JP3894599B2 - 工作機械の自動工具交換方法および自動工具交換装置を備えた工作機械 - Google Patents

工作機械の自動工具交換方法および自動工具交換装置を備えた工作機械 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、工作機械の自動工具交換方法および自動工具交換装置を備えた工作機械に関する。更に、詳しくは、工作機械の自動工具交換装置に関するものであって、離間した位置にある2つの工具主軸との間で、1つの交換アームによって工具交換動作を行う工作機械の自動工具交換方法および自動工具交換装置を備えた工作機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
離間した位置に工具主軸を有し、工具交換しながら各種加工を行う工作機械に関する技術が、特開平4―240056号、特開平6―126571号の従来技術の説明の項等に開示されている。しかしながら、これらの技術は、工具マガジンや工具交換装置等を工作機械の両側に配置したものであり、工具の貯蔵本数に限界がある。特に、ターニングセンタのように、回転工具と固定工具(旋削工具)を使用する工作機械では工具本数が不足する。
【0003】
この両側に工具マガジンを配置した構造では、工具の段取りを離れた位置にある両方の工具マガジンで行う必要がある。同一の工具を両方の工具主軸で共通に使用することもできなかった。工具本数を増加させようとすると、特開平4―240036号のように構成が複雑化する。
【0004】
さらに、回転工具と旋削工具の取付け装置が別個で、しかも一本の交換アームで取付け位置に自動工具交換可能な工具取付け装置に関する技術が特開平6―126571号に記載されているが、これには自動工具交換装置に関する技術が開示されていない。特に、2つの工具主軸と交換アームとの間で、工具交換を行うときの、交換アームの把持部の把持、把持解除に関する技術に関しては全く記載されていない。
【0005】
しかしながら、前記技術は2つの工具主軸との工具交換位置に移動したときのみ把持解除状態にし、その他の位置に移動したときには把持状態とすることにより、交換アームによる工具交換動作の高速化、すなわち、工具交換時間短縮と、工具交換動作の信頼性の向上が図れるものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような技術的背景に基づいてなされたものであり、下記のような目的を達する。
【0007】
本発明の目的は、自動工具交換装置に対して離間した位置にある2つの工具主軸と、工具マガジンとの間で、1つの交換アームによって工具交換を行う工作機械の自動工具交換方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、自動工具交換装置に対して離間した位置にあるとともに軸線が直交する2つの工具主軸との間で、1つの交換アームによって工具交換を行う工作機械の自動工具交換方法を提供することにある。
【0009】
本発明の更に他の目的は、自動工具交換装置に対して離間した位置にある2つの工具主軸との間で、1つの交換アームによって工具交換を行う工具交換装置を備えた工作機械を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために次の手段を採用する。
【0011】
本発明の工作機械の自動工具交換方法は、
工具交換するために工具交換位置に移動したとき、自動工具交換装置に対して、第1の離間位置に第1の工具主軸軸線を有する第1の工具主軸と、前記第1の離間位置より所定量離れた位置にある第2の離間位置に第2の工具主軸軸線を有する第2の工具主軸とを回転自在に支持する工具主軸ヘッドと、進退移動可能な交換アームを有し、前記第1の工具主軸または第2の工具主軸との間で自動工具交換動作を行う自動工具交換装置とを有する工作機械の自動工具交換方法であって、前記第1の工具主軸との間で工具交換するときには、前記自動工具交換装置の交換アームに形成された一対の把持部を、前記第1の工具主軸との工具交換位置であり前記交換アームを縮小させた縮小把持位置に移動させ、前記交換アームが前記第1の工具主軸の軸線方向の後退位置にあるときのみ、前記一対の把持部のうち前記第1の工具主軸側の把持部を工具把持解除状態とし、前記第1の工具主軸と前記交換アームとの間で工具交換動作を行い、前記第2の工具主軸との間で工具交換するときには、前記交換アームの把持部を前記第2の工具主軸との工具交換位置であり前記交換アームを伸長させた伸長把持位置に移動させ、前記交換アームが前記第2の工具主軸軸線方向の後退位置にあるときのみ、前記一対の把持部のうち前記第2の工具主軸側の把持部を工具把持解除状態とし、前記第2の工具主軸と前記交換アームとの間で工具交換動作を行うことにより離れた位置にある二つの工具主軸に、一つの交換アームで工具交換できるようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
前記工作機械の自動工具交換方法において、前記第1の工具主軸との間で工具交換するときには、前記交換アームの一対の把持部を前記縮小把持位置に移動させ、前記交換アームを前記工作機械の加工領域外に設けられた待機位置より工具主軸と工具交換する工具主軸側交換位置に旋回させ、前記交換アームを前記第1の工具主軸の軸線方向と直交する径方向より前記第1の工具主軸側に移動させて、前記一対の把持部のうち工具把持解除状態の前記第1の工具主軸側把持部を前記第1の工具主軸に装着されている工具の被把持部に係合させ、前記第1の工具主軸のクランプ・アンクランプ手段をアンクランプ状態とし、前記交換アームを前記第1の工具主軸の軸線方向に前進させて、前記工具を前記第1の工具主軸より離脱させるとともに、前記一対の把持部のうち前記第1の工具主軸側把持部を把持状態とし、前記交換アームを交換アーム旋回軸を中心にして所定角度旋回させて、前記一対の把持部の位置を入れ替え、前記交換アームを前記第1の工具主軸軸線方向に後退させて、工具を前記第1の工具主軸に挿入するとともに、前記一対の把持部のうち前記第1の工具主軸側把持部を工具把持解除状態とし、前記第1の工具主軸のクランプ・アンクランプ手段をクランプ状態とし、前記交換アームを前記径方向にかつ前記第1の工具主軸側より離れる方向に移動させて、前記一対の把持部のうち工具把持解除状態の前記第1の工具主軸側把持部を前記第1の工具主軸に装着されている前記工具の被把持部により離脱させ、前記交換アームを前記待機位置に旋回させ、前記第2の工具主軸との間で工具交換するときには、前記交換アームの一対の把持部を前記縮小把持位置に移動後、前記交換アームを前記待機位置より前記工具主軸側交換位置に旋回させ、前記交換アームの一対の把持部を前記伸長把持位置に移動させ、前記交換アームを前記第2の工具主軸の軸線方向と直交する径方向の前記第2の工具主軸側に移動させて、前記一対の把持部のうち工具把持解除状態の前記第2の工具主軸側把持部を前記第2の工具主軸に装着されている工具の被把持部に係合させ、前記第2の工具主軸のクランプ・アンクランプ手段をアンクランプ状態とし、前記交換アームを前記第2の工具主軸軸線方向に前進させて、前記工具を前記第2の工具主軸より離脱させるとともに、前記一対の把持部のうち前記第2の工具主軸側の把持部を把持状態とし、前記交換アームの一対の把持部を前記縮小把持位置に移動させ、前記交換アームを前記交換アームの旋回軸を中心にして所定角度旋回させて、前記一対の把持部の位置を入れ替え、前記交換アームの一対の把持部を前記伸長把持位置に移動させ、前記交換アームを前記第2の工具主軸軸線方向に後退させて、工具を前記第2の工具主軸に挿入するとともに、前記一対の把持部のうち前記第2の工具主軸側把持部を工具把持解除状態とし、前記交換アームを前記径方向にかつ前記第2の工具主軸側より離れる方向に移動させて、前記一対の把持部のうち工具把持解除状態の前記第2の工具主軸側把持部を前記第2の工具主軸に装着されている前記工具の被把持部より離脱させ、前記交換アームの一対の把持部を前記縮小把持位置に移動させ、前記交換アームを前記待機位置に旋回させることにより、離れた位置にある二つの工具主軸に、一つの交換アームで工具交換できるようにしたことを特徴とする。
【0013】
更に、前記工作機械の自動工具交換方法は、
前記第1の工具主軸と前記第2の工具主軸とを、工具主軸軸線が直交するように設け、直交した前記第1の工具主軸と前記第2の工具主軸との間を前記交換アームが旋回可能に第2旋回手段を設け、前記待機位置で前記交換アームが把持している工具の軸線方向と直交した工具主軸との間で工具交換する場合、前記交換アームが工具主軸側に旋回した後、前記第2旋回手段で旋回動作させて、前記交換アームの把持部の向きを変更することにより、二つの位置にかつ直交した位置にある工具主軸に、一つの前記交換アームで工具交換できるようにしたことを特徴とするものである。
【0014】
本発明の自動工具交換装置を備えた工作機械は、
工具交換するための工具交換位置に移動したとき、前記自動工具交換装置に対して、第1の離間位置に第1の工具主軸軸線を有する第1の工具主軸(7)と、前記第1の離間位置より所定量離れた位置にある第2の離間位置に第2の工具主軸軸線を有する第2の工具主軸()とを回転自在に支持する工具主軸ヘッド(E)と、前記第1の工具主軸または第2の工具主軸との間で自動工具交換動作を行う自動工具交換装置(H)とを備えた工作機械であって、前記自動工具交換装置に設けられ、工具を把持するための交換アーム基体と、前記交換アーム基体に設けられ、前記工具の被把持部を係合可能に把持する把持部(H1)と、前記交換アーム基体に設けられ、前記把持部(H1)を、前記第1の工具主軸との工具交換位置であり交換アームを縮小させた縮小把持位置と、前記第2の工具主軸との工具交換位置であり前記交換アームを伸長させた伸長把持位置とに往復移動させる第3往復運動手段(H8)と、前記自動工具交換装置の基部と前記交換アーム基体の間に跨って設けられ、前記把持部(H1)が前記縮小把持位置または前記伸長把持位置に移動するとともに前記工具主軸軸線方向に後退したとき、前記第1の工具主軸側または前記第2の工具主軸側に位置した把持部を工具把持解除状態とし、前記交換アームがその他の位置にある場合には工具把持状態とする工具把持・把持解除手段(91a,81)とを有し、二つの位置にある工具主軸に、一つの交換アームで工具交換できるようにしたことを特徴とするものである。
【0015】
前記自動工具交換装置を備えた工作機械は、
工具マガジンまたは前記工作機械の基体に旋回自在に設けられ、前記工具主軸と工具交換する工具主軸側旋回位置と、前記工作機械の加工領域外に設けられた待機位置との間を旋回する自動工具交換装置本体(33,34…)と、前記工具の被把持部を係脱可能に把持する一対の把持部を両端に備えた交換アーム(R)と、前記工具交換装置本体に設けられ、前記把持部を前記工具の被把持部に前記工具の軸線方向と直交する径方向より係脱するため前記交換アームの第1往復運動体(36,37,38…)を進退移動させる第1往復運動手段(H3)と、前記第1往復運動体に設けられ、前記工具主軸側旋回位置に旋回したときに前記工具主軸に装着されている工具の軸線と平行な方向に位置する交換アーム旋回軸(63)と、前記第1往復運動体と前記交換アームの基体との間に設けられ、前記交換アームを前記交換アーム旋回軸軸線方向に進退移動させる第2往復運動手段(H5)と、前記第1往復運動体と前記交換アームとの間に設けられ、前記交換アームを前記交換アーム旋回軸軸線に対して所定角度反転させ、前記交換アームの前記一対の把持部の位置を入れ替える第3旋回手段(H6)と、前記交換アーム基体に設けられ、前記交換アームの一対の把持部を前記縮小把持位置と前記伸長把持位置に移動させる第3往復運動手段(H8)と、前記交換アーム基体と前記第1往復運動体との間に跨がって設けられ、前記交換アームが後退した位置で、かつ、前記工具主軸側旋回位置にある場合には、前記一対の把持部のうち前記第1の工具主軸側または前記第2の工具主軸側に位置した把持部を工具把持解除状態とし、前記交換アームがその他の位置にある場合には工具把持状態とする工具主軸・把持解除手段(91a,81)とからなり、二つの位置にある工具主軸に、一つの交換アームで工具交換できるようにしたことを特徴とするものである。
【0016】
更に、前記自動工具交換装置を備えた工作機械は、
前記第1の工具主軸と前記第2の工具主軸とを工具主軸軸線が直交するように設け、第1往復運動体と前記交換アーム旋回軸との間に、直交した第1の工具主軸と第2工具主軸とのあいだを前記交換アームが旋回可能に第2旋回手段(H4)を設け、離れた位置に、かつ、直交した位置にある二つの工具主軸に、一つの交換アームで工具交換できるようにしたことを特徴とするものである。
【0017】
更に、前記自動工具交換装置を備えた工作機械は、
前記工具把持・把持解除手段は、前記第1往復運動体または前記交換アーム旋回軸に設けられた被係合体(91a)と、前記交換アームの進退動作体に平行リンク状に設けられ、前記被係合体と前記縮小把持位置および前記伸長把持位置で係合する把持解除手段1)とを有し、前記交換アームの一対の把持部の工具把持・把持解除を操作することを特徴とするものである。
【0018】
更に、前記自動工具交換装置を備えた工作機械は、
前記工作機械は、前記第1の工具主軸および前記第2の工具主軸に旋削加工用工具と回転工具を装着可能な工具装着手段が設けられ、
被加工物に旋削加工と回転工具加工とを行うことができるターニングセンタであることを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について説明する。図1、図2及び図3は、本発明の工作機械として立型ターニングセンタに実施した実施形態1を示している。
【0020】
全体構成
図1、図2及び図3は、本発明による立型ターニングセンタの全体構成を示し、図1はその立型ターニングセンタの平面図、図2は図1の側面図、図3は図1の正面図である。
【0021】
本発明による立型ターニングセンタは、工作機械の本体を構成する台である機械本体1と機械本体1上に設けられている主軸ヘッドAと、主軸ヘッドAに回転自在に設けられている主軸Bと、ワークパレットを移送するための自動パレットチェンジャ(以下、APCと記載)Qと、機械本体1上に垂直に固定されて設けられているコラムDと、主軸ヘッドAに対して3次元方向に移動自在に設けられている工具主軸ヘッドEと、工具主軸ヘッドEに設けられ2工具主軸を一つのモータの回転力を伝達して回転させる回転伝達機構Fと、工具を収納する工具マガジンGと、2工具主軸と工具マガジンGとの間で工具を交換するための自動工具交換装置Hとから概略構成されている。
【0022】
機械本体1上に、旋削加工等を行う場合の主軸Bにパレット3を固定するパレット固定部2が昇降自在に設けられている。主軸Bは旋削加工を行う場合は所定の回転数で回転し、工具主軸に回転工具が装着された場合には、C軸として制御され、所定の割出し位置への位置決め、他の軸との補間などの制御が行なわれる。ワークはパレット3上に取付け、固定される。パレット固定部2は上昇状態でパレット搬送(パレットアンクランプ状態)が可能となり、下降状態でパレットクランプ状態となる。
【0023】
主軸Bに隣接して平行にパレットガイド2aが2組配置されている。パレットガイド2aは、パレット固定部2b上のパレット3をガイドして主軸Bのパレット固定部2に移動させるためのガイドである。パレット固定部2bは上昇状態でパレット搬送(パレットアンクランプ状態)が可能となり、下降状態でパレットクランプ状態となる。
【0024】
2つのパレットガイド2a,2aとパレット固定部2b,2bの間にはパレット搬送手段2cが配置されている。パレット搬送手段2cの係合部(図示せず)がパレット3に設けられた被係合部(図示せず)と係脱して、所定のパレット交換位置に移動したパレット固定部2とパレット固定部2b,2bとの間でパレット3を搬出入する。結局、2つのパレットガイド2a,2a、パレット固定部2b,2b及びパレット搬送手段2cは自動パレットチェンジャ(APC)Qを構成する。APCQの構造、機能は公知であり、その詳細な説明は省略する。
【0025】
ワークが取付けられたパレット3(主軸B)は、主軸Bの軸心線であるC軸の回りに回転可能であり、かつ、X軸方向に移動可能である。コラムDに支持されている工具主軸ヘッドEは、Z軸方向に昇降移動自在であり、コラムDはY軸方向に移動可能である。X,Y,Zは、3軸をもつ右手直交座標系となる。Z軸は、垂直軸である。
【0026】
工具主軸ヘッドE内に直交する2つの工具主軸6,7が設けられている。一方の工具主軸6の軸心線6aは、Z軸に平行である。他方の工具主軸7の軸心線7aは、Z軸に直交し、Y軸に平行である。工具主軸6と工具主軸7は、下記する回転伝達機構Fにより回転が伝達されている。
回転伝達機構F:
工具主軸6と工具主軸7を回転させるための回転伝達機構Fが、図4に示されている。回転伝達機構Fは、工具主軸ヘッドE内に設けられている。回転伝達機構Fはビルインモータと伝達歯車群と、軸方向変換用の傘歯車とから構成されている。
【0027】
工具主軸ヘッドEの本体にステータとロータとからなるモータ11がビルトインされており、いわゆるビルトインモータを構成する。モータ11の出力軸12は、垂直方向に向いている。出力軸12は、工具主軸6と一体に形成されている。工具主軸6の下端部は、工具を保持することができる主軸端13として形成されている。
【0028】
工具主軸6の下端には、工具のツールシャンク14を保持するためのテーパ穴13aが形成されている。また、工具主軸6内には、ツールシャンク14にねじ込まれたプルスタッド14aを保持するためのドローバ14c、ドローバ14cの先端側のコレット14b、クランプ力を発生させる皿バネ、コイルバネなどであるバネ部材14d等を備えている。
【0029】
この実施形態では、コレット式引張り機構で説明を行っているが、ボール式引張り機構であってもよく、面拘束タイプの工具クランプ機構であってもよい。ドローバ14cは、バネ部材14dにより常時クランプする方向、すなわち垂直方向(図示上の上方)に引っ張る方向に付勢されている。即ち、ツールシャンク14は、主軸端13のテーパ穴13aに押圧されてクランプ状態になる。ドローバ14cの上方には、工具アンクランプ時に作動する公知のアンクランプ用シリンダ(図示せず)が設けられている。これらの部材で、工具クランプ、アンクランプ機構が構成されている。
【0030】
出力軸12の上端部に歯車15が同軸に固定されている。一方、従動軸16が、工具主軸ヘッドE内に回転自在に支持されている。従動軸16は、出力軸12に平行に、かつ垂直方向に向いて配置されている。従動軸16の上端には歯車17が同軸にキー固定されている。歯車15と歯車17とは、図示しない中間軸に固定されている歯車18に噛み合っており、歯車15から歯車17に回転が伝達される。
【0031】
他方の工具主軸7には、傘歯車19により工具主軸7側に固定された傘歯車(図示せず)を介して従動軸16より回転が伝達されている。工具主軸7は、水平向きの前記した軸心線7aを有している。工具主軸7にも、工具主軸6と同様に工具クランプ、工具アンクランプ機構が設けられている(図示せず)。結局、工具主軸6と工具主軸7は、同一のビルトインモータであるモータ11により回転駆動される。以上のように、2工具主軸、回転伝達手段、駆動手段から構成される連動回転のための工具主軸回転駆動系が構成されている。
【0032】
工具主軸6、7には、回転工具のほか、旋削加工を行うための旋削工具も着脱される。旋削工具は、係合部が工具主軸ヘッドEの端部と係合することにより固定工具となり旋削加工を行うことができる。
【0033】
工具マガジンG
立型ターニングセンタの工具マガジンGが、図5及び図6に示されている。図5は、図1の一部をより詳しく示したものであり、工具マガジンGと自動工具交換装置Hの位置関係をより詳しく示している。工具マガジンGそのものの構造、機能は、公知の技術であり、チェーン回転式、ディスク回転式、マトリックス式のものがよく知られている。
【0034】
本例ではチェーンに、複数の工具が工具ポット等の工具保持具23に保持されている。工具保持具23は、図示しない工具交換位置に高精度で停止することができる。図5の紙面は、当該機械系において水平面即ちX―Y平面に平行である。工具マガジンGのチェーンの移動領域を含む面は、垂直面である。工具26が、図6のように工具保持具23に保持される。
【0035】
自動工具交換装置H
図5には立型ターニングセンタの自動工具交換装置Hが、工具マガジンGとの位置関係で示されている。自動工具交換装置Hは、工具マガジンGと工具主軸6,7との間で工具を交換するためのものである。自動工具交換装置Hは、自動工具交換装置H全体を工具マガジンGが配置されている側と工具主軸6,7が配置されている側との間で、旋回(揺動)させるための第1旋回手段H2を備えている。
【0036】
自動工具交換装置Hは両端に工具を把持する交換アームRを有しており、この交換アームRの両端には工具を把持するための把持手段H1を備えている(図10参照)。また、自動工具交換装置Hは、第1旋回手段H2が停止している状態で、把持手段H1を工具主軸6,7側又は工具マガジンG側で、工具主軸6,7に装着された工具又は工具保持具23に保持された工具と、係脱可能な距離だけ直線上で案内して往復運動させることができる第1往復運動手段H3を備えている。
【0037】
また、自動工具交換装置Hは、第1旋回手段H2及び第1往復運動手段H3が停止している状態で把持部H1を2工具主軸6,7の直交した角度だけ旋回させることができる第2旋回手段H4を備えている。この第2旋回手段H4により、90度直交して配置された工具主軸6と工具主軸7との間の角度を揺動し、それぞれの工具交換に対応できる。
【0038】
更に、自動工具交換装置Hは、把持手段H1を2つの工具主軸6,7の間の距離だけ直線移動させる第3往復運動手段H8とから構成されている。自動工具交換装置Hは、第2旋回手段H4及び第3往復運動手段H8を備えていることにより、90度直交してかつ離れた距離に配置された工具主軸6と工具主軸7と、工具マガジンGとの間での工具交換を1台の自動工具交換装置で可能としたものである。
【0039】
更に、自動工具交換装置Hは、第1旋回手段H2、第1往復運動手段H3及び第2旋回手段H4が停止している状態の把持手段H1を、工具マガジンG側及び工具主軸6,7側で、第1旋回手段H2の旋回軸心線に直交する面上で工具マガジンGが工具を保持する保持軸の保持軸方向及び工具主軸6,7の工具主軸6,7方向に案内してそれぞれに往復運動させることができる第2往復運動手段H5、把持手段H1、把持手段H1の位置を180度反転させて入れ替える第3旋回手段H6を含んでいる。
【0040】
工具交換装置Hの第1旋回手段H2
図6に示すように、工具交換装置Hの旋回支持台31が、工具マガジンGの本体上に固定されている。なお、旋回支持台31は機械本体1に固定されていてもよい。旋回支持台31上には第1旋回中心軸32の両端が回転自在に垂直に立ち上がって支持されている。第1旋回中心軸32には回転腕33が固定されており、回転腕33には、第1回転体34が固定されている。
【0041】
回転腕33の一端は、第1回転駆動手段33aのピストンロッドに固定されており、この第1回転駆動手段33aより第1回転体34が旋回駆動される。第1回転駆動手段33aは、選択的に3位置に駆動しかつ位置決めできる駆動手段である。第1回転駆動手段33aは流体圧シリンダ33b,33cから構成され、そのピストンロッドの進退動作により、工具マガジンG側の位置21A、中間位置である待機位置21B、工具主軸側位置21Cの三位置の中で、選択された何れかの位置に旋回位置決めが可能である。
【0042】
工具交換装置Hの第1往復運動手段H3
工具交換装置Hの第1往復運動手段H3は、工具主軸6,7又は工具マガジンGに保持されている工具を工具軸線と直交する方向に移動させて、かつ把持及び把持解除の状態で把持手段H1とツールシャンクのフランジ部と係脱させることができる機構である。第1往復運動手段H3は、第1回転体34に搭載されている。
【0043】
第1往復運動手段H3は、回転腕33にその一端が固定された第1回転体34と第1回転体34に固定された線形案内体(レール)34aに案内され転動する転勤体を内部に含む線形被案内体(リニアベアリング)35とから構成されている。線形案内体34aと線形被案内体35は、慣用技術であるリニアベアリング(直動転がり案内)機構を形成している。
【0044】
第1直線運動体36には、線形被案内体35が固定されている。ベアリングである直線被案内体35は、第1回転体34に設けられたレールである線形案内体(レール)34aに案内され転動する。結局、第1直線運動体36は、X―Y平面又は水平面に含まれる直線上で運動する。
【0045】
第1直線運動体36は、慣用の第1線形駆動手段(流体圧シリンダ)35aにより駆動される。第1往復運動手段H3は、工具主軸6,7に装着された工具又は工具保持具23に保持された工具と係脱可能な距離だけ直線上で案内して往復運動させることができるものである。
【0046】
第2旋回手段H4
第1直線運動体36に、図5に示すように、第2旋回台本体37が両側に固定され設けられている。第2旋回台本体37に、第2回転体38が回転(揺動、旋回ともいう。)自在に設けられている。第2回転体38は、Z―Y平面又はそれに平行な面上で少なくとも90度旋回することができ、第2回転体38の旋回軸心線39は水平向きであり、第1旋回手段H2で工具主軸側位置21c に旋回させた場合(図5の状態)にはX軸方向に向いている。
【0047】
図7及び図8は、第2旋回手段H4の右側面及び左側面図でありそれぞれに図5よりも更に詳しく示している。旋回軸心線39を有する第2旋回軸41が、第2旋回台本体37を貫通している。第2旋回台本体37と第2回転体38は、第2旋回軸41を介して回転(旋回又は揺動)可能に連結されている。
【0048】
第2回転体38の一部は、回転駆動端部42として形成されている。回転駆動端部42に第2旋回駆動手段(液体圧シリンダ)43の駆動端部であるピストンロッドが回転自在に結合されている。第2旋回駆動手段43の他端部は、第2旋回台本体37に揺動軸43aにより揺動自在に支持されている。
【0049】
工具交換装置Hの第2往復運動手段H5
第2回転体38に対して交換アームRが移動自在に取り付けられている。交換アームRはスプライン軸55に案内されており、第2線形駆動手段52(流体圧シリンダ)により駆動される(図9参照)。交換アームRは、旋回軸心線39に直交する向き、即ち、スプライン軸55の旋回軸心線55a方向に移動することができる。
【0050】
この移動距離Sは、図5に距離Sで示されている。この距離Sは、後述される。第2回転体38に、第2線形駆動手段52の不動側が固定されている。第2線形駆動手段52の可動側(ピストンロッド)53が交換アームR側に結合されている。
【0051】
工具交換装置Hの第3旋回手段H6
交換アームRは、第2回転体38に対して旋回することもできる。この旋回は、工具マガジンG又は工具主軸6,7で加工完了した工具とこれから加工に使用する工具とを交換するために角度180度旋回させるためのものである。交換アームRは、旋回軸心線39に直交する向きの旋回軸心線55aのまわりに旋回する(図5,図9参照)。
【0052】
図5、特に図9に示すように、第2回転体38に第3線形駆動手段(流体圧シリンダ)61が固定され設けられている。第2回転体38にピニオン62が回転可能に支持されている。ピニオン62の回転軸心線は、旋回軸心線55aと一致している。ピニオン62は、流体圧シリンダを構成している第3線形駆動手段61により直線方向に駆動されるラック61aに噛み合っている。
【0053】
ピニオン62がキーで固定されているピニオン軸63は、第2線形駆動手段52の本体に係合部材(スプライン軸55、スプライン穴)を介して係合されている。即ち、交換アームRに旋回軸心線55aの軸線方向に進退移動と旋回軸心線55aのまわりの旋回運動とを可能にしている。
【0054】
第3旋回手段H6には、図5、図1に示すように、第2回転体38と同体に回転し第2回転体38に対しては回転しない側に取り付けられている信号伝達手段(電磁カプラ)である固定側カプラ101と、把持手段H7を含む交換アームRに取り付けられている可動側カプラ102とが設けられている。固定側カプラ101は、回転軸心線55の回りに180度異なった2位置に2体が設けられており、交換アームRが180度旋回しても、交換アームR側の信号を第2回転体38側に伝達することができる。
【0055】
工具交換装置Hの把持手段H1
図10は、第3往復運動手段H8とともに把持手段H1を示している。第3往復運動手段H8は、工具の把持手段H1を把持のために交換アームRを伸縮する方向に駆動するためのものである。把持手段H1は、第3往復運動手段H8に取り付けられている。第3往復運動手段H8は、第4線形駆動手段(流体圧シリンダ)74と第4線形駆動手段74により直線方向に駆動される往復動作体71とから構成されている。往復動作体71は、交換アーム基体51上に移動可能である。
【0056】
往復動作体71には、両端部に工具を把持するための把持部分72A,72Bが形成されている。第3旋回手段H6により旋回させられる交換アーム基体51、往復動作体71などの旋回中心線は、同図中に示すように、旋回軸心線55aである。交換アーム基体51、把持手段H1、第3往復運動手段H8で交換アームRが形成されている。
【0057】
把持部分72A,72Bは、工具を把持するために半円状に形成されている。把持部分72A,72Bには、脱落防止用爪73A,73Bが設けられている。把持部分72A,72Bは、工具主軸6,7及び工具マガジンGとの間で工具を工具交換するときには、第4線形駆動手段(シリンダ)74のピストンロッドが縮小方向に移動したA位置(縮小把持位置)に移動する。
【0058】
工具主軸6の工具を工具交換するときには、ピストンロッドが伸長方向に移動したB位置(伸長把持位置)に移動する。この距離の差Lが2つの工具主軸6,7間の距離である。交換アームRの交換アーム基体51には、線形案内体(レール)51a,51aが取付けられ、この線形案内体51a,51aには線形被案内体(リニアベアリング)51b,51bが案内されている。
【0059】
線形被案内体51b,51bには、各々、往復動作体71,71が固定されている。また、交換アーム基体51には、第4線形駆動手段74,74の固定部が固定部材51cを介して固定されている。第4線形駆動手段74,74の可動部であるピストンロッドが取付け部材71aを介して往復動作体71に固定されている。すなわち、往復動作体71は第4線形駆動手段74の駆動により往復移動される。この往復動作体71の先端には、把持手段H1の把持部分72A,72Bが一体に形成されている。
【0060】
図10及び図11(a),(b)は、往復動作体71上には脱落防止用爪73Aによる工具把持状態、すなわち工具ロックを解除する把持解除手段81が設けられている。図11(a),(b)は、図10の平面図であり、図11(a)は工具マガジンG側の把持解除手段81を示し、図11(b)は工具主軸側の把持解除手段である。
【0061】
把持解除手段81は、概略四辺形平行リンク82により構成されている。四辺形平行リンク82は、2点の可動軸83,83と2点の不動軸84,84により四辺形平行リンクを形成している。不動軸84は、往復動作体71に揺動自在に支持されている。図10に示すように、不動軸84は、往復動作体71を貫通して反対側まで延びている。
【0062】
不動軸84を基軸として作用腕86,87が、把持解除手段81の変位に対応して回転(揺動)する。作用腕86,87の動作端部にそれぞれに転輪(カムフォロワ)89,91が設けられている。一方、不動軸84の一端部に操作腕92が固定されている。往復動作体71には把持解除アーム94が揺動自在に支持されている。
【0063】
把持解除アーム94の一端には、把持されている工具が脱落するのを防止するための脱落防止用爪73Aが形成されている。把持解除アーム94の他端は、操作腕92の他端に係合されている。把持解除手段81は、スプリング95の力により通常は把持解除アーム94を係合している位置、すなわち脱落防止用爪73Aが工具をロックする位置に位置している。
【0064】
工具マガジンGの本体側に、動作傾斜体(カム又はドッグ)96が工具マガジンGの所定の箇所に固定されている(図5参照)。また、第2回転体38に動作傾斜体91aが固定されている。図5に示すマガジン側工具交換位置21Aに、交換アームRの往復動作体71が旋回軸心線55a方向に後退するとともに第1往復手段H3により工具マガジンG側に旋回移動した位置では、転輪89は動作傾斜体96の頂部に位置する。
【0065】
このような位置関係にあるときは、作用腕87、可動軸83がスプリング95のばね力に抗して回転変位して、図10に示すように、操作腕92と把持解除アーム94との係合が解除される。この状態では脱落防止用73A(または73B)は、スプリング94bのばね力で押圧されている軸体94aにより工具把持方向に位置している。しかしながら、スプリング94bのばね力は弱くしてあるため、図10のイ方向に把持手段H1を移動させると工具のフランジ部より容易に離脱・係合する。
【0066】
また、工具主軸側工具交換位置21C(図5参照)では次のようになる。工具主軸7とのあいだで工具交換する場合には、第3往復運動手段H8は両方の把持部分72A,72Bを各々A位置(ピストンロッドを縮小させた位置)に位置させている。この縮小状態を標準アーム状態とする。
【0067】
図5の実線で示したような交換アーム基体51、往復動作体71等からなる交換アームRが旋回軸心線55a方向に後退した状態になると、動作傾斜体91aと作用腕87の転輪89とが係合し、工具主軸7側の把持部分(例えば、72A)は工具把持解除状態となり、工具主軸7の反対側の把持部分(新工具を把持した把持部分、例えば、72B)は工具把持状態を維持している(図11(b)の状態)。すなわち、交換アームRを高速搬送しても問題が生じない。
【0068】
同様に、工具主軸6とのあいだで工具交換する場合には、第3往復運動手段H8は両方の把持部分72A,72Bを各々B位置(ピストンロッドを伸長させた位置)に位置させている。この状態をロングアーム状態とする。往復動作体71が旋回軸心線55方向に後退した状態になると、動作傾斜体91aと作用腕86の転輪91とが係合し、工具主軸7側の把持部分を工具把持解除状態とし、工具主軸7の反対側の把持部分の工具把持状態を維持する(図11(a)の状態)。
【0069】
この把持解除状態は、交換アーム基体51、往復移動体71等からなる交換アームRが旋回軸心線55a方向に前進すると、作用腕86の転輪91または作用腕87の転輪89と、動作傾斜体91aとが離隔するので係合状態が解除され、把持部分72A,72Bは両方ともに、スプリング95の強力なばね力によって、操作腕92等を介して脱落防止用爪73A,73Bが把持状態となる。
【0070】
このように、工具主軸6、工具主軸7のどちらの工具主軸とのあいだの工具交換であっても、工具把持又は解除状態とすることができる。把持解除状態のとき、脱落防止用爪73Aには、軸体94aを押圧しているばね94bのばね力より大きな力をかければ、脱落防止用爪73Aは、解放方向に回転する。
【0071】
したがって、動作傾斜体96と転輪89とが係合している場合には、工具主軸6、工具主軸7側の把持手段H7の把持部分(例えば72A)に入っている工具のフランジ部(被把持部)から把持部分72aが離脱又は把持することを可能にする。即ち、工具主軸6、工具主軸7側の把持手段H7は、把持解除又は把持状態になる。
【0072】
このような位置関係にない場合、即ち、往復動作体71が旋回軸心線55aの軸線方向に前進しているときなどでは、操作腕92と把持解除アーム94とがスプリング95のばね力で付勢されて係合し、脱落防止用爪73Aを強制的に把持方向に押圧し工具の脱落を防止している。脱落防止用爪73Bの作用は、脱落防止用爪73Aの作用に同じである。
【0073】
往復動作体71が図11に示す距離Lだけ移動した場合にも、転輪91が動作傾斜体91aの頂部に位置し、把持状態が解除される。この距離Lは、2工具軸6,7の間の距離に等しくなるように等しくなるように設計されている。
【0074】
工具マガジンGと自動工具交換装置Hとの工具交換動作
以上のような構造において、工具マガジンGと自動工具交換装置Hとの間の工具交換動作について述べる。自動工具交換装置Hは、通常待機位置(自動工具交換装置原点)21Bで待機している(図5参照)。第1旋回手段H2は第1回転体34を待機位置21Bに、第2旋回手段H4は第2回転体38を水平方向に、第2往復運動手段H5は交換アーム基体51、すなわち交換アームRを後退位置に位置させている。また、第1往復運動手段H3の状態は、第2旋回台本体37を工具マガジンG側に位置させている。
【0075】
さらに、工具マガジン側把持部分には、工具マガジンGに返却する旧工具(加工が完了した工具)を把持している状態とする。さらに、第3往復手段H8は把持部分72A,72Bが、旋回軸心線55aにお互いに近づいている標準アーム状態(A位置:縮小把持位置)となっている(図10参照)。工具マガジンGとの工具交換指令が指令されると、第2往復運動手段H5は交換アーム基体51を介して交換アームRを前進位置に移動させる。
【0076】
次に、第1旋回手段H2は、第1回転体34を介して交換アームRを工具マガジン側工具交換位置21Aに旋回させる。同時に、工具マガジンGは、返却される旧工具を保持する所定の工具ポットを工具マガジン工具交換装置に割り出す。次に、第2往復運動手段H5が、交換アームRを後退位置に移動させ、工具ポット内に旧工具を挿入し工具マガジンG内のクランプ機構で保持させる。このとき、動作傾斜体96と作用腕87の転輪89とが係合するので、工具マガジン側把持部分のみが工具把持解除状態となる。
【0077】
第1往復運動手段H3によって、第2旋回台本体37を介して交換アームRを工具主軸側に(この状態では、工具マガジンGより離れる方向に)移動させることにより、把持部分を旧工具の径方向に移動させ、旧工具のツールシャンクのフランジ部より工具マガジン側把持部分を離脱させる。
【0078】
工具マガジンGは指定された新工具を保持している所定の工具ポットを工具マガジン工具交換位置に呼び出す。第1往復運動手段H3によって、交換アームRを工具マガジンG側に移動させることにより、把持部分を新工具の径方向に移動させ、新工具のツールシャンクのフランジ部(被把持部)に交換アームRの一対の把持部分72A,72Bの工具マガジン側把持部分を挿入させ係合させる。
【0079】
第2往復運動手段H5が交換アームRを前進位置に移動させることにより、新工具を工具の軸線方向に工具ポットより離脱させる。このとき、動作傾斜体96より作用腕87の転輪89が離れるので、工具マガジン側把持部分が工具把持状態となり、高速搬送が可能となる。
【0080】
第1旋回手段H2は第1回転体34を介して交換アームRを待機位置に旋回させる。旋回後、第2往復運動手段H5によって、交換アームRを後退位置に移動させ、新工具を工具マガジン側把持部分に把持した待機状態に戻る。
【0081】
工具主軸7と自動工具交換装置Hとの工具交換動作
自動工具交換装置Hは、待機位置(自動工具交換装置原点)21Bで、工具マガジン側把持部分に新工具を把持している状態として説明を行う。また、工具主軸6、工具主軸7を支持している工具主軸ヘッドEは工具交換位置に移動しているものとする。さらに、第3往復手段H8は把持部分72A、72Bが、旋回軸心線55にお互いに近づいている標準アーム状態(A位置)となっている。
【0082】
図示しないシャッタを開状態にし、自動工具交換装置Hの加工領域への移動を可能にする。第1旋回手段H2は第1回転体34を介して交換アームRを待機位置21Bより工具主軸側位置21Cに旋回させる。第1往復運動手段H3が第2旋回台本体37を工具主軸側に移動させる。
【0083】
このとき、動作傾斜体91aと工具主軸側把持部分の作用腕87の転輪89とが係合しているので、工具主軸側把持部分は工具把持解除状態になっている。そのために、工具主軸側把持部分は、工具主軸に装着されている旧工具のツールシャンクのフランジ部に工具の径方向より挿入され係合する。工具主軸7の工具クランプ・アンクランプ手段をアンクランプ状態にする。
【0084】
第2往復運動手段H5が交換アーム基体51を介して交換アームRを前進位置に移動させ、旧工具を工具主軸7より工具主軸7の軸線方向に離脱させる。このとき、動作傾斜体91aより工具主軸側把持部分の作用腕87の転輪89が離れるので、工具主軸側把持部分は工具把持状態になり、高速搬送が可能となる。
【0085】
第3旋回手段H6により、交換アームRの把持手段72A,72Bを180度旋回させ、新工具を把持している把持部分を工具主軸側に、旧工具を把持している把持部分を工具マガジン側に位置させる。すなわち、新旧工具の位置が入れ替わったのである。第2往復運動手段H5によって、交換アームRを後退位置に位置させ、新工具を工具主軸7に工具主軸7の軸線方向に挿入する。
【0086】
工具主軸7の工具クランプ・アンクランプ手段をクランプ状態にし、工具主軸7に新工具を装着する。また、交換アームRが後退位置に移動したとき、動作傾斜体91aと工具主軸側把持部分の作用腕87の転輪89とが係合しているので、工具主軸側把持部分は工具把持解除状態となる。
【0087】
第1往復運動手段H3が交換アームRを工具マガジンG側に移動させ、交換アームを新工具の径方向に移動させ、新工具のツールシャンクのフランジ部より交換アームRの工具主軸側把持部分を離脱させる。第1旋回手段H2によって、交換アームRを工具主軸側工具交換位置より待機位置に旋回させる。シャッタが閉状態となって、加工領域が遮蔽され、新工具による加工を開始する。
【0088】
工具主軸6と自動工具交換装置Hとの工具交換動作
自動工具交換装置Hは、待機位置(自動工具交換装置原点)21Bで、工具マガジン側把持部分に新工具を把持している状態として説明を行う。また、工具主軸6は工具交換位置に移動しているものとする。さらに、第3往復運動手段H8は把持部分72A,72Bが、旋回軸心線55にお互いに近づいている標準アーム状態(A位置)となっている。
【0089】
図示しないシャッタを開状態にし、自動工具交換装置Hの加工領域への移動を可能にする。第1旋回手段H2は第1回転体34を介して交換アームRを待機位置21Bより工具主軸側位置21Cに旋回させる。第2旋回手段H4によって、第2回転体38を介して交換アームRが把持している新工具の軸線が垂直方向を向くように旋回させる。
【0090】
また、第3往復運動手段H8により、把持部分72A,72Bを、旋回軸心線55より離れる方向に位置するロングアーム状態(B位置:伸長把持位置)とする。このとき、動作傾斜体91aと工具主軸側把持部分の作用腕87の転輪89との係合は解除されるが、ロングアーム状態となったときに、作用腕86の転輪91と動作傾斜体91aとが係合するので、工具主軸側把持部分は工具把持解除状態となる。
【0091】
第1往復運動手段H3が第2旋回台本体37を介して交換アームRを工具主軸6側に移動させる。工具主軸側把持部分は、工具主軸6に装着されている旧工具のツールシャンクのフランジ部に工具の径方向より挿入され係合する。工具主軸6の工具クランプ・アンクランプ手段をアンクランプ状態にする。
【0092】
第2往復運動手段H5が交換アームRを前進位置に移動させ、旧工具を工具主軸6より工具主軸6の軸線方向に離脱させる。このとき、動作傾斜体91aより工具主軸側把持部分の作用腕87の転輪89が離れるので、工具主軸側把持部分は工具把持状態になり、高速搬送が可能となる。
【0093】
第3往復運動手段H8により、把持部分72A,72Bを標準アーム状態に位置させる。第3旋回手段H6により、交換アームRの把持手段72A,72Bを180度旋回させ、新工具を把持している把持部分を工具主軸側に、旧工具を把持している把持部分を工具マガジン側に位置させる。すなわち、新旧工具の位置が入れ替わったのである。
【0094】
第3往復運動手段H8により、把持部分72A,72Bをロングアーム状態に位置させる。第2往復運動手段H5によって、交換アームRを後退位置に位置させ、新工具を工具主軸6に工具主軸6の軸線方向に挿入する。工具主軸6の工具クランプ・アンクランプ手段をクランプ状態にし、工具主軸6に新工具を装着する。
【0095】
また、交換アームRが後退位置に移動したとき、動作傾斜体91aと工具主軸側把持部分の作用腕87の転輪89とが係合しているので、工具主軸側把持部分は工具把持解除状態となる。第1往復運動手段H3が第2旋回台本体37を介して交換アームRを工具マガジンG側に移動させ、工具主軸側把持部分を新工具の径方向に移動させ、新工具のツールシャンクのフランジ部より工具主軸側把持部分を離脱させる。
【0096】
第3往復運動手段H8により、把持部分72A,72Bを標準アーム状態に位置させる。第2旋回手段H4によって、第2回転体38を介して交換アームRが把持している新工具の軸線が水平方向を向くように旋回させる。第1旋回手段H2によって、第1回転体34を介して交換アームRを工具主軸側工具交換位置21Cより待機位置21Bに旋回させる。
【0097】
シャッタが閉状態となって、加工領域が遮蔽され、新工具により加工が開始させる。
【0098】
この実施形態では、立型ターニングセンタで説明を行っているがこれに限定されない。マシニングセンタ等2つの工具主軸を有する工作機械であればよい。また、工具マガジンもマトリックス型工具マガジンであってもよい。更に、交換アームRは、シングルアームであってもよい。
【0099】
【発明の効果】
本発明による工作機械は、単一の自動工具交換装置で2つの工具主軸に工具交換することができる。また、2つの工具主軸とのあいだで工具交換する場合には、工具把持・把持解除手段を各主軸に対応して設けてあるので、交換アームによる高速搬送による工具交換時間短縮と、確実な工具交換動作の両立が図れる。
【0100】
さらに、工具主軸が直交した工作機械や、ターニングセンタのように工具を多く工具マガジンに貯蔵しておく必要がある工作機械にも適用が可能であり、全体構成の簡素化による信頼性の向上、工具マガジンが一つなので段取り替えが容易であり、両方の工具主軸に同一の工具を共通に使用することができる。
【0101】
そのうえ、縦軸の工具主軸と横軸の工具主軸とを有し、旋削加工と回転工具加工を行えるようにしたターニングセンタでは、各種加工が効率的に行えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、立型ターニングセンタの平面図である。
【図2】図2は、図1の側面図である。
【図3】図3は、図1の正面図である。
【図4】図4は、工具主軸部分の断面図である。
【図5】図5は、図1の部分拡大図であり、自動工具交換装置部分である。
【図6】図6は、図5の正面図である。
【図7】図7は、図5の矢印VII方向からみた自動工具交換装置の右側面である。
【図8】図8は、自動工具交換装置の一部の側面図である。
【図9】図9は、自動工具交換装置の一部の左側面図である。
【図10】図10は、工具把持解除手段の平面図である。
【図11】図11は、工具把持解除手段の一部の背面図である。
【図12】図12は、図5の部分拡大図であり、自動工具交換装置のセンサーの配置を示す正面図である。
【図13】図13は、図5の矢印XIII方向からみた自動工具交換装置の右側面である。
【符号の説明】
1…機械本体
6,7…工具主軸
11…ビルトインモータ
34…第1回転体
36…第1直線運動体
38…第2回転体
51…交換アーム基体
E…工具主軸ヘッド
G…工具マガジン
H…自動工具交換装置
71…往復動作体
H1…把持手段
H2…第1旋回手段
H3…第1往復運動手段
H4…第2旋回手段
H5…第2往復運動手段
H6…第3旋回手段
H8…第3往復運動手段

Claims (8)

  1. 工具交換するために工具交換位置に移動したとき、自動工具交換装置に対して、第1の離間位置に第1の工具主軸軸線を有する第1の工具主軸と、前記第1の離間位置より所定量離れた位置にある第2の離間位置に第2の工具主軸軸線を有する第2の工具主軸とを回転自在に支持する工具主軸ヘッドと、
    進退移動可能な交換アームを有し、前記第1の工具主軸または第2の工具主軸との間で自動工具交換動作を行う自動工具交換装置とを有する工作機械の自動工具交換方法であって、
    前記第1の工具主軸との間で工具交換するときには、
    前記自動工具交換装置の交換アームに形成された一対の把持部を、前記第1の工具主軸との工具交換位置であり前記交換アームを縮小させた縮小把持位置に移動させ、
    前記交換アームが前記第1の工具主軸の軸線方向の後退位置にあるときのみ、前記一対の把持部のうち前記第1の工具主軸側の把持部を工具把持解除状態とし、
    前記第1の工具主軸と前記交換アームとの間で工具交換動作を行い、
    前記第2の工具主軸との間で工具交換するときには、前記交換アームの把持部を前記第2の工具主軸との工具交換位置であり前記交換アームを伸長させた伸長把持位置に移動させ、
    前記交換アームが前記第2の工具主軸軸線方向の後退位置にあるときのみ、前記一対の把持部のうち前記第2の工具主軸側の把持部を工具把持解除状態とし、
    前記第2の工具主軸と前記交換アームとの間で工具交換動作を行うことにより離れた位置にある二つの工具主軸に、一つの交換アームで工具交換できるようにしたことを特徴とする工作機械の自動工具交換方法。
  2. 請求項1に記載の工作機械の自動工具交換方法であって、
    前記第1の工具主軸との間で工具交換するときには、
    前記交換アームの一対の把持部を前記縮小把持位置に移動させ、
    前記交換アームを前記工作機械の加工領域外に設けられた待機位置より工具主軸と工具交換する工具主軸側交換位置に旋回させ、
    前記交換アームを前記第1の工具主軸の軸線方向と直交する径方向より前記第1の工具主軸側に移動させて、前記一対の把持部のうち工具把持解除状態の前記第1の工具主軸側把持部を前記第1の工具主軸に装着されている工具の被把持部に係合させ、
    前記第1の工具主軸のクランプ・アンクランプ手段をアンクランプ状態とし、
    前記交換アームを前記第1の工具主軸の軸線方向に前進させて、前記工具を前記第1の工具主軸より離脱させるとともに、前記一対の把持部のうち前記第1の工具主軸側把持部を把持状態とし、
    前記交換アームを交換アーム旋回軸を中心にして所定角度旋回させて、前記一対の把持部の位置を入れ替え、
    前記交換アームを前記第1の工具主軸軸線方向に後退させて、工具を前記第1の工具主軸に挿入するとともに、前記一対の把持部のうち前記第1の工具主軸側把持部を工具把持解除状態とし、
    前記第1の工具主軸のクランプ・アンクランプ手段をクランプ状態とし、
    前記交換アームを前記径方向にかつ前記第1の工具主軸側より離れる方向に移動させて、前記一対の把持部のうち工具把持解除状態の前記第1の工具主軸側把持部を前記第1の工具主軸に装着されている前記工具の被把持部により離脱させ、
    前記交換アームを前記待機位置に旋回させ、
    前記第2の工具主軸との間で工具交換するときには、
    前記交換アームの一対の把持部を前記縮小把持位置に移動後、前記交換アームを前記待機位置より前記工具主軸側交換位置に旋回させ、
    前記交換アームの一対の把持部を前記伸長把持位置に移動させ、
    前記交換アームを前記第2の工具主軸の軸線方向と直交する径方向の前記第2の工具主軸側に移動させて、前記一対の把持部のうち工具把持解除状態の前記第2の工具主軸側把持部を前記第2の工具主軸に装着されている工具の被把持部に係合させ、
    前記第2の工具主軸のクランプ・アンクランプ手段をアンクランプ状態とし、
    前記交換アームを前記第2の工具主軸軸線方向に前進させて、前記工具を前記第2の工具主軸より離脱させるとともに、前記一対の把持部のうち前記第2の工具主軸側の把持部を把持状態とし、
    前記交換アームの一対の把持部を前記縮小把持位置に移動させ、
    前記交換アームを前記交換アームの旋回軸を中心にして所定角度旋回させて、前記一対の把持部の位置を入れ替え、
    前記交換アームの一対の把持部を前記伸長把持位置に移動させ、
    前記交換アームを前記第2の工具主軸軸線方向に後退させて、工具を前記第2の工具主軸に挿入するとともに、前記一対の把持部のうち前記第2の工具主軸側把持部を工具把持解除状態とし、
    前記交換アームを前記径方向にかつ前記第2の工具主軸側より離れる方向に移動させて、前記一対の把持部のうち工具把持解除状態の前記第2の工具主軸側把持部を前記第2の工具主軸に装着されている前記工具の被把持部より離脱させ、
    前記交換アームの一対の把持部を前記縮小把持位置に移動させ、
    前記交換アームを前記待機位置に旋回させることにより、
    離れた位置にある二つの工具主軸に、一つの交換アームで工具交換できるようにしたことを特徴とする工作機械の自動工具交換方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記第1の工具主軸と前記第2の工具主軸とを、工具主軸軸線が直交するように設け、
    直交した前記第1の工具主軸と前記第2の工具主軸との間を前記交換アームが旋回可能に第2旋回手段を設け、
    前記待機位置で前記交換アームが把持している工具の軸線方向と直交した工具主軸との間で工具交換する場合、前記交換アームが工具主軸側に旋回した後、前記第2旋回手段で旋回動作させて、前記交換アームの把持部の向きを変更することにより、
    二つの位置にかつ直交した位置にある工具主軸に、一つの前記交換アームで工具交換できるようにしたことを特徴とする工作機械の自動工具交換方法。
  4. 工具交換するための工具交換位置に移動したとき、前記自動工具交換装置に対して、第1の離間位置に第1の工具主軸軸線を有する第1の工具主軸(7)と、前記第1の離間位置より所定量離れた位置にある第2の離間位置に第2の工具主軸軸線を有する第2の工具主軸()とを回転自在に支持する工具主軸ヘッド(E)と、
    前記第1の工具主軸または第2の工具主軸との間で自動工具交換動作を行う自動工具交換装置(H)とを備えた工作機械であって、
    前記自動工具交換装置に設けられ、工具を把持するための交換アーム基体と、
    前記交換アーム基体に設けられ、前記工具の被把持部を係合可能に把持する把持部(H1)と、
    前記交換アーム基体に設けられ、前記把持部(H1)を、前記第1の工具主軸との工具交換位置であり交換アームを縮小させた縮小把持位置と、前記第2の工具主軸との工具交換位置であり前記交換アームを伸長させた伸長把持位置とに往復移動させる第3往復運動手段(H8)と、
    前記自動工具交換装置の基部と前記交換アーム基体の間に跨って設けられ、前記把持部(H1)が前記縮小把持位置または前記伸長把持位置に移動するとともに前記工具主軸軸線方向に後退したとき、前記第1の工具主軸側または前記第2の工具主軸側に位置した把持部を工具把持解除状態とし、前記交換アームがその他の位置にある場合には工具把持状態とする工具把持・把持解除手段(91a,81)とを有し、
    二つの位置にある工具主軸に、一つの交換アームで工具交換できるようにしたことを特徴とする自動工具交換装置を備えた工作機械。
  5. 請求項4に記載の工作機械であって、
    工具マガジンまたは前記工作機械の基体に旋回自在に設けられ、前記工具主軸と工具交換する工具主軸側旋回位置と、前記工作機械の加工領域外に設けられた待機位置との間を旋回する自動工具交換装置本体(33,34…)と、
    前記工具の被把持部を係脱可能に把持する一対の把持部を両端に備えた交換アーム(R)と、
    前記工具交換装置本体に設けられ、前記把持部を前記工具の被把持部に前記工具の軸線方向と直交する径方向より係脱するため前記交換アームの第1往復運動体(36,37,38…)を進退移動させる第1往復運動手段(H3)と、
    前記第1往復運動体に設けられ、前記工具主軸側旋回位置に旋回したときに前記工具主軸に装着されている工具の軸線と平行な方向に位置する交換アーム旋回軸(63)と、
    前記第1往復運動体と前記交換アーム基体との間に設けられ、前記交換アームを前記交換アーム旋回軸軸線方向に進退移動させる第2往復運動手段(H5)と、
    前記第1往復運動体と前記交換アームとの間に設けられ、前記交換アームを前記交換アーム旋回軸軸線に対して所定角度反転させ、前記交換アームの前記一対の把持部の位置を入れ替える第3旋回手段(H6)と、
    前記交換アーム基体に設けられ、前記交換アームの一対の把持部を前記縮小把持位置と前記伸長把持位置に移動させる第3往復運動手段(H8)と、
    前記交換アーム基体と前記第1往復運動体との間に跨がって設けられ、前記交換アームが後退した位置で、かつ、前記工具主軸側旋回位置にある場合には、前記一対の把持部のうち前記第1の工具主軸側または前記第2の工具主軸側に位置した把持部を工具把持解除状態とし、前記交換アームがその他の位置にある場合には工具把持状態とする工具主軸・把持解除手段(91a,81)とからなり、
    二つの位置にある工具主軸に、一つの交換アームで工具交換できるようにしたことを特徴とする自動工具交換装置を備えた工作機械。
  6. 請求項4または請求項5に記載の前記工作機械において、
    前記第1の工具主軸と前記第2の工具主軸とを工具主軸軸線が直交するように設け、
    第1往復運動体と前記交換アーム旋回軸との間に、直交した第1の工具主軸と第2工具主軸とのあいだを前記交換アームが旋回可能に第2旋回手段(H4)を設け、
    離れた位置に、かつ、直交した位置にある二つの工具主軸に、一つの交換アームで工具交換できるようにしたことを特徴とする自動工具交換装置を備えた工作機械。
  7. 請求項4、請求項5または請求項6に記載の工作機械において、
    前記工具把持・把持解除手段は、前記第1往復運動体または前記交換アーム旋回軸に設けられた被係合体(91a)と、
    前記交換アームの進退動作体に平行リンク状に設けられ、前記被係合体と前記縮小把持位置および前記伸長把持位置で係合する把持解除手段1)とを有し、
    前記交換アームの一対の把持部の工具把持・把持解除を操作することを特徴とする自動工具交換装置を備えた工作機械。
  8. 請求項4、請求項5、請求項6または請求項7に記載の工作機械において、
    前記工作機械は、前記第1の工具主軸および前記第2の工具主軸に旋削加工用工具と回転工具を装着可能な工具装着手段が設けられ、被加工物に旋削加工と回転工具加工とを行うことができるターニングセンタであることを特徴とする自動工具交換装置を備えた工作機械。
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