JP3855527B2 - シリコンウェーハの熱処理方法 - Google Patents

シリコンウェーハの熱処理方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路を製造するために用いられるシリコンウェーハの熱処理方法に関する。更に詳しくはチョクラルスキー法(以下、CZ法という。)により作られたシリコンウェーハの熱処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路を製造する工程において、歩留りを低下させる原因として酸化誘起積層欠陥(Oxidation Induced Stacking Fault、以下、OSFという。)の核となる酸素析出物の微小欠陥や、結晶に起因したパーティクル(Crystal Originated Particle、以下、COPという。)の存在が挙げられている。OSFは、結晶成長時にその核となる微小欠陥が導入され、半導体デバイスを製造する際の酸化工程等で顕在化し、作製したデバイスのリーク電流の増加等の不良原因になる。また鏡面研磨後のシリコンウェーハをアンモニアと過酸化水素の混合液で洗浄すると、ウェーハ表面にピットが形成され、このウェーハをパーティクルカウンタで測定すると、ピットも本来のパーティクルとともにパーティクルとして検出される。上記ピットは結晶に起因したものであり、本来のパーティクルと区別するために、COPと称される。このウェーハ表面のピットであるCOPは電気的特性、例えば酸化膜の経時絶縁破壊特性(Time Dependent dielectric Breakdown、TDDB)、酸化膜耐圧特性(Time Zero Dielectric Breakdown、TZDB)等を劣化させる原因となる。またCOPがウェーハ表面に存在するとデバイスの配線工程において段差を生じ、この段差は断線の原因となって、製品の歩留りを低くする。
以上のことから、半導体集積回路を製造するために用いられるシリコンウェーハからOSF及びCOPを減少させることが必要となっている。
【0003】
従来、このOSF及びCOPを減少させる方法として、急速加熱・急速冷却できる装置を用いて、100%水素雰囲気又は水素とアルゴンの混合雰囲気下でシリコンウェーハを1200℃〜シリコンの融点以下の温度範囲で、1〜60秒間熱処理をする方法が開示されている(特開平10−326790)。この方法によれば、直径8インチウェーハ当たり、0.12μm以上のCOPの数を50個以下にすることができ、かつ酸化膜耐圧の良品率を向上することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の方法では、熱処理前の状態で0.12μm以上のCOPの数が8インチウェーハで表面全体に300個以上あるシリコンウェーハを用いるため、COPの数をウェーハ表面全体で実質的に0個にすることは至難であるうえ、還元性雰囲気下、1250℃を超える高温熱処理を行うことにより、ウェーハがFe等で汚染され易い不具合があった。また急速加熱・急速冷却できる装置を用いて1150℃以上の熱処理を行うと、スリップが起り易い不具合があった。更に急速加熱では引上げ時に作込まれた酸素析出核が抑圧され、デバイス工程においてこの核が十分に析出せず、ゲッタリング効果を期待できないため、金属汚染に対してこの汚染不純物の除去能力が弱くなる欠点もある。
本発明の目的は、従来のOSF顕在化熱処理を行ってもOSFフリーかつCOPフリーであって、Fe等の汚染やスリップの発生がほとんどないシリコンウェーハを得るための熱処理方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、ウェーハ面内でCOPも転位ピットも発生していないシリコンウェーハに対して、酸素雰囲気下、1000℃±30℃の温度で2〜5時間熱処理し、引続き1130℃±30℃の温度で1〜16時間熱処理するとウェーハ中心部にOSFが顕在化するシリコンウェーハを熱処理する方法であって、このシリコンウェーハを100%酸素雰囲気下又は酸素と窒素の混合雰囲気下、1130〜1200℃の温度で1分〜6時間熱処理することを特徴とするシリコンウェーハの熱処理方法である。
請求項2に係る発明は、請求項1に係るシリコンウェーハと同一のシリコンウェーハを100%アルゴン雰囲気下、1130〜1200℃の温度で1分〜6時間熱処理することを特徴とするシリコンウェーハの熱処理方法である。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る方法で作られたシリコンウェーハを100%水素雰囲気下又は水素とアルゴンの混合雰囲気下、1150〜1250℃の温度で1分〜4時間熱処理することを特徴とするシリコンウェーハの熱処理方法である。
請求項1、2又は3に係るシリコンウェーハはその中心部にOSFが現れる条件でCZ法により作られるウェーハであって、その中心部以外ではCOPフリーである。このシリコンウェーハを上記条件で熱処理すると、従来のOSF顕在化する条件で熱処理しても、OSFを生じず、OSFフリーとなる。その結果、COPフリー及びOSFフリーであって、Fe等の汚染やスリップの発生がほとんどないシリコンウェーハが得られる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のシリコンウェーハは、CZ法によりホットゾーン炉内のシリコン融液からインゴットをボロンコフ(Voronkov)の理論に基づいた所定の引上げ速度プロファイルで引上げた後、このインゴットをスライスして作製される。
一般的に、CZ法によりホットゾーン炉内のシリコン融液からシリコン単結晶のインゴットを引上げたときには、シリコン単結晶における欠陥として、点欠陥(point defect)と固まり(agglomerates:三次元欠陥)が発生する。点欠陥はべーカンシー点欠陥とインタースチシャル点欠陥という二つの一般的な形態がある。べーカンシー点欠陥は一つのシリコン原子がシリコン結晶格子で正常的な位置の一つから離脱したものである。このようなべーカンシーがべーカンシー点欠陥になる。一方、原子がシリコン結晶の非格子地点(インタースチシャルサイト)で発見されるとこれがインタースチシャル点欠陥になる。
【0007】
点欠陥は一般的にシリコン融液(溶融シリコン)とインゴット(固状シリコン)の間の接触面で形成される。しかし、インゴットを継続的に引上げることによって接触面であった部分は引上げとともに冷却し始める。冷却の間、べーカンシー点欠陥又はインタースチシャル点欠陥のそれぞれ拡散が欠陥を互いに合併して、べーカンシー固まり(vacancy agglomerates)又はインタースチシャル固まり(interstitial agglomerates)が形成される。言い換えれば、固まりは点欠陥の合併に起因して発生する三次元構造である。
べーカンシー固まりは前述したCOPの他に、LSTD(Laser Scattering Tomograph Defects)又はFPD(Flow Pattern Defects)と呼ばれる欠陥を含み、インタースチシャル固まりはL/D(Large/Dislocation)固まり又はディスロケーション欠陥と呼ばれる欠陥を含む。FPDとは、インゴットをスライスして作製されたシリコンウェーハを30分間セコ(Secco)エッチング液で化学エッチングしたときに現れる特異なフローパターンを呈する痕跡の源であり、LSTDとは、シリコン単結晶内に赤外線を照射したときにシリコンとは異なる屈折率を有し散乱光を発生する源である。
【0008】
ボロンコフの理論は、欠陥の数が少ない高純度インゴットを成長させるために、インゴットの引上げ速度をV(mm/分)、ホットゾーン構造でインゴット−シリコン融液の接触面の温度勾配をG(℃/mm)とするときに、V/G(mm2/分・℃)を制御することである。この理論では、図1に示すように、V/Gは関数としてべーカンシー及びインタースチシャル濃度を図式的に表現し、ウェーハでべーカンシー/インタースチシャル混合の発生がV/Gによって決定されることを説明している。より詳しくは、V/G比が臨界点以上ではべーカンシー豊富インゴットが形成される反面、V/G比が臨界点以下ではインタースチシャル豊富インゴットが形成される。
【0009】
本発明の所定の引上げ速度プロファイルは、インゴットがホットゾーン炉内のシリコン溶融物から引上げられる時、温度勾配に対する引上げ速度の比(V/G)がインタースチシャル固まりを防止する第1臨界比((V/G)1)以上であって、べーカンシー固まりをインゴットの中央にあるべーカンシー豊富領域内に制限する第2臨界比((V/G)2)以下に維持されるように決められる。
【0010】
この引上げ速度のプロファイルは、実験的に基準インゴットを軸方向にスライスすることで、実験的に基準インゴットをウェーハにスライスすることで、またはこれらの技術を組合わせることで、シミュレーションによって上記ボロンコフの理論に基づき決定される。即ち、この決定は、シミュレーションの後、インゴットの軸方向スライス及びスライスされたウェーハの確認を行い、更にシミュレーションを繰り返すことによりなされる。シミュレーションのために複数種類の引上げ速度が所定の範囲で決められ、複数個の基準インゴットが成長される。図2に示すように、シミュレーションのための引上げ速度プロファイルは1.2mm/分のような高い引上げ速度(a)から0.5mm/分の低い引上げ速度(c)及び再び高い引上げ速度(d)に調整される。上記低い引上げ速度は0.4mm/分又はそれ以下であることもあってもよく、引上げ速度(b)及び(d)での変化は線形的なものが望ましい。
【0011】
異なった速度で引上げられ複数個の基準インゴットは各別に軸方向にスライスされる。最適のV/Gが軸方向のスライス、ウェーハの確認及びシミュレーションの結果の相関関係から決定され、続いて最適な引上げ速度プロファイルが決定され、そのプロファイルでインゴットが製造される。実際の引上げ速度プロファイルは所望のインゴットの直径、使用される特定のホットゾーン炉及びシリコン融液の品質等を含めてこれに限定されない多くの変数に依存する。
【0012】
引上げ速度を徐々に低下させてV/Gを連続的に低下させたときのインゴットの断面図を描いてみると、図3に示される事実が分かる。図3には、インゴット内でのべーカンシー豊富領域が[V]、インタースチシャル豊富領域が[I]、及びベーカンシー固まり及びインタースチシャル固まりが存在しないパーフェクト領域が[P]としてそれぞれ示される。図3に示すように、インゴットの軸方向位置P1は、中央にべーカンシー豊富領域を含む。位置P2は位置P1に比べて中央に小さいベーカンシー豊富領域を含む。位置P4はインタースチシャル豊富リング及び中央のパーフェクト領域を含む。また位置P3は中央にべーカンシーがないし縁部分にインタースチシャルもないので全てパーフェクト領域である。
【0013】
図3から明らかなように、位置P1に対応したウェーハW1は、中央にべーカンシー豊富領域を含む。位置P2に対応したウェーハW2は、ウェーハW1に比べて中央に小さい面積でベーカンシー豊富領域を含む。位置P4に対応したウェーハW4は、インタースチシャル豊富リング及び中央のパーフェクト領域を含む。また位置P3に対応したウェーハW3は中央にべーカンシーがないし、縁部分にインタースチシャルもないので全てパーフェクト領域である。
【0014】
このベーカンシー豊富領域のパーフェクト領域に接する僅かな領域は、従来のOSF顕在化熱処理に従った、酸素雰囲気下、1000℃±30℃の温度で2〜5時間熱処理し、引続き1130℃±30℃の温度で1〜16時間熱処理すると、OSFを生じる。図4に示すように、ウェーハW1ではウェーハの半径の1/2付近にOSFリングが発生する。このOSFリングで囲まれたベーカンシー豊富領域はCOPが出現する傾向がある。これに対して、ウェーハW2ではOSFはリング状にならずに、ウェーハの中心部にのみ発生する。本発明で用いられるシリコンウェーハは、このウェーハW2である。即ち、本発明のシリコンウェーハW2は、図5に示すようにOSFがリング状でなく、中心部にのみ顕在化するように選定して決められた引上げ速度プロファイルで成長したインゴットをスライスして作製される。図6はその平面図である。このシリコンウェーハW2ではOSFがリング状を形成しないため、COPフリーである。また転位ピットの発生もない。
【0015】
上記条件で引上げられたインゴットをスライスして作製されたシリコンウェーハを次の特徴ある3つの方法で熱処理する。
▲1▼ 上記シリコンウェーハW2を100%酸素雰囲気下又は酸素と窒素の混合雰囲気下の800〜900℃に維持された炉の中に入れ、5〜10℃/分の速度で昇温し、1130〜1200℃の温度で1分〜6時間維持した後、4〜2℃/分の速度で降温する。窒素を20〜95%含むことがウェーハ表面近傍の酸素濃度を下げるため好ましい。
▲2▼ 上記シリコンウェーハW2を100%アルゴン雰囲気下の800〜900℃に維持された炉の中に入れ、5〜10℃/分の速度で昇温し、1130〜1200℃の温度で1分〜6時間維持した後、4〜2℃/分の速度で降温する。
▲3▼ 上記シリコンウェーハW3を100%水素雰囲気下又は水素とアルゴンの混合雰囲気下の500〜800℃に維持された炉の中に入れ、5〜10℃/分の速度で昇温し、1150〜1250℃の温度で1分〜4時間維持した後、4〜2℃/分の速度で降温する。水素とアルゴンの混合雰囲気はアルゴンリッチの方が好ましい。
【0016】
上記▲1▼〜▲3▼の方法とも、所定の温度と時間で熱処理すると、ウェーハ中に酸素析出物の核が存在していても、この核は成長しなくなり、従来のOSF顕在化の熱処理を行っても、OSFが発生しなくなる。いずれの方法も熱処理温度は高い程、アニール効果は高いが、この上限値を超えると、熱処理炉からのFe等の汚染のおそれがある。特に上記▲1▼の方法では1200℃を超えると、ウェーハ表面に窒化膜を生成したり、或いはウェーハ中に窒素が拡散して窒化物を生成するおそれがある。また熱処理温度の下限値未満では、アニール効果に乏しく酸素析出物の核が成長するようになる。上記▲2▼及び▲3▼の方法のように、アルゴン雰囲気又は水素雰囲気下で熱処理すると、ウェーハ表面の酸素濃度が、上記▲1▼の酸素雰囲気下の場合に比較して、低くなり、結果的に従来のOSF顕在化の熱処理を行ったときに、▲1▼の方法と比較して、OSFが発生しにくくなる。
【0017】
【実施例】
次に本発明の実施例を比較例とともに説明する。
<実施例1及び実施例2>
図3に示した位置P2に対応する領域をインゴット全長にわたって育成するようにインゴットを引上げた。こうして引上げられたインゴットからスライスされたシリコンウェーハをラッピングし、面取り加工を施した後、鏡面研磨することにより、シリコンウェーハを用意した。
窒素80%と酸素20%の混合雰囲気下、上記用意したシリコンウェーハを800℃に維持された炉の中に入れ、10℃/分の速度で昇温し、1200℃の温度で2時間維持した後、3℃/分の速度で降温した(実施例1)。維持温度を1150℃にした以外、上記用意した別のシリコンウェーハを実施例1と同様に熱処理した(実施例2)。
【0018】
<比較例1〜3>
窒素80%と酸素20%の混合雰囲気下、維持温度を1100℃にした以外、上記用意した別のシリコンウェーハを実施例1と同様に熱処理した(比較例1)。窒素80%と酸素20%の混合雰囲気下、維持温度を1000℃にした以外、上記用意した別のシリコンウェーハを実施例1と同様に熱処理した(比較例2)。更に上記用意した別のシリコンウェーハについては熱処理をしなかった(比較例3)。
【0019】
<実施例3及び実施例4>
100%アルゴン雰囲気下、上記用意した別のシリコンウェーハを800℃に維持された炉の中に入れ、10℃/分の速度で昇温し、1200℃の温度で2時間維持した後、3℃/分の速度で降温した(実施例3)。100%アルゴン雰囲気下、維持温度を1150℃にした以外、上記用意した別のシリコンウェーハを実施例3と同様に熱処理した(実施例4)。
【0020】
<比較例4及び比較例5>
100%アルゴン雰囲気下、維持温度を1100℃にした以外、上記用意した別のシリコンウェーハを実施例3と同様に熱処理した(比較例4)。100%アルゴン雰囲気下、維持温度を1000℃にした以外、上記用意した別のシリコンウェーハを実施例3と同様に熱処理した(比較例5)。
【0021】
<実施例5及び実施例6>
100%水素雰囲気下、上記用意した別のシリコンウェーハを700℃に維持された炉の中に入れ、10℃/分の速度で昇温し、1200℃の温度で2時間維持した後、3℃/分の速度で降温した(実施例5)。100%水素雰囲気下、維持温度を1150℃にした以外、上記用意した別のシリコンウェーハを実施例5と同様に熱処理した(実施例6)。
【0022】
<比較例6及び比較例7>
100%水素雰囲気下、維持温度を1100℃にした以外、上記用意した別のシリコンウェーハを実施例5と同様に熱処理した(比較例6)。100%水素雰囲気下、維持温度を1000℃にした以外、上記用意した別のシリコンウェーハを実施例5と同様に熱処理した(比較例7)。
【0023】
<実施例7及び実施例8>
100%酸素雰囲気下、上記用意した別のシリコンウェーハを800℃に維持された炉の中に入れ、10℃/分の速度で昇温し、1200℃の温度で2時間維持した後、3℃/分の速度で降温した(実施例7)。100%酸素雰囲気下、維持温度を1150℃にした以外、上記用意した別のシリコンウェーハを実施例7と同様に熱処理した(実施例8)。
【0024】
<比較例8及び比較例9>
100%酸素雰囲気下、維持温度を1100℃にした以外、上記用意した別のシリコンウェーハを実施例7と同様に熱処理した(比較例8)。100%酸素雰囲気下、維持温度を1000℃にした以外、上記用意した別のシリコンウェーハを実施例7と同様に熱処理した(比較例9)。
【0025】
実施例1〜8及び比較例1〜9でそれぞれ熱処理したシリコンウェーハについて、パイロジェニック酸化処理を行った。即ち、1000℃の温度で4時間熱処理し、引続き1130℃の温度で3時間熱処理して各ウェーハの中心部の酸素析出物密度を光学顕微鏡により測定した。その結果を図7に示す。また目視によりOSFが顕在化しているか否か調べた。
図7に示すように、比較例1〜9ではシリコンウェーハについて従来のOSF顕在化処理を行うと、酸素析出物密度が1×103/cm3を超えて、ウェーハ中心部に白濁したOSFが出現した。これに対して実施例1〜8ではシリコンウェーハについて従来のOSF顕在化処理を行っても酸素析出物密度は1×103/cm3以下であり、OSFは出現しなかった。特に100%酸素雰囲気下で熱処理した実施例7及び8の酸素析出物密度と比較して、酸素と窒素の混合雰囲気下、アルゴン雰囲気下及び100%水素雰囲気下の実施例1〜6の酸素析出物密度は約1桁小さく、約1×102/cm3であった。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、ウェーハ面内でCOPも転位ピットも発生せず、しかも従来のOSF顕在化熱処理を行うと、ウェーハ中心部にOSFが顕在化するようなシリコンウェーハに対して、このウェーハを酸素雰囲気下、酸素と窒素の混合雰囲気下、アルゴン雰囲気下、水素雰囲気下、或いは水素とアルゴンの混合雰囲気下で1130〜1250℃の温度で1分〜6時間熱処理することにより、COPフリーである上、半導体デバイス工程の熱処理、即ちOSF顕在化処理を行ってもOSFが出現しないOSFフリーのシリコンウェーハが得られる。また熱処理温度が1250℃を超えないため、Fe等の汚染やスリップの発生がほとんどない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボロンコフの理論を基づいた、V/G比が臨界点以上ではべーカンシー豊富インゴットが形成され、V/G比が臨界点以下ではインタースチシャル豊富インゴットが形成されることを示す図。
【図2】所望の引上げ速度プロファイルを決定するための引上げ速度の変化を示す特性図。
【図3】本発明による基準インゴットのベーカンシー豊富領域、インタースチシャル豊富領域及びパーフェクト領域を示すX線トモグラフィの概略図。
【図4】図3の位置P1に対応するシリコンウェーハW1にOSFリングが出現する状況を示す図。
【図5】図3の位置P1に対応するインゴットの軸中心を通って軸方向にスライスした断面図。
【図6】図3の位置P2に対応するシリコンウェーハW2の中心部にOSFが出現する状況を示す図。
【図7】実施例1〜8及び比較例1〜9の各シリコンウェーハについてOSF顕在化熱処理をしたときの酸素析出物密度を示す図。

Claims (3)

  1. ウェーハ面内で結晶に起因したパーティクルも転位ピットも発生していないシリコンウェーハに対して、酸素雰囲気下、1000℃±30℃の温度で2〜5時間熱処理し、引続き1130℃±30℃の温度で1〜16時間熱処理するとウェーハ中心部に酸化誘起積層欠陥が顕在化するシリコンウェーハを熱処理する方法であって、
    前記シリコンウェーハを100%酸素雰囲気下又は酸素と窒素の混合雰囲気下、1130〜1200℃の温度で1分〜6時間熱処理することを特徴とするシリコンウェーハの熱処理方法。
  2. ウェーハ面内で結晶に起因したパーティクルも転位ピットも発生していないシリコンウェーハに対して、酸素雰囲気下、1000℃±30℃の温度で2〜5時間熱処理し、引続き1130℃±30℃の温度で1〜16時間熱処理するとウェーハ中心部に酸化誘起積層欠陥が顕在化するシリコンウェーハを熱処理する方法であって、
    前記シリコンウェーハを100%アルゴン雰囲気下、1130〜1200℃の温度で1分〜6時間熱処理することを特徴とするシリコンウェーハの熱処理方法。
  3. ウェーハ面内で結晶に起因したパーティクルも転位ピットも発生していないシリコンウェーハに対して、酸素雰囲気下、1000℃±30℃の温度で2〜5時間熱処理し、引続き1130℃±30℃の温度で1〜16時間熱処理するとウェーハ中心部に酸化誘起積層欠陥が顕在化するシリコンウェーハを熱処理する方法であって、
    前記シリコンウェーハを100%水素雰囲気下又は水素とアルゴンの混合雰囲気下、1150〜1250℃の温度で1分〜4時間熱処理することを特徴とするシリコンウェーハの熱処理方法。
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