程であってもよ
い。
【0039】前記第2の工程においては、第1の工程に
おいて調製された凝集体粒子分散液中に、前記微粒子分
散液を添加混合して、前記凝集体粒子に前記微粒子を付
着させて付着粒子を形成するが、この微粒子は、凝集体
粒子から見て新たに追加される粒子に該当するので、
「追加粒子」と称されることがある。
【0040】前記微粒子分散液の添加混合の方法として
は、特に制限はなく、例えば、徐々に連続的に行っても
よいし、複数回に分割して段階的に行ってもよい。この
ようにして、前記微粒子(追加粒子)を添加混合するこ
とにより、微小な粒子の発生を抑制し、得られる静電荷
現像用トナーの粒度分布をシャープにすることができ
る。なお、複数回に分割して段階的に添加混合を行う
と、前記凝集体粒子の表面に段階的に前記微粒子による
層が積層され、静電荷現像用トナーの粒子の内部から外
部にかけて構造変化や組成勾配をもたせることができ、
また、粒子の表面硬度を向上させることができ、しか
も、第3の工程における融合・合一時において、粒度分
布を維持し、その変動を抑制することができると共に、
融合・合一時の安定性を高めるための界面活性剤、塩基
又は酸等の安定剤の添加を不要にしたり、それらの添加
量を最少限度に抑制することができ、コストの削減や品
質の改善が可能となる点で有利である。なお、第1の工
程および第3の工程は、前記した凝集体粒子分散液を形
成する工程および凝集体粒子を融合・合一させる工程と
同様にして実施することができる。
【0041】上記のようにして最終的に加熱して得られ
た本発明の静電荷現像用トナーには、流動性助剤または
クリーニング助剤として、シリカ、アルミナ、チタニ
ア、炭酸カルシウム等の無機粒子、またはビニル系樹
脂、ポリエステル、シリコーン等の樹脂微粒子を乾燥状
態で剪断力をかけてトナー粒子表面に添加することもで
きる。
【0042】本発明の静電荷現像用トナーは、それをキ
ャリアと組み合せることにより、静電荷現像剤とするこ
とができる。前記キャリアとしては、特に制限はなく、
それ自体公知のキャリアがあげられる。前記静電荷現像
剤における静電荷現像用トナーとキャリアとの混合比
は、特に制限されるものではなく、目的に応じて適宜決
定することができる。
【0043】本発明の上記静電荷現像剤を用いる画像形
成方法は、静電潜像担持体に潜像を形成する工程、現像
剤担持体上の静電荷現像剤層を用いて静電潜像担持体の
静電潜像を現像する工程、潜像担持体上のトナー画像を
転写体上に転写する工程、潜像担持体上の残留トナーを
除去するクリーニング工程を有するものであって、前記
静電荷現像剤層が、本発明の静電荷現像用トナーを含ん
でおれば、如何なる現像手段を採用してもよい。前記画
像形成方法の各工程は、静電荷現像剤層以外は各々それ
自体一般的な工程であり、公知のコピー機、ファクシミ
リ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。
【0044】本発明において使用する画像形成方法にお
いて、前記クリーニング工程は、トナー画像を形成する
際の余分な静電荷現像用トナーを回収する工程であっ
て、回収された静電荷現像用トナーは、現像剤層に戻す
リサイクル工程によってさらに使用することができる。
クリーニング工程とリサイクル工程とを含む態様の画像
形成方法は、トナーリサイクルタイプのコピー機、ファ
クシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することがで
きる。また、クリーニング工程を省略して、現像と同時
にトナーを回収する態様のリサイクルシステムにも適用
することができる。
【0045】
【実施例】次に具体的な実施例に基づいて本発明を説明
するが、これによって何ら本発明が限定されるものでは
ない。 実施例1 (トナー粒子の調製) 樹脂分散液〔スチレン−ブチルアクリレート−アクリル酸共重合体 (共重合体比82:18:2)、Mw=23000、 Tg=65°C、粒径170μm〕(40重量%分散液) 260g 顔料分散液(モーガルL、キャボット社製)(20重量%分散液) 30g 離型剤分散液(HNP0190、日本精蝋社製)(30重量%分散液) 20g ポリ水酸化アルミニウム(浅田化学社製、Paho2S) 0.5g
【0046】以上の成分を丸型ステンレス鋼製フラスコ
中でウルトラタラックスT50(IKA社製)で混合分
散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら
55℃まで加熱した。55℃で30分保持した後、コー
ルターカウンター(コールター社製マルチサイザー2)
で粒子サイズを測定したところ、約4.5μmの凝集体
粒子が生成していることが確認された。さらに加熱用オ
イルバスの温度を上げて65℃で1時間保持した。粒子
サイズを測定したところ約5.3μmの凝集体粒子が生
成していることが確認された。その後、この凝集体粒子
を含む分散液に、アニオン性界面活性剤(ネオゲンR
K、第一工業製薬)3gを追加した後、ステンレス製フ
ラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しなが
ら97℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、コール
ターカウンターで粒径を測定したところ、5.4μmで
あることが確認された。
【0047】作製したトナー粒子含有液よりトナー粒子
を濾別し、pH10.0の水酸化ナトリウム溶液で洗浄
した後、イオン交換水洗浄を3回実施した。その後トナ
ー粒子を6時間凍結乾燥した後、24時間真空乾燥を実
施し、篩分して平均粒径5.4μm、GSDvが1.2
3で形状係数130のトナーを得た。測定の結果、この
トナーの含水率は0.32%、誘電損率は21であっ
た。
【0048】 実施例2 (トナー粒子の調製) 樹脂分散液(スチレン−ブチルアクリレート−アクリル酸共重合体 (共重合体比82:18:2)、Mw=20000、 Tg=60℃、粒径170μm)(40重量%分散液) 210g 顔料分散液(モーガルL、キャボット社製)(20重量%分散液) 30g 離型剤分散液(HNP0190、日本精蝋社製)(30重量%分散液) 20g カチオン系界面活性剤(サニゾールC、花王社製) 1.5g
【0049】以上の成分を丸型ステンレス鋼製フラスコ
中でウルトラタラックスT50(IKA社製)で混合分
散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら
52℃まで加熱した。52℃で30分保持した後、コー
ルターカウンターで粒子サイズを測定したところ、約
4.0μmの凝集粒子が生成していることが確認され
た。ここで上記と同一の樹脂分散液50gを追加添加し
た後、更に加熱用オイルバスの温度を上げて64℃で1
時間保持した。粒子サイズを測定したところ、約5.3
μmの凝集粒子が生成していることが確認された。
【0050】その後、この凝集体粒子を含む分散液に、
アニオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬)
3gを追加した後、ステンレス鋼製フラスコを密閉し、
磁力シールを用いて撹拌を継続しながら97℃まで加熱
し、4時間保持した。冷却後、コールターカウンターで
粒径を測定したところ、5.5μmであることが確認さ
れた。トナー粒子を濾別した後、pH10.0の水酸化
ナトリウム溶液で洗浄し、その後イオン交換水にて3回
洗浄した。6時間凍結乾燥した後、24時間真空乾燥を
実施し、その後篩分して、平均粒径5.6μm、GSD
vが1.24で形状係数114のトナーを得た。測定の
結果、このトナーの含水率は0.38%、誘電損率は3
0であった。
【0051】 実施例3 (トナー粒子の調製) 樹脂分散液(スチレン−ブチルアクリレート−アクリル酸共重合体 (共重合体比82:18:2)、Mw=20000、 Tg=60℃、粒径170μm)(40重量%分散液) 210g 顔料分散液(モーガルL、キャボット社製)(20重量%分散液) 30g 離型剤分散液(HNP0190、日本精蝋社製)(30重量%分散液) 20g 塩化第二鉄 1.5g
【0052】以上の成分を丸型ステンレス鋼製フラスコ
中でウルトラタラックスT50(IKA社製)で混合分
散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら
52℃まで加熱した。52℃で30分保持した後、コー
ルターカウンターで粒子サイズを測定したところ、約
4.3μmの凝集粒子が生成していることが確認され
た。ここで上記と同一の樹脂分散液50gを追加添加し
た後、更に加熱用オイルバスの温度を上げて61℃で1
時間保持した。粒子サイズを測定したところ、約5.4
μmの凝集粒子が生成していることが確認された。
【0053】その後、この凝集体粒子を含む分散液に、
アニオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬社
製)3gを追加した後、ステンレス鋼製フラスコを密閉
し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら97℃まで
加熱し、4時間保持した。冷却後、コールターカウンタ
ーで粒径を測定したところ、5.4μmであることが確
認された。トナー粒子を濾別した後、pH10.0の水
酸化ナトリウム溶液で洗浄した後、イオン交換水にて3
回洗浄した。6時間凍結乾燥した後、24時間真空乾燥
を実施した。その後篩分して、平均粒径5.6μm、G
SDvが1.22で、形状係数128のトナーを得た。
測定の結果、このトナーの含水率は0.28%、誘電損
率は25であった。
【0054】比較例1 実施例1と同様の成分を丸型ステンレス鋼製フラスコ中
でウルトラタラックスT50(IKA社製)で混合分散
した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら5
2℃まで加熱した。55℃で30分保持した後、コール
ターカウンターで粒子サイズを測定したところ、約4.
2μmの凝集粒子が生成していることが確認された。こ
こで実施例1の場合と同様の樹脂分散液を50g追加添
加した後、更に加熱用オイルバスの温度を上げて80℃
で1時間保持した。粒子サイズを測定したところ約5.
4μmの凝集粒子が生成していることが確認された。
【0055】その後、この凝集体粒子を含む分散液に、
アニオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬社
製)3gを追加した後、ステンレス製フラスコを密閉
し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら97℃まで
加熱し、4時間保持した。冷却後、コールターカウンタ
ーで粒径を測定したところ、5.6μmであることが確
認された。トナー粒子を濾別した後、pH10.0の水
酸化ナトリウム溶液で洗浄後イオン交換水にて3回洗浄
した。6時間凍結乾燥した後、24時間真空乾燥を実施
した。その後篩分して、平均粒径5.6μm、GSDv
が1.22で、形状係数130のトナーを得た。測定の
結果、このトナーの含水率は0.60%、誘電損率は9
2であった。
【0056】比較例2 実施例1と同様の成分を丸型ステンレス鋼製フラスコ中
でウルトラタラックスT50(IKA社製)で混合分散
した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら7
0℃まで1時間で加熱した。コールターカウンターで粒
子サイズを測定すると約5.4μmの凝集粒子が生成し
ていることが確認された。ここで実施例1の場合と同様
の樹脂分散液を50g追加添加した後、更に加熱用オイ
ルバスの温度を上げて80℃で30分保持した。粒子サ
イズを測定したところ、約5.7μmの凝集粒子が生成
していることが確認された。
【0057】その後、この凝集体粒子を含む分散液に、
アニオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬社
製)3gを追加した後、ステンレス鋼製フラスコを密閉
し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら97℃まで
加熱し、4時間保持した。冷却後、コールターカウンタ
ーで粒径を測定したところ、5.7μmであった。
【0058】トナー粒子を濾別した後、pH10.0の
水酸化ナトリウム溶液で洗浄後イオン交換水にて3回洗
浄した。6時間凍結乾燥した後、24時間真空乾燥を実
施した。その後篩分して、平均粒径5.6μm、GSD
vが1.25で、形状係数127のトナーを得た。測定
の結果、このトナーの含水率は0.58%、誘電損率は
120であった。
【0059】前記のようにして得られた実施例1〜3の
トナー、及び比較例1〜2のトナーで用いて静電荷現像
剤を作製し、各特性の評価を行った。まず、V型ブレン
ダーによりそれぞれのトナーとキャリアとを混合して静
電荷現像剤とした。キャリアとしては、アクリル樹脂コ
ートキャリア(平均粒径80ミクロン、富士ゼロックス
社製)を用い、トナー濃度が5%になるように混合し
た。これらの静電荷現像剤について、複写機(Able
1302α改造MC富士ゼロックス社製)に入れ、28
℃、90RH%の環境下で初期および5万枚のランニン
グテストを行った後の帯電性、現像性、転写性を評価し
た。
【0060】<帯電安定性>帯電安定性は、ブローオフ
トライボ測定装置(東芝ケミカル社製)により、磁気ロ
ール上の現像剤の帯電量を測定し、その低下度合いによ
り判定した。 ○・・・変化が5μc/g以下 △・・・5〜10μc/g ×・・・10μc/g以上 ×・・・0.3以上
【0061】<転写性>転写性の評価は、感光体上のソ
リッド像(反射濃度ID=0.7)をテープ転写し官能
評価を実施した。 ○・・・ムラなく良好 △・・・実使用上問題とはならないがややムラ有り ×...ムラ多く問題あり <現像性>
【0062】現像性は、チャート上のソリッドサンプル
の反射濃度測定により行った。その低下度合いにより判
定した。 ○・・・変化が0.15以下 △・・・0.15〜0.3 ×・・・0.3以上
【0063】以上の結果を表1に示す。
【表1】
【0064】表1から明らかなように、本発明の静電荷
現像剤は、帯電安定性、現像性、転写性に優れ、特に長
期の使用(50000枚)後において、これらの特性が
維持されており、転写効率も高いことを示している。
【0065】
【発明の効果】以上のように本発明の静電荷現像用トナ
ーによれば、誘電損率が50以下と低く誘電特性に優れ
ており、転写効率が高い。また、この静電荷現像用トナ
ーを用いた静電荷現像剤は、如何なる環境下でも極めて
良好な帯電性を維持することができるため、湿式製造法
によるトナーの長所である高転写効率、良好な転写性、
画質欠陥のない細線再現性に優れた高品位な画質を維持
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 修二 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 諏訪部 正明 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 前畑 英雄 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA15 AB03 BA06 CA02 EA01 EA03 EA05 EA10 FA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂中に着色剤を含有するトナー粒子よ
    りなる静電荷現像用トナーにおいて、該トナー粒子の含
    水率が0.5重量%以下、形状係数が100ないし13
    7、平均体積粒度分布が1.28以下、誘電損率が50
    以下であることを特徴とする静電荷現像用トナー。
  2. 【請求項2】 トナー粒子とキャリアとからなる静電荷
    現像剤において、該トナー粒子の含水率が0.5重量%
    以下、形状係数が100ないし137、平均体積粒度分
    布が1.28以下、誘電損率が50以下であることを特
    徴とする静電荷現像剤。
  3. 【請求項3】 樹脂微粒子分散液と着色剤分散液とを混
    合し、樹脂微粒子と着色剤粒子とを凝集させて凝集体粒
    子分散液を形成する工程、該凝集体粒子分散液を樹脂微
    粒子のガラス転移温度以上に加熱して、凝集体粒子を融
    合・合一させる工程を有し、含水率が0.5重量%以
    下、形状係数が100ないし137、平均体積粒度分布
    が1.28以下、誘電損率が50以下のトナー粒子を形
    成することを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002323783A (ja) * 2001-04-25 2002-11-08 Mitsubishi Chemicals Corp 画像形成装置及び画像形成方法
JP2004054240A (ja) * 2002-05-31 2004-02-19 Konica Minolta Holdings Inc 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、画像形成方法及び画像形成装置
JP2007018017A (ja) * 2006-10-30 2007-01-25 Mitsubishi Chemicals Corp 画像形成装置
JP2014182246A (ja) * 2013-03-19 2014-09-29 Fuji Xerox Co Ltd 液体現像剤、液体現像剤用粒子、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法

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