JP3851096B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車の変速装置として用いられるトロイダル型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は従来のトロイダル型無段変速機のバリエータ部分を示す概略図である。このバリエータには、車両の動力源102により回転駆動される入力軸103が設けられており、その両端近傍にはそれぞれ入力ディスク105が支持されている。各入力ディスク105の一側面には、凹湾曲状の軌道面105bが形成されており、その内周には複数条の溝を切ったスプライン穴105aが形成されている。入力ディスク105は、そのスプライン穴105aを、入力軸103に設けられたスプライン軸103aと結合させることによって、入力軸103と一体回転可能に組み付けられている。また、各入力ディスク105は、入力軸103に固定された係止リング151によって互いに離反する方向への移動が規制されている。
【0003】
上記入力軸103の軸方向中央部には、出力部材106aと、この出力部材106aにそれぞれ一体回転可能に支持された一対の出力ディスク106bとを備える出力部106が、入力軸103に対して相対回転自在に設けられている。出力部106はさらに、ハウジング101に固定された固定側部材106c,106dと、固定側部材106dと出力部材106aとの間に装着された玉軸受106eと、固定側部材106cと出力部材106aの一部との間に装着されたころ軸受106fと、左側の出力ディスク106bの背面を覆うケーシング106gと、ケーシング106gの内面と出力ディスク106bの背面との間に隙間106hを設けて配置されたバックアップ板106iと、外周にスプライン溝が設けられ、右側の出力ディスク106b及び出力部材106aがそれぞれスプライン結合するスリーブ106jとを備えている。
【0004】
上記ケーシング106gの中心部は円筒状のスリーブ106kを構成しており、スリーブ106jと軸方向にスプライン結合している。また、スリーブ106kの右方の端部106k1及び106k2はそれぞれ、スリーブ106jの左方の端部106j1及び106j2と当接している。また、右側の出力ディスク106bにおける背面側中央の端部106b1は、スリーブ106jの右方の端部106j3と当接している。ケーシング106gの内部には隙間106hと連通する油路106mが周方向に複数本設けられている。また、固定側部材106cの内部には、油路106mと連通する油路106nが設けられている。油路106mの右出口側は周溝状に形成されており、ケーシング106gが回転しても、油路106mと106nとの連通は維持される。油路106nには油圧動力源109から油圧が供給され、この油圧が隙間106hに導入される。上記各部のうち、各出力ディスク106b、ケーシング106g(スリーブ106kを含む。)、スリーブ106j及び出力部材106aは、一体に且つ入力軸103とは別に回転する部材である。
【0005】
上記出力ディスク106bの、入力ディスク105の軌道面105bに対向する一側面には、凹湾曲状の軌道面106pが形成されている。また、上記出力部材106aの外周には図示しないチェーンと噛み合うスプロケットギヤ106qが形成されており、チェーンを介して図示しない出力軸に動力が伝達されるようになっている。
【0006】
上記隙間106hは上記ケーシング106gの他、図示しないシールによって密封されており、この隙間106hに、油圧動力源109から端末負荷としての油圧を供給することにより、左側の出力ディスク106bを、対向する入力ディスク105方向へ付勢する。また同時に、その反力で、スリーブ106k及び106jを介して、右側の出力ディスク106bを、対向する入力ディスク105方向へ付勢する。
【0007】
互いに対向する入力ディスク105の軌道面105bと出力ディスク106bの軌道面106pとの間は、トロイド状隙間として構成されており、このトロイド状隙間には、それぞれ各軌道面105b,106pと圧接して回転する3個の円盤状のローラ107が円周等配に配置されている。各ローラ107はキャリッジ108によって回転自在に支持されているとともに、当該キャリッジ108によって各軌道面105b,106pとの相対位置を調整できるようになっている。
【0008】
上記バリエータにおいては、入力ディスク105から出力ディスク106bに対して、上記6個のローラ107を介してトルクが伝達される。また、上記6個のローラ107の位置をキャリッジ108によって調整することにより(図4の二点鎖線参照)、出力ディスク106bの回転数(変速比)を増減させることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のトロイダル型無段変速機では、左側の出力ディスク106bに油圧を付与する構成及びその反力を右側の出力ディスク106bに伝達する構成、並びに、各出力ディスク106b等を入力軸103とは別に回転自在に支持する複雑な構成がバリエータの中央部に存在する。従って、これらの構成によって中央部に占める軸方向の寸法が大きく、軸方向へのバリエータのコンパクト化が困難である。また、左側の出力ディスク106bに付与される油圧(端末負荷)の反力が、ケーシング106gからスリーブ106k及び106jを介して右側の出力ディスク106bに伝達されるとき、端部同士(106k1と106j1、106k2と106j2、106b1と106j3)が当接しているが、これらの当接部位の面積は非常に小さく、そのため、応力が集中する。従って、当該当接部位において、比較的早期に摩耗や変形が生じる。この結果、バリエータの寿命が短くなる。
【0010】
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、軸方向寸法がコンパクトで、軸方向に付与される端末負荷に対しての耐久性に富むトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一側面に凹湾曲状の軌道面を有する一対の入力ディスクと、各入力ディスクの軌道面にそれぞれ対向する凹湾曲状の軌道面を有し、前記一対の入力ディスクの間に配置された一対の出力ディスクと、前記入力ディスク及び出力ディスクのそれぞれの軌道面間で構成されるトロイド状隙間に配置され、両軌道面に接して回転しながら両ディスク間のトルク伝達を行う複数のローラと、前記各入力ディスク及び出力ディスクの中心に挿通され、各入力ディスクが一体回転可能に連結された入力軸とを備えたトロイダル型無段変速機において、
前記一対の入力ディスクの一方における軌道面とは反対側の背面にのみ設けられ、当該入力ディスクを、対向する出力ディスクの方向に付勢する端末負荷を付与する油圧シリンダ装置と、当該トロイダル型無段変速機のハウジングに取り付けられ、かつ、前記各出力ディスクの軌道面とは反対側の背面にそれぞれ内輪が配置され、各出力ディスクを回転自在に支持する一対のころ軸受と、前記各出力ディスクの中心及び前記各ころ軸受の内輪に挿通され、これらと一体回転可能に連結されるとともに、前記入力軸に対して相対回転可能であり、両端にねじ加工が施されたスリーブと、前記スリーブに連結されるとともに、軸方向には前記一対のころ軸受間に挟持されたリング状の出力部材とを備え、前記ころ軸受の内輪は、前記端末負荷によって軸方向に移動可能であり、前記スリーブの両端にガイドが螺着されることにより、当該ガイドの外周が前記出力ディスクの内周に接触して当該出力ディスクは前記スリーブに対して垂直な姿勢で取り付けられ、かつ、前記一対の出力ディスクと、前記一対のころ軸受の各内輪と、前記出力部材とは、軸方向に互いに密接した状態に保持され、一体的に軸方向へ移動可能であることを特徴とする(請求項1)。
【0012】
上記のように構成されたトロイダル型無段変速機では、油圧シリンダ装置から付与される端末負荷が、一体的に軸方向へ移動可能である一対の出力ディスクと、一対のころ軸受の各内輪と、出力部材とを介して軸方向に伝達される。また、スリーブの両端にガイドが螺着されることにより、ガイドの外周が出力ディスクの内周に接触して出力ディスクはスリーブに対して垂直な姿勢で取り付けられるので、一対の出力ディスクの間に一対のころ軸受と出力部材とを軸方向に互いに密接させた状態に保持することができる。従って、端末負荷は、内輪の側面全体に作用する。このため、圧力を受ける面積が十分に確保され、単位面積あたりの圧力は小さくなるので、内輪の側面と、これに接触する部材との接触部で変形や摩耗は長期にわたって生じない。また、油圧シリンダ装置は一方の入力ディスクの背面にのみ設けられ、一対の出力ディスク間には油圧シリンダ装置が設けられていない。
【0013】
また、上記トロイダル型無段変速機において、軸受の内輪と出力ディスクとは互いに別部材であるが、これに代えて、軸受の内輪が、対応する各出力ディスクと一体に形成されている構成としてもよい(請求項2)。
この場合、出力ディスクと内輪との間での摩耗は起こり得ない。また、部品点数も減少する。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態によるトロイダル型無段変速機のバリエータ1部分を示す概略図である。このトロイダル型無段変速機において、上記バリエータ1には、車両の動力源により回転駆動される入力軸3が設けられており、その両端近傍にはそれぞれ入力ディスク5が支持されている。
【0015】
各入力ディスク5の一側面には、凹湾曲状の軌道面5bが形成されており、その内周には複数条の溝を切ったスプライン穴5aが形成されている。入力ディスク5は、そのスプライン穴5aを、入力軸3に設けられたスプライン軸3aに結合させることによって、入力軸3と一体回転可能に組み付けられている。右側の入力ディスク5は、入力軸3に一体に設けられた係止部3bによって図示の状態から右方への移動が規制されている。また、左側の入力ディスク5の軌道面5bと反対側の背面には、当該背面全体を覆うケーシング6と、ケーシング6の内周に内接したバックアップ板7と、入力軸3に固定され、入力ディスク5及びバックアップ板7が軸方向の左方に移動することを規制する係止リング8及び止め輪9と、係止リング8の外周に装着され、バックアップ板7に予圧を付与するワッシャ10とが設けられている。
【0016】
上記バックアップ板7の外周にはOリング11が装着されており、ケーシング6の内面と、入力ディスク5の背面と、バックアップ板7とによって囲まれた入力軸3の周りの空間に油室Aが形成されている。油室Aは、入力軸3の中心軸方向に設けられた油路3c及びその右端部近傍から径方向に設けられた油路3dと連通している。また、油路3cは、入力軸3の端部に挿入された固定部材2の内部に設けられた油路2aと連通している。この油路2aは、油圧動力源12と接続されている。このようにして、ケーシング6及びバックアップ板7をシリンダとし、入力ディスク5をピストンとする油圧シリンダ装置が構成されている。
【0017】
上記入力軸3の軸方向中央部には、入力ディスク5の軌道面5bに対向する一側面に凹湾曲状の軌道面14bが形成された一対の出力ディスク14と、各出力ディスク14の軌道面14bとは反対側の背面に配置された一対のころ軸受(円筒ころ軸受)15と、軸方向において一対のころ軸受15間に挟持された出力部材16と、各出力ディスク14の中心及び各ころ軸受15の内輪15bに挿通され、入力軸3と同軸かつ非接触で相対回転可能に配置されたスリーブ17と、リング状の一対のガイド18とからなる出力部13が設けられている。
【0018】
上記ころ軸受15は、ハウジング4の内周から内方に設けられた支持部4aに取り付けられ、内輪15bの側面を、各出力ディスク14の背面に当接させるようにして配置されている。また、内輪15bは、軸方向に押された場合、その移動が可能な程度に装着されている。
上記出力部材16は、リング状の形状の外周にスプロケットギヤ16bが形成されており、このスプロケットギヤ16bにかけられたチェーン19により、外部へ動力が取り出される。
【0019】
上記出力ディスク14の内周、ころ軸受15の内輪15bの内周及び出力部材16の内周には、それぞれ複数条の溝を切ったスプライン穴14a、15a及び16aが設けられており、これらの部材は、スリーブ17に設けられたスプライン軸17aに挿通されることにより、スリーブ17とスプライン結合している。従って、スリーブ17、出力ディスク14、ころ軸受15及び出力部材16は、一体回転が可能である。また、スリーブ17の両端はねじ加工されており、ここにガイド18が螺着される。このガイド18の外周及び、それと接触する出力ディスク14の内周は精密に表面仕上げされており、ガイド18を螺着することにより、出力ディスク14が、スリーブ17に対して正確に垂直な姿勢で取り付けられるようになっている。また、ガイド18は、出力ディスク14に対する抜け止めの役割も有している。これにより、一対のガイド18は、一対の出力ディスク14の間に、一対のころ軸受15と、出力部材16とを軸方向に互いに密接させた状態に保持している。
【0020】
上記のような構造により、一対のころ軸受15は、スリーブ17を介して、一対の出力ディスク14を回転自在に支持しているとともに、出力部材16を回転自在に支持している。また、一対のころ軸受15によりスリーブ17を支持することで、容易に、スリーブ17と入力軸3とは互いに同軸に配置される。このようにしてスリーブ17と入力軸3との同軸性を確保するとともに、前述のガイド18による姿勢の矯正により、出力ディスク14は入力軸3に対して垂直に配置される。
また、前述のように、ころ軸受15の内輪15bが軸方向に移動可能であることにより、一対の出力ディスク14と、一対のころ軸受15と、出力部材16とは、一体的に、軸方向へ所定範囲で移動可能である。この所定範囲とは、出力ディスク14が支持部4aに当接するまでのストロークより短い微小な距離範囲である。
【0021】
一方、互いに対向する入力ディスク5の軌道面5bと出力ディスク14の軌道面14bとの間は、トロイド状隙間として構成されており、このトロイド状隙間には、それぞれ各軌道面5b,14bと圧接して回転する3個の円盤状のローラ20が円周等配に配置されている。各ローラ20はキャリッジ21によって回転自在に支持されているとともに、当該キャリッジ21によって各軌道面5b,14bとの相対位置を調整できるようになっている。
【0022】
上記バリエータ1において、油圧動力源12から油室Aに、端末負荷としての油圧が付与されると、左側の入力ディスク5が右方に付勢され、ローラ20を介して左側の出力ディスク14が右方に付勢される。これにより、左側の出力ディスク14から左側の内輪15b、出力部材16、右側の内輪15bを介して、右側の出力ディスク14が右方に付勢される。これにより、右側の出力ディスク14からローラ20を介して右側の入力ディスク5が押圧されるが、この入力ディスク5は係止部3bにより止められているため、上記端末負荷がバリエータ1全体に付与され、左右の各ローラ20が両ディスク5,14間に所定の圧力で挟持された状態となる。
【0023】
上記のような軸方向への負荷伝達構造において、各出力ディスク14と内輪15bとの接触面積は、実質的に内輪15bの側面全体の面積となる。これにより、所定の十分な面積が確保され、単位面積あたりの圧力は小さくなる。その結果として、内輪15bと各出力ディスク14との接触部で変形や摩耗は長期にわたって生じない。また、各内輪15bと出力部材16との接触についても同様である。従って、当該構造は、軸方向に付与される端末負荷に対しての耐久性に優れたものとなる。
一方、上記出力部13には油圧シリンダ装置が設けられていない。従って、出力部13の構造が簡素であり、軸方向にコンパクトである。また、上記出力部13では、出力部材16を中心として、同一のころ軸受15bが左右対称に配置される。従って、用意するころ軸受は一種類でよく、製造が容易である。
【0024】
このようにして所定の端末負荷が付与された上記バリエータ1においては、各入力ディスク5から対応する出力ディスク14に対して、各3個(左右で6個)のローラ20を介してトルクが伝達される。また、左右各3個のローラ20の位置をキャリッジ21によって調整することにより(図1の二点鎖線参照)、出力ディスク14の回転数(変速比)を増減させることができる。
【0025】
なお、上記実施形態では、ころ軸受15の内輪15bと出力ディスク14とは互いに別部材であるが、他の実施形態として図2に示すように、両者を一体化してもよい。この場合当然に、出力ディスク14と内輪14cとの間での摩耗は起こり得ない。従って、さらに耐久性が向上する。また、部品点数も減少する。
【0026】
なお、図2において、出力ディスク14及び出力部材16は、スプライン軸17aとのスプライン結合により動力伝達を行うが、出力部材16の軸方向幅が充分に広く確保できない場合には出力部材16とスプライン軸17aとの結合におけるスプライン応力が増大して、スプラインに過度の負担がかかる可能性もある。そこで、スプラインに代えて、例えば図3に示すような他の結合形態(キー結合、凹凸結合、ピン結合等)を採用することもできる。すなわち、(a)においては、出力部材16の軸端面及びこれらに対向する出力ディスク14の端面にそれぞれ凹部16d及び14dを設け、ここにキー22を装着する。これにより、キー22を介して出力ディスク14から出力部材16に動力伝達が行われる。また、(b)に示すように、出力部材16の軸端面及びこれに対向する出力ディスク14の端面のいずれか一方に凹部を形成し、他方にはこれに嵌合する凸部を設けることにより、凹凸の嵌合部Xを形成してもよい。さらに(c)に示すように、出力ディスク14と出力部材16とを、ピン23を介して互いに結合してもよい。これらの結合形態を採用した場合は、スプライン加工やシェービング加工が不要となり、製造コストを削減することができる。また、図1に示す構成においても、出力ディスク14と内輪15bとの間、及び、内輪15bと出力部材16との間で、上記のような他の結合形態を採用することもできる。
【0027】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明は以下の効果を奏する。
請求項1のトロイダル型無段変速機によれば、油圧シリンダ装置から付与される端末負荷が、一体的に軸方向へ移動可能である一対の出力ディスクと、一対のころ軸受の各内輪と、出力部材とを介して軸方向に伝達される。また、ガイドの外周が出力ディスクの内周に接触して出力ディスクはスリーブに対して垂直な姿勢で取り付けられるので、一対の出力ディスクの間に一対のころ軸受と出力部材とを軸方向に互いに密接させた状態に保持することができる。従って、端末負荷は、内輪の側面全体に作用する。このため、圧力を受ける面積が十分に確保され、単位面積あたりの圧力は小さくなるので、内輪の側面と、これに接触する部材との接触部で変形や摩耗は長期にわたって生じない。従って、当該トロイダル型無段変速機は、軸方向に付与される端末負荷に対しての耐久性に優れたものとなる。また、油圧シリンダ装置は一方の入力ディスクの背面にのみ設けられ、一対の出力ディスク間には油圧シリンダ装置が設けられていないので、一対の出力ディスク間の構造が簡素化され、その分、軸方向にコンパクトになる。
【0028】
請求項2のトロイダル型無段変速機によれば、出力ディスクと内輪との間での摩耗は起こり得ないので、さらに耐久性が向上する。また、部品点数も減少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるトロイダル型無段変速機のバリエータ部分を示す概略図である。
【図2】本発明の他の実施形態によるトロイダル型無段変速機のバリエータ部分を示す概略図である。
【図3】図2の構成の一部におけるスプライン結合に代わる他の結合形態の例を示す部分断面図である。
【図4】従来のトロイダル型無段変速機のバリエータ部分を示す概略図である。
【符号の説明】
3 入力軸
4 ハウジング
5 入力ディスク
5b 軌道面
6 ケーシング
7 バックアップ板
14 出力ディスク
14b 軌道面
15 ころ軸受
15b 内輪
16 出力部材
17 スリーブ
20 ローラ
Claims (2)
- 一側面に凹湾曲状の軌道面を有する一対の入力ディスクと、各入力ディスクの軌道面にそれぞれ対向する凹湾曲状の軌道面を有し、前記一対の入力ディスクの間に配置された一対の出力ディスクと、前記入力ディスク及び出力ディスクのそれぞれの軌道面間で構成されるトロイド状隙間に配置され、両軌道面に接して回転しながら両ディスク間のトルク伝達を行う複数のローラと、前記各入力ディスク及び出力ディスクの中心に挿通され、各入力ディスクが一体回転可能に連結された入力軸とを備えたトロイダル型無段変速機において、
前記一対の入力ディスクの一方における軌道面とは反対側の背面にのみ設けられ、当該入力ディスクを、対向する出力ディスクの方向に付勢する端末負荷を付与する油圧シリンダ装置と、
当該トロイダル型無段変速機のハウジングに取り付けられ、かつ、前記各出力ディスクの軌道面とは反対側の背面にそれぞれ内輪が配置され、各出力ディスクを回転自在に支持する一対のころ軸受と、
前記各出力ディスクの中心及び前記各ころ軸受の内輪に挿通され、これらと一体回転可能に連結されるとともに、前記入力軸に対して相対回転可能であり、両端にねじ加工が施されたスリーブと、
前記スリーブに連結されるとともに、軸方向には前記一対のころ軸受間に挟持されたリング状の出力部材とを備え、
前記ころ軸受の内輪は、前記端末負荷によって軸方向に移動可能であり、
前記スリーブの両端にガイドが螺着されることにより、当該ガイドの外周が前記出力ディスクの内周に接触して当該出力ディスクは前記スリーブに対して垂直な姿勢で取り付けられ、かつ、前記一対の出力ディスクと、前記一対のころ軸受の各内輪と、前記出力部材とは、軸方向に互いに密接した状態に保持され、一体的に軸方向へ移動可能であることを特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 一側面に凹湾曲状の軌道面を有する一対の入力ディスクと、各入力ディスクの軌道面にそれぞれ対向する凹湾曲状の軌道面を有し、前記一対の入力ディスクの間に配置された一対の出力ディスクと、前記入力ディスク及び出力ディスクのそれぞれの軌道面間で構成されるトロイド状隙間に配置され、両軌道面に接して回転しながら両ディスク間のトルク伝達を行う複数のローラと、前記各入力ディスク及び出力ディスクの中心に挿通され、各入力ディスクが一体回転可能に連結された入力軸とを備えたトロイダル型無段変速機において、
前記一対の入力ディスクの一方における軌道面とは反対側の背面にのみ設けられ、当該入力ディスクを、対向する出力ディスクの方向に付勢する端末負荷を付与する油圧シリンダ装置と、
当該トロイダル型無段変速機のハウジングに取り付けられ、かつ、前記各出力ディスクの軌道面とは反対側の背面にそれぞれ内輪が配置され、各出力ディスクを回転自在に支持する一対のころ軸受と、
前記各出力ディスクの中心及び前記各ころ軸受の内輪に挿通され、これらと一体回転可能に連結されるとともに、前記入力軸に対して相対回転可能であり、両端にねじ加工が施されたスリーブと、
前記スリーブに連結されるとともに、軸方向には前記一対のころ軸受間に挟持されたリング状の出力部材とを備え、
前記ころ軸受の内輪は、前記端末負荷によって軸方向に移動可能であり、かつ、対応する各出力ディスクと一体に形成され、
前記スリーブの両端にガイドが螺着されることにより、当該ガイドの外周が前記出力ディスクの内周に接触して当該出力ディスクは前記スリーブに対して垂直な姿勢で取り付けられ、かつ、その一対の出力ディスクと前記出力部材とは、軸方向に互いに密接した状態に保持され、一体的に軸方向へ移動可能であることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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