JP3865329B2 - マトリックス型工具マガジンの工具搬送方法及びマトリックス型工具マガジン - Google Patents

マトリックス型工具マガジンの工具搬送方法及びマトリックス型工具マガジン Download PDF

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    • B23Q3/1552Arrangements for automatic insertion or removal of tools, e.g. combined with manual handling parts of devices for automatically inserting or removing tools
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械に設けられたマトリックス型工具マガジンの工具搬送方法及びマトリックス型工具マガジンに係り、特に、工具径が所定の径より小さい標準的な工具である標準工具と、工具径が所定の径より大きい大径工具とがマトリックス状に配列されたマトリックス型工具マガジンにおける工具搬送方法と工具マガジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
マシニングセンタ(以下、MCと記載)など工作機械は自動工具交換装置(以下、ATCと記載)を備えており、このATCにより、工作機械の主軸と、複数の工具を貯蔵する工具マガジン又は中間保持手段(中間ポット)との間で工具交換を行う。
工具マガジンには、工具径が所定の径(例えば、ツールシャンクのシャンク部外径寸法+(数mm乃至数十mm)の径)より小さい標準的な工具(以下、標準工具と記載)と、工具径が所定の径より大きい大径工具とをマトリックス状に配列して収納する構成のマトリックス型工具マガジン(以下、工具マガジンと記載)がある。
この工具マガジンには、工具搬送装置が、貯蔵用の工具ポットと所定の工具交換位置の工具ポットとの間を移動して、工具を各工具ポットに対して着脱することにより工具の搬送が行われるタイプのものがある。
【0003】
ATCには、工具交換アーム(以下、交換アームと記載)が工具を把持して、工具マガジンと主軸との間、又はこれらと中間の待機位置との間を揺動することにより、主軸と工具マガジンとの間で工具の移送を行うものがある。
このタイプのATCでは、交換アームが待機位置から主軸側工具交換位置へ揺動する動作と、主軸に対する新旧工具の工具交換動作とを行って、主軸と交換アームとの間で工具交換を行う。
また、交換アームが、待機位置から工具マガジン側工具交換位置へ揺動する動作と、工具マガジンに対する新旧工具の工具交換動作とを行って、工具マガジンと交換アームとの間で工具交換を行う。
【0004】
例えば、特開平4−322937号公報及び実用新案登録第3002625号公報にはそれぞれ工具マガジンが開示されているが、いずれの場合も、工具を貯蔵する工具マガジン部の後方側に工具搬送装置を設けて、工具を後方から把持して後方に引き抜く構造になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この構造では、工具マガジン部とその後方の工作機械との間の狭いスペースに工具搬送装置を設ける必要があるので、設置スペースに制約があり、工具の長さも制限され、工具搬送装置の運転管理や点検修理などメンテナンス作業が困難になる恐れがある。
そのため、工具マガジン部の前方側に工具搬送装置を設けて工具を前方に抜き出すタイプのものもある。このタイプの工具マガジンにおける工具の高収納密度化を図った技術が既にいくつか提案されている。
【0006】
例えば、特公平4−6492号公報には、ツールラックをそれぞれ移動させてツールラック間隔を可変とする工具マガジンが開示されている。しかしながら、この場合には、ツールラックを移動させる装置が必要になり、工具マガジン全体が大掛かりで複雑な構造になっていた。
【0007】
特開昭63−57134号公報には、カセットストッカから工具収納カセットを一列引き出して、この工具収納カセットを工具マガジン側工具交換位置に移動させる工具マガジンが開示されている。
ところが、この場合には工具収納カセットを引き出すための構成が必要になり、全体的に構造が複雑になっていた。
【0008】
特開昭62−102941号公報には、工具収納棚の工具ポットの軸線をトラバーサの移動方向に対して所定の角度傾斜させる工具マガジンが開示されている。
ところが、この場合には、傾斜した工具を搬送するためのトラバーサを設ける必要があり、装置全体が複雑化していた。しかも、標準工具と大径工具など二種類の工具を貯蔵するための配慮はなされていない。
特開平4−310341号公報には、工具を保持するホルダの工具装着口が互いに反対方向に開口した工具マガジンが開示されているが、この場合も二種類の工具の貯蔵を考慮した構成ではない。
【0009】
本発明は、斯かる課題を解決するためになされたもので、通常の標準工具の他に大径工具を収納できるマトリックス型工具マガジンにおける工具の高収納密度化を図って、工具マガジンを小型化するとともに収納可能工具数を増やすことができる工具マガジンの工具搬送方法及びマトリックス型工具マガジンを提供することを目的とする。
また、本発明の別の目的は、マトリックス型工具マガジンの全体をコンパクトで簡単な構造にすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明に係る工具搬送方法は、工具径が所定の径より小さい標準工具と、工具径が前記所定の径より大きい大径工具とを収納するための複数の工具収納手段がマトリックス状に配列された工作機械のマトリックス型工具マガジンにおける工具搬送方法であって、前記標準工具を工具搬送する時には、前記標準工具の配列に対応する形状を有する標準工具把持手段を選択して前記標準工具の被把持部を着脱自在に把持し、前記大径工具を工具搬送する時には、前記標準工具把持手段の標準工具把持部に大径工具用ハンドを着脱自在に係合させて前記大径工具の配列に対応する形状を有する大径工具把持手段を構成した後、前記大径工具用ハンドの大径工具把持部で前記大径工具の被把 持部を着脱自在に把持するようになっているので、前記大径工具を工具搬送する時には、前記大径工具把持手段を選択して前記大径工具の前記被把持部を着脱自在に把持し、前記標準工具把持手段又は前記大径工具把持手段が、それぞれ前記標準工具又は前記大径工具を前記工具収納手段に対して着脱する。
【0011】
なお、工具搬送すべき工具の種類によって選択された前記標準工具把持手段又は前記大径工具把持手段を、前記工具マガジンの前記工具収納手段に収納された前記工具の軸線方向に進退移動させ、前記標準工具把持手段又は前記大径工具把持手段が、それぞれ前記標準工具又は前記大径工具を前記工具収納手段に対して着脱するのが好ましい。
【001
記工具搬送方法を実現するためのマトリックス型工具マガジンは、工具径が所定の径より小さい標準工具と、工具径が前記所定の径より大きい大径工具とを収納するための複数の工具収納手段がマトリックス状に配列された工具マガジン部と、この工具マガジン部の前記工具収納手段に収納された前記標準工具及び前記大径工具の軸線方向前方側に設けられ、前記標準工具及び前記大径工具のいずれか一方の被把持部を把持して所望の位置に搬送する工具搬送装置とを備えている。
そして、この工具搬送装置は、前記標準工具の配列に対応する形状を有するとともに前記標準工具の前記被把持部を着脱自在に把持する標準工具把持手段と、前記大径工具の配列に対応する形状を有するとともに前記大径工具の前記被把持部を着脱自在に把持する大径工具把持手段とを備えている。
この大径工具把持手段は、前記大径工具の前記被把持部を着脱自在に把持する大径工具用ハンドの被把持部を、前記標準工具把持手段の標準工具把持部に着脱自在に係合させることにより構成される。
【001
なお好ましくは、前記工具搬送装置は、工具搬送すべき前記工具の種類に対応して選択された前記標準工具把持手段及び前記大径工具把持手段のいずれか一方を、前記工具収納手段に対して前記工具を着脱させるために、前記工具収納手段に収納された前記工具の軸線方向に進退移動させる進退移動手段を備えている。
【001
らに、前記大径工具用ハンドが前記標準工具把持手段の前記標準工具把持部に係合されていない時、前記工具マガジン部の所定の大径工具用ハンド収納位置に前記大径工具用ハンドを収納保持させる大径工具用ハンド保持手段を、前記工具マガジン部に設けるのが好ましい。
【001
なお、前記標準工具把持手段と前記大径工具用ハンドとの間には、前記工具マガジン部の所定の前記大径工具用ハンド収納位置で、前記大径工具用ハンドの前記被把持部を前記標準工具把持手段の前記標準工具把持部に着脱する時にアンロック状態となり、その他の時にはロック状態となるロック・アンロック手段が設けられているのが好ましい。
【001
なお、本発明のマトリックス型工具マガジンにおける他の実施態様としては、工具径が所定の径より小さい標準工具と、工具径が前記所定の径より大きい大径工具とを収納するための複数の工具収納手段がマトリックス状に配列された工具マガジン部と、この工具マガジン部の前記工具収納手段に収納された前記標準工具及び前記大径工具の軸線方向前方側に設けられ、前記標準工具及び前記大径工具のいずれか一方の被把持部を把持して所望の位置に搬送する工具搬送装置とを備え、この工具搬送装置は、前記標準工具の配列に対応する形状を有するとともに前記標準工具の前記被把持部を着脱自在に把持する標準工具把持手段と、前記大径工具の配列に対応する形状を有するとともに前記大径工具の前記被把持部を着脱自在に把持する大径工具把持手段とを備え、前記工具搬送装置は、工具搬送すべき前記工具の種類に対応して選択された前記標準工具把持手段及び前記大径工具把持手段のいずれか一方を、前記工具収納手段に対して前記工具を着脱させるために、前記工 具収納手段に収納された前記工具の軸線方向に進退移動させる進退移動手段を備え、前記標準工具把持手段と前記大径工具把持手段とを別体にするとともに、把持する前記標準工具又は前記大径工具の種類に合わせてそれぞれ前記標準工具把持手段又は前記大径工具把持手段を選択し、この標準工具把持手段又はこの大径工具把持手段を、前記進退移動手段の後部位置に着脱自在に且つ交換可能に取付けるようにしてもよい。
【0017
【発明の実施の形態】
以下、本発明における実施の形態の一例を図1乃至図16を参照しながら説明する。
図1及び図2はそれぞれ、本発明の一実施形態に係る工作機械のマトリックス型工具マガジンの正面図及び平面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態は工作機械として横形のMC(マシニングセンタ)の場合を示しているが、立形のMC,ターニングセンタなど他の種類の工作機械であってもよい。
【0018
工作機械本体1の側部には自動工具交換装置(以下、ATCと記載)2が設置されており、工作機械本体1とATC2とによりATC付きMC3を構成している。
工作機械本体1の側部には、工具を貯蔵するマトリックス型工具マガジン(以下、工具マガジンと記載)4が設けられ、ATC2は工具交換アーム(以下、交換アームと記載)5を備えている。
【0019
ATC2は、交換アーム5を介して、工作機械本体1の主軸6と工具マガジン4との間で、主軸6に装着されるとともに工具径が所定の径より小さい標準的な工具(以下、標準工具と記載)7と、工具径が所定の径より大きい大径工具8の工具交換を行う。標準工具7と大径工具8は、主軸6の工具装着部に着脱自在に装着される同一形状のツールシャンクを有している。
MC3において使用される工具のうち、通常は、標準工具7の方が大径工具8より工具の種類が多く使用頻度も高いので、工具マガジン4には多数の標準工具7と少数の大径工具8とが貯蔵されている。
【002
工作機械本体1の主軸頭9には主軸6が回転自在に支持されており、主軸6は、標準工具7又は大径工具8を着脱自在に装着して主軸駆動モータにより回転駆動される。
主軸6には、標準工具7又は大径工具8を、皿ばね,コイルばね等ばね部材とアンクランプ用シリンダとによりクランプ・アンクランプする、公知のボール式引っ張り機構方式又はコレット式引っ張り機構方式等の工具クランプ・アンクランプ機構が内蔵されている。
主軸6に対向する位置には、ワーク(工作物)を取付けるためのテーブル10が工作機械本体1に設けられており、主軸6に対してテーブル10が少なくとも直交座標系の三軸方向に相対移動自在になっている。
【002
テーブル10,コラム及び主軸頭9等を、NC装置(数値制御装置)に制御されるサーボモータとボールねじとによって駆動位置決め制御することにより、テーブル10上のワークと、主軸6に装着された標準工具7又は大径工具8とを、相対的に移動させてワークを切削加工する。かかる駆動位置決め機構はリニアモータ等であってもよい。
なお、主軸6の軸線方向をZ軸とし、これに直交して直交座標系をなす各方向をX軸,Y軸とし、−X軸方向(図2の下方)を工具マガジン4の前方として説明する。
【002
ATC2は、標準工具7及び大径工具8を着脱自在に把持するとともに、主軸6と工具マガジン4に対して標準工具7及び大径工具8の受け渡しを行うツインアームタイプの交換アーム5と、交換アーム5を旋回動作,進退移動動作させる駆動手段(図示せず)と、交換アーム5を、主軸側の工具交換位置S ,待機位置S ,及び工具マガジン4側の工具交換位置S に揺動させて位置決めする揺動手段(図示せず)とを備えている。
【002
工具マガジン4は、標準工具7及び大径工具8を収納するための複数の工具ポット12がマトリックス状に配列された工具マガジン部13と、工具マガジン部13の工具ポット12に収納された標準工具7,大径工具8の軸線方向前方側に設けられた工具搬送装置14とを備えている。
工具マガジン部13は、Y,Z軸平面方向に広がるマガジンスタンド20を有しており、工具ポット12は、マガジンスタンド20にマトリックス状に縦横方向に配列して設けられている。
【002
工具搬送装置14は、マガジンスタンド20上のマトリックスの交点即ち各工具ポット12の場所に自在に移動動作をする。
工具搬送装置14は、標準工具7と大径工具8のツールシャンクの被把持部(フランジのV溝部)15a,15bを把持し、工具ポット12から貯蔵中の標準工具7,大径工具8を前方に抜き出し、貯蔵用の工具ポット12と工具マガジン側工具交換位置S の工具ポット12との間を移動して、標準工具7,大径工具8を所望の位置に搬送して各工具ポット12に対して着脱する。
主軸6の工具装着部に装着できるように、標準工具7と大径工具8の各ツールシャンクの形状と、被把持部15a,15bの形状は、全部の工具でそれぞれ同一になっている。
【002
工具マガジン4側の工具交換位置S の下方隣の交点が、工具交換をしない時に工具搬送装置14が待機する移動原位置(以下、原位置と記載)S である。
原位置S の近傍(例えば、下方の近傍)に大径工具用ハンド収納位置S が設定され、工具マガジン4に対する工具の段取りを行う工具段取り位置S が別の場所(例えば、下方左側)に設定されている。
工具マガジン部13には、これらの位置S 乃至S が一箇所ずつ準備されている。
【002
図1の符号Bで示す場所(即ち、標準工具貯蔵部B)には多数の標準工具7が貯蔵され、符号Cで示す場所(即ち、大径工具貯蔵部C)には複数(例えば、4本)の大径工具8が貯蔵されている。
工具マガジン4の上部及び下部には、それぞれ上部ガイド21及び下部ガイド22が、左右方向(Z軸方向)を向き且つ互いに平行に配設されている。上部,下部のガイド21,22には、縦方向(Y軸方向)に立設されて工具搬送装置14を支持する支柱部材23が案内支持されている。
支柱部材23は、その下部に設けられた水平移動用サーボモータ24に駆動されて、上部,下部のガイド21,22に案内されながら、ラック22a及びピニオン(図示せず)を介してZ軸方向に往復移動する。
【0027
工具搬送装置14は、支柱部材23にY軸方向に向けて設けられたねじ部材25に係合している。ねじ部材25は、支柱部材23の上部に設けられた昇降用サーボモータ26により、ベルト27,プーリを介して正逆方向に回転する。
支柱部材23には、ねじ部材25と平行な一対の昇降用ガイド28,28が縦方向(Y軸方向)に設けられており、工具搬送装置14は、昇降移動自在に昇降用ガイド28,28に係合案内されている。
【0028
したがって、昇降用サーボモータ26がねじ部材25を回転させると、工具搬送装置14は昇降用ガイド28に案内されながら上下方向に昇降移動する。
なお、水平移動用サーボモータ24,昇降用サーボモータ26は、ステッピングモータ,リニアモータなど他の駆動モータ(制御モータ)であってもよい。要するに、マトリックス状の所定の工具授受位置に後述する標準工具用ハンド30,90と大径工具用ハンド33,91を位置決め・駆動できるものであればよい。
【0029
図3は工具搬送装置14の拡大正面図、図4は図3に示す工具搬送装置14の平面断面図、図5は工具搬送装置14の一部拡大正面図、図6は図5のVI−VI線断面図である。
図7は工具搬送装置14の標準工具把持手段の内部構造図、図8は図7のVIII−VIII線平面断面図、図9は図7のIX−IX線拡大断面図、図10は標準工具用ハンドと大径工具用ハンドとを一体化した状態の正面図、図11は図10のXI−XI線矢視図、図12は図10のXII−XII線断面図、図13は図10のXIII−XIII線断面図である。
【003
図3乃至図5に示すように、工具搬送装置14は、標準工具7の被把持部15aを着脱自在に把持する標準工具把持手段(標準工具用ハンド)30と、大径工具8の被把持部15bを着脱自在に把持する大径工具把持手段31と、進退移動手段32とを備えている。
進退移動手段32は、工具搬送すべき工具の種類(即ち、標準工具7又は大径工具8)に対応して選択された標準工具把持手段30又は大径工具把持手段31を、工具マガジン部13にマトリックス状に配列された工具ポット12に対して工具を着脱させるために、工具ポット12に収納された貯蔵中の前記工具と工具との間のスペースを通して、図1の紙面と直交する方向である前後方向(X軸方向、即ち貯蔵中の工具の軸線方向)に進退移動させる。
【003
標準工具用ハンド30は標準工具7の配列に対応する形状を有しており、大径工具把持手段31は大径工具8の配列に対応する形状を有している。
大径工具把持手段31は、大径工具8を把持する大径工具用ハンド33の被把持部72を、標準工具把持手段を構成する標準工具用ハンド30の標準工具把持部34に着脱自在に係合させて一体化させることにより構成される。
大径工具用ハンド33には、大径工具8の被把持部15bを着脱自在に把持する大径工具把持部35が設けられている。
【003
工具搬送装置14の本体40は、昇降用ガイド28に昇降自在に案内されるとともにねじ部材25にねじ込まれているナット(図示せず)が固定されて、ねじ部材25の回転動作により昇降移動する。本体40には、一対の水平移動用ガイド41が前後方向を向いて平行に且つ上下に並んで取付けられている。
水平移動用ガイド41には、本体40に対して前後方向に相対移動可能なフレーム42が水平移動自在に係合案内されている。
【003
工具搬送装置本体40には、第1のシリンダ43が前後方向に向けて水平に取付けられている。フレーム42は、水平移動用ガイド41に案内されながら、第1のシリンダ(流体圧シリンダ)43に駆動されて所定のストロークで前後方向に往復移動する。
フレーム42のこの移動動作は、工具搬送装置本体40に取付けられた近接スイッチ44と、フレーム42に取付けられたドッグ44aとにより検出される。
フレーム42には、標準工具用ハンド30をフレーム42に対して相対的に前後方向に往復移動させるための第2のシリンダ(流体圧シリンダ)45が、前後方向に向けて水平に取付けられている。第1,第2のシリンダ43,45は、圧縮空気又は圧力油など圧力流体の供給により駆動される。
【003
フレーム42には第1,第2の軸部材46,47が往復移動自在に支持され、第1,第2の軸部材46,47は、前後方向に向けて水平に且つ平行に設けられている。第1,第2の軸部材46,47の後端部46a,47aには標準工具用ハンド30が締結固定されている。
第1,第2の軸部材46,47は、フレーム42に取付けられた第1,第2の筒状部材46b,47b内に、ころがりガイド部材,オイレスメタル等のすべりガイド部材等のガイド部材46c,47cを介して嵌合して、軸方向に移動自在に支持されている。
第1の軸部材46は、第2のシリンダ45に駆動されて前後方向に往復移動可能になっている。
したがって、第1の軸部材46が第2のシリンダ45に駆動されると、第1,第2の軸部材46,47及び標準工具用ハンド30が一体的に前後方向に往復移動する。この移動動作は、フレーム42に設けられた近接スイッチ48,49により検出される。
【003
標準工具用ハンド30を前後方向に移動させる場合、本実施形態の進退移動手段32においては、まず第一段階として、第1のシリンダ43で、フレーム42,第1,第2の筒状部材46b,47b,第1,第2の軸部材46,47,標準工具用ハンド30の全体を移動させる。
次いで第二段階として、第2のシリンダ45で第1の軸部材46を動かして、標準工具用ハンド30をフレーム42に対して相対的に前後方向に移動させている。
このような二段階の移動動作により、工具搬送装置本体40に対して標準工具用ハンド30を前後方向に移動させる。
【003
これにより、標準工具用ハンド30は、ストローク前端位置とストローク後端位置との間を長いストロークで往復移動することができることになるので、標準工具7及び大径工具8が軸方向に長い形状の場合であっても工具搬送が可能である。
なお、工具の軸方向寸法が短い場合には、ストローク長が短かくてもよいので、第1のシリンダ43を省略して第2のシリンダ45のみの一段階の往復動作をするようにしてもよい。
【0037
図8に示すように、工具ポット12には、工具保持手段12aと、工具7,8の回転方向を規制して位置決めする回転方向規制部材12bとが設けられている。
工具保持手段12aは、一つ又は複数(例えば、3個)のボール12cを工具7,8のプルスタッドに着脱自在に係合させ、圧縮ばね12dのばね力によりボール12cを付勢して工具7,8を保持するように構成されている。工具ポット12と工具保持手段12aにより工具収納手段が構成されている。
なお、工具保持手段12aにおいて、工具7,8のプルスタッドを板ばね,ゴムなど弾性部材の弾性力により着脱自在に把持するように構成してもよい。また、工具ポットに収納された状態の工具軸線を上下方向に対して傾斜させ、工具の自重で工具ポットに収納されるものであってもよい。
【0038
次に、標準工具用ハンド30について説明する。
図5及び図7に示すように、標準工具用ハンド30が工具ポット12に対して標準工具7を着脱する時には、標準工具用ハンド30は、マトリックス状に並んだ貯蔵中の標準工具7と標準工具7との間のスペースを通って、前後方向即ち貯蔵中の標準工具7の軸線方向に進退移動することになる。
【0039
標準工具用ハンド30のこの進退移動動作時と着脱動作時に、標準工具用ハンド30や第1,第2の軸部材46,47等が、貯蔵中の標準工具7と干渉することを防止する必要がある。
そこで、標準工具把持部34の把持部中心O を所要位置の工具ポット12の中心位置にX軸方向で一致させた時と、標準工具用ハンド30が工具ポット12に対して標準工具7を着脱する時に、貯蔵中の他の標準工具7に標準工具用ハンド30が衝突しないような形状に、標準工具用ハンド30は形成されている。
【004
図4,図5,図7乃至図9に示すように、標準工具用ハンド30の上面には標準工具把持部34が形成されている。
標準工具把持部34は、標準工具7の被把持部15aに着脱自在に係合して標準工具7を把持するようになっている。
標準工具用ハンド30には、標準工具把持部34で把持した標準工具7が脱落しないように、標準工具7の被把持部15aを係合離脱自在に係止する標準工具把持爪50が、支持軸51により所定角度で揺動自在に取付けられている。
【004
標準工具把持爪50は、第1のロック・アンロック機構52により、ロック,アンロックされる。
即ち、第1のロック・アンロック機構52は、標準工具7が標準工具把持爪50により把持された状態で標準工具用ハンド30が移動する時は、ロック状態になって標準工具7が脱落しないようにする。
標準工具用ハンド30が最も後方(即ち、ストローク後端位置)に移動して、標準工具把持爪50が工具ポット12に対して標準工具7を装着又は抜き取りをする時のみは、第1のロック・アンロック機構52をアンロック状態にする必要がある。
【004
そこで、第2の軸部材47は、標準工具用ハンド30に締結固定された外方軸53と、外方軸53内に嵌合して軸方向に相対的に摺動可能で、且つ矢印D(図4)に示すように後方に付勢された内方軸54とにより構成されている。
内方軸54の前端部には、外方軸53より径の大きい係止部材55が取付けられている。外方軸53を軸方向に摺動自在に支持するスリーブ56が、係止部材55より後方に位置してフレーム42(又は、第2の筒状部材47b)に取付けられている。
スリーブ56の前方端はストッパ部57になっている。ストッパ部57は、第2の軸部材47がフレーム42に対して相対的に後方に移動して、工具ポット12に対して工具を着脱する時に、係止部材55に当接するようになっている。
【004
図5,図7及び図9に示すように、標準工具用ハンド30の内部に形成された嵌合孔58内には、連結棒59が、嵌合孔58の軸方向(矢印H方向)に往復移動自在に嵌合し、且つ回転規制部材62aにより回転しないように規制されている。
支持軸51により揺動自在に支持された標準工具把持爪50において、支持軸51より上方には爪部60があり、支持軸51より下部61が、連結棒59の一方の端部62に接触離脱自在に当接している。
【004
第2の軸部材47の内方軸54の後端部(図9の下端部)近傍には、内方軸54の軸線方向に対して傾斜した斜面63と、斜面63に連通し、内方軸54の端面側に位置した凹部64とが形成されている。
連結棒59の他方の端部65は、内方軸54の斜面63に係合可能で且つ凹部64内に没入可能になっている。
【004
したがって、図4,図7及び図9に示すように、標準工具用ハンド30が標準工具7の着脱を行わない時、即ち標準工具用ハンド30が前後方向の後端位置にいない時には、外方軸53及び内方軸54は一体的に前後方向に移動するので、この時は、内方軸54の斜面63が連結棒59に接触している。
その結果、連結棒59が、標準工具把持爪50の下部61を矢印Hに沿って図7,図9の右方に押すので、標準工具把持爪50は、図7の反時計回り方向(矢印E方向)に揺動した状態でロックされる。
【004
一方、工具ポット12に標準工具7を着脱する時、即ち標準工具用ハンド30が前後方向の後端位置に位置した時には、標準工具用ハンド30が、前記二段階の移動動作により、フレーム42に対して相対的に後方側のストローク端に移動する。
標準工具用ハンド30が後方側ストローク端に到着する直前に、内方軸54と一体的な係止部材55がスリーブ56のストッパ部57に当接するので、内方軸54の後退動作が止まる。
ところが、外方軸53は、第2のシリンダ45に駆動されてさらに僅かに後退した状態で止まる。
【0047
その結果、外方軸53と標準工具用ハンド30は、矢印F(図9)に示すように、内方軸54に対して相対的に僅かの距離だけ後退することになる。
したがって、標準工具把持爪50が支持軸51を中心に揺動すると、連結棒59の他方の端部65が内方軸54の凹部64内に没入し、連結棒59は把持爪下部61から離れる。
標準工具把持爪50は、アンロック状態になって所定角度で揺動自在になり、標準工具用ハンド30を昇降方向に移動させた時、標準工具把持部34に被把持部15a等の挿入,離脱を行うことができる。
標準工具把持爪50に形成された係合部50a,50bは、標準工具把持爪50が被把持部15a等を把持した時に、被把持部15a等に形成されたキー部(キー溝)15kと係合して、標準工具7等の回転方向の位置を定めるためのものである。
【0048
次に、大径工具用ハンド33を有する大径工具把持手段31について説明する。
図5は、標準工具用ハンド30に大径工具用ハンド33を装着する直前の状態を示しており、図10乃至図13は、大径工具用ハンド33を標準工具用ハンド30に装着して互いに一体化した状態を示している。
【0049
図1,図5,図6,図10乃至図13に示すように、大径工具用ハンド33は、大径工具8を工具搬送する時に標準工具用ハンド30に把持された状態で使用されるので、標準工具7を工具搬送する時には、工具マガジン部13の大径工具用ハンド収納位置S に収納されている(図6参照)。
大径工具用ハンド収納位置S におけるマガジンスタンド20には、大径工具用ハンド保持手段70が取付けられている。
【005
工具マガジン部13に設けられた大径工具用ハンド保持手段70は、大径工具用ハンド33が標準工具用ハンド30の標準工具把持部34に係合されていない時、大径工具用ハンド収納位置Sに大径工具用ハンド33を収納保持するためのものである。
大径工具用ハンド保持手段70は、大径工具用ハンド33の本体71を係合離脱自在に保持するための保持体66を有しており、保持体66はマガジンスタンド20から前方に突出して設けられている。
大径工具用ハンド保持手段70においては、一つ又は複数(例えば、2個)のボール70aを保持体66の被係合部67に着脱自在に係合させ、圧縮ばね70bのばね力によりボール70aを被係合部67側に付勢して大径工具用ハンド33を保持するようにしている。
【005
大径工具用ハンド33は、その使用時には標準工具用ハンド30に把持されるので、大径工具用ハンド本体71には、標準工具7及び大径工具8の各被把持部15a,15bと同じ形状を有する被把持部72が、大径工具用ハンド本体71の下部に形成されている。
この被把持部72が、標準工具用ハンド30の標準工具用把持部34に着脱自在に係合するとともに、標準工具把持爪50により係合離脱自在に係止されるようになっている。
大径工具用ハンド本体71の上部には大径工具把持部35が形成されており、大径工具把持部35に大径工具8の被把持部15bが着脱自在に係合する。
【005
標準工具用ハンド30が大径工具用ハンド33を把持する時には、標準工具用ハンド30は、大径工具用ハンド収納位置S にある大径工具用ハンド33の下方から上方に移動して、標準工具把持部34を大径工具用ハンド30の被把持部72に係合させる。
標準工具把持爪50の爪部60には、外方に突出する係合部73が設けられている。
【005
図5及び図12に示すように、標準工具把持爪50の場合と同様に、係合部73は、第3のロック・アンロック機構81によりロック状態,アンロック状態になる。
第3のロック・アンロック機構81において、大径工具用ハンド本体71には、移動部材82が、その軸方向に移動可能に且つ後方にばね83で付勢された状態で設けられている。
【005
ばね83の一端部は、本体71に取付けられたピン83aにより支持されている。また、大径工具用ハンド収納位置Sにおけるマガジンスタンド20には、移動部材82に当接可能なストッパ部材84が取付けられている。
移動部材82には、ピン83aに係合する長孔82aが形成されているので、移動部材82は、ピン83aと長孔82aに従って軸線方向に進退移動可能になっている。
図12中の(A),(B)は、第3のロック・アンロック機構81のロック状態,アンロック状態をそれぞれ示している。
【005
図12(A)に示すように、標準工具用ハンド30が大径工具用ハンド33の着脱を行わない時、即ち大径工具用ハンド33を把持している標準工具用ハンド30が後方位置に移動していない時は、移動部材82は、ストッパ部材84に接触していないので後方に位置している。
この時には、移動部材82に形成された斜面85が係合部73を押し付けるので、爪部60は大径工具用ハンド33を解放する方向に揺動することができずロック状態になる。
【005
このように、係合部73が大径工具用ハンド33の凹部74に係合しているので、係合後は爪部60が後退位置にある場合でも、爪部60を揺動しないように規制している。
また、図5に示すように、被把持部72に固定された係合体72aと、標準工具把持爪50の係合部50a及び係合部50bとが係合して、把持状態になった時の被把持部72の回転方向の位置を定めている。
これにより、標準工具用ハンド30に対して大径工具用ハンド33がしっかりと保持される。
【0057
一方、図12(B)に示すように、大径工具用ハンド33が後方位置に移動して大径工具用ハンド収納位置Sに達すると、ストッパ部材84との当接によって、移動部材82はばね83の付勢力に抗して前進し、斜面85と係合部73とが離れてアンロック状態になる。
即ち、標準工具把持爪50が解放方向に支点軸51を支点に揺動することが可能になる。これにより、大径工具用ハンド33の被把持部72を軸線方向と直交する方向より着脱することが可能になる。
【0058
このように、標準工具用ハンド30と大径工具用ハンド33との間に、第1,第3のロック・アンロック機構52,81からなるロック・アンロック手段を設けている。
これにより、工具マガジン部13の大径工具用ハンド収納位置Sで、大径工具用ハンド33の被把持部72を標準工具用ハンド30の標準工具把持部34に着脱する時にアンロック状態となり、その他の時にはロック状態となる。
【0059
図5及び図13に示すように、大径工具把持部35の横には大径工具把持爪75が設けられている。大径工具把持爪75は、支点軸76を中心として所定角度で揺動自在になっており、大径工具8を把持する方向に圧縮ばね77により付勢されている。
標準工具把持爪50の場合と同様に、大径工具把持爪75には第2のロック・アンロック機構78が設けられている。
【006
第2のロック・アンロック機構78において、大径工具用ハンド本体71には、移動部材79が、その軸方向に移動可能に且つ後方にばね79aで付勢された状態で設けられている。
図13中の(A),(B)は、第2のロック・アンロック機構78のロック状態,アンロック状態をそれぞれ示している。
【006
図13(A)に示すように、大径工具用ハンド33が大径工具8の着脱を行わないとき、即ち、大径工具用ハンド33が後方位置に移動していない時は、移動部材79は、マガジンスタンド20に接触していないので後方に位置して突出している。
この時には、移動部材79に形成された斜面80が大径工具把持爪75を押し付けるので、大径工具把持爪75は大径工具8を解放する方向に揺動することができずロック状態になる。
【006
大径工具用ハンド33が大径工具8を把持している時には、圧縮ばね77により大径工具把持爪75を大径工具8側に付勢している状態を第2のロック・アンロック機構78は維持する。
したがって、大径工具用ハンド33は大径工具8をしっかりと把持することができるので安全である。
大径工具把持爪75に形成された係合部75a,75bは、大径工具用ハンド33に把持された大径工具8の回転方向の位置を定めるためのものである。
【006
一方、図13(B)に示すように、大径工具用ハンド33が後方位置に移動すると、マガジンスタンド20との当接によって、移動部材79はばね79aの付勢力に抗して前進し、斜面80と大径工具把持爪75とが離れてアンロック状態になる。
即ち、大径工具把持爪75が圧縮ばね77の付勢力に抗して解放方向に支点軸76を支点に揺動することが可能になる。これにより、大径工具8の被把持部15bを軸線方向と直交する方向より着脱することが可能になる。
【006
次に、図14乃至図16を参照しながら、工具マガジン4による自動工具搬送方法について説明する。
図14は本実施形態における工具搬送の手順を示すフローチャート、図15及び図16はそれぞれ、前記フローチャートに示す工程の手順の一部を示すフローチャートである。
【006
本実施形態に係る自動工具搬送方法は、標準工具7を工具搬送する時には、標準工具用ハンド(標準工具把持手段)30を選択して、標準工具7の被把持部15aを着脱自在に把持する。
一方、大径工具8を工具搬送する時には、標準工具用ハンド30に大径工具用ハンド33を装着して構成した大径工具把持手段31を選択して、大径工具8の被把持部15bを着脱自在に把持する。
そして、標準工具用ハンド30又は大径工具把持手段31が、標準工具7又は大径工具8を各工具ポット12に対して着脱するようにしている。
【006
即ち、工具の種類によって選択された標準工具用ハンド30又は大径工具把持手段31が、工具マガジン4の工具ポット12に収納された工具と工具との間のスペースを通って工具の軸線方向に進退移動し、貯蔵用の工具ポット12と工具マガジン側工具交換位置S の工具ポット12との間を移動して、標準工具7又は大径工具8の着脱を行う。
【0067
交換アーム5は、待機位置S で待機している時は、MC3の加工動作の邪魔にならないように、加工領域外(スプラッシュガードの外方)で待機している。
この状態で、標準工具7又は大径工具8が取付けられた主軸6を主軸駆動モータにより回転駆動するとともに、テーブル10,コラム及び主軸頭9を、NC装置に制御されるサーボモータとボールねじとによりX,Y,Z軸方向に相対移動制御することにより、テーブル10上のワークを切削加工する。
【0068
この加工工程の後に次工具による加工がある場合には、工具マガジン4の工具マガジン側工具交換位置Sに工具搬送装置14により工具搬送をし、ATC2により次加工用の工具に自動的に工具交換する必要がある。
そこで、図14に示すように、所望の工具Tmnを工具マガジン側工具交換位置S に呼び出して待機させるべく、NC装置から工具Tmnの工具呼出し指令が出力される(ステップ101)。
なお、この場合の初期条件としては、交換アーム5が待機位置S にあり、工具搬送装置14が原位置S にあり、標準工具用ハンド30がストローク前端位置に位置し、また、交換アーム5の工具マガジン側把持部には工具(旧工具)が把持されているものとする。
【0069
工具Tmnの工具番号「mn」は、工具マガジン部13に収納された各工具の番号,又は各工具が収納されている工具ポット12の番号であり、2桁乃至4桁の数字で表されている。
工具呼出し指令により指令工具Tmnが要求されると、交換アーム5は工具マガジン側に揺動し、工具マガジン側工具交換位置Sの工具ポット12に工具を返却する。
その後、工具マガジン側工具交換位置S の工具ポット12にある工具を、工具マガジン部13に返却収納する必要がある。交換アーム5は、工具返却後に待機位置Sに戻って待機する。
【007
この工具の返却収納を行うためには、まず、工具搬送装置14が現在有している現ハンドは標準工具用ハンド30か否かを判別する(ステップ102)。
工具搬送装置14の現ハンドが標準工具用ハンド30である場合には、工具交換位置S にある工具が標準工具7か大径工具8かを判別することにより、現在の標準工具用ハンド30で把持できる工具であるか否かを判別する(ステップ103)。
【007
ステップ102で、標準工具用ハンド30に大径工具用ハンド33が把持された状態の時には、工具が標準工具7か大径工具8かを判別して、現在の大径工具用ハンド33で工具が把持できるか否かを判別する(ステップ104)。
工具が標準工具7の場合には、大径工具用ハンド33を大径工具用ハンド収納位置S に戻すことになる(ステップ105)。
【007
図15は、大径工具用ハンド33を戻すステップ105の手順を示している。
この場合には、昇降用サーボモータ26を駆動して、工具搬送装置14を原位置S からその下方の大径工具用ハンド収納位置S の前方中心位置に移動させる(ステップ201)。
大径工具用ハンド本体71の中心O を大径工具用ハンド収納位置S の中心位置にX軸方向前方位置で一致させた状態で、第1,第2のシリンダ43,45を駆動して、標準工具用ハンド30とともに大径工具用ハンド33を後退させる(ステップ202)。
大径工具用ハンド33を、大径工具用ハンド保持手段70の保持体66に係合させて、大径工具用ハンド収納位置S に収納する(ステップ203)。
【007
この収納動作時には、標準工具用ハンド30は後方のストローク端に到達するので、第3のロック・アンロック機構81のストッパ部材84と移動部材82とが当接し、標準工具把持爪50はロック状態からアンロック状態になっている。
したがって、第1のロック・アンロック機構52と第3のロック・アンロック機構81とがアンロック状態になっているので、標準工具用ハンド30の下降動作で、被把持部72からの離脱が可能になっている。
昇降用サーボモータ26を駆動して工具搬送装置14を所定距離下降させれば、標準工具用ハンド30と大径工具用ハンド33との係合が解除されて、標準工具用ハンド30は大径工具用ハンド33から離脱する(ステップ204)。
【007
標準工具用ハンド30をストローク前端位置に前進させる。その後、昇降用サーボモータ26を駆動し、工具搬送装置14を上昇させてその原位置S に戻す(ステップ205)。
こうして、大径工具用ハンド33をその収納位置Sに戻す手順が終了する。
【007
図14に示すように、ステップ103で、現ハンドで把持できる工具が標準工具7と判断された場合と、ステップ105が終了して大径工具用ハンド33をその収納位置Sに戻した場合には、工具搬送装置14が原位置S に位置していることを確認する(ステップ106)。
標準工具用ハンド30をストローク後端位置まで後退させたのち上方に移動させ、工具マガジン側工具交換位置Sの工具ポット12に収納されている標準工具7の被把持部15aに標準工具把持部34を係合させて、標準工具7を把持する。
この時、第1のロック・アンロック機構52は、内方軸54の凹部64に連結棒59が没入可能となっており、標準工具用把持爪50は、被把持部15aの挿入時に支持軸51を支点に揺動する(ステップ107)。
【007
次に、標準工具7を把持した状態の標準工具用ハンド30を前方ストローク端に前進させる。連結棒59が内方軸54の斜面に係合することにより、第1のロック・アンロック機構52はロック状態となる。
その後、水平移動用サーボモータ24及び昇降用サーボモータ26を駆動して、この標準工具7を返却すべき所定の工具ポット12の中心と、返却する標準工具7の中心とが一致状態となる前方中心位置に、標準工具用ハンド30を移動させる。この工具ポット12は標準工具貯蔵部Bにある。
【0077
その後、標準工具用ハンド30の把持部中心O を工具ポット12の中心にX軸方向前方位置で一致させ、標準工具用ハンド30をストローク後端部まで後退させて、標準工具7を工具ポット12に返却する。この時、第1のロック・アンロック機構52はアンロック状態になっている。
標準工具用ハンド30を下降させて、標準工具7の被把持部15aより離脱させ、標準工具用ハンド30を前進位置に移動させる(ステップ108)。次いで、指令工具Tmnが標準工具7か否かを判別する(ステップ109)。
【0078
一方、ステップ103で、工具マガジン側工具交換位置Sで待機中の工具が大径工具8のため現ハンドで把持できないと判断した場合には、大径工具用ハンド33を持ってくる必要がある(ステップ110)。
この大径工具用ハンド33を持ってくるステップ110の手順は、図16のフローチャートに示されている。
【0079
この場合には、まず、工具搬送装置14を大径工具用ハンド収納位置S より所定量下方位置に移動させる(ステップ301)。
この時、標準工具用ハンド30が、大径工具用ハンド収納位置S に収納中の大径工具用ハンド33に干渉しないように所定距離下方の前進位置に移動した状態で、標準工具用ハンド30をストローク後端位置まで後退させたのち上方に移動させる。
【008
このストローク後端位置では、ストッパ部材84と移動部材82とが当接して、大径工具用ハンド33の第3のロック・アンロック機構81がアンロック状態となっている。
第1のロック・アンロック機構52と第3のロック・アンロック機構81とがアンロック状態になっているので、標準工具用ハンド30の上方への移動動作で、被把持部72に挿入可能になっている(ステップ302)。
【008
これにより、標準工具用ハンド30の標準工具把持部34が、大径工具用ハンド33の被把持部72に係合して大径工具用ハンド33を把持するので、大径工具用ハンド33と標準工具用ハンド30とが一体化する(ステップ303)。
次いで、標準工具用ハンド30と大径工具用把持部33をストローク前端位置に前進させながら、工具搬送装置14を原位置S に戻す。
【008
大径工具用ハンド33が後退位置より前方に移動すると、ストッパ部材84と移動部材82とが離れるので、第3のロック・アンロック機構81はロック状態となる。また、第1のロック・アンロック機構52もロック状態となる(ステップ304)。
このようにして、大径工具用ハンド33を持ってくる手順が終了する。
【008
図14に示すように、ステップ104で現ハンドで把持可能と判断した場合と、ステップ110の手順が終了した場合には、原位置S にある工具搬送装置14は、大径工具用ハンド33を有しているので大径工具8を把持できることになる。
この場合には、図10に示すように、大径工具把持部35の把持部中心O を原位置S の中心に一致させており、標準工具用ハンド30は、大径工具用ハンド33を把持していない時と比較して、標準工具用ハンド30の把持部中心O と大径工具用ハンド33の把持部中心O との間の距離Lだけ下方に位置する必要があり、この位置決めを確認する(ステップ111)。
【008
次に、標準工具用ハンド30と一体になった大径工具用ハンド33を、ストローク後端位置まで後退させたのち上方に移動させれば、大径工具把持部35が、工具マガジン側工具交換位置Sで待機中の大径工具8の被把持部15bに係合してこの大径工具8を把持する。
この時、マガジンスタンド20への移動部材79の当接により第2のロック・アンロック機構78がアンロック状態になり、大径工具8の被把持部15bが挿入可能になる(ステップ112)。
【008
こうして、大径工具8を把持した状態の大径工具用ハンド33を、ストローク前端位置まで前進させた後、返却する工具ポット12の前方中心位置に移動させる。この工具ポット12は大径工具貯蔵部Cにある。大径工具用ハンド33を前進させることで、第2のロック・アンロック機構78がロック状態となる。
そして、把持部中心O と工具ポット12の中心とをX軸方向前方位置で一致させた状態で、大径工具用ハンド33をストローク後端位置まで後退させれば、大径工具8は工具ポット12に返却される。
【008
この時、第1,第2のロック・アンロック機構52,78はアンロック状態になるが、第3のロック・アンロック機構81はロック状態を維持する。したがって、標準工具用ハンド30と大径工具用ハンド33は一体を保ち、大径工具用ハンド33で把持していた大径工具8から離脱可能になる。
工具ポット12に大径工具8を返却した後の大径工具用ハンド33は、標準工具用ハンド30とともに所定量下方に移動して大径工具8から離れた後、ストローク前端位置まで前進する(ステップ113)。
【0087
大径工具貯蔵部Cでは、貯蔵中の大径工具8の工具径が大きく且つ工具間のピッチも大きいが、大径工具用ハンド33の把持部中心O に対して、標準工具用ハンド30の把持部中心Oが距離Lだけさらに離れた位置にある。
これにより、大径工具用ハンド33及び標準工具用ハンド30は、貯蔵中の大径工具8に干渉することなく、工具と工具の間のスペースを前後方向にスムーズに移動できる。
【0088
次いで、指令工具Tmnが大径工具か否かを判別し(ステップ114)、指令工具Tmnが標準工具7の場合には、大径工具用ハンド33を大径工具用ハンド収納位置S に戻す(ステップ115)。
ステップ115では、工具搬送装置14を大径工具用ハンド収納位置Sに移動させた後、前記ステップ105と同じ手順(即ち、図15に示す手順)を行えば、大径工具用ハンド33は大径工具用ハンド収納位置S に戻り、標準工具用ハンド30は原位置S に戻る。
【0089
ステップ109で、指令工具Tmnが大径工具8と判断された場合には、大径工具用ハンド33を持ってくることになる(ステップ116)。
この場合は、工具搬送装置14が大径工具用ハンド収納位置S に移動し、その後は、ステップ110と同じ手順(即ち、図16に示す手順)を行えば、標準工具用ハンド30と大径工具用ハンド33とを有する工具搬送装置14は、原位置S に戻る。
【009
一方、ステップ109で、指令工具Tmnが標準工具と判断された場合,及びステップ115の手順が終了した後には、標準工具用ハンド30を有する工具搬送装置14を、貯蔵中の指令工具Tmnの前方であって、この指令工具Tmnの中心より把持中心Oが所定量下方の位置である前方位置に移動させる。
この時、指令工具Tmnの下方位置の標準工具7と標準工具用ハンド30とが干渉しないような位置(図7の二点鎖線で示した位置)に、標準工具用ハンド30が移動している(ステップ116a)。
【009
次に、標準工具用ハンド30をストローク後端位置まで後退させると、後端位置で第1のロック・アンロック機構52がロック状態からアンロック状態になる。標準工具用ハンド33を上方に移動させ、貯蔵中の標準工具7の被把持部15aに標準工具把持部34を係合させて、指令工具Tmnを把持する(図7の実線で示した状態)(ステップ117)。
そして、標準工具用ハンド30をストローク前端位置まで前進させる。この前進移動動作で、第1のロック・アンロック機構52がロック状態になる(ステップ118)。
【009
次いで、工具搬送装置14を工具マガジン側工具交換位置S の前方中心位置に移動させる。
把持部中心O と工具交換位置S の工具ポット12の中心とをX軸方向前方位置で一致させて、標準工具用ハンド30をストローク後端位置まで後退させれば、第1のロック・アンロック機構52はアンロック状態となる。
これにより、指令工具Tmn(標準工具7)は、工具マガジン側工具交換位置S の工具ポット12に装着されて待機する(ステップ119)。
次に、工具搬送装置14を下方に移動させて原位置S に戻す(ステップ120)。
【009
一方、ステップ114で、指令工具Tmnが大径工具8の場合と、ステップ116が終了した場合には、貯蔵中の指令工具Tmn(即ち、大径工具8)の前方であって、工具中心より把持部中心Oが所定量下方位置である前方位置に工具搬送装置14が移動する(ステップ121)。
次いで、標準工具用ハンド30に把持されて一体になった大径工具用ハンド33をストローク後端位置まで後退させれば、第1,第2のロック・アンロック機構52,78はアンロック状態になる。
そして、大径工具用ハンド33を上方に移動させ、貯蔵中の大径工具8の被把持部15bに大径工具把持部35を係合させて、大径工具8を把持する(ステップ122)。
【009
その後、大径工具用ハンド33をストローク前端位置まで前進させると、第1,第2のロック・アンロック機構52,78はロック状態に戻る(ステップ123)。
工具搬送装置14を工具マガジン側工具交換位置S の前方中心位置に移動させる。把持部中心O を、この工具マガジン側工具交換位置S の工具ポット12の中心にX軸方向前方位置で一致させ、大径工具用ハンド33をストローク後端位置まで後退させる。
すると、後端位置で第1,第2のロック・アンロック機構52,78がアンロック状態となるので、大径工具8は工具ポット12に装着される。
【009
この時、第3のロック・アンロック機構81はロック状態を維持しているので、大径工具用ハンド33と標準工具用ハンド30が一体を保って、大径工具用ハンド33と被把持部15bとが離脱する(ステップ124)。
その後、ステップ120に移行し、工具搬送装置14を下方に移動させる。ハンドを前進させたのち原位置S に戻す。
【009
最後に、待機位置Sに待機している交換アーム5が、工具マガジン側工具交換位置S に収納されている指令工具Tmn(標準工具7又は大径工具8)を把持する。
その後、駆動手段と揺動手段(図示せず)で、交換アーム5を工具マガジン側工具交換位置S から待機位置S に揺動させることにより、工具呼出し指令の実行が終了する(ステップ125)。
こうして指令工具Tmnが交換アーム5に把持されて待機位置S に待機すれば、工具呼出し指令による動作が完了する。
【0097
次に、工具交換指令M06が出力されると、待機位置S に待機している交換アーム5を主軸側工具交換位置S に揺動させる。その後、交換アーム5に把持された新工具と、主軸6に装着されている旧工具との工具交換が、主軸側工具交換位置S で実行される。
【0098
上述のように、標準工具7と大径工具8とを収納するための複数の工具ポット12がマトリックス状に配列され、貯蔵された標準工具7,大径工具8を前方に抜き出して工具搬送するタイプのマトリックス型工具マガジンにおいて、標準工具7と大径工具8を把持するハンドが一種類の場合には、標準工具7を工具搬送する時に、貯蔵中の標準工具7にハンドが干渉しないためには、標準工具7の工具ピッチを大径工具8の工具ピッチと同じにする必要がある。
ところが、これでは標準工具7の工具間ピッチが大きくなってしまうので、工具の収納密度が低下して工具マガジンが大型化し、収納可能工具数を増やすことも難しい。
【0099
これに対して、本発明では、標準工具7を把持するための標準工具把持手段と、大径工具8を把持するための大径工具把持手段31とを選択的に使用できるようにしている。
そのために、工具マガジン4の工具搬送装置14に、標準工具用ハンド30と大径工具用ハンド33とを設けている。
そして、標準工具7を工具搬送する時には標準工具用ハンド30を単独で使用し、マトリックス状に配列された標準工具7と標準工具7との間のスペースを貯蔵工具の軸線方向に進退移動可能な標準工具用ハンド30で標準工具7を把持して搬送する。
【010
一方、大径工具8を工具搬送する時には、大径工具用ハンド33を呼び出してこれを標準工具用ハンド30の把持部34に着脱自在に係合させて一体化することにより、大径工具把持手段31を構成している。
この状態では、標準工具7を把持する時の把持部中心O に対して、大径工具8を把持する時の把持部中心O が距離Lだけオフセットされる。
そして、標準工具用ハンド30と大径工具用ハンド33とが一体になった状態で、大径工具用ハンド33の大径工具把持部35で大径工具8の被把持部15bを着脱自在に把持し、マトリックス状に配列された大径工具8と大径工具8との間のスペースを貯蔵工具の軸線方向に進退移動して大径工具8を搬送する。
【010
このように、標準工具7の時には標準工具用ハンド30を単独で使用し、大径工具8の時には標準工具用ハンド30と大径工具用ハンド33とを一体化させて使用するので、標準工具7は小さなピッチで,大径工具8は大きなピッチで、それぞれマトリックス状に配列することができる。
したがって、標準工具7の高収納密度化ができ、工具マガジン4の全体を小型化できるとともに収納可能工具数が増加する。
例えば、マトリックス型工具マガジンに同一本数の工具を貯蔵する場合には、本発明では、工具マガジン4のサイズを従来より約30%小型化することも可能である。
【010
本発明では、従来から一般的に使用されている交換アーム5やその駆動手段及び揺動手段等を、特殊な構造にしなくともそのまま適用することができるので好都合である。
また、工具搬送装置14を設置するためのスペース的な制約がなく、貯蔵する標準工具7,大径工具8の長さにも制限が少ない。さらに、工具搬送装置14の運転管理や点検修理等が工具マガジン4の前方側からできるので、メンテナンス作業が容易になる。
【010
図17は本発明の他の実施形態を示す概略構成図である。
この場合には、標準工具把持手段としての標準工具用ハンド90と大径工具把持手段としての大径工具用ハンド91とを別体にしている。
そして、標準工具用ハンド30が取付けられていた前記進退移動手段32の後部位置(即ち、第1,第2の軸部材46,47の後端部46a,47a)に、着脱自在に且つ交換可能に取付けている。
また、標準工具用ハンド90の工具把持部90aと、大径工具用ハンド91の工具把持部91aには、ロック・アンロック機構を有する把持爪90b,91bがそれぞれ設けられている。
【010
この場合には、把持する標準工具7,大径工具8の種類に合わせて標準工具用ハンド90と大径工具用ハンド91を選択して取り替える作業は必要であるが、ハンドの構造が極めて簡単になる。
例えば、大径工具8の本数が少なくてハンドの取り替え回数が少ない場合等に本実施形態は有効である。
【0105
7にす実施形態においても、図1乃至図16に示す前記実施形態と同様の効果を奏し、従来提案されたマトリックス型工具マガジンと比べて工具マガジン全体をコンパクトで簡単な構造にすることができる。
本発明によれば、従来のようなツールラック移動装置など大がかりな装置を設ける必要がないので、工具マガジン全体がコンパクトで簡単な構成になる。
【0106
前記各実施形態では、工具の種類が標準工具7と大径工具8の二種類の場合を示したが、各工具のツールシャンクと被把持部が同一であれば、貯蔵する工具は三種類以上であってもよい。
また、工具搬送装置は、工具収納手段としての各工具ポットと工具マガジン側工具交換位置の工具ポットとの間で工具を搬送しているが、各工具ポットと中間搬送部材との間で工具を搬送する場合でもよく、各工具ポットと主軸との間で工具を直接搬送する場合であってもよい。特に、工具マガジンと主軸とが同一平面にある場合や、平行な平面にある場合等には、工具ポットと主軸との間で工具を直接搬送する方法は有効である。
更に、工具はJISB6339で規定されているツールシャンクとプルスタッドを有するものを示したが、HSK(ホローツールシャンク)タイプの工具であってもよい。
なお、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0107
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したので、通常の標準工具の他に大径工具を収納できるマトリックス型工具マガジンにおける工具の高収納密度化を実現して、マトリックス型工具マガジンを小型化し且つ収納可能工具数を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1乃至図16は本発明の実施形態の一例を示す図で、図1は工作機械のマトリックス型工具マガジンの正面図である。
【図2】 図1のマトリックス型工具マガジンの平面図である。
【図3】 前記マトリックス型工具マガジンの工具搬送装置の拡大正面図である。
【図4】 図3に示す工具搬送装置の平面断面図である。
【図5】 前記工具搬送装置の一部拡大正面図である。
【図6】 図5のVI−VI線断面図である。
【図7】 前記工具搬送装置の標準工具把持手段の内部構造図である。
【図8】 図7のVIII−VIII線平面断面図である。
【図9】 図7のIX−IX線拡大断面図である。
【図10】 標準工具用ハンドと大径工具用ハンドとを一体化した状態の正面図である。
【図11】 図10のXI−XI線矢視図である。
【図12】 図10のXII−XII線断面図である。
【図13】 図10のXIII−XIII線断面図である。
【図14】 本実施形態における自動工具搬送の手順を示すフローチャートである。
【図15】 大径工具用ハンドを戻す手順を示すフローチャートである。
【図16】 大径工具用ハンドを持ってくる手順を示すフローチャートである。
【図17】 本発明の他の実施形態を示す概略構成図である。
【符号の説明】
3 マシニングセンタ(工作機械)
4 マトリックス型工具マガジン
6 主軸
7 標準工具
8 大径工具
12 工具ポット
13 工具マガジン部
14 工具搬送装置
15a 標準工具の被把持部
15b 大径工具の被把持部
30,90 標準工具用ハンド(標準工具把持手段)
31 大径工具把持手段
2 進退移動手段
33 大径工具用ハンド
34 標準工具把持部
35 大径工具把持部
52 第1のロック・アンロック機構(ロック・アンロック手段)
70 大径工具用ハンド保持手段
72 大径工具用ハンドの被把持部
81 第3のロック・アンロック機構(ロック・アンロック手段)
91 大径工具用ハンド(大径工具把持手段)
工具マガジン側の工具交換位置(所定の工具交換位置)

Claims (7)

  1. 工具径が所定の径より小さい標準工具と、工具径が前記所定の径より大きい大径工具とを収納するための複数の工具収納手段がマトリックス状に配列された工作機械のマトリックス型工具マガジンにおける工具搬送方法であって、
    前記標準工具を工具搬送する時には、前記標準工具の配列に対応する形状を有する標準工具把持手段を選択して前記標準工具の被把持部を着脱自在に把持し、
    前記大径工具を工具搬送する時には、前記標準工具把持手段の標準工具把持部に大径工具用ハンドを着脱自在に係合させて前記大径工具の配列に対応する形状を有する大径工具把持手段を構成した後、前記大径工具用ハンドの大径工具把持部で前記大径工具の被把持部を着脱自在に把持するようになっているので、前記大径工具を工具搬送する時には、前記大径工具把持手段を選択して前記大径工具の前記被把持部を着脱自在に把持し、
    前記標準工具把持手段又は前記大径工具把持手段が、それぞれ前記標準工具又は前記大径工具を前記工具収納手段に対して着脱することを特徴とするマトリックス型工具マガジンの工具搬送方法。
  2. 工具搬送すべき工具の種類によって選択された前記標準工具把持手段又は前記大径工具把持手段を、前記工具マガジンの前記工具収納手段に収納された前記工具の軸線方向に進退移動させ
    前記標準工具把持手段又は前記大径工具把持手段が、それぞれ前記標準工具又は前記大径工具を前記工具収納手段に対して着脱することを特徴とする請求項1に記載のマトリックス型工具マガジンの工具搬送方法。
  3. 工具径が所定の径より小さい標準工具と、工具径が前記所定の径より大きい大径工具とを収納するための複数の工具収納手段がマトリックス状に配列された工具マガジン部と、
    この工具マガジン部の前記工具収納手段に収納された前記標準工具及び前記大径工具の軸線方向前方側に設けられ、前記標準工具及び前記大径工具のいずれか一方の被把持部を把持して所望の位置に搬送する工具搬送装置とを備え、
    この工具搬送装置は、
    前記標準工具の配列に対応する形状を有するとともに前記標準工具の前記被把持部を着脱自在に把持する標準工具把持手段と、
    前記大径工具の配列に対応する形状を有するとともに前記大径工具の前記被把持部を着脱自在に把持する大径工具把持手段とを備え
    この大径工具把持手段は、前記大径工具の前記被把持部を着脱自在に把持する大径工具用ハンドの被把持部を、前記標準工具把持手段の標準工具把持部に着脱自在に係合させることにより構成されることを特徴とするマトリックス型工具マガジン。
  4. 前記工具搬送装置は、工具搬送すべき前記工具の種類に対応して選択された前記標準工具把持手段及び前記大径工具把持手段のいずれか一方を、前記工具収納手段に対して前記工具を着脱させるために、前記工具収納手段に収納された前記工具の軸線方向に進退移動させる進退移動手段を備えたことを特徴とする請求項に記載のマトリックス型工具マガジン。
  5. 前記大径工具用ハンドが前記標準工具把持手段の前記標準工具把持部に係合されていない時、前記工具マガジン部の所定の大径工具用ハンド収納位置に前記大径工具用ハンドを収納保持させる大径工具用ハンド保持手段を、前記工具マガジン部に設けたことを特徴とする請求項3又は4に記載のマトリックス型工具マガジン。
  6. 前記標準工具把持手段と前記大径工具用ハンドとの間には、前記工具マガジン部の所定の前記大径工具用ハンド収納位置で、前記大径工具用ハンドの前記被把持部を前記標準工具把持手段の前記標準工具把持部に着脱する時にアンロック状態となり、その他の時にはロック状態となるロック・アンロック手段が設けられていることを特徴とする請求項に記載のマトリックス型工具マガジン。
  7. 工具径が所定の径より小さい標準工具と、工具径が前記所定の径より大きい大径工具とを収納するための複数の工具収納手段がマトリックス状に配列された工具マガジン部と、
    この工具マガジン部の前記工具収納手段に収納された前記標準工具及び前記大径工具の軸線方向前方側に設けられ、前記標準工具及び前記大径工具のいずれか一方の被把持部を把持して所望の位置に搬送する工具搬送装置とを備え、
    この工具搬送装置は、
    前記標準工具の配列に対応する形状を有するとともに前記標準工具の前記被把持部を着脱自在に把持する標準工具把持手段と、
    前記大径工具の配列に対応する形状を有するとともに前記大径工具の前記被把持部を着脱自在に把持する大径工具把持手段とを備え、
    前記工具搬送装置は、工具搬送すべき前記工具の種類に対応して選択された前記標準工具把持手段及び前記大径工具把持手段のいずれか一方を、前記工具収納手段に対して前記工具を着脱させるために、前記工具収納手段に収納された前記工具の軸線方向に進退移動させる進退移動手段を備え、
    前記標準工具把持手段と前記大径工具把持手段とを別体にするとともに、把持する前記標準工具又は前記大径工具の種類に合わせてそれぞれ前記標準工具把持手段又は前記大径工具把持手段を選択し、この標準工具把持手段又はこの大径工具把持手段を、前記進退移動手段の後部位置に着脱自在に且つ交換可能に取付けるようにしたことを特徴とするマトリックス型工具マガジン。
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